JP5183161B2 - ペースト組成物、及びそれを用いたパターンの形成方法、並びにそのパターン - Google Patents

ペースト組成物、及びそれを用いたパターンの形成方法、並びにそのパターン Download PDF

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Description

本発明は、薄型ディスプレイなどに有用なブラックマトリックスパターンや導電性パターンの形成に適したペースト組成物、及びそれを用いたパターンの形成方法、そのパターン、並びにプラズマディスプレイパネルに関する。更に詳しくは、最大波長が350nm〜420nmのレーザー発振光源を用いたレーザー・ダイレクト・イメージング装置に適し、精細なブラックマトリックスパターンや導電性パターンを効率良く形成するのに有用で、かつ保存安定性に優れ、レーザー・ダイレクト・イメージング装置以外の露光方法にも有効に適用できる黒色ペースト組成物、銀ペースト組成物等のペースト組成物、及びそれを用いたブラックマトリックスパターンや導電性パターンの形成方法、そのブラックマトリックスパターンや導電性パターン、並びにプラズマディスプレイパネルに関する。
従来、薄型ディスプレイの前面板には、ブラックマトリックスパターンが使用されている。そしてその形成法は、例えばガラス基板上に、ブラックマトリックスパターン用のレジストを塗布乾燥して塗膜とし、該塗膜を回路や電極パターンが描かれたフォトマスクを通して画像を露光した後、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用してアルカリ水溶液で現像処理することによって回路や電極パターンに対応したレジスト層を形成し焼成することによってガラス基板に密着したブラックマトリックスパターンを形成していた。
また、プラズマディスプレイのガラス基板等には、電極として、導電性パターンが形成されている。そしてその形成法は、例えばガラス基板上に銀含有レジストを塗布乾燥して塗膜とし、該塗膜を電極パターンが描かれたフォトマスクを通して画像を露光した後、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用してアルカリ水溶液で現像処理することによって電極パターンに対応したレジスト層を形成し焼成することによってガラス基板に密着した銀パターンを形成していた。
しかしながら、これらのパターン露光工法では、フォトマスクに欠損がまったくないわけではなく形成したパターンにも欠損が生じたり、フォトマスクおよびガラス基板の伸縮により位置ずれが生じたりする場合があり、特に細線のパターン露光が難しく、大型のパネルの生産の不良率低減が困難であった。また、フォトマスク作成に時間・コストを要することから、特に少量多品種の生産や試作等の場合、フォトマスクのコストが増大することが問題視されていた。
このようなことから、CAD(Computer Aided Design)で作成した回路を、レーザー光により直接描画するレーザー・ダイレクト・イメージング工法(Laser Direct Imaging、以下LDIという)が見直されてきている。LDIは、CADデータから直接パターンの描画を行うため、少量多品種の生産が効率的に行える他、フォトマスクを使わないため位置あわせが正確で、スケーリングの補正も容易であり、フォトマスクへの異物の付着、汚れ、傷の管理の必要がなくなる等、多くの利点を有する。
しかし、LDIでは、レーザー走査により直接描画を行うため、フォトマスクを利用して一括で露光する場合に比べて、タクトタイムが長く、スループットの点が不十分であるという欠点を有していた。スループットを改善するには、レーザーの走査速度を上げることが必要であるが、従来の感光性ペースト組成物は、感度が不十分であるため(適正露光量=300〜500mJ/cm)、走査速度を上げることが難しいという問題があった。
一方、レーザー走査により感光させる組成物としては、特定の色素増感剤、及びチタノセン化合物等を含有する組成物(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照。)や、特定のビスアシルフォスフィンオキサイドを含有するレーザー感光性組成物(例えば、特許文献3参照。)が提案されているが、充分な感光スピードが得られていなかった。
特開2002−351071号公報(特許請求の範囲) 特開2002−351072号公報(特許請求の範囲) 特開2004−45596号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記問題点に鑑み開発されたものであり、その主たる目的は、最大波長が350nm〜420nmのレーザー発振光源等の活性エネルギー線を用いたレーザー・ダイレクト・イメージング装置に適し、精細なパターンを効率良く形成するのに有用で、かつ保存安定性に優れたペースト組成物、及びそれを用いたパターンの形成方法、並びにそのパターンを提供することにある。
更に本発明は、レーザー・ダイレクト・イメージング装置以外の露光方法にも有効に適用できるペースト組成物、及びそれを用いたパターンの形成方法、並びにそのパターンを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を備える。
(1)(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)ガラスフリット、(C)無機粉末、(D)一分子内に少なくとも一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物、及び(E−1)下記一般式(I)で表わされる官能基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、
Figure 0005183161
(式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表わし、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
および、(F)下記一般式(II)で表わされる硫黄化合物を含有するアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物であって、
Figure 0005183161
(式中、R3 はアルキル基、アリール基または置換アリール基を示し、R4 は水素原
子またはアルキル基を示す。また、R3 とR4 は、互いに結合して酸素、硫黄および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員ないし7員環を形成するに必要な非金属原子群を示す。)
前記オキシムエステル系光重合開始剤(E−1)が、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、及び下記一般式(III)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤のいずれか少なくとも1種であることを特徴とするアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
前記オキシムエステル系光重合開始剤(E−1)が、下記一般式(III)で表わされる(1)記載のオキシムエステル系光重合開始剤。
Figure 0005183161
(式中、1つ又は2つのR5は、下記一般式(I)で表わされ(但し、2つのR5が一般式(I)で表わされる場合、R5がそれぞれ異なる場合を含む)、残りのR5は、水素原子、メチル基、フェニル基またはハロゲン原子を表す(但し、各R5がそれぞれ異なる場合を含む)。)
Figure 0005183161
式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表わし、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
(2)前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、さらに(A−1)一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂であることを特徴とする(1)に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(3)さらに、(E−2)下記一般式(IV)で表わされる構造を含むホスフィンオキサイド系光重合開始剤
Figure 0005183161
式中、R6、R7は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アリール基、又はハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されたアリール基、又はいずれか一方が炭素数1〜20のカルボニル基を表わす。
を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(4)前記(3)に記載の組成物において、前記一般式(I)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤(E−1)の配合量が、前記一般式(IV)で表わされるホスフィンオキサイド系光重合開始剤(E−2)の配合量より少ないことを特徴とするアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(5)さらに、(G)ホウ酸を含有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(6)さらに、(H)下記一般式(V)又は一般式(VI)で表わされるリン化合物
Figure 0005183161
を含有することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(7)前記一般式(I)で表わされる化合物(E−1)の配合量が、組成物全体量の0.1〜1.0質量%であることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(8)前記(C)無機粉末は、(C−1)黒色顔料である(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(9)前記(C)無機粉末は、(C−2)銀粉である(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(10)前記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の組成物を、塗布乾燥した塗膜の膜厚1μm当りの吸光度が、0.1〜0.8であることを特徴とするアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
(11)前記(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の組成物を用いたパターンの形成方法であって、
(1)最大波長が350nm〜420nmの活性エネルギー線を用い、パターン描画する工程と、
(2)希アルカリ水溶液で現像することにより選択的にパターン形成する工程と、
(3)400〜600℃で焼成させる工程と、
を含むことを特徴とするパターンの形成方法。
(12)前記パターンは、ブラックマトリックスパターン及び/又は導電性パターンであることを特徴とする(11)記載のパターンの形成方法。
(13)前記(11)又は(12)に記載のパターンの形成方法により得られたパターン。
(14)前記(13)に記載のパターンを含むプラズマディスプレイパネル。
本発明の黒色ペースト組成物,銀ペースト組成物などのペースト組成物は、最大波長が350nm〜420nmのレーザー発振光源を含む活性エネルギー線に対して、優れた光硬化性を示すことから、露光装置として、レーザー・ダイレクト・イメージング装置を用いることができ、従来の露光方法で生じていたフォトマスクおよびガラス基板の伸縮により位置ずれが無く、さらにフォトマスクに付着する異物によるパターン欠損が無くなり、信頼性の高いブラクマトリックスパターンや導電性パターンを形成することが可能となる。
また、レーザー・ダイレクト・イメージング装置を用いることにより、フォトマスクが不要になり、また設計から製造への移管が容易になり、さらに不良率の低減により、製品コスト低減が可能となる。
とくに、上記一般式(II)で表わされる硫黄化合物を配合することにより、レーザー光を含む活性エネルギー線に対する充分な感度を有し、高精度のパターンを形成することができる。
本発明のペースト組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)ガラスフリット、(C)無機粉末、(D)一分子内に少なくとも一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物、及び(E−1)前記一般式(I)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤、(F)前記一般式(II)に示す硫黄化合物を含有しており、最大波長が350nm〜420nmのレーザー発振光源を含む活性エネルギー線に対して、優れた光硬化性を示すという特徴を有している。
さらに、好適な態様においては、上記組成物に、(G)ホウ酸を含有しており、保存安定性に優れた組成物を提供することができる。また、(H)リン化合物を含有しており、保存安定性に優れた組成物を提供することができる。
(A)カルボキシル基含有樹脂
以下、本発明のペースト組成物の各構成成分について詳しく説明する。
本発明のペースト組成物に含まれるカルボキシル基含有樹脂(A)としては、分子中にカルボキシル基を含有している公知慣用の樹脂化合物が使用できる。
具体的には、下記に列挙するような樹脂が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上と共重合することにより得られるカルボキシル基含有樹脂、
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上との共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物や(メタ)アクリル酸クロライドなどによって、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(3)グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した二級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(5)多官能エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(6)ポリビニルアルコー誘導体などの水酸基含有ポリマーに、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させた後、生成したカルボン酸に一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られる水酸基及びカルボキシル基含有感光性樹脂、
(7)多官能エポキシ化合物と、不飽和モノカルボン酸と、一分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と、エポキシ基と反応するアルコール性水酸基以外の1個の反応性基を有する化合物との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(8)一分子中に少なくとも2個のオキセタン環を有する多官能オキセタン化合物に不飽和モノカルボン酸を反応させ、得られた変性オキセタン樹脂中の第一級水酸基に対して飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、及び
(9)多官能エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させた後、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、更に、分子中に1個のオキシラン環と1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
これらの例示の中で好ましいものとしては、上記(2)及び(3)の分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が、光硬化性、焼成性の面から好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂(A)は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価は、40〜200mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは45〜120mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、200mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となるので好ましくない。
また、上記カルボキシル基含有樹脂(A)の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、タックフリー性能が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがあり、貯蔵安定性が劣ることがある。
このようなカルボキシル基含有樹脂(A)の配合量は、(C)として(C−1)黒色顔料を用いる場合は、全組成物中に、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜50質量%である。また(C)として(C−2)銀粉を用いる場合は、全組成物中に、好ましくは2〜50質量%、より好ましくは4〜30質量%である。配合量が少なすぎると、塗膜強度が低下したりするので好ましくない。一方、多すぎると、粘性が高くなり、塗布性等が低下するので好ましくない。
(B)ガラスフリット
本発明のペースト組成物に用いられるガラスフリット(B)としては、軟化点が300〜600℃の低融点ガラスフリットが用いられ、酸化鉛、酸化ビスマス、又は酸化亜鉛を主成分とするものが好適に使用できる。また、解像度の点から平均粒径20μm以下のもの、好ましくは5μm以下のものを用いることが好ましい。酸化鉛を主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、PbOが48〜82%、Bが0.5〜22%、SiOが3〜32%、Alが0〜12%、BaOが0〜10%、ZnOが0〜15%、TiOが0〜2.5%、Biが0〜25%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
また、酸化ビスマスを主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、Biが35〜88%、Bが5〜30%、SiOが0〜20%、Alが0〜5%、BaOが1〜25%、ZnOが1〜20%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
さらに、酸化亜鉛を主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、ZnOが25〜60%、KOが2〜15%、Bが25〜45%、SiOが1〜7%、Al が0〜10%、BaOが0〜20%、MgOが0〜10%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
このようなガラスフリットの配合量は、好ましくは、全組成物中に1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%である。配合量が少なすぎると基材との密着性が劣り、配合量が多すぎると組成物の増粘やゲル化を生ずる恐れがあり、何れも好ましくない。
(C)無機粉末
(C−1)黒色顔料
本発明の黒色ペースト組成物に用いられる黒色顔料(C−1)としては、Cu、Fe、Cr、Mn、Co、Ru、La等の単独の金属酸化物及び/又は金属元素2種以上からなる複合酸化物が好適に用いることができる。その平均粒径としては、解像度の点より好ましくは10μm以下、より好ましくは2.5μm以下のものを用いる。一方、黒色度の点からは、好ましくは平均粒径1.0μm以下、より好ましくは0.6μm以下のものが好適である。
このような黒色顔料の中で、特に比表面積が1.0〜20m/gの範囲にある四三酸化コバルト(Co)微粒子を用いることが好ましい。この理由は、その比表面積が1.0m/g未満では、露光によるパターン形成の精度が低下し、ラインエッジの直線性、あるいは充分な黒さの焼成皮膜が得られ難くなるためである。一方、20m/gを超えると、粒子の表面積が大きくなり過ぎて現像の際にアンダーカットを生じやすくなる。
また、黒色顔料(C−1)の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部当り10〜100質量部の範囲が適当である。少なすぎると、焼成後に充分な黒さが得られず、好ましくない。一方、多すぎると、光透過性が低下し、アンダーカットを生じ易くなるので、好ましくない。
(C−2)銀粉
本発明の銀ペースト組成物に用いられる銀粉(C−2)は、ペーストに導電性を付与するものであり、公知慣用の銀粉が使用できるが、X線解析パターンにおけるAg(111)面ピークの半価幅が0.15°以上、好ましくは0.19°以上の値を示すものを用いることが、焼成性の面から好ましい。この半価幅が0.15未満の銀粉(C−2)では、銀粉の結晶化度が高く、粒子間の焼結が起こりにくいため、620℃以下の焼成温度では抵抗値が下がらないため好ましくない。また、該半価幅は1.0°以下であることが好ましい。半価幅が1.0°を超えると銀粉末の結晶化度が低く、粒子間の結着が進みすぎ、ラインの不規則なうねりやよれを生じるおそれがあるため好ましくない。
このような銀粉(C−2)は、一般的に、アトマイズ法や化学還元法などの方法により製造される。アトマイズ法は、溶融した銀を気体、水等の流体により噴霧し銀粉末を得る方法で、球状の粒子が得られやすく、量産性に優れている。化学還元法は、水溶性銀塩を、還元剤を用いて化学反応させて銀粉末を得る方法である。具体的には、水溶性銀塩として硝酸銀を用い、還元剤として苛性アルカリやアンモニウム塩、ヒドラジン等の塩基を用いて金属銀を析出させ、次いで得られた銀スラリーを水洗、乾燥させて銀粉末を得る方法である。
このようにして得られる銀粉(C−2)は、球状、フレーク状、デントライト状など種々の形状のものを用い用いることができるが、特に光特性や分散性を考慮すると球状のものを用いることが好ましい。
また、この銀粉(C−2)は、電子顕微鏡(SEM)を用いて10,000倍にて観察したランダムな10個の銀粉末の平均粒径で、0.1〜5μm、好ましくは0.4〜2.0μmの大きさのものを用いることが好ましい。この平均粒径が0.1μm未満の場合、光の透過性が悪くなり高精細なパターンが描き難くなり、一方、平均粒径が5μmを超える場合、ラインエッジの直線性が得られ難くなるので好ましくない。なお、マイクロトラックによって測定した平均粒径では、0.5〜3.5μmの大きさのものを用いることが好ましい。
さらに、この銀粉(C−2)は、比表面積が0.01〜2.0m/g、好ましくは0.1〜1.0m/gのものを用いることが好ましい。この比表面積が0.01m/g未満の場合、保存時に沈降を引き起こし易く、一方、比表面積が2.0m/gを超える場合、吸油量が大きくなってペーストの流動性が損なわれるため好ましくない。
このような銀粉(C−2)の配合量は、銀ペースト組成物100質量部中に、好ましくは50〜90質量部が適当である。銀粉の配合量が少なすぎると、かかるペーストから得られる導電性パターンの充分な導電性が得られず、一方、多すぎると、基材との密着性が悪くなるので好ましくない。
(C−3)その他の無機粉末
無機粉末として、黒色顔料と銀粉を挙げたが、本発明は黒色顔料と銀粉とを両方含むものであってもよい。また、これら黒色顔料、銀粉以外にも目的・用途に応じて、白金、パラジウム、ニッケル、銅、アルミニウム、錫、鉛、亜鉛、鉄、イリジウム、オスミウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、ルテニウムなどの金属類、酸化錫、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide)などの無機粉末を黒色顔料、銀粉末とともに、或いはこれらとは別に配合することも可能である。
(D)一分子内に少なくとも一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物
本発明に用いられる前記一分子内に少なくとも一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物(D)としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノ又はジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルのアクリレート類;上記ヒドロキシアルキルアクリレートのイソシアネート変成物である多官能もしくは単官能ポリウレタンアクリレート;及びメラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各(メタ)アクリレート類などが挙げられ、これらは単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で、特に一分子内に少なくとも二つ以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物、例えば、ペンタエリストールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが、光硬化性に優れ、好ましい。
尚、以下、この化合物を、重合性モノマーと略す場合がある。
このような一分子内に少なくとも一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有する(D)の配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは、10〜70質量部の割合である。前記配合量が、少なすぎると、光硬化性が低下し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が困難となるので、好ましくない。一方、多すぎると、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下して、塗膜が脆くなるので、好ましくない。
(E−1)前記一般式(I)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤、
本発明のペースト組成物に用いられる光重合開始剤(E)としては、例えばLDI用ペースト組成物として上記一般式(I)で表わされる官能基を有するオキシムエステル系光重合開始剤(E−1)を用いることが考えられる。オキシムエステル系光重合開始剤の具体例としては、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、及び下記一般式(VII)で表わされる
Figure 0005183161
2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オンが挙げられる。これらの中で、上記式(VII)で表される化合物、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オンが、特に好ましい。市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のCGI−325がある。
このような光重合開始剤(E−1)の配合量としては、組成物全体の0.1〜1.0質量%の割合が好ましい。また、このようなオキシムエステル系光重合開始剤(E−1)の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.01〜5質量部の割合である。オキシムエステル系光重合開始剤(E−1)の配合量が、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、少なすぎると、充分な光硬化性が得られないので、好ましくない。一方、多すぎると、厚膜硬化性が低下して、製品のコストアップにつながるので、好ましくない。
本発明のペースト組成物は、さらに高感度化するために、上記一般式(IV)で表わされる構造を含むホスフィンオキサイド系光重合開始剤(E−2)を配合することが好ましい。
このようなホスフィンオキサイド系光重合開始剤(E−2)としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
このようなホスフィンオキサイド系光重合開始剤(E−2)の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、60質量部以下、好ましくは50質量部以下の割合である。ホスフィンオキサイド系光重合開始剤(E−2)の配合量が、60質量部を超えた場合、厚膜硬化性が低下して、製品のコストアップに繋がるので、好ましくない。
また、前記一般式(I)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤(E−1)の配合量が、上記一般式(IV)で表わされるホスフィンオキサイド系光重合開始剤(E−2)の配合量と少なくとも等量またはより少ないことが、高感度で厚膜硬化性を得るために、好ましい。
本発明のペースト組成物は、さらに必要に応じて、公知慣用の光重合開始剤を併用することができる。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類などが挙げられる。特に、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、またはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系光重合開始剤を併用することが、深部硬化性の面から好ましい。
このようなチオキサントン系光重合開始剤またはホスフィンオキサイド系光重合開始剤の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下の割合である。これらチオキサントン系光重合開始剤の配合量が、多すぎると、厚膜硬化性が低下して、製品のコストアップに繋がるので、好ましくない。
(F)上記一般式に示す硫黄化合物
この硫黄化合物を配合することにより組成物のレーザー光を含む活性エネルギー線に関する感度を向上することできるが、本発明者はその理由を以下のように推測している。光照射部位においては、ラジカル重合反応が進行するにしたがい重合性モノマーの拡散がおこりにくくり、重合速度や反応率の低下がおこり未反応の重合性モノマーが残存する場合がある。しかしながら、連鎖移動剤として作用する硫黄化合物(F)を添加することで、重合反応が効率よく進行し反応率を高め、結果として高感度化が達成可能であったと考えられる。
(G)ホウ酸
さらに、本発明のペースト組成物は、保存安定性を上げるために、ホウ酸(G)を加えることが、好ましい。
このようなホウ酸(G)は、ジェットミル、ボールミル、ロールミルなどにより微粉化した平均粒経(D50)が、20μm以下、好ましくは5μm以下のものが用いられる。このように微粉化したものは、吸湿・再凝集しやすくなるため、粉砕後は速やかに使用することが好ましい。またペースト中に含まれる樹脂や溶剤などとともに粉砕することも出来る。
このようなホウ酸(G)の配合割合は、前記ガラスフリット(B)100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部が適当であり、より好ましくは、0.1〜2質量部である。ホウ酸の配合割合が、前記ガラスフリット(B)100質量部に対して、少なすぎると、保存安定性向上効果が無いので、好ましくない。
尚、このようにホウ酸(G)を配合する場合、25℃の水100gに対する溶解度が20g以下の疎水性溶媒を用いる必要がある。水に対する溶解度の高い有機溶媒を用いた場合、有機溶媒中に溶け込んだ水が、ガラスフリット中に含まれる金属をイオン化させ、ゲル化の原因となるので、好ましくない。
(H)リン化合物
さらにまた、本発明のペースト組成物の保存安定性をより向上させるために、上記一般式(V)又は一般式(VI)で表わされるリン化合物(H)を配合させることが好ましい。
このようなリン化合物(H)としては、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸プロピル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジブチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジフェニル、リン酸イソプロピル、リン酸ジイソプロピル、リン酸nブチル、亜リン酸メチル、亜リン酸エチル、亜リン酸プロピル、亜リン酸ブチル、亜リン酸フェニル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸イソプロピル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸nブチルー2−エチルヘキシルヒドロキシエチリレンジホスホン酸、アデノシン三リン酸、アデノシンリン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、ジエチレングリコールアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート等が挙げられる。これらのリン化合物は、単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらリン化合物(H)の配合量としては、前記ガラスフリット(B)100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは、0.1〜5質量部である。リン化合物(H)の配合量が、前記ガラスフリット(B)100質量部に対して、10質量部を超えた場合、焼成性が低下するので、好ましくない。
(その他の配合物)
本発明のペースト組成物は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の合成や組成物の調整のため、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらは単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のペースト組成物は、さらに必要に応じて、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
(組成物の使用)
以上説明したような本発明のペースト組成物は、例えば前記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基板上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、例えば約60〜120℃で5〜40分程度乾燥させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。又は、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったものを基板上にラミネートすることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。
なお、このようにして乾燥した塗膜の膜厚1μm当りの吸光度は、0.1〜0.8であることが、パターン形成性の面から好ましい。
その後、接触式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3%炭酸ソーダ水溶液)により現像してブラックマトリックスパターン、導電性パターンが形成される。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザー・ダイレクト・イメージング装置)を用いることができる。活性エネルギー線源としては、最大波長が350nm〜420nmの範囲にあるレーザー光を出すレーザーダイオード、ガスレーザー、固体レーザーなどが挙げられ、特にレーザーダイオードが好ましい。
上記直接描画装置としては、例えば日本オルボテック社製、ペンタックス社製、日立ビアメカニクス社製、ボール・セミコンダクター社製等のものを使用することができ、いずれの装置を用いてもよい。
また、上記直接描画装置以外にも、従来の露光機を用いることもできる。その光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。
また、前記現像には、スプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシドなどのアミン水溶液、特に約1.5質量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボキシル基含有樹脂(A)のカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行なうことが好ましい。
上記現像によりパターン形成された基板は、空気中又は窒素雰囲気下、約400〜600℃で焼成することにより、ブラックマトリックスパターン、導電性パターン等の所望のパターンを形成することができる。
以下に実施例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではないことはもとよりである。
合成例1:カルボキシル基含有樹脂の合成
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタアクリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で6時間攪拌し、カルボキシル基含有樹脂溶液を得た。この樹脂は、重量平均分子量が約10,000、酸価が74mgKOH/gであった。なお、得られた共重合樹脂の重量平均分子量の測定は、(株)島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和電工(株)製カラムShodex(登録商標)KF−804,KF−803,KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。以下、このカルボキシル基含有樹脂溶液を、A−1ワニスと称す。
合成例2:カルボキシル基含有感光性樹脂の合成
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸の仕込み比をモル比で0.76:0.24とし、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で6時間攪拌し、カルボキシル基含有樹脂溶液を得た。このカルボキシル基含有樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドを用い、グリシジルメタクリレートを、95〜105℃で16時間の条件で、上記樹脂のカルボキシル基1モルに対し0.12モルの割合の付加モル比で付加反応させ、冷却後取り出した。上記反応により生成したカルボキシル基含有感光性樹脂の重量平均分子量は約10,000、酸価は59mgKOH/g、二重結合当量は950であった。以下、このカルボキシル基含有感光性樹脂溶液を、A−2ワニスと称す。
[黒色ペーストを用いた直接描画装置によるパターン形成]
実施例1〜9及び比較例1
前記合成例1,2で得られたA−1ワニス及びA−2ワニスを用いた表1に示す配合成分を、3本ロールミルで混練し、黒色ペースト組成物を得た。
Figure 0005183161
上記実施例1〜9及び比較例1の黒色ペースト組成物を用い、ガラス基板上に300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布した。次に、熱風循環式乾燥炉を用い、90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次いで、ライン幅100μm、スペース幅150μmとなるストライプ状のCADデータを用いて、光源として中心波長が405nmの青紫色レーザーを有するレーザー・ダイレクト・イメージング露光装置(ペンタックス社製 DI−μ10)にて、組成物上の積算光量が40mJ/cmとなるよう露光した。その後、液温30℃の0.4wt%NaCO水溶液を用いて20秒間現像を行い、水洗した。最後に電気炉を用いて空気中にて焼成した。
なお、焼成は室温から590℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、590℃で10分間保持し、その後室温まで放冷する工程を行なった。
このようにして得られた各基板の各種特性について評価した結果を、表2に示した。
なお、表2中の評価方法は以下の通りである。
(1)吸光度の測定
ソーダライムガラスに乾燥膜厚5μmおよび10μmの塗膜を形成した評価基板の吸光度を、紫外可視分光光度計を用いて測定した。得られたデータから、405nmにおける厚さ1μmあたりの吸光度を算出した。
(2)レーザー感光性の評価
L/S=100/150μmのラインを積算光量50mJ/cmにて露光し、液温30℃の0.4wt%NaCO水溶液を用いて20秒間現像を行い、光学顕微鏡にてラインが形成できたかどうかを評価した。評価基準は以下の通りである。
○:全く欠損が見られない。
△:若干の欠損が見られる。
×:ラインが形成できない。
(3)最低露光量の算出
積算光量を変えて露光を行い、L/S=100/150μmのラインが欠損無く形成できる最小の露光量を測定した。なお、比較例はレーザーでの露光時間が長くなり実用的ではないので、以後の試験は実施しなかった。
(4)パターン形成後のライン形状
前記の最低露光量にて露光した場合の、アルカリ現像型の黒色ペースト組成物における現像後のパターンを顕微鏡で観測し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:不規則なばらつきがなく、よれ等がない。
△:若干不規則なばらつき、よれ等がある。
×:不規則なばらつき、よれ等がある。
(5)焼成後のライン形状
焼成後のライン形状は、焼成まで終了したパターンを顕微鏡で観測し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:不規則なばらつきがなく、よれ等がない。
△:若干不規則なばらつき、よれ等がある。
×:不規則なばらつき、よれ等がある。
(6)密着性
密着性は、セロハン粘着テープによるピーリングを行い、パターンの剥離がないかどうかで評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:パターンの剥離がない。
△:若干パターンの剥離がある。
×:パターンの剥離がよくある。
Figure 0005183161
表2が示す結果から明らかなように、本発明の黒色ペースト組成物は、レーザー光に対する十分な感度を有し、高精細のパターンを形成できることがわかる。更には、焼成後のライン形状に不規則なバラツキがなく、基材との密着性にも優れるものであった。
なお、焼成後の黒さも満足し得るものであり、保存安定性も優れていた。
[銀ペースト組成物を用いた直接描画装置によるパターン形成]
実施例10〜18及び比較例2
前記合成例1,2で得られたA−1ワニス及びA−2ワニスを用いた表3に示す配合成分を、3本ロールミルで混練し、銀ペースト組成物を得た。
Figure 0005183161
上記実施例10〜18及び比較例2の銀ペースト組成物を用い、ガラス基板上に300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布した。次に、熱風循環式乾燥炉を用い、90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次いで、ライン幅50μm、スペース幅200μmとなるストライプ状のCADデータを用いて、光源として中心波長が405nmの青紫色レーザーを有するレーザー・ダイレクト・イメージング露光装置(ペンタックス社製 DI−μ10)にて、組成物上の積算光量が40mJ/cm2となるよう露光した。その後、液温30℃の0.4wt%NaCO水溶液を用いて20秒間現像を行い、水洗した。最後に電気炉を用いて空気中にて焼成した。
なお、焼成は室温から590℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、590℃で10分間保持し、その後室温まで放冷する工程を行なった。
このようにして得られた各基板の各種特性について評価した結果を表4に示した。
なお、表4中の評価方法のうち、(1)吸光度の測定、(4)パターン形成後のライン形状、(5)焼成後のライン形状及び(6)密着性は、上記実施例1〜9、比較例1と同じである。ただし、(2)レーザー感光性の評価、(3)最低露光量の算出、(7)比抵抗値の測定は以下のようにして行った。
(2)レーザー感光性の評価
L/S=50/200μmのラインを積算光量50mJ/cmにて露光し、液温30℃の0.4wt%NaCO水溶液を用いて20秒間現像を行い、光学顕微鏡にてラインが形成できたかどうかを評価した。評価基準は以下の通りである。
○:全く欠損が見られない。
△:若干の欠損が見られる。
×:ラインが形成できない。
(3)最低露光量の算出
積算光量を変えて露光を行い、L/S=50/200μmのラインが欠損無く形成できる最小の露光量を測定した。なお、比較例はレーザーでの露光時間が長くなり実用的ではないので、以後の試験は実施しなかった。
(7)比抵抗値の測定
パターン寸法0.4cm×10cmのCADデータをもちいて露光すること以外は、上記(焼成後のライン形状)の評価と同様にして試験基板を作製した。こうして得られた試験基板について、ミリオームハイテスターを用いて焼成皮膜の抵抗値を測定し、次いで、サーフコーターを用いて焼成皮膜の膜厚を測定し、焼成皮膜の比抵抗値を算出した。
Figure 0005183161
表4が示す結果から明らかなように、本発明のアルカリ現像型の銀ペースト組成物は、レーザー光に対する十分な感度を有し、高精細のパターンを形成できることがわかる。更には、焼成後のライン形状に不規則なバラツキがなく、比抵抗値も電極材料として十分であり、基材との密着性も良好で保存安定性に優れるものであった。
[黒色ペースト組成物を用いたランプ式露光によるパターン形成]
上記実施例1〜9及び比較例1のアルカリ現像型の黒色ペースト組成物を用い、ガラス基板上に300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布した。次に、熱風循環式乾燥炉を用い、90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次いで、ライン幅100μm、スペース幅150μmとなるストライプ状のネガパターンが形成されたガラス乾板をフォトマスクとして用い、光源として超高圧水銀灯を備えた露光装置(伯東社製 MAT−5301)にてペースト上の積算光量が50mJ/cmとなるよう露光した。その後、液温30℃の0.4質量%NaCO水溶液を用いて20秒間現像を行い水洗した。最後に電気炉を用いて空気中にて焼成した。
なお、焼成は室温から590℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、590℃で10分間保持し、その後室温まで放冷する工程を行なった。
このようにして得られた各基板の各種特性について評価した結果を表5に示した。なお、表5中の評価方法は、上記実施例1〜9及び比較例1の場合と同じである(但し、この実施例、比較例では吸光度の測定はしていない)。
Figure 0005183161
表5が示す結果から明らかなように、本発明のアルカリ現像型の黒色ペースト組成物は、光源として超高圧水銀灯を用いた場合でも充分な感度を有し、高精細のパターンを形成できることがわかった。
[銀ペースト組成物を用いたランプ式露光によるパターン形成]
上記実施例10〜18及び比較例2のアルカリ現像型の銀ペースト組成物を用い、ガラス基板上に300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布した。次に、熱風循環式乾燥炉を用い、90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次いで、ライン幅50μm、スペース幅200μmとなるストライプ状のネガパターンが形成されたガラス乾板をフォトマスクとして用い、光源として超高圧水銀灯を備えた露光装置(伯東社製 MAT−5301)にてペースト上の積算光量が40mJ/cmとなるよう露光した。その後、液温30℃の0.4質量%NaCO水溶液を用いて20秒間現像を行い水洗した。最後に電気炉を用いて空気中にて焼成した。
なお、焼成は室温から590℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、590℃で10分間保持し、その後室温まで放冷する工程を行なった。
このようにして得られた各基板の各種特性について評価した結果を表6に示した。なお、表6中の評価方法は、上記実施例10〜18の場合と同じである(但し、この実施例、比較例では吸収度の測定、比抵抗値の測定はしていない)。
Figure 0005183161
表6が示す結果から明らかなように、本発明のアルカリ現像型の銀ペースト組成物は、光源として超高圧水銀灯を用いた場合でも充分な感度を有し、高精細のパターンを形成できることがわかった。
[黒色銀ペースト組成物を用いたランプ式露光によるパターン形成]
実施例19〜26及び比較例3
前記合成例で得られたA−1ワニス及びA−2ワニスを用いた表7に示す配合成分を、3本ロールミルで混練し、アルカリ現像型の黒色銀ペースト組成物を得た。
Figure 0005183161
無機成分として黒色顔料と銀粉の両方を含有するアルカリ現像型の黒色銀ペースト組成物の評価も行った。上記実施例19〜26及び比較例3の黒色銀ペースト組成物を用い、ガラス基板上に300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布した。次に、熱風循環式乾燥炉を用い、90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次いで、ライン幅50μm、スペース幅200μmとなるストライプ状のネガパターンが形成されたガラス乾板をフォトマスクとして用い、光源として超高圧水銀灯を備えた露光装置(伯東社製 MAT−5301)にてペースト上の積算光量が40mJ/cmとなるよう露光した。その後、液温30℃の0.4質量%NaCO水溶液を用いて20秒間現像を行い水洗した。最後に電気炉を用いて空気中にて焼成した。
なお、焼成は室温から590℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、590℃で10分間保持し、その後室温まで放冷する工程を行なった。
このようにして得られた各基板の各種特性について評価した結果を表8に示した。なお、表8中の評価方法は、実施例10〜18、比較例2の場合と同じである。
Figure 0005183161
表8が示す結果から明らかなように、本発明のアルカリ現像型の黒色銀ペースト組成物は、充分な感度を有し、高精細のパターンを形成できることがわかった。

Claims (14)

  1. (A)カルボキシル基含有樹脂、
    (B)ガラスフリット、
    (C)無機粉末、
    (D)一分子内に少なくとも一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物、
    (E−1)下記一般式(I)で表わされる官能基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、
    Figure 0005183161

    式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表わし、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    および、
    (F)下記一般式(II)で表わされる硫黄化合物を含有するアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物であって、
    Figure 0005183161

    (式中、R3 はアルキル基、アリール基または置換アリール基を示し、R4 は水素原
    子またはアルキル基を示す。また、R3 とR4 は、互いに結合して酸素、硫黄および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員ないし7員環を形成するに必要な非金属原子群を示す。)
    前記オキシムエステル系光重合開始剤(E−1)が、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、及び下記一般式(III)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤のいずれか少なくとも1種であることを特徴とするアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
    Figure 0005183161

    (式中、1つ又は2つのR5は、下記一般式(I)で表わされ(但し、2つのR5が一般式(I)で表わされる場合、R5がそれぞれ異なる場合を含む)、残りのR5は、水素原子、メチル基、フェニル基またはハロゲン原子を表す(但し、各R5がそれぞれ異なる場合を含む)。)
    Figure 0005183161

    式中、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基を表わし、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  2. 前記カルボキシル基含有樹脂(A)が、さらに(A−1)一つ以上のラジカル重合性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  3. さらに、(E−2)下記一般式(IV)で表わされる構造を含むホスフィンオキサイド系光重合開始剤
    Figure 0005183161

    (式中、R6、R7は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アリール基、又はハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されたアリール基、又はいずれか一方が炭素数1〜20のカルボニル基を表わす。)
    を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  4. 前記請求項に記載の組成物において、前記一般式(I)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤(E−1)の配合量が、前記一般式(IV)で表わされるホスフィンオキサイド系光重合開始剤(E−2)の配合量より少ないことを特徴とするアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  5. さらに、(G)ホウ酸を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  6. さらに、(H)下記一般式(V)又は一般式(VI)で表わされるリン化合物
    Figure 0005183161

    を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  7. 前記一般式(I)で表わされる化合物(E−1)の配合量が、組成物全体量の0.1〜1.0質量%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  8. 前記(C)無機粉末は、(C−1)黒色顔料である請求項1乃至のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  9. 前記(C)無機粉末は、(C−2)銀粉である請求項1乃至のいずれか一項に記載のアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  10. 前記請求項1乃至のいずれか一項に記載の組成物を、塗布乾燥した塗膜の膜厚1μm当りの吸光度が、0.1〜0.8であることを特徴とするアルカリ現像型の焼成用ペースト組成物。
  11. 前記請求項1乃至10のいずれか一項に記載の組成物を用いたパターンの形成方法であって、
    (1)最大波長が350nm〜420nmの活性エネルギー線を用い、パターン描画する工程と、
    (2)希アルカリ水溶液で現像することにより選択的にパターン形成する工程と、
    (3)400〜600℃で焼成させる工程と、
    を含むことを特徴とするパターンの形成方法。
  12. 前記パターンは、ブラックマトリックスパターン及び/又は導電性パターンであることを特徴とする請求項11記載のパターンの形成方法。
  13. 前記請求項11又は12に記載のパターンの形成方法により得られたパターン。
  14. 前記請求項13に記載のパターンを含むプラズマディスプレイパネル。
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