JP6058890B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
更に近年では、一枚のガラス基板(マザーガラス)から出来るだけ多くの液晶パネルを切り出す設計がなされている。これに伴い、液晶を封止する材料は、カラーフィルターを有する基板においてはブラックマトリクス上に塗工され、対向基板(TFT基板)においてはTFT配線上に懸かって塗工されるようになってきた。よって、UV硬化時にカラーフィルター、TFT基板どちらの面からUV照射してもシール剤に照射されない影部が生じ、この影部にてシール剤成分が未硬化であると、シール剤成分が熱硬化時に液晶へ染み出すためシール周辺部の表示特性を低下させてしまうという問題があった。
このため、上記影部の出来るだけ深部まで光硬化でき、液晶への溶出物が少ない光ラジカル開始剤及びシール剤が求められてきた。
従って、本発明の目的は、光硬化及び熱硬化の2段階硬化を特長とし、液晶との接触時における汚染性が低く、接着強度が高く、反応率低下が抑制された硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた封止剤、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子を提供することにある。
(A)下記一般式(I)で表されるオキシムエステル系光ラジカル開始剤
(B)ラジカル硬化性樹脂
(C)潜在性エポキシ硬化剤
(D)エポキシ樹脂
(E)カルボキシル基を有する化合物(但し、一般式(I)で表される化合物を除く)
R3及びR4は、それぞれ独立に、R11、OR11、SR11、COR11、CONR12R13、NR12COR11、OCOR11、COOR11、SCOR11、OCSR11、COSR11、CSOR11、CN又はハロゲン原子を表し、
R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
a及びbは、0を表し、
Xは、硫黄原子又はNR33を表し、
R33は、炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、
R33で表される置換基のアルキル部分は、分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、R33は、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよく、
R5はOH,COOH又は下記一般式(II)で表される基を表す。)
Z2は、結合手であって、1〜3のR6で置換された炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、
Z2で表される結合手のアルキレン部分は、−O−、−COO−又は−OCO−により1〜5回中断されていてもよく、Z2で表される結合手のアルキレン部分は分岐側鎖があってもよく、環状アルキレンであってもよく、
R6は、OR41、SR41、CONR42R43又はCOOR41を表し、
R41、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、R41、R42及びR43で表される置換基のアルキル部分は分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、R42とR43は、一緒になって環を形成していてもよく、
cは1〜3の整数を表す。)
(2)上記(B)ラジカル硬化性樹脂が、分子内にメタクリル基及びアクリル基から選ばれる基を2個以上有するモノマー又はオリゴマーである。
(3)上記(B)ラジカル硬化性樹脂の比率が、上記(B)ラジカル硬化性樹脂と(D)エポキシ樹脂の合計を100重量部としたとき、40〜90重量部である。
(4)上記(A)上記一般式(I)で表されるオキシムエステル系ラジカル開始剤0.05〜5重量%、上記(B)ラジカル硬化性樹脂20〜90重量%、上記(C)潜在性エポキシ硬化剤4〜60重量%、上記(D)エポキシ樹脂5〜60重量及び上記(E)カルボキシル基を有する化合物(但し、一般式(I)で表される化合物を除く)0.1〜10重
量%を含有する。
(5)上記(E)カルボキシル基を有する化合物(但し、一般式(I)で表される化合物
を除く)が、芳香族カルボン酸化合物である。
また、本発明は、上記液晶滴下工法用シール剤を用いてなる液晶表示素子を提供するものである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記の(A)〜(E)成分を含有する。下記成分のうち、(A)及び(B)成分は、光硬化性樹脂成分であり、(C)及び(D)成分は、熱硬化性樹脂成分であり、(E)成分は、安定剤成分である。以下、各成分について順に説明する。
(A)上記一般式(I)で表されるオキシムエステル系光ラジカル開始剤
(B)ラジカル硬化性樹脂
(C)潜在性エポキシ硬化剤
(D)エポキシ樹脂
(E)カルボキシル基を有する化合物(但し、一般式(I)で表される化合物を除く)
本発明に用いられる(A)光ラジカル開始剤は、上記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物である。
また、上記一般式(I)中の、R11、R12、R13、R21、R22、R23、R31、R32、R33及びR34で表される置換基、及びR41、R42及びR43で表される置換基のアルキル部分は、分岐側鎖があってもよく、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン等の環状アルキルであってもよい。
また、上記一般式(II)中の、Z2で表される基のアルキレン部分は、分岐側鎖があってもよく、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロへプチレン、シクロオクチレン等の環状アルキレンであってもよい。
上記一般式(I)中のR5が上記一般式(II)で表わされる基であり、同式中のZ1が−O−又は−OCO−である化合物は、感度が高く、製造が容易であるため好ましい。
また、上記一般式(I)中のR2が、炭素原子数1〜20のアルキル基、特に炭素原子数1〜5のアルキル基である化合物は、製造が容易であり、光ラジカル開始剤としての感度が高いため好ましい。
また同式中のR6が、OH、SH、CONH2、COOH、特にOH、COOHである化合物は、液晶の汚染性が低いため好ましい。
即ち、ケトン体1と亜硝酸エステルを塩酸存在下で反応させることにより、オキシム化合物2を得る。続いて、該オキシム化合物2に、酸無水物3又は酸クロリド3'を反応させることにより、上記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物を得る。下記反応式では、上記一般式(I)中のXが硫黄原子の場合を記載しているが、同式中のXが酸素原子、セレン原子、CR31R32、CO、NR33又はPR34であるものも、上記の方法に準じて製造することができる。
本発明で用いられる(B)ラジカル硬化性樹脂は、ラジカル重合性官能基を有し、紫外線等の光を照射することにより重合して硬化する光硬化性樹脂である。上記ラジカル重合性官能基とは、紫外線等の活性エネルギー線によって重合し得る官能基を意味し、例えば、メタクリル基、アクリル基、アリル基等が挙げられる。(B)ラジカル硬化性樹脂としては、例えば、メタクリレート、アクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、速やかに反応が進行することや接着性が良好であるという点から、メタクリレート、アクリレート、特に、(B’)分子内にメタクリル基及びアクリル基から選ばれる基を2個以上有するモノマー又はオリゴマーが好適である。
また、市販品としては、例えば、EA−1020、EA−6320、EA−5520(以上、新中村化学工業社製);エポキシエステル70PA、エポキシエステル3002A(以上、共栄社化学社製)等が挙げられる。
また、その他のメタクリレート、アクリレートとしては、例えば、メチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、グリセリンジメタクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ/メタクリル樹脂又はエポキシ/アクリル樹脂としては、例えば、上記エポキシ樹脂のエポキシ基の一部分を常法に従って、塩基性触媒の存在下メタクリル酸又はアクリル酸と反応させることにより得られる化合物、2官能以上のイソシアネート1モルに水酸基を有するメタクリルモノマー又はアクリルモノマーを1/2モル、続いてグリシドールを1/2モル反応させて得られる化合物、イソシアネート基を有するメタクリレート又はアクリレートにグリシドールを反応させて得られる化合物等が挙げられる。上記エポキシ/メタクリル樹脂又はエポキシ/アクリル樹脂の市販品としては、例えば、UVAC1561(ダイセルサイテック社製)、4HBAGE(日本化成社製)等が挙げられる。
本発明に用いられる潜在性エポキシ硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、変性ポリアミン、ヒドラジド類、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、三フッ化ホウ素アミン錯塩、イミダゾール類、グアナミン類、イミダゾール類、ウレア類及びメラミン等が挙げられる。
上記エポキシ付加変性物に用いられる上記エポキシ化合物としては、脂環族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等が適している。これらエポキシ化合物は1種類又は2種類以上混合して使用される。
本発明に用いられる(D)エポキシ樹脂としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類、及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化アクリロニトリル−ブタジエン共重合物、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂は末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたもの或いは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。中でも好ましく用いられるものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ベンゾフェノン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA−プロピレンオキシド変性エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化共役ジエン重合体、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられ、更に25℃にて、液体又は過冷却にて液状であるものは本発明の硬化性樹脂組成物中において析出が起こりにくく、エポキシ樹脂が均一に混ざりやすいため特に好ましい。また、分子内にエポキシ基を2個以上有する場合、反応性に優れ、シール剤の接着性にも優れるため好ましい。尚、過冷却にて液状とは、無溶剤又は溶剤で希釈した状態のものを、加熱して溶解させた後、無溶剤の場合は冷却、溶剤にて希釈したものは溶剤を留去後に冷却し、25℃において析出物が無い状態を言う。
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本発明に用いられる(E)カルボキシル基を有する化合物(但し、一般式(I)で表さ
れる化合物を除く)(以下、(E)カルボキシル基を有する化合物ともいう)は、ポットライフ性向上に寄与するものであり、具体的には(A)成分のラジカル開始剤の劣化を抑制するものと考えられる。
また(E)カルボキシル基を有する化合物の酸価は、ポットライフ性向上効果とカルボン酸化合物の配合量のバランスから、10〜300mgKOH/gの範囲であることが好ましく、20〜150mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。
本発明の液晶表示素子は、封止剤(シール剤)として、本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いたものであり、例えば、所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、その周囲を本発明の液晶滴下工法用シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されるという構造を有する。封入される液晶としては、その種類は限定されないが、上述した重合性液晶組成物に対してより効果が大きい。また使用される基板としては、ガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。
その製法としては、例えば本発明の液晶滴下工法用シール剤に、グラスファイバー等のスペーサー(間隙制御材)を添加後、一対の基板の一方にディスペンサ等により液晶滴下工法用シール剤を塗布した後、該液晶滴下工法用シール剤の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、紫外線照射機により液晶シール部に紫外線を照射させて光硬化させる。紫外線照射量は、好ましくは500mJ/cm2〜6000mJ/cm2、より好ましくは1000mJ/cm2〜4000mJ/cm2の照射量が好ましい。その後、90〜130℃で0.5〜2時間硬化することにより本発明の液晶表示素子を得ることができる。このようにして得られた本発明の液晶表示素子は、液晶汚染による表示不良が無く、接着性、耐湿信頼性に優れたものである。上記スペーサーとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等が挙げられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2〜8μm、好ましくは4〜7μmである。その使用量は、本発明の液晶滴下工法用シール剤100重量部に対し通常0.1〜4重量部、好ましくは0.5〜2重量部、更に好ましくは0.9〜1.5重量部程度である。
ジクロロエタン92gと塩化アルミ21.7g(163 mmol)からなる溶液に、4−(フェニルチオ)安息香酸15g(65mmol)を加え、次いで、6℃以下でプロピオニルクロライド9.0g(97mmol)を滴下した。1時間攪拌後、反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルを加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。更に有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、脱溶媒し、下記[化20]に示すアシル体aを18.7g得た。
上記<ステップ1>で得られたアシル体aの10.0g(35mmol)と濃塩酸3.6g(35mmol)とジメチルホルムアミド30gからなる溶液に、亜硝酸イソブチル5.4g(52mmol)を加え、室温で3.5時間攪拌した。攪拌後、反応液に、酢酸エチルと水を加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。固体の析出した有機層にヘキサンを加え、ろ過した。得られた固体を減圧乾燥し、下記[化21]に示すオキシム体aを8.6g得た。
上記<ステップ2>で得られたオキシム体aの4.0g(13mmol)と、ピリジン2.1g(27mmol)とジメチルホルムアミド12gからなる溶液を、−10℃以下の状態にし、無水酢酸1.6g(15mmol)を滴下し、滴下後5℃で2時間攪拌した。攪拌後、反応液に、酢酸エチルと水を加え油水分離し、有機層を水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、脱溶媒し、化合物No.2を4.5g得た。
化合物No.26、No.44、及びNo.45及びNo.46は、製造例1に記載した方法に従って、対応するケトンから製造した。
反応フラスコにビスフェノールF型エポキシ樹脂EP4900(ADEKA社製、エポキシ価169g/eq)500g、及びトルエン1000gを加え撹拌した。そこにトリエチルアミン10g、メトキシフェノール2.5g、及びメタクリル酸320gを加え95℃まで加熱し、その温度で22時間撹拌した。反応はエポキシ価測定による残量が1%以下になるまで行った。70℃まで冷却しトルエン1000gを加え、水500gで1回洗浄し、NaOH水溶液(0.1N)500gで3回洗浄し、更に、純水500gで、水層の電気伝導度が1μS/cmになるまで洗浄した。エバポレーターで脱溶媒(60℃)し、収量600g(収率94.1%)、粘度(25℃)120Pa・s、及び酸価0mgKOH/gのビスフェノールFエポキシアクリレート変性樹脂を得た。尚、粘度はE型回転粘度計にて25℃、1.5rpm/minにおける値を示す。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂EP4900をビスフェノールA−PO変性型エポキシ樹脂EP4000に変更し、メタクリル酸をアクリル酸に変更した以外は製造例6と同様の手法で、収量385g(収率90%)、粘度(25℃)40Pa・S、及び酸価0mgKOH/gのEP4000のエポキシアクリレート変性樹脂を得た。
メタクリル酸をアクリル酸に変更した以外は製造例6と同様の手法で、収量600g(収率94%)、粘度(25℃)120Pa・S、及び酸価0mgKOH/gのビスフェノールFエポキシアクリレート変性樹脂を得た。
反応フラスコ中の1,3−ビスアミノシクロヘキサン140gにアデカレジンEP4100(ADEKA社製、BPAグリシジルエーテル)250gを100℃で添加した。その後140℃に上げ、2時間付加反応を行い、ポリアミンNo.1を得た。このポリアミンNo.1の25gに融点100℃のフェノールノボラック樹脂であるMP−800K(旭有機材工業製、軟化点73℃)3gを加え、150℃にて60分溶融マスキング反応を行い、潜在性エポキシ硬化剤No.1を得た。得られた潜在性エポキシ硬化剤No.1をジェットミルにて5μm以下の粒径に粉砕した。融点は78℃であった。
反応フラスコ中のプロピレンジアミン100gを60℃に加温し、これにEP−4100の340gを温度90〜100℃に保ち攪拌しながら少しずつ加え反応を行った。添加終了後、フラスコの温度を140℃に上げ、1.5時間付加反応を行い、ポリアミンNo.2を得た。ポリアミンNo.2の25部にMP−800Kを加え150℃1時間溶融マスキング反応を行い、潜在性エポキシ硬化剤No.2を得た。得られた潜在性エポキシ硬化剤No.2をジェットミルにて5μm以下の粒径に粉砕した。融点は80℃であった。
以下の原料及び配合量に従い配合し、三本ロールミルにて分散、混練を行った後、更に遊星式攪拌脱泡装置にて脱泡し、本発明の液晶滴下工法用シール剤を得た。
(A−1)製造例1で得られた化合物No.2
(A−2)製造例2で得られた化合物No.26
(A−3)製造例3で得られた化合物No.44
(A−4)製造例4で得られた化合物No.45
(A−5)製造例5で得られた化合物No.46
(B−1)製造例6で得られたビスフェノールFエポキシメタクリレート変性樹脂
(B−2)製造例7で得られたEP−4000のアクリレート変性樹脂
(B−3)NKエステル DCP(新中村化学社製):トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート
(B−4)カヤラッド DCPA−60(日本化薬社製):カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(B−5)製造例8で得られたビスフェノールFエポキシアクリレート
(C−1)製造例9で得られた潜在性エポキシ硬化剤No.1
(C−2)製造例10で得られた潜在性エポキシ硬化剤No.2
(C−3)アミキュアVDH(味の素ファインテクノ社製):ヒドラジド系硬化剤、融点120℃
(D−1)EP−4000(ADEKA社製):ビスフェノールA−プロピレンオキシド変性グリシジルエーテル型エポキシ樹脂:
(D−2)EPR−4030(ADEKA社製):NBR変性型エポキシ樹脂
(E−1)NK−エステル CBX−1N(新中村化学社製):多官能アクリレートの無水フタル酸変性物、酸価75mgKOH/g
(E−2)アロニックス M−510(東亞合成社製):多塩基酸変性アクリルオリゴマー、酸価80〜120mgKOH/g
(E−3)アロニックス M−520(東亞合成社製):多塩基酸変性アクリルオリゴマー、酸価20〜40mgKOH/g
(E’−1)ライトエステル P−1M(共栄社化学社製):リン酸系化合物
(F−1)SE−1030(アドマテック社製:シリカゲル):平均粒径0.3μm:充填剤
(F−2)SE−2500(アドマテック社製:シリカゲル):平均粒径0.5μm:充填剤
(F−3)F.351(ガンツ化成社製:コアシェルゴムフィラー):平均粒径0.3μm:充填剤
(G)Z−6040(東レ・ダウコーニング社製):シランカップリング剤
上記実施例及び比較例で得られたシール剤を室温下、0日(初期)、1週間、2週間放置し、Tg測定用のシール剤サンプルとした。サンプルを2枚のガラス板にて挟み、高圧水銀灯で片面5J/cm2の条件で表裏照射し、120℃、2時間熱硬化することで、厚さ0.24mmの硬化物(試験片)を作製した。試験片を熱弾性スペクトロメータ(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、EXSTAR DMS6100)を用いてTgの測定をした。5℃/min、10Hzの条件におけるTanδの最大値をTgとした。0日(初期)のTgを100としたときの、相対値を〔表3〕及び〔表4〕に示す。サンプルの放置によるTg低下は、シール剤の劣化により、硬化させた際に十分に硬化できていないことを表す。
Claims (11)
- 下記の(A)〜(E)成分を含有する硬化性樹脂組成物。
(A)下記一般式(IV)で表されるオキシムエステル系光ラジカル開始剤
(B)ラジカル硬化性樹脂
(C)潜在性エポキシ硬化剤
(D)エポキシ樹脂
(E)脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、ビスフェノール化合物と多塩基酸無水物のエステル化物、ポリオール化合物と多塩基酸無水物のエステル化物、多官能アクリレートの無水フタル酸変性物又は多塩基酸変性アクリルオリゴマー
R3及びR4は、それぞれ独立に、R11、OR11、SR11、COR11、CONR12R13、NR12COR11、OCOR11、COOR11、SCOR11、OCSR11、COSR11、CSOR11、CN又はハロゲン原子を表し、
R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基又は炭素原子数2〜20の複素環基を表し、
a及びbは、0を表し、
Xは、硫黄原子又はNR33を表し、
R33は、炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、
R33で表される置換基のアルキル部分は、分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、R33は、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよく、
R5はOH,COOH又は下記一般式(II)で表される基を表す。)
Z2は、結合手であって、1〜3のR6で置換された炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、
Z2で表される結合手のアルキレン部分は、−O−、−COO−又は−OCO−により1〜5回中断されていてもよく、Z2で表される結合手のアルキレン部分は分岐側鎖があってもよく、環状アルキレンであってもよく、
R6は、OR41、SR41、CONR42R43又はCOOR41を表し、
R41、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、R41、R42及びR43で表される置換基のアルキル部分は分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、R42とR43は、一緒になって環を形成していてもよく、
cは1〜3の整数を表す。) - 上記(C)潜在性エポキシ硬化剤の融点が、50〜110℃である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 上記(B)ラジカル硬化性樹脂が、分子内にメタクリル基及びアクリル基から選ばれる基を2個以上有するモノマー又はオリゴマーである請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- 上記(B)ラジカル硬化性樹脂の比率が、上記(B)ラジカル硬化性樹脂と上記(D)エポキシ樹脂の合計を100重量部としたとき、40〜90重量部である請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 上記(A)上記一般式(I)で表されるオキシムエステル系ラジカル開始剤0.05〜5重量%、上記(B)ラジカル硬化性樹脂20〜90重量%、上記(C)潜在性エポキシ硬化剤4〜60重量%、上記(D)エポキシ樹脂5〜60重量及び上記(E)カルボキシル基を有する化合物(但し、一般式(I)で表される化合物を除く)0.1〜10重量%を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 上記(E)カルボキシル基を有する化合物が、芳香族カルボン酸化合物である請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる封止剤。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる液晶滴下工法用シール剤。
- 液晶滴下工法に用いられる液晶組成物が、重合性官能基を有する液晶化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 上記重合性官能基が、メタクリル基又はアクリル基である請求項9に記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項8〜10の何れか1項に記載の液晶滴下工法用シール剤を用いてなる液晶表示素子。
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