JP5561989B2 - レーザーを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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本発明の他の態様によれば、前記冷却は、前記塗膜が形成された面を台座に接触するよう載置するパターン形成方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、前記冷却は、前記塗膜が形成された面を水中に浸漬させるパターン形成方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、前記レーザーの波長は、266〜10600nmであることを特徴とするパターン形成方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、前記レーザー照射に、YVO4レーザーの第二高調波が用いられることを特徴とするパターン形成方法が提供される。
まず、本実施形態のパターン形成方法に用いられるペーストは、無機粉末を含有していればよく、必要に応じ、溶剤、有機樹脂、安定剤等を含んでもよい。
乾燥工程として、上記塗布工程で得られた塗膜を熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜150℃で5〜60分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。なお、本実施形態のペーストは、予めフィルム状に成膜したドライフィルムとして用いてもよい。
本実施形態の冷却工程における冷却方法の例を、図1、2、3を用いて具体的に説明するが、本発明にかかる冷却工程は、レーザー照射部の熱拡散を緩和するものであればよく、以下に示す冷却方法に限定されない。
また、上記スポット冷却の他の態様として、基材面を介してレーザーを照射し所望のパターンを形成すると同時に乾燥塗膜のレーザー照射部に低温空気を噴射し冷却する方法等もある。
本実施形態のパターン形成方法に用いられるペーストには、かかる方法の為の特別な材料を用いなければならないということは無く、無機粉末が均一に分散されていれば良く、一例として、フォトリソグラフィーと焼成工程を含むパターン形成方法において従来から用いられているアルカリ現像型の材料を使用することができる。
これらの有機溶剤の配合量は、塗布作業性の観点からペースト中の有機成分に対して、5〜90質量%の割合で配合する。より好ましくは20〜70質量%で配合することができる。
一例として、パターン以外の部分を除去する工程がアルカリ現像の場合、有機バインダーとしては、カルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチレン性二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。好適に使用できる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)としては、以下のようなものが挙げられる。
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸クロライドなどにより、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(3)グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基にテトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、スチレンなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(5)多官能エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基にテトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(6)メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(7)ポリビニルアルコールなどの水酸基含有ポリマーに多塩基無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、及び
(8)ポリビニルアルコールなどの水酸基含有ポリマーに、テトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂などが挙げられ、特に(1)、(2)、(3)、(6)の樹脂が好適に用いられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
上述した各必須成分、ならびに任意成分との混練分散は、三本ロールやブレンダー等の機械が用いられ、本発明にかかるパターン形成方法に好適に用いられる。
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.76:0.24のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を入れ、窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイドを用い、グリシジルメタクリレートを95〜105℃で16時間の条件で上記樹脂のカルボキシル基1モルに対し0.12モルの割合の付加モル比で付加反応させ冷却後取り出し有機バインダーを得た。この有機バインダーは、重量平均分子量が約10,000、固形分酸価が59mgKOH/g、二重結合当量が950であった。なお、得られた共重合樹脂の重量平均分子量の測定は、島津製作所社製ポンプLC−6ADと昭和電工社製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
塗布及び乾燥工程:
高歪点ガラス(PD200:旭ガラス社製)基板上に、後述する評価用のペーストを200メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で30分間乾燥して指触乾燥性の良好な乾燥塗膜(膜厚10μm)を形成した。
(スポット冷却)
上記の方法で作成した乾燥塗膜を、照射距離3cmにて乾燥塗膜の塗膜表面に焦点距離を合わせ、YVO4レーザー(第二高調波;532nm)を照射し、これに合わせて低温空気をレーザー照射部に噴射し評価パターンを形成した。この際、冷却機器としてTOHINエアクーラー(東浜工業社製)を用いた。スポット冷却時の雰囲気温度は−2℃から−3℃であった。
上記の方法で作成した乾燥塗膜の塗膜面をステンレス製の台座に接触するよう載置し、その上方から照射距離3cmにてガラス基材面を介して乾燥塗膜に焦点距離を合わせ、YVO4レーザー(第二高調波;532nm)を照射して評価パターンを形成した。(図2参照)
上記の方法で作成した乾燥塗膜の塗膜面を水中に浸漬させておき、その上方から照射距離3cmにてガラス基材面を介して乾燥塗膜に焦点距離を合わせ、YVO4レーザー(第二高調波;532nm)を照射して評価パターンを形成した。(図3参照)
上記の方法で作成した評価パターンを、液温30℃の0.4質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー法にてレーザー未照射部分が完全に落ちるまで現像を行った。
<線幅>
上記方法にて作成された現像後の評価パターンの線幅を光学顕微鏡にて測定した。
*2:Bi2O3 50%、B2O3 16%、ZnO 14%、SiO2 2%、BaO 18%。熱膨張係数α300=86×10−7/℃、ガラス軟化点501℃
パターニング方法評価1
上記で得られた導電ペーストを用いて上記方法により作成した乾燥塗膜について、冷却工程としてスポット冷却を行ったパターニング方法及び冷却工程を含まないパターニング方法(通常照射)によるレーザー出力0.2、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0Wの場合におけるレーザー照射速度0.1、0.5、1.0、1.5mm/sで得られた評価パターンの各々の線幅を上記測定方法にて評価した。参考例としてスポット冷却を行った場合の評価結果を表2に、比較例として通常照射の場合の評価結果を表3に示す。
パターニング方法評価2
上述のスポット冷却以外の冷却方法として、ステージ冷却(ガラス基材面照射)、水中冷却(水面−ガラス基材面照射)について評価を行った。
上記方法により得られた乾燥塗膜について、レーザー出力0.2、1.0Wの場合におけるレーザー照射速度0.1、0.5、1.0、1.5mm/sで得られた各々の評価パターンの線幅を上記方法にて評価した。ステージ冷却を行った場合を実施例1〜8、水中冷却を行った場合を実施例9〜16とした。評価結果を表4に示す。なお、表4中の比較例1〜4、9〜12は表3に示した通常照射の場合の、また、参考例1〜4、9〜12は表2に示したスポット冷却を行った場合の、レーザー出力0.2、1.0Wにおける線幅の評価結果である。
2…塗膜
3…基材
4…低温空気
5…台座
6…水浴
Claims (3)
- 基材上に形成した無機粉末を含む塗膜に対し、パターンを描画するレーザー照射と同時にそのレーザー照射部を冷却する冷却工程と、前記パターン以外の部分を除去する工程と、
を含み、前記冷却工程は、前記塗膜が形成された面を台座に接触させ、又は、水中に浸漬させる方法であることを特徴とするパターン形成方法。 - 前記レーザーの波長は、266〜10600nmであることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記レーザー照射に、YVO4レーザーの第二高調波が用いられることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
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