JP2004266142A - 電磁波シールド体の製造方法 - Google Patents

電磁波シールド体の製造方法 Download PDF

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Yasushi Masahiro
泰 政広
Satoshi Odajima
智 小田嶋
Toshihiko Egawa
敏彦 江川
Junya Ishida
純也 石田
Noriyoshi Hosono
則義 細野
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Abstract

【課題】視認性を損なうこと等のない電磁波シールド体の製造方法を提供する。
【解決手段】透明ガラス30の表面に紫外線により硬化する黒色層34と導電層35を順次重ねて積層形成する工程と、これらをパターンマスク36を介して露光、現像するとともに、透明ガラス30の裏面側から黒色層34を露光して中間体を形成する工程と、中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電パターン形成する工程等とを備える。そして、熱処理前における導電層35を厚さ4〜20μmに形成し、熱処理後における電磁波シールド層の導電層35を4〜18μmの厚さとする。導電層35の熱処理前後の厚さを係る範囲内に設定すれば、黒色層34と導電層35を安定に塗布して有効に両立させることができ、電磁波シールド層のパターン損傷を抑制防止して表面抵抗値を低減できる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の表示画面等から放射される電磁波をシールドする電磁波シールド体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビには様々なタイプがあるが、近年、図6に示すようなカラーのPDP1が注目されている。このPDP1は、発光部であるパネル本体2と、このパネル本体2の前面に装着される前面パネル3とを備え、視野角、応答速度、低消費電力に優れるという特徴を有している。
【0003】
前面パネル3は、図7に示すように、透明ガラス30の表面に電磁波シールド層31と無反射処理層32とが順次積層され、透明ガラス30の裏面には近赤外線吸収層33が積層形成されており、枠フレーム等と組み合わされる。透明ガラス30の表面には、電磁波をシールド(遮蔽)して周囲の電気・電子機器や人体等に対する悪影響を抑制防止する電磁波シールド層31が形成されるが、この電磁波シールド層31を形成する場合には、例えば透明ガラス30の表面に、導電性の金属粉末を含有したインクをスクリーン印刷法によりパターン形成する方法が採用される(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62‐57297号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平9‐283977号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁波シールド体は、以上のように透明ガラス30に、金属粉末含有のインクをスクリーン印刷法により単にパターン形成しているが、これでは、パターンの形成に伴い、透明ガラス30が全体として曇るので、透明ガラス30に求められる重要な視認性を損なうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、視認性を損なうこと等のない電磁波シールド体の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、電磁波をシールドするものの製造方法であって、
透明基板の一面に感光性の黒色層と導電層とを重ねて形成する工程と、これらをパターン露光、現像して中間体を形成する工程と、中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成する工程とを含み、
熱処理前における導電層を厚さ4〜20μmに形成し、熱処理後における電磁波シールド層の導電層を厚さ4〜18μmに形成することを特徴としている。
【0009】
なお、黒色層を、紫外線により硬化可能な樹脂組成物を含有した黒色インクにより形成し、導電層を、紫外線により硬化可能な樹脂組成物に銀粒子を含有した銀インクにより形成することが好ましい。
また、熱処理前における黒色層を厚さ1〜10μmに形成し、熱処理後における電磁波シールド層の黒色層を厚さ0.5〜5μmに形成すると良い。
【0010】
ここで特許請求の範囲における透明基板としては、強化ガラスの他、歪みの問題を生じなければ、例えばアクリル基板等が使用される。この透明基板には、電磁波シールド層の他、無反射処理層や電子機器の誤作動を防止する近赤外線吸収層を適宜形成することができる。黒色層の導電性や絶縁性の有無については特に問うものではない。また、本発明に係る電磁波シールド体は、PDPの前面パネルの一部として使用されるが、何らこれに限定されるものではない。例えば、FED等の他の機器に応用することもできる。さらに、PDPには、DC型、AC型、ハイブリッド型があるが、何ら限定されるものではない。
【0011】
本発明によれば、透明基板に導電層を直接設けるのではなく、透明基板と導電層との間に、光線を吸収する黒色層を介在させ、透明基板に導電層を間接的に設けるので、透明基板の曇りを抑制することができる。したがって、透明基板の視認性を向上させることができる。
また、熱処理前における導電層の厚さを4〜20μmとすれば、導電層を円滑、かつ容易に形成することができ、電磁波シールド層を形成する熱処理後の導電層を4〜18μmの厚さにすれば、電磁波シールド層のパターン欠損を抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における電磁波シールド体の製造方法は、図1ないし図5に示すように、透明ガラス30の表面に紫外線により硬化する黒色層34と導電層35とを順次重ねて積層形成する工程と、これら黒色層34と光線透過性の導電層35とをパターンマスク36を介して露光、現像するとともに、透明ガラス30の裏面側から黒色層34を露光して中間体37を形成する工程と、この中間体37を熱処理して電磁波シールド層31を導電パターン形成する工程等とを備え、熱処理前における導電層35を厚さ4〜20μmに形成し、熱処理後における電磁波シールド層31の導電層35を4〜18μmの厚さとするようにしている。
【0013】
透明ガラス30は、例えば強化されて耐熱性や透光性に優れる平面略矩形のガラス板からなる。この透明ガラス30は、具体的には平坦なソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が使用される。透明ガラス30の厚さは、特に限定されるものではないが、視認性や透光性の確保の観点から薄いほうが好ましい。具体的には、視認性、透光性、機械的強度の観点から0.05〜5mm、好ましくは1.5〜3.0mm程度の厚さに形成される。
【0014】
黒色層34は、少なくとも紫外線により硬化可能な樹脂組成物を含有した黒色インクからなり、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じ加えられて透明ガラス30の全表面に形成される。
この黒色層34は、例えば、紫外線硬化型の樹脂組成物、黒色顔料、金属酸化物系着色剤、所定の溶剤等を適宜配合して調製される。
導電層35は、例えば紫外線により硬化する樹脂組成物に導電性付与フィラーを含有した導電インクからなり、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じ加えられて黒色層34の全表面に重ねて形成される。この導電層35は、紫外線硬化型の樹脂組成物に銀粒子を含有した銀インクにより塗布形成されることが好ましい。
【0015】
黒色層34と導電層35に用いられる紫外線硬化型の樹脂組成物としては、水、アルカリ性水溶液、溶剤等により現像できれば良く、これらの中でも、解像度や作業性の観点からアルカリ性水溶液により現像可能な樹脂組成物が望ましい。
このような樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、不飽和二重結合を有する架橋性モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤からなることで達成される。
【0016】
アルカリ可溶性樹脂の具体例をあげると、例えばカルボン酸のような酸性基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体が最適である。酸性基の成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸2‐メタクリロイルオキシエチル、コハク酸2‐アクリロイルオキシエチル、フタル酸2‐メタクリロイルオキシエチル、フタル酸2‐アクリロイルオキシエチル等をあげることができる。
【0017】
エチレン性不飽和成分としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n‐プロピルアクリレート、n‐プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n‐ブチルアクリレート、n‐ブチルメタクリレート、sec‐ブチルアクリレート、sec‐ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert‐ブチルアクリレート、tert‐ブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等があげられる。
なお、アルカリ可溶性樹脂については、アルカリ現像性を損なわない範囲で上記成分と他のモノマーとの種々の共重合体を使用することができる。
【0018】
不飽和二重結合を有する架橋性モノマーは、少なくとも1のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、光照射により光重合開始剤から発生したラジカルで反応し、アルカリ現像液に対する溶解性を低下させてパターンを形成する。
具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2‐エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2‐メトキシアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4‐ブタンジオールジアクリレート、1,5‐ペンタンジオールジアクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート、1,3‐プロパンジオールジアクリレート、1,4‐シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2‐ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4‐ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4‐トリメチル‐1,3‐ペンタンジオールジアクリレート、1,10‐デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートをメタクリレートに置き換えたもの、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1‐ビニル‐2‐ピロドリン等があげられる。
なお、上記架橋性モノマーについては、2種以上組み合わせて使用することができる。
【0019】
光重合開始剤は、通常のネガタイプのフォトリソグラフに使用可能であれば、特に限定されるものではない。具体的には、ベンゾフェノン、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸メチル、4,4‐ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α‐アミノアセトフェノン、4,4‐ジクロロベンゾフェノン、4‐ベンゾイル‐4‐メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニル‐ケトン、フルオレソン、2,2‐ジエトキシアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐1,2‐ジフェニルエタン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1 フェニルプロパン‐1‐オン、p‐t‐ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2‐メチルチオキサントン、2‐クロロチオキサントン、2‐イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル‐メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2‐t‐ブチルアントラキノン、2‐アミルアントラキノン、β‐クロロアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4‐アジトベンザルアセトフェノン、2,6‐ビス(p‐アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6‐ビス(p‐アジトベンジリデン)‐4‐メチルシクロヘキサノン、2‐フェニル‐1,2ブタジオン‐2‐(o‐メトキシカルボニル)オキシム、1‐フェニル‐プロパンジオン‐2‐(o‐エトキシカルボニル)オキシム、1‐フェニル‐3‐エトキシ‐プロパントリオン‐2‐(o‐ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2メチル‐1〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルフォニルクロライド、N‐フェニルチオアクドリン、4,4‐アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールスルフィド、トリフェニルフォスフィン、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド、カンファーキノン等が該当し、2種以上併用することも可能である。
【0020】
導電性付与フィラーとしては、例えば高い導電率を有する金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金等が使用される。これらは、単独で使用しても良いし、複数種を併用することも可能である。これらの中では、入手の容易性、コスト、導電性、耐酸化性の観点から銀粒子が好ましい。銀粒子が選択される場合、平均粒径が0.05〜1μm、好ましくは0.07〜0.8μmとされ、真球度が0.7以上、好ましくは0.8以上とされる。これは、銀粒子の平均粒径が0.05μm未満の場合には、導電性確保のために添加量を増加せざるを得ないからである。逆に、1μmを超える場合には、光透過率に悪影響を与え、微細なパターンを得ることができなくなるからである。
【0021】
銀粒子に0.7以上の真球度を要するのは、0.7未満の場合、光透過率が悪化して微細なパターン形成が困難になるという理由に基づく。この真球度の測定に際しては、銀粒子を適当な分散媒に分散させて顕微鏡等により拡大観察し、個々の粒子の長径、短径を計測し、真球度=短径/長径により算出したものの平均値とする。また、銀粒子の粒径バラツキは、3σで平均粒径の値以下であることが好ましい。これは、銀粒子の粒径バラツキが大き過ぎると、大きな粒子間に小さな粒子が侵入し、良好な光線透過率を得ることが困難になるという理由に基づく。
【0022】
上記において、電磁波シールド体38を製造する場合には、先ず、所定の厚さの透明ガラス30を用意し(図1参照)、この透明ガラス30の全表面に黒色インクからなる黒色層34を塗布形成して乾燥させ、この全黒色層34上に導電層35を重ねて塗布形成し、乾燥させる(図2参照)。導電層35の形成に際しては、スクリーン印刷法、ロールコータ、カーテンコータ等を用いることができる。
【0023】
この塗布作業の際、黒色層34の厚さは1〜10μm、好ましくは4〜6μmの範囲内にあるのが良く、導電層35は4〜20μm、好ましくは6〜14μmの厚さが最適である。多層の黒色層34と導電層35との厚さは5〜25μm、好ましくは10〜18μmの範囲内が良い。これは、黒色層34と導電層35の厚さが係る範囲から逸脱すると、塗布作業の安定化を図ることができなくなり、後の現像作業に支障を来たすからである。
【0024】
黒色層34と導電層35とを多層に積層形成したら、導電層35上に所定のパターン付きのパターンマスク36を配置し、黒色層34と導電層35とを露光装置の紫外線により部分的に露光(図3参照)して現像液に対して不溶化させ、所定の現像液により係る多層構造の透明ガラス30をスプレーやディッピング等の方法により現像し、黒色層34及び導電層35が所定のパターンに形成された中間体37を形成する(図4参照)。この現像作業の際、透明ガラス30の裏面側から黒色層34を露光して耐食性等を向上させることが好ましい。
【0025】
上記作業に使用する露光装置は、特に限定されるものではないが、図3に矢印で示す紫外線を照射して一括露光するタイプが好ましい。また、パターンマスク36は、導電層35に間隔をおいて対向させても良いが、解像度を向上させる観点から導電層35に密着させると良い。電磁波シールド層31を形成する黒色層34と導電層35は、現像時に露光されない不要領域が除去され、格子形、ストライプ形、幾何学模様等にパターン形成される。
【0026】
次いで、中間体37をオーブン等に投入して200〜600℃の温度で熱処理し、この熱処理を所定の時間維持して所定温度に冷却する。そして、オーブンから中間体37を取り出し、その後、中間体37を所定時間放置して電磁波シールド層31を完全に導電化すれば、電磁波シールド体38を製造することができる(図5参照)。
【0027】
熱処理された黒色層34の厚さは0.5〜5μm、好ましくは2〜3μmの範囲内にあるのが良く、熱処理された導電層35は4〜18μm、好ましくは5〜12μmの厚さが最適である。黒色層34と導電層35とからなる電磁波シールド層31の厚さは5〜20μm、好ましくは7〜14μmの範囲内が良い。これは、係る範囲から厚さが逸脱すると、パターンが欠損し、しかも、表面抵抗値が高くなるからである。また、電磁波シールド層31のパターンは、2〜40μmの範囲内の線幅であることが望ましい。これは、線幅が2μm未満の場合には、電磁波のシールド特性が劣化し、パターンの断線を招くおそれがあるという理由に基づく。逆に、線幅が40μmを超える場合には、透光性とシールド特性の両立が困難化する。
【0028】
電磁波シールド体38を製造したら、透明ガラス30の裏面に近赤外線吸収層33を透明の接着剤により接着し、電磁波シールド層31に無反射処理層32を透明の接着剤により接着し、図示しない枠フレーム等と組み合わせる。こうすれば、前面パネル3を得ることができる。
なお、無反射処理層32は、必ずしも必要ではないので、適宜省略することができる。
【0029】
上記によれば、透明ガラス30に導電層35を直接形成するのではなく、透明ガラス30と導電層35との間に、光線を吸収する無彩色の黒色層34を介在させるので、透明ガラス30が全体として曇ることがない。したがって、透明ガラス30に求められる視認性を著しく向上させることができる。また、黒色層34と導電層35とをそれぞれ感光性とし、通常のフォトリソ法を用いるので、スクリーン印刷法や凸版印刷法等と比較して高精度のパターン形成が可能になり、しかも、製造工程とコストの削減が大いに期待できる。
【0030】
また、黒色層34と導電層35の熱処理前後の厚さを上記範囲内に設定することにより、黒色層34と導電層35とを安定して塗布して有効に両立させることができ、電磁波シールド層31のパターン損傷を抑制防止し、表面抵抗値を低減することもできる。さらに、透明ガラス30の裏面側から黒色層34を露光して透明ガラス30と黒色層34との境界面を硬化させれば、耐食性等が向上し、長期にわたり安定して使用することが可能になる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施例について比較例と共に説明する。
実施例1〜6、比較例1,2,3の電磁波シールド体をそれぞれ製造し、各電磁波シールド体の表面抵抗値とパターニング評価の結果を表1にまとめた。
【0032】
実施例1
先ず、厚さ2.5mmの透明ガラスを用意し、この透明ガラスの全表面に、黒色インクをロールにより塗布して乾燥させ、厚さ4μmの黒色層を得た。透明ガラスとしては、ソーダライムガラスを使用した。また、黒色インクは、アルカリ可溶性ポリマー100質量部、エポキシアクリレートオリゴマー200質量部、光重合開始剤として2‐メチル‐1〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オン9質量部、光重合促進剤としてp‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル3質量部、ビスアリルナジイミド(BANI‐H)30質量部、レベリング剤としてポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(BYK‐370)1.2質量部、銅クロムブラック660質量部を混合して配合し、ナノマイザーにより高分散させて調製した。この黒色インクは、固形分45〜70wt%、20〜300cP(13〜25℃)に調製した。
【0033】
黒色インクは、ピンホールを無くし、十分な黒色度を維持するため、ロールにより二度塗りした。このロールは、ピッチ間隔100μmの山形に深さ30μmの溝が形成され、一回の塗布で厚さ2μmの層を形成するゴムロールを使用した。黒色層の乾燥に際しては、熱風循環式乾燥炉を用いて50℃×10〜15分の条件で乾燥させた。
【0034】
次いで、全黒色層上に銀インクをロールコートにより重ねて塗成して乾燥させ、厚さ6μmの導電層を形成し、積層した黒色層と導電層の全体の厚さを測定した。銀インクは、粉体パターニング用アルカリ現像レジスト(東洋合成株式会社ACシリーズ)330質量部、アルカリ可溶性ポリマー100質量部、エポキシアクリレートオリゴマー200質量部、光重合開始剤として2‐メチル‐1〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノプロパン‐1‐オン9質量部、光重合促進剤としてp‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル3質量部、ビスアリルナジイミド(BANI‐H)30質量部、レベリング剤としてポリエステル変性ポリジメチルシロキサン(BYK‐370)1.2質量部、銀粉(Ferro)6600質量部を混合して配合し、ナノマイザーにより高分散させて調製した。
この銀インクは、固形分60〜90wt%、30〜800cP(13〜25℃)に調製した。銀インクは、厚さを確保するため、ロールにより重ね塗りした。ロールの構成や導電層の乾燥条件等に関しては黒色層の場合と同様である。
【0035】
次いで、導電層上にパターンマスクを重ねて配置し、黒色層と導電層とを露光装置により部分的に露光して現像液に対して不溶化させ、0.4質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液中に係る多層構造の透明ガラスを浸漬して現像し、黒色層及び導電層が所定のパターンに形成された中間体を形成した。
パターンマスクは、所定のパターンが透明のネガタイプとした。また、露光装置については、8kWメタルハライドランプを備えたフルネルレンズ使用の平行光露光装置を使用することとし、紫外線の露光量を2000mJ/cmに設定した。また、黒色層及び導電層は、15°のバイアスを有する格子形のパターンに形成した。
【0036】
次いで、中間体を熱風循環式乾燥炉に投入して室温から250℃に30〜40分かけて昇温し、この温度を10分間維持して焼成処理し、その後、300℃に12〜17分かけて昇温するとともに、この温度を10〜30分間維持して焼成処理した。そして、排気ブロアーを回し、40〜60分かけて150〜200℃まで冷却したところで中間体を取り出し、電磁波シールド層が導電化された電磁波シールド体を製造し、かつ電磁波シールド層の黒色層と導電層の厚さをそれぞれ測定した。
【0037】
実施例2
実施例1と略同様であるが、塗布乾燥後の導電層の厚さを8μmとした。
実施例3
実施例1と略同様であるが、塗布乾燥後の導電層の厚さを10μmとした。
実施例4
実施例1と略同様であるが、塗布乾燥後の導電層の厚さを12μmとした。
実施例5
塗布乾燥後の導電層の厚さを14μmとした以外、実施例1と略同様とした。実施例6
塗布乾燥後の黒色層と導電層の厚さをそれぞれ6μmとした以外、実施例1と略同様とした。
【0038】
比較例1
塗布乾燥後の黒色層の厚さを12μm、導電層の厚さを3μmに設定し、その他は実施例1と略同様とした。
比較例2
塗布乾燥後の黒色層の厚さを4μm、導電層の厚さを25μmに設定し、その他は実施例1と略同様とした。
比較例3
基本的には実施例1と略同様であるが、塗布乾燥後の黒色層の厚さを12μm、導電層の厚さを22μmとした。
【0039】
パターニング評価
電磁波シールド層を200倍マイクロスコープで拡大観察し、以下の基準で評価した。
○:表裏面共、全面にわたってシャープなパターンが得られ、非常に良好なレベルにある。
△:パターンの一部に欠損が見られるが、表面抵抗値の増大を招かないレベルにある。
×:全体的にパターンが欠損し、表面抵抗値が大幅に増大するレベルにある。
【0040】
【表1】
Figure 2004266142
【0041】
評価結果
実施例1,2,3,4,6の電磁波シールド体に関しては、電磁波シールド層のパターン損傷を防止し、表面抵抗値を低減することができた。実施例5の電磁波シールド体に関しては、パターンの一部に崩壊を確認したものの、低い表面抵抗値を得ることができた。
これに対し、比較例1,2,3の電磁波シールド体については、電磁波シールド層のパターン崩壊が目立ち、表面抵抗値が増大した。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、視認性を損なうこと等のない電磁波シールド体を提供することができるという効果がある。また、電磁波シールド層のパターン損傷を抑制あるいは防止し、電磁波シールド層の表面抵抗値を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における透明ガラスを示す模式説明図である。
【図2】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における透明ガラスの全表面に黒色層を塗布して乾燥させ、この全黒色層上に導電層を塗布する状態を示す模式説明図である。
【図3】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における導電層上にパターンマスクをセットし、黒色層と導電層を紫外線により露光する状態を示す模式説明図である。
【図4】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における黒色層及び導電層が所定のパターンに形成された中間体を示す模式説明図である。
【図5】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における電磁波シールド層を完全に導電化した電磁波シールド体を示す模式説明図である。
【図6】プラズマディスプレイを示す全体斜視説明図である。
【図7】プラズマディスプレイの前面パネルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 PDP
2 パネル本体
3 前面パネル
30 透明ガラス(透明基板)
31 電磁波シールド層
32 無反射処理層
33 近赤外線吸収層
34 黒色層
35 導電層
36 パターンマスク
37 中間体
38 電磁波シールド体

Claims (3)

  1. 電磁波をシールドする電磁波シールド体の製造方法であって、
    透明基板の一面に感光性の黒色層と導電層とを重ねて形成する工程と、これらをパターン露光、現像して中間体を形成する工程と、中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成する工程とを含み、
    熱処理前における導電層を厚さ4〜20μmに形成し、熱処理後における電磁波シールド層の導電層を厚さ4〜18μmに形成することを特徴とする電磁波シールド体の製造方法。
  2. 黒色層を、紫外線により硬化可能な樹脂組成物を含有した黒色インクにより形成し、導電層を、紫外線により硬化可能な樹脂組成物に銀粒子を含有した銀インクにより形成する請求項1記載の電磁波シールド体の製造方法。
  3. 熱処理前における黒色層を厚さ1〜10μmに形成し、熱処理後における電磁波シールド層の黒色層を厚さ0.5〜5μmに形成する請求項1又は2記載の電磁波シールド体の製造方法。
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