JP2004327819A - 電磁波シールド体の製造方法 - Google Patents

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Hiroshi Hasebe
浩 長谷部
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Abstract

【課題】黒色度や光の透過率の悪化を抑制防止し、発塵の原因となるバリを有効に除去できる電磁波シールド体の製造方法を提供する。
【解決手段】透明ガラス34の表面に紫外線硬化型の黒色層35と導電層36を積層形成する工程と、これらをパターン露光、現像するとともに、パターン化された導電層36のバリ38を粘着フィルム39の着脱により除去し、透明ガラス34の裏面側から黒色層35を露光して耐食性等を向上させ、中間体40を形成する工程と、中間体40を熱処理して電磁波シールド層を導電パターン形成する工程とを備える。導電層36のバリ38を除去して品質を安定させるので、黒色層35よりも導電層36の幅が拡大せず、パネル前面の黒色度が悪化したり、発光部から照射される光の透過率が悪化するのを抑制防止できる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の表示画面等から放射される電磁波をシールドする電磁波シールド体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビには様々なタイプがあるが、近年、図6に示すようなカラーのPDP1が注目されている。このPDP1は、発光部であるパネル本体2と、このパネル本体2の前面に装着されてパネル本体2を保護する透明な前面パネル3とを備え、視野角、応答速度、低消費電力に優れるという特徴を有している。前面パネル3は、図6や図7に示すように、透明基板30の表面に電磁波シールド層31と無反射処理層32とが順次積層されるとともに、透明基板30の裏面には近赤外線吸収層33が積層形成され、図示しないフレーム等と組み合わされており、電磁波シールド層31が電磁波をシールド(遮蔽)して周囲の電気・電子機器や人体等に対する悪影響を抑制防止するよう機能する。
【0003】
ところで、電磁波シールド層31の製造に関しては、導電性の金属を蒸着する蒸着法と、一辺が数百ミクロン、線幅が数十ミクロンで導電性の格子パターンを形成するメッシュ法とが一般的に知られている。前者の蒸着法は、安価に製造が可能であるものの、電磁波の遮断性能が減衰率30dB程度、可視光線の透過率が60%程度に止まり、性能的に十分とは言い難い。
これに対し、後者のメッシュ法は、電磁波の遮断特性が40dB以上、可視光線の透過率が80%以上と性能的には十分であるが、蒸着法と比較した場合、製造が煩雑化し、価格が高くなるという問題がある。しかしながら、品質の優位性と製造コストの削減による低価格化への努力、さらには電磁波の放出に関する規制の強化等もあり、今後はこちらが主流になると考えられている。
【0004】
係るメッシュ法に基づき、透明基板30に電磁波シールド層31を形成する具体的な方法としては、(1)透明基板30上にメッシュパターンをフォトリソグラフィー法により直接形成して電磁波シールド層31を設ける方法、(2)ポリエチレンテレフタレート(PET)やトリアセチルセルロース(TAC)等の透明プラスチックフィルム上に導電性の薄膜を貼着し、エッチングによりメッシュパターンを形成し、その後、透明基板30に貼着するという方法があげられる(特許文献1参照)。これらの方法のうち、透明基板30上に直接メッシュパターンを作成する前者の方法は、後者のように透明基板30に対する貼着作業を必要としないので、製造コストの大幅な削減が期待でき、注目に値する。
【0005】
透明基板30上に電磁波遮断用のメッシュパターンを直接形成する場合、上記フォトリソグラフ法を用いて製作される。この場合、導電性の金属フィラーを分散させるバインダ樹脂として、ネガ型レジストを用いる方法と、ポジ型レジストを用いる二通りの方法が考えられるが、作製されるメッシュパターンの透明基板30に対する密着性、メッシュパターン自体の実用強度の観点からネガ型レジストが好ましい。ポジ型レジストは、ネガ型レジストと比較して解像度が高いという利点を有しているが、強度的に弱く、バインダ樹脂としては不適切である。以下、単にレジストと記載した場合、特に明示しない限り、ネガ型レジストを指すものとする。
【0006】
メッシュパターン化された電磁波シールド層31の色彩に関しては、画面を見た場合に外部からの反射光により発光部からの発色が変化しないよう、分光光度計を用いて色度を測定したときの反射光のY値を5%以下の黒色にする必要がある。しかし、導電性の金属フィラーをレジストに分散させると、金属フィラー自体の光沢や色目があるため、この値を満たすことができない。この点に関し、カーボン等の顔料を混入して黒色化する方法もあるが、十分な黒色度が得られないばかりか、導電性を阻害し、十分な電磁波遮断性能を得ることができないおそれが少なくない。
【0007】
そこで、図8に示すように、導電層36の塗工前に、レジストに黒色顔料を分散させた黒色層35を塗工し、この黒色層35上に導電層36を塗工した後、フォトリソグラフ法を用いて同図のようなメッシュパターンを形成する方法が採用される。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−23290号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
UV硬化樹脂に導電性の金属フィラーを分散し、これを透明基板30に塗工してフォトリソグラフ法により電磁波シールド層31のメッシュパターンを形成する方法は、製造作業を簡略化しやすく、電磁波シールド体の価格低減に大きなメリットがあるが、感光時にUV光が照射される上層と下層とで硬化の度合いが異なってくるという現象が生じる。すなわち、上層の導電層36がUV光の直接照射により硬化しやすいのに対し、エッチング溶液に溶けやすい下層の黒色層35は、UV光が届きにくいため、上層に比べて硬化具合が悪くなる。このため、現像後のメッシュパターン化された電磁波シールド層31は、図8に示すように、導電層36を形成する各線に突起状のバリ38が生じてしまうこととなる。
【0010】
このような電磁波シールド層31をパネル前面からみた場合、下層の黒色層35よりも、上層の導電層36の幅が広くなっているため、導電層36の色が透過して見えるという現象が起こる。このため、パネル前面の黒色度が悪化する他、発光部から照射される光の透過率を悪化させてしまうため、実用上大きな問題となる。さらに、導電層36のバリ38は、非常に欠落しやすく、発塵の原因ともなる。
【0011】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、黒色度や光の透過率の悪化を抑制防止し、発塵の原因となるバリを有効に除去することのできる電磁波シールド体の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、電磁波をシールドするものの製造方法であって、
透明基板に感光性の黒色層と導電層とを重ねて形成し、これらをパターン露光、現像し、導電層のバリを粘着基材により除去することを特徴としている。
なお、黒色層と導電層とをパターン露光、現像して中間体を形成し、この中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成し、この電磁波シールド層における導電層のバリを粘着基材の着脱により除去することができる。
【0013】
ここで特許請求の範囲における透明基板としては、強化ガラスや半強化ガラスの他、歪みの問題を生じなければ、例えばアクリル基板等が使用される。この透明基板には、電磁波シールド層の他、無反射処理層や電子機器の誤作動を防止する近赤外線吸収層を適宜形成することができる。黒色層と導電層のレジストとしては、例えばポリイソプレイン系環状物とビスアジド系化合物との混合物、ポリブタジエン系環状物とビスアジド系化合物との混合物、ノボラック樹脂とアルカリ可溶性ビスアジド系化合物との混合物、ポリメチルイソプロピルケトンとビスアジド系化合物との混合物、塩化ポリスチレン誘導体等を使用することができる。黒色層は、導電性又は絶縁性を有していても良いし、そうでなくても良い。
【0014】
導電層は、例えば紫外線により硬化する樹脂組成物に導電率の大きい導電性付与フィラー(銀粒子や銅粒子等)を含有した導電インクにより形成することができる。この導電層のバリの除去時については、特に限定されるものではない。例えば、導電層のバリを粘着基材の着脱により除去して中間体を形成し、その後、この中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成することができる。また、粘着基材としては、粘着シート、粘着テープ、粘着フィルム等を適宜使用することができる。本発明に係る電磁波シールド体は、PDPの前面パネルの一部として使用されるが、何らこれに限定されるものではない。例えば、FED等の他の機器に応用することもできる。PDPには、DC型、AC型、ハイブリッド型があるが、何ら限定されるものではない。
【0015】
本発明によれば、中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成し、この電磁波シールド層のパターン化された導電層のバリを粘着基材の着脱により除去したり、あるいは黒色層と導電層とをパターン露光、現像し、パターン化された導電層のバリを粘着基材の着脱により除去する。したがって、有害な導電層のバリを除去して品質を安定させることができるので、黒色層よりも導電層の幅が拡大するのを防ぐことができる。また、バリが残存して発塵の原因となるのを防ぐこともできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における電磁波シールド体の製造方法は、図1ないし図5に示すように、透明ガラス34の表面に紫外線により硬化する黒色層35と導電層36とを順次重ねて積層形成する工程と、これらをパターンマスク37を介してパターン露光、現像するとともに、パターン化された導電層36のバリ38を適切な粘着力を有する粘着フィルム39の着脱により除去し、透明ガラス34の裏面側から黒色層35を露光して耐食性等を向上させて中間体40を形成する工程と、この中間体40を熱処理して電磁波シールド層31を導電パターン形成する工程とを備えるようにしている。
【0017】
透明ガラス34は、例えば強化されて耐熱性や透光性に優れる平面略矩形のガラス板からなる。この透明ガラス34は、例えば平坦なソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が使用される。透明ガラス34の厚さは、特に限定されるものではないが、視認性や透光性確保の観点から薄いほうが好ましい。具体的には、視認性、透光性、機械的強度の観点から、0.05〜5mm、好ましくは1.5〜3.0mm程度の厚さに形成される。
【0018】
黒色層35は、少なくとも紫外線により硬化可能な樹脂組成物を含有した黒色インクからなるとともに、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じて加えられ、レジストとして透明ガラス34の表面に形成される。この黒色層35は、例えば、紫外線硬化型の樹脂組成物、接着性に優れるカーボン系の黒色顔料、金属酸化物系着色剤、所定の溶剤等を適宜配合して調製される。
【0019】
導電層36は、例えば紫外線により硬化する樹脂組成物に導電率の大きい導電性付与フィラー、換言すれば、入手の容易性、コスト、導電性、耐酸化性に優れる銀粒子を含有した銀インクからなる。この銀インクは、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じて加えられ、レジストとして黒色層35の全表面に重ねて形成される。
【0020】
黒色層35と導電層36に用いられる紫外線硬化型の樹脂組成物としては、水、アルカリ性水溶液、溶剤等により現像できれば良く、これらの中でも、解像度や作業性の観点からアルカリ性水溶液により現像可能な樹脂組成物が好ましい。このような樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂、不飽和二重結合を有する架橋性モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤からなる。
【0021】
アルカリ可溶性樹脂の具体例をあげると、例えばカルボン酸のような酸性基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体が最適である。酸性基の成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸2−メタクリロイルオキシエチル、コハク酸2−アクリロイルオキシエチル、フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、フタル酸2−アクリロイルオキシエチル等があげられる。
【0022】
エチレン性不飽和成分としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等があげられる。
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像性を損なわない範囲で上記成分と他のモノマーとの種々の共重合体を使用することができる。
【0023】
不飽和二重結合を有する架橋性モノマーは、少なくとも1のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、光照射により光重合開始剤から発生したラジカルで反応し、アルカリ現像液に対する溶解性を低下させてパターンを形成する。具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートをメタクリレートに置き換えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロドリン等があげられる。なお、上記架橋性モノマーを2種以上組み合わせても良い。
【0024】
光重合開始剤は、通常のネガタイプのフォトリソグラフに使用可能であれば、特に限定されるものではない。具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノアセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、フルオレソン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1 フェニルプロパン−1−オン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロロアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジトベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジトベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルフォニルクロライド、N−フェニルチオアクドリン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールスルフィド、トリフェニルフォスフィン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、カンファーキノン等であるが、2種以上併用することも可能である。
【0025】
銀粒子は、各種の分散剤により表面処理され、二次凝集の生じないことが好ましい。分散剤としては、熱処理工程で分解、あるいは揮発する性質のものが好適に使用される。銀粒子は、平均粒径が0.05〜1μm、好ましくは0.07〜0.8μmに形成されるとともに、真球度が0.7以上、好ましくは0.8以上の略球形とされる。これは、平均粒径が0.05μm未満の場合には、導電性確保のため、添加量を増加する必要があるからである。逆に、1μmを超える場合には、銀粒子の脱落や食み出しのパターンエッジの直線性に与える影響が大きくなり、微細なパターンを得ることができなくなるからである。
【0026】
銀粒子の真球度が0.7以上なのは、真球度が0.7未満の場合には、光透過率が悪化し、微細なパターンを形成することが困難になるという理由に基づく。この真球度の測定に際しては、銀粒子を適当な分散媒に分散させて顕微鏡等により拡大観察し、個々の粒子の長径、短径を計測し、真球度=短径/長径により算出したものの平均値とする。さらに、銀粒子の粒径バラツキは、3σで平均粒径の値以下が好ましい。これは、銀粒子の粒径バラツキが大き過ぎると、大きな銀粒子間に小さな銀粒子が侵入し、良好な光線透過率を得ることが困難になるという理由に基づく。
【0027】
粘着フィルム39は、粘着力が0.1N/10mm〜5.0N/10mmであることが望ましい。これは、粘着力が0.1N/10mm未満の場合には、粘着力が小さすぎて導電層36のバリ38を取り除くことができないからである。逆に、粘着力が5.0N/10mmを超える場合には、粘着力が強すぎて導電層36や黒色層35を削り取ってしまい、外観や電磁波遮断特性を悪化させ、使用が困難になるからである。
【0028】
上記において、電磁波シールド体を製造する場合には、先ず、所定の厚さの透明ガラス34を用意し(図1参照)、この透明ガラス34の全表面に黒色インクを塗布して乾燥させ、黒色層35を形成し、この全黒色層35上に銀インクを重ねて塗布乾燥させ、導電層36を形成する(図2参照)。これら黒色層35や導電層36の形成に際しては、例えばロールコータやカーテンコータ等を用いることができる。
【0029】
電磁波シールド層31を形成する黒色層35と導電層36とを多層に積層形成したら、導電層36上に所定のパターン付きのパターンマスク37を配置し、黒色層35と導電層36とをUV照射機の紫外線により露光(図3参照)して現像液に対して不溶化させ、所定の現像液により係る多層構造の透明ガラス34をスプレーやディッピング等の方法により現像し、黒色層35と導電層36とを所定のパターンにパターン化する。作業に使用するパターンマスク37は、導電層36に間隔をおいて対向させても良いが、解像度を向上させる観点から導電層36に密着させると良い。
【0030】
UV照射機は、特に限定されるものではないが、ベルトコンベヤを備え、メタルハライド灯を点灯させるタイプ等が使用される。黒色層35及び導電層36は、現像時に露光されない不要領域が除去され、メッシュ形、ストライプ形、幾何学模様等にパターン形成される。
【0031】
次いで、パターン化された導電層36上に粘着フィルム39を強く粘着して徐々に剥離し、導電層36の各線のバリ38を粘着フィルム39に吸着して除去し、中間体40を形成する(図4参照)。この際、透明ガラス34の裏面側から黒色層35を露光して耐食性等を向上させると良い。こうして中間体40を形成したら、この中間体40をオーブン等に投入して200〜600℃の温度で熱処理し、この熱処理を所定の時間維持して電磁波シールド層31を形成する導電層36を収縮させ、所定温度に冷却してオーブンから中間体40を取り出し、その後、中間体40を所定時間放置して電磁波シールド層31を完全に導電パターン化すれば、電磁波シールド体を製造することができる(図5参照)。
【0032】
電磁波シールド層31におけるパターンの線幅は2〜40μmが好ましい。これは、線幅が2μm未満の場合には、電磁波のシールド特性が劣化し、パターンの断線を招くおそれがあるからである。逆に、線幅が40μmを超える場合には、透光性を維持するために線間隔を広げる必要があり、透光性とシールド特性の両立が困難化することとなる。
【0033】
電磁波シールド体を製造したら、透明ガラス34の裏面に近赤外線吸収層33を透明の接着剤により接着し、電磁波シールド層31に無反射処理層32を透明の接着剤により接着し、図示しないフレーム等と組み合わせる。こうすれば、前面パネル3を得ることができる。無反射処理層32は、必要がなければ、適宜省略することも可能である。
【0034】
上記によれば、導電層36に粘着フィルム39を圧着して剥離し、有害な導電層36のバリ38を除去して品質を安定させるので、黒色層35よりも導電層36の幅が拡大することがない。このため、パネル前面の黒色度が悪化したり、発光部から照射される光の透過率が悪化するのを有効に抑制防止することができ、しかも、視認性の向上を図ることができる。また、バリ38が残存して発塵の原因となることがない。また、導電層36の熱処理や硬化前にバリ38を除去するので、例えバリ38と共に黒色層35や導電層36を過誤により除去してしまっても、必要なインクを塗布する修正が比較的容易となる。
【0035】
また、透明ガラス34に導電層36を直接形成するのではなく、透明ガラス34と導電層36との間に、光線を吸収する無彩色の黒色層35を介在させるので、透明ガラス34が全体として曇ることがない。したがって、透明ガラス34に求められる視認性を著しく向上させることができる。また、透明ガラス34の裏面側から黒色層35を露光して透明ガラス34と黒色層35との境界面を硬化させれば、耐食性等が向上し、長期にわたり安定して使用することが可能になる。さらに、黒色層35と導電層36とをそれぞれ感光性とし、通常のフォトリソ法を用いるので、スクリーン印刷法や凸版印刷法等と比較して高精度のパターン形成が可能になり、しかも、製造工程とコストの削減が大いに期待できる。
【0036】
なお、上記実施形態では、パターン化された導電層36上に粘着フィルム39を粘着して徐々に剥離し、導電層36のバリ38を粘着フィルム39に吸着除去して中間体40を形成したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、電磁波シールド体の製造工程を、透明ガラス34の表面に紫外線により硬化する黒色層35と導電層36とを順次重ねて積層形成する工程と、これらをパターンマスク37を介してパターン露光、現像し、透明ガラス34の裏面側から黒色層35を露光して中間体40を形成する工程と、この中間体40を熱処理して電磁波シールド層31を導電パターン形成する工程と、この電磁波シールド層31のパターン化された導電層36のバリ38を適切な粘着力を有する粘着フィルム39の着脱により除去する工程としても良い。
【0037】
この場合の製造方法について説明すると、黒色層35と導電層36とを多層に積層形成したら、導電層36上に所定のパターン付きのパターンマスク37を配置し、黒色層35と導電層36とをUV照射機の紫外線により露光(図3参照)して現像液に対して不溶化させ、所定の現像液により係る多層構造の透明ガラス34をスプレーやディッピング等の方法により現像し、黒色層35と導電層36とを所定のパターンにパターン化して中間体40を形成する。この際、透明ガラス34の裏面側から黒色層35を露光して耐食性等を向上させることが好ましい。
【0038】
次いで、中間体40をオーブン等に投入して200〜600℃の温度で熱処理し、この熱処理を所定の時間維持して電磁波シールド層31を形成する導電層36を収縮させ、所定温度に冷却してオーブンから中間体40を取り出し、中間体40を所定時間放置して電磁波シールド層31を完全に導電パターン化する。そしてその後、完全に導電パターン化された導電層36上に粘着フィルム39を強く粘着して徐々に剥離し、導電層36の各線のバリ38を粘着フィルム39に吸着して除去すれば、電磁波シールド体を製造することができる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0039】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、導電層36を完全に導電パターン化してからそのバリ38を粘着フィルム39に吸着して除去するので、黒色インクや銀インクの揮発成分等が粘着フィルム39やバリ38の除去作業に悪影響を及ぼすのをきわめて有効に抑制防止することができるのは明らかである。
【0040】
【実施例】
以下、本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施例について比較例と共に説明する。
実施例1,2、比較例1,2で電磁波シールド体をそれぞれ作製し、各電磁波シールド体の光学特性と外観特性とをそれぞれ評価検討し、表1にまとめた。
【0041】
実施例1
先ず、スチレン−無水マレイン酸共重合体系のアルカリ可溶性樹脂と、架橋性モノマーであるポリエチレングリコールジメタクリレートと、光開始剤であるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドと1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを、アルカリ可溶性樹脂及び架橋性モノマーの合計100質量部に対し、光重合開始剤を各5質量部添加し、フォトレジストAを作製した。こうしてフォトレジストAを作製したら、銀粒子からなる導電性フィラーを使用し、フォトレジストA:導電性フィラー=3:1なる質量比にて混合し、導電性レジストAを得た。また、黒色顔料としてカーボン系のフィラーを使用し、フォトレジストA:黒色顔料=9:1なる質量比で混合し、黒色レジストAを得た。
【0042】
次いで、透明基板として、985×585mm(ディスプレーサイズ42インチ用)の大きさ、厚さ2mmの強化ガラスを用意し、市販のロールコータにより黒色レジストAを乾燥後の厚さが2μmになるように塗工し、この黒色層上に導電性レジストAを乾燥後の厚さが10μmになるように塗工した。その後、ネガタイプのパターンマスク(パターン部が透明)を介し、3kWメタルハライドランプを備えたフレネルレンズ使用の平行光露光装置により、800mJ/cmの露光量で露光し、1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、格子ピッチ250μm、線幅20μmの導電層を得た。
【0043】
導電層を得たら、メッシュパターン化された導電層の全面に、ポリエチレンを基材とした粘着力0.1N/10mmの粘着フィルムを、JIS Z 0237(8.2.3)に準拠する圧着装置を用いて貼着し、その後、毎分300mmの速度で剥離してバリのない電磁波シールド体Bを作製した。
【0044】
実施例2
基本的には実施例1と全く同一の条件としたが、粘着フィルムとして、ポリエチレンを基材とした粘着力4.8N/10mmのフィルムを使用し、電磁波シールド体Cを得た。
【0045】
比較例1
基本的には実施例1と全く同様の条件であるが、粘着フィルムとして、ポリエチレンを基材とした粘着力0.08N/10mmのフィルムを使用し、電磁波シールド体Dを作製した。
比較例2
基本的には実施例1と全く同様の条件であるが、粘着フィルムとして、ポリエチレンを基材とした粘着力5.2N/10mmのフィルムを用い、電磁波シールド体Eを作製した。
【0046】
光学特性試験
実施例1,2、比較例1,2で得られた電磁波シールド体の外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの領域に関し、周波数0.1MHz〜1GHzの範囲における電磁波の減衰率(dB)をアドバンテスト方法により計測した。光学特性の良否判断基準は以下の通りとした。
Figure 2004327819
【0047】
外観特性試験
実施例1,2、比較例1,2で得られた電磁波シールド体の外周部32mmを除く有効表示面積921×521mmの領域について、200倍顕微鏡で観察した。外観特性の良否判断基準は以下の通りである。
Figure 2004327819
【0048】
【表1】
Figure 2004327819
【0049】
実施例1の電磁波シールド体B、及び実施例2の電磁波シールド体Cについては、表1から明らかなように、導電層及び黒層を残したまま、バリのみを適切に除去することができ、電磁波シ−ルド体として良好な特性を有しているのを確認した。
これに対し、比較例1の電磁波シールド体Dは、粘着力の弱い粘着フィルムを用いてバリを取り除こうとしたため、バリを完全に除去することができず、外観上問題が発生した。また、比較例2の電磁波シールド体Eは、粘着力の強い粘着フィルムを用いてバリを取り除いたが、バリの他、導電層や黒層まで除去してしまい、外観が悪化した。さらに、断線部分が発生し、電磁波遮断特性が著しく低下した。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、黒色度や光の透過率の悪化を抑制防止し、発塵の原因となるバリを有効に除去することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における透明ガラスを示す模式説明図である。
【図2】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における透明ガラスの表面に黒色層を塗布して乾燥させ、この全黒色層上に導電層を塗布形成する状態を示す模式説明図である。
【図3】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における導電層上にパターンマスクをセットし、黒色層と導電層を紫外線により露光する状態を示す模式説明図である。
【図4】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における導電層に粘着フィルムを粘着剥離し、導電層のバリを粘着フィルムに吸着して中間体を形成する状態を示す模式説明図である。
【図5】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における電磁波シールド層を完全に導電パターン化した電磁波シールド体を示す模式説明図である。
【図6】プラズマディスプレイを示す全体斜視説明図である。
【図7】プラズマディスプレイの前面パネルを示す説明図である。
【図8】メッシュパターン化された電磁波シールド層における導電層のバリを示す説明図である。
【符号の説明】
1 PDP
2 パネル本体
3 前面パネル
31 電磁波シールド層
32 無反射処理層
33 近赤外線吸収層
34 透明ガラス(透明基板)
35 黒色層
36 導電層
37 パターンマスク
38 バリ
39 粘着フィルム(粘着基材)
40 中間体

Claims (2)

  1. 電磁波をシールドする電磁波シールド体の製造方法であって、
    透明基板に感光性の黒色層と導電層とを重ねて形成し、これらをパターン露光、現像し、導電層のバリを粘着基材により除去することを特徴とする電磁波シールド体の製造方法。
  2. 黒色層と導電層とをパターン露光、現像して中間体を形成し、この中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成し、この電磁波シールド層における導電層のバリを粘着基材の着脱により除去する請求項1記載の電磁波シールド体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016208907A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 ヤマハ発動機株式会社 細径チップのバリ取り方法、細径チップ及びその製造方法

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