JP2007013130A - ディスプレーパネル用フィルム、光学フィルター、それらの製造方法及びプラズマディスプレーパネル - Google Patents
ディスプレーパネル用フィルム、光学フィルター、それらの製造方法及びプラズマディスプレーパネル Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】透明プラスチック基材上に接着剤層を有し、その上にメッシュ状の金属箔層を有し、接着剤層上部が金属箔層及び空気と接しており、メッシュ部分のヘイズが10%以下であることを特徴とする、電磁波シールド性と光透過性を有するディスプレーパネル用フィルム。
【選択図】なし
Description
また、透明性に関する要求レベルは、CRT用として凡そ70%以上、PDP用として80%以上が要求されており、さらにより高い透明性が望まれている。
この方法をより詳しく述べると、まず、透明プラスチック基材に接着剤層を積層し、この上に金属箔を貼りあわせる。この際、金属箔と接着剤層との密着性を確保するために、金属箔はある程度粗く平滑でない、粗面化されたものを用いている。次に、フォトレジストを利用したケミカルエッチングプロセスによって、金属箔を所望のパターンにエッチング加工する。このようにして、透明プラスチックフィルム上に、細線でできた開口部面積の大きな金属のメッシュを形成することのができる。但しこの際、金属箔を除去した部分には、接着剤層が剥き出しになっている。この接着剤層は粗面化された金属箔面の粗面形状が転写されている為、この状態のフィルムは、光を散乱させる性質を有している。特許文献1及び2では、更に、接着層と屈折率の近い樹脂によって金属メッシュと接着層とを被覆する方法を開示しており、これにより上記光散乱を低減できる。
金属箔と透明プラスチック基材間を接着していた接着層がエッチング後も粗面形状をしており、光散乱を引き起こしていた。このままでディスプレーに装着すると、ディスプレーの画像がすりガラスを介した画像のようにぼやけたものとなってしまうため、電磁波シールド性を有するディスプレーパネル用フィルムとしては利用できない問題があった。前記特許文献1及び2では、この問題を樹脂で被覆して粗面形状を平滑にすることによって解決しているものの、その工程は接着剤の作成と接着剤の金属メッシュ上への塗布、溶媒乾燥、加熱硬化を含んでおり、煩雑な工程を必要とする問題点を有していた。更には、樹脂で被覆する際に、金属メッシュ面の一部に気泡が生成する問題があった。この問題は、接着剤を塗布法ではなく、シート状の接着シートを金属メッシュ面に貼り合せる際も、問題になっており、この気泡を除くために、透明基板に加圧圧着させる工程が必要となる問題があった。この光散乱性解消のための工程が、上記のような塗布及び長時間の加圧である必要があり、生産性の低下、大幅なコストアップ要因となり、改善が望まれていた。
また、特許文献3においては、金属パターン層の表面の表面粗さRaを0.10〜1.00μmとすることにより、凸凹形成によるヘイズなどによる画面の視認性を低下させることのない金属メッシュが提案されている。しかしながら、該特許文献においても該金属メッシュを用いた光学フィルターは、金属メッシュ層が接着剤層で被覆されており、ヘイズの要因となる凸凹形状が接着剤層で埋められている。そして、金属メッシュが最外層となっており、接着剤層で被覆されていない光学フィルターの構成は開示されていない。従って、これまで、十分に低ヘイズであり、樹脂で被覆して金属メッシュを樹脂中に埋めることなく、画像をボケさせることのないエッチング加工メッシュやそれを用いた光学フィルターはこれまで知られておらず、改善が望まれていた。
また特許文献4では、低金属メッシュを有する低ヘイズの電磁波シールドフィルムを得る方法として、接着剤層を用いることなく透明基板上に金属膜を形成した後、エッチングによりメッシュパターンを形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法では金属層が気相成長法で形成されているために、電磁波シールドに必要な金属層厚みを得る為には多大な時間と経費を要するという製造上の問題を有していた。
すなわち、本発明の目的は、以下の製造方法により達成される。
尚、ここで、メッシュ部分のヘイズとは、透明プラスチック基材と接着剤層とその上に形成された金属箔からなるメッシュとを一体にしたフィルムを測定した場合のヘイズを指す。より好ましくは、メッシュ部分のヘイズは5%以下である。
(2)透明プラスチック基材上に接着剤層と該接着剤層上に設けられたライン幅が20μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚みが20μm以下であるメッシュ状の金属箔層とを有し、該接着剤層上部は該金属箔層及び空気と接しており、該金属箔層のメッシュ部分のヘイズが10%以下であり、かつ電磁波シールド性と光透過性を有することを特徴とする上記(1)に記載のディスプレーパネル用フィルム。より好ましくは、上記接着剤層上部は、上記金属箔層の粗化面(マット面)及び空気と接している。
なお、「ライン厚み」とはメッシュを構成する金属細線部分の厚みを指す。
(3)表面抵抗率が0.1Ω/□未満であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のディスプレーパネル用フィルム。
(4)メッシュ状の金属箔のライン厚みが6μm以上12μm以下でであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
(5)上記金属箔が少なくとも表面が黒化処理された銅箔であり、かつ電磁波シールド性と光透過性を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム
(6)透明プラスチック基材の金属メッシュと反対側の面に接着剤層を有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
(7)透明プラスチック基材のメッシュ状の金属箔層の上に更に接着剤層を有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
(8)剥離可能な保護フィルムを有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
(9)赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性、表示パネル破損防止性から選ばれるいずれか1つ以上の機能を有している機能性透明層を有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
(11)メッシュ状の金属箔層を最外層に有することを特徴とする上記(10)に記載のディスプレーパネル用光学フィルター。
(12)上記(10)又は(11)に記載のディスプレーパネル用光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレーパネル。
(13)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルムを有することを特徴とするプラズマディスプレーパネル。
(14)透明プラスチック基材に接着層を介して金属箔を積層する工程と、該金属箔にケミカルエッチングプロセスによってライン幅が20μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚みが20μm以下である金属メッシュを形成する工程とを含んでおり、接着剤層上部が金属箔層及び空気と接していて、該金属メッシュ表面のヘイズが10%以下であ電磁波シールド性と光透過性を有するディスプレーパネル用フィルムを製造することを特徴とするディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
(15)金属メッシュのライン厚みが6μm以上12μm以下でであることを特徴とする、上記(14)に記載のディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
(16)有機溶剤で溶解又は膨潤する接着剤、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液で溶解又は膨潤する接着剤、及び加熱により流動化する接着剤から選ばれる接着剤を介して、透明プラスチック基材に金属箔を積層することを特徴とする上記(14)又は(15)に記載のディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
(17)有機溶剤で溶解又は膨潤する接着剤、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液で溶解又は膨潤する接着剤、及び加熱により流動化する接着剤から選ばれる接着剤を介して、透明プラスチック基材に金属箔を積層し、ケミカルエッチングを行った後、該金属箔・プラスチック基材積層体に有機溶剤、酸性水溶液、またはアルカリ性水溶液の少なくともいずれか1種類による洗浄、及びまたは、加熱処理を施すことを特徴とする、上記(16)に記載のディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
本発明の製造方法に用いられる透明プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
この透明プラスチック基材の厚みは、薄いと取扱性が悪く、厚いと可視光の透過率が低下するため5〜200μmが好ましい。さらに好ましくは、10〜130μmが、より好ましくは、40〜80μmである。
本発明におけるプラスチックフィルムは、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
次に、本発明における金属箔部分、特に金属箔部分を構成する金属細線部分について説明する。
金属箔材料としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、コバルト、スズ、ステンレス、タングステン、クロム、チタン、パラジウム、白金、マンガン、亜鉛、ロジウムなどの金属、またはこれらを組み合わせた合金を挙げることができる。導電性、価格等の観点から金属は、銅、アルミニウムまたはニッケルであることが好ましい。また、磁場シールド性を付与する場合、導電性金属粒子として常磁性金属粒子を用いることが好ましい。
金属箔部分の作製方法は、格別限定されないが、例えばフォトリソ工程(レジストフィルム貼付け−露光−現像−ケミカルエッチング−レジストフィルム剥離)によって作製することができる。
本発明で用いられる、透明プラスチック基材と金属箔を貼りあわせる接着剤について説明する。また、以下の説明はメッシュ状の金属箔層の上に使用される接着剤や該メッシュ状の金属箔層とは反対側の面に使用される接着剤にも適用される。これらの接着剤は同じでも異なっていても良い。該接着剤は、有機溶剤で溶解ないし膨潤する接着剤、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液で溶解ないし膨潤する接着剤、加熱により流動する接着剤である。
150℃以下がより好ましい。電磁波シールド性接着フィルムの用途から、使用される環境が通常60℃以下であるので接着剤の軟化温度は、60〜120℃がさらに好ましい。一方、ポリマーの重量平均分子量は、500以上100万以下のものを使用するのが好ましい。分子量が300未満では接着剤組成物の凝集力が低すぎるため被着体への密着性が低下し、100万を超えると有機溶剤等での剥離や膨潤が困難となる。本発明で使用する接着剤層の屈折率は、1.45〜1.70の範囲のものを使用するのが好ましい。この屈折率の選択は本発明で使用するプラスチックフィルムと接着剤層の屈折率が異なると、可視光透過率が低下するためであり、さらに、屈折率が好ましくは1.45〜1.60であると可視光透過率の低下が少なく良好であるためである。上述したポリマーの屈折率はこの範囲内にある。接着剤層の塗布厚みに特に制約はないが、0.05μm〜50μmが好ましく、0.1μm〜30μmがより好ましく、0.5μm〜10μmが更により好ましい。
また、本発明でもちいる接着剤は、上述したポリマーを水分散物の形態としたものであってよい。これは、主成分が水である分散媒に合成樹脂が分散された、分散物である。分散媒中に含まれる水の含量は、30%〜100%が好ましく、50%〜100%がより好ましい。水以外の溶媒としては、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、など、水に溶解性のある溶媒が選ばれる。
本発明では、必要に応じて、別途、機能性を有する機能層として、電磁波シールド機能以外の機能層を設けていてもよい。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、ディスプレー用電磁波シールド材用途としては、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層;ノングレアー層またはアンチグレアー層(共にぎらつき防止機能を有する);近赤外線を吸収する化合物や金属からなる近赤外線吸収層;特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層;指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚層;傷のつき難いハードコート層;衝撃吸収機能を有する層;ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層などを設けることができる。これらの機能層は、本発明の電磁波シールド膜を構成する乳剤層と支持体とを挟んで反対側の面に設けてもよく、さらに同一面側に設けてもよい。
これらの複合機能性膜はPDPに直接貼合してもよく、プラズマディスプレーパネル本体とは別に、ガラス板やアクリル樹脂板などの透明基板に貼合してもよい。これらの複数の機能を有する機能性膜を光学フィルター(または単にフィルター)と呼ぶ。
剥離可能な保護フィルムは、必ずしも、電磁波遮蔽用シート(透光性電磁波シールド膜)の両面に有していなくてもよく、特開2003−188576号公報の図2(a)に示すように、積層体の上に設けたメッシュ状の金属箔上に保護フィルムを有するのみで、透明基材フィルム(すなわち本明細書の「透明支持体」に相当)側に有していなくてもよい。また、上記公報の図2(b)に示すように、積層体の透明基材フィルム側に保護フィルムを有するのみで、金属箔上に保護フィルムを有していなくてもよい。
電磁波シールドフィルムは更に反射防止性の付与、防汚性の付与、近赤外線吸収等の効果を有するシートを積層して使うものであるので、積層の際には上記の保護フィルムを剥離する必要があり、このため、保護フィルムの金属箔側への積層は、いわゆる剥離可能に行なうことが望ましい。
静電気帯電によるホコリの付着や、人体との接触による静電気放電を防止するため、透過性電磁波シールド膜には、帯電防止性(静電気防止性)が付与されることが好ましい。
帯電防止性を有する機能性フィルムとしては、導電性の高いフィルムを用いることができ、例えば導電性が面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良い。
導電性の高いフィルムは、透明基材上に帯電防止層を設けることにより形成することができる。帯電防止層に用いる帯電防止剤としては、具体的には、商品名ペレスタット(三洋化成社製)、商品名エレクトロスリッパー(花王社製)等が挙げられる。他に、ITOをはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜で帯電防止層を形成しても良い。上述のハードコート層、反射防止層、防眩層等に、導電性微粒子を含有させる等して帯電防止性を付与してもよい。
透光性電磁波シールド膜には、後述する色素や透明基材の劣化等を防ぐ目的で紫外線カット性を付与することが好ましい。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、透明基材自体に紫外線吸収剤を含有させる方法や透明基材上に紫外線吸収層を設けることにより形成することができる。
色素を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、紫外線吸収剤や紫外線を反射または吸収する無機化合物を含有する層を透明基材上に形成することにより得られる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。
また、機能性フィルムに後述する色素を含有する層が形成されている場合は、その層よりも外側に紫外線カット性を有する層が存在することが望ましい。
透光性電磁波シールド膜を常温常湿よりも高い温度・湿度環境化で使用すると、水分により後述する色素が劣化したり、貼り合せに用いる接着剤中や貼合界面に水分が凝集して曇ったり、水分による影響で接着剤が相分離して析出して曇ったりすることがあるので、透光性電磁波シールド膜はガスバリア性を有していることが好ましい。
このような色素劣化や曇りを防ぐためには、色素を含有する層や接着剤層への水分の侵入を防ぐことが肝要であり、機能性フィルムの水蒸気透過度が10g/m2・day以下、好ましくは5g/m2・day以下であることが好適である。
透明プラスチック基材として厚さ50μmの透明PETフィルムを用い、その上に下記の接着剤1を介して導電性材料である厚さ18μmの電解銅箔の粗化面が接着側になるようにして、ラミネートして貼り合せた。得られた銅箔付きPETフィルムにフォトリソ工程(レジストフィルム貼付け−露光−現像−ケミカルエッチング−レジストフィルム剥離)を経て、ライン幅15μm、ライン間隔300μmの銅の格子状メッシュを得た。
次いで、上記銅メッシュ付きPETフィルムを120℃に加熱し、本発明の試料を得た(処理時間30分)。PETと銅箔を貼り合わせた接着剤1がこの処理によって軟化する
ので、ヘイズを低下させることができ、本発明の試料を得た。
(接着剤1)
バイロンUR-1400(商品名、東洋紡績(株)製)、飽和ポリエステル樹脂、Mn=4万)
100重量部
MEK 286重量部
シクロヘキサノン 5重量部
上記の接着剤1の組成物の溶媒を乾燥させた後の屈折率は、1.55、軟化点は83℃であった。
透明プラスチック基材として厚さ50μmの透明PETフィルムを用い、その上に下記の接着剤3を介して導電性材料である厚さ18μmの銅箔の粗化面が接着側になるようにして、加熱ラミネートして接着させた。得られた銅箔付きPETフィルムにフォトリソ工程(レジストフィルム貼付け−露光−現像−ケミカルエッチング−レジストフィルム剥離)を経て、ライン幅15μm、ライン間隔300μmの銅の格子状メッシュを得た。この銅メッシュが形成されたフィルムを比較例1としてた。
(比較例2)
比較例1の銅メッシュ付きPETフィリムを実施例1と同様に120℃に加熱して比較例2の試料を得た(処理時間30分)。
上記比較例1の試料を、特許第3570420号記載の実施例1の方法に従って、樹脂を塗布しアクリル板に加熱圧着(0.5MPa、60℃、120分、オートクレーブ処理)を行い、比較例2の試料を得た。塗布した樹脂の組成は、該特許実施例の接着剤3の組成のものを用いた。
ポリアクリル酸エステル(MAA/BA/HEA=85/10/5,Mw=55万)
100重量部
コロネートL(3官能イソシアネート、商品名、日本ポリウレタン工業(株)製)
3.5重量部
トルエン 450重量部
酢酸エチル 10重量部
組成物の溶媒を乾燥させた後の軟化点は200℃以上であった。
実施例1と同様に、接着剤1の代わりに接着剤2を用いて試料を作成した。
(接着剤2)
ポリブタジエンエラストマー(Poly bd R−45HT:出光石油化学(株)製、商品名)
100重量部
トルエン 450重量部
酢酸エチル 10重量部
接着剤層1の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.50、軟化点は61℃であった。
(開口率)メッシュの線幅を測定し、(ピッチー線幅)×(ピッチー線幅)/(ピッチ×ピッチ)から、開口率を求めた。
(表面抵抗)三菱化学製低抵抗率計ロレスタにて、表面抵抗率を測定した。
(ヘイズ)日本電色製ヘイズメーター(NDH2000)にて、JIS K 7105に対応した測定方法を用いて、PET基板上に設けた銅メッシュ試料のヘイズを測定した。
実施例1と同様に、接着剤1の代わりに接着剤4を用いて試料を作成した。
(接着剤4)
次のようにして接着剤組成物を調整した。
ジュリマーET-410 (商品名、日本純薬製:Tg44℃) 100重量部
水 10重量部
次いで、上記銅メッシュ付きPETフィルムを水浴に浸漬した後、140℃に加熱し、本発明の試料を得た。
このように低ヘイズの銅メッシュを得るには、比較例に示される従来の方法では、樹脂で金属メッシュを埋めて凸凹を平滑化する工程が必須であった。
また、本発明の試料は、従来、透明基材上に設けられた金属メッシュ上に更にヘイズを十分に低減するために必須であった樹脂層を設ける必要がない為、樹脂層を設ける工程で発生していた気泡が混入する欠陥を皆無にすることが初めて可能となった。
上記実施例3で得た透光性電磁波シールドフィルムのメッシュ状金属層とは逆側の面に、厚さ25μmのアクリル系透光性粘着材を介して、ガラス板を貼り合わせた。該アクリル系透光性粘着材層中には光学フィルターの透過特性を調整する調色色素(三井化学製PS−Red−G、PS−Violet−RC)を含有させた。さらに、該ガラス板の反対の主面には、粘着材層と近赤外線カット能とを有する反射防止フィルム(日本油脂(株)製 商品名リアルックN785UV-013)を貼り合わせ、光学フィルターを作製した。
尚、得られた光学フィルターは、実用上問題ない電磁波遮蔽能及び近赤外線カット能を有し(850〜1100nmの透過率が15%以下)、反射防止層により視認性に優れていた。また、色素を含有させることによって、調色機能を付与できており、プラズマディスプレー等の光学フィルターとして好適に使用できる。
Claims (17)
- 透明プラスチック基材上に接着剤層と該接着剤層上に設けられたメッシュ状の金属箔層とを有し、該接着剤層上部は金属箔層及び空気と接しており、該金属箔層のメッシュ部分のヘイズは10%以下であり、かつ電磁波シールド性と光透過性を有することを特徴とする、ディスプレーパネル用フィルム。
- 透明プラスチック基材上に接着剤層と該接着剤層上に設けられたライン幅が20μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚みが20μm以下であるメッシュ状の金属箔層とを有し、該接着剤層上部は該金属箔層及び空気と接しており、該金属箔層のメッシュ部分のヘイズが10%以下であり、かつ電磁波シールド性と光透過性を有することを特徴とする、請求項1に記載のディスプレーパネル用フィルム。
- 表面抵抗率が0.1Ω/□未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレーパネル用フィルム。
- メッシュ状の金属箔のライン厚みが6μm以上12μm以下でであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
- 上記金属箔が少なくとも表面が黒化処理された銅箔であり、かつ電磁波シールド性と光透過性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム
- 透明プラスチック基材の金属メッシュと反対側の面に接着剤層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
- 透明プラスチック基材のメッシュ状の金属箔層の上に更に接着剤層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
- 剥離可能な保護フィルムを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
- 赤外線遮蔽性、ハードコート性、反射防止性、妨眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、ガスバリア性、表示パネル破損防止性のいずれか1つ以上から選ばれる機能を有している機能性透明層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルムを有することを特徴とするディスプレーパネル用光学フィルター。
- メッシュ状の金属箔層を最外層に有することを特徴とする請求項10に記載のディスプレーパネル用光学フィルター。
- 請求項10又は11に記載のディスプレーパネル用光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレーパネル。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のディスプレーパネル用フィルムを有することを特徴とするプラズマディスプレーパネル。
- 透明プラスチック基材に接着層を介して金属箔を積層する工程と、該金属箔にケミカルエッチングプロセスによってライン幅が20μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚みが20μm以下である金属メッシュを形成する工程とを含んでおり、接着剤層上部が金属箔層及び空気と接していて、該金属メッシュ部分のヘイズが10%以下である電磁波シールド性と光透過性を有するディスプレーパネル用フィルムを製造することを特徴とするディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
- 金属メッシュのライン厚みが6μm以上12μm以下でであることを特徴とする、請求項14に記載のディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
- 有機溶剤で溶解又は膨潤する接着剤、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液で溶解又は膨潤する接着剤、及び加熱により流動化する接着剤から選ばれる接着剤を介して、透明プラスチック基材に金属箔を積層することを特徴とする請求項14又は15に記載のディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
- 有機溶剤で溶解又は膨潤する接着剤、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液で溶解又は膨潤する接着剤、及び加熱により流動化する接着剤から選ばれる接着剤を介して、透明プラスチック基材に金属箔を積層し、ケミカルエッチングを行った後、該金属箔・プラスチック基材積層体に有機溶剤、酸性水溶液、またはアルカリ性水溶液の少なくともいずれか1種類による洗浄、及びまたは、加熱処理を施すことを特徴とする、請求項16に記載のディスプレーパネル用フィルムの製造方法。
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