JP4288689B2 - 電磁波シールド性接着フィルムの製造方法 - Google Patents

電磁波シールド性接着フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はCRT、PDP(プラズマ)、液晶、ELなどのディスプレイ前面から発生する電磁波のシールド性を有する電磁波シールド性接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CRT、PDPなどのディスプレイ前面より発生する電磁波ノイズのシールド方法として、透明性基材上に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜導電層を形成する方法(特開平1−278800号公報、特開平5−323101号公報参照)が提案されている。
一方、良導電性繊維を透明基材に埋め込んだ電磁波シールド材(特開平5−327274号公報、特開平5−269912号公報参照)や金属粉末等を含む導電性樹脂を透明基板上に直接印刷した電磁波シールド材料(特開昭62−57297号公報、特開平2−52499号公報参照)、さらには、ポリカーボネート等の透明基板上に透明樹脂層を形成し、その上に無電解めっき法により銅のメッシュパターンを形成した電磁波シールド材料(特開平5−283889号公報参照)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電磁波シールド性と透明性を両立させる方法として、特開平1−278800号公報、特開平5−323101号公報に示されている透明性基材上に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜導電層を形成する方法は、透明性が達成できる程度の膜厚(数100Å〜2、000Å)にすると導電層の表面抵抗が大きくなりすぎるため、30MHz〜1GHzで要求される30dB以上、好ましくは50dB以上のシールド効果に対して20dB以下と不十分であった。
良導電性繊維を透明基材に埋め込んだ電磁波シールド材(特開平5−327274号公報、特開平5−269912号公報)では、30MHz〜1GHzの電磁波シールド効果は40〜50dBであるが、視認性に問題のない繊維径が25μmのとき、導電性繊維を規則配置させるために必要なピッチが50μm以下となり、開口率が低下して透明性が損なわれ、ディスプレイ用途には適したものではなかった。
また、特開昭62−57297号公報、特開平2−52499号公報の金属粉末等を含む導電性樹脂を透明基板上に直接スクリーン印刷法などによって印刷した電磁波シールド材料の場合も同様に、印刷精度の限界からライン幅は、50〜100μm前後となり透明性の低下やラインの視認性が発現するため前面フィルターとして適したものではなかった。一方凹版オフセット印刷法を使用した特許として、特公昭59−17555号公報があるが、これは導電膜を直接印刷で形成するもので、これでは所望の電磁波シールド性は得られなかった。
さらに特開平5−283889号公報に記載のポリカーボネート等の透明基板上に透明樹脂層を形成し、その上に無電解めっき法により銅のメッシュパターンを形成したシールド材料では、無電解めっきの密着力を確保するために、透明基板の表面を粗化する工程が必要であることや、基板が無電解めっき工程でダメージを受けてはならないなどの制約があった。さらに透明基板が厚いと、ディスプレイに密着させることができないため、そこから電磁波の漏洩が大きくなる等の問題があった。また仮にこの方法により、電磁波シールド性と透明性は達成できたとしても、製造面においては、電磁波シールドテープのようにシールド材料を巻物にすることができないため嵩高くなることや自動化に適していないために製造コストがかさむという欠点もあった。
さらに特願平10−179489号に示したように、凹版オフセット印刷で幾何学図形を描いた場合、一般にPDPは大画面であることが多いため、一回の印刷では印刷ムラやにじみ・かすれが発生しやすく均一な図形を描くことが困難である場合があった。
【0004】
ディスプレイ前面から発生する電磁波のシールド性については、30MHz〜1GHzにおける30dB以上、好ましくは50dB以上の電磁波シールド機能の他に、良好な可視光透過性、さらに可視光透過率が大きいだけでなく、シールド材の存在を肉眼で確認することができない特性である非視認性も必要とされる。電磁波シールド性、透明性、非視認性や被着体への簡易な接着性を有する電磁波シールド性接着フィルムとしては、これまで満足なものは得られていなかった。
本発明はかかる点に鑑み、電磁波シールド性と透明性・非視認性及び被着体への簡易な接着性を有し、オフセット印刷で幾何学図形を描いた場合の印刷ムラやにじみ・かすれの発生を防止した幾何学図形を描くことができる電磁波シールド性接着フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明は、次のものに関する。
1. 接着剤層を介して、導電性金属透明プラスチック支持体に貼り合わされている構成体において、透明プラスチック支持体上の導電性金属上に小面積のオフセット印刷を複数回施すことにより、大面積の印刷インクレジストの幾何学図形を導電性金属上に形成した後、導電性金属をエッチングすることを特徴とする電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
2. 導電性金属上に金属めっきが施されていることを特徴とする項1に記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法
3. エッチングする際の印刷インクレジストが黒色の印刷インクレジストである請求項1または項2に記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法
4. 導電性金属が黒化処理された導電性金属であることを特徴とする項1記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法
5. オフセット印刷法が、紫外線(UV)または熱で硬化する印刷インクレジストを導電性金属上に形成し、紫外線または熱で硬化させる工程を含む項1ないし項4のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法
6. 導電性金属で描かれた幾何学図形のライン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが40μm以下である項1ないし項5のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法
7. 透明プラスチック支持体が、プライマ塗布、プラズマ処理及びコロナ放電処理のうち少なくとも1つの方法を用いて表面処理された透明プラスチック支持体である項1ないし項6のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法
8. 透明プラスチック支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムである項1ないし項7のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
電磁波シールド性接着フィルムを構成する接着剤層の材料は、屈折率が1.40〜1.70の範囲にあるもの、より好ましくは1.45〜1.70の範囲にあるもので、主に以下に示す熱可塑性樹脂がその代表的なものとしてあげられる。たとえば天然ゴム(屈折率n=1.52)、ポリイソプレン(n=1.521)、ポリ−1,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.510)、ポリブテン(n=1.513)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1、3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.456)、ポリオキシプロピレン(n=1.450)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.459)、ポリビニルブチルエーテル(n=1. 456)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.467)、ポリビニルプロピオネート(n=1.467)などのポリエステル類やポリビニルブチラール樹脂(n=1.52)、EVA樹脂(n=1.48〜1.49)、ポリ酢酸ビニル樹脂(n=1.5)、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)やポリエステルポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチルセルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリエチルアクリレート(n=1.469)、ポリブチルアクリレート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t−ブチルアクリレート(n=1.464)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピルメタクリレート(n=1.473)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.475)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.487)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.489)、ポリメチルメタクリレート(n=1.489)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使うことも可能である。
【0007】
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としてはエポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使用することもできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。一方、ポリマーの重量平均分子量は、500以上のものが好ましく使用される。分子量が500未満では接着剤組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下することがある。
本発明で使用する接着剤層の樹脂組成物には必要に応じて、希釈剤、可塑剤、チクソトロピー性付与剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、カップリング剤、紫外線吸収剤、防眩剤、赤外線吸収剤、導電性金属、充填剤や粘着付与剤などの添加剤を配合してもよい。
【0008】
本発明で用いる接着剤層の屈折率しては1.40〜1.70のもの、より好ましくは1.45〜1.70のものを使用することが好ましい。これは本発明で使用するプラスチック支持体と接着剤層の屈折率が異なると可視光透過率が低下するためであり、屈折率が1.40〜1.70、好ましくは1.45〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好で上述したポリマーの屈折率はこの範囲内にある。
これらの接着剤は通常の汎用溶剤に溶解させるか、または無溶剤のまま他の添加剤と共に攪拌・混合・溶解して使用することができる。
【0009】
本発明で使用する導電性金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、白金、タングステン、クロム、チタン、スズ、鉛、パラジウムなどが挙げられ、それらの1種または2種以上を組み合わせて含むステンレス、半田などの合金も使用することができる。導電性、価格の点から銀、銅またはニッケルが適している。一方導電性金属として、常磁性金属である、鉄、ニッケル、コバルトを使用すると、電界に加えて、特に磁界の遮蔽性を向上させることも可能である。
【0010】
本発明で使用する透明プラスチック支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチックからなるフィルムで無色あるいは有色を含め全可視光透過率が70%以上で厚さが1mm以下のものが好ましい。これらは単層で使用することもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして使用してもよい。このうち透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムが好ましい。プラスチックフィルムの厚さは、5〜500μmがより好ましい。5μm未満だと取り扱い性が悪くなり、500μmを超えると可視光の透過率が低下してくる。10〜200μmがさらに好ましい。
プラスチック支持体の少なくとも片面には、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、スプレー法、プリント印刷法などの方法で金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、スズ、チタンなどやこれらの合金、あるいは酸化インジウム、酸化スズ、およびその混合物(以下ITO)をはじめ、酸化チタン、酸化第二スズ、酸化カドミウムやこれらの混合物を用いて、導電性の薄膜層を形成してあってもよい。
また、透明プラスチック支持体の外層に、反射防止層を設けたり、近赤外線遮蔽層を形成したり、内包してもよい。
【0011】
本発明で幾何学図形を描く際に用いられるオフセット印刷法としては凹版オフセット印刷が適している。これは通常のスクリーン印刷法や平版オフセット印刷法に比べて、50μm以下の高精度の印刷性に優れているためである。凹版オフセット印刷法は、版の凹部に印刷インクレジストを詰め、一旦ブランケットに移し、これから被着体に印刷する方法である。本発明において複数回繰返すオフセット印刷とは、大面積の幾何学図形を描くために少なくとも2回以上の小面積の印刷を行うことを意味する。その際小面積に分割して幾何学図形を描くことにより、小型印刷機で印刷が可能である上、面内で印刷パターンのライン幅バラツキや印刷ムラ、にじみ・かすれなどを最小限に抑えることができる。
ここでいう大面積とは、100mm×100mm以上のものを指すが、本発明では特に500mm×500mm以上の幾何学図形、特に1000mm×1000mm以上の幾何学図形を描く際に有効である。一方、本発明でいう小面積とは1000mm×1000mm以下で、通常最も有効な小面積は500mm×500mm以下の場合である。
【0012】
印刷インクレジストのバインダポリマーとしては、以下に示すものが挙げられる。天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、ポリ−2−t−ブチル−1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリエーテル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネートなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチルアクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレート、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメタクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合可能なモノマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使用できる。特に支持体への密着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは被着体への密着性向上に有効である。これらのほかにも、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂のような熱硬化系樹脂などが適用可能で、これらのポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
これらのバインダポリマは通常、印刷インクとともに、汎用溶剤に溶解させるか、または無溶剤のまま上記の他の添加剤などとともに攪拌・混合・溶解して使用することができる。本発明で使用する印刷インクレジストには、バインダポリマーの他、必要に応じて、分散剤、チクソトロピー性付与剤、消泡剤、レベリング剤、希釈剤、可塑化剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、カップリング剤、充填剤、導電性粒子などの添加剤を配合しても良い。そして、印刷インクレジストには、紫外線(UV)または熱で硬化するレジストを用いることが、レジストの取扱性、エッチング時の耐薬品性、レジストを設けて使用する場合に有利であるので好ましい。印刷配線板分野で使用されている感光性樹脂や導電性ペーストなどの組成を変形させて適用することができる。
【0013】
本発明で用いる導電性金属上に金属めっきを施すことによって、さらに電磁波シールド性を向上させることができる。金属めっきを施す方法として常法による電解めっき、無電解めっき、蒸着等のいずれの方法、組合せでも可能である。めっき金属の種類は金、銀、銅、ニッケル、アルミ等が可能であるが、導電性、価格の点から銅、またはニッケルが最も適している。めっき厚みの範囲は0.1〜100μmが適当で、0.1μm未満では導電性が不十分なため、十分なシールド性が発現しないおそれがある。まためっき厚みが100μmを超えると、視野角が狭くなるため好ましくない。0.5〜50μmがさらに好ましい。
本発明においては、導電性金属を黒化処理した導電性金属を用いることが好ましい。幾何学図形を形成する前の導電性金属を黒化処理する場合、幾何学図形を形成した後に黒化処理する場合の何れでも良く、この場合コントラストを高めることができて好ましい。また経時的に酸化され退色されることが防止できる。黒化処理は、例えば、プリント配線板分野で行われている方法を用いて行うことができ、導電性金属が銅である場合、亜塩素酸ナトリウム(31g/l)、水酸化ナトリウム(15g/l)、燐酸三ナトリウム(12g/l)の水溶液中、95℃で2分間処理することにより行うことができる。
【0014】
印刷インクレジストを黒色化する方法としては、印刷インクレジストに黒色色素を添加したり、カーボンブラック等の黒色添加剤を使用する方法がある。これらの黒色添加剤は通常、バインダポリマ100重量部に対して、0.001重量部以上の添加でコントラストの向上を図ることができるが、0.01重量部以上の添加がさらに好ましい。黒色の印刷インクレジストは、導電性金属をエッチングした後も幾何学図形の上に残して電磁波シールド性接着フィルムとしてディスプレイに用いた場合、コントラストの向上を図ることができる。
【0015】
本発明では、印刷インクレジストを用いて幾何学図形を導電性金属上に形成し、エッチングすることにより幾何学図形を形成する。この幾何学図形とは、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形、円、だ円、星型などを組み合わせた模様であり、これら単位の単独の繰り返し、あるいは2種類以上組み合わせで使用することも可能である。電磁波シールド性の観点からは三角形が最も有効であるが、可視光透過性の点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど開口率が上がるが、可視光透過性の点から開口率は50%以上が必要で、60%以上がさらに好ましい。開口率は、電磁波シールド性接着フィルムの有効面積に対する有効面積から導電性金属で描かれた幾何学図形の導電性金属の面積を引いた面積の比の百分率である。ディスプレイ画面の面積を電磁波シールド性接着フィルムの有効面積とした場合、その画面が見える割合となる。
【0016】
このような幾何学図形のライン幅は40μm以下、ライン間隔は100μm以上、ライン厚みは40μm以下の範囲とするのが好ましい。また幾何学図形の非視認性の観点からライン幅は25μm以下、可視光透過率の点からライン間隔は120μm以上、ライン厚み18μm以下がさらに好ましい。ライン間隔は、大きいほど開口率は向上し、可視光透過率は向上するが、電磁波シールド性が低下するため、ライン幅は1mm以下とするのが好ましい。なお、ライン間隔は、幾何学図形等の組合せで複雑となる場合、繰り返し単位を基準として、その面積を正方形の面積に換算してその一辺の長さをライン間隔とする。
【0017】
接着剤層と透明プラスチック支持体の接着性を向上させるため、透明プラスチック支持体上へ種々の表面処理を施すことが好ましい。その方法としては、プライマの塗布による処理、プラズマ処理、コロナ放電処理のうち少なくとも1つ以上の方法が好ましい。これらの処理により処理後のプラスチック支持体の臨界表面張力が35dyn/cm以上、好ましくは40dyn/cm以上になることがさらに好ましい。臨界表面張力が35dyn/cm未満だと接着剤層との接着性が低下してくる場合がある。
【0018】
本発明の電磁波遮蔽体において使用する透明基材は、ガラスやプラスチック等からなる板であり、具体的には、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂・ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリウレタン樹脂、フタル酸ジアリル樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げれれる。これらの中でも透明性に優れるポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。本発明で使用する透明基材の厚みは、0.5mm〜5mmがディスプレイの保護や強度、取扱性から好ましい。
電磁波遮蔽体は、上記の透明基材と電磁波シールド性接着フィルムから構成され、透明基材の少なくとも片面に接着剤あるいは電磁波シールド性接着フィルムの接着剤層を導電性金属で描かれた幾何学図形の開口面を流動させることにより透明基材に接着して一体化する。これには、プレス、ラミネート等により積層成形する成形法を用いることができる。ディスプレイには、その実施形態として、例えば、電磁波シールド性接着フィルムをその画面に貼り付け使用できる。また、電磁波遮蔽体をディスプレイに取付けて使用することができる。
【0019】
【実施例】
次に実施例に於いて本発明を具体的に述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
縦1000mm、横1000mmで厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−4100:東洋紡績株式会社製商品名)を用い、その表面にプライマ(HP−1:日立化成工業株式会社製商品名、塗布厚 1μm)を塗布し、さらにその上に接着剤層として、ポリビニルブチラール樹脂(#6000EP:電気化学工業株式会社製商品名、軟化点72℃、分子量2400、n=1.52)を乾燥塗布厚が20μmになるように塗布した。その接着剤面に厚さ18μmの電解銅箔(JTC:ジャパンエナジー株式会社製商品名)の粗化面を貼り合わせた。その後銅箔の光沢面に、凹版オフセット印刷法を用いて印刷インクレジスト(RAYCAST:日立化成工業株式会社製商品名)を一回の印刷につき縦400mm、横450mmの面積で印刷し、格子パターン(ライン幅25μm、ライン間隔(ピッチ)250μm)を形成した。この印刷工程を残りの未印刷部に位置合わせして3回繰返すことにより、縦800mm、横900mmの印刷パターンを銅箔の光沢面に形成した。その後、90℃で15分間プリべークした後、高圧水銀ランプで紫外線を90mJ/cm2照射した。その後、銅箔エッチング、レジスト剥離の工程を経て、電磁波シールド性接着フィルムを作製した。本フィルムの開口率は81%であった。
【0020】
(実施例2)
縦1000mm、横1000mmで厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−4100:東洋紡績株式会社製商品名)を用い、その表面にプライマ(HP−1:日立化成工業株式会社製商品名塗布厚 1μm)を塗布し、さらにその上に接着剤層として、ポリ酢酸ビニル樹脂(SN-10:電気化学工業株式会社製商品名、軟化点55℃、重合度1200〜1500、n=1.5)を乾燥塗布厚が30μmになるように塗布した。その接着剤面に厚さ12μmの電解銅箔(NDGE:日本電解株式会社製商品名)の粗化面を貼り合わせた。その後銅箔の光沢面に、凹版オフセット印刷法を用いて黒色色素(Kayaset BlackG:日本化薬株式会社製商品名)を0.5重量%含有する印刷インクレジスト(PHOTO FINER:太陽インキ株式会社製商品名)を一回の印刷につき縦400mm、横450mmの面積で印刷し、格子パターン(ライン幅20μm、ライン間隔(ピッチ)286μm)を形成した。この印刷工程を残りの未印刷部に繰返すことにより、縦800mm、横900mmの印刷パターンを銅箔の光沢面に形成した。その後、80℃で15分間プリべークした後、高圧水銀ランプで紫外線を70mJ/cm2照射した。その後、銅箔エッチング工程を経て、印刷インクレジストを剥離しないで電磁波シールド性接着フィルムを作製した。本フィルムの開口率は86%であった。
【0021】
(実施例3)
縦1000mm、横1000mmで厚さ50μmのポリカーボネートフィルム(レキサン:旭硝子株式会社製商品名)を用い、そのコロナ処理面(臨界表面張力54dyn/cm)に接着剤層として、ポリエステルポリウレタン樹脂(バイロンUR−1400:東洋紡株式会社製商品名、軟化点83℃、平均分子量40000、n=1.5)を乾燥塗布厚が25μmになるように塗布した。その接着剤面に厚さ12μmの電解銅箔(SQ-VLP:三井金属株式会社製商品名)の粗化面を貼り合わせた。その後銅箔の光沢面に、凹版オフセット印刷法を用いて下記の感光性樹脂を一回の印刷につき縦350mm、横400mmの面積で印刷し、格子パターン(ライン幅30μm、ライン間隔(ピッチ)127μm)状に形成した。この印刷工程を残りの未印刷部に繰返すことにより、縦700mm、横800mmの印刷パターンを銅箔の光沢面に形成した。高圧水銀ランプで紫外線を1000mJ/cm2照射し、さらに120℃で5分間加熱硬化させた。その後、銅箔エッチング、レジスト剥離の工程を経て、電磁波シールド性接着フィルムを作製した。本フィルムの開口率は58%であった。
Figure 0004288689
シクロヘキサノン/メチルエチルケトン(1/1重量比)の45重量%ワニスとした。
【0022】
(実施例4)
縦1000mm、横1000mmで厚さ100μmのPETフィルム(A−4100:東洋紡績株式会社製商品名)を用い、その表面にプライマ(HP−1:日立化成工業株式会社製商品名、塗布厚 1μm)塗布し、さらにその上に接着剤層として、アクリル樹脂(HTR−811:帝国化学産業株式会社製商品名、軟化点−43℃、平均分子量42万、n=1.52)を乾燥塗布厚が20μmになるように塗布した。その接着剤面に厚さ18μmの電解銅箔(JTC:ジャパンエナジー株式会社製商品名)の粗化面を貼り合わせた。その後銅箔の光沢面に、凹版オフセット印刷法を用いて黒色色素(Kayaset BlackG:日本化薬株式会社製商品名)を0.5重量%含有する印刷インクレジスト(CIR707:日本合成ゴム株式会社製商品名)を一回の印刷につき縦400mm、横450mmの面積で印刷し、格子パターン(ライン幅20μm、ライン間隔(ピッチ)250μm)状に形成した。この印刷工程を残りの未印刷部に繰返すことにより、縦800mm、横900mmの印刷パターンを銅箔の光沢面に形成した。その後、80℃で15分間プリべークした後、高圧水銀ランプで紫外線を100mJ/cm2照射した。その後、銅箔エッチング工程を経て、印刷インクレジストを剥離することなく電磁波シールド性接着フィルムを作製した。本フィルムの開口率は84%であった。
【0023】
(実施例5)
縦1000mm、横1000mmで厚さ100μmのPETフィルム(A−4100:東洋紡績株式会社製商品名)を用い、その表面にプライマ(HP−1:日立化成工業株式会社製商品名、塗布厚 1μm)を塗布し、さらにその上に接着剤層として、ポリビニルブチラール樹脂(#6000EP:電気化学工業株式会社製商品名、軟化点72℃、分子量2400、n=1.52)を乾燥塗布厚が20μmになるように塗布した。その接着剤面に厚さ12μmの電解銅箔(SQ−VLP:三井金属株式会社製商品名)の粗化面を貼り合わせた。その後銅箔の光沢面に、凹版オフセット印刷法を用いてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC−600:ライオン株式会社製商品名、平均粒径0.03μm)を1.0重量%含有する印刷インクレジスト(RAYCAST:日立化成工業株式会社製商品名)を一回の印刷につき縦400mm、横450mmの面積で印刷し格子パターン(ライン幅20μm、ライン間隔(ピッチ)250μmを形成した。この印刷工程を残りの未印刷部に繰返すことにより、縦800mm、横900mmの印刷パターンを銅箔の光沢面に形成した。その後、90℃で15分間プリべークした後、高圧水銀ランプで紫外線を90mJ/cm2照射した。その後、銅箔エッチング工程を経て、印刷インクレジストを剥離することなく電磁波シールド性接着フィルムを作製した。本フィルムの開口率は84%であった。
【0024】
(実施例6)
実施例1で得られた電磁波シールド性接着フィルムの幾何学図形を形成した面を厚さ3mmの市販のソーダライムガラスに、そして電磁波シールド性接着フィルムの反対側面を接着フィルム(エスレック:積水化学工業株式会社製商品名、厚さ250μm)を介して市販のアクリル板(コモグラス:株式会社クラレ製商品名、厚み3mm)に熱プレス機を使用し、110℃、20Kgf/cm2、15分の条件で加熱圧着し電磁波遮蔽体を得た。
【0025】
(比較例1)
実施例1において、一回の印刷面積を縦800mm、横900mmにして、一回だけの印刷で印刷インクレジストを形成した以外は実施例1と同様にして電磁波シールド性接着フィルムを作製した。
【0026】
(比較例2)
実施例2において、一回の印刷面積を縦800mm、横900mmにして、一回だけの印刷で印刷インクレジストを形成した以外は実施例2と同様にして電磁波シールド性接着フィルムを作製した。
【0027】
(比較例3)
実施例3において、一回の印刷面積を縦700mm、横800mmにして、一回だけの印刷で印刷インクレジストを形成した以外は実施例3と同様にして電磁波シールド性接着フィルムを作製した。
【0028】
(比較例4)
実施例4において、一回の印刷面積を縦800mm、横900mmにして、一回だけの印刷で印刷インクレジストを形成した以外は実施例4と同様にして電磁波シールド性接着フィルムを作製した。
【0029】
(比較例5)
実施例5において、一回の印刷面積を縦800mm、横900mmにして、一回だけの印刷で印刷インクレジストを形成した以外は実施例5と同様にして電磁波シールド性接着フィルムを作製した。
【0030】
以上のようにして得られた電磁波シールド性接着フィルムの外観(印刷パターンの異常の有無)、と導電性金属で描かれた幾何学図形の開口率、電磁波シールド性(300MHz)、可視光透過率、非視認性、コントラスト、ガラス板への接着性を測定した。その測定結果を表1に示した。
【0031】
電磁波シールド性接着フィルムの外観は肉眼観察により行い、外観に異常のないものを「なし」、異常のあるものはその状態を記した。
導電性金属で描かれた幾何学図形の開口率は顕微鏡写真をもとに実測した。
電磁波シールド性は、同軸導波管変換器(TWC−S−024:日本高周波株式会社製商品名)のフランジ間に試料を挿入し、スペクトラムアナライザー(8510Bベクトルネットワークアナライザー:YHP製商品名)を用い、周波数300MHzで測定した。
可視光透過率の測定は、ダブルビーム分光光度計(200−10型:株式会社日立製作所製商品名)を用いて、400〜700nmの透過率の平均値を用いた。
非視認性及びコントラストは肉眼観察により判定した。非視認性は、電磁波シールド性接着フィルムを0.5m離れた場所から観察し、導電性金属で形成された幾何学図形を認識できないものを良好、認識できるものをNGとした。コントラストは、電磁波シールド性接着フィルムをプラズマディスプレイ装置の画面に密着させ、コントラストについて観察し、コントラストに優れているものを良好、そうでないものをNGとして評価した。
フィルムのガラスへの密着性は、電磁波シールド性接着フィルムを110℃、10Kgf/cm2で10分間の条件で接着剤層を流動させることによりガラスに接着させ接着力を測定した。
【0032】
【表1】
Figure 0004288689
【0033】
比較例1〜比較例5は一回の印刷面積を縦700〜800mm、横800〜900mmにして、一回だけの印刷で印刷インクレジストを形成したものであるが、面内で印刷パターンのライン幅バラツキや印刷ムラ、にじみ・かすれ、断線などが多数発生した。これらの比較例に対して、本発明の実施例で示した、接着剤層を介して、導電性金属と透明プラスチック支持体からなる構成体において、透明プラスチック支持体上の導電性金属上に小面積のオフセット印刷を複数回施すことにより、大面積の幾何学図形を有する印刷インクレジストを導電性金属上に形成した後、導電性金属をエッチングすることによって得られた電磁波シールド性接着フィルムはラインのにじみ、かすれ、断線がなく、印刷可能な最小ライン幅は20μmと良好であった。そして、開口率が高く明るい割に電磁波シールド性を50dB以上とすることができる。また、黒化処理することにより、コントラストが良好になり、くっきりした画像を鑑賞できた。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る電磁波シールド性接着フィルムの製造方法によれば、小面積のオフセット印刷法を複数回、導電性金属上に施すことによって大面積の電磁波シールド性接着フィルムを製造しているため、優れた外観と共に、電磁波シールド性、透明性、非視認性及びガラスなどへの接着性に優れた電磁波シールド性接着フィルムを安価に提供することが可能である。導電性金属上に金属めっきを施すことにより、電磁波シールド性が非常に優れた電磁波シールド性接着フィルムを提供することができる。エッチングする際の印刷インクレジストを黒色の印刷インクレジストにすることにより安価でコントラストの優れた電磁波シールド性接着フィルムを提供することができる。導電性金属が黒化処理された導電性金属とすることによりコントラストの優れた電磁波シールド性接着フィルムを提供することができる。オフセット印刷法において、紫外線(UV)または熱で硬化する印刷インクレジストにすることにより、安価で信頼性に優れた電磁波シールド性接着フィルムを提供することができる。導電性金属で描かれた幾何学図形のライン幅を40μm以下、ライン間隔を100μm以上、ライン厚さを40μm以下とすることにより、透明性と電磁波シールド性が非常に良好な電磁波シールド性接着フィルムを提供することができる。透明プラスチック支持体をプライマ処理、プラズマ処理及びコロナ放電処理のうち少なくとも1つの方法を使用して表面処理された透明プラスチック支持体とすることにより、接着信頼性に優れた電磁波シールド性接着フィルムを得ることができる。透明プラスチック支持体をポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムとすることにより、透明性の優れた電磁波シールド性接着フィルムを安価に提供することができる。前記電磁波シールド性接着フィルムと透明基材から構成された電磁波遮蔽体とすることにより、透明性を有する電磁波シールド性基板を提供することができる。電磁波シールド性と透明性を有する電磁波シールド性接着フィルムまたは前記電磁波遮蔽体をディスプレイに用いることにより、軽量、コンパクトで透明性に優れ電磁波漏洩が少ないディスプレイを提供することができる。
【0035】
前記の電磁波シールド性接着フィルムをディスプレイに使用した場合、可視光透過率が大きく、非視認性が良好であるのでディスプレイの輝度を高めることなく通常の状態とほぼ同様の条件下で鮮明な画像を快適に鑑賞することができる。しかも本フィルム自体接着性を有するため、容易に被着体に貼合わせることができる。
前記の電磁波シールド性接着フィルム及び前記の電磁波遮蔽体は、優れた外観を有すると共に、電磁波シールド性や透明性に優れているため、ディスプレイの他に電磁波を発生したり、あるいは電磁波から保護する測定装置、測定機器や製造装置の内部をのぞく窓や筐体、特に透明性を要求される窓のような部位に設けて使用することができる。

Claims (8)

  1. 接着剤層を介して、導電性金属透明プラスチック支持体に貼り合わされている構成体において、透明プラスチック支持体上の導電性金属上に小面積のオフセット印刷を複数回施すことにより、大面積の印刷インクレジストの幾何学図形を導電性金属上に形成した後、導電性金属をエッチングすることを特徴とする電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
  2. 導電性金属上に金属めっきが施されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
  3. エッチングする際の印刷インクレジストが黒色の印刷インクレジストである請求項1または請求項2に記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
  4. 導電性金属が黒化処理された導電性金属であることを特徴とする請求項1記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
  5. オフセット印刷法が、紫外線(UV)または熱で硬化する印刷インクレジストを導電性金属上に形成し、紫外線または熱で硬化させる工程を含む請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
  6. 導電性金属で描かれた幾何学図形のライン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが40μm以下である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
  7. 透明プラスチック支持体が、プライマ塗布、プラズマ処理及びコロナ放電処理のうち少なくとも1つの方法を用いて表面処理された透明プラスチック支持体である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
  8. 透明プラスチック支持体がポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムである請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルムの製造方法。
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