JP2004335651A - 電磁波シールド体の製造方法 - Google Patents

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Satoshi Odajima
智 小田嶋
Yasushi Masahiro
泰 政広
Noriyoshi Hosono
則義 細野
Junya Ishida
純也 石田
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Abstract

【課題】視認性を損なうことなく、十分な開口率を得ることのできる電磁波シールド体の製造方法を提供する。
【解決手段】透明ガラス30Aの表面に紫外線により硬化する黒色層34と導電層35とを順次重ねて積層形成する工程と、これらをパターン露光、現像するとともに、透明ガラス30Aの裏面側から黒色層34を露光して中間体を形成する工程と、中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電パターン形成する工程とを備える。そして、導電層35を形成する導電インクに、酸ポリマー、モノマー、オリゴマー、光反応開始剤、及び導電性付与フィラーを含有し、黒色層34と導電層35の露光の際に、導電層35の表面にパターンマスク36を密着させる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)の表示画面等から放射される電磁波をシールドする電磁波シールド体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーテレビには様々なタイプがあるが、近年、図6に示すようなカラーのPDP1が注目されている。このPDP1は、発光部であるパネル本体2と、このパネル本体2の前面に装着されてパネル本体2を保護する透明な前面パネル3とを備え、視野角、応答速度、低消費電力に優れるという特徴を有している。
【0003】
前面パネル3は、図7に示すように、透明基板30の表面に電磁波シールド層31と無反射処理層32とが順次積層され、透明基板30の裏面には近赤外線吸収層33が形成されており、図示しないフレーム等と組み合わされる。透明基板30の表面には、電磁波をシールド(遮蔽)して周囲の電気・電子機器や人体等に対する悪影響を抑制防止する電磁波シールド層31が形成されるが、この電磁波シールド層31を形成する場合には、例えば透明基板30の表面に、導電インクをスクリーン印刷して網状層をパターン形成し、この網状層に透明の保護層をスクリーン印刷する方法が採用される(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−283977号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁波シールド層31は、以上のように透明基板30に、金属粉末含有のインクがスクリーン印刷法により単にパターン形成されているが、これでは、パターンの形成に伴い、透明基板30が全体として曇るので、透明基板30に求められる重要な視認性を損なうという問題がある。さらに、単なるパターン形成では十分な開口率を得ることができないおそれがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、視認性を損なうことなく、十分な開口率を得ることのできる電磁波シールド体の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を達成するため、電磁波をシールドするものの製造方法であって、
透明基板に感光性の黒色層と導電層とを重ねて形成する工程と、これらをパターン露光、現像して中間体を形成する工程と、この中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成する工程とを含み、
導電層を形成する導電インクは、酸ポリマー、光反応開始剤、及び導電性付与フィラーを含有し、
酸ポリマーは、80〜300mgKOH/gの酸価を有するとともに、一分子中に少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を含み、質量平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴としている。
【0008】
なお、導電インクに含有されるモノマーを備え、このモノマーは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを含み、配合量が酸ポリマー100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。
また、導電インクに含有されるオリゴマーを備え、このオリゴマーは、一分子中に少なくとも2個のアクリル基又はメタクリル基を含み、配合量が酸ポリマー100質量部に対して300質量部以下であることが好ましい。
また、黒色層と導電層のパターン露光時に、導電層にパターンマスクを密着させると良い。
【0009】
ここで特許請求の範囲における透明基板としては、強化ガラスや半強化ガラスの他、歪みの問題を生じなければ、例えばアクリル基板等が使用される。この透明基板には、電磁波シールド層の他、無反射処理層や電子機器の誤作動を防止する近赤外線吸収層を適宜形成することができる。黒色層は、導電性又は絶縁性を有していても良いし、そうでなくても良い。また、本発明に係る電磁波シールド体は、PDPの前面パネルの一部として使用されるが、何らこれに限定されるものではない。例えば、FED等の他の機器に応用することもできる。PDPには、DC型、AC型、ハイブリッド型があるが、何ら限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における電磁波シールド体の製造方法は、図1ないし図5に示すように、透明ガラス30Aの表面に紫外線により硬化する黒色層34と導電層35とを順次重ねて積層形成する工程と、これらをパターンマスク36を介して露光、現像するとともに、透明ガラス30Aの裏面側から黒色層34を露光して中間体37を形成する工程と、この中間体37を熱処理して電磁波シールド層31を導電パターン形成する工程とを備え、導電層35を形成する導電インクに、酸ポリマー、モノマー、オリゴマー、光反応開始剤、及び導電性付与フィラーを含有するようにしている。
【0011】
透明ガラス30Aは、例えば強化されて耐熱性や透光性に優れる平面略矩形のガラス板からなる。この透明ガラス30Aは、例えば平坦なソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が使用される。透明ガラス30Aの厚さは、特に限定されるものではないが、視認性や透光性確保の観点から薄いほうが好ましい。具体的には、視認性、透光性、機械的強度の観点から、0.05〜5mm、好ましくは1.5〜3.0mm程度の厚さに形成される。
【0012】
黒色層34は、少なくとも紫外線により硬化可能な樹脂組成物を含有した黒色インクからなるとともに、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じて加えられ、透明ガラス30Aの片側全表面に形成される。この黒色層34は、例えば、紫外線硬化型の樹脂組成物、黒色顔料、金属酸化物系着色剤、所定の溶剤等を適宜配合して調製される。
【0013】
導電層35は、例えば紫外線により硬化する樹脂組成物に導電性付与フィラー、換言すれば、入手の容易性、コスト、導電性、耐酸化性に優れる銀粒子を含有した銀インクからなる。この銀インクは、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じて加えられ、黒色層34の全表面に重ねて形成される。
【0014】
黒色層34と導電層35に用いられる紫外線硬化型の樹脂組成物としては、水、アルカリ性水溶液、溶剤等により現像できれば良く、これらの中でも、解像度や作業性の観点からアルカリ性水溶液により現像可能な樹脂組成物が好ましい。このような樹脂組成物は、酸ポリマー、モノマー、オリゴマー、及び光反応開始剤からなる。樹脂組成物の酸ポリマーとしては、例えばスチレン−無水マレイン酸共重合体系のポリマー等があげられる。この酸ポリマーの酸価は、80〜300mgKOH/gの範囲が好ましい。これは、80未満の場合には、現像時の現像液に対する溶解性が不足し、逆に300を超える場合には、現像液に対する耐性が失われ、露光部が溶解するからである。
【0015】
酸ポリマーは、一分子中に少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基が含有され、質量平均分子量が10,000〜50,000の範囲に設定されるとともに、配合量(固形分)が100質量部とされる。一分子中に少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基が含有されるのは、係る反応基がないと、露光部の不溶化のため、モノマーとオリゴマーの添加量が増大してパターンマスク36の良好な剥離を期待することができないからである。また、質量平均分子量が10,000〜50,000の範囲なのは、10,000未満の場合には、塗布膜の強度が不十分であり、パターンマスク36の剥離時にパターンマスク側に転写しやすくなるからである。逆に、50,000を超える場合には、未露光部の現像液に対する溶解性が低下するからである。
【0016】
モノマーは、例えばポリエチレングリコールジメタクリレート等からなり、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが含有されており、配合量が酸ポリマー100質量部に対して0〜50質量部以下に設定される。配合量が酸ポリマー100質量部に対して0〜50質量部以下の範囲なのは、50質量部を超えると、塗膜自体の強度が弱化し、パターンマスク36の剥離時にパターンマスク側に転写しやすくなるとともに、タックも生じてパターンマスク36に張り付きやすくなるという理由に基づく。
【0017】
オリゴマーは、例えばエポキシアクリレートオリゴマー等からなり、一分子中に少なくとも2個のアクリル基又はメタクリル基が含有され、配合量が酸ポリマー100質量部に対して0〜300質量部以下とされる。配合量が酸ポリマー100質量部に対して300質量部以下なのは、300質量部を超えると、塗膜自体の強度が弱化し、パターンマスク36の剥離時にパターンマスク側に転写しやすくなり、かつタックも生じてパターンマスク36に張り付きやすくなるからである。
【0018】
光反応開始剤は、通常のネガタイプのフォトリソグラフに使用可能であれば、特に限定されるものではない。具体的には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノアセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、フルオレソン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1 フェニルプロパン−1−オン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロロアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジトベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジトベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルフォニルクロライド、N−フェニルチオアクドリン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾ−ルスルフィド、トリフェニルフォスフィン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、カンファーキノン等であるが、2種以上併用することも可能である。
【0019】
銀粒子は、各種の分散剤により表面処理され、二次凝集の生じないことが好ましい。分散剤としては、熱処理工程で分解、あるいは揮発する性質のものが好適に使用される。銀粒子は、平均粒径が0.05〜1μm、好ましくは0.07〜0.8μmに形成されるとともに、真球度が0.7以上、好ましくは0.8以上の略球形とされる。これは、平均粒径が0.05μm未満の場合には、導電性確保のため、添加量を増加する必要があるからである。逆に、1μmを超える場合には、銀粒子の脱落や食み出しのパターンエッジの直線性に与える影響が大きくなり、微細なパターンを得ることができなくなるからである。
【0020】
銀粒子の真球度が0.7以上なのは、真球度が0.7未満の場合には、光透過率が悪化し、微細なパターンを形成することが困難になるという理由に基づく。この真球度の測定に際しては、銀粒子を適当な分散媒に分散させて顕微鏡等により拡大観察し、個々の粒子の長径、短径を計測し、真球度=短径/長径により算出したものの平均値とする。さらに、銀粒子の粒径バラツキは、3σで平均粒径の値以下が好ましい。これは、銀粒子の粒径バラツキが大き過ぎると、大きな銀粒子間に小さな銀粒子が侵入し、良好な光線透過率を得ることが困難になるからである。
【0021】
上記において、電磁波シールド体を製造する場合には、先ず、所定の厚さの透明ガラス30Aを用意し(図1参照)、この透明ガラス30Aの片側全表面に黒色インクを塗布乾燥させて黒色層34を形成し、この全黒色層34上に銀インクを塗布乾燥させて導電層35を重ねて形成する(図2参照)。黒色層34や導電層35の形成に際しては、例えばロールコータやカーテンコータ等を用いることができる。
【0022】
電磁波シールド層31を形成する黒色層34と導電層35とを多層に積層形成したら、導電層35上に所定のパターン付きのパターンマスク36を配置し、黒色層34と導電層35とをUV照射機の紫外線により部分的に露光(図3参照)して現像液に対して不溶化させ、所定の現像液により係る多層構造の透明ガラス30Aをスプレーやディッピング等の方法により現像し、黒色層34及び導電層35が所定のパターンに形成された中間体37を形成する(図4参照)。
【0023】
作業に使用するパターンマスク36は、解像度を向上させる観点から導電層35の表面に密着させると良い。UV照射機は、特に限定されるものではないが、ベルトコンベヤを備え、メタルハライド灯を点灯させるタイプ等が使用される。黒色層34及び導電層35は、現像時に露光されない不要領域が除去され、格子形、ストライプ形、幾何学模様等にパターン形成される。現像作業が終了したら、透明ガラス30Aの裏面側から黒色層34を露光して耐食性等を向上させる。
【0024】
次いで、中間体37をオーブン等に投入して200〜600℃の温度で熱処理し、この熱処理を所定の時間維持して電磁波シールド層31を形成する導電層35を収縮させ、その後、所定温度に冷却する。そして、オーブンから中間体37を取り出した後、中間体37を所定時間放置して電磁波シールド層31を完全に導電パターン化すれば、電磁波シールド体を製造することができる(図5参照)。
【0025】
電磁波シールド層31におけるパターンの線幅は2〜40μmが好ましい。これは、線幅が2μm未満の場合、電磁波のシールド特性が劣化し、パターンの断線を招くおそれがあるからである。逆に、線幅が40μmを超える場合、透光性を維持するために線間隔を広げる必要があり、透光性とシールド特性の両立が困難化することとなる。
【0026】
電磁波シールド体を製造したら、透明ガラス30Aの裏面に近赤外線吸収層33を透明の接着剤により接着し、電磁波シールド層31に無反射処理層32を透明の接着剤により接着し、図示しないフレーム等と組み合わせる。こうすれば、前面パネル3を得ることができる。無反射処理層32は、必要がなければ、適宜省略することも可能である。
【0027】
上記によれば、透明ガラス30Aに導電層35を直接形成するのではなく、透明ガラス30Aと導電層35との間に、光線を吸収する無彩色の黒色層34を介在させるので、透明ガラス30Aが全体として曇ることがない。したがって、透明ガラス30Aに求められる視認性を著しく向上させることができる。また、黒色層34と導電層35とをそれぞれ感光性とし、通常のフォトリソ法を用いるので、スクリーン印刷法や凹版印刷法等と比較して高精度で十分な開口率のパターン形成が可能になるとともに、製造工程とコストの削減が大いに期待できる。
【0028】
また、導電インクを上記組成とするので、きわめて良好な現像が期待できる他、導電層35の表面にパターンマスク36を適切に密着させて解像度を大幅に向上させることができ、しかも、パターンマスク36の着脱が容易化するので、導電層35を損傷させることなく良好なパターンを簡単に得ることができる。さらに、透明ガラス30Aの裏面側から黒色層34を露光して透明ガラス30Aと黒色層34との境界面を硬化させれば、耐食性等が向上し、長期にわたり安定して使用することが可能になる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施例について比較例と共に説明する。
実施例1〜4、比較例1〜5の電磁波シールド体をそれぞれ作製し、各電磁波シールド体のパターンマスクの剥離性試験と現像性試験とをそれぞれ実施してその評価結果を表1にまとめた。
【0030】
実施例1〜4
先ず、半強化ソーダライムガラスからなる透明ガラスを用意し、この透明ガラスの全表面に黒色インクをロールコータにより塗布乾燥させて黒色層を形成し、この全黒色層上に銀インクをロールコータにより塗布乾燥させて導電層を積層形成した。透明ガラスは、縦582mm×横982mm、厚さ2.5mmの大きさとした。
【0031】
黒色インクは、スチレン−無水マレイン酸共重合体系のアルカリ可溶性樹脂100質量部、架橋性モノマーであるポリエチレングリコールジメタクリレート80質量部、光反応開始剤であるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンを各々質量部添加したものに、黒色顔料として黒鉛化カーボンを360質量部添加し、溶剤としてメトキシブチルアセテートを使用して調製した。
【0032】
銀インクは、表1記載の樹脂成分(酸ポリマー、モノマー、オリゴマー)合計100質量部に対し、導電性付与フィラーとして質量平均粒子径0.3μmで球状の銀粉末を1000質量部、溶剤としてメトキシブチルアセテートを使用して調製した。酸ポリマーとしてスチレン−無水マレイン酸共重合体系酸ポリマーを用い、アクリル基を含むものはアクリル基を付加させたものである。モノマーとしては、ポリエチレングリコールジメタクリレートを用い、オリゴマーは、サートマー社製エポキシアクリレートオリゴマー〔商品名CN−104(アクリル基数2)〕である。これら酸ポリマーの酸価、アクリル基、Mw、モノマー、オリゴマーについては、表1に示すように実施例毎に増減変更した。
【0033】
黒色層と導電層とを多層に順次形成したら、導電層の表面にネガタイプのパターンマスクを密着配置し、黒色層と導電層とをコンベヤ付きのUV照射機の紫外線によりに露光して現像液に対して不溶化させ、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなる現像液により係る多層構造の透明ガラスをディッピング法により現像し、黒色層及び導電層が格子形のパターンに形成された中間体を形成した。パターンマスクは、15°のバイアスを有し、幅20μm,ピッチ250μmの格子パターンを有するパターン部が透明で厚さ125μmのPET基材とした。また、露光装置については、3kWメタルハライドランプを備えたフルネルレンズ使用の平行光露光装置を使用することとし、紫外線の露光量を2000mJ/cmに設定した。
【0034】
次いで、中間体をプログラマブルオーブン等に投入して室温から昇温スピード10℃/分で昇温し、320℃で熱処理し、この温度を15分間維持した。そして、冷却スピード10℃/分で180°まで冷却したところで中間体を取り出し、その後、中間体を室温まで放冷して電磁波シールド層が導電化された電磁波シールド体を製造した。
【0035】
比較例1
基本的には実施例に準じたが、アクリル基を有しない酸ポリマーを用いた。
比較例2
基本的には実施例に準じたが、現像性を高めるため、モノマーとオリゴマーの添加量を増加した。
比較例3
基本的には実施例に準じたが、酸価の低い酸ポリマーを用いた。
【0036】
比較例4
基本的には実施例に準じたが、モノマーとオリゴマーの添加量を本発明の範囲を超えて増加した。
比較例5
基本的には実施例に準じたが、酸ポリマーの酸価を本発明の範囲を超えて増加し、実施例4と同様にモノマーとオリゴマーを添加しなかった。
【0037】
剥離性試験
露光作業の終了後、導電層に密着させたパターンマスクを手で剥離し、導電層の表面の損傷状態、パターンマスク自体の損傷状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:導電層とパターンマスク共に損傷がなかった。
△:塗布形成した導電層の一部がパターンマスクに転写された。
×:パターンマスクが破損した。
【0038】
現像性試験
上記方法により現像し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○ :コントラストの良好なパターンを得ることができた。
×1:3分間のディッピングを過ぎても未露光部を除去することができず、良好なパターンを得ることができなかった。
×2:数秒のディッピングでパターン部が溶解し、良好なパターンを得ることができなかった。
【0039】
【表1】
Figure 2004335651
【0040】
評価結果
実施例1〜4
各電磁波シールド体について、良好な剥離性と現像性を得ることができた。
比較例1
良好な剥離性を得ることができたものの、露光の不溶化が不十分でパターン部が溶解し、良好なパターンを得ることができなかった。
比較例2
導電層にパターンマスクが張り付き、剥離時にパターンマスクが全面に亘って折れ曲がり、損傷した。また、導電層のパターンマスクに対する転写も確認された。さらに、導電層の非損傷部について現像性を確認したところ、不十分なパターンしか得られなかった。
【0041】
比較例3
良好な剥離性を得ることができたが、未露光部の溶解性が不足し、不十分なパターンしか得ることができなかった。
比較例4
導電層にパターンマスクが張り付き、剥離時にパターンマスクが全面に亘って折れ曲がり、損傷した。また、導電層のパターンマスクに対する転写も確認された。さらに、導電層の非損傷部について現像性を確認したが、十分なパターンを得られなかった。
比較例5
良好な剥離性を得ることができたが、露光の不溶化が不十分でパターン部も溶解し、良好なパターンを得られなかった。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、視認性を損なうことなく、十分な開口率を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における透明ガラスを示す模式説明図である。
【図2】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における透明ガラスの全表面に黒色層を塗布形成し、この全黒色層上に導電層を塗布形成する状態を示す模式説明図である。
【図3】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における導電層上にパターンマスクをセットし、黒色層と導電層を紫外線により露光する状態を示す模式説明図である。
【図4】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における黒色層及び導電層が所定のパターンに形成された中間体を示す模式説明図である。
【図5】本発明に係る電磁波シールド体の製造方法の実施形態における電磁波シールド層を完全に導電パターン化した電磁波シールド体を示す模式説明図である。
【図6】プラズマディスプレイを示す全体斜視説明図である。
【図7】プラズマディスプレイの前面パネルを示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 PDP
2 パネル本体
3 前面パネル
30 透明基板
30A 透明ガラス(透明基板)
31 電磁波シールド層
32 無反射処理層
33 近赤外線吸収層
34 黒色層
35 導電層
36 パターンマスク
37 中間体

Claims (4)

  1. 電磁波をシールドする電磁波シールド体の製造方法であって、
    透明基板に感光性の黒色層と導電層とを重ねて形成する工程と、これらをパターン露光、現像して中間体を形成する工程と、この中間体を熱処理して電磁波シールド層を導電形成する工程とを含み、
    導電層を形成する導電インクは、酸ポリマー、光反応開始剤、及び導電性付与フィラーを含有し、
    酸ポリマーは、80〜300mgKOH/gの酸価を有するとともに、一分子中に少なくとも1個のアクリル基又はメタクリル基を含み、質量平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とする電磁波シールド体の製造方法。
  2. 導電インクに含有されるモノマーを備え、このモノマーは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを含み、配合量が酸ポリマー100質量部に対して50質量部以下である請求項1記載の電磁波シールド体の製造方法。
  3. 導電インクに含有されるオリゴマーを備え、このオリゴマーは、一分子中に少なくとも2個のアクリル基又はメタクリル基を含み、配合量が酸ポリマー100質量部に対して300質量部以下である請求項1又は2記載の電磁波シールド体の製造方法。
  4. 黒色層と導電層のパターン露光時に、導電層にパターンマスクを密着させる請求項1、2、又は3記載の電磁波シールド体の製造方法。
JP2003128097A 2003-05-06 2003-05-06 電磁波シールド体の製造方法 Pending JP2004335651A (ja)

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