JP2000174484A - 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法 - Google Patents

透光性電磁波シールド部材およびその製造方法

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JP2000174484A
JP2000174484A JP34454498A JP34454498A JP2000174484A JP 2000174484 A JP2000174484 A JP 2000174484A JP 34454498 A JP34454498 A JP 34454498A JP 34454498 A JP34454498 A JP 34454498A JP 2000174484 A JP2000174484 A JP 2000174484A
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electromagnetic wave
wave shielding
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light
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JP34454498A
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Yasuhiko Kondo
康彦 近藤
Hiroaki Kawasaki
裕章 川崎
Takehiko Matsuyama
武彦 松山
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド効果、透光性、視認性、コン
トラストおよび視野角の各特性に優れた低コストの透光
性電磁波シールド部材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の透光性電磁波シールド部材1
は、金属粉末を含有した導電性樹脂組成物を、インキ離
型性に優れたブランケットを用いた凹版オフセット印刷
法で印刷することにより、透明基材の表面に電磁波シー
ルドパターン10を形成したものであって、前記パター
ン10の線幅が5〜40μmで、パターン部の全面積S
sとパターン部が形成されていない領域の全面積Skと
が式(1) 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たし、膜厚みが0.5〜50μmであり、かつ当該
パターンの表面が硫化処理により黒色化されたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRT(ブラウン
管)、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)等の
電子機器の表示部から照射される電磁波を効果的に遮蔽
し得る、優れた電磁波の遮蔽効果と透光性とを有する透
光性電磁波シールド部材と、その製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器から放射される電磁波が
人体に与える影響について種々の報告がなされており、
それに伴って、CRT等の表示画面から放射される電磁
波を遮蔽する技術について関心が高まっている。表示画
面から放射される電磁波を遮蔽するには、透明フィルム
等の透明基材表面に、銅箔等の電磁波シールド効果を有
する金属等からなるパターンを形成した電磁波シールド
部材が用いられている。この電磁波シールド部材には、
優れた電磁波のシールド(遮蔽)効果を有することのほ
か、透光性(透視性)や視認性に優れ、コントラストが
良好で、かつ視野角が広いことが要求されている。とり
わけ、次世代の画像表示装置として注目されているPD
Pは従来のCRT等よりも表示画面から放射される電磁
波が強いことから、PDP用の電磁波シールド部材には
極めて優れた電磁波シールド特性が求められる。
【0003】電磁波のシールド効果の規格としては、ス
ウェーデンのMPRII規格が世界でも最も厳しい規格と
して知られており、実質上の標準となりつつある。この
規格を満たすには、周波数が1〜1000MHzの極め
て広い領域において電磁波を十分にカットする必要があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】PDPにも適用可能な
優れた電磁波シールド効果と、透光性、視認性、コント
ラスト、視野角等の各特性を十分に満たす電磁波シール
ド部材の製造方法として、特開平10−163673号
公報には、透明フィルムの少なくとも一方の面にメッキ
触媒を含む透明樹脂塗膜を形成し、無電解メッキにより
銅箔層を形成した後、フォトリソ法にてレジストパター
ンを形成し、さらにエッチングによって選択的にパター
ン部以外の銅箔層を除去する方法が開示されている。
【0005】上記のようにエッチングプロセスによって
パターンを形成する方法によれば、非常に微細なパター
ンを高い精度で形成することができ、優れた電磁波シー
ルド効果と、透光性、視認性、コントラスト、視野角の
各特性に優れた電磁波シールド部材を作製できる。しか
しながら、十分な透光性や視認性を得るために、透明基
材の一面にメッキされた銅薄層の大部分をエッチングに
よって除去することから、銅材料の無駄が多く、廃液処
理に費用がかかるなど、電磁波シールド部材の製造コス
トが高くなるという問題がある。
【0006】とりわけPDPは大型画面への展開が図ら
れているため、大型の電磁波シールド部材を製造する必
要があるが、部材を大型化するには、フォトリソ法での
レジストパターンの形成に大型の露光装置が必要になっ
たり、エッチング処理にも大型の装置が必要になる。こ
のため、設備投資の面でもコストがかかるという問題が
生じる。
【0007】一方、特公平2−48159号公報には、
金属粉末と樹脂とを含む導電性ペーストを用いて、透明
フィルム上に印刷法によってパターン印刷を行うことに
より、所望の電磁波シールドパターン部を形成した電磁
波シールド部材が開示されている。上記公報に開示の電
磁波シールド部材によれば、前述の無電解銅メッキ等に
よる銅被覆層の形成やエッチング処理を必要としないた
め、その製造が簡易で、銅廃液処理の心配もない。ま
た、銅等の金属の使用量もパターン部の形成に必要な量
で足りるため、製造コストの低減を図ることができる。
【0008】しかしながら、印刷法によって電磁波シー
ルドパターンを形成する方法では、一般に十分な電磁波
シールド効果と透光性とを両立することができず、実用
化に至っていないのが現状である。例えば、電磁波シー
ルド効果を高めるにはパターン部の厚みを大きくして金
属粉末の含有量を多くする必要があるものの、スクリー
ン印刷法やグラビア印刷法を用いて厚肉のパターンを形
成すると、視野角が狭くなるという問題が生じる。
【0009】一方、良好な透光性を得るにはパターンの
線幅を極めて小さくし、その間隔を大きくする必要があ
るものの、前記の印刷法では微細なパターンの形成が困
難であるという問題がある。スクリーン印刷法では、印
刷時にスクリーン版が引き伸ばされるため、メッシュが
伸縮して、印刷寸法や印刷位置に±20μm程度のばら
つきが生じてしまう。また、スクリーン印刷法やグラビ
ア印刷法にて線幅50μm以下のパターンを印刷する
と、パターン線幅のばらつきや断線が生じてしまい、電
磁波シールド効果や視認性が低下してしまう。
【0010】さらに、金属粉末を含有する導電性樹脂組
成物でパターンを形成する従来の方法では、加熱硬化後
のパターン表面が黒色にはならず(銀粉末では白色、銅
粉末では茶色となってしまい)、コントラストに悪影響
が生じていた。とりわけPDPにおいては、画面のコン
トラストを優れたものにすることが強く求められてお
り、上記の問題が顕著であった。また、パターンを黒色
化するために、導電性樹脂組成物中にカーボンブラック
を配合する方法が提案されているが、この方法ではイン
キ中に多量のカーボンブラックを配合する必要があり、
その結果、インキの電気抵抗が大きくなってしまい、電
磁波シールド性が低下する問題があった。
【0011】そこで本発明の目的は、上記課題を解決
し、優れた電磁波のシールド効果を有するとともに、透
光性、視認性、コントラストおよび視野角の各特性にも
優れ、かつ製造コストの低い透光性電磁波シールド部材
を提供することである。また、本発明の他の目的は、優
れた電磁波のシールド効果を有するとともに、透光性、
視認性、コントラストおよび視野角の各特性にも優れた
透光性電磁波シールド部材を低コストでかつ簡易に製造
することのできる製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の透光性電磁波シールド部材は、金属粉末を含
有した導電性樹脂組成物を印刷することによって、透明
基材の表面に電磁波シールドパターンを形成したもので
あって、前記電磁波シールドパターンの線幅が5〜40
μmで、パターン部の全面積Ssとパターン部が形成さ
れていない領域の全面積Skとが式(1) 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たし、膜厚みが0.5〜50μmであり、かつ当該
パターンの表面が硫化処理または酸化処理によって黒色
化されたものであることを特徴とする。
【0013】また、本発明の透光性電磁波シールド部材
の製造方法は、インキ離型性に優れたブランケットを用
いた凹版オフセット印刷法で金属粉末を含有する導電性
樹脂組成物を透明基材の表面に印刷することにより、線
幅が5〜40μmで、パターン部の全面積Ssとパター
ン部が形成されていない領域の全面積Skとが式(1) 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たし、かつ膜厚みが0.5〜50μmであるストラ
イプ状または格子状の電磁波シールドパターンを形成
し、さらに当該パターンの表面を硫化処理または酸化処
理にて黒色化することを特徴とする。
【0014】上記本発明の透光性電磁波シールド部材に
よれば、電磁波シールドパターンが例えばインキ離型性
に優れたブランケットを用いた凹版オフセット印刷法等
によって印刷形成されることから、無電解メッキ、フォ
トリソグラフィー、エッチング処理等を経てパターンが
形成される従来のシールド部材に比べて製造工程が簡易
で、かつ製造コストを大幅に低減することができる。
【0015】また、導電性樹脂組成物からなる電磁波シ
ールドパターンの線幅、膜厚、パターン形成領域の比率
がそれぞれ上記所定の範囲で設定されることから、電磁
波シールド効果、透光性、視認性、視野角の各特性をい
ずれも優れたものとすることができる。さらに、パター
ンの表面が硫化処理または酸化処理によって黒色化され
ることから、優れた電磁波シールド効果を維持しつつ、
コントラストをも優れたものとすることができる。
【0016】一方、上記本発明の透光性電磁波シールド
部材の製造方法によれば、簡易な工程でかつ低コストで
もって、電磁波シールド効果、透光性、視認性、コント
ラスト、視野角のいずれの特性にも優れた透光性電磁波
シールド部材を製造することができる。従って、上記の
製造方法によって得られる透光性電磁波シールド部材
は、CRT、PDP等の表示画面を覆ったときに表示画
面の視認性を損なわせることなく、電磁波を高度に遮蔽
することができる。
【0017】上記本発明の透光性電磁波シールド部材の
製造方法において、微細なパターンをより高精度に形成
するには、使用するブランケットの表面がシリコーンゴ
ムであるのが好ましい。また、電磁波シールド効果をよ
り一層高めるには、黒色化処理が硫化水素またはオゾン
を用いた処理であるのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の透光性電磁波シールド部材1は、例えば
図1に示すように、透明基材2の表面に、金属粉末を含
有する導電性樹脂組成物からなる電磁波シールドパター
ン部10を印刷形成したものである。
【0019】〔電磁波シールドパターン部のパターン形
状〕電磁波シールドパターン部のパターン形状には、例
えば図2に示すストライプ状のパターン11、図3およ
び4に示す格子状のパターン12,13等が挙げられ
る。電磁波シールドパターン部のパターン形状は、上記
ストライプ状および格子状のほかに、幾何学模様であっ
てもよい。すなわち、例えば正三角形、二等辺三角形、
直角三角形等の三角形;正方形、長方形、ひし形、平行
四辺形、台形等の四角形;(正)六角形、(正)八角
形、(正)十二角形、(正)二十角形等の(正)N角
形;円、楕円、星型等の種々の図形単位を繰り返して得
られる幾何学模様を電磁波シールドパターン部10とし
てもよい。かかる幾何学模様において、前記図形単位は
2種以上を組み合わせたものであってもよい。また、電
磁波シールド部材の除電をスムーズに行う観点から、幾
何学模様中の各図形単位がそれぞれ連続していることが
好ましい。
【0020】幾何学模様からなるパターン形状の具体例
としては、例えば図5に示すように円形模様(図5(a)
)、ひし形模様(図5(b) )、正六角形模様(図5(c)
)などのパターンが挙げられる。なお、図2〜4およ
び図5(a) 〜(c) において、ハッチングを施した部分は
電磁波シールドパターン部10を示し、ハッチングを施
していない部分はパターン部が形成されていない領域2
0を示す。
【0021】電磁波シールドパターン部10を構成する
パターンの線幅Ws、線間隔Wk(隣合ったパターン部
10間の間隔)および膜厚Wtと、パターン部10の全
面積Ssとパターン部が形成されていない領域20の全
面積Skとの比Sk/Ssとは、それぞれ電磁波の遮蔽
効果を充分なものとすることができる範囲で、かつ電磁
波シールド部材の透光性を確保するために、パターン部
10自体を肉眼では認識することのできない範囲で設定
される。
【0022】なお、パターンが長方形の格子状である場
合(図3)において、パターンの線間隔WkにはWkと
Wk’の2種の間隔が存在するが、この場合、線間隔W
kとWk’がそれぞれ後述する所定の範囲内にあればよ
い。パターンが幾何学模様である場合において、線幅W
sとは、幾何学模様を構成する1ユニット(すなわち、
三角形、四角形、N角形、円、楕円等の構成単位)の幅
をいう。線間隔Wkとはユニット間の距離をいい、1ユ
ニットの面積の平方根(すなわち、1ユニットを正方形
と擬制したときの1辺の長さ)を求め、隣接するユニッ
トとの中心位置での距離から前記平方根を引いた値をユ
ニット間の距離とする。
【0023】本発明において、電磁波シールドパターン
部10のパターン線幅Wsは5〜40μm、膜厚Wtは
0.5〜50μmの範囲で設定される。前記パターン部
10の線幅Wsが5μmを下回るように形成するのは困
難であり、断線が生じやすくなるため、電磁波の遮蔽効
果の低下、不良品の発生につながる。逆に、線幅Wsが
40μmを超えるとパターン部10が目視で認識され易
くなり、透光性の低下につながる。線幅Wsは上記範囲
の中でも特に5〜25μmであるのが好ましく、5〜2
0μmであるのがより好ましい。
【0024】パターン部10の膜厚Wtが0.5μmを
下回ると、パターンの断線が発生し易く、導電性も低下
することから、電磁波の遮蔽効果の低下につながる。逆
に、膜厚Wtが50μmを超えると、電磁波シールド部
材を見る角度によってパターン部10が目視で認識し易
くなり、視認性や視野角が低下し、ひいては透光性の低
下につながる。膜厚Wtは上記範囲の中でも特に1〜3
0μmであるのが好ましい。
【0025】また、本発明において、前記パターン部1
0の全面積Ssと、透明基材の表面のうちパターン部1
0が形成されていない領域20の全面積Skとの比Sk
/Ssは、式(1) : 1≦Sk/Ss≦9 の範囲で設定される。
【0026】前記比Sk/Ssが1を下回ると透光性が
不十分になる。逆に、比Sk/Ssが9を超えると電磁
波の遮蔽効果が不十分になる。比Sk/Ssは上記範囲
の中でも特に1〜5であるのが好ましく、1〜3である
のがより好ましい。透光性電磁波シールド部材の開口率
(%)は、電磁波シールドパターン部10の線幅Wsと
線間隔Wkから、次式により求められる。 開口率=〔Wk/(Wk+Ws)〕2 ×100 また、上記開口率(%)は上記比Sk/Ssと次式に示
す関係にある。 Sk/Ss=開口率/(100−開口率) 本発明の透光性電磁波シールド部材において、開口率は
特に限定されるものではなく、前述の比Sk/Ssに応
じて決まるものであるが、透光性と電磁波シールド性と
の兼ね合いから、通常、50〜90%、好ましくは60
〜80%の範囲となるように設定される。PDP用のシ
ールド部材の場合、より優れた電磁波シールド性が求め
られるため、開口率は上記範囲の中でも特に60%以上
であるのが好ましい。
【0027】開口率が上記範囲を下回ると、電磁波シー
ルド効果が良好になるものの、透光性が不十分になるお
それがある。逆に、上記範囲を超えると、電磁波シール
ド効果が不十分になるおそれがある。 〔透明基材〕本発明の透光性電磁波シールド部材におけ
る透明基材としては、可視光線に対して優れた透光性を
有するものであるほかに、導電性樹脂組成物を透明基材
上に印刷した後で加熱工程を経ることから、充分な耐熱
性を有するものが好ましい。また、製造時にロール状に
巻き付けて連続処理が可能となるように、可撓性を有す
るものであることが好ましい。
【0028】具体的に、透明基材としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレ
フィン類;ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリ
デン(PVDC)等のビニル類;ポリエーテルスルホ
ン;ポリメタクリル酸メチル(PMMA樹脂)等のアク
リル樹脂;ポリアミド、ポリイミド樹脂等が挙げられ
る。
【0029】透明基材の厚みは特に限定されないが、電
磁波シールド部材の透光性を維持するという観点から薄
いほど好ましく、使用時の形態(フィルム状、シート
状)や必要とされる機械的強度に応じて、通常0.05
〜5mmの範囲で適宜設定すればよい。 〔金属粉末〕本発明に用いられる金属粉末としては、例
えば銀、銅、ニッケル、パラジウム、金、アルミニウ
ム、タングステン、クロム、チタン等の粉末があげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。本発明においては、前記金属単体の粉末のほかに、
銅粉末やニッケル粉末の表面を銀で被覆したものを用い
ることもできる。
【0030】上記例示の金属粉末のなかでも、とりわけ
銀粉末は、絶縁性の高い酸化物が生成しにくいことから
好適に用いられる。ニッケル粉末は、体積固有抵抗が銀
粉末や銅粉末ほどは小さくないものの、耐酸化性が強い
ため、遮蔽効果の経時変化が少ない電磁波シールドパタ
ーン部を作製するのに好適である。銅粉末は表面の酸化
が生じやすいので、硬化させる際に還元性のガスを発生
する樹脂を用いるのが好ましい。
【0031】電磁波シールドパターン部の導電性を高く
して、電磁波の遮蔽効果をより一層高くするという観点
から、導電性樹脂組成物中での金属粉末の充填密度は高
いほど好ましい。一方、電磁波シールドパターン部の導
電性は、使用する金属粉末自体の体積固有抵抗のみで決
まるものではなく、パターン部中での金属粉末間の接触
抵抗によっても大きく左右される。例えば、電磁波シー
ルドパターン部の内部に金属粒子が高密度で充填されて
いても、金属粉末間の接触抵抗が大きければ、パターン
全体の導電性が低くなるおそれがある。
【0032】金属粉末の平均粒径は特に限定されない
が、導電性樹脂組成物中に均一に配合されることを考慮
して、通常3〜15μmの範囲で設定するのが好まし
い。平均粒径が上記範囲を超えると金属粉末同士の接触
点が少なくなり、接触抵抗が大きくなるおそれがある。
また、電磁波シールドパターンの表面に凹凸を生じさせ
る原因になるおそれもある。逆に、平均粒径が上記範囲
を下回ると金属粉末を導電性樹脂組成物中に均一に分散
させるのが困難になるおそれがある。一方、金属粉末の
充填密度を高めることを目的として、平均粒径が上記範
囲にある金属粉末と、平均粒径が0.01〜3μmの小
粒径のものを100:1〜100:50の重量比で混合
してもよい。
【0033】金属粉末の形状は球状、鱗片状等のいずれ
の形状であってもよいが、金属粉末同士の接触面を大き
くする(接触抵抗を小さくする)ことを考慮すれば、球
状よりも鱗片状のものを使用するのが好ましい。金属粉
末の配合量は、金属粉末の充填密度や電磁波シールドパ
ターン部に要求される導電性に応じて設定されるもので
あって、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100重量
部に対して、通常400〜1200重量部、好ましくは
600〜1000重量部の範囲で設定される。金属粉末
の配合量が400重量部を下回ると、金属粉末同士の接
触点が不足して、電磁波シールドパターン部の体積固有
抵抗が大きくなるおそれがある。逆に、金属粉末の配合
量が1200重量部を超えると、導電性樹脂組成物の全
量に対する樹脂の含有量が少なくなり過ぎて、金属粉末
を結合させる力が小さくなり、その結果、電磁波シール
ドパターン部の体積固有抵抗が大きくなるおれがある。
また、金属粉末の配合量が1200重量部を超えると、
電磁波シールドパターン部の強度不足を招くおそれがあ
る。
【0034】〔導電性樹脂組成物〕本発明において導電
性樹脂組成物に用いられる樹脂としては、例えばポリエ
ステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロ
ース樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂;
ポリエステル−メラミン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
−メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミ
ノ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂等の熱
硬化性樹脂のいずれも使用できる。
【0035】中でも、加熱・硬化の際に還元性のガスを
発生して金属粉末の酸化を防止し、金属自体が有する体
積固有抵抗(例えば銀体積固有抵抗は1.62×10-6
Ω・cmである)が低下するのを防止することができる
樹脂を使用するのがよい。かかる樹脂としては、硬化時
にアンモニア、ハロゲン化水素、ホルムアルデヒド等の
還元性のガス、好ましくはホルムアルデヒドを発生する
熱硬化性樹脂があげられる。ホルムアルデヒドを発生す
る熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂(とく
にメチロール基の多いレゾール型フェノール樹脂)やア
ミノ樹脂(とくにメラミン樹脂)があげられる。
【0036】導電性樹脂組成物は、凹版オフセット印刷
法で印刷するのに適した粘度にするため、上記樹脂およ
び金属粉末の混合物にさらに溶剤を加えることによっ
て、ペースト状に調製される。使用する溶剤は、例えば
沸点が150℃以上の溶剤を用いるのが好適である。溶
剤の沸点が上記範囲を下回ると、印刷時において溶剤が
乾燥しやすくなり、ピンホールが発生するおそれがあ
る。
【0037】使用可能な溶剤の具体例としては、ヘキサ
ノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウン
デカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデ
カノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、
セリルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオー
ル等のアルコール;エチレングリコールモノブチルエー
テル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフ
ェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、
セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、
カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテー
ト等のアルキルエーテルがあげられ、印刷適正や作業性
等を考慮して適宜選択すればよい。
【0038】溶剤として高級アルコールを使用する場合
はインキの乾燥性や流動性が低下するおそれがあるた
め、これらよりも乾燥性が良好なブチルカルビトール、
ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルセロソ
ルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどを
併用すればよい。溶剤の使用量は、導電性樹脂組成物の
粘度によって決定されるが、上記金属粉末の添加量との
兼ね合いから、通常、樹脂100重量部に対して100
〜500重量部、好ましくは100〜300重量部であ
るのがよい。溶剤の使用量が上記範囲を下回ると、金属
粉末の添加量が最小の400重量部であっても粘度が1
000P(ポアズ)以上となり、透明基材上に印刷する
際にピンホールが多発してしまう。逆に、上記範囲を上
回ると、金属粉末の使用量が最大の1000重量部であ
っても粘度が10P以下となり、透明基材への粘着力が
不足する。その結果、導電性樹脂組成物が透明基材から
はじかれてしまい、良好な印刷形状でもって電磁波シー
ルドパターン部を形成することができなくなる。
【0039】本発明における導電性樹脂組成物の粘度
は、通常10〜1000P、好ましくは100〜500
Pに調整するのが好ましい。上記範囲より粘度が低い場
合には印刷形状の劣化が生じる。一方、上記範囲より粘
度が高い場合には、ピンホールが多発する。 〔電磁波シールドパターンの印刷方法〕本発明の透光性
電磁波シールド部材は、前述のように、インキ離型性に
優れたブランケットを用いた凹版オフセット印刷法によ
って、透明基材上に電磁波シールドパターン部を所定の
パターンで印刷し、次いで加熱乾燥することによって製
造される。
【0040】凹版オフセット印刷法は、形成されるライ
ンの直線性が良好で、極めて微細なパターンを高い精度
で印刷再現できるという点において優れている。また、
インキ離型性に優れたブランケットを用いることで、凹
版からブランケットへ転移されたインキを100%透明
基材上に転移させることが可能になり、1回の印刷で十
分な膜厚を有するパターンを形成することができる。さ
らに、凹版オフセット印刷法によれば、パターンの線幅
が極めて細い場合であっても、均一な厚みのパターンを
形成することができる。
【0041】本発明に用いられる凹版としては、例えば
ソーダライムガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラ
ス、低アルカリガラス、低膨張ガラス等のガラス;フッ
素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン
樹脂、ポリメタクリル樹脂等の樹脂;ステンレス、銅、
低膨張合金アンバー等の金属などが用いられる。中で
も、ソーダライムガラス等の軟質ガラスを用いるのが、
微細なパターンを高精度で再現する上で好ましい。
【0042】また、凹版表面は、ドクタリング時にイン
キのかき残りが生じて非画線部の汚れ(地汚れ)が発生
してしまうのを防止するために、極めて平坦であること
が求められる。最も安価に表面平坦性の優れた凹版を作
製するには、上記例示のガラスを用いて、エッチングに
よって凹版を作製するのが好ましい。凹版凹部の線幅、
線間隔および深さは、電磁波シールドパターン部の形状
に応じて適宜設定される。
【0043】本発明に用いられるブランケットとして
は、インキの離型性に優れたものであれば特に限定され
るものではなく、例えば表面がシリコーンゴム、フッ素
樹脂、フッ素ゴムまたはこれらの混合物等からなるブラ
ンケットが挙げられる。前記シリコーンゴムには、大き
く分けて常温硬化型シリコーンゴム(RTV)と加熱硬
化型シリコーンゴム(HTV)があり、本発明では前記
のいずれのタイプであっても使用可能である。しかし、
硬化時に副生成物を全く発生しないRTVシリコーンゴ
ムの方が寸法精度において優れていることから、より好
適に用いられる。
【0044】ブランケットのインキ離型性を示す指標と
しては、例えばブランケット表面の表面エネルギーが挙
げられ、その値は15〜30dyn/cmであるのが好
ましく、18〜25dyn/cmであるのがより好まし
い。ブランケットの硬度は凹版からブランケットへのイ
ンキの転移性に大きな影響を及ぼすものであって、高精
度の印刷を行うには、JIS A硬度が20〜70、好
ましくは30〜60の範囲にあるのが好ましい。また、
ブランケットの表面粗さは、形成されるパターンの形状
に大きな影響を及ぼすことから、表面が平坦なブランケ
ットを用いるのが好ましい。
【0045】なお、凹部の深さが10μmの凹版を用
い、表面がシリコーンゴムからなるブランケットを用い
た場合、膜厚が約5μmのパターンを1回の印刷で形成
することができる。透光性電磁波シールド部材の製造コ
ストを、上記凹版オフセット印刷法による場合を1とす
ると、スクリーン印刷では0.5〜1、フォトリソ法で
は3〜10である。
【0046】透明基材上に印刷形成された導電性樹脂組
成物のパターンは、通常80〜250℃で10〜90分
間、好ましくは100〜150℃で15〜60分間加熱
することにより硬化される。 〔黒色化処理〕本発明においては、透明基材上に印刷し
た導電性樹脂組成物のパターンを加熱硬化した後、硫化
処理または酸化処理によって前記パターンの表面を黒色
化することを特徴とする。
【0047】硫化処理としては、パターンの表面に例え
ば硫化水素を吹きかけて、パターン中に含まれる銀を硫
化銀に変化させる処理が挙げられる。酸化処理として
は、パターンの表面を例えばオゾン雰囲気下に曝すこと
により、パターン中に含まれる銀を過酸化銀に変化させ
る処理が挙げられる。オゾン雰囲気下に曝す工業的な方
法としては、紫外線ランプにてオゾンを発生させ、その
雰囲気の中で処理を行う方法が挙げられる。
【0048】
〔導電性樹脂組成物の作製〕
参考例 ポリエステル樹脂には、住友ゴム工業(株)製の、無水
トリメリト酸とネオペンチルグリコールとのエステル
(重量平均分子量Mw20000)を、メラミン樹脂に
は、住友化学工業(株)製の「スミマールM−100
C」をそれぞれ用いた。銀粉末には、平均粒径が5μm
であるフレーク状のもの〔福田金属箔粉工業(株)製〕
を用いた。
【0049】上記ポリエステル樹脂80重量部、上記メ
ラミン樹脂20重量部および上記銀粉末600重量部を
混合し、さらに酢酸ブチルカルビトールを30〜50重
量部と、硬化触媒であるパラトルエンスルホン酸1〜2
重量部を混合し、3本ロールで混練することにより、ペ
ースト状の導電性樹脂組成物を得た。 〔透光性電磁波シールド部材の作製〕 実施例1〜9 透明基材には、厚さ100μmのポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムを用いた。
【0050】凹版には、凹部の開口幅および深さが電磁
波シールドパターンの線幅および膜厚に応じて設定され
たソーダライムガラス製のものを用いた。ブランケット
には、表面がシリコーンゴム(JIS A硬度40の付
加型RTVシリコーンゴム、表面の十点平均粗さ0.1
μm、表面エネルギー21dyn/cm)であるシリコ
ーンブランケットを用いた。
【0051】上記シリコーンブランケットと凹版とを用
いた凹版オフセット印刷法により、上記PETフィルム
上に前記参考例で得られた導電性樹脂組成物を印刷した
後、クリーンオーブンにて100℃で20分間加熱し
て、格子部分が正方形である格子状の電磁波シールドパ
ターンを形成した。形成したパターンの線幅Ws、比S
k/Ssおよび膜厚Wkは下記の表1に示すとおりであ
る。
【0052】次いで、硫化鉄(純度60%)に1N−塩
酸を滴下し、こうして発生した硫化水素ガスをパターン
表面に5分間吹き付けて硫化処理を行うことにより、透
光性電磁波シールド部材を得た。 比較例1〜4 硫化処理を行わないほかは、上記実施例1〜9と同様に
して透光性電磁波シールド部材を作製した。形成したパ
ターンの線幅Ws、比Sk/Ssおよび膜厚Wkは下記
の表1に示すとおりである。
【0053】比較例5および6 特開平10−163673号公報に記載の実施例1と同
様にして、透光性電磁波シールド部材を作製した。すな
わち、透明基材としてのPETフィルムの表面全面に、
ポリビニルブチラール樹脂とパラジウム触媒とを含む混
合液を塗布し、さらにこの表面に無電解銅メッキを施し
て銅薄膜を形成した。銅薄膜の厚みは、下記の表1にお
ける膜厚Wtの欄に示すとおりである。
【0054】次いで銅薄膜の表面全面にフォトレジスト
を塗布し、露光、現像によって格子状のレジストパター
ンを形成した後、塩化第二鉄にて銅メッキ被膜をエッチ
ング除去した。さらに、前記レジストを剥離して、下記
の表1に示す線幅Ws、比Sk/Ssおよび膜厚Wtの
電磁波シールドパターンを有する透光性電磁波シールド
部材を作製した。
【0055】比較例7 特公平2−48159号公報に開示の実施例1と同様に
して、透光性電磁波シールド部材を作製した。すなわ
ち、紫外線硬化型ペーストを用いて、スクリーン印刷法
により、下記の表1に示す線幅Ws、比Sk/Ssおよ
び膜厚Wtの電磁波シールドパターン部をPETフィル
ム表面に印刷形成し、透光性電磁波シールド部材を得
た。
【0056】比較例8 凹版オフセット印刷法に代えて、水無し平板〔東レ
(株)製の表品名「TAN」〕を使用した平板オフセッ
ト印刷法を使用し、参考例で得られた導電性樹脂組成物
を透明基材上に印刷することによって、表1に示す線幅
Ws、比Sk/Ssおよび膜厚Wtの電磁波シールドパ
ターン部を有する透光性電磁波シールド部材を製造し
た。なお、ブランケットには、表面がアクリロニトリル
−ブタジエンゴム(NBR、JIS A硬度40、表面
の十点平均粗さ4μm、表面エネルギー37dyn/c
m)であるNBRブランケットを用いた。
【0057】
【表1】
【0058】〔透光性電磁波シールド部材の物性評価〕
上記実施例および比較例で得られた透光性電磁波シール
ド部材について、以下の物性を評価した。(電磁波の遮
蔽性)実施例および比較例で得られた電磁波シールド部
材から20cm×20cmのサンプルを切り取ってクロ
ーズセルに挟みこみ、(社)関西電子工業振興センター
のKEC法にて、電磁波の遮蔽性(遮蔽効果)を評価し
た。なお、測定は100、500および1000MHz
の電磁波を照射して行った。
【0059】電磁波の遮蔽性はdBが大きいほど優れて
いることを示す。評価の基準は以下のとおりである。 A+ :60dB以上、遮蔽性が極めて良好であった。 A:50dB以上、60dB未満、電磁波の遮蔽性が良
好であった。 A- :40dB以上、50dB未満、遮蔽性は実用上十
分であった。 B:20dB以上、40dB未満、遮蔽性が不十分であ
った。 C:20dB未満、遮蔽性が極めて不十分であった。
【0060】(可視光透過率)分光顕微鏡(大塚電子
(株)製の「MCPD2000」)にて、波長400〜
700nmの光(可視光線)の透過率(%)を測定し、
その平均値から透光性の評価を行った。透過率が大きい
ほど透光性が優れていることを示す。 A+ :90%以上、透光性が極めて良好であった。 A:80%以上、90%未満、透光性が良好であった。 A- :70%以上、80%未満、透光性が実用上良好で
あった。 B:50%以上、70%未満、透光性が不十分であっ
た。 C:50%未満、透光性が極めて不十分であった。
【0061】(目視による評価)透光性電磁波シールド
部材をPDP画面の最前面に貼り付けて目視で観察し、
以下の基準で評価した。 A:全面にわたってムラやメッシュ等の模様が観察でき
なかった。 A- :かすかにムラやメッシュが観察された。 B:全面にわたってムラやメッシュ等の模様が観察され
た。
【0062】(製造コストの比較)実施例1における透
光性電磁波シールド部材の製造に要したコストを1とし
て、他の製造方法による製造コストの比を求めた。 (コントラスト)透光性電磁波シールド部材をPDP画
面の最前面に貼り付けて目視で観察し、以下の基準で評
価した。 A:コントラストが良好で、階調表示も視認されやすか
った。 A- :ややコントラストが低く、階調表示がやや視認し
にくかった。 B:コントラストが低く、階調表示がわかりにくかっ
た。
【0063】上記実施例および比較例の電磁波シールド
パターン部における各物性の評価結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2より明らかなように、電磁波シールド
パターン部の線幅Ws、比Sk/Ssおよび膜厚Wtが
前記条件を満たす実施例1〜9では、いずれも電磁波の
遮蔽効果、透光性、視認性、コントラストが優れてお
り、製造コストも低く抑えることもできた。これに対
し、黒色化(硫化処理)を行っていない比較例1〜4で
は、コントラストが不十分であった。
【0066】また、銅めっきによってパターンを形成
し、エッチング処理を行った比較例5および6では、電
磁波シールド効果や透過率が良好ではあるものの、コス
ト比が高くなるという問題があった。さらに、スクリー
ン印刷法を用いた比較例7や平板オフセット印刷法を用
いた比較例8では、いずれも微細なパターンを高い精度
で印刷形成することができず、電磁波の遮蔽性や目視評
価に問題が生じた。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電磁波シールド効果、透光性、視認性、コントラスト、
視野角の各特性に優れた電磁波シールド部材を簡易な方
法でかつ低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) は透光性電磁シールド部材を示す斜視
図、同図(b) はそのA−A部分拡大断面図である。
【図2】ストライプ状パターンの一例を示す模式図であ
る。
【図3】格子状パターンの一例を示す模式図である。
【図4】格子状パターンの他の例を示す模式図である。
【図5】同図(a) 〜(c) は、幾何学模様からなるパター
ンの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 透光性電磁シールド部材 2 透明基材 10 電磁シールドパターン部 11 ストライプ状のパターン 12 格子状のパターン 13 格子状のパターン Ws 線幅 Wk 線間隔 Wt 膜厚

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉末を含有した導電性樹脂組成物を印
    刷することによって、透明基材の表面に電磁波シールド
    パターンを形成した透光性電磁波シールド部材であっ
    て、 前記電磁波シールドパターンの線幅が5〜40μmで、
    パターン部の全面積Ssとパターン部が形成されていな
    い領域の全面積Skとが式(1) 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たし、膜厚みが0.5〜50μmであり、かつ当該
    パターンの表面が硫化処理または酸化処理によって黒色
    化されたものであることを特徴とする透光性電磁波シー
    ルド部材。
  2. 【請求項2】インキ離型性に優れたブランケットを用い
    た凹版オフセット印刷法で金属粉末を含有する導電性樹
    脂組成物を透明基材の表面に印刷することにより、線幅
    が5〜40μmで、パターン部の全面積Ssとパターン
    部が形成されていない領域の全面積Skとが式(1) 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たし、かつ膜厚みが0.5〜50μmであるストラ
    イプ状または格子状の電磁波シールドパターンを形成
    し、さらに当該パターンの表面を硫化処理または酸化処
    理にて黒色化することを特徴とする透光性電磁波シール
    ド部材の製造方法。
  3. 【請求項3】ブランケットの表面がシリコーンゴムであ
    る請求項2記載の透光性電磁波シールド部材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】黒色化処理が硫化水素またはオゾンを用い
    た処理である請求項2記載の透光性電磁波シールド部材
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1215705A2 (en) * 2000-12-12 2002-06-19 Nisshinbo Industries, Inc. Transparent electromagnetic radiation shielding material
JP2008041445A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Asahi Glass Co Ltd 透明導電膜の製造方法および透明導電膜
JP2008112903A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 実装基板の製造方法、部品実装機
JP2009193875A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Panasonic Electric Works Co Ltd 黒色化導体パターンの形成方法及び黒色化導体パターン

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