JP2008041445A - 透明導電膜の製造方法および透明導電膜 - Google Patents

透明導電膜の製造方法および透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】外観に優れた透明導電膜を簡単な工程で製造できる方法を提供する。
【解決手段】基材上に透明導電膜を形成する方法であって、(I)有機溶剤相中に導電性粒子を含むW/O型エマルジョンからなる塗布液を、基材上に塗布し、乾燥させる第1の工程と、(II)加熱処理により、前記基材上の導電性粒子を焼結させる第2の工程と、(III)焼結した導電性粒子と硫黄または硫黄化合物とを反応させる第3の工程を有することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電膜の製造方法および該方法によって得られる透明導電膜に関する。
透明導電膜は帯電防止膜、透光性電磁波遮蔽膜、ディスプレイやタッチパネル用の透明電極など幅広い分野において使用されている。
例えば、透明電極として用いられる透明導電膜は、一般に、錫を添加した酸化インジウムの薄膜(ITO膜)からなっているが、原料の資源枯渇が問題となっており代替材料が求められている。また、ITO膜は成膜に時間がかかる上に高価な設備を必要とするなど様々な問題がある。
透光性電磁波遮蔽膜として用いられる透明導電膜を形成する方法として、金属からなる線幅が細い配線パターンを透明基板上に形成する方法がある。
例えば下記特許文献1には、金属のナノ粉末を含む乳濁液を基板上に塗布して、金属粉末からなる網目状構造を形成するプロセスが示されている。下記特許文献2には、銀化合物を含む溶液を基材上に噴霧して乾燥させることにより、銀化合物からなる網目状構造を形成した後に還元処理して銀を析出させる方法が示されている。
下記特許文献3には、金属粉末を含有する導電性樹脂組成物を印刷することによって、透明基材上にパターンを形成し、該パターンの表面に対して硫化処理または酸化処理を施して黒化する方法が記載されている。
また下記特許文献4には、透明基体上にスパッタリングにより銅薄膜を形成し、その上にフォトリソグラフィ法によりパターニングされたレジスト層を形成して前記銅薄膜を網目状に露出させ、その上に銅を電解メッキした後、非網目部分の銅薄膜をエッチングにより除去することにより、前記銅薄膜と電解メッキによる銅層の積層物からなる導電パターンを形成し、さらに、該導電パターンの銅表面を酸化または硫化処理して、褐色から黒色の表面層を形成する方法が記載されている。
特表2005−530005号公報 特開平10−312715号公報 特開2000−174484号公報 特許第3502979号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法で得られる透明導電膜はいずれも、金属による光の反射や散乱のために外観が悪くなる恐れがある。
特許文献3に記載されているように、金属粉末を含有する樹脂組成物からなるパターン表面に対して硫化処理または酸化処理を施す方法では、パターンの内部に存在する金属粉末表面を十分に黒化することは難しく、金属粉末表面における黒化にムラが生じ易い、という問題がある。このため金属粉末による光の反射や散乱を充分に抑えられず、透明導電膜の外観が悪くなるおそれがある。
特許文献4に記載の方法は、フォトリソグラフィープロセスやめっきプロセスを必要とするため煩雑であり、高コストである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、外観に優れた透明導電膜を簡単な工程で製造できる方法、および該方法によって得られる透明導電膜を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は基材上に透明導電膜を形成する方法であって、(I)有機溶剤相中に導電性粒子を含むW/O型エマルジョンからなる塗布液を、基材上に塗布し、乾燥させる第1の工程と、(II)加熱処理により、前記基材上の導電性粒子を焼結させる第2の工程と、(III)焼結した導電性粒子と硫黄または硫黄化合物とを反応させる第3の工程を有することを特徴とする透明導電膜の製造方法を提供する。
また本発明は、本発明の製造方法によって得られる透明導電膜を提供する。
本発明によれば、外観に優れた透明導電膜を簡単な工程で製造できる。
本発明では、有機溶剤相中に水滴が分散したW/O型(油中水滴型)エマルジョンであって、有機溶剤相中に導電性粒子を含む塗布液が基材上に塗布される。基材上に塗布された塗布液が乾燥される過程で、多数の水滴が有機溶剤相を介して互いに隣接している状態が形成され、この状態において導電性粒子が該水滴どうしの界面に沿って配列される。これにより、基板上で導電性粒子が網目状に配列した状態となる。この状態で加熱処理を施して基材上の導電性粒子を焼結させることにより、焼結した導電性粒子からなる網目状構造が形成される。さらに、焼結した導電性粒子と硫黄または硫黄化合物とを反応させることにより導電性粒子表面に硫化物が形成され、網目状構造をなしている導電性微粒子の表面が黒色化される。
本発明において、焼結した導電性粒子と反応させるのは硫黄でもよく、硫黄化合物でもよい。両者を併用してもよい。以下、これらを総称して「硫黄等」と記載する。
まず、本発明で用いられる基材および塗布液について説明する。
<基材>
本発明において、透明導電膜を形成する基材の材質としては、ガラスや樹脂フィルム等任意のものを適宜用いることができる。耐熱性の点でガラスを用いることが好ましい。水に対する濡れ性制御や密着性向上等の目的のためにプライマー層が形成された基材を用いてもよい。基材として、表面の濡れ性が均一な基材(基材の第1の形態)を用いることができる。または、表面に、親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンが形成されている基材(基材の第2の形態)を用いてもよい。
第1の基材を用いると工程が簡単である。導電性微粒子からなる網目状構造における網目の形状、大きさおよび配置はランダムとなる。
一方、第2の基材を用いると、後述するように、疎水性領域にのみ導電性微粒子を選択的に存在させることができるため、導電性微粒子からなる網目状構造の形状を自在に制御できる。
(基材の第1の形態)
表面の濡れ性が均一である基材の好ましい態様について説明する。
基材の、塗布液が塗布される面(塗布面)は、静滴法による水の接触角が20〜60°の範囲であることが好ましい。
前記水の接触角は塗布液中の水相の濡れ性の指標となる。該水の接触角が小さすぎると基材上で水相が濡れ広がり易い。該水の接触角が大きすぎると基材が水に濡れ難いため、有機溶剤相が濡れ広がり易い。水の接触角が上記の範囲内であると、水相の適度な濡れ性が得られ、導電性粒子による良好な網目状構造が得られ易い。該水の接触角は25〜55°がより好ましい。
基材の塗布面は、静滴法による1−ブロモナフタレンの接触角が8〜45°の範囲であることが好ましい。
前記1−ブロモナフタレンの接触角が8°以上であると、網目状構造の内部(水滴に相当する領域)において、導電性粒子が残渣として残る現象が生じ難い。理由は定かではないが、1−ブロモナフタレンの接触角が8°未満である基材は導電性粒子を吸着しやすいために残渣として残ると推測される。このような残渣は光散乱増加の原因となり、透明導電膜の外観を悪化させるおそれがある。1−ブロモナフタレンの接触角が45°より大きい場合は水の接触角が60°より大きくなる恐れがあるため好ましくない。該1−ブロモナフタレンの接触角は10〜42°がより好ましく、12〜38°がさらに好ましい。
基材の塗布面における水の接触角および/または1−ブロモナフタレンの接触角が、より好ましくは両方の接触角が、それぞれ上記の好ましい範囲となるように、必要に応じて、基材表面の濡れ性を調整することが好ましい。
基材表面の濡れ性を調整する方法の一つとして、シラン化合物を用いて表面処理する方法が挙げられる。一般にシラン化合物としては、アルコキシシランが用いられる。
具体的には、シラン化合物を含む溶液を基材上に塗布して加熱する方法で行われる。該溶液を基材上に塗布する方法としては、バーコート、ダイコート、ロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディップコート、フローコート等の公知の方法を用いることができる。シラン化合物の塗布量は、基材に対して、固形分換算で、0.5g/m以下であることが好ましい。0.5g/mを超えると材料の無駄が多いため非効率的である。
アルコキシシランの具体例としては、テトラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。エトキシ基を有するシラン化合物の替わりにメトキシ基を有するシラン化合物を用いてもよい。シラン化合物は1種類を使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
また基材として、ポリマーフィルムのように、水の接触角が大きい材質のものを用いる場合は、基材の濡れ性を調整する方法として、紫外線照射処理、紫外線オゾン処理、放射線照射処理、コロナ放電処理、またはプラズマ処理が有効である。これらの処理を行うと基材表面に親水性の官能基が導入され、水の接触角が低下する。
基材に対して、上述したシラン化合物による処理を行った後に、紫外線照射処理、紫外線オゾン処理、放射線照射処理、コロナ放電処理、またはプラズマ処理を行ってもよい。
(基材の第2の形態)
表面に親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンが形成されている基材の好ましい態様について説明する。
本発明で用いられる塗布液は、有機溶剤相中に水滴が分散したW/O型(油中水滴型)エマルジョンであるため、基材表面に、親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンが形成されていると、基材上に塗布液が塗布されたときに、前記水滴が濡れ広がる領域が制御される。すなわち、水滴は、親水性領域の形状と略同一形状に濡れ広がり、該水滴どうしの間に、導電性粒子を含む有機溶剤相が存在している状態となる。そして、この状態で乾燥されることにより疎水性領域にのみ導電性粒子を付着させることができる。こうして、付着領域が制御された導電性粒子による網目パターンが形成され、しかる後に加熱処理を施して導電性粒子を焼結させることにより、焼結した導電性粒子からなる網目状パターンが形成される。
基材表面に、親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンを形成する場合、該網目パターンにおいて、網目の目開きの部分が親水性領域に相当し、線の部分が疎水性領域に相当する。該網目パターンを形成する方法としては分解法、改質法、感光性樹脂法、印刷法等の公知の方法を用いることができる。
また、これらの手法により親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンを形成した後に、水に対する濡れ性を調整するために、さらに紫外線照射処理、紫外線オゾン処理、放射線照射処理、コロナ放電処理、またはプラズマ処理を行ってもよい。
分解法とは親水性基材表面に疎水化層を形成し、該疎水化層を部分的に分解除去することによって網目パターンを形成する方法である。疎水化層を分解する方法としては、フォトマスクを介して紫外線を照射する方法、または光触媒リソグラフィー法が好適である(例えば、米国特許公報第5079600号明細書、特開2003−209340号公報)。疎水化層としては、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン等の疎水性基を有するシラン化合物による単分子膜が好適である。
改質法とは疎水性基材表面に水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等の親水性基を部分的に形成させることによって網目パターンを形成する方法である。親水性基を形成させる方法としては、フォトマスクを介して紫外線を照射する方法、または光触媒リソグラフィー法が好適である。
疎水性基材としては疎水性化合物によるプライマー層が形成されたガラス基材が好ましい。プライマー層としてフェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のフェニル基を有するシラン化合物を用いると、フェニル基が紫外線により分解しやすく、より少ないエネルギーで網目パターンを形成できるため好適である。熱によって疎水性基が分解されて親水性となる有機化合物と光照射により熱を発生する物質を組み合わせて用いてもよく、酸によって疎水性基が分解されて親水性となる有機化合物と、光照射により酸を発生する物質を組み合わせてもよい。改質法により親水性官能基を形成させた後に、さらに有機化合物をグラフト結合させてもよい(例えば、特開2005−347423号公報)。
感光性樹脂法とは感光性樹脂を親水性基材表面に塗布し、フォトマスクを介して光照射した後に現像処理をすることによって、基材上に網目パターンを形成する方法である。感光性樹脂として、パーフルオロアルキル基またはポリジメチルシロキサン鎖を含む組成物を用いると、親水性領域と疎水性領域の水に対する濡れ性のコントラストが大きくなるため好ましい。(例えば、国際公開第2004/042474号公報、国際公開第2004/079454号公報)。
印刷法とは親水性基材表面に疎水性材料をパターン印刷することよって網目パターンを形成する方法、または、疎水性基材上に親水性材料をパターン印刷することによって網目パターンを形成する方法である。印刷する手法としては凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、孔版印刷、オフセット印刷、静電印刷、インクジェット印刷等の公知の方法を用いることができる(例えば、特開2004−207659号公報)。特に高精細スクリーン印刷、グラビア印刷が高精細であるため好適である。また、微細な凸版を用いて疎水性基を有するシラン化合物によるパターンを形成するマイクロコンタクト印刷も好適である(例えば、特開2003−151364号公報)。
親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンの、親水性領域における静滴法による水の接触角は35°以下であることが望ましい。ここで言う親水性領域の接触角とは、同じ基材を用いて、網目パターンを形成する際に親水性領域を得るために施した表面処理と同じ表面処理を、1cm×1cm以上の大きさを有する領域に施した時の、該領域で測定した水の接触角である。
親水性領域における水の接触角が35°を超えると、親水性領域内に導電性粒子が残存するおそれがあり、そうなると透明道電電膜の透過率が低下する。該親水性領域における水の接触角は30°以下がより好ましく、25°以下がさらに好ましい。
親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンの、疎水性領域における静滴法による水の接触角は60〜120°の範囲であることが望ましい。ここで言う疎水性領域の接触角とは、同じ基材を用いて、網目パターンを形成する際に疎水性領域を得るために施した表面処理と同じ表面処理を、1cm×1cm以上の大きさを有する領域に施した時の、該領域で測定した水の接触角である。
疎水性領域における水の接触角が60°未満であると、1個の水滴が疎水性領域をまたがって形成されるおそれがあり、そうなると導電性粒子による網目パターンの制御が困難となるため好ましくない。疎水性領域における水の接触角が120°を超えると、疎水性領域が有機溶剤をはじいて導電性粒子による網目パターンが切断されやすくなり、そうなると低抵抗の透明導電膜が得られないため好ましくない。疎水性領域における水の接触角が65〜120°の範囲であることがより好ましく、70〜110°の範囲がさらに好ましい。
上記親水性領域における水の接触角、および疎水性領域における水の接触角は、基材の種類を適宜選択することにより、また必要に応じて基材の濡れ性を調整することにより制御できる。少なくとも一方の接触角が上記の好ましい範囲であることが好ましく、両方の接触角が上記の好ましい範囲であることがより好ましい。
前記親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンにおける、疎水性領域の線幅は3〜25μmの範囲であることが望ましい。疎水性領域の線幅が3μm未満では、1個の水滴が疎水性領域をまたがって形成される恐れがあり、導電性粒子によって形成される網目パターンの制御が困難となるため好ましくない。疎水性領域の線幅が25μmを超えると、導電性粒子によって形成される網目パターンの幅が広くなるため目視ではっきりと認識できるようになり、透明導電膜の外観が悪化する。疎水性領域の線幅は5〜23μmの範囲がより好ましく、7〜20μmの範囲がさらに好ましい。
前記親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンにおける、親水性領域の平面形状は任意であり適宜設計できる。例えば親水性領域を矩形または六角形などの多角形とし、前記網目パターンを格子状、ハニカム状とすることができる。
基板表面に形成された前記網目パターンにおいて、「疎水性領域の面積/親水性領域の面積」で表される面積比の値が0.05〜0.6の範囲であることが望ましい。該面積比の値が0.05未満では透明導電膜が高抵抗となり、0.6を超えると透明導電膜の透過率が低下する。該面積比の値のより好ましい範囲は0.07〜0.4の範囲であり、さらに好ましい範囲は0.1〜0.25の範囲である。
前記親水性領域が疎水性領域によって隔てられた網目パターンにおいて、疎水性領域が着色されていてもよい。疎水性領域が着色されていると、導電性粒子による光の散乱や反射がより確実に隠蔽されるため、透明導電膜を基材側から観察した際の外観がより良好になる。
疎水性領域の着色の程度は可視光(波長400〜700nm)の透過率の平均値で評価することができる。可視光の透過率が50%以下であると着色の効果により透明導電膜の外観が向上する。領域の可視光透過率が30%以下であればより好ましく、15%以下であればさらに好ましい。
<塗布液>
本発明で用いられる塗布液は、水相と有機溶剤相からなるW/O型エマルジョンであって、有機溶剤相中に導電性粒子が含まれている。具体的には、有機溶剤と、水と、導電性微粒子と、増粘剤および/または界面活性剤とを含有するW/O型エマルジョンが好ましい。また有機溶剤の一部として含フッ素有機溶剤を用いることがより好ましい。
(塗布液の第1の形態)
塗布液の好ましい第1の形態は、下記(a)〜(e)成分を含有する。
(a)比誘電率が3〜15であり、かつ、気圧0.1MPaの状態での沸点が40〜120℃である、水と混和しない含フッ素有機溶剤A、
(b)表面張力が25mN/m以上であり、気圧0.1MPaの状態での沸点が50〜250℃の範囲で、かつ、含フッ素有機溶剤Aの沸点よりも高い、水と混和しない有機溶剤B、
(c)水、
(d)導電性粒子、
(e)増粘剤および/または界面活性剤。
塗布液の第1の形態において、前記(a)含フッ素有機溶剤Aの含有量が20〜90質量%、(b)有機溶剤Bの含有量が3〜60質量%、(c)水の含有量が5〜50質量%、(d)導電性粒子の含有量が1〜12質量%であることが好ましい。また塗布液中に含まれる(d)導電性粒子のメディアン径が5μm以下であることが好ましい。
[(a)含フッ素有機溶剤A]
含フッ素有機溶剤Aは、比誘電率が3〜15であり、沸点が40〜120℃であり、水と混和しない。
本発明において、溶剤の極性の指標として比誘電率を用いる。該比誘電率は静電容量法により測定して求める。測定は温度25℃、周波数10kHzの条件で行う。比誘電率の値が高いほど溶剤の極性は高い。
本発明において、溶剤の沸点は気圧0.1MPaの状態での値とする。溶剤の沸点の値が低いほど、蒸発速度は速い。
本発明において、含フッ素有機溶剤Aが「水と混和しない」とは、温度25℃の含フッ素有機溶剤Aの100gに溶解する水の量が0.3g以下であることを意味する。
含フッ素有機溶剤Aを塗布液に含有させると、塗布液中において、導電性粒子の分散性(均一性)が良くなり、塗布液を基材上に塗布した際、基材上における導電性粒子の配列状態が良好となり、より低抵抗の透明導電膜が得られる。
含フッ素有機溶剤Aが導電性粒子の分散性に優れている理由としては、含フッ素有機溶剤Aの比誘電率が特定の範囲であり適度な極性を有すること、および含フッ素化合物からなるため表面張力が低くて導電性粒子表面となじみやすいことが挙げられる。また、含フッ素有機溶剤Aには水がほとんど溶解しないため、水と混合してW/O型エマルジョンとした場合でも導電性粒子の分散性が低下しない。
さらに、塗布液に表面張力が比較的低い含フッ素有機溶剤Aを含有させることにより、塗布液の良好な塗布性が得られる。
含フッ素有機溶剤Aの極性が、比誘電率が3以上であると、導電性粒子の良好な分散性が得られる。一方、該比誘電率が15以下であると、含フッ素有機溶剤Aに水が溶解し難く、安定性が良好なW/O型エマルジョン状態が得られる。含フッ素有機溶剤Aの比誘電率のより好ましい範囲は3〜10である。
塗布液に含まれている溶剤の蒸発速度が速すぎると塗布液の取り扱い性が悪く、遅すぎると塗布液を乾燥させる際に溶剤の蒸発に時間がかかり非効率的である。
含フッ素有機溶剤Aの沸点が40〜120℃であると適度な蒸発速度が得られるため、塗布液の取り扱い性が良く、乾燥工程を効率的に行える。含フッ素有機溶剤Aの沸点のより好ましい範囲は50〜90℃である。
本発明において、含フッ素有機溶剤Aが2種以上の含フッ素有機溶剤の混合物である場合、「含フッ素有機溶剤Aの沸点が上記の範囲内である」ということは、該混合物に含まれる各含フッ素有機溶剤の沸点の全てが(共沸混合物の場合は共沸点が)、上記の範囲内であることを意味する。
温度25℃の状態で含フッ素有機溶剤Aの100gに溶解する水の量が0.3g以下となる程度に、含フッ素有機溶剤Aと水との混和性が低いと、W/O型(油中水滴型)エマルジョンの安定性が良く、良好な網目状構造が得られる。より良好な状態の網目状構造を得るためには、該含フッ素有機溶剤A100gに溶解する水の量が0.15g以下であることがより好ましい。該含フッ素有機溶剤A100gに溶解する水の量は、0gでもよい。
含フッ素有機溶剤Aの好ましい例としては、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(略称:HCFC−225ca)、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(略称:HCFC−225cb)等のハイドロクロロフルオロカーボン類;1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(略称:HFC−43−10mee)、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロヘキサン(略称:HFC−569sf)等のハイドロフルオロカーボン類;1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン(略称:HFE−347pc−f)、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロ−4−メトキシブタン(略称:HFE−449s)、2−(ジフルオロメトキシメチル)−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(略称:HFE−449mmyc)、1−エトキシ−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン(略称:HFE−569sf)、2−(エトキシジフルオロメチル)−1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(略称:HFE−569mmyc)等のハイドロフルオロエーテル類が挙げられる。ここに例示した含フッ素有機溶剤はいずれも、温度25℃の溶剤100gに溶解する水の量が0.3g以下である。
上記に挙げた含フッ素有機溶剤のうちで、より好ましいのは3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(略称:HCFC−225ca)、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(略称:HCFC−225cb)である。
含フッ素有機溶剤Aは1種類を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
塗布液中における含フッ素有機溶剤Aの含有量は20〜90質量%が好ましい。20質量%以上であると導電性粒子の良好な分散性が得られ、90質量%以下であると塗布液の安定性が良好となる。より好ましい含有量の範囲は30〜85質量%である。
[(b)有機溶剤B]
本発明で用いられる有機溶剤Bは、表面張力が25mN/m以上であり、沸点が50〜250℃の範囲であって含フッ素有機溶剤Aの沸点よりも高く、水と混和しない。
本発明において、溶剤の表面張力の値は輪環法によって求める。測定は温度25℃で行う。
有機溶剤Bは、表面張力が高くて水と混和しないため、これを塗布液に含有させると、基材上での有機溶剤相の濡れ広がりが抑えられて、線幅が細い網目状構造が形成される。網目の線幅が細いほど透明導電膜における透過率が高くなる。
また有機溶剤Bは含フッ素有機溶剤Aよりも沸点が高いため、塗布液が乾燥される過程で有機溶剤Bよりも含フッ素有機溶剤Aの方が先に蒸発する。これにより、水滴どうしの間に存在する有機溶剤相の表面張力が効率よく上昇するため、有機溶剤Bの添加によって網目状構造の線幅が細くなる効果が良好に得られる。
有機溶剤Bの表面張力が25mN/m以上であると、線幅が細い網目状構造が良好に得られる。有機溶剤Bの表面張力は26mN/m以上であることが好ましい。該表面張力の上限は、基材に対する塗布液の良好な塗布性が得られる範囲であればよい。具体的には50mN/m以下が好ましく、45mN/m以下がより好ましく、40mN/m以下がさらに好ましい。
本発明において、有機溶剤Bが2種以上の有機溶剤の混合物である場合、「有機溶剤Bの表面張力が上記の範囲内である」ということは、該混合物に含まれる各有機溶剤の表面張力の全てが、上記の範囲内であることを意味する。
有機溶剤Bの沸点が50〜250℃であると適度な蒸発速度が得られるため、塗布液の取り扱い性が良く、乾燥工程を効率的に行える。有機溶剤Bの沸点のより好ましい範囲は50〜200℃であり、さらに好ましい範囲は60〜160℃である。沸点が160℃以上の有機溶剤を用いる場合、その使用量は、乾燥工程の効率の点から、有機溶剤B全体における割合が15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
また有機溶剤Bの沸点と、塗布液中に共存している含フッ素有機溶剤Aの沸点との差は有機溶剤Aが含フッ素有機溶剤Bよりも先に蒸発することによる上記効果を良好に得るために、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
本発明において、有機溶剤Bが2種以上の有機溶剤の混合物である場合、「有機溶剤Bの沸点が上記の範囲内である」ということは、該混合物に含まれる各有機溶剤の沸点の全てが、上記の範囲内であることを意味する。また「有機溶剤Bの沸点が含フッ素有機溶剤Aの沸点よりも高い」とは、該混合物に含まれる各有機溶剤の沸点のうち最も低い温度が、含フッ素有機溶剤Aの沸点よりも高いことを意味する。また「有機溶剤Bの沸点と含フッ素有機溶剤Aの沸点との差」は該混合物に含まれる各有機溶剤の沸点のうち最も低い温度と、含フッ素有機溶剤Aの沸点との差を意味する。含フッ素有機溶剤Aが混合物である場合、ここでの含フッ素有機溶剤Aの沸点は、共沸混合物の場合は共沸点を指し、共沸しない混合物の場合は含フッ素有機溶剤Aに含まれる各含フッ素有機溶剤の沸点のうち最も高い温度を指す。
有機溶剤Bとして、水酸基、エステル基、ケトン基、アミド基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の極性基を有する有機溶剤B1を用いると、溶剤が蒸発する過程で水滴どうしが合一し易くなる。したがって、上記第1の基材にあっては、網目状構造における網目サイズ(導電性粒子が存在しない領域の大きさ)が適度に大きくなり易い。また上記第2の基材にあっては、水滴どうしが適度に合一して親水性領域全体を濡らし、これによって導電性粒子が親水性領域からより確実に排除されて疎水性領域にのみ付着し易くなる。
かかる極性基を有する有機溶剤B1の好ましい例としては1−ブトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノン、酢酸−3−メトキシブチル、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。有機溶剤B1としては、1−ブトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノールが特に好ましい。
有機溶剤B1は1種類を用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
有機溶剤Bとして、上記群に含まれる極性基を持たない有機溶剤B2を用いることも好ましい。かかる有機溶剤B2の好ましい例としてはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンが挙げられる。上記に例示した有機溶剤B2はいずれも、表面張力が高く、沸点が適度に高く、水と混和しないため本発明に好適である。有機溶剤B2は、トルエン、キシレン、エチルベンゼンが特に好ましい。
有機溶剤B2は1種類を用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
有機溶剤Bとして、極性基を有する有機溶剤B1だけを用いてもよく、極性基を持たない有機溶剤B2だけを用いてもよく、有機溶剤B1の1種以上と有機溶剤B2の1種以上を併用してもよい。有機溶剤B1と有機溶剤B2を併用することがより好ましい。
本発明において、有機溶剤Bが「水と混和しない」とは、極性基を有する有機溶剤B1においては、温度25℃の有機溶剤B1の100gに溶解する水の量が15g以下であることを意味する。より良好な状態の網目状構造を得るためには12g以下がより好ましい。上記に有機溶剤B1の例として挙げた各溶剤はいずれも、温度25℃の溶剤100gに溶解する水の量が15g以下である。
また極性基を持たない有機溶剤B2においては、温度25℃の有機溶剤B2の100gに溶解する水の量が0.5g以下であることを意味する。より良好な状態の網目状構造を得るためには0.3g以下がより好ましい。上記に有機溶剤B2の例として挙げた各溶剤はいずれも、温度25℃の溶剤100gに溶解する水の量が0.5g以下である。
塗布液中における有機溶剤Bの含有量は3〜60質量%が好ましい。3質量%以上であると有機溶剤Bの添加効果が充分に得られる。60質量%以下であると、含フッ素有機溶剤Aとの比率のバランスが良好となり、塗布液における導電性粒子の分散性および塗布性が良好であるとともに、乾燥後には線幅が細い網目状構造が得られ、低抵抗かつ高透過率な透明導電膜を実現できる。
有機溶剤Bとして極性基を有する有機溶剤B1を用いる場合、その使用量は、塗布液中における含有量が15質量%以下であることが好ましい。10質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましい。該有機溶剤B1の含有量が15質量%以下であると水滴が壊れ難く塗布液の安定性が良い。有機溶剤B1の添加効果を充分に得るには、有機溶剤B1を塗布液中0.3質量%以上配合させることが好ましい。
[(c)水]
塗布液中における水の含有量は5〜50質量%の範囲が好ましい。水の含有量が上記の範囲であると、網目状構造において導電性粒子が存在しない領域(水滴に相当する領域)が適度な面積割合で形成され、良好な透過率が得られる。水の含有量は10〜40質量%の範囲がより好ましい。
[(d)導電性粒子]
導電性粒子としては、メディアン径が5μm以下のものが好ましく用いられる。
本発明における導電性粒子のメディアン径は、0.4μm以上の場合はレーザー回折散乱法により求め、0.4μm未満の場合は動的光散乱法により求める。レーザー回折散乱法で求めたメディアン径が0.4μm未満であり、かつ動的光散乱法で求めたメディアン径が0.4μm以上となった場合は、動的光散乱法で求められる値を用いる。
塗布液中に含まれる導電性粒子のメディアン径が5μm以下であると、導電性粒子どうしの良好な接触状態が得られ、低抵抗な透明導電膜が得られる。該メディアン径は2.5μm以下がより好ましく、1.5μm以下がさらに好ましい。
該導電性粒子のメディアン径の下限値は特に制限されない。小さいほど取り扱い性が困難となりコストも高くなるため、0.005μm以上が好ましい。0.03μm以上がより好ましく、0.15μm以上がさらに好ましい。
導電性粒子としては銀または銅より選ばれる1種以上を含む金属粒子が好ましい。銀または銅より選ばれる1種のみからなる金属粒子でもよく、銀または銅より選ばれる1種以上を含む合金からなる金属粒子でもよい。銀および銅は導電性が高いため、低抵抗な透明導電膜を得るうえで好ましい。また銀または銅は、硫黄等と反応させると、黒または黒に近い色の硫化銀(AgS)または硫化銅(CuS)をそれぞれ形成するため、硫化処理により透明導電膜の外観を向上させる効果に優れる。
金属粒子の形状は球状、粒状、針状、フレーク状など任意の形状のものを用いることができる。
導電性粒子は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性粒子は、W/O型エマルジョンからなる塗布液中で有機溶剤相中に分散される。
そのために導電性粒子の表面は疎水性であることが好ましく、必要に応じて疎水化処理されていることが好ましい。
例えば表面が親水性である金属粒子は、疎水化処理剤を用いて予め疎水化処理しておくことが好ましい。疎水化処理剤としては、炭素数が8〜24の脂肪酸または脂肪族アミンが好適である。具体例としてはステアリン酸、オレイン酸、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、オクタデシルアミンが挙げられる。疎水化処理剤を用いた表面処理方法としては、乾式混合法、湿式混合法、フラッシング法等の公知の手法を用いることができる。
塗布液中における導電性粒子の含有量が1〜12質量%であると低抵抗かつ高透過率の透明導電膜が得られる。該導電性粒子の含有量は1.5〜10質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
[(e)増粘剤および/または界面活性剤]
塗布液には(e1)増粘剤と(e2)界面活性剤の一方または両方が添加されていることが好ましい。
(e1)増粘剤
(e1)増粘剤は増粘効果を有するものであり、これを塗布液に含有させることにより、W/O型エマルジョンの安定性が向上する。また塗布液に揺変性を付与して液だれを防止できるため、塗布液の塗布性を向上できる。(e1)増粘剤としては、変性尿素、変性ポリアクリルアミド、変性セルロース、水添ひまし油、脂肪酸アマイド、酸化ポリエチレン、12−ヒドロキシステアリン酸等が好適に用いられる。(e1)増粘剤は1種類を用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。増粘剤として、界面活性剤としての作用を有するものを用いてもよく、変性尿素または変性ポリアクリルアミドが特に好ましい。
(e2)界面活性剤
(e2)界面活性剤とは分子内に親水性基と疎水性基の両方を有する化合物であり、これを塗布液に含有させることにより、W/O型エマルジョンの安定性が向上する。
(e2)界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、高分子界面活性剤のうちいずれを用いてもよい。界面活性剤として、増粘剤としての作用を有するものを用いてもよい。
界面活性剤の具体例としてはラノリン、ロジン、コレステリン、レシチン、及びこれらの誘導体、重金属セッケン、ソルビタン脂肪酸エステル類が挙げられる。(e2)界面活性剤は1種類を用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記に挙げた界面活性剤のうち、HLB(親水親油バランス)値が3〜9の範囲であるソルビタン脂肪酸エステル類が特に好適である。ソルビタン脂肪酸エステル類のHLB値はグリフィン法から求められる値(HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量)とする。かかるソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、モノオレイン酸ソルビタンエステル、モノステアリン酸ソルビタンエステル、モノパルミチン酸ソルビタンエステル、モノラウリン酸ソルビタンエステルが挙げられる。
塗布液中における(e1)増粘剤と(e2)界面活性剤の合計含有量は0.03〜2質量%の範囲が好ましい。0.03質量%以上添加することにより安定なエマルジョンが得られる。2質量%を超えると透明導電膜の導電性が阻害されるおそれがある。0.05〜1質量%の範囲がより好ましい。
塗布液中における(e1)増粘剤の含有量は0〜2質量%の範囲が好ましく、0〜1質量%の範囲がより好ましい。(e1)増粘剤が0質量%の場合は、(e2)界面活性剤を必須成分として塗布液に含有させる。
塗布液中における(e2)界面活性剤の含有量は0〜2質量%の範囲が好ましく、0〜1質量%の範囲がより好ましい。(e2)界面活性剤が0質量%の場合は、(e1)増粘剤を必須成分として塗布液に含有させる。
[その他の成分]
塗布液には、上記(a)〜(e)の各成分のほかに、水と混和する有機溶剤(以下、水混和性有機溶剤という)が含有されていてもよい。
本発明において、水混和性有機溶剤が「水と混和する」とは、該水混和性有機溶剤が水酸基、エステル基、ケトン基、アミド基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種類の極性基を有する場合では、温度25℃の水混和性有機溶剤の100gに溶解する水の量が15gを超えることを意味する。また前記極性基を持たない場合では、温度25℃の水混和性有機溶剤の100gに溶解する水の量が0.5gを超えることを意味する。
例えば、溶液状の(e1)増粘剤を用いる場合、これに含まれている水混和性の有機溶剤(例えばN−メチルピロリドン)が、上記水混和性有機溶剤に該当する。
塗布液中における水混和性有機溶剤の含有量は10質量%以下であることが好ましい。
該水混和性有機溶剤の含有量が10質量%以下であると液滴が壊れ難く、塗布液の安定性が良い。該水混和性有機溶剤の含有量は6質量%以下がより好ましく、4質量%以下がさらに好ましい。
また、塗布液に前記(d)導電性粒子とは別に、任意成分として導電性粒子前駆体を添加してもよい。導電性粒子前駆体とは、加熱処理や紫外線照射処理等によって金属が生成する物質であり、これを塗布液に含有させることで透明導電膜の導電性を向上させる効果が期待できる。
かかる導電性粒子前駆体として、金属酸化物、有機金属化合物、有機金属塩等を用いることができ、好ましい具体例としては酸化銀、水酸化銅、脂肪酸銀が挙げられる。
塗布液中における導電性粒子前駆体の含有量は、塗布液の安定性の点で3質量%以下であることが好ましい。2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
また、透明導電膜の強度向上や基材への密着性向上を目的として、バインダーを適宜添加してもよい。具体例としてはアクリル樹脂、エチルセルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール等が挙げられる。バインダーの含有量は、透明導電膜の導電性の点で2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下がより好ましい。
また、塗布液に黒色顔料を適宜添加してもよい。塗布液に黒色顔料を添加することで、透明導電膜の反射率を低減して、膜の外観をより向上させることができる。黒色顔料としては各種カーボン材料や金属酸化物を用いることができる。具体例としてはカーボンブラック、カーボンナノチューブ、チタンブラック、酸化鉄が挙げられる。
(塗布液の第2の形態)
また本発明では、前記塗布液の第1の形態において、(a)含フッ素有機溶剤Aを用いない塗布液、または該(a)含フッ素有機溶剤Aの含有量が少ない塗布液を用いても、同様に透明導電膜を再現性良く形成できる。
すなわち、塗布液の好ましい第2の形態として、前記(a)含フッ素有機溶剤Aの含有量が20質量%未満(ゼロでもよい)、前記(b)有機溶剤Bの含有量が25〜80質量%、前記(c)水の含有量が10〜55質量%、前記(d)導電性粒子の含有量が1〜12質量%である塗布液を用いてもよい。その他の成分は第1の形態と同様である。
なお、(a)含フッ素有機溶剤Aの含有量がゼロの場合、(b)有機溶剤Bの沸点に関して「含フッ素有機溶剤Aの沸点よりも高い」という制限は無い。
塗布液の第2の形態において、塗布液組成が上記範囲内であると、網目状構造において導電性粒子が存在しない領域(水滴に相当する領域)が適度な面積割合で形成される。
また、有機溶剤Bの表面張力が高いため、線幅が細く、残渣の少ない網目状構造が形成でき、これにより低抵抗かつ高透過率な透明導電膜を得ることができる。
[塗布液の調製]
第1の形態および第2の形態の塗布液は、上記(a)〜(e)の各成分および必要に応じてその他の成分を混合し、撹拌してW/O型エマルジョンとすることによって調製できる。
上記(a)〜(e)の各成分の混合順序は特に規定されないが、以下の順序で混合することが好ましい。
まず、(a)含フッ素有機溶剤Aおよび(b)有機溶剤Bに(e)増粘剤および/または界面活性剤を添加して均一に混合する。次に(d)導電性粒子を加えて均一に混合した後、最後に(c)水を加えて撹拌して、均一に乳化させる。このように水を最後に加えることで、導電性粒子の凝集を抑制できる。
乳化させる手段としてはインペラー式撹拌機、ローター/ステーター式分散機、超音波分散機、高圧分散機など公知の装置を用いることができる。
以下、本発明の透明導電膜の製造方法について説明する。
<第1の工程(I):塗布液の塗布および乾燥>
まず塗布液を基材上に塗布する。
基材上に塗布液を塗布する方法としては、バーコート、ダイコート、ロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディップコート、フローコート等の公知の方法を用いることができる。
塗布液の塗布量は、基材に対して、固形分として0.1〜15g/mの範囲が好ましい。0.1g/m以上であると抵抗値の低い透明導電膜が得られ易く、15g/m以下であると透過率の高い透明導電膜が得られ易い。0.5〜10g/mの範囲がより好ましい。
次いで、基材上の塗布液を乾燥させる。この乾燥工程により塗布液中の溶剤および水が、それぞれの蒸発速度に応じて順次除去され、導電性粒子が網目状に配列された状態となる。この乾燥工程において、塗布液中の溶剤および水の全部が完全に除去されてもよく、または網目状に配列された導電性粒子が流動しない程度であれば、溶剤および水の一部が残ってもよい。
乾燥条件は特に規定されない。大気中で放置して自然乾燥させてもよく、雰囲気中の温度や湿度を適宜調整してもよく、有機溶剤の蒸気を用いて雰囲気制御を行ってもよい。
<第2の工程(II):焼結>
乾燥後、加熱処理を行って導電性粒子を焼結させる。
焼結条件は、導電性粒子どうしが充分に焼結されるように設定される。導電性微粒子の表面上に有機物が存在する場合には、導電性粒子どうしが充分に焼結されるとともに、該有機物が分解されるように設定することが好ましい。例えば表面が疎水化処理された導電性微粒子を用いた場合などに、導電性粒子の表面に付着している有機物を本工程で除去しておくと、次の第3の工程において、導電性粒子表面と硫黄等との反応が良好に進行し、導電性微粒子の表面が均一に黒色化されやすい。
導電性粒子が銀粒子である場合など、酸化性雰囲気下で加熱しても導電性を低下させる酸化物が生成しない場合は、本工程の焼結を酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。酸化性雰囲気下で焼結すると導電性粒子表面の有機物がより分解されやすいため、より低温の加熱処理温度で焼結できる。酸化性雰囲気としては、例えば大気中、酸素ガス中、酸素と窒素の混合ガス中が挙げられる。
酸化性雰囲気下で焼結する場合の加熱処理温度は、240℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましい。該温度で加熱処理することにより、導電性粒子どうしが充分に焼結されるとともに、導電性粒子表面の有機物が良好に分解される。導電性粒子どうしが充分に焼結されると、次の第3の工程で導電性粒子表面が硫化されることによる電気的抵抗の上昇が小さく抑えられる。
本工程における加熱処理温度の上限は基材の変形が生じない温度であればよく、基材の耐熱性に応じて設定できる。例えば600℃以下が好ましく、500℃以下がより好ましい。
加熱時間は、導電性粒子どうしの焼結が良好に行われる範囲で適宜設定できる。短すぎると焼結が不充分となり、長すぎると非効率的である。例えば、1〜120分の範囲が好ましい。
一方、導電性粒子が銅を含有する粒子である場合など、酸化性雰囲気下で加熱すると導電性を低下させる酸化物が生成する場合は、本工程の焼結を非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、例えば窒素、アルゴンおよび水素から選ばれる1種のガス中または2種以上混合ガス中が挙げられる。
非酸化性雰囲気下で焼結する場合の加熱処理温度は、300℃以上が好ましく、330℃以上がより好ましい。該温度で加熱処理することにより、導電性粒子どうしが充分に焼結されるとともに、導電性粒子表面の有機物が良好に分解される。
該加熱処理温度の上限は、上記と同様に基材の耐熱性に応じて設定でき、例えば600℃以下が好ましく、500℃以下がより好ましい。また加熱時間も上記と同様であり、例えば1〜120分の範囲が好ましい。
<第3の工程(III):硫化処理>
前記第2の工程で導電性粒子を焼結させた後、該焼結した導電性粒子と硫黄等とを反応させることにより透明導電膜が得られる。
本工程において、焼結した導電性粒子と硫黄等とを反応させることにより、導電性粒子表面に硫化物が形成され、導電性粒子表面が黒色化される。本明細書における黒色化とは、黒色、灰色、濃緑色などの黒または黒に近い色に変色することをいう。これによって導電性粒子の表面における光の反射と散乱が抑制され、外観に優れた透明導電膜が得られる。
本発明で用いられる硫黄等の具体例としては、硫黄;硫化水素、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム等の硫黄含有無機化合物;チオ尿素、チオグリコール酸、メルカプトエタノール、ジデシルジスルフィド等の硫黄含有有機化合物が挙げられる。これらのうちの2種以上を併用してもよい。特に、反応性が高い点で硫黄を用いることが好ましい。
反応させる方法は、例えば塗布法、浸漬法、気相反応法など公知の硫化処理の手法を適宜用いることができる。
塗布法を用いる場合、硫黄等を溶解した溶液を、導電性粒子による網目状構造が形成された基材上に塗布した後に加熱処理する。塗布の方法は公知の手法を用いればよい。加熱処理は大気中で行ってもよく、不活性雰囲気中で行ってもよい。加熱処理温度が100℃以上であると硫化反応が十分に進むため好ましい。加熱処理温度の好ましい範囲は100〜300℃である。
浸漬法を用いる場合、硫黄等を溶解した溶液中に、導電性粒子による網目状構造が形成された基材を一定時間浸漬させる。基材を浸漬させた後に加熱処理を行ってもよい。
気相反応法を用いる場合、気体状の硫黄等を導電性粒子表面に接触させることにより硫化させる。気体状の硫黄等として硫化水素を用いてもよく、硫黄を加熱して蒸発させてもよい。
上記挙げた硫化処理の手法の中で、特に塗布法が簡便であり、塗布する硫黄等の量によって硫化の程度を容易に制御できるため好適である。
導電性粒子の硫化が進むほど透明導電膜の表面抵抗が上昇する傾向がある。したがって、導電性粒子と硫黄等との反応(硫化)の程度は、透明導電膜の外観が良好に向上するとともに、表面抵抗が上がり過ぎない範囲で制御することが好ましい。
該導電性粒子と硫黄等との反応(硫化)の程度は、塗布法では塗布する硫黄等の種類・量と焼成条件(温度、時間、雰囲気(酸化性または非酸化性))、気相反応法では反応条件(硫黄等の種類・濃度、温度、時間、雰囲気)、浸漬法では浸漬条件(硫黄等の種類・濃度、溶媒の種類、温度、時間)と加熱条件(温度、時間、雰囲気)によって調整できる。
また上記第3の工程(硫化処理)の後、光学特性の向上と膜強度の向上のために、導電性粒子からなる網目状構造が形成されている面に、オーバーコート層の形成やポリマーフィルムのラミネート処理を行ってもよい。
また、基材上に導電性粒子からなる網目状構造を形成した後に、これを、他の基材上に転写してもよい。転写は、上記第3の工程(硫化処理)の前に行ってもよく、後に行ってもよい。
本発明の方法によれば、基材上に、導電性粒子の焼結体からなる網目状構造が形成されており、該導電性粒子の表面に硫化物が形成されている透明導電膜が得られる。すなわち、(I)基材上に塗布液を塗布して乾燥させ、(II)加熱処理して導電性粒子を焼結させ、(III)焼結した導電性粒子と硫黄等とを反応させるという簡単な工程で、導電性粒子による光の反射および散乱を抑えて、外観に優れた透明導電膜を製造できる。
また、基材上の導電性粒子の表面全体を硫化できるため、透明導電膜を基材側からみた場合、および該基材側とは反対側から見た場合の両方において、導電性粒子による光の反射および散乱を抑えることができる。
特に、本発明では基材上に定着された導電性粒子の表面と硫黄等とを直接反応させることができるため、例えば前記特許文献3に記載されているような樹脂層を介して金属粉末を黒化処理する方法に比べて、導電性粒子の表面を効率良く、より確実に黒化処理できる。また、黒化処理される領域を、必要最小限である導電性粒子表面に限定できるため、黒化処理による光透過性の低減を最小限に抑えつつ、透明導電膜の外観を良好に向上できる。また、導電性粒子における黒化(硫化)の程度を制御できるため、黒化処理による表面抵抗の増大を抑えつつ、透明導電膜の外観を良好に向上できる。
本発明によれば、例えば表面抵抗が0.1〜10Ω/□、好ましくは0.1〜2.0Ω/□であり、可視光の全光線透過率(以下、単に透過率ということもある。)が60〜95%、好ましくは75〜90%であり、ヘイズが0.5〜4.0%、好ましくは0.5〜3.0%である透明導電膜が得られる。かかる透明導電膜は、透光性電磁波遮蔽膜や透明電極として好適である。特に外観に優れるため、建築物用の電磁波遮蔽窓やプラズマディスプレイパネル用の電磁波遮蔽膜として好適である。
特に上記特定の(a)〜(e)成分を含有する第1の形態の塗布液を用いると、塗布液における導電性粒子の分散状態がより均一になり、塗布液を乾燥させて網目状構造を形成する過程においては線幅がより細い網目状に導電性粒子が配列されるため、より低抵抗かつ高透過率の透明導電膜を得るうえで好ましい。また、該塗布液における導電性粒子の分散状態および網目状構造における導電性粒子の配列状態の安定性が高くて再現性が良いため、低抵抗かつ高透過率の透明導電膜を再現性良く製造できる点でも好ましい。
さらに本発明の方法によれば、メディアン径が5μm以下という、比較的粒径が大きくて安価な導電性粒子を用いることができるため、低コストで透明導電膜を製造できる。
以下に実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下において、特に断らない限り、部は質量基準である。
[基材の調製]
以下の方法で基材に表面処理を施して基材Aおよび基材Bを用意した。いずれの基材も、表面処理を施した面を塗布面とする。なお、基材の接触角の測定は、水の場合および1−ブロモナフタレンの場合のいずれも接触角計(協和界面科学株式会社製、CA−X150型)を用いて静滴法で行った。接触角測定を行う際の液量は1μLとした。
(基材A)
基材表面の濡れ性を均一に調整して、網目状のパターンを有していない基材Aを作製した。
すなわち、エタノール10gに3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.25g、テトラエトキシシラン1.1gおよび1質量%硝酸水溶液2.1gを加えて2時間撹拌した。この液を10cm角のガラス板上にスピンコートした後、大気中で30分間乾燥させて塗膜を形成し、基材Aとした。塗膜の膜厚は100nmであった。
基材Aの表面における水の接触角は49°、1―ブロモナフタレンの接触角は22°であった。
(基材B)
改質法により基材表面に網目パターンを形成した。
すなわち、エタノール10.5gにフェニルトリエトキシシラン0.6g、テトラエトキシシラン0.5gおよび1質量%硝酸水溶液1.5gを加えて2時間撹拌した。この液を10cm角のガラス板上にスピンコートした後、150℃で30分間定温送風乾燥機中で乾燥させ、塗膜を形成した。塗膜の膜厚は100nmであった。
次いで、上記塗膜が形成された面にクロムマスク付石英フォトマスクを介して低圧水銀灯により露光量800mJ/cmを照射して、低圧水銀灯照射部が低圧水銀灯未照射部によって隔てられた網目パターンを形成したものを基板Bとした。なお、低圧水銀灯の照射には光表面処理装置(セン特殊光源株式会社製、型番PL7−200)を用いた。
低圧水銀灯照射部は塗膜中のフェニル基が分解されて水酸基が生成するため親水性領域となる。一方、低圧水銀灯未照射部(マスクされている部分)では塗膜中のフェニル基が分解されないため疎水性領域である。
フォトマスクの形状は、一辺の長さ100μmの正六角形状の透光部と線幅10μmの遮光部からなるハニカムパターンとした。
したがって、基材Bにおける疎水性領域の線幅は10μmであり、疎水性領域の面積/親水性領域の面積は基材0.12である。
上記と同様の条件で基材表面にパターン化されていない2cm×2cmの低圧水銀灯照射領域と、パターン化されていない2cm×2cmの低圧水銀灯未照射領域を作製したところ、水の接触角は照射領域が18°、未照射領域が74°であった。
<実施例1〜6>
上記の通り作製した基材A、Bを用い、基材上に透明導電膜を形成して物性を評価した。
各実施例における、基材の種類、導電性粒子塗布量、焼結条件、ならびに表面抵抗、透過率およびヘイズの評価を表1にまとめて示す。
[透明導電膜の物性評価]
透明導電膜の透過率測定とヘイズ測定にはヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社、型番HGM−2DP)を用いた。
透明導電膜の表面抵抗は次に示す方法により求めた。まず第1の工程(I)、すなわち塗布液の塗布および乾燥を行った後に、基材上で導電性粒子が網目状に付着している領域が長方形状となるように、それ以外の領域における基材上の付着物を削って除去した。続いて該長方形状の領域の両端に導電性ペースト(藤倉化成株式会社製、商品名ドータイト、型番D−550)をそれぞれ塗布した。続いて該長方形状の領域に対して、第2の工程(II)、すなわち加熱処理による導電性粒子の焼結を行ったところで、該長方形状の領域の両端にある電極間の抵抗値をディジタルテスター(横河電機株式会社製、型番7544−02F)を用いて測定し、硫化処理前の表面抵抗を求めた。また硫化処理前の透過率およびヘイズも測定した。
この後、第3の工程(III)、すなわち焼結した導電性粒子と硫黄等との反応(硫化処理)を行って該長方形状の領域に透明導電膜を形成した。得られた透明導電膜の両端にある電極間の抵抗値を上記ディジタルテスターを用いて測定し、硫化処理後の表面抵抗を求めた。また硫化処理後の透過率およびヘイズも測定した。
さらに、エネルギー分散型X線分析装置を装備した走査電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、型番S−800)にて硫黄の有無を確認した。
[実施例1]
下記の各成分を用いて塗布液を調製した。
(a)含フッ素有機溶剤A:HCFC−225caとHCFC−225cbの混合物(商品名AK−225、旭硝子株式会社製)(共沸点54℃、比誘電率4.5)、52.0g。
(b)有機溶剤B:極性基を有する有機溶剤B1として1−ブトキシ−2−プロパノール(沸点170℃、表面張力26.4mN/m)、1.0g、および極性基を持たない有機溶剤B2としてトルエン(沸点111℃、表面張力28.3mN/m)、6.6g。
(c)水:蒸留水12.0g。
(d)導電性粒子:メディアン径1.0μmの粒状銀粉(商品名AgC156I、福田金属箔粉株式会社製)、3.5g。
(e1)増粘剤:変性尿素のN−メチルピロリドン溶液(商品名BYK−410、固形分含有量52質量%、ビックケミージャパン株式会社製)、122mg。このうち約63mgが変性尿素で、59mgがN−メチルピロリドン(水混和性有機溶剤)。
(e2)界面活性剤:ソルビタンモノオレート(HLB値4.3)、51mg。
まず、(a)含フッ素有機溶剤Aおよび(b)有機溶剤Bに、(e1)増粘剤および(e2)界面活性剤を添加して混合し、さらに(d)導電性粒子を加えて5分間超音波を照射し分散液とした。この分散液に(c)水を加えて激しく撹拌して、さらに5分間超音波を照射してW/O型エマルジョンの塗布液とした。
得られた塗布液を、基材Aに、固形分(銀粒子量)が3.0g/mとなる量だけスピンコートした後に室温で乾燥させた。この後4cm×8cmの長方形状の領域を残すように、それ以外の領域の付着物を除去した。残した領域の両端に上記導電性ペーストを塗布した。さらに大気中で300℃15分の加熱処理を行い、銀粒子を焼結させた。
続いて硫黄を0.2質量%溶解させたトルエン溶液を、上記焼結された銀粒子を有する面に300rpm20秒の条件でスピンコートした。使用した溶液の量は1.5gであった。この後、大気中で200℃10分の加熱処理を行い、銀粒子が硫化処理された透明導電膜を得た。
硫化処理前および硫化処理後の表面抵抗、透過率およびヘイズの測定結果を表1に示す。基材の、透明導電膜が形成された面の外観を目視にて観察したところ、黒色に近い濃緑色で、色調は全体に均一であり、外観は良好であった。また透明導電膜を光学顕微鏡で観察したところランダムな網目状構造が形成されていた。
さらに、X線分析を行ったところ、銀のL線由来の大きなピークに加えて、硫黄のK線由来の小さなピークが見られ、硫黄の存在が確認された。
[実施例2]
銀粒子の焼結条件を250℃60分とした以外は実施例1と同様にして透明導電膜を製造し、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして透明導電膜の外観を観察したところ、黒色に近い濃緑色で、色調は全体に均一であり、外観は良好であった。また透明導電膜を光学顕微鏡で観察したところランダムな網目状構造が形成されていた。さらに、X線分析を行ったところ、銀および硫黄の存在が確認された。
[実施例3]
塗布液中の導電性粒子添加量を4.0gとし、塗布液の塗布量を固形分(銀粒子量)が3.6g/mとなる量に変更した以外は実施例1と同様にして透明導電膜を製造し、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして透明導電膜の外観を観察したところ、黒色に近い濃緑色で、色調は全体に均一であり、外観は良好であった。また透明導電膜を光学顕微鏡で観察したところランダムな網目状構造が形成されていた。さらに、X線分析を行ったところ銀および硫黄の存在が確認された。
本例における硫化処理前および硫化処理後の透明導電膜の光学顕微鏡像を図1(硫化処理前)および図2(硫化処理後)にそれぞれ示す。
[実施例4]
実施例1と同じ塗布液を、基材Bに、固形分が2.5g/mとなる量だけフローコートした後に室温で乾燥させた。この後、2cm×2cmの正方形状の領域を残すように、それ以外の領域の付着物を除去した。残した領域の両端に上記導電性ペーストを塗布した。さらに実施例1と同じ条件で加熱処理を行い、銀粒子を焼結させた。
続いて実施例1と同じ硫黄のトルエン溶液を、上記焼結された銀粒子を有する面上にフローコートした。使用した溶液の量は0.5gであった。この後、実施例1と同じ条件で加熱処理を行い、銀粒子が硫化処理された透明導電膜を得た。
得られた透明導電膜について、実施例1と同様に測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして透明導電膜の外観を観察したところ、黒色に近い濃緑色で、色調は全体に均一であり、外観は良好であった。透明導電膜を光学顕微鏡で観察したところハニカム状の網目パターンが形成されていた。さらに、X線分析を行ったところ銀および硫黄の存在が確認された。
[実施例5]
銀粒子の焼結条件を200℃60分とした以外は実施例1と同様にして透明導電膜を製造し、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
また実施例1と同様にして透明導電膜の外観を観察したところ、全体の色調が黒色と灰色のまだらに見えた。透明導電膜を光学顕微鏡で観察したところランダムな網目状構造が形成されていた。さらに、X線分析を行ったところ銀および硫黄の存在が確認された。
[実施例6]
銀粒子の焼結条件を200℃60分とした以外は実施例4と同様にして透明導電膜を製造し、同様に測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1と同様にして透明導電膜の外観を観察したところ、全体の色調が黒色と灰色のまだらに見えた。透明導電膜を光学顕微鏡で観察したところハニカム状の網目パターンが形成されていた。さらに、X線分析を行ったところ銀および硫黄の存在が確認された。
本例における硫化処理前および硫化処理後の透明導電膜の光学顕微鏡像を図3(硫化処理前)および図4(硫化処理後)にそれぞれ示す。
Figure 2008041445
表1の結果に示されるように、実施例1〜6で得られた硫化処理後の透明導電膜はいずれも、低抵抗かつ高透過率であるととともに、ヘイズが小さいものであった。また硫化処理前に比べて表面抵抗の上昇および透過率の低下はわずかであった。
特に導電性粒子の焼結温度が240℃以上である実施例1〜4では、色調が均一で外観に優れた透明導電膜が得られた。通常、硫化銀は黒色であるにもかかわらず、実施例1〜4の透明導電膜の色調が黒色に近い濃緑色であったのは、銀粒子の表面に硫化銀の皮膜が均一に形成されたため、光の干渉により濃緑色を呈したものと推測される。
実施例3における硫化処理前の透明導電膜の光学顕微鏡像である。 実施例3における硫化処理後の透明導電膜の光学顕微鏡像である。 実施例6における硫化処理前の透明導電膜の光学顕微鏡像である。 実施例6における硫化処理後の透明導電膜の光学顕微鏡像である。

Claims (6)

  1. 基材上に透明導電膜を形成する方法であって、(I)有機溶剤相中に導電性粒子を含むW/O型エマルジョンからなる塗布液を、基材上に塗布し、乾燥させる第1の工程と、(II)加熱処理により、前記基材上の導電性粒子を焼結させる第2の工程と、(III)焼結した導電性粒子と硫黄または硫黄化合物とを反応させる第3の工程を有することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  2. 前記導電性粒子が、銀および/または銅を含む金属粒子である請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 前記硫黄化合物が、硫黄、硫化水素、硫化ナトリウム、硫化アンモニウム、チオ尿素、チオグリコール酸、メルカプトエタノールおよびジデシルジスルフィドからなる群から選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の透明導電膜の製造方法。
  4. 前記第2の工程における加熱処理温度が240℃以上600℃以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電膜の製造方法。
  5. 前記塗布液が、(a)比誘電率が3〜15であり、かつ、気圧0.1MPaの状態での沸点が40〜120℃である、水と混和しない含フッ素有機溶剤A、(b)表面張力が25mN/m以上であり、気圧0.1MPaの状態での沸点が50〜250℃の範囲で、かつ、含フッ素有機溶剤Aの沸点よりも高い、水と混和しない有機溶剤B、(c)水、(d)導電性粒子、および(e)増粘剤および/または界面活性剤を含有しており、前記(a)含フッ素有機溶剤Aの含有量が20〜90質量%、(b)有機溶剤Bの含有量が3〜60質量%、(c)水の含有量が5〜50質量%、(d)導電性粒子の含有量が1〜12質量%であり、該塗布液中に含まれる前記導電性粒子のメディアン径が5μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電膜の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電膜の製造方法によって得られる透明導電膜。


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