JP4663206B2 - 導電性パターン形成体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板等の各種高精細な電気回路といった用途に用いることが可能な導電性パターン形成体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高精細な導電性パターン形成体、例えばプリント基板の製造に際しては、一般的には、基板表面に銅を全面にめっきして形成した銅張積層板に、ドライフィルム等のフォトレジストをラミネートした後、フォトマスク等を用いてパターン露光を行い、現像することにより形成される。
【0003】
しかしながら、このようなフォトリソグラフィー法を用いた方法では、基板上への金属のめっき、フォトレジスト層の形成、露光、現像等の種々の工程を経る必要があり、製造方法が煩雑であり、コスト面で問題が生じる場合があった。また、現像時に多量に生じる廃液は有害なものであり、外部に排出するためには処理を行う必要がある等の環境面での問題もあった。
【0004】
また、スクリーン印刷を用いる方法によりプリント基板を製造する方法もあるが、精度面での問題があり、高精細な導電性パターンの製造に適用することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、高精細なパターンを形成することが可能であり、かつ簡便な工程で形成が可能であり、さらに廃液処理といった問題のない導電性パターンの製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、前記基材上に形成され、光触媒およびバインダを有し、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する光触媒含有層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、からなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、前記光触媒含有層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、前記光触媒含有層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する濡れ性パターン形成工程と、前記濡れ性パターンが形成された光触媒含有層表面に、粘度が500cps〜3000cpsの範囲内である金属ペーストを塗布することにより、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、前記濡れ性パターンの親液性領域に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程とを有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法を提供する。
【0007】
本発明によれば、例えば電界ジェット法やオフセット印刷法等を用いて金属ペーストを付着させる処理を行うことにより、容易に金属ペーストを上記親液性領域にパターン状に形成することが可能であり、これを固化させれば高精細な導電性パターンとすることができる。よって、簡便な工程で精度良く高精細な導電性パターンを形成することができるので、低コストで高精細な導電性パターンを形成することができる。
【0008】
本発明においては、上記光触媒含有層が、エネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を含んでいてもよい。本発明においては、光触媒の作用による光触媒含有層の濡れ性の変化が、バインダの材質に起因するものであってもよいが、このように光触媒の作用により分解される分解物質を、光触媒含有層に含有させることによりその表面の濡れ性をパターン状に変化させてもよい。
【0009】
本発明においては、上記光触媒含有層がフッ素を含み、上記光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用により上記光触媒含有層表面のフッ素含有量がエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていることが好ましい。光触媒含有層がフッ素を含み、かつエネルギーの照射により光触媒含有層表面のフッ素の量が低下するものであれば、光触媒含有層表面の濡れ性をエネルギーの照射により大きく変換することが可能となる。したがって、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0010】
本発明においては、上記光触媒含有層上へのエネルギー照射を行い、フッ素含有量を低下させた部位におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下であることが好ましい。光触媒含有層内におけるフッ素の量がこの程度低下するものであれば、撥液性領域と親液性領域との間での濡れ性の差異を充分とすることができるので、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、より高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0011】
本発明においては、上記光触媒含有層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることが好ましい。光触媒含有層上におけるエネルギーが照射されていない部分である撥液性領域と、照射された部分である親液性領域との濡れ性が、上述したような範囲内であることにより、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、金属ペーストを均一に親液性領域に付着させることができ、高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0012】
本発明においては、上記バインダが、オルガノポリシロキサンを含有する層であることが好ましい。本発明において、光触媒含有層に要求される特性としては、エネルギーが照射されていない場合は撥液性であり、エネルギーが照射された場合は接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により親液性となるといった特性である。このような特性を光触媒含有層に付与する材料として、オルガノポリシロキサンを用いることが好ましいからである。
【0013】
本発明においては、上記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることが好ましい。このようにフルオロアルキル基を含有するものであれば、エネルギー照射部分と未照射部分との濡れ性の差を大きくすることが可能となるからである。
【0014】
本発明においては、上記オルガノポリシロキサンが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることにより、上述したような濡れ性の変化に対する特性を発揮することができるからである。
【0015】
また、本発明は、基材と、前記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層である濡れ性変化層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、からなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、前記濡れ性変化層にパターン状にエネルギーを照射することにより、前記濡れ性変化層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する濡れ性パターン形成工程と、前記濡れ性パターンが形成された濡れ性変化層表面に、粘度が500cps〜3000cpsの範囲内である金属ペーストを塗布することにより、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、前記濡れ性パターンの親液性領域に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程とを有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法を提供する。
【0016】
本発明によれば、上記濡れ性変化層を有することから、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させることが可能となり、高精細な導電性パターンを形成することが可能となる。また、上記導電性パターンが上記濡れ性変化層上に形成されることから、直接光触媒処理層と導電性パターンとが接触せず、導電性パターンが光触媒の影響を経時的に受ける可能性が少ないことから、高品質な導電性パターン形成体を製造することが可能となるのである。
【0017】
本発明においては、濡れ性変化層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることが好ましい。濡れ性変化層上におけるエネルギーが照射されていない部分である撥液性領域と、照射された部分である親液性領域との濡れ性が、上述したような範囲内に無い場合は、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、高精細な導電性パターンを形成することが困難となるからである。
【0018】
本発明においては、上記濡れ性変化層が、オルガノポリシロキサンを含有する層であることが好ましい。本発明において、濡れ性変化層に要求される特性としては、エネルギーが照射されていない場合は撥液性であり、エネルギーが照射された場合は親液性となるといった特性である。このような特性を濡れ性変化層に付与する材料として、オルガノポリシロキサンを用いることが好ましいからである。
【0019】
本発明においては、上記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることが好ましい。このようにフルオロアルキル基を含有するものであれば、エネルギー照射部分と未照射部分との濡れ性の差を大きくすることが可能となるからである。
【0020】
本発明においては、上記オルガノポリシロキサンが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンを用いることにより、上述したような濡れ性の変化に対する特性を発揮することができるからである。
【0021】
また、本発明は、基材と、前記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去される層である分解除去層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、からなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、前記分解除去層にパターン状にエネルギーを照射することにより、前記分解除去層上に分解除去パターンを形成する分解除去パターン形成工程と、前記分解除去パターンが形成された分解除去層表面に、粘度が500cps〜3000cpsの範囲内である金属ペーストを塗布することにより、パターン状に金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、前記パターン状に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程とを有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法を提供する。
【0022】
本発明によれば、上記分解除去層を有することにより、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、エネルギー照射部の分解除去層が分解除去され、表面に凹凸を形成することが可能となるのである。この凹凸を利用して、例えば電界ジェット法等により、容易に金属ペーストを塗布することが可能となり、高精細な導電性パターン形成体を製造することが可能となるのである。
【0023】
本発明においては、上記分解除去層に対する液体の接触角と、上記分解除去層が分解されて露出する光触媒処理層に対する液体の接触角とが異なるものであることが好ましい。これにより、上記分解除去層上におけるエネルギーが照射されていない分解除去層が残存する部分を撥液性領域、エネルギーが照射されて基材が露出した部分を親液性領域とすることが可能となり、上記凹凸だけでなく、濡れ性も利用することが可能となり、より高精細な導電性パターン形成体を製造することが可能となるからである。
【0024】
本発明においては、上記分解除去層が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることが好ましい。上記分解除去層が、上記の膜であることにより、比較的強度の高い欠陥のない膜を形成することが可能となるからである。
【0025】
本発明においては、上記分解除去層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることが好ましい。上記金属ペーストに対する接触角が、上述したような範囲内である場合は、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、上記金属ペーストを均一に親液性領域のみに付着させることができ、高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0026】
本発明においては、上記導電性パターン形成工程後に、導電性パターンが形成されていない非導電性パターン部を除去する非画線部除去工程を有していてもよい。上記光触媒含有層、濡れ性変化層または分解除去層が、導電性の材料により形成されている場合には、導電性パターンを有していても、導電性パターン形成体とすることが困難であることから、この導電性パターンが形成されていない非導電性パターン部を除去することにより、絶縁性の高い光触媒処理層や基材を露出させることができ、これにより導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0027】
本発明においては、上記非画線部除去工程が、上記非導電性パターン部をアルカリ溶液により除去する工程であることが好ましい。これにより、容易に上記非導電性パターン部を除去することが可能となり、製造効率やコストの面から好ましいからである。
【0028】
本発明においては、上記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましく、中でも上記光触媒が酸化チタン(TiO)であることが好ましい。これは、二酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易だからである。
【0029】
本発明においては、上記光触媒含有層表面のフッ素の含有量を、X線光電子分光法で分析して定量化すると、Ti元素を100とした場合に、フッ素元素が500以上となる比率でフッ素元素が光触媒含有層表面に含まれている光触媒含有層を有することが好ましい。
【0030】
フッ素元素の含有量が多ければ、撥液性領域の撥液性も高くなり、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0031】
本発明においては、上記エネルギー照射が、光触媒を加熱しながらなされることが好ましい。上記エネルギー照射の際に、光触媒を加熱することにより、光触媒の効果をより高めることが可能となり、効率よく導電性パターン形成体を形成することが可能となるからである。
【0032】
本発明においては、上記金属ペーストが、銅、アルミ、白金、パラジウム、およびニッケルから少なくとも一つ選択される金属のペーストであることが好ましい。上記金属は、導電性が良好であり、かつ耐腐食性に優れているからである。
【0034】
本発明においては、前記金属ペースト塗布工程における金属ペーストの塗布が、ノズル吐出法であってもよく、中でも製造効率やコストの面等から上記ノズル吐出法が、電界ジェット法であることが好ましい。
【0035】
また、本発明においては、上記金属ペーストの塗布が、オフセット印刷法によるものであってもよい。これにより、例えば濡れ性変化層の親液性領域および撥液性領域の濡れ性を利用して、容易に目的とするパターン状に金属ペーストの塗布を行うことが可能となるからである。
【0036】
また、本発明は、基材と、前記基材上に形成されたエネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層であり、かつ少なくとも光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記光触媒含有層上に、パターン状に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とする導電性パターン形成体を提供する。
【0037】
本発明によれば、上記光触媒含有層を有することにより、容易に親液性領域のみに金属ペーストを塗布することが可能となり、また高精細な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0038】
また、本発明は、基材と、前記基材上にパターン状に形成された、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層であり、かつ少なくとも光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記光触媒含有層上に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とする導電性パターン形成体を提供する。
【0039】
本発明によれば、上記光触媒含有層を有することにより、容易に濡れ性の差を利用して導電性パターンを形成することが可能となり、低コストな導電性パターン形成体とすることが可能となるからである。また、上記光触媒含有層がパターン状に形成されており、導電性パターン以外の部分は、絶縁性の基材が露出していることから、上記光触媒含有層が導電性であっても、導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0040】
本発明においては、前記光触媒含有層が、エネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を含むものであってもよい。本発明においては、光触媒の作用による光触媒含有層の濡れ性の変化が、バインダの材質に起因するものであってもよいが、このように光触媒の作用により分解される分解物質を、光触媒含有層に含有させることによりその表面の濡れ性をパターン状に変化させるものであってもよい。
【0041】
本発明においては、前記光触媒含有層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることが好ましい。上記光触媒含有層上におけるエネルギーが照射されていない部分である撥液性領域と、照射された部分である親液性領域との濡れ性が、上述したような範囲内である場合に、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、高精細なパターンとすることが可能となるからである。
【0042】
また、本発明は、基材と、前記基材上に少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変化層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記濡れ性変化層上にパターン状に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とする導電性パターン形成体を提供する。本発明によれば、上記濡れ性変化層を有することにより、容易に濡れ性を利用して、金属ペーストを親液性領域にパターン状に高精細に付着させることが可能となる。また、上記光触媒処理層および導電性パターンが直接接触しないことから、経時的に導電性パターンが光触媒の影響を受ける可能性が低く、高品質な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0043】
さらに、本発明は、基材と、前記基材上に少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上にパターン状に形成された、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変化層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記濡れ性変化層上に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とする導電性パターン形成体を提供する。
【0044】
本発明によれば、上記濡れ性変化層を有することにより、容易に濡れ性の差を利用して、金属ペーストを親液性領域にパターン状に高精細に付着させることが可能となる。また、上記光触媒処理層および導電性パターンが直接接触しないことから、経時的に導電性パターンが光触媒の影響を受ける可能性が低く、高品質な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。さらに、上記濡れ性変化層がパターン状に形成されており、導電性パターン以外の部分は、比較的絶縁性の高い光触媒処理層が露出していることから、上記濡れ性変化層が導電性であっても、導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0045】
また、本発明は、基材と、前記基材上にパターン状に形成された、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に形成されたエネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変化層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記濡れ性変化層上に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とする導電性パターン形成体を提供する。
【0046】
本発明によれば、上記濡れ性変化層を有することにより、容易に濡れ性の差を利用して、金属ペーストをパターン状に高精細に付着させることが可能となる。また、上記光触媒含有層がパターン状に形成され、その上に濡れ性変化層および導電性パターンが形成されていることから、導電性パターン以外の部分は、比較的絶縁性の高い基材が露出しており、上記濡れ性変化層および光触媒処理層が導電性であっても、導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0047】
本発明においては、上記濡れ性変化層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることが好ましい。上記濡れ性変化層上におけるエネルギーが照射されていない部分である撥液性領域と、照射された部分である親液性領域との濡れ性が、上述したような範囲内である場合に、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0048】
また、本発明は、基材と、前記基材上に少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去される層である分解除去層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記分解除去層が分解除去された光触媒処理層上にパターン状に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とする導電性パターン形成体を提供する。本発明によれば、上記分解除去層を有することにより、上記エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、表面に凹凸を形成することができ、例えば電界ジェット法等により、容易に金属ペーストを付着させることが可能となり、容易に製造可能な導電性パターン形成体とすることができる。
【0049】
本発明においては、上記分解除去層が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることが好ましい。上記分解除去層が、上記の膜であることにより、比較的強度の高い欠陥のない膜とすることが可能となるからである。
【0050】
本発明においては、上記分解除去層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることが好ましい。これにより、上記表面の凹凸だけではなく、上記金属ペーストの付着に濡れ性も利用することが可能となり、より高精細な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明は、導電性パターン形成体の製造方法および導電性パターン形成体に関するものである。以下、それぞれについて説明する。
【0052】
A.導電性パターン形成体の製造方法
まず、本発明の導電性パターン形成体の製造方法について説明する。本発明の導電性パターン形成体の製造方法は、3つの実施態様がある。以下、それぞれの実施態様についてわけて説明する。
【0053】
1.第一実施態様
まず、本発明の導電性パターン形成体の製造方法の第一実施態様について説明する。本発明の導電性パターン形成体の製造方法の第一実施態様は、
基材と、上記基材上に形成され、光触媒およびバインダを有し、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する光触媒含有層とからなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
上記光触媒含有層上にパターン状にエネルギーを照射することにより、上記光触媒含有層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する濡れ性パターン形成工程と、
上記濡れ性パターンが形成された光触媒含有層表面に、金属ペーストを塗布することにより、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、
上記濡れ性パターンの親液性領域に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程と
を有することを特徴とするものである。
【0054】
このように、本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法においては、光触媒含有層に対してパターン状にエネルギー照射することにより、光触媒含有層中の光触媒の作用により、その表面の濡れ性が変化し、この濡れ性の変化した部分、すなわち親液性領域によるパターンが光触媒含有層表面に形成される。したがって、パターン形成に際してエネルギー照射後の現像・洗浄等の後処理が不要となるので、従来より少ない工程で、かつ安価に濡れ性の異なるパターンを形成することができる。そして、この光触媒含有層上の濡れ性パターンに対して、金属ペーストを塗布することにより上記親液性領域のパターン上にのみ金属ペーストを付着させることができ、これを固化させることにより容易に導電性パターンを形成することができる。
【0055】
このような、本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法について、図面を用いて具体的に説明する。図1は、本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法の一例を示すものである。
【0056】
この例においては、まず、基材1上に光触媒含有層2が形成されてなるパターン形成体用基板3を調製する(図1(a)参照、パターン形成体用基板調製工程)。
【0057】
次に、図1(b)に示すように、パターン形成体用基板3の光触媒含有層2側に、必要とされるパターンが描かれたフォトマスク4を配置し、これを介して紫外光5を照射する。これにより、図1(c)に示すように、光触媒含有層2表面に親液性領域6および撥液性領域7とからなる濡れ性パターンが形成される(濡れ性パターン形成工程)。
【0058】
そして、上記パターン形成体用基板3上に金属ペーストを塗布することにより、親液性領域6上にのみ金属ペーストを付着させ(金属ペースト塗布工程)、その後、これを硬化させることにより、導電性パターン8が光触媒含有層2上に形成された導電性パターン形成体9を得ることができる(図1(d)参照)。
【0059】
このような本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法について、各工程毎に詳細に説明する。
【0060】
(1)パターン形成体用基板調製工程
本実施態様におけるパターン形成体用基板調製工程は、基材上に、光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層が形成されたパターン形成体用基板を調製する工程である。
【0061】
この工程で製造されるパターン形成体用基板は、このように、少なくとも光触媒含有層と基材とを有するものであり、通常は基材上に所定の方法で形成された薄膜状の光触媒含有層が形成されてなるものである。
【0062】
(光触媒含有層)
本実施態様に用いられる光触媒含有層は、光触媒とバインダとからなり、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層である。
【0063】
このように、エネルギー照射により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する光触媒含有層とし、後述するようにエネルギーのパターン照射を行うことにより、容易に濡れ性をパターン状に変化させ、液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成することが可能となる。したがって、効率的に導電性パターン形成体が製造でき、低コストで導電性パターン形成体を得ることができる。
【0064】
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、後述する金属ペーストに対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域であり、金属ペーストに対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0065】
上記光触媒含有層は、エネルギー照射していない部分、すなわち撥液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、50°以上、中でも90°以上であることが好ましい。これは、エネルギー照射していない部分は、本実施態様においては撥液性が要求される部分であることから、上記液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、後述する金属ペースト塗布工程において金属ペーストを例えばオフセット印刷等により全面に印刷した場合に、導電性パターンを形成しない領域にまで金属ペーストが付着する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0066】
また、上記光触媒含有層は、エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が49°以下、中でも10°以下であることが好ましい。エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域における金属ペーストとの接触角が高い場合は、後述する金属ペーストの塗布に際して、親液性領域においても金属ペーストをはじいてしまう可能性があり、例えば電界ジェット法により金属ペーストを塗布した際に、金属ペーストが十分に塗れ広がらず、導電性パターン形成体を形成することが難しくなる可能性があるからである。
【0067】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
【0068】
また、本実施態様において上述したような光触媒含有層を用いた場合、この光触媒含有層中にフッ素が含有され、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていてもよく、またエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を含むように上記光触媒含有層が形成されていてもよい。
【0069】
上述したような光触媒含有層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本実施態様においては、このキャリアが光触媒含有層内のバインダ化合物に作用を及ぼし、その表面の濡れ性を変化させるものであると考えられる。
【0070】
以下、このような光触媒含有層を構成する、光触媒、バインダ、およびその他の成分について説明する。
【0071】
a.光触媒
まず、本実施態様で使用する光触媒について説明する。本実施態様で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0072】
本実施態様においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本実施態様ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0073】
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0074】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
【0075】
本実施態様に用いられる光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0076】
b.バインダ
次に、本実施態様に使用するバインダについて説明する。本実施態様においては、光触媒含有層上の濡れ性の変化をバインダ自体に光触媒が作用することにより行う場合(第1の形態)と、エネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を光触媒含有層に含有させることにより変化させる場合(第2の形態)と、これらを組み合わせることにより行う場合(第3の形態)の三つ形態に分けることができる。上記第1の形態および第3の形態において用いられるバインダは、光触媒の作用により光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる機能を有する必要があり、上記第2の形態では、このような機能は特に必要ない。
【0077】
以下、まず第2の形態に用いられるバインダ、すなわち光触媒の作用により光触媒含有層上の濡れ性を変化させる機能を特に必要としないバインダについて説明し、次に第1の形態および第3の形態に用いられるバインダ、すなわち光触媒の作用により光触媒含有層上の濡れ性を変化させる機能を有するバインダについて説明する。
【0078】
上記第2の形態に用いられる、光触媒の作用により光触媒含有層上の濡れ性を変化させる機能を特に必要としないバインダとしては、主骨格が上記光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、有機置換基を有しない、もしくは多少有機置換基を有するポリシロキサンを挙げることができ、これらはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を加水分解、重縮合することにより得ることができる。
【0079】
このようなバインダを用いた場合は、添加剤として後述するエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を光触媒含有層中に含有させることが必須となる。
【0080】
次に、上記第1の形態および第3の形態に用いられる、光触媒の作用により光触媒含有層上の濡れ性を変化させる機能を必要とするバインダについて説明する。このようなバインダとしては、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであって、光触媒の作用により分解されるような有機置換基を有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
【0081】
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0082】
また、バインダとして、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFSON(C)CCHSi(OCH
上記のようなフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンをバインダとして用いることにより、光触媒含有層のエネルギー未照射部の撥液性が大きく向上し、金属ペーストの付着を妨げる機能を発現する。
【0083】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0084】
【化1】
Figure 0004663206
【0085】
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0086】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。
【0087】
(分解物質)
上記第2の形態および第3の形態においては、さらにエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を光触媒含有層に含有させる必要がある。すなわち、バインダ自体に光触媒含有層上の濡れ性を変化させる機能が無い場合、およびそのような機能が不足している場合に、上述したような分解物質を添加して、上記光触媒含有層上の濡れ性の変化を起こさせる、もしくはそのような変化を補助させるようにするのである。
【0088】
このような分解物質としては、光触媒の作用により分解し、かつ分解されることにより光触媒含有層表面の濡れ性を変化させる機能を有する界面活性剤を挙げることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0089】
また、界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を挙げることができる。
【0090】
(フッ素の含有)
また、本実施態様においては、光触媒含有層がフッ素を含有し、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていることが好ましい。
【0091】
このような特徴を有する光触媒含有層であれば、エネルギーをパターン照射することにより、後述するように容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
【0092】
したがって、このような光触媒含有層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、高精細なパターンを形成することが可能となるからである。
【0093】
上述したような、フッ素を含む光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
【0094】
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との親液性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような光触媒含有層に導電性パターンを形成することにより、フッ素含有量が低下した親液性領域のみに正確に導電性パターンを形成することが可能となり、精度良く導電性パターン形成体を得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
【0095】
このような光触媒含有層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0096】
また、本実施態様においては、光触媒として上述したように二酸化チタンが好適に用いられるが、このように二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含有層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線光電子分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素(F)元素が500以上、このましくは800以上、特に好ましくは1200以上となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有層表面に含まれていることが好ましい。
【0097】
フッ素(F)が光触媒含有層にこの程度含まれることにより、光触媒含有層上における臨界表面張力を十分低くすることが可能となることから表面における撥液性を確保でき、これによりエネルギーをパターン照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分における表面の親液性領域との濡れ性の差異を大きくすることができ、最終的に得られる導電性パターン形成体の精度を向上させることができるからである。
【0098】
さらに、このような導電性パターン形成体においては、エネルギーをパターン照射して形成される親インク領域におけるフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100とした場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは20以下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれていることが好ましい。
【0099】
光触媒含有層中のフッ素の含有率をこの程度低減することができれば、導電性パターンを形成するためには十分な親液性を得ることができ、上記エネルギーが未照射である部分の撥液性との濡れ性の差異により、導電性パターンを精度良く形成することが可能となり、利用価値の高い導電性パターン形成体を得ることができる。
【0100】
c.光触媒含有層の製造方法
上述したようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することかできる。
【0101】
(基材)
本実施態様においては、図1に示すように、パターン形成体用基板3は、少なくとも基材1とこの基材1上に形成された光触媒含有層2とを有するものである。
【0102】
この際、用いられる基材を構成する材料は、後述する濡れ性パターン形成工程におけるエネルギーの照射方向や、得られる導電性パターン形成体が透明性を必要とするか等により適宜選択される。すなわち、光触媒含有層側から照射される場合は、特に基材に透明性は要求されないが、基材側からエネルギーが照射される場合は、基材が透明であることが必要となる。
【0103】
また本実施態様に用いられる基材は、可撓性を有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよいし、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。
【0104】
なお、基材表面と光触媒含有層との密着性を向上させるために、基材上にプライマー層を形成するようにしてもよい。このようなプライマー層としては、例えば、シラン系、チタン系のカップリング剤等を挙げることができる。
【0105】
(遮光部)
本実施態様に用いられるパターン形成体用基板には、パターン状に形成された遮光部が形成されたものを用いても良い。このように遮光部を有する場合は、エネルギー照射に際して、フォトマスクを用いたり、レーザ光による描画照射を行う必要がない。したがって、パターン形成体用基板とフォトマスクとの位置合わせが不要であることから、簡便な工程とすることが可能であり、また描画照射に必要な高価な装置も不必要であることから、コスト的に有利となるという利点を有する。
【0106】
このような遮光部の形成位置としては、基材上に形成し、その上から光触媒含有層を形成する場合、すなわち基材と光触媒含有層との間に形成する場合と、基材の光触媒含有層が形成されていない側の表面にパターン状に形成する場合とがある。
【0107】
いずれの場合も、エネルギーの照射は、基材側からとなるが、全面に照射することにより光触媒含有層表面にパターン状に濡れ性パターンを形成することができる。
【0108】
このような遮光部の形成方法は、特に限定されるものではなく、遮光部の形成面の特性や、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。
【0109】
例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成されてもよい。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
【0110】
また、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層をパターン状に形成する方法であってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0111】
(2)濡れ性パターン形成工程
本実施態様においては、次に、上記光触媒含有層表面に、所定の方向からエネルギーをパターン照射することにより、上記光触媒含有層表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する濡れ性パターン形成工程が行われる。
【0112】
なお、本実施態様でいうエネルギー照射(露光)とは、光触媒含有層表面の濡れ性を変化させることが可能ないかなるエネルギー線の照射をも含む概念であり、可視光の照射に限定されるものではない。
【0113】
通常このようなエネルギー照射に用いる光の波長は、400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定される。これは、上述したように光触媒含有層に用いられる好ましい光触媒が二酸化チタンであり、この二酸化チタンにより光触媒作用を活性化させるエネルギーとして、上述した波長の光が好ましいからである。
【0114】
このようなエネルギー照射に用いることができる光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
【0115】
上述したような光源を用い、フォトマスクを介したパターン照射により行う方法の他、エキシマ、YAG等のレーザを用いてパターン状に描画照射する方法を用いることも可能である。
【0116】
また、エネルギー照射に際してのエネルギーの照射量は、光触媒含有層表面が光触媒含有層中の光触媒の作用により光触媒含有層表面の濡れ性の変化が行われるのに必要な照射量とする。
【0117】
この際、光触媒含有層を加熱しながらエネルギー照射することにより、感度を上昇させことが可能となり、効率的な濡れ性の変化を行うことができる点で好ましい。具体的には30℃〜80℃の範囲内で加熱することが好ましい。
【0118】
本実施態様におけるエネルギー照射方向は、上述したように、基材が透明である場合は、基材側および光触媒含有層側のいずれの方向からフォトマスクを介したパターンエネルギー照射もしくはレーザの描画照射を行っても良い。一方、基材が不透明な場合は、光触媒含有層側からエネルギー照射を行なう必要があり、また遮光部を形成した場合は、基材側からエネルギー照射を行う必要がある。
【0119】
(3)金属ペースト塗布工程
本実施態様においては、次に、上記濡れ性パターンが形成されたパターン形成体用基板表面に、金属ペーストを塗布することにより、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程が行われる。
【0120】
上記金属ペーストの塗布方法は、光触媒含有層表面に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、ノズル吐出法のように、目的とするパターン状に上記金属ペーストを塗布する方法であってもよく、またオフセット印刷法やスクリーン印刷法等であってもよい。
【0121】
ここで、上記ノズル吐出法としては、電界ジェット法やディスペンサーを用いる方法等を挙げることができ、中でも電界ジェット法であることが好ましい。
【0122】
本実施態様に用いられる電界ジェット法とは、例えば、吐出口近傍に電極を配置したノズル状あるいはスリット状の開口部を有する吐出ヘッドに、金属ペーストを供給し、続いて上記電極に交流または直流の電圧を印加することにより、上記金属ペーストを開口部から連続的または間欠的に吐出するパターン形成方法である。この電界ジェット法によれば、数万cpsの高粘度の液体が吐出可能である。また、電圧の効果により、形成されるパターンを開口部のサイズより小さくすることが可能であることから、開口部を比較的大きくすることが可能であり、粗大粒子を含む金属ペーストについても目詰まりすることなく、安定かつ高解像度でパターンを形成することが可能となる。
【0123】
本実施態様の金属ペースト塗布工程が、オフセット印刷法により行われる場合には、被印刷体であるパターン形成体用基板上に、上記濡れ性パターンとして親液性領域および撥液性領域が形成されていることから、例えばこのパターン形成体用基板に全面に金属ペーストを印刷した場合にも、親液性領域のみに金属ペーストが付着する。これにより、パターンを有する版を使用する必要がなく、低コストな導電性パターン形成体の製造方法とすることが可能となるのである。
【0124】
また、本実施態様の金属ペースト塗布工程が、スクリーン印刷法により行われる場合には、上記パターン形成体用基板上に、親液性領域および撥液性領域からなる濡れ性パターンが形成されていることから、金属ペーストを印刷した際、親液性領域のみにインクが付着し、通常のスクリーン印刷法より高精細に金属ペーストを塗布することが可能となるのである。
【0125】
本実施態様に用いられる金属ペーストの粘度は、50cps以上、中でも50cps〜1000000cpsの範囲内であることが好ましい。
【0126】
またその濃度は、20〜95wt%の範囲内であることが好ましい。上記範囲より粘度および濃度が低い場合は、用途にもよるものではあるが、得られる金属パターンの膜厚が薄すぎるため実用に供することが困難となる場合があることから好ましくない。一方、上記範囲より粘度および濃度が高い場合は、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを親液性領域に塗布した場合に、均一に親液性領域に付着させることが難しく、高精細なパターンを形成することが困難となるからである。
【0127】
また、本実施態様において用いられる金属ペーストは通常、金属、バインダ、各種添加剤等を有するものである。本実施態様の金属ペーストに用いられる金属の種類としては、特に限定されるものではないが、銅、アルミ、白金、パラジウム、またはニッケルであることが好ましい。上記金属は導電性が良好でありかつ耐腐食性を有するものだからである。
【0128】
また、本発明の金属ペーストを構成する有機成分としては、焼成によって揮発、分解して、焼成後の膜中に炭化物を残存させることのないものであり、以下のようなものから適宜選択することができる。すなわち、アルキッド樹脂、変性アルキッド樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン化油、ウレタン樹脂、ロジン樹脂、ロジン化油、マレイン酸樹脂、無水マレイン酸樹脂、マレイン化油、ポリブテン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルオリゴマー、鉱物油、植物油、ウレタンオリゴマー、(メタ)アリルエーテルと無水マレイン酸との共重合体(この共重合体は他のモノマー(例えば、スチレン等)を共重合成分として加えてもよい)等を1種、あるいは、2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0129】
また、本発明の金属ペーストには、添加剤として、分散剤、湿潤剤、増粘剤、レベリング剤、地汚れ防止剤、ゲル化剤、シリコンオイル、シリコン樹脂、消泡剤、可塑剤等を適宜選択して添加してもよい。
【0130】
本発明の金属ペーストに必要に応じて用いるガラスフリットとしては、例えば、軟化温度が450〜600℃であり、熱膨張係数α300が70×10-7〜95×10-7/℃、ガラス転移温度が400〜500℃であるガラスフリットを使用することができ、PbO/SiO/B系ガラス、Bi23系ガラス、ZnO系ガラス、B23−アルカリ土類金属酸化物系ガラス等の酸化アルカリを含まないガラスフリットを使用することが好ましい。ガラスフリットの軟化温度が600℃を超えると焼成温度を高くする必要があり、例えば、電極パターン被形成体の耐熱性が低い場合には焼成段階で熱変形を生じることになり好ましくない。また、ガラスフリットの軟化温度が450℃未満では、焼成により有機成分が完全に分解、揮発して除去される前にガラスフリットが融着するため、空隙が生じやすくなり好ましくない。さらに、ガラスフリットの熱膨張係数α300が70×10−7/℃未満、あるいは、95×10−7/℃を超えると、パターン被形成体の熱膨張係数との差が大きくなりすぎる場合があり、歪み等を生じることになり好ましくない。このようなガラスフリットの平均粒径(D50)は0.1〜2μm、好ましくは0.5〜1.5μmの範囲である。
【0131】
本発明の金属ペーストに溶剤を使用する場合、沸点が390℃以下の溶剤を用いる。使用する溶剤は、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ナフテン、アルキルベンゼン類の石油系溶剤、または、これらを組み合わせた混合溶剤が好ましい。
【0132】
(4)導電性パターン形成工程
本実施態様においては、最後に、上記光触媒含有層上の親液性領域に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程が行われ、最終的にパターン形成体用基板を導電性パターン形成体にする。
【0133】
ここで用いられる固化方法としては加熱が最も一般的であり、100℃〜700℃の範囲内、好ましくは250℃〜500℃の範囲内で加熱され、加熱時間としては、10分〜60分の範囲内、好ましくは20分〜40分の範囲内である。
【0134】
(5)非画線部除去工程
本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法においては、上記工程の他に、導電性パターンが形成されていない非導電性パターン部を除去する非画線部除去工程を有していてもよい。上述した光触媒含有層が導電性である場合には、導電性パターン形成体上に導電性パターンを有していても、導電性パターン形成体とすることが困難であることから、上記非導電性パターン部の光触媒含有層を除去することにより、基材を露出させ、導電性パターン形成体とするのである。この際、基材は上述した中でも絶縁性の材料であることが必要である。
【0135】
ここで、導電性パターンとは、上述した導電性パターン形成工程で形成された導電性パターンが形成された部位であり、非導電性パターン部とは、上記光触媒含有層上に上記導電性パターンが形成された部位以外の、光触媒含有層が表面に露出した部位をいう。
【0136】
本実施態様の非画線部除去工程は、例えば、上記導電性パターン形成工程により形成されたパターン形成体用基板(図2(a))の導電性パターン8領域以外の表面に露出した光触媒含有層からなる非画線部10を除去する工程であり(図2(b))、非画線部10を除去し、基材1を露出させることが可能であれば、その方法等は特に限定されるものではない。
【0137】
この非画線部を除去する具体的な方法としては、アルカリ溶液、またはフッ酸や濃硫酸等の強酸をスプレーにより塗布する方法や、浸漬する方法等が挙げられる。
【0138】
(6)その他
本実施態様においては、上記導電性パターン形成体上に、さらに電気めっきを施すことにより、導電性パターンの膜厚を厚くするようにしてもよい。このようにすることにより、導電性パターンの抵抗を下げることが可能となると同時に、導電性パターンの光触媒含有層への付着強度を向上させることができ、高品質、高精細な配線板とすることができるからである。
【0139】
また、本実施態様においては、得られた導電性パターンの基材に対する密着性向上等の理由から、得られた導電性パターン上に保護層を形成するようにしてもよい。
【0140】
2.第二実施態様
次に、本発明の導電性パターン形成体の製造方法の第二実施態様について説明する。本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法は、
基材と、上記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、上記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層である濡れ性変化層とからなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
上記濡れ性変化層にパターン状にエネルギーを照射することにより、上記濡れ性変化層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する濡れ性パターン形成工程と、
上記濡れ性パターンが形成された濡れ性変化層表面に、金属ペーストを塗布することにより、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、
上記濡れ性パターンの親液性領域に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程と
を有することを特徴とするものである。
【0141】
このように、本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法においては、濡れ性変化層に対してパターン状にエネルギー照射を行うことにより、容易にエネルギー照射部を親液性領域、エネルギー未照射部を撥液性領域としたパターンを形成することが可能である。このパターン状に形成された親液性領域にのみ、金属ペーストを付着させることが可能となり、これを固化させることにより、容易に導電性パターン形成体を製造することが可能となるのである。
【0142】
このような導電性パターン形成体の製造方法は、例えば図3に示すように、基材1上に光触媒処理層11を形成する(図3(a)参照)。次に、上記光触媒処理層11上に濡れ性変化層12を形成する(図3(b)参照)。この濡れ性変化層12に、図3(c)に示すように、必要とされるパターンが描かれたフォトマスク4を配置し、これを介して紫外光5を照射する。これにより、図3(d)に示すように、濡れ性変化層12表面に、親液性領域6および撥液性領域7とからなる濡れ性パターンが形成される(濡れ性パターン形成工程)。
【0143】
次に、この濡れ性変化層12表面に、金属ペーストを塗布することにより、親液性領域6上のみに、金属ペーストを付着させ(金属ペースト塗布工程)、これを固化することにより、導電性パターン8を形成するのである(図3(e)参照、導電性パターン形成工程)。
【0144】
以下、このような本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法について、各工程ごとに説明する。
【0145】
(1)パターン形成体用基板調製工程
まず、本実施態様におけるパターン形成体用基板調製工程について説明する。
本実施態様のパターン形成体用基板調製工程は、基材と、上記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、上記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層である濡れ性変化層とからなるパターン形成体用基板を調製する工程である。以下、各構成について説明する。
【0146】
(光触媒処理層)
本実施態様における光触媒処理層は、少なくとも光触媒を含有するものであり、光触媒処理層がバインダを有する場合は、上記第一実施態様で説明した光触媒含有層と同様であるので、ここでの説明は省略する。ただし、第二実施態様においては、光触媒処理層上の濡れ性は特に変化する必要がないことから、バインダ自体に光触媒が作用することによる濡れ性の変化が生じない場合であっても、第一実施態様のように分解物質を光触媒処理層に含有させる必要がない。また、バインダを有する場合の光触媒処理層の製造方法は、上述した第一実施態様と同様であるので、これについての説明も省略する。
【0147】
一方、バインダを有さない場合の光触媒処理層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒処理層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒処理層とすることが可能であり、これにより濡れ性変化層上の濡れ性を均一に変化させることが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることが可能となる。
【0148】
また、光触媒のみからなる光触媒処理層の他の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
【0149】
(濡れ性変化層)
次に、濡れ性変化層について説明する。本実施態様においては、濡れ性変化層中に光触媒を含有する必要がないことから、経時的に導電性パターンが光触媒の影響を受ける可能性を少なくすることができ、高品質な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0150】
この濡れ性変化層は、光触媒処理層の作用により濡れ性が変化する層であれば特に限定されるものではないが、上記第一実施態様の光触媒処理層中のバインダと同様の材料で形成することが好ましい。なお、このように上記第一実施態様の光触媒含有層中のバインダと同様の材料で形成した場合の濡れ性変化層の材料および形成方法に関しては、上記第一実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0151】
本実施態様において、この濡れ性変化層の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μmから1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0152】
本実施態様において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、隣接する光触媒処理層中の光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、エネルギー照射部分の濡れ性を変化させて親液性とし、エネルギー未照射部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、金属ペーストとの受容性(親液性)および反撥性(撥液性)を高めることによって、利用価値の高い導電性パターン形成体とすることができる。
【0153】
本実施態様における濡れ性変化層は、エネルギー照射していない部分、すなわち撥液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、50°以上、中でも90°以上であることが好ましい。これは、エネルギー照射していない部分は、本実施態様においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、後述する金属ペースト塗布工程において、例えばオフセット印刷法等により、金属ペーストを全面に印刷した場合に、導電性パターンを形成しない領域にまで金属ペーストが付着する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0154】
また、上記濡れ性変化層は、エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、49°以下、中でも10°以下であることが好ましい。エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域における金属ペーストとの接触角が高い場合は、後述する金属ペーストの塗布に際して、親液性領域においても金属ペーストをはじいてしまう可能性があり、例えば電界ジェット法等により、親液性領域上に金属ペーストをパターニングすることが難しくなる可能性があるからである。
【0155】
なお、この濡れ性変化層には、上記第一実施態様における光触媒含有層の説明中「フッ素の含有」の項で記載したものと同様にして同様のフッ素を含有させることができる。
【0156】
(基材)
本実施態様に用いられる基材については、上述した第一実施態様の「パターン形成体用基板調製工程」における基材と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0157】
(2)濡れ性パターン形成工程
次に、本実施態様の濡れ性パターン形成工程について説明する。本実施態様の濡れ性パターンの形成工程は、上述した濡れ性変化層上に、所定の方向からパターン状にエネルギーを照射することにより、上記濡れ性変化層表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する工程である。この濡れ性パターン形成工程における、エネルギーやエネルギーの照射方法等については、上述した第一実施態様の濡れ性パターン形成工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0158】
(3)金属ペースト塗布工程
次に、金属ペースト塗布工程について説明する。本実施態様の金属ペースト塗布工程は、上述した濡れ性パターン形成工程により、親液性領域および撥液性領域からなる濡れ性パターンのうち、親液性領域のみに金属ペーストを付着させる工程である。
【0159】
本実施態様の金属ペースト塗布工程の、金属ペーストや塗布方法等については、上述した第一実施態様の金属ペースト塗布工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0160】
(4)導電性パターン形成工程
次に、上述した金属ペースト工程により、濡れ性パターン状の親液性領域のみに付着した金属ペーストを固化させる導電性パターン形成工程が行われる。この導電性パターン形成工程における、金属ペーストを固化させる方法等は、上述した第一実施態様の導電性パターン形成工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0161】
(5)非画線部除去工程
本実施態様においては、上述した導電性パターン形成工程後に、導電性パターンが形成されていない非導電性パターン部を除去する非画線部除去工程を有していてもよい。上述した濡れ性変化層が、導電性である場合には、導電性パターンを有していても、導電性パターン形成体とすることが困難であることから、上記非導電性パターン部を除去することにより、光触媒処理層を露出させ、導電性パターン形成体とするのである。また、本実施態様における非画線部除去工程は、上記濡れ性変化層および光触媒処理層が導電性の材料である場合、濡れ性変化層および光触媒処理層を除去する工程であってもよい。ここで、非導電性パターン部とは、上記濡れ性変化層上に導電性パターンが形成されておらず、濡れ性変化層が表面に露出した部位である。
【0162】
本実施態様における非画線部除去工程についても、上述した第一実施態様の非画線部除去工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0163】
(6)その他
本実施態様においては、上記導電性パターン形成体上に、さらに電気めっきを施すことにより、導電性パターンの膜厚を厚くするようにしてもよい。このようにすることにより、導電性パターンの抵抗を下げることが可能となると同時に、導電性パターンの濡れ性変化層への付着強度を向上させることができ、高品質、高精細な配線板とすることができるからである。
【0164】
また、本実施態様においては、得られた導電性パターンの基材に対する密着性向上等の理由から、得られた導電性パターン上に保護層を形成するようにしてもよい。
【0165】
3.第三実施態様
次に、本発明の導電性パターン形成体の製造方法の第三実施態様について説明する。本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法は、
基材と、上記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、上記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去される層である分解除去層とからなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
上記分解除去層にパターン状にエネルギーを照射することにより、上記分解除去層上に分解除去パターンを形成する分解除去パターン形成工程と、
上記分解除去パターンが形成された分解除去層表面に、金属ペーストを塗布することにより、パターン状に金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、
上記パターン状に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程と
を有することを特徴とするものである。
【0166】
本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法によれば、分解除去層に対して、パターン状にエネルギー照射を行うことにより、分解除去層が光触媒の作用によりパターン状に分解除去されて、表面に凹凸を有するパターンを形成することが可能となる。この凹凸を利用して、例えば電界ジェット法等により、金属ペーストを塗布することにより、容易にパターン状に金属ペーストを付着させることが可能となるのである。また、本実施態様の分解除去層は、分解除去層の液体に対する接触角と、分解除去が除去されて露出する基材の液体に対する接触角とが異なるものであることが好ましい。これにより、上記凹凸だけでなく、濡れ性も利用して親液性領域のみにパターン状に金属ペーストを付着させることが可能となるからである。
【0167】
このような導電性パターン形成体の製造方法は、例えば図4に示すように、基材1上に光触媒処理層11を形成する(図4(a)参照)。次に、上記光触媒処理層11上に分解除去層13を形成する(図4(b)参照)。この分解除去層13に、図4(c)に示すように、必要とされるパターンが描かれたフォトマスク4を配置し、これを介して紫外光5を照射する。これにより、図4(d)に示すように、分解除去層13がパターン状に分解除去され、分解除去層13が残存する領域および光触媒処理層11露出した領域とからなる分解除去パターンが形成される(分解除去パターン形成工程)。
【0168】
次に、この光触媒処理層11が露出した領域に、金属ペーストを塗布することにより、上記領域のみに、金属ペーストを付着させ(金属ペースト塗布工程)、これを固化することにより、導電性パターン8を形成するのである(図4(e)参照、導電性パターン形成工程)。
【0169】
以下、このような本実施態様の導電性パターン形成体の製造方法について、各工程ごとに説明する。
【0170】
(1)パターン形成体用基板調製工程
まず、本実施態様におけるパターン形成体用基板調製工程について説明する。
本実施態様のパターン形成体用基板調製工程は、基材と、上記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、上記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去される層である分解除去層とからなるパターン形成体用基板を調製する工程である。以下、各構成についてそれぞれ説明する。
【0171】
(光触媒処理層)
本実施態様における光触媒処理層は、上記第二実施態様で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0172】
(分解除去層)
次に、分解除去層について説明する。本実施態様で用いられる分解除去層は、エネルギー照射された際に光触媒処理層中の光触媒の作用により、エネルギー照射された部分の分解除去層が分解除去される層であれば、特に限定されるものではない。
【0173】
このように分解除去層は、エネルギー照射した部分が光触媒の作用により分解除去されることから、現像工程や洗浄工程を行うことなく分解除去層のある部分と無い部分からなるパターン、すなわち凹凸を有するパターンを形成することができる。
【0174】
なお、この分解除去層は、エネルギー照射による光触媒の作用により酸化分解され、気化等されることから、現像・洗浄工程等の特別な後処理なしに除去されるものであるが、分解除去層の材質によっては、洗浄工程等を行ってもよい。
【0175】
また、本実施態様に用いられる分解除去層は、凹凸を形成するのみならず、この分解除去層が、上記基材表面と比較して、金属ペーストとの接触角が高いことが好ましい。これにより、分解除去層が分解除去され、基材が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となり、種々のパターンを形成することが可能となるからである。
【0176】
ここで、本実施態様の分解除去層、すなわち撥液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、50°以上、中でも90°以上であることが好ましい。これは、エネルギー照射していない部分は、本実施態様においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、例えば金属ペースト塗布工程においてオフセット印刷法等により金属ペーストを全面に印刷した場合に、導電性パターンを形成しない領域にまで金属ペーストが付着する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0177】
また、上記基材、すなわち親液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、49°以下、中でも10°以下であることが好ましい。エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域における金属ペーストとの接触角が高い場合は、金属ペーストを塗布した場合に、親液性領域においても金属ペーストをはじいてしまう可能性があり、例えば電界ジェット法等により親液性領域上に金属ペーストをパターニングすることが難しくなる可能性があるからである。ここで、液体との接触角は、第一実施態様において説明した方法により測定した値である。
【0178】
本実施態様の分解除去層に用いることができる膜としては、具体的にはフッ素系や炭化水素系の撥液性を有する樹脂等による膜を挙げることができる。これらのフッ素系や炭化水素系の樹脂は、撥液性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、これらの樹脂を溶媒に溶解させ、例としてスピンコート法等の一般的な成膜方法により形成することが可能である。
【0179】
また、本実施態様においては、機能性薄膜、すなわち、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着膜等を用いることにより、欠陥のない膜を形成することが可能であることから、このような成膜方法を用いることがより好ましいといえる。
【0180】
ここで、本実施態様に用いられる自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着膜について具体的に説明する。
【0181】
(i)自己組織化単分子膜
自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer)の公式な定義の存在を発明者らは知らないが、一般的に自己組織化膜として認識されているものの解説文としては、例えばAbraham Ulmanによる総説“Formation and Structure of Self-Assembled Monolayers”, Chemical Review, 96, 1533-1554 (1996)が優れている。本総説を参考にすれば、自己組織化単分子膜とは、適当な分子が適当な基材表面に吸着・結合(自己組織化)した結果生じた単分子層のことと言える。自己組織化膜形成能のある材料としては、例えば、脂肪酸などの界面活性剤分子、アルキルトリクロロシラン類やアルキルアルコキシド類などの有機ケイ素分子、アルカンチオール類などの有機イオウ分子、アルキルフォスフェート類などの有機リン酸分子などが挙げられる。分子構造の一般的な共通性は、比較的長いアルキル鎖を有し、片方の分子末端に基材表面と相互作用する官能基が存在することである。アルキル鎖の部分は分子同士が2次元的にパッキングする際の分子間力の源である。もっとも、ここに示した例は最も単純な構造であり、分子のもう一方の末端にアミノ基やカルボキシル基などの官能基を有するもの、アルキレン鎖の部分がオキシエチレン鎖のもの、フルオロカーボン鎖のもの、これらが複合したタイプの鎖のものなど様々な分子から成る自己組織化単分子膜が報告されている。また、複数の分子種から成る複合タイプの自己組織化単分子膜もある。また、最近では、デンドリマーに代表されるような粒子状で複数の官能基(官能基が一つの場合もある)を有する高分子や直鎖状(分岐構造のある場合もある)の高分子が一層基材表面に形成されたもの(後者はポリマーブラシと総称される)も自己組織化単分子膜と考えられる場合もあるようである。本実施態様は、これらも自己組織化単分子膜に含める。
【0182】
(ii)ラングミュア−ブロジェット膜
本実施態様に用いられるラングミュア−ブロジェット膜(Langmuir-Blodgett Film)は、基材上に形成されてしまえば形態上は上述した自己組織化単分子膜との大きな相違はない。ラングミュア−ブロジェット膜の特徴はその形成方法とそれに起因する高度な2次元分子パッキング性(高配向性、高秩序性)にあると言える。すなわち、一般にラングミュア−ブロジェット膜形成分子は気液界面上に先ず展開され、その展開膜がトラフによって凝縮されて高度にパッキングした凝縮膜に変化する。実際は、これを適当な基材に移しとって用いる。ここに概略を示した手法により単分子膜から任意の分子層の多層膜まで形成することが可能である。また、低分子のみならず、高分子、コロイド粒子なども膜材料とすることができる。様々な材料を適用した最近の事例に関しては宮下徳治らの総説“ソフト系ナノデバイス創製のナノテクノロジーへの展望” 高分子 50巻 9月号 644-647 (2001)に詳しく述べられている。
【0183】
(iii)交互吸着膜
交互吸着膜(Layer-by-Layer Self-Assembled Film)は、一般的には、最低2個の正または負の電荷を有する官能基を有する材料を逐次的に基材上に吸着・結合させて積層することにより形成される膜である。多数の官能基を有する材料の方が膜の強度や耐久性が増すなど利点が多いので、最近ではイオン性高分子(高分子電解質)を材料として用いることが多い。また、タンパク質や金属や酸化物などの表面電荷を有する粒子、いわゆる“コロイド粒子”も膜形成物質として多用される。さらに最近では、水素結合、配位結合、疎水性相互作用などのイオン結合よりも弱い相互作用を積極的に利用した膜も報告されている。比較的最近の交互吸着膜の事例については、静電的相互作用を駆動力にした材料系に少々偏っているがPaula T. Hammondによる総説“Recent Explorations in Electrostatic Multilayer Thin Film Assembly”Current Opinion in Colloid & Interface Science, 4, 430-442 (2000)に詳しい。交互吸着膜は、最も単純なプロセスを例として説明すれば、正(負)電荷を有する材料の吸着−洗浄−負(正)電荷を有する材料の吸着−洗浄のサイクルを所定の回数繰り返すことにより形成される膜である。ラングミュア−ブロジェット膜のように展開−凝縮−移し取りの操作は全く必要ない。また、これら製法の違いより明らかなように、交互吸着膜はラングミュア−ブロジェット膜のような2次元的な高配向性・高秩序性は一般に有さない。しかし、交互吸着膜及びその作製法は、欠陥のない緻密な膜を容易に形成できること、微細な凹凸面やチューブ内面や球面などにも均一に成膜できることなど、従来の成膜法にない利点を数多く有している。
【0184】
また、分解除去層の膜厚としては、後述するエネルギー照射工程において照射されるエネルギーにより分解除去される程度の膜厚であれば特に限定されるものではない。具体的な膜厚としては、照射されるエネルギーの種類や分解除去層の材料等により大きく異なるものではあるが、一般的には、0.001μm〜1μmの範囲内、特に0.01μm〜0.1μmの範囲内とすることが好ましい。
【0185】
(基材)
本実施態様に用いられる基材については、上述した第一実施態様の「パターン形成体用基板調製工程」における基材と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0186】
(2)分解除去パターン形成工程
次に、本実施態様の分解除去パターン形成工程について説明する。本実施態様の分解除去パターンの形成工程は、上述した分解除去層上に、所定の方向からパターン状にエネルギーを照射することにより、上記分解除去層表面に分解除去層が分解除去されたパターンを形成する工程である。この分解除去パターン形成工程における、エネルギーやエネルギーの照射方法等については、上述した第一実施態様の濡れ性パターン形成工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0187】
(3)金属ペースト塗布工程
次に、金属ペースト塗布工程について説明する。本実施態様の金属ペースト塗布工程は、上述した分解除去パターン形成工程により形成された分解除去パターンに金属ペーストを付着させる工程である。
【0188】
本実施態様の金属ペースト塗布工程の、金属ペーストや塗布方法等については、上述した第一実施態様の金属ペースト塗布工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0189】
なお、分解除去層の金属ペーストに対する接触角と、光触媒処理層の金属ペーストに対する接触角との差が小さい場合には、金属ペースト塗布工程は、ノズル吐出方式等により行うことが好ましい。
【0190】
(4)導電性パターン形成工程
次に、上述した金属ペースト工程により、パターン状に付着した金属ペーストを固化させる導電性パターン形成工程が行われる。この導電性パターン形成工程における、金属ペーストを固化させる方法等は、上述した第一実施態様の導電性パターン形成工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0191】
(5)非画線部除去工程
本実施態様においては、上述した導電性パターン形成工程後に、導電性パターンが形成されていない非導電性パターン部を除去する非画線部除去工程を有していてもよい。上述した分解除去層が導電性である場合には、導電性パターンを有していても、導電性パターン形成体とすることが困難であることから、残存する分解除去層を除去することにより、光色触媒処理層を露出させ、導電性パターン形成体とするのである。また、本実施態様における非画線部除去工程は、上記分解除去層および光触媒処理層が導電性の材料である場合、分解除去層および光触媒処理層を除去する工程であってもよい。
【0192】
本実施態様における非画線部除去工程についても、上述した第一実施態様の非画線部除去工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0193】
(6)その他
本実施態様においては、上記導電性パターン形成体上に、さらに電気めっきを施すことにより、導電性パターンの膜厚を厚くするようにしてもよい。このようにすることにより、導電性パターンの抵抗を下げることが可能となると同時に、導電性パターンの光触媒処理層への付着強度を向上させることができ、高品質、高精細な配線板とすることができるからである。
【0194】
また、本実施態様においては、得られた導電性パターンの光触媒処理層に対する密着性向上等の理由から、得られた導電性パターン上に保護層を形成するようにしてもよい。
【0195】
B.導電性パターン形成体
次に、本発明の導電性パターン形成体について説明する。本発明の導電性パターン形成体は、6つの実施態様がある。以下、それぞれの導電性パターン形成体について説明する。
【0196】
1.第一実施態様
まず、本発明の導電性パターン形成体の第一実施態様について説明する。本発明の導電性パターン形成体の第一実施態様は、基材と、上記基材上に形成されたエネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層であり、かつ少なくとも光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に、パターン状に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とするものである。
【0197】
本実施態様の導電性パターン形成体は、上記光触媒含有層を有することにより、少ない工程数で容易にパターン状に形成された濡れ性の高い領域である親液性領域のみに導電性パターンを形成することが可能となり、低コストな導電性パターン形成体とすることが可能となる。
【0198】
また本実施態様の場合、光触媒含有層上に導電性パターンが形成されていることから、光触媒含有層の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内であることが好ましい。これにより、優れた導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0199】
このような本実施態様の導電性パターン形成体は、例えば図5に示すように、基材1と、この基材1上に形成された光触媒含有層2と、この光触媒含有層2上にパターン状に形成された、導電性パターン8とを有するものである。
【0200】
本実施態様に用いられる、光触媒含有層、基材、金属ペースト、導電性パターン形成方法等は、上述した「A.導電性パターン形成体の製造方法」における第一実施態様で説明したものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0201】
2.第二実施態様
次に、本発明の導電性パターン形成体の第二実施態様について説明する。本発明の導電性パターン形成体の第二実施態様は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層であり、かつ少なくとも光触媒およびバインダを含有する光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に、金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とするものである。
【0202】
本実施態様の導電性パターン形成体は、上記光触媒含有層を有することにより、容易に濡れ性の高い親液性領域をパターン状に形成することができ、この親液性領域に金属ペーストを付着させて導電性パターンを形成することが可能となるのである。また、本実施態様によれば、光触媒含有層が、パターン状に形成されていることにより、導電性パターンが形成されていない領域は、基材が露出している。これにより、上記光触媒含有層が、比較的導電性を有する場合にも、導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。この場合、基材の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内であることが好ましい。これにより、優れた導電性パターン形成体とすることが可能となるからである。
【0203】
このような本実施態様は、例えば図6に示すように、基材1と、この基材1上にパターン状に形成された光触媒含有層2と、この光触媒含有層2上に形成された導電性パターン8とを有するものである。
【0204】
本実施態様に用いられる、光触媒含有層、基材、金属ペースト、導電性パターン形成方法等は、上述した「A.導電性パターン形成体の製造方法」における第一実施態様で説明したものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0205】
3.第三実施態様
次に、本発明の導電性パターン形成体の第三実施態様について説明する。本発明の導電性パターン形成体の第三実施態様は、基材と、上記基材上に少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、上記光触媒処理層上に、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変化層と、上記濡れ性変化層上にパターン状に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とするものである。
【0206】
本実施態様の導電性パターン形成体は、上記濡れ性変化層を有することにより、容易に形成することができる親液性パターンを利用して、金属ペーストを親液性領域にパターン状に高精細に付着させることが可能となる。また、上記光触媒処理層および導電性パターンが直接接触しないことから、経時的に導電性パターンが光触媒の影響を受ける可能性が低く、高品質な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0207】
また本実施態様の場合、濡れ性変化層上に導電性パターンが形成されていることから、濡れ性変化層の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内であることが好ましい。これにより、優れた導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0208】
このような本実施態様の導電性パターン形成体は、例えば図7に示すように、基材1と、この基材1上に形成された光触媒処理層11と、この光触媒処理層11上に形成された濡れ性変化層12と、さらにこの濡れ性変化層12上にパターン状に形成された導電性パターン8とを有するものである。
【0209】
本実施態様に用いられる、光触媒処理層、濡れ性変化層、基材、金属ペースト、導電性パターン形成方法等は、上述した「A.導電性パターン形成体の製造方法」における第二実施態様で説明したものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0210】
4.第四実施態様
次に、本発明の導電性パターン形成体の第四実施態様について説明する。本実施態様の導電性パターン形成体は、基材と、上記基材上に少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、上記光触媒処理層上にパターン状に形成された、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変化層と、上記濡れ性変化層上に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とするものである。
【0211】
本実施態様によれば、上記濡れ性変化層を有することにより、容易に形成できる親液性パターンを利用して、金属ペーストを親液性領域のみにパターン状に高精細に付着させることが可能となる。また、上記光触媒処理層および導電性パターンが直接接触しないことから、経時的に導電性パターンが光触媒の影響を受ける可能性が低く、高品質な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0212】
さらに、本実施態様によれば、濡れ性変化層が、パターン状に形成されていることにより、導電性パターンが形成されていない領域は、光触媒処理層が露出している。これにより、上記濡れ性変化層が、比較的導電性を有する場合にも、導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。この場合、光触媒処理層の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内であることが好ましい。これにより、優れた導電性パターン形成体とすることが可能となるからである。
【0213】
このような本実施態様の導電性パターン形成体は、図8に示すように、基材1と、この基材1上に形成された光触媒処理層11と、この光触媒処理層11上にパターン状に形成された濡れ性変化層12と、このパターン状に形成された濡れ性変化層12上に形成された導電性パターン8とを有するものである。
【0214】
本実施態様に用いられる、光触媒処理層、濡れ性変化層、基材、金属ペースト、導電性パターン形成方法等は、上述した「A.導電性パターン形成体の製造方法」における第二実施態様で説明したものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0215】
5.第五実施態様
次に、本発明の導電性パターン形成体の第五実施態様について説明する。本実施態様の導電性パターン形成体は、基材と、上記基材上にパターン状に形成された、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、上記光触媒処理層上に形成されたエネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する濡れ性変化層と、上記濡れ性変化層上に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とするものである。
【0216】
本実施態様によれば、上記濡れ性変化層を有することにより、容易に形成可能な親液性パターンを利用して、金属ペーストを親液性領域のみにパターン状に高精細に付着させることが可能となる。また、上記光触媒処理層および導電性パターンが直接接触しないことから、経時的に導電性パターンが光触媒の影響を受ける可能性が低く、高品質な導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。さらに、本実施態様の導電性パターン形成体は、上記光触媒処理層が上記基材上にパターン状に形成され、その光触媒処理層上に濡れ性変化層が形成されている。さらにその濡れ性変化層上に導電性パターンが形成されていることから、導電性パターンが形成されていない部分は、基材が露出している。これにより、光触媒処理層および濡れ性変化層が、導電性の材料により形成されている場合であっても、導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。この場合、基材の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内であることが好ましい。これにより、優れた導電性パターン形成体とすることが可能となるからである。
【0217】
このような本実施態様の導電性パターン形成体は、例えば図9に示すように、基材1と、この基材1上にパターン状に形成された光触媒処理層11と、この光触媒処理層11上に形成された濡れ性変化層12と、この濡れ性変化層12上に形成された導電性パターン8とを有するものである。
【0218】
本実施態様に用いられる、光触媒処理層、濡れ性変化層、基材、金属ペースト、導電性パターン形成方法等は、上述した「A.導電性パターン形成体の製造方法」における第二実施態様で説明したものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0219】
6.第六実施態様
次に、本発明の導電性パターン形成体の第六実施態様について説明する。本発明の導電性パターン形成体の第六実施態様は、基材と、上記基材上に少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去される層である分解除去層と、前記分解除去層が分解除去された光触媒処理層上にパターン状に金属ペーストを固化させることにより形成された金属組成物とを有することを特徴とするものである。
【0220】
本実施態様の導電性パターン形成体は、上記分解除去層を有することにより、例えば電界ジェット法等により、容易に表面の凹凸を利用して、金属ペーストをパターン状に付着させることが可能となるのである。また、本実施態様の分解除去層は、分解除去層の液体に対する接触角と、分解除去が除去されて露出する基材の液体に対する接触角とが異なるものであることが好ましい。これにより、上記凹凸だけでなく、濡れ性も利用して親液性領域のみにパターン状に金属ペーストを付着させることが可能となり、これにより容易にパターン形成体とすることが可能となるからである。
【0221】
また本実施態様の場合、光触媒処理層上に導電性パターンが形成されていることから、光触媒処理層の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内であることが好ましい。
【0222】
また、導電性パターンの周囲に、分解除去層が存在していることから、この分解除去層の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内であることが好ましい。これにより、優れた導電性パターン形成体とすることが可能となるのである。
【0223】
本実施態様の分解除去層は、例えば図10に示すように、基材1上に光触媒処理層11が形成され、この光触媒処理層11上に分解除去層13が形成されており、この分解除去層13が分解除去された部分の光触媒処理層11上に導電性パターン8が形成されたものである。
【0224】
本実施態様に用いられる、光触媒処理層、分解除去層、基材、金属ペースト、導電性パターン形成方法等は、上述した「A.導電性パターン形成体の製造方法」における第三実施態様で説明したものを用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
【0225】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0226】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を通じてさらに詳述する。
【0227】
[実施例1]
イソプロプルアルコール30gにフルオロアルキルシラン(商品名TSL−8233 GE東芝シリコーン(株))0.4gとテトラメトキシシラン(商品名TSL−8114 GE東芝シリコーン(株))3gと光触媒無機コーティング材(商品名ST−K01)20gとを混合し、100℃で60分間攪拌し、光触媒含有層組成物とした。
【0228】
ガラス上に上記組成物をスピンコーターにより塗布し、120℃で10分間の加熱処理を行うことにより、厚さ0.1μmの光触媒含有層を形成した。100μmのライン&スペースのフォトマスクを用いて露光(365nm 500mJ/cm)し、光触媒含有層表面に親液性領域を形成した。このとき、未露光部及び親液性領域とぬれ標準試薬(40mN/m)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、75°と7°であった。
【0229】
次に、ロールコートにより以下の組成の金属ペーストをパターン形成体用基板に塗布することにより親液性領域にのみ金属ペーストがパターン状に付着させた。この金属ペーストのパターンを加熱(600℃で10分間維持)することにより基板上に銀がパターニングされた導電性パターン形成体を得た。
【0230】
次に、上記導電性パターンが形成された基板をPH13の水酸化カリウムが主成分であるアルカリ水溶液に10分間浸漬し、その後、水によって5分間リンスし非画線部を除去した。
【0231】
(金属ペースト(粘度3000p))
・導電性粉体(77.5%):銀(タップ密度3.1g/cm3、平均粒径0.28μm、不定形)
・樹脂(20%):日本油脂(株)製 マリアリムA4B−0851(アリルエーテルと無水マレイン酸、スチレンの共重合体)
・ガラスフリット(2.5%):Bi23系ガラス(無アルカリ)
【0232】
[実施例2]
イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。
これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒処理層用組成物とした。
【0233】
上記光触媒処理層用組成物を、ガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒処理層(厚み0.15μm)を形成した。
【0234】
次に、ポリカーボネートが主成分のユーピロンZ400(三菱ガス化学製)2gをジクロロメタン30gと1,1,2−トリクロロエタン70gとに溶解させ、分解層除去層用組成物とした。上記分解除去層用組成物を、上記光触媒処理層上にスピンコーターにより塗布し、100℃で60分間の乾燥処理を行うことにより、透明な分解除去層(厚み0.01μm)を形成し、パターン形成体用基板を得た。
【0235】
上記パターン形成体用基板を、100μmのライン&スペースのフォトマスクを用いて高圧水銀ランプにより露光(365nm 500mJ/cm)して、分解除去層を分解除去し分解除去パターンをパターン状に形成した。
【0236】
このとき、未露光部及び分解除去層が分解除去された領域とぬれ標準試薬(40mN/m)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、66°と6°であった。
【0237】
次に、電界ジェット装置を用いて、以下の組成の金属ペーストを、分解除去層が分解除去された領域に付着させ、これに600℃10分保持の処理を行い硬化させた。
【0238】
(金属ペースト(粘度500p))
・導電性粉体(40%):銀(タップ密度3.1g/cm、平均粒径0.28μm、不定形)
・樹脂(10%):日本油脂(株)製 マリアリムA4B−0851(アリルエーテルと無水マレイン酸、スチレンの共重合体)
・ガラスフリット(1%):Bi系ガラス(無アルカリ)
・溶剤(49%):ノルマルパラフィン
次に、上記導電性パターンが形成された基板をPH13の水酸化カリウムが主成分であるアルカリ水溶液に2分間浸漬し、その後、水によって5分間リンスし非画線部を除去した。
【0239】
[実施例3]
イソプロピルアルコール30gとトリメトキシメチルシラン(GE東芝シリコーン(株)製、TSL8113)3gと光触媒無機コーティング剤であるST−K03(石原産業(株)製)20gとを混合し、100℃で20分間撹拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒処理層用組成物とした。
【0240】
上記光触媒処理層用組成物を、ガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な光触媒処理層(厚み0.15μm)を形成した。
【0241】
次に、イソプロピルアルコール30gとフルオロアルキルシラン(GE東芝シリコーン(株))とテトラメトキシシラン(GE東芝シリコーン(株))3gと0.5規定塩酸2.5gを混合し8時間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより100倍に希釈し濡れ性変化層用組成物とした。
【0242】
上記濡れ性変化層用組成物を、上記光触媒処理層上にスピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行うことにより、透明な濡れ性変化層(厚み0.1μm)を形成し、パターン形成体用基板を得た。
【0243】
上記パターン形成体用基板を、100μmのライン&スペースのフォトマスクを用いて高圧水銀ランプにより露光(365nm 500mJ/cm)し、親液性領域をパターン状に形成した。
【0244】
このとき、未露光部及び親液性領域とぬれ標準試薬(40mN/m)との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)した結果、それぞれ、75°と6°であった。
【0245】
次に、電界ジェット装置を用いて、以下の組成の金属ペーストを、親液性領域に付着させ、これに600℃10分保持の処理を行い硬化させた。
【0246】
(金属ペースト(粘度500p))
・導電性粉体(40%):銀(タップ密度3.1g/cm、平均粒径0.28μm、不定形)
・樹脂(10%):日本油脂(株)製 マリアリムA4B−0851(アリルエーテルと無水マレイン酸、スチレンの共重合体)
・ガラスフリット(1%):Bi系ガラス(無アルカリ)
・溶剤(49%):ノルマルパラフィン
次に、上記導電性パターンが形成された基板をPH13の水酸化カリウムが主成分であるアルカリ水溶液に5分間浸漬し、その後、水によって5分間リンスし非画線部の濡れ性変化層と光触媒処理層を除去した。
【0247】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば電界ジェット法等を用いて金属ペーストを付着させる処理を行うことにより、容易に金属ペーストを光触媒含有層上にパターン状に形成することが可能であり、これを固化させれば高精細な導電性パターンとすることができる。よって、簡便な工程で精度良く高精細な導電性パターンを形成することができるので、低コストで高精細な導電性パターンを形成することができるといった効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性パターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明の導電性パターン形成体の製造方法の非画線部除去工程の一例を示す工程図である。
【図3】本発明の導電性パターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図4】本発明の導電性パターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図5】本発明の導電性パターン形成体の一例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の導電性パターン形成体の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の導電性パターン形成体の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の導電性パターン形成体の他の例を示す概略断面図である。
【図9】本発明の導電性パターン形成体の他の例を示す概略断面図である。
【図10】本発明の導電性パターン形成体の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 基材
2 … 光触媒含有層
3 … パターン形成体用基板
6 … 親液性領域
7 … 撥液性領域
8 … 導電性パターン
9 … 導電性パターン形成体
10… 非画線部
11… 光触媒処理層
12… 濡れ性変化層
13… 分解除去層

Claims (28)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、光触媒およびバインダを有し、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する光触媒含有層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、からなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
    前記基材側から前記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、前記光触媒含有層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する濡れ性パターン形成工程と、
    前記濡れ性パターンが形成された光触媒含有層表面に、粘度が500cps〜3000cpsの範囲内である金属ペーストを塗布することにより、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、
    前記濡れ性パターンの親液性領域に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程と
    を有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法。
  2. 前記光触媒含有層が、エネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  3. 前記光触媒含有層がフッ素を含み、前記光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、前記光触媒の作用により前記光触媒含有層表面のフッ素含有量がエネルギー照射前に比較して低下するように前記光触媒含有層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  4. 前記光触媒含有層上へのエネルギー照射を行い、フッ素含有量を低下させた部位におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下であることを特徴とする請求項3に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  5. 前記光触媒含有層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  6. 前記バインダが、オルガノポリシロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  7. 前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることを特徴とする請求項6記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  8. 前記オルガノポリシロキサンが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  9. 基材と、前記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射部分の濡れ性が液体の接触角の低下する方向に変化する層である濡れ性変化層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、からなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
    前記基材側から前記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、前記濡れ性変化層上に撥液性領域と親液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する濡れ性パターン形成工程と、
    前記濡れ性パターンが形成された濡れ性変化層表面に、粘度が500cps〜3000cpsの範囲内である金属ペーストを塗布することにより、親液性領域にのみ金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、
    前記濡れ性パターンの親液性領域に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程と
    を有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法。
  10. 前記濡れ性変化層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることを特徴とする請求項9に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  11. 前記濡れ性変化層が、オルガノポリシロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  12. 前記オルガノポリシロキサンが、フルオロアルキル基を含有するポリシロキサンであることを特徴とする請求項11記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  13. 前記オルガノポリシロキサンが、YSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  14. 基材と、前記基材上に形成され、少なくとも光触媒が含有された光触媒処理層と、前記光触媒処理層上に形成され、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去される層である分解除去層と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、からなるパターン形成体用基板を調製するパターン形成体用基板調製工程と、
    前記基材側から前記光触媒含有層にエネルギーを照射することにより、前記分解除去層上に分解除去パターンを形成する分解除去パターン形成工程と、
    前記分解除去パターンが形成された分解除去層表面に、粘度が500cps〜3000cpsの範囲内である金属ペーストを塗布することにより、パターン状に金属ペーストを付着させる金属ペースト塗布工程と、
    前記パターン状に付着した金属ペーストを固化させて導電性パターンとする導電性パターン形成工程と
    を有することを特徴とする導電性パターン形成体の製造方法。
  15. 前記分解除去層に対する液体の接触角と、前記分解除去層が分解されて露出する光触媒処理層に対する液体の接触角とが異なるものであることを特徴とする請求項14に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  16. 前記分解除去層が、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、もしくは交互吸着膜のいずれかであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  17. 前記分解除去層上における40mN/mの液体との接触角が、エネルギーが照射されていない部分において50°以上であり、照射された部分において49°以下であることを特徴とする請求項14から請求項16までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  18. 前記導電性パターン形成工程後に、導電性パターンが形成されていない非導電性パターン部を除去する非画線部除去工程を有することを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  19. 前記非画線部除去工程が、前記非導電性パターン部をアルカリ溶液により除去する工程であることを特徴とする請求項18に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  20. 前記光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項1から請求項19までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  21. 前記光触媒が酸化チタン(TiO)であることを特徴とする請求項20記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  22. 前記光触媒含有層表面のフッ素の含有量を、X線光電子分光法で分析して定量化すると、Ti元素を100とした場合に、フッ素元素が500以上となる比率でフッ素元素が光触媒含有層表面に含まれている光触媒含有層を有することを特徴とする請求項21記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  23. 前記エネルギー照射が、光触媒を加熱しながらなされることを特徴とする請求項1から請求項22までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  24. 前記金属ペーストが銅、アルミ、白金、パラジウム、およびニッケルから少なくとも一つ選択される金属のペーストであることを特徴とする請求項1から請求項23までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  25. 前記金属ペーストにガラスフリットが含まれていることを特徴とする、請求項1から請求項24までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  26. 前記金属ペースト塗布工程における金属ペーストの塗布が、ノズル吐出法であることを特徴とする請求項1から請求項25までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  27. 前記ノズル吐出法が、電界ジェット法であることを特徴とする請求項26に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
  28. 前記金属ペースト塗布工程における金属ペーストの塗布が、オフセット印刷法によるものであることを特徴とする請求項1から請求項25までのいずれかの請求項に記載の導電性パターン形成体の製造方法。
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