JP2001207079A - 高抵抗性カーボンブラック及びカラーフィルター - Google Patents

高抵抗性カーボンブラック及びカラーフィルター

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JP2001207079A JP2000255334A JP2000255334A JP2001207079A JP 2001207079 A JP2001207079 A JP 2001207079A JP 2000255334 A JP2000255334 A JP 2000255334A JP 2000255334 A JP2000255334 A JP 2000255334A JP 2001207079 A JP2001207079 A JP 2001207079A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高遮光率で表面反射率が低く、しかも、薄膜の
ブラックマトリックスを提供し得る高抵抗性カーボンブ
ラックを提供する。 【解決手段】表面が樹脂で被覆されて成り且つ体積固有
抵抗値が100Ω・cm以上である高抵抗性カーボンブラ
ック。そして、好ましい実施態様においては、樹脂とし
て多官能エポキシ樹脂が使用され、その被覆量はカーボ
ンブラックと樹脂の合計に対して5〜40重量%の範囲
から選択され、しかも、樹脂被覆されたカーボンブラッ
クは5以上のpHを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高抵抗性カーボン
ブラック及びカラーフィルターに関する。本発明の高抵
抗性カーボンブラックは、例えば、カラーテレビ・液晶
カラーテレビ・カメラ等に使用される、光学的カラーフ
イルターの絶縁性ブラックマトリックス用やスペーサー
用カーボンブラックとして好適である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、透明電極が設けられた
ガラス等の透明な基板で形成される1〜10μm程度の
間隙に液晶物質を封入し、電極間に印加した電圧により
一定の方向に液晶を配向させ、透明部分と不透明部分を
形成して画像を表示する。カラー液晶表示装置は、何れ
かの透明基板上に光の三原色に対応する赤(R)、緑
(G)、青(B)の三色のカラーフイルターを設けてお
り、透明電極への印加電圧の調整によって液晶の光の透
過を制御し、R、G、Bの三色のフイルターを透過する
光量を制御し、三原色の加色による発色によってカラー
表示を行う。
【0003】R、G、Bの着色層の形成方法としては、
予め各色の間を区画するブラックマトリックスの膜を設
けた基板上に形成する方法や、R、G、Bを形成した
後、ブラックマトリックス膜を設ける方法など種々ある
が、ブラックマトリックスの役割は、何れも、R、G、
Bの三原色を区画すると共にカラーフイルターに対向す
る基板上に設けた液晶駆動用の電極またはTFT(薄膜
トランジスタ)等のトランジスタを遮光する点にある。
【0004】上記の様な目的で使用されるカラーフイル
ターのブラックマトリックスの一つとして、黒色材料と
してカーボンブラックが分散されたレジスト膜をパター
ンニングしたものがある。ところで、カーボンブラック
は本来的に導電性素材であり、これを分散したレジスト
膜も導電性ないしは半導電性を示す問題がある。そこ
で、従来より、その遮光性を維持しつつ抵抗性(絶縁
性)の高められたカーボンブラックが切望されている。
【0005】そこで、本出願人らは、従来より、カラー
フイルターのブラックマトリックス用として、多官能性
エポキシ樹脂などで被覆したカーボンブラック及びその
製造方法について数多くの提案を行っている(特開平9
−26571号公報、特開平9−71733号公報、特
開平9−95625号公報、特開平9−124969号
公報、特開平9−304760号公報、特開平10−6
0169号公報、特開平10−330643号公報、特
開平10−60988号公報、特開平10−60989
号公報、特開平11−80583号公報、特開平11−
80584号公報など)。また、表面に特定の酸化処理
を施して成る高抵抗性カーボンブラックについての提案
も行っている(特開平11−181324号公報、特開
平11−181326号公報)。しかしながら、以上の
様な従来技術によるカーボンブラックの体積固有抵抗値
はせいぜい5〜50Ω・cm程度の範囲に留まる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、高遮光率で表面
反射率が低く、しかも、薄膜のブラックマトリックスを
提供し得る高抵抗性カーボンブラックを提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、ブラックマトリック
スに上記のカーボンブラックを使用したカラーフイルタ
ーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、表面が樹脂で被覆されて成り且つ体積固有抵
抗値が100Ω・cm以上であることを特徴とする高抵抗
性カーボンブラックに存し、第2の要旨は、黒色材料が
分散されたレジスト膜のパターンニングで得られたブラ
ックマトリックスを有するカラーフィルターにおいて、
黒色材料として上記のカーボンブラックを使用して成る
ことを特徴とするカラーフィルターに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の高抵抗性カーボン
ブラックについて説明する。本発明の高抵抗性カーボン
ブラックは表面が樹脂で被覆されて成る。使用するカー
ボンブラックとしては、特に制限されないが、揮発分を
比表面積で除した値(単位比表面積当たりの揮発分量)
が0.01(%・g/m2)以上のものが好ましい。単
位比表面積当たりの揮発分量は、好ましくは0.02
(%・g/m2)以上、更に好ましくは0.03(%・
g/m2)以上である。ここで、単位比表面積当たりの
揮発分量と言う属性で示したのは、比表面積が大きいカ
ーボンブラック程揮発分が多く付与されるが、後述の体
積固有抵抗は揮発分の絶対量でなく単位表面に付与して
いる揮発分量と相関するためである。
【0009】カーボンブラックの揮発分は、オゾン及び
/又は過酸化水素によるカーボンブラックの酸化処理に
より上昇させることが出来る。一般にカーボンブラック
の酸化剤としては、上記以外にも硝酸やNOガス、NO
2ガス、空気、SO3ガス、フッ素ガス等があるが、単位
比表面積当たりの揮発分量が比較的少ない量で体積固有
抵抗が向上するのは、オゾン及び/又は過酸化水素を必
須酸化剤として上記の硝酸やNO2ガス等の酸化剤を組
み合わせて使用した場合である。
【0010】揮発分の測定は、JISK 6221に準
拠し、カーボンブラックを950℃で7分間加熱した時
の減量%として算出する方法により求められる。比表面
積は、BETの式を使用した窒素吸着法により求められ
る。すなわち、低温窒素吸着装置(イタリヤ、カルロ・
エルバ社製「ソウプトマチック1800」)を使用し低
温窒素吸着法によりカーボンブラックの窒素吸着量を測
定し、これからBETの式を使用し多点法により算出す
ることが出来る。
【0011】カーボンブラックとしては、灰分含量が
1.0重量%以下、特に0.5重量%以下のものが好ま
しい。灰分の主成分は、Na、K、Ca等のアルカリ金
属やアルカリ土類金属などであり、これらの含有量が高
いカーボンブラックは体積固有抵抗を向上させるのが困
難である。斯かるイオン性導電物質の低減は、カーボン
ブラックの製造に使用する原料油、ガス、添加物を選択
することにより達成される。また、製造炉から製出した
カーボンブラックの水洗や酸洗処理によっても達成され
る。灰分含量は、750℃において空気中で5〜6時間
カーボンブラックを焼成した際に残る灰化量から算出す
ることが出来る。
【0012】更に、使用するカーボンブラックとして
は、分散体中の分散径が可能な限り小さいものが好まし
い。分散径が大きなカーボンブラックは、レジスト作成
時に所望の絶縁性や分散性が得られ難い。分散径は、好
ましくは20ミクロン以下、更に好ましくは5ミクロン
以下、特に好ましくは1ミクロン以下である。カーボン
ブラック分散体の調製に使用する分散媒体としては水や
エタノール水溶液が好適である。分散処理は、公知の分
散機を使用し、また、各種界面活性剤や分散助剤を適宜
使用して行われる。界面活性剤や分散助剤はアルカリ金
属やアルカリ土類金属を含有しないものが好適であり、
分散助剤としては揮発性の親水性溶剤(エタノール等)
が好適である。
【0013】カーボンブラックの被覆に使用する樹脂と
しては、特に制限されないが、エポキシ系樹脂、特に多
官能型エポキシ樹脂が好ましい。多官能エポキシ樹脂の
具体例としては、グリシルアミン系エポキシ樹脂、トリ
フェニルグリシジメタン系エポキシ樹脂、テトラフェニ
ルグリシジメタン系エポキシ樹脂、アミノフェノール型
エポキシ樹脂、ジアミドジフェニルメタン型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレ
ゾール型エポキシ樹脂ビスフェノールAノボラック型エ
ポキシ樹脂などが挙げられる。
【0014】また、例えばエポキシ樹脂の場合、樹脂被
覆カーボンブラックの体積固有抵抗値や表面性状をコン
トロールする手段として硬化剤や硬化促進剤を使用する
ことも可能である。これらの使用により、被覆された樹
脂に対して絶縁性・耐熱性などの優れた特性を付与する
ことが可能である。
【0015】硬化剤としては、特に制限されないが、絶
縁性に特色を持たせる観点から、酸無水物、イミダゾー
ル化合物またはBF3錯体が好ましい。更に、反応過程
での効率を考えると、比較的低温で硬化時間が短いイミ
ダゾール化合物が好ましい。
【0016】代表的なイミダゾール系化合物としては、
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベ
ンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−メチルイミダゾール、2,4ジアミノ−6−[2−
メチルイミダゾリル−(1)]−エチルS−トリアジン
等が挙げられる。硬化剤の使用量は、樹脂と硬化剤の合
計量に対する割合として、通常1〜30重量%、好まし
くは5〜25重量%、更に好ましくは10〜20重量%
とされる。硬化促進剤の種類および使用量は、常法に従
い、使用する硬化剤の種類にあわせて選択することが出
来る。
【0017】カーボンブラックの樹脂被覆は、カーボン
ブラック分散体に樹脂エマルジョン添加する方法で行う
のが好ましい。樹脂エマルジョンの代りに樹脂溶液を使
用することも出来る。
【0018】上記の樹脂エマルジョンの調製には、界面
活性剤やアルコール等を使用することが出来る。界面活
性剤としては、樹脂エマルジョンの形成が可能な限り、
特に制限されないが、非イオン又は両生であって金属を
含有しない界面活性剤が好ましい。また、O/Wエマル
ジョンに適したHLB8〜18の界面活性剤が好まし
い。樹脂エマルジョンの直径は10ミクロン以下、特に
5ミクロン以下にするのが好ましい。樹脂エマルジョン
の使用により、カーボンブラック凝集体に被覆する樹脂
の均一性が安定し、表面被覆状態が均一となる。
【0019】カーボンブラック分散液に樹脂エマルジョ
ン添加した後、加温処理を施すことで分散体中での樹脂
の硬化を行う。この場合の加温処理条件は、目的とする
樹脂被覆カーボンブラックの体積固有抵抗値、樹脂の種
類、硬化促進剤の使用の有無などで異なるが、硬化剤を
使用して3,000Ω・cm以上の高抵抗のカーボンブ
ラックを調製するためには、溶媒の蒸発後、70℃で4
時間以上の加温処理が必要である。
【0020】カーボンブラックに対する樹脂の被覆量
は、カーボンブラックと樹脂の合計量に対して5〜40
重量%、特に7〜20重量%の範囲が好ましい。被覆量
が5重量%未満の場合は、未処理のカーボンブラックと
同様の分散性、分散安定性、体積固有抵抗値しか得られ
ないおそれがある。一方、被覆量が40重量%を超える
場合は、凝集塊同士を融着させる樹脂が過剰となり、分
散性が低下するおそれがある。
【0021】樹脂で被覆されたカーボンブラック(粉
体)の体積固有抵抗は、下部に真鍮製電極を取り付けた
内径2cmのテフロン(登録商標)製容器に約2gの試
料を入れ、先端に真鍮製電極の付いたテフロン製棒で蓋
をした後、テンシロンにより0.2mm/minの速度
で荷重を掛けていき、50kg/cm2時の抵抗を高感
度テスターで測定する。そして、この荷重下における粉
体の嵩高さと抵抗値から、下式により体積固有抵抗を算
出する。
【0022】体積固有抵抗(Ω・cm)=カーボンブラ
ック粉体の断面積(cm2)×抵抗値(Ω)/カーボン
ブラック粉体の嵩高さ(cm)
【0023】また、樹脂で被覆されたカーボンブラック
は、水スラリーの状態で測定したpHが5以上、特に7
以上であることが好ましい。そして、pHの上限は通常
10である。これらのpH値は、100mlの水に、樹
脂で被覆されたカーボンブラック10gを添加し、5分
間十分に撹拌した後の水スラリーについての値を意味す
る。
【0024】上述の様な本発明の高抵抗性カーボンブラ
ックは、黒色材料が分散されたレジスト膜のパターンニ
ングで得られたブラックマトリックスを有するカラーフ
ィルターでの黒色材料として好適に使用される。本発明
の高抵抗性カーボンブラックの体積固有抵抗値は、10
0Ω・cm以上であるが、好ましくは3,000Ω・c
m以上、更に好ましくは5,000〜500,000Ω
・cmの範囲である。
【0025】次に、本発明のカラーフィルターについて
説明する。本発明のカラーフィルターは、黒色材料が分
散されたレジスト膜のパターンニングで得られたブラッ
クマトリックスを有するカラーフィルターにおいて、黒
色材料として上記のカーボンブラックを使用して成るこ
とを特徴とする。すなわち、本発明のカラーフィルター
は、基本的には従来公知のものと同じであり、上記のブ
ラックマトリクスを設けた透明基板の表面に、R、G、
Bの三色の色相により、10〜150μm幅のストライ
プ状やモザイク状などの色パターンを数μmの精度で形
成して製造される。
【0026】上記のブラックマトリックスは、カーボン
ブラックが分散されたレジスト(光重合性組成物)を透
明基板上に塗布した後、加熱乾燥、画像露光、現像およ
び熱硬化の各処理を行って形成することが出来る。ま
た、上記のカラーフィルターは、ブラックマトリックス
の形成面に、R、G、Bが各々分散された各光重合性組
成物を塗布し、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化
処理の各処理を順次に行って各色の画素画像を形成する
ことによって製造することが出来る。そして、カラーフ
ィルターの駆動のための対向電極(透明電極)は、IT
O等より上記の画素画像面に薄膜状に形成される。
【0027】上記のブラックマトリックス用または各色
用の光重合性組成物は、カーボンブラック又は各色と共
に、光を吸収してラジカルを発生する光重合開始系と、
当該ラジカルにより重合が誘起される付加重合性のエチ
レン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物
(エチレン性化合物)とを含有する。また、上記の組成
物は、有機高分子物質(バインダー樹脂)と共に必要に
応じて分散剤などを含有する。そして、上記の組成物
は、適当な溶剤によって調製された塗布液として使用さ
れる。上記の光重合開始系、エチレン性化合物、有機高
分子物質および溶剤は、レジストパターンの目的に沿っ
て適宜選択される。
【0028】塗布装置としては、スピナー、ワイヤーバ
ー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、
スプレー等が使用される。画像露光は、光重合性層上に
ネガのマトリクスパターンマスクを導き、当該パターン
マスクを介し、紫外または可視の光源を照射して行われ
る。アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ剤が
使用される。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1〜5及び比較例1〜3 カーボンブラックは、Na・Ca・Sの少ない原料油を
使用し、反応停止水にイオン交換樹脂で処理した水を使
用した以外は、通常のオイルファーネス法にって製造し
た。そして、得られたカーボンブラック100gを、内
径10cm、長さ10cmの円筒形キルンに入れ、9r
pmで回転させつつ空気とオゾンの混合ガス(オゾン
6,000ppm)に0.5〜4時間の範囲の一定時間
接触させた。実施例に示すカーボンブラックは、接触時
間を変更することにより表面酸化処理度を変更してい
る。表1にカーボンブラックの物性を示す。
【0031】先ず、上記の各カーボンブラック60gを
純水1300ccに分散させた。分散径の確認は容易で
はないため、強分散したカーボンブラック水分散液を濾
過して選別した。実施例において、20ミクロンの分散
液は、分散機にホモジナイザーを使用し、そして、20
ミクロン以下のカーボンブラックを濾過で選別した。5
ミクロンの分散液は、分散剤にエタノールを使用し、分
散機として直径1mmのジルコニアビーズを入れたサン
ドミルを使用し、5ミクロン以下のカーボンブラックを
濾過で選別した。
【0032】次いで、トルエンに溶解させた樹脂溶液
(フェノールノボラック型エポキシ樹脂:6.7g、ト
ルエン:60cc)に硬化剤1.3gを加えて十分に溶
解した後、水600ccとエタノール120ccを加
え、ホモジナイザーにより9000回転で30分攪拌し
て樹脂エマルジョンを調製した。ここで使用した硬化剤
は、2−エチル−4−メチルイミダゾール(油化シェル
エポキシ製「EMI24」)である。得られた樹脂エマ
ルジョンの直径は5ミクロンであった。エマルジョン化
しなかった例においては樹脂溶液を使用した。
【0033】次いで、スクリューで攪拌したカーボンブ
ラック分散液に上記の樹脂エマルジョン又は樹脂溶液を
徐々に加え、カーボンブラック表面を樹脂で被覆処理し
た。そして、攪拌を維持したまま加温し、トルエンが蒸
発してから4時間70℃で硬化処理を行った。
【0034】次いで、濾過により水切りした後、真空乾
燥機に入れ、62℃で10時間乾燥させ、水分と溶媒を
除去し、樹脂被覆カーボンブラックを得た。得られた樹
脂被覆カーボンブラックの残存溶媒量は約50ppm、
残存水分量は約500ppmであった。
【0035】表2に樹脂被覆カーボンブラックの物性測
定の結果を示す。実施例と比較例とでは体積固有抵抗が
著しく異なる。高分解能電子顕微鏡により実施例の樹脂
被覆カーボンブラックを確認したところ、ピーナッツチ
ョコボール状またはイガグリ状の外観が観察され、カー
ボンブラック粒子表面が樹脂層で高緻密に被覆されてい
ることが確認された。すなわち、実施例の樹脂被覆カー
ボンブラックの場合、高緻密な樹脂被覆層の介在により
電子のジャンプが抑制され、体積固有抵抗が著しく高く
なっていると推定される。一方、比較例の被覆方法で
は、団子状の樹脂塊がカーボンブラック粒子表面に付着
しており、カーボンブラックの未被覆面から電子がスパ
ークするため、体積固有抵抗が低くなっていると推定さ
れる。
【0036】次いで、上記のカーボンブラックを使用し
て次の様な方法でブラックマトリックス用レジスト組成
物を調製した。すなわち、1mm径のジルコニアビーズ
300gを入れたサンドミルに、カーボンブラック32
g、溶剤としてプロピレングリコール・モノメチルエー
テルアセテート(以下「PGMEA」と略記する)15
0g加え、2000rpmで10時間混合分散させて分
散液を得た。そして、1mm径のジルコニアビーズ90
gを入れた140ccのマヨネーズ瓶に、上記の分散液
45g、エチレン化合物としてジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)1.13g、
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの供重合モノ
マー(昭和高分子(株)製「SP−1509」)1.1
3g、光重合開始剤組成物としてP−ジエチルアミノ安
息香酸エチル0.37g、PGMEA39gを加え、ペ
イントコンディショナーで30分間分散処理してブラッ
クマトリックス用レジスト組成物を得た。
【0037】次いで、高圧水洗浄、紫外線照射およびオ
ゾン処理を施した厚さ1.1mmのガラス基板(コーニ
ング社製「No.7059」)及び金属基板上にそれぞ
れ上記のレジスト組成物をスピンコート法により塗布
し、220℃の温度条件下で熱処理し、膜厚1.0μm
のレジスト薄膜を形成した。そして、ガラス基板上の薄
膜はOD(光学的濃度)測定に使用し、金属基板上の薄
膜は体積固有抵抗測定に使用した。表3にレジスト薄膜
の物性を示す。表3中のOD(光学的濃度)値は、マク
ベス反射濃度計(サカタインクス社製「RD−91
4」)を使用して測定した。また、体積固有抵抗は、高
抵抗測定機(油化電子(株)製「ハイレスタMCP−H
T210」)を使用し、レジスト薄膜の厚み方向につい
て測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、高遮光率
で表面反射率が低く、しかも、薄膜のブラックマトリッ
クスを提供し得る高抵抗性カーボンブラックが提供さ
れ、本発明の工業的価値は顕著である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 Fターム(参考) 2H042 AA09 AA15 AA26 2H048 BA02 BA11 BA43 BB02 BB14 BB22 BB42 4J002 BN031 DA036 FB266 GQ00 4J037 AA02 CC23 DD12 EE03 EE28 EE43 EE46 FF05 FF11 FF30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が樹脂で被覆されて成り且つ体積固
    有抵抗値が100Ω・cm以上であることを特徴とする高
    抵抗性カーボンブラック。
  2. 【請求項2】 樹脂が多官能エポキシ樹脂である請求項
    1に記載のカーボンブラック。
  3. 【請求項3】 樹脂の被覆量がカーボンブラックと樹脂
    の合計に対して5〜40重量%である請求項1又は2記
    載のカーボンブラック。
  4. 【請求項4】 樹脂で被覆されたカーボンブラックの水
    スラリーの状態で測定したpHが5以上である請求項1
    〜3記載のカーボンブラック。
  5. 【請求項5】 体積固有抵抗値が3,000Ω・cm以上
    である請求項1に記載のカーボンブラック。
  6. 【請求項6】 黒色材料が分散されたレジスト膜のパタ
    ーンニングで得られたブラックマトリックスを有するカ
    ラーフィルターにおいて、黒色材料として請求項1〜5
    の何れかに記載のカーボンブラックを使用して成ること
    を特徴とするカラーフィルター。
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