JP2003046292A - 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法 - Google Patents

透光性電磁波シールド部材およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003046292A
JP2003046292A JP2001226294A JP2001226294A JP2003046292A JP 2003046292 A JP2003046292 A JP 2003046292A JP 2001226294 A JP2001226294 A JP 2001226294A JP 2001226294 A JP2001226294 A JP 2001226294A JP 2003046292 A JP2003046292 A JP 2003046292A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
electromagnetic wave
wave shield
transparent substrate
conductive pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001226294A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Sugitani
信 杉谷
Yasuhiko Kondo
康彦 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2001226294A priority Critical patent/JP2003046292A/ja
Publication of JP2003046292A publication Critical patent/JP2003046292A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透光性および電磁波シールド性と、良
好なコントラストとを実現する透光性電磁波シールド部
材、ならびにその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の透光性電磁波シールド部材1
は、透明基板2上に、ニッケル粉末が90重量%以上で
ある金属粉末を樹脂分100重量部に対して550〜1
200重量部の割合で配合してなる導電性インキ組成物
を印刷し、こうして得られた導電性パターン10a上
に、金属メッキ等によって金属層10bを形成してなる
ものである。導電性パターン10aと金属層10bとか
らなる電磁波シールドパターン10は、線幅Wsが5〜
40μm、厚みWtが0.5〜50μmであって、透明
基板2の表面のうち導電性パターン10が形成されてい
る領域の全面積Ssと、形成されていない領域の全面積
Skとの比が式(1) : 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管(CR
T)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の表示
画面から照射される電磁波を遮蔽するための電磁波シー
ルド部材と、その製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】CRT、PDP等の表示画面から照射さ
れる電磁波を遮蔽するのに用いられる透光性電磁波シー
ルド部材は、導電性を有するストライプ状等のパターン
(電磁波シールドパターン)をガラス等の透明基板の表
面に形成したものである。電磁波シールド部材は、優れ
た透光性と電磁波シールド性(遮蔽性)とを備えること
が最も重要であるが、これらのほかに、電磁波シールド
パターンの黒色度が高いという特性も重要な要素であ
る。透光性電磁波シールド部材は、通常、透明基板の表
面のうち電磁波シールドパターンが形成されていない側
の表面を表示画面側にして配置されることから、パター
ンの黒色度が低いと表示画面のコントラストを低下させ
ることになるからである。
【0003】近年、電磁波シールドパターンの形成に
は、製造コストを削減するなどの目的で印刷法が多用さ
れている。この場合、電磁波シールドパターンを形成す
るのに用いられるインキには、黒色度を上げる目的でカ
ーボンブラック等の黒色顔料が添加され、導電性を上げ
る目的で銀粉末等の金属粉末が添加される。しかしなが
ら、電磁波シールドパターンに求められる黒色度と導電
性とを、黒色顔料や金属粉末をインキ中に配合すること
によって達成しようとすると、それらの配合量が極めて
多くなってしまう。その結果、印刷特性が低下して、電
磁波シールドパターンの印刷形状が著しく低下する問題
を招いてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本出願人らは、
先に、印刷されたパターンの表面に電気メッキ法や無電
解メッキ法によって金属層を形成することにより、パタ
ーンの導電性を高めた透光性電磁波シールド部材を提案
している(特許第3017987号、特許第30179
88号)。上記特許発明のように、パターンの表面に金
属層を形成した場合は、パターンの形成に用いるインキ
自体に大きな導電性が要求されないことから、金属粉末
を多量に配合する必要がない。
【0005】しかし、メッキによる金属層の形成に無電
解メッキではなく、電気メッキを用いる場合であって
も、あらかじめ無電解メッキによってパターンの表面に
銅等の金属を付着させる処理を施しておくのが一般的で
ある。従って、印刷により形成されたパターン中には、
無電解メッキ処理時に核となる金属をある程度存在させ
ておくことが必要となる。また、無電解メッキには、汎
用性、材料コスト、作業性等の観点から銅メッキが多用
されるが、無電解銅メッキを行うには、核となる金属と
して銀を用いるのが好適である。
【0006】ここで、銀粉末は本来白色を呈しているた
め、メッキ処理の効率(以下、「メッキ性」という。)
を考慮しつつインキ中に銀粉末を配合すると、パターン
の黒色度が低下するという事態を招いてしまう。一方、
銀粉末の配合割合を少なくしたり、黒色度を上げる目的
で黒色顔料の配合量を増やしたりする(結果的に、銀の
含有比率を低下させる)と、無電解メッキの効率が低下
して、金属層の形成が不十分になるという問題が生じ
る。
【0007】そこで、本発明の目的は、優れた透光性と
電磁波のシールド性とを維持しつつ、表示画面のコント
ラストを良好なものとすることのできる透光性電磁波シ
ールド部材と、その製造方法とを提供することであっ
て、より詳しくは、印刷法により形成されるパターンの
黒色度と当該パターンのメッキ性とを両立した透光性電
磁波シールド部材およびその製造方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結
果、樹脂中に金属粉末を配合してなる導電性インキ組成
物を用いて透明基板上に導電性パターンを形成し、さら
にその表面にメッキ処理によって金属層を形成する従来
の透光性電磁波シールド部材の製造方法において、前記
インキ組成物に配合される金属粉末としてニッケル粉末
を所定の割合で使用し、しかも当該インキ組成物中にお
ける金属粉末の含有量を所定の範囲に設定したときは、
導電性パターンの黒色度と当該パターンのメッキ性とを
両立させることができるという全く新たな事実を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明に係る透光性電磁波シー
ルド部材は、透明基板の表面に、導電性インキ組成物を
印刷してなる導電性パターンと、当該導電性パターン上
に形成される金属層と、からなる電磁波シールドパター
ンを備えるものであって、前記導電性インキ組成物が、
ニッケル粉末の割合が90重量%以上である金属粉末を
樹脂分100重量部に対して550〜1200重量部の
割合で配合してなるものであり、前記電磁波シールドパ
ターンが、線幅5〜40μm、厚み0.5〜50μmの
ストライプ状、格子状または幾何学模様のパターンであ
り、かつ、前記透明基板の表面のうち前記電磁波シール
ドパターンが形成されている領域の全面積Ssと、前記
電磁波シールドパターンが形成されていない領域の全面
積Skとの比が、式(1) : 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たすことを特徴とする。
【0010】本発明の透光性電磁波シールド部材におけ
る導電性パターンは、導電性を付与するための金属粉末
として主にニッケル粉末を使用したインキ組成物により
形成されたものである。ニッケルは、銀等と同じく、メ
ッキ処理時の核となるものであることから、導電性パタ
ーンを構成する樹脂中にニッケル粉末を所定の割合で含
有させることで、当該パターン表面への無電解メッキ処
理が可能となる。また、従来、メッキ処理時の核として
用いられていた銀粉末は、導電性パターン中で白色を呈
するため、当該パターンの黒色度を低下させる問題があ
った。これに対し、ニッケル粉末は黒色またはそれに近
い色を呈するために、ニッケル粉末を所定の割合で含有
させることによってパターンの黒色度の低下を防止する
ことができる。
【0011】従って、本発明によれば、印刷法により形
成される導電性パターンの黒色度と当該パターンのメッ
キ性とを両立させることができ、それゆえ、優れた透光
性と電磁波のシールド性とを維持しつつ、表示画面のコ
ントラストを良好なものとした透光性電磁波シールド部
材を得ることができる。かかる透光性電磁波シールド部
材は、例えばCRTやPDP等に用いるシールド部材と
して好適である。本発明に係る透光性電磁波シールド部
材の製造方法は、ニッケル粉末を90重量%以上の割合
で含む金属粉末が樹脂分100重量部に対して550〜
1200重量部の割合で配合されてなる導電性インキ組
成物を、凹版オフセット印刷法によって透明基板の表面
に印刷して導電性パターンを形成した後、当該導電性パ
ターン上に、電気メッキおよび/または無電解メッキで
選択的に金属層を形成することによって、式(1) : 1≦Sk/Ss≦9 …(1) 〔式中、Ssは透明基板の表面のうちパターンが形成さ
れている領域の全面積を示し、Skは透明基板の表面の
うちパターンが形成されていない領域の全面積を示
す。〕を満たし、かつ、線幅が5〜40μm、厚みが
0.5〜50μmであるストライプ状、格子状または幾
何学模様の電磁波シールドパターンを作製することを特
徴とする。
【0012】本発明に係る透光性電磁波シールド部材の
製造方法によれば、導電性パターンの黒色度と当該パタ
ーンのメッキ性とを両立させることができる。さらに、
導電性パターンを形成するための印刷方式が凹版オフセ
ット印刷法によるものであることから、導電性パターン
の精度、ひいては電磁波シールドパターン全体の精度を
極めて優れたものとすることができる。上記透光性電磁
波シールド部材の製造方法においては、前記凹版オフセ
ット印刷に用いる転写体は、その表面が、十点平均粗さ
(Rz)が0.5μm以下のシリコーンゴムからなるも
のであるのが好ましい。このように、インキ離型性に優
れた転写体を用いることによって、導電性パターンの印
刷精度をより一層高めることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る透光性電磁波
シールド部材とその製造方法とについて、図面を参照し
つつ、詳細に説明する。本発明の透光性電磁波シールド
部材1は、例えば図1に示すように、透明基板2の表面
に電磁波シールドパターン10を形成したものであっ
て、この電磁波シールドパターン10は、インキ組成物
を印刷することにより形成された導電性パターン10a
と、当該導電性パターン10aの表面に電気メッキまた
は無電解めっきによって形成された金属層10bとから
なるものである。
【0014】〔電磁波シールドパターンの形状〕電磁波
シールドパターン10のパターン形状には、例えば図2
に示すストライプ状のパターン11、図3および4に示
す格子状のパターン12,13、図5(a) 〜(c) に示す
幾何学模様のパターン等が挙げられる。図2〜図5にお
いて、ハッチングが施されている部分(符号10を付し
た部分)は電磁波シールドパターン部分を示す。また、
ハッチングが施されていない部分(符号20を付した部
分)は電磁波シールドパターン10が形成されていない
領域を示す。なお、透明基板2の表面の面積は、シール
ド部材として有効な領域における面積を基準として示し
たものである。
【0015】電磁波シールドパターン10の線幅Ws
と、パターン10の全面積Ssとパターン部が形成され
ていない領域20の全面積Skとの比Sk/Ssは、そ
れぞれ電磁波の遮蔽効果を充分なものとし、かつ電磁波
シールド部材の透光性を十分に確保するという観点から
設定される。なお、電磁波シールドパターン10の線幅
Wsは、パターン10自体を肉眼で認識することのでき
ない範囲で設定する必要があり、さらに線幅Ws(およ
び線間隔Wk,Wk’)は、表示画面のドットピッチと
の関係で、画像にモアレ縞(干渉縞)が生じないように
調整することが必要である。
【0016】具体的には、電磁波シールドパターン10
の線幅Wsは、5〜40μmとなるように設定される。
電磁波シールドパターン10を構成する導電性パターン
10aについて、その線幅Wsが5μmを下回るように
印刷形成するのは困難であって、導電性パターン10a
の断線が生じ易くなることでシールド特性(電磁波の遮
蔽効果)の低下を招いてしまう。逆に、線幅Wsが80
μmを超えると電磁波シールドパターン10が目視で認
識し易くなり、透光性の低下につながる。線幅Wsは上
記範囲の中でも特に5〜25μmであるのが好ましく、
5〜20μmであるのがより好ましい。
【0017】電磁波シールドパターン10の全面積Ss
と、当該パターン10が形成されていない領域20の全
面積Skとの比Sk/Ssは、1以上、9以下となるよ
うに設定される。比Sk/Ssが1を下回ると電磁波シ
ールド部材の透光性が不十分になる。逆に、比Sk/S
sが9を超えると電磁波シールド部材のシールド特性が
不十分になる。比Sk/Ssは上記範囲の中でも特に1
〜5であるのが好ましく、1〜3であるのがより好まし
い。
【0018】透光性電磁波シールド部材の開口率(%)
は、電磁波シールドパターン10の線幅Wsと、線間隔
Wkとから、次式により求められる。 開口率=〔Wk/(Wk+Ws)〕2 ×100 また、開口率(%)は、上記比Sk/Ssと次式に示す
関係にある。 Sk/Ss=開口率/(100−開口率) 電磁波シールドパターン10が長方形の格子状(12,
13)である場合、パターン10の線間隔Wk(隣り合
ったパターン10間の間隔)にはWkとWk’の2種の
間隔が存在するが、いずれの線間隔も、画像にモアレ縞
(干渉縞)等を生じさせることのない範囲に調整するこ
とが必要である。
【0019】電磁波シールドパターン10が幾何学模様
である場合において、幾何学模様のパターンには、例え
ば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形;正
方形、長方形、ひし形(図5(b) 参照)、平行四辺形、
台形等の四角形;(正)六角形(図5(c) 参照)、
(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形等の
(正)N角形;円(図5(a) 参照)、楕円、星型等の図
形単位を繰り返したものが挙げられる。前記図形単位は
2種以上を組み合わせたものであってもよい。また、電
磁波シールド部材の除電をスムーズに行うという観点か
ら、幾何学模様中の各図形単位がそれぞれ連続している
ことが好ましい。
【0020】また、電磁波シールドパターン10が幾何
学模様である場合において、線幅Wsとは、幾何学模様
を構成する1ユニット(すなわち、三角形、四角形、N
角形、円、楕円等の構成単位)の幅をいう。線間隔Wk
とはユニット間の距離をいい、1ユニットの面積の平方
根(すなわち、1ユニットを正方形と擬制したときの1
辺の長さ)を求め、隣接するユニットとの中心位置での
距離から前記平方根を引いた値をユニット間の距離とす
る。
【0021】電磁波シールドパターン10の膜厚Wtに
ついては特に限定されるものではないが、透光性電磁波
シールド部材の開口率や視野角を良好なものにするとい
う観点から、0.5〜50μmの範囲で設定するのが好
ましい。パターン10の膜厚Wtが0.5μmを下回る
と、電磁波の遮蔽効果の低下につながる。逆に、膜厚W
tが50μmを超えると、電磁波シールド部材を見る角
度によってパターン部10が目視で認識し易くなり、視
野角の低下、ひいては透光性の低下につながる。膜厚W
tは上記範囲の中でも特に1〜30μmであるのが好ま
しく、2〜15μmであるのがより好ましく、さらに好
ましくは2〜10μmである。
【0022】〔透明基板〕本発明に用いられる透明基板
としては、可視光線に対する充分な透光性を有するガラ
スやフィルムが用いられる。中でも、導電性インキから
なる導電性パターンを透明基板上に印刷形成した後、加
熱によってパターンを硬化させる工程を経ることから、
耐熱性に優れたものを用いるものが好ましい。具体的に
は、ソーダライムガラス、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルホン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA樹
脂)、ポリエーテルスルホン(PES樹脂)、ポリイミ
ド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)等
があげられる。
【0023】透明基板の厚みは特に限定されないが、電
磁波シールド部材の透光性を維持するという観点から薄
いほど好ましい。すなわち、使用時の形態(フィルム
状、シート状)や必要とされる機械的強度に応じて、通
常0.05〜5mmの範囲で設定される。 〔インキ組成物〕本発明の透光性電磁波シールド部材に
おける電磁波シールドパターンは、前述のように、イン
キ組成物を印刷してなる導電性パターンと、その表面に
電気メッキまたは無電解めっきによって形成される金属
層とからなるものである。
【0024】ここで、導電性パターンの形成に用いられ
る導電性インキ組成物は、ニッケル粉末の割合が90重
量%以上である金属粉末を、樹脂分100重量部に対し
て550〜1200重量部の割合で配合してなるもので
あることを特徴とする。 (金属粉末)インキ組成物中に配合される金属粉末は、
前述のように、その大半または全部がニッケル粉末であ
る。金属粉末中でのニッケル粉末の含有割合が90重量
%を下回ると、導電性パターンの黒色度の低下を招く。
金属粉末中でのニッケル粉末の含有割合は、上記範囲の
中でも特に100重量%であるのが好ましい。すなわ
ち、金属粉末がすべてニッケル粉末であるのが好まし
い。
【0025】ニッケルは、従来金属粉末として多用され
ていた銀とはその表面状態が異なっており、ニッケル粉
末を用いることで、インキ組成物のチキソトロピー性を
高めることができ、印刷特性を良好なものとすることが
できる。また、前述のように、ニッケル粉末は黒色系で
あることから、銀粉末を配合した場合のように、導電性
パターンの黒色度を低下させる問題を招くことがない。
本発明においては、特に限定されるものではないが、使
用するニッケル粉末の粒径は、その比表面積径が1μm
以下となるような極めて小さなものであるのが好まし
い。このようにニッケル粉末の粒径が小さい場合には、
ニッケル粉末の配合に伴ってインキ組成物の印刷特性が
低下するという問題が生じるのを抑制することができ、
しかも導電性パターンの線幅を5μm程度の極めて細い
ものとする場合にも十分に対応することができる。
【0026】なお、ニッケル粉末の比表面積径が1μm
を超えたときは、電磁波シールドパターンの線幅Wsに
ばらつきが生じて、透光性電磁波シールド部材の透光性
が低下するというおそれがある。ニッケル粉末の比表面
積径は、上記範囲の中でも特に、0.7μm以下である
のが好ましく、0.1〜0.5μmであるのがより好ま
しい。なお、ニッケル粉末の「比表面積径」とは、ニッ
ケル粉末の粒子が球形であると仮定して、式: 比表面積径=6/(比表面積×比重) により求められる。また、ニッケル粉末の「比表面積」
は、ガスの粒子表面への吸着量を測定することにより求
められる。
【0027】インキ組成物中に配合される金属粉末に
は、ニッケルのほか、例えば銀、銅、パラジウム、金、
アルミニウム、タングステン、クロム、チタン等を用い
ることができる。また、上記例示の金属単体からなる粉
末のほかに、ニッケル粉末や銅粉末の表面を銀で被覆し
たもの等を用いることもできる。ニッケル以外の金属粉
末についても、その比表面積径が前記範囲を満足するこ
とが望ましい。電磁波シールドパターンの導電性を高く
して、電磁波の遮蔽効果をより一層高くするという観点
から、導電性樹脂組成物中での金属粉末の充填密度は高
いほど好ましい。一方、電磁波シールドパターンの導電
性は、使用する金属粉末自体の体積固有抵抗のみで決ま
るものではなく、パターン中での金属粉末間の接触抵抗
によっても大きく左右される。例えば、電磁波シールド
パターンの内部に金属粒子が高密度で充填されていて
も、金属粉末間の接触抵抗が大きければ、パターン全体
の導電性が低くなる。
【0028】従って、本発明に用いられる金属粉末は、
上記例示の金属粉末の中でも、特に一定の体積に金属粉
末を充填したときの体積当たりの重量を示すタップ密度
が3.0g/cm3 以上であるのが好ましい。タップ密
度が3.0g/cm3 を下回ると充填密度が低くなって
金属粉末間の空隙が大きくなるため、金属粉末同士の接
触点が少なくなり、その結果接触抵抗が大きくなるおそ
れがある。金属粉末のタップ密度は上記範囲内でも特に
4.0g/cm3 以上であるのが好ましく、6.0g/
cm3 以上であるのがより好ましい。
【0029】金属粉末の形状は球状、鱗片状等のいずれ
の形状であってもよいが、金属粉末同士の接触面を大き
くする(接触抵抗を小さくする)ことを考慮すれば、球
状よりも鱗片状のものを使用するのが好ましい。金属粉
末の配合量は、金属粉末の充填密度や電磁波シールドパ
ターンに要求される導電性に応じて設定されるものであ
って、特に限定されないが、インキ組成物を構成する樹
脂100重量部に対して、通常、550〜1200重量
部となるように設定される。金属粉末の配合量が550
重量部を下回ると、良好なメッキを行えなくなるおそれ
がある。逆に、金属粉末の配合量が1200重量部を超
えると、導電性樹脂組成物の全量に対する樹脂の含有量
が少なくなり過ぎて、金属粉末を結合させる力が小さく
なり、その結果、電磁波シールドパターンの体積固有抵
抗が大きくなるおれがある。また、金属粉末の配合量が
1200重量部を超えると、電磁波シールドパターン
(特に導電性パターンの部分)の強度が不足したり、イ
ンキの印刷特性の著しい低下を招き、導電性パターン自
体の印刷形成が不可能になったりするおそれがある。
【0030】(樹脂)本発明において、インキ組成物を
構成する樹脂には、例えばポリエステル樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂;フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂等の熱硬化性樹脂のい
ずれをも使用することができる。中でも、加熱・硬化の
際に還元性のガスを発生して金属粉末の酸化を防止し、
金属自体が有する体積固有抵抗が低下するのを防止する
ことのできる樹脂を使用するのが好ましい。
【0031】かかる樹脂としては、硬化時にアンモニ
ア、ハロゲン化水素、ホルムアルデヒド等の還元性のガ
ス、好ましくはホルムアルデヒドを発生する熱硬化性樹
脂があげられる。ホルムアルデヒドを発生する熱硬化性
樹脂としては、例えばフェノール樹脂(とくにメチロー
ル基の多いレゾール型フェノール樹脂)やアミノ樹脂
(とくにメラミン樹脂)があげられる。レゾール型フェ
ノール樹脂の具体例としては、例えば群栄化学工業
(株)の商品名「レジトップPL2211」、同社製の
「PL4348」があげられる。メラミン樹脂の具体例
としては、例えば三井サイアナミッド(株)の商品名
「サイメル370」があげられる。
【0032】(溶剤)本発明に用いられるインキ組成物
は、凹版オフセット印刷等の印刷法にて使用するのに適
した粘度にするため、上記樹脂および金属粉末の混合物
にさらに溶剤を加えることによって、ペースト状に調製
される。使用する溶剤は、例えば沸点が150℃以上の
溶剤を用いるのが好適である。溶剤の沸点が上記範囲を
下回ると、印刷時において溶剤が乾燥しやすくなり、ピ
ンホールが発生するおそれがある。
【0033】溶剤の具体例としては、例えばヘキサノー
ル、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカ
ノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノ
ール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリ
ルアルコール、シクロヘキサノール、テルピネオールな
どのアルコール;エチレングリコールモノブチルエーテ
ル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、セ
ロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カ
ルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート
などのアルキルエーテルがあげられ、印刷適正や作業性
等を考慮して適宜選択される。
【0034】溶剤として高級アルコールを使用する場合
はインキの乾燥性や流動性が低下するおそれがあるた
め、これらよりも乾燥性が良好なブチルカルビトール、
ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルセロソ
ルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどを
併用すればよい。溶剤の使用量は、導電性樹脂組成物の
粘度によって決定されるが、上記金属粉末の添加量との
兼ね合いから、通常、樹脂100重量部に対して100
〜500重量部、好ましくは100〜300重量部であ
るのがよい。溶剤の使用量が上記範囲を下回ると、金属
粉末の添加量が最小であっても粘度が1000P(ポア
ズ)以上となって、透明基板上に印刷する際にピンホー
ルが多発してしまうおそれがある。逆に、上記範囲を上
回ると、金属粉末の使用量が最大であっても粘度が10
P以下となって、透明基板への粘着力が不足するおそれ
がある。この場合、導電性樹脂組成物が透明基板からは
じかれてしまい、良好な印刷形状でもって電磁波シール
ドパターンを形成することができなくなる問題を招く。
【0035】本発明における導電性樹脂組成物の粘度
は、通常10〜1000P、好ましくは100〜500
Pに調整するのが好ましい。上記範囲より粘度が低い場
合には印刷形状の劣化が生じる。一方、上記範囲より粘
度が高い場合には、ピンホールが多発する。 〔金属層〕導電性パターン上に形成される金属層は、金
属メッキまたは無電解メッキによって形成される金属被
膜であって、例えば銅、ニッケル、金等の金属からなる
被膜が挙げられる。金属被膜の表面が経時的に酸化する
ことを考慮して、例えば銅メッキを施した後、さらにそ
の表面にニッケルメッキや金メッキ等を施して、2種以
上の金属からなるメッキ被膜を形成してもよい。
【0036】金属層の厚み(メッキによる皮膜の厚み)
については特に限定されるものではなく、導電性パター
ン10aの厚みと金属層10bの厚みとの総和である電
磁波シールドパターン10全体の厚みWtが0.5〜5
0μmとなるように、導電性パターンの厚みに応じて設
定される(図1(b) 参照)。金属層を電気メッキによっ
て形成する方法は、以下のとおりである。まず、透明基
板上に前述のインキ組成物を印刷して導電性パターンを
形成する。次いで、この透明基板を電気メッキ用のメッ
キ液に浸漬して、透明基板を陰極とし、メッキの目的金
属を陽極として、メッキ液中に電流をかける。かかる処
理を施すことによって、導電性パターン上に目的の金属
からなるメッキ被膜が形成される。
【0037】一方、金属層を無電解メッキによって形成
するには、透明基板上に導電性パターンを形成した後、
この透明基板をメッキの目的金属のイオンを含有する無
電解メッキ液に浸漬すればよい。かかる処理を施すこと
によって、導電性パターン上に目的の金属からなるメッ
キ被膜が形成される。電気メッキに使用するメッキ液の
組成については特に限定されるものではなく、常法に従
って調製することができる。例えば、銅めっきを形成す
る場合には、メッキ液として硫酸銅水溶液を用いればよ
い。
【0038】無電解メッキに使用するメッキ液の組成等
についても特に限定されるものではなく、常法に従って
調製することができる。また、透明基板を無電解メッキ
液中に浸漬する際の条件は、30〜90℃の雰囲気下
で、30〜60分間程度の範囲で設定するのが好まし
い。上記電気メッキおよび無電解メッキにおいて、導電
性ペーストからなるパターンの表面には、当該パターン
が金属粉末を含有して導電性を有することから、金属が
析出して目的の金属被膜が形成される。これに対し、プ
ラスチックやガラスからなる透明基材の表面には金属が
析出せず、金属被膜が形成されない。従って、前記ペー
ストからなる層が形成された透明基材に電気メッキまた
は無電解メッキを施すことによって、前記パターンの表
面にのみ選択的にメッキ被膜を施すことができる。
【0039】なお、導電性ペーストからなるパターンの
表面は、金属粉末が完全に剥き出しの状態にはなってい
ない。このため、パターン表面の樹脂にエッチングを施
して、その表面で金属粉末が剥き出しになるようにする
処理(活性化)を行うのが好ましい。かかる活性化処理
は、通常、30〜50℃で、濃硫酸(98%)、濃塩酸
(36%)中に導電性ペーストからなるパターンを3〜
5分程度浸漬することによって行えばよい。
【0040】〔電磁波シールド部材の製造方法〕本発明
の透光性電磁波シールド部材は、例えば、インキ離型性
に優れたブランケットを用いた凹版オフセット印刷法に
よって、透明基板上に前述のインキ組成物を印刷し、こ
うして所定のパターンに形成された導電性パターンを加
熱乾燥等によって硬化させ、次いで導電性パターン上に
電気メッキまたは無電解メッキによって金属層を形成す
ることによって製造される。
【0041】導電性パターンの印刷形成には、凹版オフ
セット印刷法を用いるのが好ましい。凹版オフセット印
刷法は、形成されるラインの直線性が良好で、極めて微
細なパターンを高い精度で印刷再現できるという点にお
いて優れている。また、導電性パターンの印刷形成時に
使用する転写体には、インキ離型性に優れたもの、とり
わけその表面がシリコーンゴムからなるブランケットを
用いるのが好ましい。かかる転写体(ブランケット)を
用いることで、パターンの線幅が極めて細い場合であっ
ても、均一な厚みのパターンを形成することができる。
【0042】導電性パターンの印刷精度をより一層良好
なものとするには、転写体(ブランケット)として、そ
の表面の十点平均粗さ(Rz)が0.5μm以下である
シリコーンゴムからなるものを用いるのが好ましい。透
明基板上に印刷形成された導電性樹脂組成物のパターン
は、通常80〜250℃で10〜90分間、好ましくは
100〜150℃で15〜60分間加熱することにより
硬化される。
【0043】導電性パターンの表面に金属層を形成する
方法は、前述のとおりである。 〔透光性電磁波シールド部材の実施形態〕本発明の透光
性電磁波シールド部材は、例えばCRT、PDP等のデ
ィスプレイにおける表示画面の前面に設置することによ
り、表示画面から放射される電磁波の遮蔽を目的として
用いられるほか、透光性電磁波シールド部材の表面に透
明粘着層を形成し、この粘着層にディスプレイパネルま
たはディスプレイの透明基板を貼り合せることによっ
て、前記ディスプレイと一体化した電磁波シールドパネ
ルとして用いることもできる。
【0044】
〔印刷用ブランケットの製造〕
実施例1 ポリエステル樹脂〔無水トリメリト酸とネオペンチルグ
リコールとのエステル,住友ゴム工業(株)製,重量平
均分子量<Mv>20000〕100重量部と、硬化触
媒としてのp−トルエンスルホン酸1重量部と、ニッケ
ル粉末〔比表面積径0.6μm,三井金属(株)製の商
品名「2060S」〕800重量部と、溶剤としての酢
酸ブチルカルビトール40重量部とを十分に攪拌混合し
た後、3本ロールで混練することによって導電性インキ
組成物を得た。
【0045】次いで、上記導電性インキ組成物を、透明
基板2としてのポリエチレンテレフタレート(PET)
製透明フィルム上に印刷して、ストライプ状のパターン
を形成し、さらに、クリーンオーブン中にて100℃で
20分間加熱し、前記パターンを硬化させることによっ
て、厚さ10μmの導電性パターン10aを得た(図1
参照)。導電性パターン10aの形成に際して、使用し
た透明フィルム2のサイズは、縦300mm、横400
mm、厚さ0.1mmであった。インキ組成物を印刷す
る際には、凹版として、ソーダライムガラス製の基板の
表面に上記導電性パターンに対応した凹部をエッチング
によって形成したものを使用した。また、転写体には、
JIS A硬度40の付加型RTVシリコーンゴムから
なる表面層〔表面の十点平均粗さ(Rz)0.3μm〕
を備えたシリコーンブランケットを使用した。
【0046】次に、上記導電性パターン10aが形成さ
れたPETフィルムを、無電解メッキ用の銅メッキ液
〔奥野製薬工業(株)製の商品名「OPC750化学銅
A」〕中に、40℃の雰囲気で30分間浸漬して、導電
性パターン10aの表面に厚さ5μmの銅皮膜10bを
形成した。こうして、前述のインキ組成物からなる導電
性パターン10a上に銅被膜10bが形成されてなる電
磁波シールドパターン10を備えた透光性電磁波シール
ド部材1を得た。
【0047】電磁波シールドパターン10は、線幅Ws
が20μm、線間隔Wkが100μmであった。また、
電磁波シールドパターン10の全面積Ssとパターン部
が形成されていない領域20の全面積Skとの比Sk/
Ssが2.27であった。 実施例2および比較例1〜4 ニッケル粉末の配合量が異なる導電性インキ組成物を用
いたほかは、実施例1と同様にして導電性パターンの形
成を行った。また、こうして得られた導電性パターン上
に、実施例1と同様にして金属層を形成することによ
り、透光性電磁波シールド部材を得た。
【0048】比較例5 ニッケル粉末800重量部とともに、銀粉末〔平均粒子
径5.0μm,福田金属箔粉工業(株)製の商品名「シ
ルコートAgC−D」〕200重量部を配合してなる導
電性インキ組成物を用いたほかは、実施例1と同様にし
て導電性パターンの形成を行った。また、こうして得ら
れた導電性パターン上に、実施例1と同様にして金属層
を形成することにより、透光性電磁波シールド部材を得
た。なお、上記導電性インキ組成物に用いた金属粉末に
おいて、ニッケル粉末の含有割合は80重量%であっ
た。
【0049】〔導電性パターンの特性評価〕 (1) 黒色度の評価 上記実施例および比較例で使用したインキ組成物を用い
て透明基板上にベタ印刷を行い、ベタ塗り部分の黒色度
(X)を反射濃度計で測定し、その黒色度を以下の基準
で評価した。 A:X≧1.3 黒色度が極めて良好であった。 B:1.0≦X<1.3 黒色度が実用上不十分であっ
た。 C:X<1.0 黒色度が極めて不十分であった。
【0050】(2) メッキ性の評価 各実施例および比較例の電磁波シールドパターンを電子
顕微鏡で観察して、導電性パターン上に形成されたメッ
キ被膜にムラが生じていないかどうかを観察した。評価
の基準は次のとおりである。 A:パターン全体にメッキ被膜がほぼ均一に形成されて
いた。 B:メッキ被膜の形成にムラが生じており、実用上不十
分であった。 C:無電解メッキによっては、メッキ被膜を付着させる
ことができなかった。
【0051】〔透光性電磁波シールド部材の物性評価〕
上記実施例および比較例で得られた透光性電磁波シール
ド部材について、以下の特性を評価した。 (3) 透過率 分光顕微鏡〔大塚電子(株)製の型番「MCPD200
0」〕にて、波長400〜700nm(可視光領域)の
光の透過率(%)を測定して、その平均値から透光性を
評価した。透過率が高いほどシールド部材の透光性が優
れていることを示す。 A+ :90%以上 透光性が極めて良好であった。 A:80%以上、90%未満 透光性が良好であった。 A- :70%以上、80%未満 透光性が実用上十分で
あった。 B:50%以上、70%未満 透光性が不十分であっ
た。 C:50%未満 透光性が極めて不十分であった。
【0052】以上の結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1より明らかなように、導電性パターン
を形成するためのインキ組成物として、ニッケル粒子を
90重量%以上含む金属粉末を配合したものを使用し、
当該金属粉末の配合量を、前記インキ組成物の樹脂分1
00重量部に対して550〜1200重量部の範囲で設
定するとともに、しかも当該インキ組成物を用いて形成
される電磁波シールドパターンの線幅Ws、厚みWtお
よび比Sk/Ssを所定の範囲となるように調整した実
施例1および2では、導電性パターンの黒色度が十分に
高く、メッキ性が良好であった。従って、優れた透光性
と電磁波のシールド性とを維持しつつ、表示画面のコン
トラストを良好なものとした透光性電磁波シールド部材
を得ることができた。
【0055】これに対し、インキ組成物中での金属粉末
の含有量が少ない比較例1〜3では、十分なメッキ性を
得ることができなかった。一方、インキ組成物中での金
属粉末の含有量が多い比較例4では、インキ組成物の印
刷特性が極めて低く、導電性パターンの形成を行うこと
ができなかった。また、インキ組成物に使用した金属粉
末中でのニッケル粉末の含有割合が低い比較例5では、
導電性パターンの黒色度が不十分となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透光性電磁波シールド部材の一実
施形態を示す斜視図であって、(a) はその全体を示す斜
視図、(b) は(a) のA−A線拡大断面図である。
【図2】導電性パターンの一例を示す平面図である。
【図3】導電性パターンの他の例を示す平面図である。
【図4】導電性パターンの他の例を示す平面図である。
【図5】導電性パターンの他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 透光性電磁波シールド部材 2 透明基板 10 電磁波シールドパターン 10a 導電性パターン 10b 金属層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB16B AB16H AK42A AK44B AT00A BA02 CA02B CC00B DC15B DE01B GB41 HB31B JD08 JG01B JN01A YY00B 5E321 AA01 AA23 BB23 BB31 GG05 GH01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板の表面に、導電性インキ組成物を
    印刷してなる導電性パターンと、当該導電性パターン上
    に形成される金属層と、からなる電磁波シールドパター
    ンを備える透光性電磁波シールド部材であって、 前記導電性インキ組成物が、ニッケル粉末の割合が90
    重量%以上である金属粉末を樹脂分100重量部に対し
    て550〜1200重量部の割合で配合してなるもので
    あり、 前記電磁波シールドパターンが、線幅5〜40μm、厚
    み0.5〜50μmのストライプ状、格子状または幾何
    学模様のパターンであり、かつ、 前記透明基板の表面のうち前記電磁波シールドパターン
    が形成されている領域の全面積Ssと、前記電磁波シー
    ルドパターンが形成されていない領域の全面積Skとの
    比が、式(1) : 1≦Sk/Ss≦9 …(1) を満たすことを特徴とする透光性電磁波シールド部材。
  2. 【請求項2】ニッケル粉末を90重量%以上の割合で含
    む金属粉末が樹脂分100重量部に対して550〜12
    00重量部の割合で配合されてなる導電性インキ組成物
    を、凹版オフセット印刷法によって透明基板の表面に印
    刷して導電性パターンを形成した後、 当該導電性パターン上に、電気メッキおよび/または無
    電解メッキで選択的に金属層を形成することによって、
    式(1) : 1≦Sk/Ss≦9 …(1) 〔式中、Ssは透明基板の表面のうちパターンが形成さ
    れている領域の全面積を示し、Skは透明基板の表面の
    うちパターンが形成されていない領域の全面積を示
    す。〕を満たし、かつ、線幅が5〜40μm、厚みが
    0.5〜50μmであるストライプ状、格子状または幾
    何学模様の電磁波シールドパターンを作製することを特
    徴とする透光性電磁波シールド部材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記凹版オフセット印刷に用いる転写体の
    表面が、十点平均粗さ(Rz)が0.5μm以下のシリ
    コーンゴムからなるものである請求項2記載の透光性電
    磁波シールド部材の製造方法。
JP2001226294A 2001-07-26 2001-07-26 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法 Pending JP2003046292A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001226294A JP2003046292A (ja) 2001-07-26 2001-07-26 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001226294A JP2003046292A (ja) 2001-07-26 2001-07-26 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003046292A true JP2003046292A (ja) 2003-02-14

Family

ID=19059134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001226294A Pending JP2003046292A (ja) 2001-07-26 2001-07-26 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003046292A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006261315A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Fuji Photo Film Co Ltd 透光性導電性膜、透光性電磁波シールド膜および光学フィルター
WO2008001958A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Seiren Co., Ltd. maillage de BLOCAGE Des ondes électromagnétiques

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000196286A (ja) * 1998-12-25 2000-07-14 Sumitomo Rubber Ind Ltd 透光性電磁波シ―ルド部材およびその製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000196286A (ja) * 1998-12-25 2000-07-14 Sumitomo Rubber Ind Ltd 透光性電磁波シ―ルド部材およびその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006261315A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Fuji Photo Film Co Ltd 透光性導電性膜、透光性電磁波シールド膜および光学フィルター
JP4500715B2 (ja) * 2005-03-16 2010-07-14 富士フイルム株式会社 透光性導電性膜の製造方法、透光性導電性膜、透光性電磁波シールド膜および光学フィルター
WO2008001958A1 (fr) * 2006-06-30 2008-01-03 Seiren Co., Ltd. maillage de BLOCAGE Des ondes électromagnétiques
JP2008010701A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Seiren Co Ltd 電磁波遮蔽メッシュ
EP2040529A1 (en) * 2006-06-30 2009-03-25 Seiren Co., Ltd Electromagnetic wave shielding mesh
EP2040529A4 (en) * 2006-06-30 2010-11-10 Seiren Co Ltd LOCKING MESH OF ELECTROMAGNETIC WAVES

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4549545B2 (ja) 電磁波シールド材の製造方法、並びにパターン形成方法
EP0998182B1 (en) Electromagnetic shield plate
JP2000196285A (ja) 透光性電磁波シ―ルド部材およびその製造方法
JP2010520934A (ja) 黒色導電性ペースト組成物、これを含む妨害電磁波遮蔽フィルター、及び表示装置
JP2006261322A (ja) 電磁波シールドフィルムおよびその製造方法
JP2004111822A (ja) 透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP3017988B1 (ja) 透光性電磁波シ―ルド部材およびその製造方法
JP4266288B2 (ja) 電磁波遮蔽シートの製造方法および電磁波遮蔽シート
JP3532146B2 (ja) 透光性電磁波シールド部材とその製造方法
JP2002133944A (ja) 導電性インキ組成物とそれを用いた微細パターンの印刷方法および透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP2002111278A (ja) 透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP3544498B2 (ja) 透光性電磁波シールド部材とその製造方法
JP3241348B2 (ja) 透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP2002057490A (ja) 透光性電磁波シールド部材とその製造方法
JP2003046292A (ja) 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法
JP2000269682A (ja) 透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP3425400B2 (ja) 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法
JP3040395B1 (ja) 透光性電磁波シ―ルド部材の製造方法
JP2011222853A (ja) 電磁波遮蔽フィルタの製造方法、及び電磁波遮蔽フィルタ
JP2004087904A (ja) 電磁波シールド板の製造方法
JP4459016B2 (ja) 電磁波シールド材及びその製造方法
JP2010080826A (ja) 電磁波シールド材
JP2000174484A (ja) 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法
JP2000269683A (ja) 透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP3398092B2 (ja) 透光性電磁波シールド部材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101007

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110217