JP2005064174A - 電磁波シールド体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明基板の視認性を損なうことが無く、例えパターンを狭くして十分な開口率を得ることができ、透光性とシールド性を両立させることができるとともに、透明基板のうねりによる影響を受けずに濃淡むらのないパターンを得ることのできる電磁波シールド体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 セパレータ24の片側全表面に導電インクを塗布乾燥させて導電層25を形成し、導電層25の表面に黒色粘着層26を黒色インクによりスクリーン印刷してパターン形成し、導電層25を溶解するが、黒色粘着層26を溶解しない溶媒により、黒色粘着層26から露出した導電層25の非パターン部である露出領域を溶解除去して中間体29を形成する。そして、透明基板20に上下逆にした中間体29のパターン化された黒色粘着層26及び導電層25を転写した後、熱処理を加えて導電層25を導電化して電磁波シールド層とし、電磁波シールド体を得る。
【選択図】 図4
【解決手段】 セパレータ24の片側全表面に導電インクを塗布乾燥させて導電層25を形成し、導電層25の表面に黒色粘着層26を黒色インクによりスクリーン印刷してパターン形成し、導電層25を溶解するが、黒色粘着層26を溶解しない溶媒により、黒色粘着層26から露出した導電層25の非パターン部である露出領域を溶解除去して中間体29を形成する。そして、透明基板20に上下逆にした中間体29のパターン化された黒色粘着層26及び導電層25を転写した後、熱処理を加えて導電層25を導電化して電磁波シールド層とし、電磁波シールド体を得る。
【選択図】 図4
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)、フィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDという)等の表示画面から放射される電磁波をシールドする電磁波シールド体及びその製造方法に関するものである。
カラーテレビには様々なタイプがあるが、近年、図6に示すカラーのPDP1が注目されている。このPDP1は、発光部であるパネル本体(図示せず)と、このパネル本体の前面に装着されてパネル本体を保護すると共に、電磁波の遮蔽等の機能を有する前面パネル2とを備え、周囲にフレーム3が装着されており、視野角、応答速度、鮮明性に優れるという特徴を有している。
前面パネル2は、図7に示すように、透明基板20の表面に電磁波シールド層21と無反射処理層22とが順次積層され、透明基板20の裏面には近赤外線吸収層23が形成されている。透明基板20には、電磁波をシールドして周囲の電子・電気機器や人体等に対する悪影響を抑制防止する電磁波シールド層21が形成されるが、この電磁波シールド層21を形成する場合には、例えば透明基板20の表面に導電インクによりスクリーン印刷して網層をパターン形成し、この網層に透明の保護層をスクリーン印刷する方法が採用されている(特許文献1参照)。
特開平9−283977号公報
従来の電磁波シールド層21は、以上にように透明基板20に網層が導電インクにより単にスクリーン印刷されるが、これではパターンの形成に伴い、パターンによる乱反射で電磁波シールド体が全体として曇るので、電磁波シールド体に要求される重要な視認性を損なうという大きな問題がある。また近年、電磁波シールド体のパターンは、30μm以下の狭い幅が求められているが、単なるスクリーン印刷では100μm以上の幅となり、十分な開口率を得ることができない。また、十分な開口率を確保しようとすると、シールド性に悪影響を及ぼし、透光性とシールド性とを両立させることができないおそれが少なくない。
さらに、透明基板20として、例えばフロートガラスを用いた場合、数十μm程度の厚さばらつき、表面のうねりを有しているので、これに印刷を施すと、表面のうねりの影響によりパターン線幅にばらつきを生じ、これが濃淡むらとなって認識され、表示機器としての品位を劣化させるという問題がある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、透明基板の視認性を損なうことが無く、例えパターンを狭くして十分な開口率を得ることができ、透光性とシールド性とを両立させることができるとともに、透明基板のうねりによる影響を受けずに濃淡むらのないパターンを得ることのできる電磁波シールド体及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明においては、上記課題を解決するため、透明基板の電磁波シールド層により電磁波をシールドするものであって、
電磁波シールド層を、透明基板の片面にパターン形成されて光線を吸収する黒色粘着層と、この黒色粘着層に形成される導電層とから構成したことを特徴としている。
電磁波シールド層を、透明基板の片面にパターン形成されて光線を吸収する黒色粘着層と、この黒色粘着層に形成される導電層とから構成したことを特徴としている。
また、本発明においては、上記課題を解決するため、電磁波をシールドするものの製造方法であって、
セパレータの片側全面に導電層を形成してこの導電層上には黒色粘着層をパターン形成する工程と、黒色粘着層を溶解しない溶媒を使用して黒色粘着層から露出した導電層の露出領域を溶解除去し、中間体を形成する工程と、この中間体のパターン化された導電層と黒色粘着層とを透明基板に転写する工程とを含んでなることを特徴としている。
セパレータの片側全面に導電層を形成してこの導電層上には黒色粘着層をパターン形成する工程と、黒色粘着層を溶解しない溶媒を使用して黒色粘着層から露出した導電層の露出領域を溶解除去し、中間体を形成する工程と、この中間体のパターン化された導電層と黒色粘着層とを透明基板に転写する工程とを含んでなることを特徴としている。
なお、溶媒により露出領域が溶解除去される際の導電層を水溶性とするとともに、黒色粘着層を非水溶性とすることが好ましい。
また、黒色粘着層をスクリーン印刷によりパターン形成することが好ましい。
また、黒色粘着層をスクリーン印刷によりパターン形成することが好ましい。
ここで、特許請求の範囲における透明基板としては、強化ガラスや半強化ガラスの他、歪みの問題を生じなければ、例えばアクリル基板等が使用される。この透明基板には、電磁波シールド層の他、無反射処理層や近赤外線吸収層を適宜形成することができる。導電層と黒色粘着層とは、最終的には格子形、ストライプ形、その他幾何学模様等にパターン形成され、電磁波シールド層を形成する。黒色粘着層の導電性の有無については特に問うものではない。
黒色粘着層のパターン形成には、生産性や量産性等に優れる安価なスクリーン印刷法を主に用いるが、オフセット印刷法等を用いることもできる。さらに、本発明に係る電磁波シールド体は、PDPの前面パネルの一部として使用されるが、なんらこれに限定されるものではない。例えば、FED等の他の機器に使用することができる。PDPには、DC型、AC型、ハイブリッド型等があるが、特に限定されるものではない。
以上のように本発明によれば、透明基板の視認性を損なうことが無く、パターンを狭くして十分な開口率を得ることができるという効果がある。また、透光性とシールド性とを両立させることができ、透明基板のうねりによる影響を受けずに濃淡むらのないパターンを有する電磁波シールド体を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における電磁波シールド体の製造方法は、図1ないし図5に示すように、セパレータ24の片側に導電インクを塗布乾燥させて導電層25を形成し、この導電層25の表面に黒色粘着層26を黒色インクによりスクリーン印刷してパターン形成し、導電層25を溶解するものの、黒色粘着層26を溶解しない溶媒Sにより、黒色粘着層26から露出した導電層25の非パターン部である露出領域27を溶解除去して中間体29を形成するとともに、透明基板20に上下逆にした中間体29のパターン化された黒色粘着層26及び導電層25を転写し、その後、熱処理を加えて導電層25を導電化して電磁波シールド層21とし、電磁波シールド体30を得るようにしている。
セパレータ24としては、例えばPET、PP、PE、フッ素樹脂等からなる厚さ25〜250μm程度のフィルム基材に、必要に応じてシリコーン等の離型処理が施された公知のセパレータ24が使用される。このセパレータ24は、印刷時に濃淡むらを生じないよう、厚さばらつきの少ないものを選択することが好ましい。具体的には、10μm以内、好ましくは5μm以内のばらつきのセパレータ24を使用すると良い。
導電層25は、樹脂バインダー(A)と導電性付与フィラーとを含む導電インクからなり、硬化剤、架橋剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等が必要に応じて添加され、セパレータ24の片側全表面に塗布形成される。この導電層25は、熱処理により導電化して黒色粘着層26と共に電磁波シールド層21を形成する。
樹脂バインダー(A)は、導電層25の露出領域27を溶解除去する時点において、黒色インクを構成する樹脂バインダー(B)を溶解しない適宜の溶媒Sに溶解するバインダーである必要がある。作業性や無害性を考慮すると、導電層25の露出領域27を除去するための溶媒Sとして、酸性、中性、アルカリ性、温水を含む水系のタイプを使用することが好ましい。このような水溶性の樹脂バインダー(A)としては、ポリビニルアルコール、酸価80〜500mgKOH程度の酸ポリマー等が例示される。
導電性付与フィラーとしては、入手の容易性、コスト、導電性、耐酸化性に優れる銀粒子が好ましい。この導電インクに用いられる銀粒子の平均粒径は、0.05〜1μm、好ましくは0.07〜0.8μmが良い。
これは、平均粒径が0.05μm未満の場合は、凝集しやすくなり、この凝集を抑えるために多量の分散剤の添加を必要とし、この分散剤が導電性に悪影響を与えるおそれが大きいためである。逆に、1μmを超える場合には,銀粒子の脱落やはみ出しにより、パターンエッジの直線性に与える影響が大きくなり、微細なパターンを得ることが困難になるからである。導電インクは、加工法に応じ、溶剤等の添加により最適な性状に調整される。
なお、導電層25を構成する成分として、黒色粘着層26との密着性、機械的特性、耐久性、信頼性を向上させ、露出領域27を除去する溶媒Sには、不溶の樹脂成分を全体の除去性を損なわない範囲で添加することができる。この際の添加量は、溶解性の樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部の範囲が最適である。
黒色粘着層26は、樹脂バインダー(B)と黒色の顔料、染料等の着色剤を含む黒色インクからなり、適宜の溶剤により粘度調整されるとともに、硬化剤、架橋剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、沈殿防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等が必要に応じて添加されており、導電層25上にスクリーン印刷により積層形成される。この黒色粘着層26は、熱処理により導電化した導電層25と共に電磁波シールド層21を形成する。
黒色インクを構成する樹脂バインダー(B)としては、導電層25の露出領域27を溶解除去する時点において、導電層25の露出領域27除去用の溶媒Sに不溶の樹脂を用いる必要がある。特に、上記理由により、黒色インクに用いた樹脂バインダー(A)が水溶性であれば、比較的極性の少ない樹脂を選択すれば、容易に非水溶性とすることができる。
また、印刷直後においては溶媒Sに可溶性であっても、加熱処理、UV照射等により黒色粘着層26のみを不溶化することも可能である。例えば、低温硬化タイプのパーオキサイドを添加したアクリレート系粘着剤、光開始剤を添加したアクリレート系粘着剤等を用いる方法が例示される。
なお、導電層25との密着性の向上を目的として、非溶解性を損なわない程度に溶解性樹脂を添加しても良い。この際の添加量は、非溶解性の樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部の範囲が好適である。
さらに、導電層25と黒色粘着層26との密着性を向上させる場合には、一部双方が溶解する同種の溶媒を有するような組み合わせとすることが好ましい。このようにするためには、具体的には、導電インクの樹脂バインダー(A)として酸価100mgKOHのアルカリ可溶性であるアクリル基含有酸ポリマーを選択した場合、このものはメトキシブチルアセテート、酢酸カルビトール、グリコール類等の極性溶剤に溶解可能である。黒色インクに使用する樹脂バインダー(B)としては、非水溶性であり、上記極性溶剤に溶解可能な酸価50mgKOH以下、好ましくは20mgKOH以下のアクリル系粘着剤を選択する組み合わせが例示される。
透明基板20は、例えば強化されて耐熱性や透光性に優れる平面略矩形のガラス板からなる。この透明基板20は、例えば平坦なソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が使用される。透明基板20の厚さは、特に限定されるものではないが、重量、視認性や透光性の観点から薄い方が好ましいものの、機械的強度を考慮し、0.05〜5mm、好ましくは1.5〜3mm程度の厚さに形成される。
上記において、電磁波シールド体30を製造する場合には、先ず、セパレータ24を用意し(図1参照)、このセパレータ24の片側全面に銀インクを塗布乾燥させて導電層25を形成し、この導電層25上に、黒色インクをスクリーン印刷して黒色粘着層26をパターン形成する(図2参照)。導電層25の形成に際しては、例えばロールコータやグラビアコータ等を用いることができる。
導電層25は、乾燥後に1〜5μmの厚さとなることが好ましい。これは、導電層25の厚さが1μm未満の場合には、導電性が不足するおそれがあると共に、黒色インクの溶剤吸収能力が不足し、導電パターンの幅方向に対する広がり、換言すれば、パターンのだれを生じやすくなるからである。逆に、5μmを超える場合には、導電層25の露出領域27を除去する工程において、黒色パターンで覆われた導電層25が横方向から侵食されやすくなり、ひいてはパターンの欠損を生じ、露出領域27のみを安定的に除去することが困難となるおそれがあるからである。
このように導電層25は、黒色インクの溶剤を吸収し、パターンの幅方向に対する広がりを防止するよう機能する。換言すれば、パターンのだれを有効に防止する。
次いで、黒色粘着層26から露出した導電層25の露出領域27をスプレー28やディッピング等の方法による所定の溶媒Sで除去(図3参照)し、黒色粘着層26が導電層25同様にパターン形成された中間体29を形成する。
こうして中間体29を形成したら、この中間体29を上下逆にして透明基板20の表面に位置合わせする。そして、導電層25を伴った黒色粘着層26を転写(図4参照)し、不要となったセパレータ24を取り除く。
そして、積層した黒色粘着層26と導電層25とが転写された透明基板20をオーブン等に投入して200〜600℃の温度で熱処理し、この熱処理を所定の時間維持して導電層25を収縮させつつ導電化し、黒色粘着層26と導電層25とからなる電磁波シールド層21を形成し、その後、所定温度に冷却してオーブンから取り出せば、透光性の電磁波シールド体30を得ることができる(図5参照)。
電磁波シールド層21におけるパターンの線幅は2〜40μmが好ましい。これは、線幅が2μm未満の場合には、電磁波シールド特性が劣化し、しかも、パターンの断線を招くおそれがあるという理由に基づく。逆に、線幅が40μmを超える場合には、透光性を維持するために線間隔を広げる必要があり、透光性とシールド特性の両立が困難となるとともに、パターン自体が肉眼で認識可能となり、表示体の視認性を劣化させるおそれがあるからである。
電磁波シールド体30を製造したら、透明基板20の裏面に近赤外線吸収層23を透明の接着剤により接着し、電磁波シールド層21に無反射処理層22を透明の接着剤により接着すれば、前面パネル2を得ることができる。無反射処理層22は、必要がなければ、適宜省略することができる。また、近赤外線吸収層23と無反射処理層22が形成されたフィルム材を貼り付けることも可能である。
上記によれば、透明基板に導電層25を直接形成するのではなく、透明基板20と導電層25との間に、光線を吸収する無彩色の黒色粘着層26を介在させるので、電磁波シールド体30が乱反射により曇ることがない。したがって、電磁波シールド体30に求められる視認性を著しく向上させることができる。
また、黒色粘着層26から露出した導電層25の露出領域27を除去し、電磁波シールド層21をパターン形成するので、パターン化された黒色粘着層26と導電層25とを高精度に位置決めして重ねる必要が全くない。この結果、パターン線幅を40μm、好ましくは30μm、より好ましくは20μm程度に狭めることができ、従来法では不可能だったパターンの線幅を狭めることができる。
また、厚さ精度の良いセパレータ24に印刷を施し、これを透明基板20に転写するので、透明基板20の有する数十μm程度の厚さばらつき、表面のうねりの影響を受けることがなく、濃淡むらのないパターンを有する電磁波シールド体30を得ることが可能になる。また、導電性の高い銀からなる導電層25を形成するので、良好なシールド性を得ることができ、しかも、空気雰囲気中での熱処理が可能になる。
さらに、黒色粘着層26と導電層25を透明基板20に転写した後に熱処理するので、黒色粘着層26として熱硬化性の樹脂バインダーを用いた場合、架橋により信頼性が向上し、しかも、導電層25の導電性の向上が大いに期待できる。
以下、本発明に係る電磁波シールド体及びその製造方法の実施例について説明する。
先ず、アクリル基含有スチレン−無水マレイン酸共重合体系のアルカリ可溶性樹脂(酸価105mgKOH)とポリエチレングリコールジメタクリレート(架橋性モノマー)とからなる組成物(配合比5:1)を樹脂バインダー(A)とし、この樹脂バインダー(A)100質量部に、架橋剤として日本油脂製〔パーヘキサ 25B〕を3質量部、導電性付与フィラーとして重量平均粒子径0.3μmの略球形の銀粉末を1500質量部、粘度調整用溶剤としてブチルグリコールを400質量部添加して導電インクを調製し、厚さ100μm、幅600mm、長さ100mのフッ素樹脂系セパレータ上にグラビアコータを用いて連続塗布し、厚さ3μm(乾燥後)の導電層を形成した。
次いで、酸価1mgKOH以下のアクリル系粘着剤〔SKダインSC−1202〕(綜研化学社製、商品名、溶剤としてブチルグリコール及びキシレンを使用)を樹脂バインダー(B)とし、この樹脂バインダー(B)の固形分100質量部に、黒色着色剤として黒鉛化カーボンを10質量部添加して黒色インクを調製し、スクリーン印刷法により、上記導電層上に黒色粘着層を形成、120℃のIR乾燥炉にて3分間乾燥させた。
印刷に使用したスクリーンは、SUS#380のメッシュとし、乳剤厚さ10μmで、530mm×930mmの矩形領域に、線幅20μm、ピッチ300μm、バイアス15°の格子状の開口パターンを有し、この外側全周に幅25mmのアース用電極部を形成するための開口部(内部の格子パターンと連通)を有するものとした。
次いで、2.38%のTMAH水溶液を使用してスプレー法により導電層の露出領域を除去し、中間体を作製した。こうして中間体を作製したら、厚さ2.5mm、縦582mm×横982mmの半強化ソーダライムガラス(透明ガラス)にロールラミネータを用いて中間体を密着しながらセパレータを剥離し、導電層を伴った黒色粘着層を転写し、これを250℃のオーブンで60分間加熱処理して電磁波シールド体を得た。
得られた電磁波シールド体を縦20cm×横20cmに切り出し、アドバンテスト法により、周波数0.1MHz〜1GHzの範囲における電磁波の減衰率(dB)を測定し、係る周波数範囲における電磁波シールド効果を評価した。評価の結果、全領域にわたって50dBを超える非常に優れた電磁波シールド性を確認した。
また、可視光線(波長400〜700nm)の分光透過率を測定したところ、全領域にわたって80%を超える非常に優れた透光性を示した。また、電磁波シールドパターンを内側にしてPDPの前面パネルとし、パネル本体前面に5mmの空隙を設けて設置した後、表示画像の視認性を目視にて評価したところ、濃淡むらやメッシュが全く見られなかった。さらに、コントラストが著しく高く、きわめて良好な画像を得ることができた。
1 PDP
2 前面パネル
20 透明基板
21 電磁波シールド層
22 無反射処理層
23 近赤外線吸収層
24 セパレータ
25 導電層
26 黒色粘着層
27 露出領域
29 中間体
30 電磁波シールド体
S 溶媒
2 前面パネル
20 透明基板
21 電磁波シールド層
22 無反射処理層
23 近赤外線吸収層
24 セパレータ
25 導電層
26 黒色粘着層
27 露出領域
29 中間体
30 電磁波シールド体
S 溶媒
Claims (4)
- 透明基板の電磁波シールド層により電磁波をシールドする電磁波シールド体であって、電磁波シールド層を、透明基板の片面にパターン形成されて光線を吸収する黒色粘着層と、この黒色粘着層に形成される導電層とから構成したことを特徴とする電磁波シールド体。
- 電磁波をシールドする電磁波シールド体の製造方法であって、セパレータの片側全面に導電層を形成してこの導電層上には黒色粘着層をパターン形成する工程と、黒色粘着層を溶解しない溶媒を使用して黒色粘着層から露出した導電層の露出領域を溶解除去し、中間体を形成する工程と、この中間体のパターン化された導電層と黒色粘着層とを透明基板に転写する工程とを含んでなることを特徴とする電磁波シールド体の製造方法。
- 溶媒により露出領域が溶解除去される際の導電層を水溶性とするとともに、黒色粘着層を非水溶性とする請求項2記載の電磁波シールド体の製造方法。
- 黒色粘着層をスクリーン印刷によりパターン形成する請求項2又は3記載の電磁波シールド体の製造方法。
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