JP2008242246A - 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびフラットパネルディスプレイの製造方法 - Google Patents

無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびフラットパネルディスプレイの製造方法 Download PDF

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武司 吉田
Yoshinori Kinoshita
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Abstract

【課題】感度の良好なフラットパネルディスプレイ用ブラックマトリクス、絶縁膜、隔壁および回路材料等を形成することのできる無機粉体含有樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の無機粉体含有樹脂組成物は、(A)顔料およびガラス粉体を含む無機粉体、(B)下記式(1)で表される化合物に由来の構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂を含む結着樹脂、(C)光重合性モノマーおよび(D)光重合開始剤を含有する。
Figure 2008242246

〔R1は水素原子又は炭素数1〜5の1価の炭化水素基、R2は2価の有機基を示す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイのブラックマトリクスや回路材料等のパターンを形成するのに好適な無機粉体含有樹脂組成物、該組成物からなる無機粉体含有樹脂層を有する転写フィルムおよび該転写フィルムを用いたフラットパネルディスプレイの製造方法に関する。
近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう。)、フィールドエミッションディスプレイ(以下「FED」ともいう。)などのフラットパネルディスプレイ(以下「FPD」ともいう。)が注目されている。
PDPは、透明電極を形成し、近接した2枚のガラス板の間にアルゴンまたはネオンなどの不活性ガスを封入し、プラズマ放電を起こしてガスを光らせることにより、蛍光体を発光させて情報を表示するディスプレイである。一方、FEDは、電界印可によって陰極から真空中に電子を放出させ、その電子を陽極上の蛍光体に照射することにより、蛍光体を発光させて情報を表示するディスプレイである。
図1は交流型のPDPの断面形状を示す模式図の一例である。同図において、1および2は対向配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガラス基板1、ガラス基板2および隔壁3によりセルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定された透明電極、5は透明電極4の抵抗を下げる目的で、当該透明電極4上に形成されたバス電極、6はガラス基板2に固定されたアドレス電極、7はセル内に保持された蛍光物質、8は透明電極4およびバス電極5を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘電体層、6はアドレス電極、9は被覆するようガラス基板2の表面に形成された誘電体層、10は、たとえば、酸化マグネシウムよりなる保護膜である。
また、カラーFPDにあっては、コントラストの高い画像を得るため、ガラス基板と誘電体層との間に、カラーフィルター(赤色・緑色・青色)やブラックマトリクスなどを設けることがある。
このようなFPDの誘電体、隔壁、電極、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックスマトリクスの製造方法としては、たとえば、
(1)非感光性の無機粉体含有ペーストを基板上にスクリーン印刷してパターンを形成し、これを焼成するスクリーン印刷法(たとえば、特許文献1参照)や、
(2)感光性の無機粉体含有樹脂層を基板上に形成し、この膜にフォトマスクを介して紫外線を照射した上で現像することにより基板上にパターンを残存させ、これを焼成するフォトリソグラフィー法(たとえば、特許文献2,3参照)などが知られている。これらの中では、厚膜パターンの形成工程が簡便であることや、パターン形状に優れていることなどから、特に上記(2)のフォトリソグラフィー法が好適に用いられる。
ここで、上記ブラックマトリクスにおいては、画像のコントラストを高める目的で、光が画面外で反射して視認性の妨げにならないよう反射率の低い性能(好ましくは波長550nmまたは全光線での反射率が2%以下)と透過率が低い性能(好ましくは波長550nmまたは全光線での透過率が10%以下)とを両立させる必要がある。
しかしながら、上記のように透過率を低くすると、上記フォトリソグラフィー法を用い
た場合、露光時に膜厚方向の感度が低下し、パターニング形状が悪くなるという問題がある。
このように膜厚方向の感度が低下すると、感光性樹脂がネガ型の場合には表面付近のみが硬化するため、現像時にアンダーカットが生ずることがある。そのため、現像後のパターン形状が悪化したり、基板から膜がはがれるなどの問題が発生することがある。また、続く焼成工程においてパターンに反りが生じ、高精彩なブラックマトリクスが得られないこともある。
特開平6−321619号公報 特開平9−102273号公報 特開平11−162339号公報
本発明の課題は、感度の良好なフラットパネルディスプレイ用ブラックマトリクス、絶縁膜、隔壁および回路材料等のパネル部材を形成することのできる無機粉体含有樹脂組成物、該組成物からなる無機粉体含有樹脂層を有する転写フィルム、ならびに平滑で反りのない、パターニング性能の良好なブラックマトリクス、絶縁膜、隔壁および回路材料等のパターンを形成することのできるフラットパネルディスプレイの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、特定のモノマーをアルカリ可溶性樹脂の構成モノマーとして用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る無機粉体含有樹脂組成物は、(A)顔料(a−1)およびガラス粉体(a−2)を含む無機粉体、(B)下記式(1)で表される化合物に由来の構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂を含む結着樹脂、(C)光重合性モノマー、および(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする。
Figure 2008242246
〔式(1)中、R1は水素原子または炭素数1〜5の1価の炭化水素基を示し、R2は2価の有機基を示す。〕
上記顔料(a−1)は、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Cu、TiおよびSnから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物ならびに複合酸化物を含むことが好ましく、上記ガラス粉体(a−2)は、軟化点が400〜500℃の無鉛ガラス粉体であることが好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記式(1)で表される化合物に由来の構成単位を10〜90質量%の範囲で含むことが好ましい。
本発明の無機粉体含有樹脂組成物は、(E)有機シラン化合物をさらに含有してもよい
本発明に係る転写フィルムは、支持フィルム上に、上記本発明の無機粉体含有樹脂組成物を用いて形成される無機粉体含有樹脂層を有することを特徴とする。
本発明に係るフラットパネルディスプレイの製造方法は、基板上に、請求項6に記載の転写フィルムの無機粉体含有樹脂層を転写する工程、該無機粉体含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、該無機粉体含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程、および該パターンを焼成処理する工程を含むことを特徴とする。
本発明の組成物を用いれば、硬化深度が高く、現像耐性に優れた無機粉体含有樹脂層を有する転写フィルムが得られる。それゆえ、本発明の転写フィルムを用いれば、平滑で反りのない、優れたパターニング性能を有するフラットパネルディスプレイ向けのブラックマトリクス、絶縁膜、隔壁および回路材料等のパターンを形成することができる。
以下、本発明の無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびフラットパネルディスプレイの製造方法について詳細に説明する。
〔無機粉体含有樹脂組成物〕
本発明の無機粉体含有樹脂組成物は、(A)無機粉体、(B)結着樹脂、(C)光重合性モノマーおよび(D)光重合開始剤を含有する。また、本発明の組成物は、(E)有機シラン化合物やその他の成分をさらに含有してもよい。以下、本発明の組成物の各構成成分について具体的に説明する。
<無機粉体(A)>
本発明で用いられる無機粉体(A)としては、顔料(a−1)およびガラス粉体(a−2)を用いる。
上記顔料(a−1)としては、たとえば、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Cu、TiおよびSnから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物ならびに複合酸化物が挙げられる。具体的には、四酸化三コバルト(Co34)またはコバルト含有複合酸化物などが好ましく用いられる。これらの顔料は、1種単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料(a−1)として四酸化三コバルトまたはコバルト含有複合酸化物を用いる場合、その比表面積は7.5m2/g以上20m2/g以下、好ましくは10m2/g以上2
0m2/g以下である。前記比表面積が7.5m2/g未満であると、光透過率の低いブラックマトリクスが得られない。また、20m2/gを越えると、赤味がかった色のブラックマトリクスが形成されるなど、良好な黒色を有するブラックマトリクスを得られないおそれがあるため好ましくない。ここで「比表面積」とは、BET法により求められる比表面積の平均値をいう。
上記顔料(a−1)の平均粒子径は、通常、0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmである。
上記ガラス粉体(a−2)としては、好ましくは軟化点が400〜500℃のガラス粉体が用いられる。ガラス粉体の軟化点が400℃未満である場合には、無機粉体含有樹脂層の焼成工程において、結着樹脂などの有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粉体が溶融し、形成されるブラックマトリクス中に有機物質の一部が残留することがある。そのため、得られるフラットパネルディスプレイ内にアウトガスが拡散する結果、蛍光体の寿命を低下させるおそれがある。一方、ガラス粉体の軟化点が500℃を超える場合には、無機粉体含有樹脂層を500℃より高温で焼成する必要があるため、該樹脂層の被転写体であるガラス基板に歪みなどが発生することがある。
上記ガラス粉体(a−2)の好適な具体例としては、
(1)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化カルシウム系(PbO−B23−SiO2−CaO 系)、
(2)酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化ケイ素系(ZnO−B23−SiO2系)、
(3)酸化鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化アルミニウム系(PbO−B23−SiO2−Al23系)、
(4)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化ケイ素系(PbO−ZnO−B23−SiO2系)、
(5)酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素および酸化チタン系(PbO−ZnO−B23−SiO2−TiO2系)、
(6)酸化ビスマス、酸化ホウ素および酸化ケイ素系(Bi23−B23−SiO2系)

(7)酸化亜鉛、酸化リンおよび酸化ケイ素系(ZnO−P25−SiO2系)、
(8)酸化亜鉛、酸化ホウ素および酸化カリウム系(ZnO−B23−K2O系)、
(9)酸化リン、酸化ホウ素および酸化アルミニウム系(P25−B23−Al23系)、
(10)酸化亜鉛、酸化リンおよび酸化チタン系(ZnO−P25−TiO2系)混合物
(11)酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化バリウム、酸化ストロンチウムおよび酸化ケイ素系(Bi23−ZnO−B23−BaO−SrO−SiO2系)
などを挙げることができる。これらのうち、無鉛ガラス、すなわち、上記(6)〜(11)のガラス粉体が、混練後に得られる組成物の経時安定性の観点から好適に用いられる。
上記ガラス粉体(a−2)の平均粒子径は0.1〜3.0μmであることが好ましい。
上記無機粉体(A)に含まれる顔料(a−1)およびガラス粉体(a−2)の含有割合は、無機粉体(A)全量に対して、顔料(a−1)が好ましくは5〜30質量%、ガラス粉体(a−2)が好ましくは70〜95質量%である。顔料(a−1)の割合が前記範囲内であることにより、顔料が焼成後も表面に析出することなくガラス粉体とともに膜内に埋包され、表面平滑性に優れ、反射率が低く、遮光性に優れたブラックマトリクスが得られる。また、ガラス粉体(a−2)の割合が前記範囲内であることにより、表面平滑性に優れ、反射率が低く、遮光性に優れたブラックマトリクスが得られ、焼成後の基板に対する密着性や膜強度が良好となる効果が得られる。
特に本発明の組成物においては、ガラス粉体の含有量が高いことから、焼成後のブラックマトリクスの表面平滑性が向上し、画面に当たって拡散反射する光の量が低下し、低い反射率を得ることに成功したと考えられる。
また、本発明の組成物には、上記顔料(a−1)およびガラス粉体(a−2)以外のその他の無機粉体が含まれていてもよい。具体的には、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素および酸化セリウムなどの無機酸化物などが挙げられる。その他の無機粉体の含有量は、好ましくは無機粉体(A)全量の30質量%以下である。
<結着樹脂(B)>
本発明の組成物を構成する結着樹脂(B)は、下記式(1)で表される化合物(以下「化合物(1)」ともいう。)に由来の構成単位(以下「構成単位(1)」ともいう。)を有するアルカリ可溶性樹脂を含む。ここで、「アルカリ可溶性」とは、アルカリ性の現像液によって溶解し、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。このようなアルカリ可溶性樹脂を、結着樹脂(B)100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは50〜100質量部、より好ましくは80〜100質量部の範囲で用いることが好ましい。
Figure 2008242246
式(1)中、R1は水素原子または炭素数1〜5の1価の炭化水素基を示し、R2は2価の有機基を示す。
上記化合物(1)としては、たとえば、2−(フェニルチオ)エチルアクリレート(PTEA)、フェニルチオメチルアクリレート、3−(フェニルチオ)プロピルアクリレートなどが挙げられる。このような化合物(1)を用いることにより、結着樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)を低くするとともに、樹脂の屈折率が高くなり、露光時におけるガラスと有機成分との散乱が抑えられることから、組成物の感度を向上させることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂は、上記構成単位(1)を、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、特に好ましくは80〜100質量%の範囲で含有する。上記アルカリ可溶性樹脂が構成単位(1)を前記範囲内で含有することにより、上述した化合物(1)を用いることによる効果がより顕著なものとなる。
上記アルカリ可溶性樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。これらの中では、アクリル樹脂が好ましく、アクリルまたは(メタ)アクリル酸由来の構成単位およびアクリルまたは(メタ)アクリレート由来の構成単位(上記構成単位(1)を含む。)の合計割合が、全構成単位の70質量%以上、好ましくは90質量%以上であるアクリル樹脂が特に望ましい。
本発明の組成物が、結着樹脂(B)としてアクリル樹脂を含有することにより、該組成物から形成される無機粉体含有樹脂層は、基板に対する優れた(加熱)接着性を示す。したがって、本発明の組成物を支持フィルム上に塗布して製造した転写フィルムは、無機粉体含有樹脂層の転写性(基板への加熱接着性)に優れたものとなる。
上記アクリル樹脂としては、適度な粘着性により無機粉体を結着させることができ、無機粉体含有樹脂層の焼成処理(400℃〜600℃)によって完全に酸化除去される(共)重合体であることが望ましい。
このようなアクリル樹脂において、上記化合物(1)以外の構成モノマーとしては、たとえば、下記のモノマー(a)、モノマー(b)およびモノマー(c)などを挙げることができる。
モノマー(a)としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)およびω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(
メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー類が挙げられる
モノマー(b)としては、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンおよびp−ヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基含有モノマー類などの水酸基含有モノマー類が挙げられる。
モノマー(c)としては、その他の共重合可能なモノマー類が挙げられ、具体的には、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびイソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;
フェノキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートおよびノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートおよびトリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート類;
ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエンおよびイソプレンなどのビニル基含有ラジカル重合性化合物
などが挙げられる。
特に、モノマー(a)としては、(メタ)アクリル酸が好ましく用いられる。また、モノマー(b)としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が好ましく用いられる。さらに、モノマー(c)としては、アルキル(メタ)アクリレート類および脂環式(メタ)アクリレート類が好ましく用いられる。
上記アクリル樹脂における各モノマー由来の構成単位の割合は、上記構成単位(1)が好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜90質量%であり、モノマー(a)由来の構成単位が、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり
、モノマー(b)由来の構成単位が、好ましくは40質量%以下、より好ましくは10〜20質量%であり、モノマー(c)由来の構成単位が、好ましくは60質量%以下、より好ましくは5〜40質量%である。
本発明に用いられる結着樹脂(B)の分子量としては、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」または「Mw」ともいう)で、3,000〜300,000、好ましくは10,000〜100,000である。また、樹脂の分散度(Mw/Mn)(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))としては、1.0〜5.0、好ましくは1.0〜3.0である。
本発明の組成物は、上記結着樹脂(B)を、無機粉体(A)100部に対して、4〜67部、好ましくは10〜50部の範囲で含有することが好ましい。結着樹脂(B)の量が過小である場合には、無機粉体(A)を確実に結着保持することができないことがあり、一方、過大である場合には、焼成工程に長い時間を要したり、形成される焼結体が十分な強度や膜厚を有しないことがある。
<光重合性モノマー(C)>
本発明の組成物は、光重合性モノマー(C)および光重合開始剤(D)を含有する感光性組成物である。光重合性モノマー(C)は、露光により重合し、露光部分をアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性にする性質を有するものであり、多官能性(メタ)アクリレートまたはアクリレートが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、たとえば、エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレンおよび両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオールおよび1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレートおよびスピラン樹脂(メタ)アクリレートなどのオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙げることができる。
これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、アルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびそのポリアルキレングリコール付加物ならびにペンタエリストールトリアクリレートおよびそのポリアルキレングリコール付加物などが特に好ましく用いられる。また、上記多官能性(メタ)アクリレートの分子量としては、100〜2,000であることが好ましい。
上記光重合性モノマー(C)は、無機粉体(A)100質量部に対して、通常0.8〜100.5質量部、好ましくは5〜50質量部の範囲の量で用いられる。また、光重合性モノマー(C)は、結着樹脂(B)100質量部に対して、20〜150質量部、好ましくは50〜100質量部の範囲の量で用いられる。
<光重合開始剤(D)>
本発明で用いられる光重合開始剤(D)としては、たとえば、
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイドなどのカルボニル化合物;
アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドおよびエタノン−1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)などのアゾ化合物またはアジド化合物;
2−メルカプトベンゾチアゾールおよびメルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;
ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドおよびパラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;
1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系化合物
などが挙げられる。
上記光重合開始剤(D)は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記光重合開始剤(D)は、上記光重合性モノマー(C)100質量部に対して、通常0.1〜50.0質量部、好ましくは1.0〜30.0質量部の範囲の量で用いられる。光重合開始剤(D)を前記範囲の量で組成物中に含有させることにより、パターンニング性能の良好でかつ反りのないパネル部材を形成することができる。
<有機シラン化合物(E)>
本発明の組成物は、上記無機粉体(A)、特にガラス粉体(a−2)の分散性の向上および形成する転写フィルムの可塑化の向上を目的として、有機シラン化合物(E)をさらに含有してもよい。このような有機シラン化合物(E)としては、下記一般式(3)で表される飽和アルキルアルコキシシランおよび一般式(4)で表わされるシランカップリング剤が挙げられる。
Figure 2008242246
式(3)中、pは3〜20、好ましくは4〜16の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数、aは1〜3の整数である。
Figure 2008242246
式(4)中、Rはメチレン基または炭素数2〜100のアルキレン基を表し、Yはビニル基、エポキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基またはアミノ基を表し、Xは加水分解性基を表し、rは0から3の整数である。
上記一般式(3)において、pの値が3未満の飽和アルキルアルコキシシランを用いると、得られる無機粉体含有樹脂層において十分な可撓性が発現されない場合がある。一方、上記pの値が20を超える飽和アルキルアルコキシシランは分解温度が高いため、無機粉体含有樹脂層の焼成工程において、有機物質(前記シラン誘導体)が完全に分解除去されない段階でガラス粉体が溶融してしまい、形成されるブラックマトリクス中に有機物質の一部が残留する場合がある。
上記一般式(3)で表される飽和アルキルアルコキシシランとして用いられるシラン類の具体例を以下に示す。
飽和アルキルジメチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=1)としては、たとえば、n−プロピルジメチルメトキシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシランおよびn−イコサンジメチルメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=2)としては、たとえば、n−プロピルジエチルメトキシシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デシルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルメトキシシランおよびn−イコサンジエチルメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジプロピルメトキシシラン類(a=1,m=1,n=3)としては、たとえば、n−ブチルジプロピルメトキシシラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルメトキシシランおよびn−イコサンジプロピルメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジメチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=1)としては、たとえば、n−プロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエトキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルエトキシシランおよびn−イコサンジメチルエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジエチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=2)としては、たとえば、n−プロピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエトキシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルエトキシシランおよびn−イコサンジエチルエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=3)としては、たとえば、n−ブチルジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエトキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシランおよびn−イコサンジプロピルエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=1)としては、たと
えば、n−プロピルジメチルプロポキシシラン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシルジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルプロポキシシランおよびn−イコサンジメチルプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジエチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=2)としては、たとえば、n−プロピルジエチルプロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジエチルプロポキシシランおよびn−イコサンジエチルプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルジプロピルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n=3)としては、たとえば、n−ブチルジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキシシランおよびn−イコサンジプロピルプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルメチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=1)としては、たとえば、n−プロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジメトキシシランおよびn−イコサンメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルエチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=2)としては、たとえば、n−プロピルエチルジメトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジメトキシシランおよびn−イコサンエチルジメトキシシランなどが挙げられている。
飽和アルキルプロピルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=3)としては、たとえば、n−ブチルプロピルジメトキシシラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジメトキシシランおよびn−イコサンプロピルジメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルメチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=1)としては、たとえば、n−プロピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジエトキシシランおよびn−イコサンメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルエチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=2)としては、たとえば、n−プロピルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシランおよびn−イコサンエチルジエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルプロピルジエトキシシラン類(a=2,m=2,n=3)としては、たとえば、n−ブチルプロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシランおよびn−イコサンプロピルジエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=1)としては、たとえば、n−プロピルメチルジプロポキシシラン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシルメチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジプロポキシシランおよびn−イコサンメチルジプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルエチルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=2)としては、たと
えば、n−プロピルエチルジプロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジプロポキシシランおよびn−イコサンエチルジプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルプロピルジプロポキシシラン類(a=2,m=3,n=3)としては、たとえば、n−ブチルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポキシシランおよびn−イコサンプロピルジプロポキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルトリメトキシシラン類(a=3,m=1)としては、たとえば、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシランおよびn−イコサントリメトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルトリエトキシシラン類(a=3,m=2)としては、たとえば、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシランおよびn−イコサントリエトキシシランなどが挙げられる。
飽和アルキルトリプロポキシシラン類(a=3,m=3)としては、たとえば、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシランおよびn−イコサントリプロポキシシランなどが挙げられる。
上記一般式(4)で表されるシランカップリング剤としては、たとえば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリアセトキシシランなどのビニル基含有シラン化合物;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基含有シラン化合物;
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ基含有シラン化合物;
3−グリシドキシプロピルトリメエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シラン化合物;
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有シラン化合物などが挙げられる。
上記有機シラン化合物(E)は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記シラン類の中では、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
上記有機シラン化合物(E)は、無機粉体(A)100質量部に対して、通常10質量部以下、好ましくは0.001〜5質量部の量で用いられる。有機シラン化合物(E)の量が過大である場合には、無機粉体含有樹脂組成物を保存する際に粘度が経時的に上昇したり、有機シラン化合物同士で反応が起こり、形成するパネル部材の焼成後の光透過率を下げる原因になったりする場合がある。
<その他の成分>
本発明の組成物は、転写フィルムに良好な柔軟性を与えるために、上記結着樹脂(B)の補助剤として可塑剤を含有していてもよい。可塑剤を含有する組成物から形成される無機粉体含有樹脂層は、十分な柔軟性を有するものとなることから、該樹脂層を有する転写フィルムは、折り曲げても該樹脂層の表面に微小な亀裂(ひび割れ)が発生することがなく、また、ロール状に容易に巻き取ることができる。
上記可塑剤としては、たとえば、ポリプロピレングリコール、前述した(メタ)アクリレート化合物などの共重合性単量体および後述する溶剤などの他、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチルジグリコールアジペート、プロピレングリコールモノラウレートおよびプロピレングリコールモノオレートなどが挙げられる。これらの中で沸点が150℃以上のものが好ましい。このような可塑剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の組成物は、任意成分として、分散剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、レベリング剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤および連鎖移動剤などの各種添加剤を含有してもよい。なお、上記分散剤としては脂肪酸誘導体のアミドアミン塩やアルキレングリコール燐酸エステル、脂肪族カルボン酸のアミン塩、ポリエーテル系カルボン酸等が好ましく用いられる。
<溶剤>
本発明の組成物は、通常、溶剤を含有する。このような溶剤としては、無機粉体(A)との親和性、結着樹脂(B)の溶解性が良好で、無機粉体含有樹脂組成物に適度な粘性を付与することができるとともに、乾燥処理することにより容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。
また、特に好ましい溶剤として、標準沸点(1気圧における沸点)が60〜200℃であるケトン類、アルコール類およびエステル類(以下、これらを「特定溶剤」という。)を挙げることができる。
上記特定溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン類;
n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノールおよびジアセトンアルコールなどのアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;
酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;
乳酸エチルおよび乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを挙げることができる。これらの中では、メチルブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルおよびエチル−3−エトキシプロピオネートなどが好ましい。これらの特定溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記特定溶剤以外の使用可能な溶剤としては、たとえば、テレビン油、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、イソプロピルアルコールおよびベンジルアルコールなどを挙げることができる。
上記溶剤は組成物の粘度を好適な範囲に維持する観点から、無機粉体(A)100質量部に対して5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部の範囲で用いられる。また、全溶剤に対する特定溶剤の割合は、50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。
<組成物の調製>
本発明の無機粉体含有樹脂組成物は、上記無機粉体(A)、結着樹脂(B)、光重合性モノマー(C)、光重合開始剤(D)ならびに必要に応じて用いられるその他の成分および溶剤を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサーおよびサンドミルなどの混練機および分散機を用いて混練することにより調製することができる。なお、本発明の組成物の粘度は0.1〜10Pa・sであることが好ましい。
〔転写フィルム〕
本発明の転写フィルムは、支持フィルム上に、本発明の組成物から得られる無機粉体含有樹脂層を有し、必要に応じて該樹脂層の表面上にカバーフィルムを有していてもよい。以下、転写フィルムの各構成要素について具体的に説明する。
<支持フィルム>
本発明の転写フィルムは、無機粉体含有樹脂層を支持する支持フィルムを有する。この支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーターまたはブレードコーターなどによって支持フィルムの表面に無機粉体含有樹脂組成物を塗布することができ、得られる転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存または供給することができる。
支持フィルムを形成する樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルおよびポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロンおよびセルロースなどを挙げることができる。
支持フィルムの厚みは、たとえば20〜100μmである。また、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましく、これにより、ガラス基板への転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
<無機粉体含有樹脂層>
無機粉体含有樹脂層は、本発明の組成物を支持フィルム上に塗布し、得られる塗布膜を乾燥して溶剤の全部または一部を除去することにより形成される。
本発明の組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性が高く、かつ膜厚が大きい(たとえば、10μm以上)塗膜を高い効率で形成することができる方法であることが好ましく、具体的には、ロールコーターによる塗布方法、ブレードコーターに
よる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法およびワイヤーコーターによる塗布方法などが挙げられる。無機粉体含有樹脂層の膜厚は、通常、1〜45μmである。
塗膜の乾燥条件としては、たとえば、50〜150℃で0.5〜30分間程度であり、乾燥後における溶剤の残存割合(無機粉体含有樹脂層中の含有率)は、通常、4質量%以内である。
<カバーフィルム>
本発明の転写フィルムにおいては、無機粉体含有樹脂層の表面を保護するために該樹脂層の表面上にカバーフィルムが設けられていてもよい。このカバーフィルムは、可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましく、これにより、得られる転写フィルムをロール状に巻回した状態で保存または供給することができる。
カバーフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルムおよびポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができる。
〔フラットパネルディスプレイの製造方法〕
本発明のフラットパネルディスプレイの製造方法として好ましい態様は下記のとおりである。
[1]基板上に、上記転写フィルムの無機粉体含有樹脂層を転写する工程と、該無機粉体含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、該無機粉体含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程と、該パターンを焼成処理する工程とを含む方法によりブラックマトリクスなどのパネル材料を形成するフラットパネルディスプレイの製造方法(FPDの製造方法(I))。
[2]基板上に、上記転写フィルムの無機粉体含有樹脂層を転写する工程と、該無機粉体含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程と、該無機粉体含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程と、得られたパターン層をポストベークし、該パターン層の上にさらにパターンを形成して積層パターン層を得る工程と、該積層パターンを焼成処理する工程とを含む方法によりブラックマトリクスを含む複数のパネル部材を一括して形成するフラットパネルディスプレイの製造方法(FPDの製造方法(II))。
以下、上記FPDの製造方法(I)および(II)の各工程について説明する。
<無機粉体含有樹脂層の転写工程>
転写フィルムのカバーフィルムを剥離した後、ガラス基板の表面に、無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着する。これにより、ガラス基板の表面に無機粉体含有樹脂層が転写されて密着した状態となる。
転写条件としては、たとえば、加熱ローラの表面温度が80〜140℃、加熱ローラによるローラ圧が0.09〜0.60MPa、加熱ローラの移動速度が0.1〜10.0m/分であることが好ましい。また、ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては、たとえば40〜150℃とすることができる。
<無機粉体含有樹脂層の露光工程>
この工程においては、無機粉体含有樹脂層の表面に、露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的に照射(露光)して、レジストパターンの潜像を形成する。なお、無機粉体含有樹脂層上に被覆されている支持フィルムは剥離しない状態で露光工程を行い、露光後に剥離することが好ましい。
露光の際に用いられる紫外線照射装置としては、特に限定されず、フォトリソグラフィー法で一般的に使用されている紫外線照射装置、半導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置などが挙げられる。
<無機粉体含有樹脂層の現像工程>
この工程においては、露光された無機粉体含有樹脂層を現像処理することにより、レジストパターン(潜像)を顕在化させる。この現像工程により、無機粉体含有樹脂パターン(露光用マスクに対応するパターン)が形成される。
現像処理条件としては、無機粉体含有樹脂層の構成成分の種類などに応じて、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像方法(たとえば、浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法およびパドル法)および現像装置などを適宜選択することができる。
<無機粉体含有樹脂パターンの積層工程>
この工程では、ガラス基板上に形成された無機粉体含有パターンの上層に、さらにペーストをスクリーン印刷で積層し、パターニングするようなプロセスを経る。この際、上記の無機粉体含有樹脂パターンを190℃〜220℃のオーブンなどでポストベークさせると、積層するペースト中に含有される溶剤によって無機粉体含有樹脂パターンが崩れるという問題を引き起こすことなく積層させることができる。これによって同時に2層を焼成させることができるため、焼成工程の短縮が可能になる。
<無機粉体含有樹脂パターンの焼成工程>
この工程においては、無機粉体含有樹脂パターンを焼成処理してブラックマトリクスを形成する。これにより、樹脂層残留部中の有機物質が焼失してブラックマトリクスが形成される。
焼成処理の温度としては、有機物質が焼失される温度であることが必要であり、通常400〜600℃である。また、焼成時間は、通常10〜90分間である。
なお、積層して焼成した際の反りは、下地となるパターンの上に形成される他の部材形成用材料の熱膨張係数の違いに起因する。特にこのような場合、下地となるパターンにアンダーカットが生じていると、反りの問題が一層顕著となる。また、一の部材について形成したパターンの上に他の部材形成用材料を積層し、パターン形成を行うため、下地となるパターンが新たに積層される材料に含まれる有機溶剤によって崩れるという問題がある。したがって、現像後のパターンには高い耐溶剤性も要求されている。
しかしながら、本発明の転写フィルムを用いれば、反射率および透過率が低く、かつ、パターニング形状が良好なブラックマトリクスを効果的に形成することができる。また、焼成後のパターニングに反りが発生しないことから、表面に屈曲亀裂(ひび割れ)が生じにくく、積層構造を構築する際も、安定な材料で提供することができる。さらに上に形成する部材の熱膨張係数に対するマージンも有している。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」は「質量部」を示す。
[実施例1]
(1)無機粉体含有樹脂組成物の調製
無機粉体(A)として、MnCo24―CoMn24―CuMn24―Cu3Mn38
系顔料(比表面積:18.9m2/g、平均粒径(D50):0.3μm、以下「顔料1
」ともいう。)15部およびBi23−ZnO−B23−BaO−SiO2系ガラスフリ
ット(不定形、平均粒径(D50):0.6μm、軟化点:456℃、線膨張係数:8.
6×10-6/K、以下「ガラス1」ともいう。)95部と、結着樹脂(B)として2−(フェニルチオ)エチルアクリレート(PTEA)/メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタアクリレート共重合体(質量比:30/20/10/40、Mw=40,000、以下「結着樹脂1」ともいう。)24部と、光重合性モノマー(C)としてトリメチロールプロパンEO変性(n≒2)トリアクリレート(商品名:M360、東亞合成(株)製)16部と、光重合開始剤(D)として、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(以下「光重合開始剤d−1」ともいう。)5部および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(以下「光重合開始剤d−2」ともいう。)3.3部と、有機シラン化合物(E)として3−メタクリロキシプロピルメトキシシラン0.22部と、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル20部とをビーズミルで混練りした。次いで、混練物をステンレスメッシュ(400メッシュ、25μm径)でフィルタリングすることにより、ブラックマトリクス形成用の無機粉体含有樹脂組成物(I)を調製した。
(2)転写フィルムの作製
上記工程(1)で調製した無機粉体含有樹脂組成物(I)を、あらかじめ離型処理した膜厚38μmのPETフィルムよりなる支持フィルム上にブレードコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で1分30秒間乾燥して溶剤を除去することにより、厚さ6μmの無機粉体含有樹脂層が支持フィルム上に形成された本発明の転写フィルムを作製した。
(3)転写フィルムの転写工程
上記工程(2)で作製した転写フィルムを用い、ガラス基板の表面に無機粉体含有樹脂層の表面が当接されるよう該転写フィルムを重ね合わせ、加熱ローラで熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を0.25MPaおよび加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の表面に無機粉体含有樹脂層が転写されて密着した状態となった。
(4)無機粉体含有樹脂層の露光工程および現像工程
上記工程(3)でガラス基板上に形成した無機粉体含有樹脂層に対して、支持フィルム剥離後、露光用マスク(5cm×5cm)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射し、無機粉体含有樹脂層にパターンの潜像を形成した。なお、照射量は800mJ/cm2とした。露光後、液温25℃の0.5質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液とするシャワー法により現像処理を20秒間行い、続いて、超純水を用いて水洗を行った。これにより、紫外線が照射されていない部分の無機粉体含有樹脂を除去し、無機粉体含有樹脂パターンを形成した。
(5)焼成工程
上記工程(4)で形成した無機粉体含有樹脂パターンを有するガラス基板を520℃の温度雰囲気下で30分間焼成処理した。これにより、ガラス基板の表面に厚み2.0μmのブラックマトリクスが形成された。
(6)ブラックマトリクスの硬化深度評価
上記工程(1)〜(3)と同様にしてガラス基板上に形成した無機粉体含有樹脂層に対して、ガラス基板上より超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射し、無機粉体含有樹脂層を硬化させた。なお、照射量は800mJ/cm2とした。露光後
、支持フィルムを剥離除去し、次いで、液温25℃の0.5質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液とするシャワー法により現像処理を30秒間行い、続いて、超純水を用いて水洗を行った。これにより、紫外線が照射されていない部分の無機粉体含有樹脂を除去した。
このようにして得られた5cm×5cm形状のブラックマトリクスの残膜厚は、微細柱
高さ測定器P−10(KLA―TENCOR製)を用いて測定した結果、6.4μmであった。このことから、優れた感度を有していることが確認された。なお、硬化深度の良好性をAA、BBおよびCCで表記するのに、次の残膜値の範囲で規定した。
CC:<4μm、BB:4〜6μm、AA:>6μm
(7)ブラックマトリクスのパターニング評価
上記工程(5)で焼成処理して得られた5cm×5cm形状のブラックマトリクスを用いて、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製)にて、パターニング形状を確認したところ、パターンが平滑で、反る現象がみられず、優れたパターニング性能を示した。
[実施例2]
結着樹脂(B)として、結着樹脂1の代わりにPTEA/メタクリル酸/シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート/エチルヘキシルメタクリレート共重合体(質量比:30/15/10/45、Mw=20,000、以下「結着樹脂2」ともいう。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂組成物の調製、転写フィルムの作製ならびにブラックマトリクスの形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
結着樹脂(B)として、結着樹脂1の代わりにPTEA/メタクリル酸/シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(質量比:30/20/10/40、Mw=42,000、以下「結着樹脂3」ともいう。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂組成物の調製、転写フィルムの作製ならびにブラックマトリクスの形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
結着樹脂(B)として、結着樹脂1の代わりにPTEA/メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(質量比:60/20/20、Mw=18,000、以下「結着樹脂4」ともいう。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂組成物の調製、転写フィルムの作製ならびにブラックマトリクスの形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
(1)積層構造体の作製
実施例1と同様にして上記工程(1)〜(4)を行い、ガラス基板上に無機粉体含有樹脂パターン(線膨張係数8.6×10-6/K)を形成した後、該無機粉体含有樹脂パターンを有するガラス基板の上層に、線膨張係数9.2×10-6/Kのガラスフリットを使用した無機粉体含有転写フィルムを積層し、実施例1の工程(4)と同様の露光工程および現像工程を経て得られたガラス基板を、520℃の温度雰囲気下で30分間焼成処理した。これにより、ガラス基板の表面に積層構造体が形成された。
(2)反り発生の確認
焼成後得られた基板を、走査型電子顕微鏡にて観察し、反りが発生しているかどうかを目視した。反りの発生状態を、下記に示す基準に基づいてAA、BBおよびCCで表記する。結果を表2に示す。
AA:基板からの剥がれなし、BB:BM(ブラックマトリックス)層が基板から剥がれる、CC:BM層およびBM層と積層した部分が基板から剥がれる。
[実施例6]
実施例2と同様にして形成した無機粉体含有樹脂パターン(線膨張係数8.6×10-6/K)を用いて、実施例5と同様にして積層構造体を作製し、反りの発生を確認した。結
果を表2に示す。
[比較例1]
結着樹脂(B)として、結着樹脂1の代わりに2−フェノキシ−エチルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシプロピルメタクリレート/2-エチルヘキシルメタクリレー
ト共重合体(質量比:30/20/10/40、Mw=59,000、以下「結着樹脂5」ともいう。)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂組成物の調製、転写フィルムの作製ならびにブラックマトリクスの形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
結着樹脂(B)として、結着樹脂1の代わりに2−フェノキシ−エチルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシプロピルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(質量比:30/20/10/40、Mw=40,000、以下「結着樹脂6」ともいう。)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂組成物の調製、転写フィルムの作製ならびにブラックマトリクスの形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
結着樹脂(B)として、結着樹脂1の代わりに2−フェノキシ−エチルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシプロピルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(質量比:30/20/10/40、Mw=36000、以下「結着樹脂7」ともいう。)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂組成物の調製、転写フィルムの作製ならびにブラックマトリクスの形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
結着樹脂(B)として2−フェノキシ−エチルアクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシプロピルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート共重合体(質量比:30/20/10/40、Mw=26000、以下「結着樹脂8」ともいう。)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、無機粉体含有樹脂組成物の調製、転写フィルムの作製ならびにブラックマトリクスの形成および評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例5]
比較例1と同様にして形成した無機粉体含有樹脂パターン(線膨張係数8.6×10-6/K)を用いて、実施例5と同様にして積層構造体を作製し、反りの発生を確認した。結果を表2に示す。
[比較例6]
比較例2と同様にして形成した無機粉体含有樹脂パターン(線膨張係数8.6×10-6/K)を用いて、実施例5と同様にして積層構造体を作製し、反りの発生を確認した。結果を表2に示す。
Figure 2008242246
Figure 2008242246
交流型のPDPの断面形状を示す模式図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 ガラス基板
3 隔壁
4 透明電極
5 バス電極
6 アドレス電極
7 蛍光物質
8 誘電体層
9 誘電体層
10 保護層
11 隔壁

Claims (7)

  1. (A)顔料(a−1)およびガラス粉体(a−2)を含む無機粉体、
    (B)下記式(1)で表される化合物に由来の構成単位を有するアルカリ可溶性樹脂を含む結着樹脂、
    (C)光重合性モノマー、および
    (D)光重合開始剤
    を含有することを特徴とする無機粉体含有樹脂組成物。
    Figure 2008242246
    〔式(1)中、R1は水素原子または炭素数1〜5の1価の炭化水素基を示し、R2は2価の有機基を示す。〕
  2. 上記顔料(a−1)が、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Cu、TiおよびSnから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物ならびに複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  3. 上記ガラス粉体(a−2)が、軟化点が400〜500℃の無鉛ガラス粉体であることを特徴とする請求項1に記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  4. 上記アルカリ可溶性樹脂が、上記式(1)で表される化合物に由来の構成単位を10〜90質量%の範囲で含むことを特徴とする請求項1に記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  5. (E)有機シラン化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の無機粉体含有樹脂組成物。
  6. 支持フィルム上に、請求項1〜5のいずれかに記載の無機粉体含有樹脂組成物を用いて形成される無機粉体含有樹脂層を有することを特徴とする転写フィルム。
  7. 基板上に、請求項6に記載の転写フィルムの無機粉体含有樹脂層を転写する工程、
    該無機粉体含有樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、
    該無機粉体含有樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程、および
    該パターンを焼成処理する工程
    を含むことを特徴とするフラットパネルディスプレイの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009075591A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Dongwoo Fine-Chem Co Ltd 着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及びこれを備える液晶表示装置
JP2013227485A (ja) * 2011-12-09 2013-11-07 Nippon Shokubai Co Ltd 硬化性樹脂組成物及びその用途

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