JP2002167515A - 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム - Google Patents

無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム

Info

Publication number
JP2002167515A
JP2002167515A JP2000366356A JP2000366356A JP2002167515A JP 2002167515 A JP2002167515 A JP 2002167515A JP 2000366356 A JP2000366356 A JP 2000366356A JP 2000366356 A JP2000366356 A JP 2000366356A JP 2002167515 A JP2002167515 A JP 2002167515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic particle
containing resin
resin composition
resin layer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000366356A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Sakai
孝広 坂井
Setsuko Noma
節子 野間
Takafumi Itano
考史 板野
Hidetoshi Miyamoto
秀俊 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2000366356A priority Critical patent/JP2002167515A/ja
Publication of JP2002167515A publication Critical patent/JP2002167515A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度の高いパターンを形成するために好
適に使用することが可能な、保存安定性に優れる、プラ
ズマディスプレイパネルの誘電体層、電極、蛍光体、カ
ラーフィルター、隔壁、ブラックストライプ(マトリク
ス)などのパネル材料の形成に好ましく用いられる無機
粒子含有樹脂組成物および転写フィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 有機ケイ素化合物で表面処理をしたガラ
スフリットを含む無機粒子を含有することを特徴とする
無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルムを提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は寸法精度の高いパタ
ーンを形成するために好適に使用することが可能な、保
存安定性に優れる無機粒子含有樹脂組成物および転写フ
ィルムに関する。好ましくは、プラズマディスプレイパ
ネルの誘電体層、電極、蛍光体、カラーフィルター、隔
壁、ブラックストライプ(マトリクス)などのパネル材
料の形成に好ましく用いられる無機粒子含有樹脂組成物
および転写フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、平板状の蛍光表示体としてプラズ
マディスプレイが注目されている。図1は交流型のプラ
ズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう)
の断面形状を示す模式図である。同図において、1およ
び2は対向配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガ
ラス基板1、ガラス基板2および隔壁3によりセルが区
画形成される。4はガラス基板1に固定された透明電
極、5は透明電極の抵抗を下げる目的で、透明電極上に
形成されたバス電極、6はガラス基板2に固定されたア
ドレス電極、7はセル内に保持された蛍光体、8は透明
電極4およびバス電極5を被覆するようガラス基板1の
表面に形成された誘電体層、9はアドレス電極6を被覆
するようにガラス基板2の表面に形成された誘電体層、
10は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。
なお、直流型のPDPにおいては、通常、電極端子(陽
極端子)と電極リード(陽極リード)との間に抵抗体を
設ける。また、PDPのコントラストを向上させるため
に、赤色、緑色、青色のカラーフィルターや、通常スト
ライプ状や格子状の形状を有するブラックストライプ
(マトリクス)を、上記ガラス基板1と誘電体層8の間
や上記誘電体層8と保護膜10の間などに設ける場合も
ある。
【0003】このようなPDPの誘電体層、電極、蛍光
体、カラーフィルター、隔壁およびブラックストライプ
(マトリクス)の製造方法としては、(1)非感光性の
無機粒子含有ペーストを基板上にスクリーン印刷してパ
ターンを得、これを焼成するスクリーン印刷法、(2)
感光性の無機粒子含有樹脂層を基板上に形成し、この膜
にフォトマスクを介して紫外線を照射した上で現像する
ことにより基板上にパターンを残存させ、これを焼成す
るフォトリソグラフィー法などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ス
クリーン印刷法では、パネルの大型化および高精細化に
伴い、パターン精度の要求が非常に厳しくなり、通常の
印刷では対応できないという問題がある。これに対し
て、前記フォトリソグラフィー法では、原理的にパター
ン精度に優れている。特に、支持フィルム上に無機粒子
含有樹脂層が形成され、通常、当該無機粒子含有樹脂層
上にカバーフィルムを設けた複合フィルム(以下、「転
写フィルム」ともいう)を用いて無機粒子含有樹脂層を
基板上に形成する方法においては、膜厚の均一性および
表面の均一性に優れたパターンを形成することができ
る。しかしながら、転写フィルムを用いるフォトリソグ
ラフィー法では、フィルムの保存中に無機粒子含有樹脂
層の無機粒子として用いるガラスフリットと、結着樹脂
として用いるアルカリ可溶性樹脂との間で徐々に吸着が
進み、その結果、結着樹脂のアルカリ可溶性が低下し、
現像性が低下するという問題があった。
【0005】このような問題に対して、本発明者らは、
アルカリ可溶性樹脂がガラスフリットの表面に徐々に吸
着する現象を未然に防ぐ方法として、有機ケイ素化合物
で表面処理をしたガラスフリットを用いて無機粒子含有
樹脂層を形成することで、フィルムを長期保存の状態に
おいても安定した性能を発現することを見出した。すな
わち、本発明の第1の目的は、現像性の経時変化を抑制
することで、寸法精度の高いパターンを形成することが
できる無機粒子含有樹脂組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、保存安定性に優れ、寸法精度の
高いパターンを形成することができる転写フィルムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の無機粒子含有樹
脂組成物は、(A)有機ケイ素化合物で表面処理をした
ガラスフリットを含む無機粒子および(B)アルカリ可
溶性樹脂を含有することを特徴とする。また、本発明の
転写フィルムは、本発明の無機粒子含有樹脂組成物から
得られる無機粒子含有樹脂層が支持フィルム上に形成さ
れていることを特徴とする。本発明の無機粒子含有樹脂
組成物および転写フィルムは、PDPの誘電体層、隔
壁、電極、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックス
トライプ(マトリクス)から選ばれる少なくとも一種の
部材(パネル材料)を形成するために好適に用いられ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の無機粒子含有樹脂
組成物および転写フィルムの詳細について説明する。
【0008】<無機粒子含有樹脂組成物>本発明の無機
粒子含有樹脂組成物は、(A)有機ケイ素化合物で表面
処理をしたガラスフリットを含む無機粒子および(B)
アルカリ可溶性樹脂を必須成分として含有する。なお、
本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、通常、(C)溶剤
を含有し、(A)〜(C)の成分を、混練機を用いて混
練することにより調製することができる。また、本発明
の無機粒子含有樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分
に加えて(D)エチレン性不飽和基含有化号物および
(E)光重合開始剤を含有する、感光性無機粒子含有樹
脂組成物であってもよい。上記のようにして調製される
本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、塗布に適した流動
性を有するペースト状の組成物であり、その粘度は、通
常100〜100,000cpとされ、好ましくは50
0〜10,000cpとされる。以下、無機粒子含有樹
脂組成物を構成する各成分について説明する。
【0009】(A)無機粒子 無機粒子含有樹脂組成物を構成する無機粒子は、有機ケ
イ素化合物で表面処理をしたガラスフリットを含むこと
を必須とし、形成材料の種類によって他の無機粒子を併
用することができる。上記ガラスフリットとしては、軟
化点が400〜600℃の低融点ガラスフリットが好ま
しく用いられる。ガラスフリットの軟化点が400℃未
満である場合には、当該組成物による無機粒子含有樹脂
層の焼成工程において、アルカリ可溶性樹脂などの有機
物質が完全に分解除去されない段階でガラスフリットが
溶融してしまうため、形成される焼結体中に有機物質の
一部が残留し、この結果、焼結体が着色されて、その光
透過率が低下する傾向がある。一方、ガラスフリットの
軟化点が600℃を超える場合には、600℃より高温
で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪みなどが
発生しやすい。具体的には、酸化鉛、酸化ホウ素、酸
化ケイ素系(PbO−B23 −SiO2 系)、酸化
鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム系(P
bO−B23 −SiO2 −Al23 系)、酸化亜
鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系(ZnO−B23 −S
iO2 系)、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸
化アルミニウム系(ZnO−B23 −SiO2 −Al
23 系)、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケ
イ素系(PbO−ZnO−B23 −SiO2 系)、
酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム系(PbO−ZnO−B23 −SiO2 −A
23 系)、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ
素系(Bi23 −B23 −SiO2 系)、酸化ビ
スマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム系
(Bi23 −B23 −SiO2−Al23 系)、
酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系
(Bi23 −ZnO−B23 −SiO2 系)、酸
化ビスマス、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化
アルミニウム系(Bi23 −ZnO−B23 −Si
2 −Al23 系)などのガラスフリットを挙げるこ
とができる。ガラスフリットの形状としては特に限定さ
れず、平均粒径としては、好ましくは0.1〜10μ
m、より好ましくは0.5〜5μmである。上記ガラス
フリットは単独であるいは異なるガラスフリット組成、
異なる軟化点、異なる形状、異なる平均粒径を有するガ
ラスフリットを2種以上組み合わせて使用することがで
きる。
【0010】本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、有機
ケイ素化合物で表面処理をしたガラスフリットを使用し
ている点に特徴を有している。表面処理を施すことによ
り、現像速度の経時変化を抑制した無機粒子含有樹脂組
成物を得ることができる。有機ケイ素化合物としては、
テトラアルコキシシラン、下記式(1)で表されるオル
ガノシラン(以下、「オルガノシラン(1)」ともい
う)、テトラアルコキシシランおよび/またはオルガノ
シラン(1)の加水分解物ならびにテトラアルコキシシ
ランおよび/またはオルガノシラン(1)の縮合物から
なる群から選ばれる少なくとも1種が好適に用いられ
る。
【0011】 (式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基、aは1〜
3の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数であ
る。)
【0012】ここで、上記加水分解物は、テトラアルコ
キシシランに4個、オルガノシラン(1)に1〜3個含
まれるアルコキシル基がすべて加水分解されている必要
はなく、部分的に加水分解されているものであってもよ
い。また、上記縮合物は、上記アルコキシル基のすべて
が縮合されている必要はなく、部分的に縮合されている
ものであってもよい。
【0013】テトラアルコキシシランの好ましい具体例
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシランなどが挙げられる。
【0014】上記式(1)において、Rで表される1価
の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基な
どの炭素数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル基;
上記アルキル基中の水素原子の一部または全部をハロゲ
ン原子で置換した炭素数1〜20のハロゲン化アルキル
基;ビニル基などの不飽和二重結合含有基;N−(2−
アミノエチル)3−アミノプロピル基などの窒素含有
基;3−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシ
クロヘキシル基などのエポキシ環含有基;3−(メタ)
アクリロキシプロピル基、4−(メタ)アクリロキシブ
チル基などの(メタ)アクリロキシアルキル基;3−メ
ルカプトプロピル基、4−メルカプトブチル基などのメ
ルカプトアルキル基などを挙げることができる。Rで表
される有機基が炭素数20を超える場合には、オルガノ
シラン(1)の分解温度が高く、無機粒子含有樹脂組成
物から得られる膜形成材料層の焼成工程において、オル
ガノシラン(1)が完全に分解除去されない段階でガラ
ス粉末が溶融してしまうため、形成される構造物中に有
機物質の一部が残留してしまい、この結果、得られる部
材の諸性能が低下する傾向がある。
【0015】オルガノシラン(1)の好ましい具体例と
しては、トリメチルメトキシシラン、エチルジメチルメ
トキシシラン、プロピルジメチルメトキシシラン、ブチ
ルジメチルメトキシシラン、デシルジメチルメトキシシ
ラン、ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、エイコシ
ルジメチルメトキシシランなどのアルキルジメチルメト
キシシラン類(a=1,m=1,n=1);メチルジエ
チルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、プロ
ピルジエチルメトキシシラン、ブチルジエチルメトキシ
シラン、デシルジエチルメトキシシラン、ヘキサデシル
ジエチルメトキシシラン、エイコシルジエチルメトキシ
シランなどのアルキルジエチルメトキシシラン類(a=
1,m=1,n=2);メチルジプロピルメトキシシラ
ン、エチルジプロピルメトキシシラン、トリプロピルメ
トキシシラン、ブチルジプロピルメトキシシラン、デシ
ルジプロピルメトキシシラン、ヘキサデシルジプロピル
メトキシシラン、エイコシルジプロピルメトキシシラン
などのアルキルジプロピルメトキシシラン類(a=1,
m=1,n=3);トリメチルエトキシシラン、エチル
ジメチルエトキシシラン、プロピルジメチルエトキシシ
ラン、ブチルジメチルエトキシシラン、デシルジメチル
エトキシシラン、ヘキサデシルジメチルエトキシシラ
ン、エイコシルジメチルエトキシシランなどのアルキル
ジメチルエトキシシラン類(a=1,m=2,n=
1);メチルジエチルエトキシシラン、トリエチルエト
キシシラン、プロピルジエチルエトキシシラン、ブチル
ジエチルエトキシシラン、デシルジエチルエトキシシラ
ン、ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、エイコシル
ジエチルエトキシシランなどのアルキルジエチルエトキ
シシラン類(a=1,m=2,n=2);メチルジプロ
ピルエトキシシラン、エチルジプロピルエトキシシラ
ン、ブチルジプロピルエトキシシラン、デシルジプロピ
ルエトキシシラン、ヘキサデシルジプロピルエトキシシ
ラン、エイコシルジプロピルエトキシシランなどのアル
キルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=2,n
=3);トリメチルプロポキシシラン、エチルジメチル
プロポキシシラン、プロピルジメチルプロポキシシラ
ン、ブチルジメチルプロポキシシラン、デシルジメチル
プロポキシシラン、ヘキサデシルジメチルプロポキシシ
ラン、エイコシルジメチルプロポキシシランなどのアル
キルジメチルプロポキシシラン類(a=1,m=3,n
=1);メチルジエチルプロポキシシラン、トリエチル
プロポキシシラン、プロピルジエチルプロポキシシラ
ン、ブチルジエチルプロポキシシラン、デシルジエチル
プロポキシシラン、ヘキサデシルジエチルプロポキシシ
ラン、エイコシルジエチルプロポキシシランなどの飽和
アルキルジエチルプロポキシシラン類(a=1,m=
3,n=2);メチルジプロポキシシラン、エチルジプ
ロポキシシラン、ブチルジプロピルプロポキシシラン、
デシルジプロピルプロポキシシラン、ヘキサデシルジプ
ロピルプロポキシシラン、エイコシルジプロピルプロポ
キシシランなどの飽和アルキルジプロピルプロポキシシ
ラン類(a=1,m=3,n=3);
【0016】ジメチルジメトキシシラン、メチルエチル
ジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、
ブチルメチルジメトキシシラン、デシルメチルジメトキ
シシラン、ヘキサデシルメチルジメトキシシラン、エイ
コシルメチルジメトキシシランなどのアルキルメチルジ
メトキシシラン類(a=2,m=1,n=1);ジエチ
ルジメトキシシラン、プロピルエチルジメトキシシラ
ン、ブチルエチルジメトキシシラン、デシルエチルジメ
トキシシラン、ヘキサデシルエチルジメトキシシラン、
エイコシルエチルジメトキシシランなどの飽和アルキル
エチルジメトキシシラン類(a=2,m=1,n=
2);メチルプロピルジメトキシシラン、エチルプロピ
ルジメトキシシラン、ブチルプロピルジメトキシシラ
ン、デシルプロピルジメトキシシラン、ヘキサデシルプ
ロピルジメトキシシラン、エイコシルプロピルジメトキ
シシランなどのアルキルプロピルジメトキシシラン類
(a=2,m=1,n=3)ジメチルジエトキシシラ
ン、メチルエチルジエトキシシラン、プロピルメチルジ
エトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、デシ
ルメチルジエトキシシラン、ヘキサデシルメチルジエト
キシシラン、エイコシルメチルジエトキシシランなどの
アルキルメチルジエトキシシラン類(a=2,m=2,
n=1);ジエチルジエトキシシラン、プロピルエチル
ジエトキシシラン、ブチルエチルジエトキシシラン、デ
シルエチルジエトキシシラン、ヘキサデシルエチルジエ
トキシシラン、エイコシルエチルジエトキシシランなど
のアルキルエチルジエトキシシラン類(a=2,m=
2,n=2);メチルプロピルジエトキシシラン、エチ
ルプロピルジエトキシシラン、ブチルプロピルジエトキ
シシラン、デシルプロピルジエトキシシラン、ヘキサデ
シルプロピルジエトキシシラン、エイコシルプロピルジ
エトキシシランなどのアルキルプロピルジエトキシシラ
ン類(a=2,m=2,n=3);ジメチルジプロポキ
シシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、プロピル
メチルジプロポキシシラン、ブチルメチルジプロポキシ
シラン、デシルメチルジプロポキシシラン、ヘキサデシ
ルメチルジプロポキシシラン、エイコシルメチルジプロ
ポキシシランなどのアルキルメチルジプロポキシシラン
類(a=2,m=3,n=1);ジエチルジプロポキシ
シラン、プロピルエチルジプロポキシシラン、ブチルエ
チルジプロポキシシラン、デシルエチルジプロポキシシ
ラン、ヘキサデシルエチルジプロポキシシラン、エイコ
シルエチルジプロポキシシランなどのアルキルエチルジ
プロポキシシラン類(a=2,m=3,n=2);メチ
ルプロピルジプロポキシシラン、エチルプロピルジプロ
ポキシシラン、ブチルプロピルジプロポキシシラン、デ
シルプロピルジプロポキシシラン、ヘキサデシルプロピ
ルジプロポキシシラン、エイコシルプロピルジプロポキ
シシランなどのアルキルプロピルジプロポキシシラン類
(a=2,m=3,n=3);
【0017】メチルトリメトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルト
リメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサ
デシルトリメトキシシラン、エイコシルトリメトキシシ
ランなどのアルキルトリメトキシシラン類(a=3,m
=1);メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエ
トキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ヘキサデシ
ルトリエトキシシラン、エイコシルトリエトキシシラン
などのアルキルトリエトキシシラン類(a=3,m=
2);メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポ
キシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ブチルト
リプロポキシシラン、デシルトリプロポキシシラン、ヘ
キサデシルトリプロポキシシラン、エイコシルトリプロ
ポキシシランなどのアルキルトリプロポキシシラン類
(a=3,m=3);ヘキサメチルジシラザン、オクタ
メチルトリシラザンなどのオルガノシラザン類;ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどのビニル
トリアルコキシシラン類;N−(2−アミノエチル)3
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基
を有するアルコキシシラン類;3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を
有するアルコキシシラン類;3−クロロプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシ
ランなどの塩素を有するアルコキシシラン類;3−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの
(メタ)アクリロイル基を有するアルコキシシラン類;
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメル
カプト基を有するアルコキシシラン類などを挙げること
ができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0018】これらのうち、n−ブチルトリメトキシシ
ラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシ
ルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシ
ラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−
ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシ
ラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシ
ルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジ
エトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n
−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリ
プロポキシシランなどが特に好ましい。
【0019】ガラスフリットの処理方法としては、上述
した有機ケイ素化合物を有機溶剤などに溶解させた後、
ガラスフリットを添加、攪拌し、溶媒を留去した後、約
60から200℃で3時間以上加熱処理をすることが望
ましい。この加熱処理により、有機ケイ素化合物が加水
分解・縮合し、ガラスフリットの表面に有機ケイ素化合
物の膜が形成される。ガラスフリットに対する有機ケイ
素化合物の添加量は、ガラスフリット100質量部に対
して、0.5〜10質量部であることが好ましく、さら
に好ましくは1〜5質量部とされる。
【0020】本発明の無機粒子含有樹脂組成物におい
て、有機ケイ素化合物で表面処理をしたガラスフリット
は、無機粒子含有樹脂組成物によって得られるパネル材
料に応じて、単独であるいは他の無機粒子と混合して用
いることができる。通常、誘電体層および隔壁を形成す
るための無機粒子含有樹脂組成物においては単独で、電
極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターおよびブラック
ストライプ(マトリクス)を形成するための無機粒子含
有樹脂組成物においては、上記ガラスフリットと他の無
機粒子を混合して用いる。他の無機粒子と混合して用い
る場合のガラスフリットの含有量は、得られるパネル材
料によって異なるが、無機粒子全量を100質量部とし
て、通常、1〜90質量部であり、好ましくは1〜75
質量部であり、より好ましくは1〜60質量部である。
【0021】他の無機粒子としては、電極形成材料に使
用される無機粒子としては、Ag、Au、Al、Ni、
Ag−Pd合金、Cu、Crなどの金属粒子などを挙げ
ることができる。これらの中でも、大気中で焼成した場
合においても酸化による導電性の低下が生じず、比較的
安価なAgを用いることが好ましい。電極形成材料に使
用される金属粒子の形状としては、粒状、球状、フレー
ク状など特に限定されず、単独であるいは二種以上の形
状の金属粒子を混合して使用することもできる。また、
平均粒径としては、好ましくは0.01〜10μm、よ
り好ましくは0.05〜5μmであり、異なる平均粒径
を有する金属粒子を混合して使用することもできる。ま
た、透明電極形成材料に使用される無機粒子としては、
酸化インジウム、酸化錫、錫含有酸化インジウム(IT
O)、アンチモン含有酸化錫(ATO)、フッ素添加酸
化インジウム(FIO)、フッ素添加酸化錫(FT
O)、フッ素添加酸化亜鉛(FZO)、ならびに、A
l、Co、Fe、In、SnおよびTiから選ばれた一
種もしくは二種以上の金属を含有する酸化亜鉛微粒子な
どを挙げることができる。
【0022】抵抗体形成材料に使用される無機粒子とし
ては、RuO2などからなる粒子を挙げることができ
る。蛍光体形成材料に使用される無機粒子は、赤色用と
してはY23 :Eu3+、Y2 SiO5 :Eu3+、Y3
Al512:Eu3+、YVO4 :Eu3+、(Y,Gd)
BO3 :Eu3+、Zn3 (PO42 :Mnなど、緑色
用としてはZn2 SiO4 :Mn、BaAl1219:M
n、BaMgAl1423:Mn、LaPO4:(Ce,
Tb)、Y3 (Al,Ga)512:Tbなど、青色用
としてはY2SiO5 :Ce、BaMgAl1017:E
2+、BaMgAl1423:Eu2+、(Ca,Sr,B
a)10(PO46 Cl2 :Eu2+、(Zn,Cd)
S:Agなどを挙げることができる。カラーフィルター
形成材料に使用される無機粒子は、赤色用としてはFe
2 3 など、緑色用としてはCr23 など、青色用と
してはCoO・Al23 などを挙げることができる。
ブラックストライプ(マトリックス)形成材料に使用さ
れる無機粒子としては、例えば、Co、Cr、Cu、F
e、Mn、Ni、Ti、Znなどの金属およびその酸化
物、複合酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、けい化物、
ほう化物やカーボンブラック、グラファイトなどを挙げ
ることができ、単独であるいは二種以上を混合して使用
することができる。この中で好ましい無機粒子としては
Co、Cr、Cu、Fe、Mn、NiおよびTiの群か
ら選ばれた金属粒子、金属酸化物粒子および複合酸化物
粒子が挙げられる。これらの平均粒径としては、好まし
くは0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5
μmであり、特に好ましくは0.1〜2μmである。
【0023】(B)アルカリ可溶性樹脂 無機粒子含有樹脂組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂
としては、種々の樹脂を用いることができる。ここに、
「アルカリ可溶性」とは、アルカリ性の現像液によって
溶解し、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性
を有する性質をいう。かかるアルカリ可溶性樹脂の具体
例としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキ
シスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂な
どを挙げることができる。このようなアルカリ可溶性樹
脂のうち、特に好ましいものとしては、下記のモノマー
(イ)とモノマー(ハ)との共重合体、モノマー
(イ)、モノマー(ロ)およびモノマー(ハ)の共重合
体などのアクリル樹脂を挙げることができる。
【0024】モノマー(イ):カルボキシル基含有モノ
マー類 アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケ
イ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシ
エチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ
(メタ)アクリレートなど。 モノマー(ロ):OH含有モノマー類 (メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p
−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モ
ノマー類など。 モノマー(ハ):その他の共重合可能なモノマー類 (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレートなどのモノマー(イ)以外の(メタ)
アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン
などの芳香族ビニル系モノマー類;ブタジエン、イソプ
レンなどの共役ジエン類;ポリスチレン、ポリ(メタ)
アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポ
リ(メタ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の
末端に(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を
有するマクロモノマー類:
【0025】上記モノマー(イ)とモノマー(ハ)との
共重合体や、モノマー(イ)、モノマー(ロ)およびモ
ノマー(ハ)の共重合体は、モノマー(イ)および/ま
たはモノマー(ロ)のフェノール性水酸基含有モノマー
に由来する共重合成分の存在により、アルカリ可溶性を
有するものとなる。中でもモノマー(イ)、モノマー
(ロ)およびモノマー(ハ)の共重合体は、(A)無機
粒子の分散安定性や後述するアルカリ現像液への溶解性
の観点から特に好ましい。この共重合体におけるモノマ
ー(イ)に由来する共重合成分の含有率は、好ましくは
1〜50質量%、特に好ましくは5〜30質量%であ
り、モノマー(ロ)に由来する共重合成分の含有率は、
好ましくは1〜50質量%、特に好ましくは5〜30質
量%である。また、モノマー(ロ)成分としては、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−
ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類が好ま
しい。
【0026】無機粒子含有樹脂組成物を構成するアルカ
リ可溶性樹脂の分子量としては、GPCによるポリスチ
レン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)
として、5,000〜5,000,000であることが
好ましく、さらに好ましくは10,000〜300,0
00とされる。無機粒子含有樹脂組成物におけるアルカ
リ可溶性樹脂の含有割合としては、無機粒子100質量
部に対して、通常1〜500質量部とされ、好ましくは
10〜200質量部とされる。なお、本発明の効果を損
なわない範囲で無機粒子含有樹脂組成物中にアルカリ可
溶性樹脂以外の樹脂を含有してもよい。
【0027】(C)溶剤 本発明の無機粒子含有樹脂組成物には、通常、溶剤が含
有される。上記溶剤としては、(A)無機粒子との親和
性、(B)アルカリ可溶性樹脂および必要に応じて含有
される後述の各種成分の溶解性が良好で、無機粒子含有
樹脂組成物に適度な粘性を付与することができ、乾燥さ
れることによって容易に蒸発除去できるものであること
が好ましい。かかる溶剤の具体例としては、ジエチルケ
トン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロ
ヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メ
チル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセ
トンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコー
ル類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族
モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸
−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブ
アセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3
−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類
などを例示することができ、これらは、単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用することができる。無機粒子
含有樹脂組成物における溶剤の含有割合としては、良好
な転写層形成性能(流動性または可塑性)が得られる範
囲内において適宜選択することができるが、通常、
(A)無機粒子100質量部に対して、10,000質
量部以下であり、好ましくは10〜1,000質量部と
される。
【0028】(D)エチレン性不飽和基含有化合物 無機粒子含有樹脂組成物を感光性無機粒子含有樹脂組成
物として用いる際には、エチレン性不飽和基含有化合物
が含有されることが好ましい。上記エチレン性不飽和基
含有化合物としては、エチレン性不飽和基を含有し、後
述する光重合開始剤により、ラジカル重合反応し得る化
合物である限り特に限定はされないが、通常、(メタ)
アクリレート化合物が用いられる。かかる(メタ)アク
リレート化合物の具体例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール
のジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキ
シポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、
両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒド
ロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセ
リン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロール
アルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価
アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の
多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポ
リ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジ
オール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオ
ールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)ア
クリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、ス
ピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)ア
クリレート類などを挙げることができる。なお、前述し
たアルカリ可溶性樹脂を構成するモノマー(イ)、
(ロ)および(ハ)に示された化合物を使用してもよ
い。エチレン性不飽和基含有化合物は、単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用することができ、通常、前述
のアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して500質量
部以下、好ましくは、20〜500質量部、より好まし
くは、40〜250質量部で用いられる。
【0029】(E)光重合開始剤 無機粒子含有樹脂組成物を感光性とする際に含有される
光重合開始剤としては、後述する露光工程においてラジ
カルを発生し、前述したエチレン性不飽和基含有化合物
の重合反応を開始せしめる化合物である限り特に限定は
されない。かかる光重合開始剤の具体例としては、ベン
ジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、
4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、カンフ
ァーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フ
ェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベ
ンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノ
フェニル)−ブタン−1−オン、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントンなどのカルボ
ニル化合物;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェ
ニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド
化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズア
ルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メル
カプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイ
ルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、
tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイド
ロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなど
の有機パーオキシド;2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−ト
リアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリ
アジン、などのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2
−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェ
ニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量
体などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種
以上を組み合わせて使用することができる。また、増感
剤、増感助剤、水素供与体、連鎖移動剤を併用してもよ
い。本発明の無機粒子含有樹脂組成物を感光性にする際
の、光重合開始剤の含有割合は、前記アルカリ可溶性樹
脂とエチレン性不飽和基含有化合物の合計量100質量
部に対して、通常、0.1〜100質量部、好ましくは
1〜50質量部である。
【0030】各種添加剤 無機粒子含有樹脂組成物には、上記(A)〜(E)の成
分のほかに、可塑剤、接着助剤、分散剤、保存安定剤、
消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、現
像促進剤などの各種添加剤が任意成分として含有されて
いてもよい。 可塑剤 可塑剤は、形成される無機粒子含有樹脂層に良好な可撓
性と燃焼性とを発現させるために添加される。具体的に
は、下記一般式(2)または(3)で表される化合物
が、熱により容易に分解除去され、得られるパターンの
性能に悪影響を及ぼさないため、好ましく用いられる。
【0031】
【化1】
【0032】(式中、R1 およびR4 は、それぞれ、同
一または異なる炭素数1〜30のアルキル基を示し、R
2 およびR3 は、それぞれ、同一または異なるメチレン
基または炭素数2〜30のアルキレン基を示し、sは0
〜5の数であり、tは1〜10の数である。)
【0033】
【化2】
【0034】(式中、R5 は炭素数1〜30のアルキル
基またはアルケニル基を示す。)
【0035】上記式(2)において、R1 またはR4
示されるアルキル基、並びにR2 またはR3 で示される
アルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよ
く、また、飽和基であっても不飽和基であってもよい。
1 またはR4 で示されるアルキル基の炭素数は、1〜
30とされ、好ましくは2〜20、さらに好ましくは4
〜10とされる。当該アルキル基の炭素数が30を超え
る場合には、溶剤に対する可塑剤の溶解性が低下し、転
写フィルムの良好な可撓性が得られない場合がある。
【0036】上記式(2)で示される化合物の具体例と
しては、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジブチル
ジグリコールアジペート、などが挙げられる。好ましく
は、nが2〜6で表される化合物である。
【0037】上記式(3)において、R5 で示されるア
ルキル基およびアルケニル基は、直鎖状であっても分岐
状であってもよく、また、飽和基であっても不飽和基で
あってもよい。R5 で示されるアルキル基またはアルケ
ニル基の炭素数は、1〜30とされ、好ましくは2〜2
0、さらに好ましくは10〜18とされる。上記式
(3)で示される化合物の具体例としては、プロピレン
グリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノ
オレートなどが挙げられる。
【0038】無機粒子含有樹脂組成物における可塑剤の
含有割合としては、無機粒子100質量部に対して、通
常、20質量部以下、好ましくは、0.1〜20質量
部、さらに好ましくは0.5〜10質量部とされる。
【0039】接着助剤 接着助剤としては、シランカップリング剤〔アルキル基
含有(アルキル)アルコキシシラン〕が好適に用いられ
る。シランカップリング剤の具体例としては、ガラスフ
リットの処理に用いた有機ケイ素化合物と同様な化合
物、好ましくはオルガノシラン(1)を利用することが
できる。
【0040】無機粒子含有樹脂組成物における接着助剤
の含有割合としては、無機粒子100質量部に対して、
通常、10質量部以下、好ましくは0.001〜10質
量部、さらに好ましくは0.001〜5質量部とされ
る。
【0041】分散剤 無機粒子の分散剤としては、脂肪酸が好ましく用いられ
る。特に、炭素数8〜30の脂肪酸が好ましい。上記脂
肪酸の好ましい具体例としては、オクタン酸、ウンデシ
ル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペン
タデカン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪
酸;エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、アラキドン酸、カルボキシポリカプロラクトン(n
=2)モノアクリレートなどの不飽和脂肪酸を挙げるこ
とができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0042】無機粒子含有樹脂組成物における分散剤の
含有割合としては、無機粒子100質量部に対して、通
常、10質量部以下、好ましくは0.001〜10質量
部、さらに好ましくは0.01〜5質量部とされる。
【0043】本発明の無機粒子含有樹脂組成物は、本発
明の転写フィルムを製造するために特に好適に使用する
ことができる。
【0044】<転写フィルム>本発明の転写フィルム
は、支持フィルムと、この上に形成された無機粒子含有
樹脂層を有してなり、当該無機粒子含有樹脂層の表面に
保護フィルムが設けられていてもよい。
【0045】本発明の転写フィルムを構成する支持フィ
ルムは、耐熱性および耐溶剤性を有すると共に可撓性を
有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィル
ムが可撓性を有することにより、ロールコータによって
ペースト状組成物を塗布することによって無機粒子含有
樹脂層を形成することができ、無機粒子含有樹脂層をロ
ール状に巻回した状態で保存し、供給することができ
る。支持フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリ
エチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ
ビニルアルコール、ポリフロロエチレンなどの含フッ素
樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができ
る。支持フィルムの厚さとしては、例えば20〜100
μmとされる。支持フィルムの表面には離型処理が施さ
れていることが好ましい。これにより、後述のパターン
の形成工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に
行うことができる。なお、保護フィルムについても、支
持フィルムと同様のものを用いることができる。また、
保護フィルムの表面には通常離型処理が施され、保護フ
ィルム/無機粒子含有樹脂層間の剥離強度が、支持フィ
ルム/無機粒子含有樹脂層間の剥離強度よりも小さいこ
とが必要である。
【0046】本発明の転写フィルムは、本発明の無機粒
子含有樹脂組成物を支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾
燥して溶剤の一部または全部を除去して無機粒子含有樹
脂層を形成し、通常、当該無機粒子含有樹脂層上に保護
フィルムを設ける(圧着する)ことにより製造すること
ができる。
【0047】無機粒子含有樹脂組成物を支持フィルム上
に塗布し、無機粒子含有樹脂層を得る方法としては、膜
厚の均一性に優れた膜厚の大きい(例えば1μm以上)
塗膜を効率よく形成することができるものであることが
好ましく、具体的には、ロールコータによる塗布方法、
ブレードコータによる塗布方法、スリットコータによる
塗布方法、カーテンコータによる塗布方法、ワイヤーコ
ータによる塗布方法などを好ましいものとして挙げるこ
とができる。塗膜の乾燥条件としては、50〜150℃
で0.5〜30分間程度とされ、乾燥後における溶剤の
残存割合(無機粒子含有樹脂層中の含有率)は、通常、
2質量%以下とされる。上記のようにして支持フィルム
上に形成される無機粒子含有樹脂層の膜厚は5〜300
μmであり、好ましくは8〜250μmであり、さらに
好ましくは10〜200μmである。
【0048】<パネル材料の形成方法>本発明の転写フ
ィルムを用いて、パターンを形成して得られるパネル材
料、すなわち、PDPの隔壁、電極、蛍光体、抵抗体、
カラーフィルター、ブラックストライプ(マトリクス)
などを形成する場合のパターンの形成方法は、例えば、
転写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層が感光性を
有する場合、〔1〕無機粒子含有樹脂層の転写工程、
〔2〕無機粒子含有樹脂層の露光工程、〔3〕無機粒子
含有樹脂層の現像工程、〔4〕無機粒子含有樹脂層パタ
ーンの焼成工程の各工程を有する。 〔1〕無機粒子含有樹脂層の転写工程 転写工程では、本発明の転写フィルムを使用し、当該転
写フィルムを構成する無機粒子含有樹脂層を基板上に転
写する。基板材料としては、例えばガラス、シリコー
ン、アルミナなどからなる板状部材が用いられ、PDP
用にはガラス基板が用いられる。この板状部材の表面に
予め所望のパターンを形成したものを用いても差し支え
ない。基板表面に対しては、必要に応じて、シランカッ
プリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオン
プレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真
空蒸着法などによる薄膜形成処理のような適宜の前処理
を施していてもよい。転写工程の一例を示せば以下のと
おりである。必要に応じて使用される転写フィルムの保
護フィルムを剥離した後、基板上に、無機粒子含有樹脂
層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わ
せ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着す
る。これにより、基板上に無機粒子含有樹脂層が転写さ
れて密着した状態となる。ここで、転写条件としては、
例えば、加熱ローラの表面温度が20〜140℃、加熱
ローラによるロール圧が1〜5kg/cm2 、加熱ロー
ラの移動速度が0.1〜10.0m/分を示すことがで
きる。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度と
しては例えば40〜100℃とすることができる。
【0049】〔2〕無機粒子含有樹脂層の露光工程 露光工程においては、無機粒子含有樹脂層の表面に、露
光用マスクを介して、放射線を選択的照射(露光)し
て、無機粒子含有樹脂層のパターンの潜像を形成する。
なお、転写層上の支持フィルムは露光工程の前に剥離除
去してもよく、また、露光工程の後、後述する現像工程
の前に剥離除去してもよい。感度上昇の観点から、転写
層上の支持フィルムは露光工程の後、後述する現像工程
の前に剥離除去することが好ましい。露光工程において
放射線を選択的照射(露光)される放射線としては、可
視光線、紫外線、遠紫外線、電子線あるいはX線等を含
むものであり、好ましくは可視光線、紫外線および遠紫
外線が用いられ、さらに好ましくは紫外線が用いられ
る。露光用マスクの露光パターンは目的によって異なる
が、例えば、10〜500μm幅のストライプが用いら
れる。放射線照射装置としては、フォトリソグラフィー
法で使用されている紫外線照射装置、半導体および液晶
表示装置を製造する際に使用されている露光装置など特
に限定されるものではない。
【0050】〔3〕無機粒子含有樹脂層の現像工程 現像工程においては、露光された無機粒子含有樹脂層を
現像処理することにより、無機粒子含有樹脂層のパター
ン(潜像)を顕在化させる。無機粒子含有樹脂層の現像
工程で使用される現像液としては、アルカリ現像液を使
用することができる。これにより、無機粒子含有樹脂層
に含有されるアルカリ可溶性樹脂を容易に溶解除去する
ことができる。なお、無機粒子含有樹脂層に含有される
無機粒子は、アルカリ可溶性樹脂により均一に分散され
ているため、バインダーであるアルカリ可溶性樹脂を溶
解させ、洗浄することにより、無機粒子も同時に除去さ
れる。アルカリ現像液の有効成分としては、例えば水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン
酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸
水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水
素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素
ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ
酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリ
ウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキ
シエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミ
ンなどの有機アルカリ性化合物などを挙げることができ
る。無機粒子含有樹脂層の現像工程で使用されるアルカ
リ現像液は、前記アルカリ性化合物の1種または2種以
上を水などに溶解させることにより調製することができ
る。ここに、アルカリ性現像液におけるアルカリ性化合
物の濃度は、通常0.001〜10質量%とされ、好ま
しくは0.01〜5質量%とされる。アルカリ現像液に
は、ノニオン系界面活性剤や有機溶剤などの添加剤が含
有されていてもよい。なお、アルカリ現像液による現像
処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。ま
た、必要に応じて現像処理後に無機粒子含有樹脂層パタ
ーン側面および基板露出部に残存する不要分を擦り取る
工程を含んでもよい。ここに、現像処理条件としては、
現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像
方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー
法、パドル法)、現像装置などを適宜選択することがで
きる。この現像工程により、無機粒子含有樹脂層残留部
と、無機粒子含有樹脂層除去部とから構成される無機粒
子含有樹脂層パターン(露光用マスクに対応するパター
ン)が形成される。
【0051】〔4〕無機粒子含有樹脂層パターンの焼成
工程 この工程においては、無機粒子含有樹脂層パターンを焼
成処理して、パターンを形成する。これにより、無機粒
子含有樹脂層残留部中の有機物質が焼失して、基板の表
面に無機パターンを得ることができる。ここに、焼成処
理の温度としては、無機粒子含有樹脂層残留部中の有機
物質が焼失される温度であることが必要であり、通常、
大気中、400〜600℃とされる。また、焼成時間
は、通常10〜90分間とされる。
【0052】その他、無機粒子含有樹脂層が非感光性で
ある場合には、例えば、上述した工程〔1〕の後、基板
上に転写した無機粒子含有樹脂層の上にレジスト層を形
成し、当該レジスト層の露光・現像処理に続いて、無機
粒子含有樹脂層をアルカリ性溶液でエッチングすること
により無機粒子含有樹脂層パターンを形成し、上述した
工程〔4〕と同様に無機粒子含有樹脂層パターンを焼成
する工程を経てパターンを形成することができる。この
方法において用いられるレジスト層は、本発明の無機粒
子含有樹脂組成物の構成成分である(B)アルカリ可溶
性樹脂、(D)エチレン性不飽和基含有化合物および
(E)光重合開始剤を含有する樹脂組成物を塗布するこ
とにより得ることができる。また、本発明の転写フィル
ムとして、支持フィルム状にレジスト層を形成し、当該
レジスト層の上に無機粒子含有樹脂層を形成した転写フ
ィルムを用いて、無機粒子含有樹脂層とレジスト層とを
基板上に一括転写する方法を用いることもできる。
【0053】なお、本発明の転写フィルムを用いて、パ
ターンを形成しないパネル材料、すなわちPDPの誘電
体層などを形成する場合は、非感光性の転写フィルムを
用い、前述した〔1〕無機粒子含有樹脂層の転写工程、
および〔4〕無機粒子含有樹脂層の焼成工程を経て、パ
ネル材料を形成することができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「質量部」を示す。また、M
wは、東ソー株式会社製ゲルパーミィエーションクロマ
トグラフィー(GPC)(商品名HLC−802A)に
より測定したポリスチレン換算の平均分子量である。
【0055】<実施例1> ガラスフリットの表面処理:n−デシルトリメトキシシ
ラン1部を、アセトン50部に溶解させた後、平均粒径
2μmの酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素系
(PbO−ZnO−B23 −SiO2)ガラスフリッ
ト(不定形、軟化点520℃)100部を混合し20℃
で2時間攪拌した。続いて、溶媒を留去した後、80℃
で5時間真空加熱処理を行った。得られたガラスフリッ
トを、ガラスフリットとする。 (2)無機粒子含有樹脂組成物の調製: (A)無機粒子として平均粒径0.3μmのCu−Fe
−Mn複合酸化物粒子(粒状)50部およびガラスフリ
ット50部、(B)アルカリ可溶性樹脂としてメタク
リル酸n−ブチル/メタクリル酸3−ヒドロキシプロピ
ル/メタクリル酸=60/20/20(質量%)共重合
体(Mw=100,000)36部、(C)溶剤として
プロピレングリコールモノメチルエーテル150部、
(D)エチレン性不飽和基含有化合物としてトリメチロ
ールプロパントリアクリレート24部、(E)光重合開
始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン5
部、ならびに分散剤としてオレイン酸1部をビーズミル
で混練りした後、ステンレスメッシュ(25μm径)で
フィルタリングすることにより、ブラックストライプ形
成に用いる本発明の無機粒子含有樹脂組成物を調製し
た。
【0056】(3)転写フィルムの作製:無機粒子含有
樹脂組成物を予め離型処理したPETフィルムよりなる
支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μ
m)上にブレードコータを用いて塗布し、塗膜を100
℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ10μm
の無機粒子含有樹脂層を支持フィルム上に形成し、無機
粒子含有樹脂層が支持フィルム上に形成されてなる本発
明の転写フィルムを作製した。
【0057】(4)無機粒子含有樹脂層の転写工程:上
記(3)で作製した転写フィルムを、作製した直後に6
インチパネル用のガラス基板の表面に、無機粒子含有樹
脂層の表面が当接されるよう転写フィルムを重ね合わ
せ、この転写フィルムを加熱ローラにより熱圧着した。
ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を1
20℃、ロール圧を4kg/cm2 、加熱ローラの移動
速度を0.5m/分とした。これにより、ガラス基板の
表面に無機粒子含有樹脂層が転写されて密着した状態と
なった。この無機粒子含有樹脂層について膜厚を測定し
たところ、10μm±1μmの範囲にあった。
【0058】(5)無機粒子含有樹脂層の露光工程・現
像工程:無機粒子含有樹脂層に対して、露光用マスク
(50μm幅のストライプパターン)を介して、超高圧
水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射
した。ここに、照射量は400mJ/cm2とした。
【0059】露光工程の終了後、無機粒子含有樹脂層よ
り支持フィルムを剥離除去した後、露光処理された無機
粒子含有樹脂層に対して、0.5質量%の炭酸ナトリウ
ム水溶液(30℃)を現像液とするシャワー法により現
像処理を行った。次いで超純水による水洗処理を行い、
これにより、紫外線が照射されていない未硬化の無機粒
子含有樹脂層を除去し、良好なパターンが形成できた。
【0060】(6)無機粒子含有樹脂層パターンの焼成
工程:無機粒子含有樹脂層パターンが形成されたガラス
基板を焼成炉内で600℃の温度雰囲気下で30分間に
わたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表
面にブラックストライプが形成されてなるパネル材料が
得られた。
【0061】(7)転写フィルムの保存安定性評価上記
(3)で得られた転写フィルムを室温(25℃)で2週
間保存した後、上記(4)から(6)の操作を行い転写
フィルムの保存安定性を評価した。その結果、現像工程
により良好なパターン形状を持つブラックストライプが
形成でき、このパターンを焼成することにより、ガラス
基板の表面にブラックストライプが形成されてなるパネ
ル材料が得られた。
【0062】<実施例2> (1)無機粒子の表面処理:n−デシルトリメトキシシ
ラン5部を、アセトン50部に溶解させた後、平均粒径
2μmの酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム系(ZnO−B23−SiO2−Al23)ガ
ラスフリット(不定形、軟化点530℃)100部を混
合し20℃で2時間攪拌した。続いて、溶媒を留去した
後、80℃で5時間加熱処理をした。得られたガラスフ
リットを、ガラスフリットとする。
【0063】(2)無機粒子含有樹脂組成物の調製: (A)無機粒子としてガラスフリット100部、
(B)アルカリ可溶性樹脂としてメタクリル酸n−ブチ
ル/メタクリル酸3−ヒドロキシエチル/メタクリル酸
/メタクリル酸2−オキシエチルコハク酸=50/20
/20/20(質量%)共重合体(Mw=100,00
0)20部、(C)溶剤としてプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート100部、可塑剤としてト
リプロピレングリコールジアクリレート10部および分
散剤としてオレイン酸5部をビーズミルで混練りした
後、ステンレスメッシュ(25μm径)でフィルタリン
グすることにより、隔壁形成に用いる本発明の無機粒子
含有樹脂組成物を調製した。
【0064】レジスト組成物の調製 アルカリ可溶性樹脂としてn−ブチルメタクリレート/
メタクリル酸=85/15(質量%)共重合体(Mw=5
0,000)50部、エチレン性不飽和基含有化合物と
してペンタエリスリトールテトラアクリレート40部、
光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オ
ン5部および溶剤としてシクロヘキサノン150部とを
混練りすることにより、ペースト状のアルカリ現像型感
放射線性レジスト組成物を調整した。
【0065】転写フィルムの作製 上記(3)で得られたレジスト組成物を、予め離型処理
したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムよ
りなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ
38μm)上にロールコータにより塗布して塗膜を形成
し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することに
より溶剤を除去し、これにより、厚さ10μmのレジス
ト膜を支持フィルム上に形成した。その後、上記(2)
で得られた隔壁形成用の無機粒子含有樹脂組成物を当該
レジスト膜上に同様に塗布、乾燥し、厚さ200μmの
無機粒子含有樹脂層を形成した。ついで当該無機粒子含
有樹脂層上に、予め離型処理したPETよりなる保護フ
ィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ25μm)を
貼りつけることにより、本発明の転写フィルムを製造し
た。
【0066】(5)無機粒子含有樹脂層の転写工程:上
記(4)により得られた転写フィルムから保護フィルム
を剥離した後、6インチパネル用のガラス基板の表面
に、無機粒子含有樹脂層の表面が当接されるよう転写フ
ィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラに
より熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ロー
ラの表面温度を120℃、ロール圧を4kg/cm2
加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これによ
り、ガラス基板の表面に無機粒子含有樹脂層が転写され
て密着した状態となった。
【0067】(6)レジスト膜の露光工程・現像工程:
上記レジスト膜に対して、露光用マスク(50μm幅の
ストライプパターン)を介して、超高圧水銀灯により、
i線(波長365nmの紫外線)を照射した。ここに、
照射量は400mJ/cm2とした。
【0068】露光工程の終了後、無機粒子含有樹脂層よ
り支持フィルムを剥離除去した後、露光処理されたレジ
スト層に対して、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液
(30℃)を現像液とするシャワー法により現像処理を
行った。次いで超純水による水洗処理を行い、これによ
り、紫外線が照射されていない未硬化の無機粒子含有樹
脂層を除去し、良好なパターンが形成できた。
【0069】(7)無機粒子含有樹脂層パターンの焼成
工程:無機粒子含有樹脂層パターンが形成されたガラス
基板を焼成炉内で600℃の温度雰囲気下で30分間に
わたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表
面に隔壁パターンが形成されてなるパネル材料が得られ
た。
【0070】(8)転写フィルムの保存安定性評価 上記(3)で得られた転写フィルムを室温(25℃)で
2週間保存した後、上記(4)から(6)の操作を行い
転写フィルムの保存安定性を評価した。その結果、現像
工程により良好なパターン形状を持つ隔壁パターンが形
成でき、このパターンを焼成することにより、ガラス基
板の表面に隔壁が形成されてなるパネル材料が得られ
た。
【0071】<比較例1>表面処理を行っていない平均
粒径2μmのPbO−ZnO−B23 −SiO 2 系低
融点ガラスフリットを用いたこと以外は実施例1と同様
にして、無機粒子含有樹脂組成物を調製した。当該無機
粒子含有樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様
にして転写フィルムを作製した。転写フィルムを作製し
た直後に実施例1と同様にしてブラックストライプを形
成したところ、良好なパターン形状を持つブラックマト
リクスが形成されてなるパネル材料が得られた。しか
し、作製した転写フィルムを室温(25℃)で2週間保
存した後に、実施例1と同様にしてブラックストライプ
を形成したところ、紫外線が照射されていない未硬化の
無機粒子含有樹脂層のアルカリ可溶性が乏しく、パター
ンを得ることができなかった。
【0072】<比較例2>表面処理を行っていない平均
粒径2μmの酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化
アルミニウム系(ZnO−B23−SiO2−Al
23)低融点ガラスフリットを用いたこと以外は実施例
2と同様にして、無機粒子含有樹脂組成物を調製した。
当該無機粒子含有組成物を用いたこと以外は実施例2と
同様にして転写フィルムを作製した。転写フィルムを作
製した直後に実施例2と同様にして隔壁を形成したとこ
ろ、良好なパターン形状を持つ隔壁が形成されてなるパ
ネル材料が得られた。しかし、作製した転写フィルムを
室温(25℃)で2週間保存した後に、実施例2と同様
にして隔壁を形成したところ、紫外線が照射されていな
い未硬化の無機粒子含有樹脂層のアルカリ可溶性が乏し
く、パターンを得ることができなかった。
【0073】
【発明の効果】本発明の無機粒子含有樹脂組成物および
転写フィルムによれば、保存安定性に優れ、かつ寸法精
度の高いパターンを簡便に形成することができる。本発
明の転写フィルムは、PDPの誘電体層、電極、蛍光
体、カラーフィルター、隔壁およびブラックストライプ
(マトリクス)形成のために好適に使用することができ
る。また、PDPの他、LCD、有機EL素子、プリン
ト回路基板、多層回路基板、マルチチップモジュールお
よびLSIなどにおけるパターンの形成にも好適に使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 交流型のPDPの断面形状を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス基板(前面基板) 2 ガラス基
板(背面基板) 3 隔壁 4 透明電極 5 バス電極 6 アドレス
電極 7 蛍光体 8 誘電体層
(前面基板) 9 誘電体層(背面基板) 10 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/06 C08K 9/06 (72)発明者 宮本 秀俊 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA33X AA77X AB28 AD05 AE17 AF29 AF53 AF58 AH19 BA02 BB02 BC02 4J002 BC041 BC071 BC091 BC121 BG011 BG021 BG041 BG051 BG061 BG071 CC041 CF001 DE098 DE138 DE158 DJ008 DJ018 DK008 DL006 EE037 EE047 EH078 EK027 EN027 EQ037 ES007 EU107 EU187 EV047 EV317 EW147 FA016 FB126 FB266 FD016 FD018 FD147 GP00 HA08 4J011 PA15 PA69 PA85 PA88 PB02 PB16 PB22 PB40 PC02 QA09 QA13 QA22 QA34 QB01 RA03 RA07 RA10 SA21 SA31 SA41 SA51 SA64 SA76 SA78 SA83 SA84 UA01 WA01 4J026 AA17 AA45 AB01 AB07 AC36 BA26 BA28 BA50 DB06 DB36 EA06 GA06 GA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)有機ケイ素化合物で表面処理をし
    たガラスフリットを含む無機粒子および(B)アルカリ
    可溶性樹脂を含有することを特徴とする無機粒子含有樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、(D)エチレン性不飽和基含有
    化合物および(E)光重合開始剤を含有することを特徴
    とする、請求項1記載の無機粒子含有樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 有機ケイ素化合物がテトラアルコキシシ
    ラン、下記式(1)で表されるオルガノシラン、テトラ
    アルコキシシランおよび/または当該オルガノシランの
    加水分解物ならびにテトラアルコキシシランおよび/ま
    たは当該オルガノシランの縮合物からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1記
    載の無機粒子含有樹脂組成物。 (式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基、aは1〜
    3の整数、mは1〜3の整数、nは1〜3の整数であ
    る。)
  4. 【請求項4】 請求項1記載の無機粒子含有樹脂組成物
    から得られる無機粒子含有樹脂層が支持フィルム上に形
    成されていることを特徴とする転写フィルム。
JP2000366356A 2000-11-30 2000-11-30 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム Pending JP2002167515A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366356A JP2002167515A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000366356A JP2002167515A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002167515A true JP2002167515A (ja) 2002-06-11

Family

ID=18836999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000366356A Pending JP2002167515A (ja) 2000-11-30 2000-11-30 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002167515A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005021645A1 (ja) * 2003-08-27 2005-03-10 Asahi Glass Company, Limited ペースト組成物、焼成体、ペースト用樹脂、ペースト用樹脂溶液組成物及びプラズマディスプレイパネル前面板製造方法
WO2005085360A1 (ja) * 2004-03-09 2005-09-15 Jsr Corporation 無機粉体含有組成物、転写フィルムおよび無機焼結体の形成方法
JP2005255716A (ja) * 2004-03-09 2005-09-22 Jsr Corp ガラスペースト組成物、転写フィルムおよびガラス焼結体の形成方法
JP2006219660A (ja) * 2005-01-11 2006-08-24 Jsr Corp 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2007009190A (ja) * 2005-06-02 2007-01-18 Jsr Corp 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005021645A1 (ja) * 2003-08-27 2005-03-10 Asahi Glass Company, Limited ペースト組成物、焼成体、ペースト用樹脂、ペースト用樹脂溶液組成物及びプラズマディスプレイパネル前面板製造方法
WO2005085360A1 (ja) * 2004-03-09 2005-09-15 Jsr Corporation 無機粉体含有組成物、転写フィルムおよび無機焼結体の形成方法
JP2005255716A (ja) * 2004-03-09 2005-09-22 Jsr Corp ガラスペースト組成物、転写フィルムおよびガラス焼結体の形成方法
JP2006219660A (ja) * 2005-01-11 2006-08-24 Jsr Corp 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2007009190A (ja) * 2005-06-02 2007-01-18 Jsr Corp 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009031693A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、パターン形成方法およびフラットパネルディスプレイ用電極の製造方法
JP4158292B2 (ja) 導電性樹脂組成物および電極形成用転写フィルム
JP4075277B2 (ja) 無機粒子含有感光性組成物および感光性フィルム
JP2004055402A (ja) 導電性ペースト組成物、電極形成用転写フィルムおよびプラズマディスプレイ用電極
JP2006219660A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2002167515A (ja) 無機粒子含有樹脂組成物および転写フィルム
JP2006219659A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP5169757B2 (ja) 感光性組成物および焼成体の形成方法並びにフラットディスプレイパネルの製造方法
JP2001133970A (ja) 感光性転写フィルム
WO2005085360A1 (ja) 無機粉体含有組成物、転写フィルムおよび無機焼結体の形成方法
JP3982062B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4366820B2 (ja) 無機粒子含有感光性組成物および感光性フィルム
JP2001206979A (ja) 無機粒子含有樹脂組成物、転写フィルムおよびそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008298999A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、パターン形成方法およびフラットパネルディスプレイ用部材の製造方法
JP4639770B2 (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2008077069A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびフラットパネルディスプレイの製造方法
KR20060051015A (ko) 무기 분체 함유 수지 조성물, 전사 필름 및 플라즈마디스플레이 패널의 제조 방법
JP2001264972A (ja) 転写フィルム
JP2003071962A (ja) 転写フィルム
JP2008242246A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびフラットパネルディスプレイの製造方法
JP2005325148A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2009040619A (ja) フラットパネルディスプレイ部材形成用組成物
JP2008074681A (ja) 無機粉体含有樹脂組成物、転写フィルムおよびフラットパネルディスプレイパネルの製造方法
KR100869398B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 제조 방법 및 전사 필름
JP2001264967A (ja) 無機粒子含有感光性組成物および感光性フィルム