JP2013004498A - レーザーを用いた導電パターン形成方法及びその方法に用いる組成物 - Google Patents

レーザーを用いた導電パターン形成方法及びその方法に用いる組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン形成のタクトタイムの短縮を可能とし、またパターン層と誘電体層の一括焼成を可能にし、パターン形成のトータル的低コスト化が可能なパターニング方法を提供する。
【解決手段】本発明のパターン形成方法は、Snを主成分とした導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を含むペーストを基材上に塗布する塗布工程と、塗布された前記ペーストを乾燥し、乾燥塗膜を形成する乾燥工程と、レーザーの照射により、前記乾燥塗膜に導電パターンを描画するレーザー照射工程と、前記乾燥塗膜のうち、前記レーザーの未照射部分を、現像液を用いて除去する現像工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザーを用いた導電パターン形成方法及びその方法に用いる組成物に関する。
半導体集積回路(IC)やフラットパネルディスプレイのような各種の電子装置においては、集積度の向上、あるいは高画質化に伴って、それらに含まれる電極や配線パターンも微細化されている。これら電極、配線等の形成は、ガラスやセラミックス等の基板上にフォトリソグラフィー技術を利用して所定のパターンを形成した後、高温下で長時間焼成を行いパターン形成する方法が一般的である。
例えば、フラットパネルディスプレイの一種であるプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)のフロントパネルの製造においては、ガラス基板にITOのパターンを形成した後、感光性ペーストによるフォトリソグラフィー技術を利用したバス電極パターニング→焼成→誘電体塗布→焼成という工程を経ることが一般的であり、更にブラックマトリックスを設ける場合は、バス電極の焼成後にブラックマトリックスパターニング→焼成という工程が追加される。
このようにPDPの製造においては各種パターンの形成毎に焼成工程が繰り返されるが、焼成工程は有機成分のバーンアウト、無機成分の融着を行う工程であるため焼成温度は550℃以上と非常に高温であり、キープ時間も長い。さらにガラスパネルが大きいため急激な温度変化は難しく、昇温、冷却時間も非常に長くなる。また温度が高いため必要とするエネルギーも膨大であり、設備も非常に巨大なものとなるため、焼成工程はPDP製造の中でも最も製造コストに占める割合が大きな工程である。そのため、焼成工程を減らすことができればパネルの製造コストの大幅ダウンが可能となる。
焼成回数を減らす方法としては、熱硬化樹脂、酸化銀を含むペーストを用いたレーザーパターニング方法が開示されている。この方法は、酸化銀が熱又は光により分解し、活性酸素を放出するという性質を利用したものである。具体的には、基材にペーストを塗布し、一夜間かけてペーストを硬化し、その後にレーザー照射することによって基材上に所望の電極パターンを形成する。その後、全面紫外線露光することで、レーザー未照射部の有機成分を上述の活性酸素により、酸化分解し劣化させ、ブラッシング等することで焼成工程を経ずに所望の電極パターンを形成するというものである(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法では、ペーストを基材に塗布後、一夜間かけて基材上のペーストを硬化させる工程やレーザーパターニング後に全面紫外線露光する工程など工程数が多いため依然としてタクトタイムの短縮という面で問題がある。
特開2005−195715号公報(特許請求の範囲)
上記問題に対し、本発明の発明者らは、無機粉末、カルボキシル基含有樹脂、低融点ガラスフリット及び溶剤からなる、フォトリソグラフィーと焼成工程を含むパターン形成方法に用いられている従来のペーストを用い、これを基板上に塗布する塗布・乾燥し、得られた乾燥塗膜にレーザーを照射することによりパターンを描画し、その後、アルカリ溶液を用いて前記パターンを現像するパターン形成方法を発明し、出願している(特願2009−087332)。かかる発明によれば、従来のペーストと現像工程を用い、焼成工程を要することなく十分に実用可能なパターン形成ができることを確認している。
本発明の発明者らは、上記発明のパターン形成方法のさらなる低コスト化の検討として、上記発明のパターン形成方法に用いられるペーストに着目した。上記発明のパターン形成方法に用いられるペーストは、上述したように従来のペースト、即ち、導電性粉末、低融点ガラスフリット及び有機バインダー等を含むものが用いられている。
従来から用いられている導電性粉末には、抵抗値が低く大気雰囲気下でも焼成できるという点から、銀粉末が好適に用いられるが、銀粉末は高価な為、材料コストに占める割合が最も大きい。また、絶縁体である低融点ガラスフリットは、導電パターンと基材とを密着させる結着材として配合されるが、得られた導電パターンの抵抗値はガラスフリットを配合しない場合に比べて高くなってしまう。
本発明は、これら課題を解決すべく開発されたものであり、導電パターン形成の低コスト化が可能なパターン形成方法及びそれに用いる組成物を提供することを目的とする。
本発明の一形態によれば、Snを主成分とした導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を含むペーストを基材上に塗布する塗布工程と、塗布された前記ペーストを乾燥し、乾燥塗膜を形成する乾燥工程と、レーザーの照射により、前記乾燥塗膜に導電パターンを描画するレーザー照射工程と、前記乾燥塗膜のうち、前記レーザーの未照射部分を、現像液を用いて除去する現像工程とを含む導電パターン形成方法が提供される。
Sn(錫)を主成分とした導電性粉末は、融点(mp)が他の導電性粉末より低いため(140〜300℃)、レーザー照射により溶融し、基材と密着する。これにより、低融点ガラスフリットを配合しなくても基材との密着を達成できる。また、低融点ガラスフリットを配合しないため、導電パターンの抵抗値を低く抑えることができる。即ち、Sn(錫)を主成分とした導電性粉末は、導電体としてだけでなく結着材としても機能する。また、Sn(錫)を主成分とした導電性粉末よりも導電性の良好な金属と共に用いた場合には、Ag等の後述する導電性の良好な金属の配合量を低減させることができる。
また、本発明の一形態によれば、上記導電性粉末は、Sn(錫)−Bi(ビスマス)系、Sn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系であるパターン形成方法が提供される。
また、本発明の一形態によれば、上記レーザーは、YVO4レーザーの第二高調波が用いられることを特徴とするパターン形成方法が提供される。
また、本発明の一形態によれば、Snを主成分とした導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を含むレーザーパターニング用組成物が提供される。
また、本発明の一形態によれば、上記組成物の塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥した後、レーザー照射により、前記塗布膜に導電パターンを描画し、現像することで得られる導電パターンが提供される。
また、本発明の一形態によれば、上記パターン形成方法により得られる導電パターンを有する基板が提供される。
本発明のパターン形成方法及びその方法に用いられる組成物によれば、低コストで、タクトタイムの短縮が可能な導電パターンの形成方法及びこれに用いる組成物を提供することができる。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、Snを主成分とした導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を含むペーストを基材上に塗布する塗布工程と、塗布された前記ペーストを乾燥し、乾燥塗膜を形成する乾燥工程と、レーザーの照射により、前記乾燥塗膜に導電パターンを描画するレーザー照射工程と、前記乾燥塗膜のうち、前記レーザーの未照射部分を、現像液を用いて除去する現像工程とを含む導電パターン形成方法を用いることによって、上記課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
先ず、本実施形態のパターン形成方法に用いる導電性ペーストについて詳細に説明する。
本実施形態の導電性ペーストは、Sn(錫)を主成分とした導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を含むことを特徴としている。
Sn(錫)を主成分とした導電性粉末としては、導電性を付与するものであり、且つレーザー照射によって溶融するものであれば特に限定されないが、環境面を考慮すると鉛成分を含まないものが好ましい。具体的には、例えばSn(錫)−Ag(銀)系、Sn(錫)−Bi(ビスマス)系、Sn(錫)−Cu(銅)系、Sn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系、Sn(錫)−Zn(亜鉛)−Bi(ビスマス)系、Sn(錫)−Zn(亜鉛)−Al(アルミニウム)系、Sn(錫)−Cu(銅)−Ni(ニッケル)系、Sn(錫)−Ag(銀)−In(インジウム)−Bi(ビスマス)系等の合金などを挙げることができる。
このようなSn(錫)を主成分とした導電性粉末は、乾燥塗膜中に50〜98質量%の割合で配合される。Sn(錫)を主成分とした導電性粉末が50質量%より少ない場合、レーザー照射後の導体パターンがポーラスな状態となり、充分な導電性が得られ難くなる。一方、98質量%より多い場合、分散性が低下しペースト化が困難となり、塗膜形成に不具合を生じる。
また、必要に応じて、上記したSn(錫)を主成分とした導電性粉末と共に、他の導電性粉末を加えることができる。このような導電性粉末としては、例えばAg、Au、Pt、Pd、Ni、Cu、Al、Pb、Zn、Fe、Ir、Os、Rh、W、Mo、Ru等の単体とその合金の他、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム(In23)、ITO(Indium Tin Oxide)などを用いることができる。
これら導電性粉末は、平均粒径が0.5〜10μmであるものが好ましい。平均粒径が10μmより大きいと、レーザーパターニング後に導電パターンにピンホールや隙間が生じやすくなり十分な導電性が得られ難くなる。より好ましくは1.0〜7.0μmである。また、このような導電性粉末は、球状、フレーク状、デンドライト状など種々の形状のものを用いることができるが、光特性や分散性を考慮すると、球状のものを用いることが好ましい。
なお、本明細書において、平均粒径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて10,000倍にて観察したランダムな10個の導電性粉末の長手方向を測定した平均粒径を意味する。
有機バインダーとしては、レーザーによりバーンアウトしやすく、かつパターン以外の部分を除去する工程に適したものがよい。一例として、パターン以外の部分を除去する工程がアルカリ現像の場合、カルボキシル基を有する樹脂としては、具体的にはエチレン性二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。特に好適に用いられる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂、
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸クロライドなどにより、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(3)グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基にテトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、スチレンなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(5)多官能エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基にテトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(6)メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(7)ポリビニルアルコールなどの水酸基含有ポリマーに多塩基無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、及び
(8)ポリビニルアルコールなどの水酸基含有ポリマーに、テトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂などが挙げられ、特に(1)、(2)、(3)、(6)の樹脂が好適に用いられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
このようなカルボキシル基を有する樹脂の重量平均分子量としては、1,000〜100,000、かつ酸価が20〜250mgKOH/gであることが好ましい。重量平均分子量が1,000未満の場合、現像時の塗膜の密着性に悪影響を与える。一方、100,000を超えた場合、現像不良を生じやすくなる。より好ましくは5,000〜70,000である。また、酸価が20mgKOH/g未満の場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不十分となり現像不良を生じやすい。一方、250mgKOH/gを超えた場合、現像時に塗膜の密着性の劣化が生じてしまう。より好ましくは40〜200mgKOH/gである。
また、上記したようなカルボキシル基を含有する樹脂以外にも、印刷性に適した流動性、粘性を付与できるものであれば、有機バインダーとして用いることができる。例えばアクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、フタル酸樹脂、アミノ樹脂、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、セルロース誘導体、ロジン、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂などの公知の樹脂を用いることができる。
これら有機バインダーは、単独で又は混合して用いてもよいが、いずれの場合でもこれら有機バインダーは合計でペースト全量の5〜50質量%で配合されることが好ましい。配合量が5質量%未満の場合、形成する塗膜中の上記樹脂の分布が不均一になりやすく、現像によるパターニングが困難となる。一方、50質量%を超えた場合、パターンのよれや線幅収縮を生じやすくなる。
溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤などが挙げられる。これら有機溶剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような溶剤の配合量は、塗布作業性の観点からペースト中の有機成分に対して、100〜300質量%の割合で配合するのが好ましい。
本実施態様のパターン形成方法に用いるペーストには現像性を向上させるために、必要に応じて低分子モノマーを配合することができる。低分子モノマーとは、分子量1000以下のモノマーのことを指し、具体的には、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−、またはそれ以上のポリエステルなどの重合性モノマーが挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、またこれらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの低分子モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。このような低分子モノマーの配合量は、有機バインダー100質量部に対し20〜100質量部が適当である。
また、必要に応じて低融点ガラスフリット(低融点ガラス粉末)を配合することができる。このような低融点ガラスフリットとしては、ガラス転移点が360〜500℃、ガラス軟化点が420〜580℃のものが好ましい。また、熱膨張係数α300は、60〜110×10−7のものが好ましい。このような低融点ガラスフリットとしては、例えば酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リチウム、またはアルカリホウケイ酸塩を主成分とするものが好適に用いられる。
具体的には、酸化鉛を主成分とするガラスフリットの好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、PbOが48〜82%、Bが0.5〜22%、SiOが3〜32%、Alが0〜12%、BaOが0〜15%、TiOが0〜2.5%、Biが0〜25%の組成を有し、軟化点が420〜580℃である非晶性ガラスフリットが挙げられる。
また、酸化ビスマスを主成分とするガラスフリットの好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、Biが6〜88%、Bが5〜30%、SiOが5〜25%、Alが0〜5%、BaOが0〜20%、ZnOが1〜20%の組成を有し、軟化点が420〜580℃である非晶性ガラスフリットが挙げられる。
また、酸化亜鉛を主成分とするガラスフリットの好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、ZnOが25〜60%、KOが2〜15%Bが25〜45%、SiOが1〜7%、Alが0〜10%、BaOが0〜20%、MgOが0〜10%の組成を有し、軟化点が420〜580℃である非晶性ガラスフリットが挙げられる。
このような低融点ガラスフリットの配合量は、レーザー照射後のパターンの密着性並びに抵抗値低減の観点から導電性粉末に対して、1〜30質量%である。より好ましくは1〜20質量%である。
また、必要に応じて、安定剤を添加することができる。安定剤としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸等の各種無機酸;ギ酸、酢酸、アセト酢酸、クエン酸、ステアリン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、スルファミン酸等の各種有機酸;リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、亜リン酸エチル、亜リン酸ジフェニル、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等の各種リン酸化合物(無機リン酸、有機リン酸)などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。このような安定剤は、本実施形態に配合される導電性粉末等の無機粉末100質量部当り0.1〜10質量部の割合で添加することが好ましい。
次に、本実施形態のパターンの形成方法について詳細に説明する。
先ず、本実施形態の導電性ペーストに関し、上述した各必須成分、ならびに任意成分との混練分散は、三本ロールやブレンダー等の機械が用いられる。こうして分散された導電性ペーストは、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法で基材上に塗布される。
次いで、指触乾燥性を得るために、熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜150℃で5〜60分程度乾燥させて溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。なお、本実施形態の導電性ペーストは、予めフィルム状に成膜したドライフィルムとして用いてもよい。
上記乾燥により得られた乾燥塗膜に対し、レーザー照射を行うことで所望のパターンを形成する。レーザーを照射された領域は、塗膜中の有機成分はほとんどバーンアウトし、Snを主成分とした導電性粉末は溶融し、ガラス基材上に融着される。本工程では、大気雰囲気下や例えばNe、He、Ar等の不活性ガス雰囲気下のいずれの場合でも行うことができるが、得られる導電パターンの酸化防止の観点から不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
パターニング方式としては、例えばCADなどで、所望のパターンを作成し、これに従ってレーザーを照射するレーザー描画法が用いられる。用いられるレーザーとしては、基本波の波長が、266〜10600nmの範囲が好ましい。具体的には、YVOレーザーが好適に用いられる。レーザー出力及び照射速度は、塗膜中のSnを主成分とした導電粉末等の無機成分が融着できる程度の熱量になるように調節する。具体的には、レーザー出力は、0.5〜2.0W、照射速度は、0.1〜1.0mm/sの範囲で適宜調節される。レーザー出力が、0.5Wより小さい場合、十分な融着ができない。一方、2.0Wより大きい場合、照射部分の熱の拡散によって線幅が太くなる。また、照射速度が0.1mm/sより遅い場合、パターン形成のタクトタイム短縮の観点から好ましくない。一方、照射速度が1.5mm/sより速い場合、十分に有機バインダー等がバーンアウトされない。なお、ここではレーザー描画を挙げているが、これに限定されず、例えば電子線ビーム、イオンビーム、荷電ビーム等を用いて描画してもよい。その後、レーザー未照射部を洗い落とす現像を経て所望のパターンが形成される。
現像方法としてはスプレー法、浸漬法等あるいは超音波による方法が用いられる。用いられる現像液としては、アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液などが挙げられる。特に約1.5質量%以下の濃度の金属アルカリ水溶液が好適に用いられる。組成物中のカルボキシル基を含有する樹脂のカルボキシル基がケン化され、未照射部が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好ましい。
また、有機溶剤による現像の場合、例えばメタノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸n−プロピルのエステル類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコールエステル類、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のエーテル類等の公知の有機溶剤が好適に用いられる。有機溶剤による現像においても、アルカリ現像の場合と同様、未照射部が除去されればよく、上記した現像液に限定されるものではない。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されないことは勿論である。尚、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
(有機バインダーの合成)
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.76:0.24のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロマイドを用い、グリシジルメタクリレートを、95〜105℃で16時間の条件で、上記樹脂のカルボキシル基1モルに対し0.12モルの割合の付加モル比で付加反応させ、冷却後取り出し、有機バインダーを得た。この有機バインダーは、重量平均分子量が約10,000、固形分酸価が59mgKOH/g、二重結合当量が950であった。なお、得られた共重合樹脂の重量平均分子量の測定は、島津製作所社製ポンプLC−6ADと昭和電工社製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
(試験基板作成)
乾燥塗膜:
高歪ガラス(PD200:旭ガラス社製)基板上に、評価用のペーストを200メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で30分間乾燥して指触乾燥性の良好な乾燥塗膜(膜厚10μm)を形成した。
パターニング:
上記の方法で作成した乾燥塗膜を、照射距離3cmにて乾燥塗膜の塗膜表面に焦点距離を合わせ、YVOレーザー(第二高調波;532nm)を照射してパターンを形成し、評価パターンとした。
現像:
上記の方法で作成した評価パターンを、液温30℃の0.4%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー法にてレーザー未照射部分が完全に落ちるまで現像を行い、評価パターンとした。
評価項目、測定条件は以下の通りである。
(膜厚)
上記方法にて形成した評価パターンの膜厚を測定した。膜厚の測定は表面粗さ計により測定した。
(線幅)
上記現像方法によって得られたパターンの線幅を光学顕微鏡にて測定した。
(体積固有抵抗値)
パターニングした部分について抵抗計(HIOKI3540mΩHITESTER)にて抵抗値を測定し、膜厚(表面粗さ計)、線幅(光学顕微鏡)にてそれぞれ測定した。
なお、
体積固有抵抗値(Ω・cm)=抵抗値(Ω)×断面積(cm)/長さ(cm)
とした。
上記方法により合成された有機バインダーを用い、表1に示す種々の成分、割合(質量部)にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行い、導電性ペーストを得た。
Figure 2013004498
[備考]
*1:組成比;Sn 42 %、Bi 58 %(平均粒径 5.0 μm、球状粉)
*2:組成比;Sn 96.5 %、Ag 3 %、Cu 0.5 %(平均粒径 5.0 μm、球状粉)
*3:(平均粒径 2.1 μm、球状粉)
*4:アルコール系溶剤(ターピネオールC 日本テルペン化学製)
*5:アクリル系レベリング・消泡剤(ポリフローNo.90 共栄社化学製)
このようにして得られた組成物例1〜3を用いて上記方法により作成した乾燥塗膜について、レーザー出力0.5、2.0Wの場合におけるレーザー照射速度0.1と1.0mm/sで得られた評価パターンの各々の体積固有抵抗値を上記測定方法にて評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2013004498
実施例1〜8は、導電性粉末1を含有する組成物1からなる乾燥塗膜を用いた場合であり、実施例1〜4は大気雰囲気下、実施例5〜8はAr雰囲気下でレーザーパターニングを行った場合である。実施例9〜16は、導電性粉末2を含有する組成物2からなる乾燥塗膜を用いた場合であり、実施例9〜12は大気雰囲気下、実施例13〜16はAr雰囲気下でレーザーパターニングを行った場合である。実施例17〜24は、導電性粉末2にAg粉末を混合した組成物3からなる乾燥塗膜を用いた場合であり、実施例17〜20は大気雰囲気下、実施例21〜24はAr雰囲気下でレーザーパターニングを行った場合である。
表2に示すように実施例1〜4、9〜12、17〜24のSnを主成分とした導電性粉末を有する組成物に大気中でレーザー照射した場合によれば、レーザーパターニング後、良好な導電性を得ることができる。また、実施例5〜8、13〜16、21〜24のSnを主成分とした導電性粉末を有する組成物にAr雰囲気下でレーザー照射した場合によれば、酸化が抑制され、さらに低抵抗な導電性を得ることができる。

Claims (6)

  1. Snを主成分とした導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を含むペーストを基材上に塗布する塗布工程と、
    塗布された前記ペーストを乾燥し、乾燥塗膜を形成する乾燥工程と、
    レーザーの照射により、前記乾燥塗膜に導電パターンを描画するレーザー照射工程と、
    前記乾燥塗膜のうち、前記レーザーの未照射部分を、現像液を用いて除去する現像工程と
    を含むことを特徴とする導電パターン形成方法。
  2. 前記導電性粉末は、Sn(錫)−Bi(ビスマス)系、又はSn(錫)−Ag(銀)−Cu(銅)系であることを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成方法。
  3. 前記レーザーは、YVO4レーザーの第二高調波であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電パターン形成方法。
  4. Snを主成分とした導電性粉末、有機バインダー及び溶剤を含むことを特徴とするレーザーパターニング用組成物。
  5. 請求項4に記載の組成物からなる塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥した後、レーザーの照射により、前記塗布膜に導電パターンを描画し、前記レーザーの未照射部分を、現像除去することで得られることを特徴とする導電パターン。
  6. 請求項5に記載の導電パターンを有することを特徴とする基板。
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