JP2003280181A - 感光性導電ペースト及びそれを用いて形成した導電体パターン - Google Patents

感光性導電ペースト及びそれを用いて形成した導電体パターン

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JP2003280181A
JP2003280181A JP2002084170A JP2002084170A JP2003280181A JP 2003280181 A JP2003280181 A JP 2003280181A JP 2002084170 A JP2002084170 A JP 2002084170A JP 2002084170 A JP2002084170 A JP 2002084170A JP 2003280181 A JP2003280181 A JP 2003280181A
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photosensitive
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JP2002084170A
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Kazunobu Fukushima
和信 福島
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Taiyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性と高精細パターン形成性(解像性)が共
に優れる導電体パターンを複雑な工程を経ることなく容
易に形成し得る感光性導電ペーストを提供すること。 【解決手段】(A)導電粉末、(B)有機バインダー、
(C)光重合性モノマー、(D)光重合開始剤を含有す
るペーストにおいて、前記光重合開始剤(D)が2−メ
チル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフ
ォリノプロパン−1−オンとチオキサントン系開始剤か
らなることを特徴とする感光性導電ペーストを提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性導電ペースト及
びそれを用いて形成した導電体パターンに関し、特に、
フォトリソグラフィー技術にて形成されるパターン塗膜
の焼成により得られる導電体の材料として好適に用いら
れる感光性導電ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラズマディスプレイパネルやC
CDセンサ、イメージセンサ等の部品において、無アル
カリガラスやその他の各種ガラス基板上の電極は、蒸着
法によって形成されていた。しかしながら、この蒸着法
は、真空容器内に電極形成部材を収納して金膜を蒸着す
るものであり、装置が大がかりで高価であるばかりでな
く、部材の出し入れがわずらわしく、真空引きに時間を
要するなど作業性が悪いという欠点があった。
【0003】これに対し、基板上に導電体のパターン層
を形成する他の方法として、非感光性の有機バインダー
に金属粉末を混合したペースト材料、例えば乾燥型や熱
硬化型の導電性ペーストを、スクリーン印刷等の印刷技
術を用いて基板上にパターン化させる方法がある。しか
しながら、かかる印刷技術を用いてパターン化させる方
法では、低コストで作業性は良くなるものの工業的に安
定して100μm以下の線幅を有する導電体パターンを
形成することは困難であった。
【0004】そのため最近では、感光性導電ペーストを
用いフォトリソグラフィー技術を利用した導電体パター
ンの形成方法が提案されている。しかしながら、かかる
方法に用いる感光性導電ペーストは、導電性を確保する
ためには導電粉末を高濃度に配合する必要があり、その
ため光透過性が悪く、高精細なパターンを得るには依然
として難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
技術が抱える上記課題を解消するためになされたもので
あり、その主たる目的は、導電性と高精細パターン形成
性(解像性)が共に優れる導電体パターンを複雑な工程
を経ることなく容易に形成し得る感光性導電ペーストを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的の実
現に向け鋭意研究した結果、感光性導電ペーストに用い
る光重合開始剤として、2−メチル−1−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オ
ンとチオキサントン系開始剤を組み合わせて用いた感光
性導電ペーストによれば、導電性と高精細パターン形成
性が共に優れる導電体パターンを複雑な工程を経ること
なく容易に得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明の感光性導電ペースト
は、(A)導電粉末、(B)有機バインダー、(C)光
重合性モノマー、(D)光重合開始剤を含有するペース
トにおいて、前記光重合開始剤(D)が2−メチル−1
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプ
ロパン−1−オンとチオキサントン系開始剤からなるこ
とを特徴とする。好適な態様として、前記有機バインダ
ー(B)はカルボキシル基を有することが好ましく、前
記光重合開始剤(D)は、2−メチル−1−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−
オンとチオキサントン系開始剤が、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ン−1−オン100質量部に対して1〜50質量部の割
合で配合されていることが好ましい。さらに、上記構成
に加えて、(E)合成アモルファスシリカを含むことが
好ましい。
【0008】また、本発明の導電体パターンは、上述し
た本発明の感光性導電ペーストを用いて焼成物パターン
を形成してなることを特徴とする。この導電体パターン
は、基材上に、本発明の感光性導電ペーストを塗布・乾
燥して乾燥塗膜を形成し、次いで、露光・現像した後、
得られた感光性導電ペーストの乾燥塗膜パターンを、好
ましくは480℃〜620℃の温度で焼成して有機分を
脱バインダーすることにより、形成することが好まし
い。
【0009】
【発明の実施の形態】さて、高精細な導電体パターンを
得るためには、特に光重合開始剤を選択する必要があ
り、特開平5−204151号公報には、光ラジカル発
生剤としてチオキサントン系色素とアミン化合物を用い
た組成物が提案されている。しかしながら、発明者らが
種々検討するなかで、前記公報に例示されているアミン
化合物は、全て水素引き抜きタイプのものであり、その
増感効果には限界がある。しかも、このアミン化合物
は、アルカリ現像などの水現像型とする場合、組成物中
に含まれるカルボン酸樹脂と塩構造を作りやすく、現像
時の耐水性が極めて劣化しパターンの解像性が著しく低
下するという問題があることを突き止めた。
【0010】そこで発明者は、カルボン酸樹脂と塩構造
を作らずしかも自己開裂型の光重合開始剤に着目し、さ
らに鋭意研究した結果、2−メチル−1−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オ
ンとチオキサントン系開始剤を組み合わせた構成によれ
ば、得られる感光性導電ペーストは、極めて優れた光反
応性を示し、かつ導電粉末を高濃度に配合した場合にお
いても高精細な導電体パターンが形成でき、十分な導電
性と高精細化が両立できることを見出したのである。
【0011】すなわち、本発明によれば、導電性と高精
細パターン形成性(解像性)が共に優れる導電体パター
ンを複雑な工程を経ることなく容易に形成し得る感光性
導電ペーストを提供することができる。
【0012】以下、本発明の感光性導電ペーストについ
て説明する。まず、本発明の感光性導電ペーストを構成
する導電性粉末(A)は、ペーストに導電性を付与する
ものであり、このような導電性粉末としては、AgやA
u、Pt、Pd、Ni、Cu、Al、Sn、Pb、Z
n、Fe、Ir、Os、Rh、W、Mo、Ru等の単体
とその合金の他、その酸化物、酸化錫(SnO2)、酸
化インジウム(In23)、ITO(Indium Tin Oxi
de)などを用いることができる。導電性粒子の形状とし
ては、球状、フレーク状、デントライト状など種々のも
のを用いることができ、特に光特性や分散性を考慮する
と球状のものを用いることが好ましい。
【0013】この導電性粉末の配合量は、感光性導電ペ
ースト100質量部に対して50〜90質量部が適当で
ある。導電性粉末の配合量が上記範囲よりも少ない場
合、かかるペーストから得られる導電体パターンの充分
な導電性が得られず、一方、上記範囲を超えて多量にな
ると、基材との密着性が悪くなるので好ましくない。
【0014】次に、本発明の感光性導電ペーストを構成
する有機バインダー(B)は、焼成前における各成分の
結合材、または組成物の光硬化性や現像性の付与として
機能するものである。この有機バインダーとしては、カ
ルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチ
レン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光
性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボ
キシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。好適に使
用できる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよ
い)としては、以下のようなものが挙げられる。 (1)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合
を有する化合物を共重合させることによって得られるカ
ルボキシル基含有樹脂 (2)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合
を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペン
ダントとして付加させることによって得られるカルボキ
シル基含有感光性樹脂 (3)(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合
物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体
に、(a)飽和又は不飽和カルボン酸を反応させ、生成
した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて
得られるカルボキシル基含有樹脂 (4)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)
不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水
酸基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル
基含有樹脂 (5)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)
不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水
酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得ら
れるカルボキシル基含有感光性樹脂 (6)(g)エポキシ化合物と(h)不飽和モノカルボ
ン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基
酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光
性樹脂 (7)(b)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジ
ル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、
(i)1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレ
ン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した
2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得ら
れるカルボキシル基含有樹脂 (8)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水
物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂 (9)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水
物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、
(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさ
らに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
【0015】前記したようなカルボキシル基含有感光性
樹脂及びカルボキシル基含有樹脂は、単独で又は混合し
て用いてもよいが、いずれの場合でもこれらは合計で組
成物全量の10〜80質量%の割合で配合することが好
ましい。これらの樹脂の配合量が上記範囲よりも少な過
ぎる場合、形成する塗膜中の上記樹脂の分布が不均一に
なり易く、充分な光硬化性及び光硬化深度が得られ難
く、選択的露光、現像によるパターニングが困難とな
る。一方、上記範囲よりも多過ぎると、焼成時のパター
ンのよれや線幅収縮を生じ易くなるので好ましくない。
【0016】また、上記カルボキシル基含有感光性樹脂
及びカルボキシル基含有樹脂としては、それぞれ重量平
均分子量1,000〜100,000、好ましくは5,
000〜70,000、及び酸価30〜250mgKO
H/g、かつ、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、
その二重結合当量が350〜2,000、好ましくは4
00〜1,500のものを好適に用いることができる。
上記樹脂の分子量が1,000より低い場合、現像時の
皮膜の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よ
りも高い場合、現像不良を生じ易いので好ましくない。
また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカ
リ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易
く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時
に皮膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生
じるので好ましくない。さらに、カルボキシル基含有感
光性樹脂の場合、感光性樹脂の二重結合当量が350よ
りも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、
2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭
く、また光硬化時に高露光量を必要とするので好ましく
ない。
【0017】本発明の感光性導電性ペーストを構成する
光重合性モノマー(C)は、組成物の光硬化性の付与促
進及び現像性を向上させるために用いられる。このよう
な光重合性モノマー(C)としては、例えば、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレ
ンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプ
ロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレート
に対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン
酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、トリメリット
酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそ
れ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定のもの
に限定されるものではなく、またこれらを単独で又は2
種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光
重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリ
ロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマー
が好ましい。
【0018】この光重合性モノマーの配合量は、前記有
機バインダー(B)100質量部当り20〜100質量
部が適当である。光重合性モノマーの配合量が上記範囲
よりも少ない場合、組成物の充分な光硬化性が得られ難
くなり、一方、上記範囲を超えて多量になると、皮膜の
深部に比べて表層部の光硬化が早くなるため硬化むらを
生じ易くなる。
【0019】本発明の感光性導電性ペーストを構成する
光重合開始剤(D)は、本発明においては特に重要な役
割を担う成分であり、導電性粉末を高濃度に配合した場
合でも極めて優れた光反応性を示し、かつ高精細な導電
体パターンを形成し得るのに必須の成分である。このよ
うな効果を奏する光重合開始剤として、本発明では、2
−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オンと以下に示すようなチオ
キサントン系開始剤を組み合わせた光重合開始剤を用い
る。チオキサントン系開始剤としては、2,4−ジメチ
ルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサント
ン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチ
オキサントン、2,4−ジプロピルチオキサントン等お
よびその誘導体を挙げることができる。これらの単独あ
るいは2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。なお、上記の組合わせによる効果を損なわない範囲
内で、必要に応じ、公知慣用の他の重合開始剤を配合す
ることができる。
【0020】この光重合開始剤(D)は、2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
プロパン−1−オンとチオキサントン系開始剤が、2−
メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
フォリノプロパン−1−オン100質量部に対してチオ
キサントン系開始剤1〜50質量部の混合割合で配合す
ることが好ましい。チオキサントン系開始剤の割合が上
記範囲を逸脱すると、光開始反応剤としての増感効果が
得られ難くなるからである。また、この光重合開始剤
(D)のペースト中の配合割合は、前記有機バインダー
(B)100質量部当り1〜30質量部が適当であり、
好ましくは5〜20質量部である。上記範囲より少ない
場合、ペーストの充分な光硬化性が得られ難くなり、一
方、上記範囲を超えて多量になると、光の透過が阻害さ
れ深部の光硬化性が得られ難くなる。
【0021】また、より深い光硬化深度を要求される場
合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を開始する
チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製イルガキュア
784等のチタノセン系光重合開始剤、ロイコ染料等を
硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
【0022】本発明では、さらに必要に応じて、合成ア
モルファスシリカ(E)を配合することができる。この
合成アモルファスシリカは、焼成時の導電粉末やガラス
粉末の焼結を緩和し、線幅収縮やラインのうねりを低減
させる効果がある。このような合成アモルファスシリカ
は、アーク法、火炎加水分解、プラズマ法、ゾルゲル
法、沈降法等のいずれの方法で合成されたものであって
もよく、粉末シリカはもちろんコロイダルシリカや水性
シリカゾル、オルガノシリカゾル等の液状のものを用い
ることができる。また、この合成アモルファスシリカ
は、一次粒径が1〜80nm、比表面積が50〜500
/gであることが好ましく、前記導電粉末(A)1
00質量部に対して0.1〜5質量部の割合で配合する
ことが好ましい。0.1質量部よりも少ない配合量で
は、線幅収縮やラインのうねりを抑える効果が得られ
ず、一方、5質量部を超える配合量では、導電性が低下
するので好ましくない。
【0023】なお、本発明の感光性導電ペーストは、さ
らに必要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡
・レベリング剤、皮膜の密着性向上のためのシランカッ
プリング剤、等の他の添加剤を配合することもできる。
さらにまた、必要に応じて、導電性金属粉の酸化を防止
するための公知慣用の酸化防止剤や、保存時の熱的安定
性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時における基
板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホ
ウ素酸化物、低融点ガラスなどの微粒子を添加すること
もできる。また、焼成収縮を調整する目的でシリカ、酸
化ビスマス、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粉
末、有機金属化合物、金属有機酸塩、金属アルコキシド
等を添加することもできる。また、色調を調整する目的
で、Fe、Co、Cu、Cr、Mn、Alの1種又は2
種類以上を主成分として含む金属酸化物又は複合金属酸
化物からなる黒色顔料、四三酸化コバルト(Co
)、酸化ルテニウム、ランタン複合酸化物等の黒
色材料を添加することもできる。
【0024】本発明の感光性導電ペーストは、上述した
ような必須成分と任意成分を所定の割合で配合し、三本
ロールやブレンダー等の混練機にて均一分散して得られ
る。こうして得られた本発明の感光性導電ペーストは、
例えば、以下のような工程を経て基材上の導電体パター
ンとして形成される。
【0025】(1)まず、本発明の感光性導電ペースト
は、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコータ
ーなど適宜の塗布方法にて、基材、例えばプラズマディ
スプレイパネル(PDP)の前面基板となるガラス基板
等に塗布し、次いで指触乾燥性を得るために、熱風循環
式乾燥炉や遠赤外線乾燥炉などで例えば約60〜120
℃で5〜40分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タ
ックフリーの塗膜を得る。ここで、基材としては、特定
のものに限定されるものではないが、例えば、ガラス基
板やセラミック基板などの耐熱性基板を用いることがで
きる。なお、ペーストを予めフィルム状に成膜すること
もでき、この場合には基材上にフィルムをラミネートす
ればよい。
【0026】(2)次に、基材上に形成した乾燥塗膜を
パターン露光して現像する。露光工程としては、所定の
露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光又は
非接触露光が可能である。露光光源としては、ハロゲン
ランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドラン
プ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。
露光量としては50〜1000mJ/cm2程度が好ま
しい。
【0027】現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が
用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナト
リウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど
のアミン水溶液、特に約1.5重量%以下の濃度の希ア
ルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボ
キシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬
化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現
像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な
現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好まし
い。
【0028】(3)そして、得られた感光性導電ペース
トのパターンを焼成してペースト中に含まれる有機分を
脱バインダーすることにより、所定の導電体パターンを
形成する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでない
ことはもとよりである。なお、以下において「部」は、
特に断りのない限りすべて質量部であるものとする。 (合成例1)温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷
却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタ
クリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒
としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触
媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲
気下、80℃で2〜6時間攪拌し、樹脂溶液を得た。こ
の樹脂溶液中の有機バインダーA(共重合樹脂)は、重
量平均分子量が約10,000、酸価が74mgKOH
/gであった。なお、得られた有機バインダーAの重量
平均分子量は、島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和
電工製カラムShodex(登録商標)KF−804、
KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて測定した。
【0030】このようにして得られた有機バインダーA
を用い、以下に示す組成比にて配合し、攪拌機により攪
拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行
い、感光性導電ペーストを作製した。なお、低融点ガラ
ス粉末としては、Bi23が50%、B23が15%、
ZnOが15%、SiO2が6%、BaOが17%を粉
砕し、熱膨張係数α300=85×10-7 /℃、ガラス
転移点460℃、平均粒径1.6μmとしたものを使用
した。
【0031】 (組成物例1) 有機バインダーA 100.0部 トリメチロールプロパントリアクリレート 40.0部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノプロパン−1−オン 10.0部 イソプロピルチオキサントン 1.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 90.0部 銀粉 550.0部 ガラス粉末 55.0部 リン酸エステル 2.0部
【0032】 (組成物例2) 有機バインダーA 100.0部 トリメチロールプロパントリアクリレート 40.0部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノプロパン−1−オン 10.0部 2,4−ジエチルチオキサントン 1.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 90.0部 銀粉 550.0部 ガラス粉末 55.0部 リン酸エステル 2.0部
【0033】(組成物例3)組成物例2の成分組成に、
さらに合成アモルファスシリカ(日本アエロジル社製、
AEROSIL200)2部を配合した。
【0034】(組成物例4)組成物例2の成分組成に、
さらに合成アモルファスシリカ(日産化学工業社製、E
G−ST)10部を配合した。
【0035】 (比較組成物例1) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 40.0部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノプロパン−1−オン 10.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 90.0部 銀粉 550.0部 ガラス粉末 55.0部 リン酸エステル 2.0部
【0036】このようにして得られた組成物例1〜4、
比較組成物例1の各感光性導電ペーストについて、解像
性、比抵抗値、密着性を評価した。その評価方法は以下
のとおりである。 試験片作成:ガラス基板上に、評価用の各感光性導電ペ
ーストを150メッシュのポリエステルスクリーンを用
いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90
℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な塗膜を形成し
た。次に、光源としてメタルハライドランプを用い、ネ
ガマスクを介して、乾燥塗膜上の積算光量が300mJ
/cm2となるようにパターン露光した後、液温30℃
の0.5wt%Na2CO3水溶液を用いて現像を行い、
水洗した。そして、こうして塗膜パターンを形成した基
板を、空気雰囲気下にて5℃/分で550℃まで昇温し
て550℃で30分間焼成し、導電体パターンを形成し
た試験片を作成した。
【0037】(解像性):上記方法によって作成した試
験片の最小ライン幅を評価した。 (比抵抗値):上記方法によって4mm×10cmのパタ
ーンを有する試験片を作成し、パターンの抵抗値と膜厚
を測定して比抵抗値を算出した。 *測定不能:抵抗値が高く測定機器の測定可能範囲外で
あった場合 (密着性):上記方法によって作成した試験片につい
て、粘着テープピーリングを行い、パターンの剥離がな
いかどうかで評価した。評価基準は以下のとおりであ
る。 ○:パターン剥離無し ×パターン剥離有り (焼成収縮率):上記方法によって導電体パターンを形
成するにあたり、マスク幅100μmラインの現像後と
焼成後の線幅を測定し収縮率(%)を算出した。
【0038】これらの評価結果を表1に示す。
【表1】
【0039】この表1に示す結果から明らかなように、
本発明の感光性導電ペーストによれば、導電性と解像性
が共に優れる導電体パターンを容易に形成できることが
確認できた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、導
電性と解像性が共に優れる導電体パターンを複雑な工程
を経ることなく容易に形成し得る感光性導電ペーストを
提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)導電粉末、(B)有機バインダ
    ー、(C)光重合性モノマー、(D)光重合開始剤を含
    有するペーストにおいて、前記光重合開始剤(D)が2
    −メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
    ルフォリノプロパン−1−オンとチオキサントン系開始
    剤からなることを特徴とする感光性導電ペースト。
  2. 【請求項2】 前記有機バインダー(B)がカルボキシ
    ル基を有することを特徴とする請求項1に記載の感光性
    導電ペースト。
  3. 【請求項3】 前記光重合開始剤(D)は、2−メチル
    −1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
    ノプロパン−1−オンとチオキサントン系開始剤が、2
    −メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
    ルフォリノプロパン−1−オン100質量部に対して1
    〜50質量部の割合で配合されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載の感光性導電ペースト。
  4. 【請求項4】 さらに、(E)合成アモルファスシリカ
    を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の感光性導電ペースト。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜3に記載の感光性導電ペ
    ーストを用いて焼成物パターンを形成してなることを特
    徴とする導電体パターン。
JP2002084170A 2002-03-25 2002-03-25 感光性導電ペースト及びそれを用いて形成した導電体パターン Withdrawn JP2003280181A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100749609B1 (ko) 2006-02-09 2007-08-14 제일모직주식회사 도전성 폴리머를 함유한 감광성 수지 조성물
JP2009245886A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Jsr Corp フラットパネルディスプレイ用電極形成材料、転写フィルム、および電極の製造方法
JP5568679B1 (ja) * 2013-01-30 2014-08-06 太陽インキ製造株式会社 導電性樹脂組成物及び導電回路
CN104345561A (zh) * 2013-07-29 2015-02-11 太阳油墨制造株式会社 导电性树脂组合物及其固化物

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