JP5181437B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびその製造方法、並びに有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
このような有機EL素子としては、陽極と陰極との間に有機材料よりなる発光層が形成された単層構造のもの、陽極と発光層との間に正孔輸送層を有する構造のもの、陰極と発光層との間に電子輸送層を有する構造のものなどの多層構造のものが知られており、これらの有機EL素子は、いずれも、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが、発光層において再結合することによって発光するものである。
具体的に、このような構成を有する有機EL素子においては、有機EL素子の外部量子効率が、従来限界値と考えられていた5%を超える値を示し、例えば8%の外部量子効率を得ることが可能であることが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
本発明の他の目的は、発光特性および耐久性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
前記重合体における、前記一般式(I−b)で表される構造に係るカルバゾール環基、前記一般式(I−c)で表される構造に係るフェニレン基および前記一般式(I−a)で表される構造に係るオキサゾール含有基の比が2:1:1であり、
前記重合体の重量平均分子量が1000〜10000000であることを特徴とする。
下記(イ)、(ロ)および(ハ)に示す化合物を必須成分として含有する単量体を、パラジウムを含む触媒の存在下で重縮合反応させる工程を含むことを特徴とする。
(イ)下記一般式(IV−a)および(V−a)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
(ロ)下記一般式(IV−b)および(V−b)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
(ハ)下記一般式(IV−c)および(V−c)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
<有機エレクトロルミネッセンス素子用材料>
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料(以下、「有機EL素子用材料」ともいう。)は、上記一般式(I−a)で表される構造(以下、「構造単位(I−a)」ともいう。)と、上記一般式(I−b)で表される構造であって構造単位(I−a)に該当しないもの(以下、「構造単位(I−b)」ともいう。)と、および上記一般式(I−c)で表される構造であって構造単位(I−a)および構造単位(I−b)に該当しないもの(以下、「構造単位(I−c)」ともいう。)とを繰り返し単位として含む重合体よりなるものであり、カルバゾール環に少なくとも芳香環、縮合環および複素環のいずれかが直結され、かつオキサジアゾール基を含む共役構造の主鎖を有する重合体(以下、「特定のオキサジアゾール含有重合体」ともいう。)よりなり、有機EL素子に用いられる発光材料として有用なものである。
また、上記一般式(I−e)および上記一般式(I−f)において、Ar4 、Ar5 およびAr7 としては、芳香環基、縮合環基、複素環基またはこれらの結合体からなる2価の共役構造を有する有機基であれば特に限定されず、置換基を有するものであっても有さないものであってもよいが、フェニレン基、具体的には上記式(1a−1)〜上記式(1a−3)で表されるものであることが好ましく、特に式(1a−1)で表されるm−フェニレン基および式(1a−3)で表されるp−フェニレン基が好ましい。
また、上記一般式(I−f)において、Ar6 としては、芳香環基、縮合環基、複素環基またはこれらの結合体からなる2価の共役構造を有する有機基であれば特に限定されず、置換基を有するものであっても有さないものであってもよいが、下記式(1a−4)〜下記式(1a−6)で表されるものであることが好ましい。
また、上記一般式(I−e)および上記一般式(I−f)において、T1 、T2 およびT3 としては、上記一般式(II)で表されるものであることが好ましい。
また、T4 およびT5 は、単結合または2価の有機基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。2価の有機基としては、置換されていてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基または置換されていてもよい炭素数が6〜30のアリーレン基が好ましい。
このような条件を満足しない場合には、得られる有機EL素子において、十分な発光効率および耐久性を得ることが困難となることがある。
(2)下記(イ)に示す化合物、下記(ロ)に示す化合物、下記(ハ)に示す化合物および下記(ニ)に示す化合物よりなる単量体を、Pd系触媒の存在下に、好ましくは溶媒中で重縮合反応させる方法。
(ロ)上記一般式(IV−b)および上記一般式(V−b)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
(ハ)上記一般式(IV−c)および上記一般式(V−c)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
(ニ)上記一般式(IV−d)および上記一般式(V−d)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
以上のような原料ジハロゲン化合物は、それぞれにつき1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上のような原料ボロン酸化合物は、それぞれにつき1種で単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
かかるホスフィン配位子としては、例えば、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、フェニルジエチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、n−プロピルジフェニルホスフィン、メトキシジフェニルホスフィン、エトキシジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノベンゼン−3−スルホン酸ナトリウム、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、2−ピリジルジフェニルホスフィン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(2−チエニル)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンや、下記式(6−1)〜下記式(6−9)で表される化合物などを挙げることができる。これらのホスフィン配位子のうち、特に、トリフェニルホスフィンが好ましい。以上のホスフィン配位子は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ホスフィン配位子の使用量は、原料化合物の合計100質量部に対して、通常0〜50質量部、好ましくは0〜20質量部である。
かかるアルカリ金属化合物としては、例えば、メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、n−プロポキシナトリウム、i−プロポキシナトリウム、n−ブトキシナトリウム、sec−ブトキシナトリウム、t−ブトキシナトリウム、フッ化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、n−プロポキシカリウム、i−プロポキシカリウム、n−ブトキシカリウム、sec−ブトキシカリウム、t−ブトキシカリウム、フッ化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、メトキシルビジウム、エトキシルビジウム、n−プロポキシルビジウム、i−プロポキシルビジウム、n−ブトキシルビジウム、sec−ブトキシルビジウム、t−ブトキシルビジウム、フッ化ルビジウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素ルビジウム、メトキシセシウム、エトキシセシウム、n−プロポキシセシウム、i−プロポキシセシウム、n−ブトキシセシウム、sec−ブトキシセシウム、t−ブトキシセシウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、メトキシフランシウム、エトキシフランシウム、n−プロポキシフランシウム、i−プロポキシフランシウム、n−ブトキシフランシウム、sec−ブトキシフランシウム、t−ブトキシフランシウム、フッ化フランシウム、炭酸フランシウム、炭酸水素フランシウムなどを挙げることができる。これらのアルカリ金属化合物のうち、t−ブトキシナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、t−ブトキシカリウム、フッ化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、フッ化セシウムなどが好ましい。以上のアルカリ金属化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アルカリ金属化合物の使用量は、原料化合物の合計100質量部に対して、通常10〜5000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。また、アルカリ金属化合物の他にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩を用いることもできる。以上のアルカリ金属やアンモニウム塩などの塩基は水に溶解し使用することもできる。
また、Aliquat336のような界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤の使用量は原料化合物100質量部に対して0〜100質量部、好ましくは0〜20質量部である。
末端封止剤は、重縮合反応を行う際に原料化合物と共に反応系に供されてもよく、また重縮合反応終了後に反応系に供されてもよい。前者の場合には、Pd系触媒、ホスフィン配位子またはアルカリ金属化合物を一緒に反応系に供することもできる。
末端封止剤の具体例としては、フェニルホウ酸、(メチル)(フェニル)ホウ酸、(メトキシ)(フェニル)ホウ酸、ブロモベンゼンなどを挙げることができる。
このような重縮合反応は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
具体的には、上記一般式(I−c)におけるAr3 で示される2価の共役構造の有機基の一部が、例えば下記式(q)〜下記式(u)で表される共役切断構造の有機基に置き換えられていてもよい。
共役切断構造の有機基への置き換えを行う場合には、当該共役切断構造の有機基の含有割合が、Ar3 で示される有機基および共役切断構造の有機基の合計の90%以下とすることが好ましい。この共役切断構造の有機基の含有割合が90%を超える場合には、十分な共役構造を得ることができず、十分な発光特性および耐久性を得ることができないなどの不具合が生じることがある。
また、本発明の有機EL素子用材料には、三重項発光性金属錯体化合物(以下、「錯体化合物」という。)が添加されていてもよい。
また、置換基R8 で示される炭素数が6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、4−ビフェニル基、1−ナフチル基などを挙げることができる。
また、上記式(15−12)において、nは、1以上の整数を示す。
有機溶剤の使用量は、その種類や、特定のオキサジアゾール含有重合体および錯体化合物の種類などにより異なるが、特定のオキサジアゾール含有重合体と錯体化合物との合計濃度が、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5 〜10重量%となる量である。
そして、本発明の有機EL素子用材料によれば、十分に高い発光輝度を有する発光層を、例えばインクジェット法などの湿式法により容易に形成することができる。
本発明の有機EL素子は、上記の有機EL素子用材料よりなる発光層を有するものである。
この発光層は、上述の材料溶液を、適宜の基体の表面に塗布した後、有機溶剤を除去することにより、形成することができる。
材料溶液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、浸漬法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法などの適宜の方法を採用することができる。
この例の有機EL素子は、透明基板1上に、正孔を供給する電極である陽極2が例えば透明導電膜により設けられ、この陽極2上に正孔注入輸送層3が設けられ、この正孔注入輸送層3上に発光層4が設けられ、この発光層4上に必要に応じてホールブロック層8を介して電子注入層5が設けられ、この電子注入層5上に電子を供給する電極である陰極6が設けられており、陽極2および陰極6は直流電源7に電気的に接続されている。
陽極2を構成する材料としては、好ましくは、仕事関数の大きい例えば4eV以上の透明性材料が用いられ、その例としては、ITO(インジウム−スズ酸化物)膜、酸化スズ(IV) 膜、酸化銅(II) 膜、酸化亜鉛膜などを挙げることができる。ここで、仕事関数とは、固体から真空中に電子を取り出すのに要する最小限の仕事の大きさをいう。
陽極2の厚みは、材料の種類によって異なるが、通常、10〜1,000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選択される。
このホールブロック層8を構成する材料としては、好ましくは、下記式(16)で表される2, 9−ジメチル−4, 7−ジフェニル−1, 10−フェナントロリン(バソクプロイン:BCP)や、下記式(17)で表される1, 3, 5−トリ(フェニル−2−ベンゾイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)などを用いることができる。このホールブロック層8の厚みは、通常、10〜100nmの範囲で選択される。
この電子注入層5を構成する材料としては、好ましくは、バソフェナントロリン系材料とCsとの共蒸着系(BCP,Cs)が用いられ、その他、アルカリ金属やその化合物(例えば、フッ化リチウム、酸化リチウムなど)、アルカリ土類金属やその化合物(例えば、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウムなど)などを用いることができる。この電子注入層5の厚みは、通常、0.1〜100nmの範囲で選択される。
陰極6の厚みは、材料の種類によって異なるが、通常、10〜1,000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選択される。
先ず、透明基板1上に、陽極2を形成する。陽極2の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法などを利用することができる。また、ガラス基板などの透明基板の表面に例えばITO膜などの透明導電膜が形成されている市販の材料を用いることもできる。
ホールブロック層8、電子注入層5および陰極6の形成方法としては、例えば、真空蒸着法などの乾式法を挙げることができる。
このような構成の有機EL素子によれば、発光層4が上記の有機EL素子用組成物によって形成されているため、高い発光輝度および発光効率が得られる。
また、有機EL素子にホールブロック層8を配設することにより、陽極2からの正孔と陰極6からの電子との結合が高い効率で実現される結果、さらに高い発光輝度および発光効率が得られる。
窒素導入管、温度計、還流管を備えた100mLの三口フラスコに、3−ブロモ安息香酸5.00g、ポリりん酸25gおよび硫酸ヒドラジン1.62gを入れ、窒素雰囲気下150度で8時間加熱・攪拌した。得られた反応溶液を300mlの水に注ぎ、析出した固体を濾過で回収した後、アセトンによって再結晶することにより、下記式(1−1)で表される化合物(以下、「化合物(1−1)」という。)3.69gを得た。この化合物(1−1)の純度をガスクロマトグラフィーで確認したところ、100%であった。
窒素導入管、温度計および還流管を備えた100mLの三口フラスコに、ベンゾニトリル5.16g、アジ化ナトリウム3.41g、臭化亜鉛11.26gおよび水166mLを加え、加熱還流下24時間攪拌した。この系に2M塩酸水溶液100mLを加え、30分攪拌した後、生成した沈殿を濾過で回収し、1M塩酸水溶液50mLで2回洗浄し、真空乾燥させることにより、下記式(1−2)で表される化合物(以下、「化合物(1−2)」という。)6.00gを得た。
窒素導入管、温度計および還流管を備えた100mLの三口フラスコに、化合物(1−2)8.77g、3,5−ジブロモ安息香酸クロリド14.92gおよびピリジン250mLを加え加熱還流下24時間攪拌した。得られた反応溶液における溶剤をロータリーエバポレーターで留去し、得られた茶色個体を水で洗浄した後、エタノールより再結晶することにより、下記式(1−3)で表される化合物(以下、「化合物(1−3)」という。)である淡黄色固体17.10を得た。化合物(1−3)の純度を、ガスクロマトグラフィーで確認したところ、100%であった。
先ず、容量500mLの三口フラスコに、3,6−ジブロモカルバゾール12.00gおよび炭酸カリウム12.80gを加えて脱気した後に窒素置換し、さらにN,N−ジメチルホルムアミド200mlおよび1−ヨード−n−オクタン8.0mlを加えて、攪拌しながら70℃で20時間加熱した。その後、反応溶液を分液漏斗に移し、水300mlおよび酢酸エチル300mlを加えて振とうした後、静置して2層に分離させた。その後、得られた有機層を飽和食塩水300mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で30分間乾燥したのち、エバポレーターで濃縮し、シリカゲル−n−ヘキサンカラムで精製することにより、下記式(2−1)で表される化合物(以下、「原料カルバゾール環含有ジハロゲン化合物(2−1)」という。)10.05gを得た。この原料カルバゾール環含有ジハロゲン化合物(2−1)の純度を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により確認したところ、100%であった。
窒素導入管および滴下ロートを備えた容量500mlの三口フラスコに、上記の原料カルバゾール環含有ジハロゲン化合物(2−1)10.00gを加えて脱気および窒素置換を3回繰り返した後、脱水したテトラヒドロフラン114mLを加えて−78℃に冷却した。次に、1.58Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液34.7mLを滴下し、−78℃で2時間撹拌した。次に、2−イソプロピル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン10.21gを滴下し、−78℃で1時間撹拌した後、温度を室温に上昇して一昼夜撹拌した。反応が終了した後、反応液を濃縮し、得られた濃縮物を酢酸エチルに溶解し、水で分液洗浄を行った。次いで、シリカゲルカラムにてヘキサン:酢酸エチル=9:1の展開溶媒により単離し、下記式(4−1)で表される化合物(以下、「化合物(4−1)」という。)5.6gを得た。
容量100mLの三口フラスコに、原料ジハロゲン化合物として化合物(1−1)0.761g、1、3−ジブロモベンゼン0.472g、原料ボロン酸化合物として化合物(4−1)2.13g、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.185gを加えて脱気した後、窒素置換した。次いで、脱気したテトラヒドロフラン20mLおよび2M炭酸カリウム水溶液12mLをそれぞれシリンジにて加え、24時間還流させた。反応が終了した後、反応溶液を分液漏斗に移して2層に分離させた。その後、得られた有機層を濃縮してメタノール中に滴下し、沈殿をろ別して、減圧乾燥することにより、カルバゾール環基、フェニレン基およびオキサジアゾール含有基の比(k:l:m)がk:l:m=2:1:1である特定のオキサジアゾール含有重合体(以下、「オキサジアゾール含有重合体(A)」という。)1.60gを得た。このオキサジアゾール含有重合体(A)のMwは12,000、Mnは6,500であった。
(オキサジアゾール含有重合体(B)の重合)
容量100mLの三口フラスコに、原料ジハロゲン化合物として化合物(1−3)0.761g、1、3−ジブロモベンゼン0.472g、原料ボロン酸化合物として化合物(4−1)2.13g、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.185gを加えて脱気した後、窒素置換した。次いで、脱気したテトラヒドロフラン20mLおよび2M炭酸カリウム水溶液12mLをそれぞれシリンジにて加え、24時間還流させた。反応が終了した後、反応溶液を分液漏斗に移して2層に分離させた。その後、得られた有機層を濃縮してメタノール中に滴下し、沈殿をろ別して、減圧乾燥することにより、カルバゾール環基、フェニレン基およびオキサジアゾール含有基の比(k:l:m)がk:l:m=2:1:1である特定のオキサジアゾール含有重合体(以下、「オキサジアゾール含有重合体(B)」という。)1.52gを得た。このオキサジアゾール含有重合体(B)のMwは16,000、Mnは8,500であった。
オキサジアゾール含有重合体(A)0.1gおよび下記式(7−1)で表される化合物0.007gをクロロベンゼン3.6gに溶解させることにより、有機EL素子用材料の溶液(以下、「材料溶液(A−1)」という。)を調製した。
次いで、このITO基板のITO膜上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸塩の水溶液をスピンコート法により塗布し、得られた厚さ65nmの塗膜を窒素雰囲気下250℃で30分間乾燥することにより、正孔注入輸送層を形成した。
この正孔注入輸送層上に、発光層形成液として材料溶液(A−1)をスピンコート法により塗布し、得られた厚さ40nmの塗膜を窒素雰囲気下150℃で10分間乾燥することにより、発光層を形成した。
次いで、ITO膜上に正孔注入輸送層および発光層がこの順に積層された積層体を真空装置内に固定して、真空装置内を1×10-2Pa以下に減圧し、TPBIを30nmの厚さに蒸着してホールブロック層を形成し、その後、フッ化リチウムを0.5nmの厚さに蒸着して電子注入層を形成し、さらに厚さ30nmのCa金属および厚さ100nmのAl金属をこの順で蒸着して、陰極を形成した。その後、ガラスで封止することにより、有機EL素子(1)を作製した。
オキサジアゾール含有重合体(A)0.1g、上記式(14−4)で表される電荷輸送性化合物0.04gおよび上記式(7−1)で表される化合物0.007gをクロロベンゼン3.6gに溶解させることにより、有機EL素子用材料の溶液(以下、「材料溶液(A−2)」という。)を調製した。
材料溶液(A−1)の代わりに材料溶液(A−2)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして有機EL素子(2)を作製した。
容量100mLの三口フラスコに、9−ビニルカルバゾール15g、アゾビスイソブチロニトリル0.0125g、および蒸留処理したN,N−ジメチルホルムアミド30gを加え、窒素で15分間バブリングを行った後、温度を80℃に上昇させて、4時間重合した。その後、反応溶液をメタノール400mL中に滴下し、得られた沈殿物をろ別して、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(以下、「比較用重合体(a)」という。)を得た。比較用重合体(a)のMwは30,000であった。
得られた比較用重合体(a)0.1gおよび上記式(7−1)で表される化合物0.02gをクロロベンゼン4.0gに溶解させて比較用有機EL素子用材料の溶液(以下、「材料溶液(a)」という。)を調製した。
材料溶液(A−1)の代わりに材料溶液(a)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして比較用有機EL素子を作製した。
有機EL素子(1)、有機EL素子(2)および比較用有機EL素子の各々を100Cdで点灯させ、そのときの電流を一定に流し続けたとき、輝度が50Cdとなるまでの時間(以下、「半減期間」という。)を測定した。そして、有機EL素子(1)および有機EL素子(2)について、比較用有機EL素子の半減期間を100としたときの相対半減期間を求めたところ、有機EL素子(1)の相対半減期間が350、有機EL素子(2)の相対半減期間が400であり、有機EL素子(1)および有機EL素子(2)は、いずれも使用寿命の長いものでることが確認された。
また、有機EL素子(1)および有機EL素子(2)の各々について、最大輝度および発光効率を測定したところ、有機EL素子(1)においては、最大輝度が38,000Cd/m2 、発光効率が28Cd/Aであり、有機EL素子(2)においては、最大輝度が30,000Cd/m2 、発光効率が26Cd/Aであり、いずれも優れた発光特性を有するものであることが確認された。
2 陽極
3 正孔注入輸送層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 直流電源
8 ホールブロック層
Claims (3)
- 下記一般式(I−a)で表される構造、下記一般式(I−b)で表される構造(但し、下記一般式(I−a)で表される構造を除く。)、および下記一般式(I−c)で表される構造(但し、下記一般式(I−a)および下記一般式(I−b)で表される構造を除く。)を繰り返し単位として含む重合体よりなり、
前記重合体における、前記一般式(I−b)で表される構造に係るカルバゾール環基、前記一般式(I−c)で表される構造に係るフェニレン基および前記一般式(I−a)で表される構造に係るオキサゾール含有基の比が2:1:1であり、
前記重合体の重量平均分子量が1000〜10000000であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
- 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を製造する方法であって、
下記(イ)、(ロ)および(ハ)に示す化合物を必須成分として含有する単量体を、パラジウムを含む触媒の存在下で重縮合反応させる工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の製造方法。
(イ)下記一般式(IV−a)および(V−a)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
(ロ)下記一般式(IV−b)および(V−b)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
(ハ)下記一般式(IV−c)および(V−c)で表される化合物のうちの少なくとも1種。
- 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料により形成された発光層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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