JP2006306997A - カルバゾール系重合体とその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

カルバゾール系重合体とその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Toshiyuki Akiike
利之 秋池
Kenichi Sumiya
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Abstract

【課題】溶剤溶解性に優れ容易に薄膜化できる、有機EL素子用発光材料として有用な新規なカルバゾール系重合体、発光特性および耐久性に優れた有機EL素子用発光層を形成できる有機EL素子用重合体組成物等を提供することにある。
【解決手段】カルバゾール系重合体は、下記式(1)で表される繰り返し単位(1)からなる。
【化1】
Figure 2006306997

〔R1 はアルキル基、アリール基、アラルキル基等を示し、Xは−O−、ジ(メチル)メチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基等を示す。〕
有機EL素子用重合体組成物は、〔A〕前記カルバゾール系重合体と〔B〕三重項発光性金属錯体化合物とを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料として有用な新規なカルバゾール系重合体とその製造方法、当該カルバゾール系重合体を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物および当該有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物から形成された発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)は、直流電圧によって駆動することが可能であり、自己発光材料であるために視野角が広くて視認性が高く、応答速度が速いなどの優れた特性を有することから、次世代の表示素子として期待されており、今日その研究が活発に行われている。 このような有機EL素子としては、陽極と陰極との間に有機材料よりなる発光層が形成された単層構造のものや、陽極と発光層との間に正孔輸送層を有するもの、陰極と発光層との間に電子輸送層を有するものなどの多層構造のものが知られており、これらの有機EL素子は、いずれも、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが、発光層において再結合することによって発光するものである。
有機EL素子において、発光層や、電子あるいは正孔などの電荷を輸送する電荷輸送層などの機能性有機材料層を形成する方法としては、有機材料を真空蒸着させる乾式法と、有機材料溶液を塗布して乾燥する湿式法が知られている。これらのうち、乾式法は、工程が煩雑で大量生産に適用することが困難であり、また面積の大きい層を形成するには限界がある。これに対して湿式法では、工程が比較的に簡単で大量生産への適用が可能であり、例えばインクジェット法により面積の大きい機能性有機材料層を容易に形成することができるなどの利点を有するため、乾式法に比較して工業的に有利である。
一方、有機EL素子の発光層には、高い発光効率を有することが要求されており、最近では高い発光効率を実現するために、励起状態である三重項状態の分子などのエネルギーを有機EL素子の発光に利用することが試みられている。
このような構成を有する有機EL素子の場合、有機EL素子の外部量子効率が、従来から限界値と考えられていた5%を超え、8%が可能であることが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、従来の三重項状態の分子などのエネルギーを利用する有機EL素子は、発光層が低分子材料で構成され、また蒸着法などの乾式法によって形成されることから、物理的耐久性および熱的耐久性が小さいという問題がある。
さらに、三重項状態の分子などのエネルギーを利用した有機EL素子として、例えばIr錯体化合物とポリビニルカルバゾールとからなる組成物を用い、発光層を湿式法により形成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この有機EL素子は使用寿命が短いという欠点がある。
Applied Physics Letters,1999年,第75巻,p.4 特開2001−257076号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その課題は、溶剤に対する溶解性に優れ、容易に薄膜を形成することができる、有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料として有用な新規なカルバゾール系重合体を提供することにある。 本発明の他の課題は、前記カルバゾール系重合体の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、発光特性および耐久性に優れた有機EL素子用発光層を形成できる有機EL素子用重合体組成物および当該発光層を有する有機EL素子を提供することにある。
本発明は、第一に、
下記式(1)で表される繰り返し単位(1)からなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量が500〜500,000であることを特徴とするカルバゾール系重合体、からなる。
Figure 2006306997
〔式(1)において、R1 は置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換されていてもよい炭素数7〜30のアラルキル基または下記式(i)で表される基
Figure 2006306997
(但し、R2 およびR3 は相互に独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーロキシル基、置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換されていてもよいN−カルバゾイル基、置換されていてもよい3,6−ジフェニル−N−カルバゾイル基または−N(R4)(R5)(但し、R4 およびR5 は相互に独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基または置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)を示し、Xは−O−、−S−または下記式(ii)で表される基
Figure 2006306997
(但し、R6 およびR7 は相互に独立に水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基または置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)を示す。〕
本発明は、第二に、
下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物とを、Pdを含む触媒の存在下で重縮合させることを特徴とする請求項1に記載のカルバゾール系重合体の製造方法、からなる。
Figure 2006306997
〔式(2)において、R1 は式(1)におけるR1 と同義であり、V1 およびV2 は相互に独立に塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。
式(3)において、Xは式(1)におけるXと同義であり、W1 およびW2 は相互に独立にホウ酸から誘導される1価の基を示す。〕
本発明は、第三に、
下記式(4)で表される化合物と下記式(5)で表される化合物とを、Pdを含む触媒の存在下で重縮合させることを特徴とする請求項1に記載のカルバゾール系重合体の製造方法、からなる。
Figure 2006306997
〔式(4)において、R1 は式(1)におけるR1 と同義であり、Y1 およびY2 は相互に独立にホウ酸から誘導される1価の基を示す。
式(5)において、Xは式(1)におけるXと同義であり、Z1 およびZ2 は相互に独立に塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。〕
本発明は、第四に、
前記カルバゾール系重合体と三重項発光性金属錯体化合物とを含有してなることを特徴とする有機EL素子用重合体組成物、からなる。+
本発明は、第五に、
前記有機EL素子用重合体組成物から形成されてなる発光層を有することを特徴とする有機EL素子、からなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
カルバゾール系重合体(1)
本発明のカルバゾール系重合体は、前記式(1)で表される繰り返し単位(1)からなる重合体(以下、「カルバゾール系重合体(1)」という。)である。
式(1)において、R1 の置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等を挙げることができる。
また、R1 の置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基の具体例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、4−ビフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、m−トリフルオロメチルフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、パーフルオロフェニル基等を挙げることができる。
また、R1 の置換されていてもよい炭素数7〜30のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−エトキシベンジル基、o−フルオロベンジル基、m−フルオロベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−トリフルオロメチルベンジル基、m−トリフルオロメチルベンジル基、p−トリフルオロメチルベンジル基、パーフルオロベンジル基等を挙げることができる。
さらに、R1 を示す式(i)で表される基(以下、「基(i)」という。)中、R2 およびR3 の置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロ−n−プロポキシ基、ノナフルオロ−n−ブトキシ基等を挙げることができる。
また、R2 およびR3 の置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーロキシル基の具体例としては、フェノキシ基、o−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、4−ビフェニルオキシ基、o−メトキシフェノキシ基、m−メトキシフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−エトキシフェノキシ基、o−フルオロフェノキシ基、m−フルオロフェノキシ基、p−フルオロフェノキシ基、o−トリフルオロメチルフェノキシ基、m−トリフルオロメチルフェノキシ基、p−トリフルオロメチルフェノキシ基、パーフルオロフェノキシ基等を挙げることができる。
また、R2 およびR3 の置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基の具体例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、o−メトキシベンジルオキシ基、m−メトキシベンジルオキシ基、p−メトキシベンジルオキシ基、p−エトキシベンジルオキシ基、o−フルオロベンジルオキシ基、m−フルオロベンジルオキシ基、p−フルオロベンジルオキシ基、o−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、m−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、p−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、パーフルオロベンジルオキシ基等を挙げることができる。
また、R2 およびR3 の−N(R4)(R5)の具体例としては、
ジメチルアミノ基、(メチル)(エチル)アミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−i−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−t−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−ヘプチルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基、ジ−n−ノニルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジ(トリフルオロメチル)アミノ基、ジ(ペンタフルオロエチル)アミノ基、ジ(ヘプタフルオロ−n−プロピル)アミノ基、ジ(ノナフルオロ−n−ブチル)アミノ基等のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基、ジ(o−トリル)アミノ基、ジ(m−トリル)アミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基、ジ(1−ナフチル)アミノ基、ジ(4−ビフェニル)アミノ基、ジ(o−メトキシフェニル)アミノ基、ジ(m−メトキシフェニル)アミノ基、ジ(p−メトキシフェニル)アミノ基、ジ(p−エトキシフェニル)アミノ基、ジ(o−フルオロフェニル)アミノ基、ジ(m−フルオロフェニル)アミノ基、ジ(p−フルオロフェニル)アミノ基、ジ(o−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、ジ(p−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、ジ(パーフルオロフェニル)アミノ基等のジアリールアミノ基;
ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジ(o−メトキシベンジル)アミノ基、ジ(m−メトキシベンジル)アミノ基、ジ(p−メトキシベンジル)アミノ基、ジ(p−エトキシベンジル)アミノ基、ジ(o−フルオロベンジル)アミノ基、ジ(m−フルオロベンジル)アミノ基、ジ(p−フルオロベンジル)アミノ基、ジ(o−トリフルオロメチルベンジル)アミノ基、ジ(m−トリフルオロメチルベンジル)アミノ基、ジ(p−トリフルオロメチルベンジル)アミノ基、ジ(パーフルオロベンジル)アミノ基等のジアラルキルアミノ基
等を挙げることができる。
式(1)におけるR1 としては、例えば、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノリル基、n−デシル基、フェニル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基や、基(i)として、R2 およびR3 がn−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、9−カルバゾイル基あるいは3,6−ジフェニル−9−カルバゾイル基である基等が好ましい。
式(1)において、Xを示す式(ii)で表される基(以下、「基(ii)」という。)中、R6 およびR7 の置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等を挙げることができる。
また、R6 およびR7 の置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、4−ビフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、m−トリフルオロメチルフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、パーフルオロフェニル基等を挙げることができる。
また、R6 およびR7 の置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェネチル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、o−メトキシベンジル基、m−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−エトキシベンジル基、o−フルオロベンジル基、m−フルオロベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−トリフルオロメチルベンジル基、m−トリフルオロメチルベンジル基、p−トリフルオロメチルベンジル基、パーフルオロベンジル基等を挙げることができる。
Xを示す−C(R6)(R7)−の具体例としては、メチレン基や、(メチル)メチレン基、ジ(メチル)メチレン基、ジ(n−プロピル)メチレン基、ジ(n−ブチル)メチレン基、ジ(n−ペンチル)メチレン基、ジ(n−ヘキシル)メチレン基、ジ(n−ヘプチル)メチレン基、ジ(n−オクチル)メチレン基、ジ(n−ノニル)メチレン基、ジ(n−デシル)メチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基、ジ(ペンタフルオロエチル)メチレン基、ジ(ヘプタフルオロ−n−プロピル)メチレン基、ジ(ノナフルオロブチル)メチレン基、
ジフェニルメチレン基、ジ(o−トリル)メチレン基、ジ(m−トリル)メチレン基、ジ(p−トリル)メチレン基、ジ(o−フルオロフェニル)メチレン基、ジ(m−フルオロフェニル)メチレン基、ジ(p−フルオロフェニル)メチレン基、ジ(o−トリフルオロメチルフェニル)メチレン基、ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン基、ジ(p−トリフルオロメチルフェニル)メチレン基、ジ(パーフルオロフェニル)メチレン基、
ジベンジルメチレン基、ジ(o−メチルベンジル)メチレン基、ジ(m−メチルベンジル)メチレン基、ジ(p−メチルベンジル)メチレン基、ジ(o−フルオロベンジル)メチレン基、ジ(m−フロオロベンジル)メチレン基、ジ(p−フルオロベンジル)メチレン基、ジ(o−トリフルオロメチルベンジル)メチレン基、ジ(m−トリフルオロメチルベンジル)メチレン基、ジ(p−トリフルオロメチルベンジル)メチレン基、ジ(パーフルオロベンジル)メチレン基
等を挙げることができる。
式(1)におけるXとしては、−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基、ジ(トリフルオロメチル)メチレン基等が好ましい。
本発明における好ましい繰り返し単位(1)をより具体的に示すと、下記(1−1)〜(1−17)を挙げることができる。
(1−1) R1 がメチル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−2) R1 がエチル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−3) R1 がn−プロピル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−4) R1 がn−ブチル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−5) R1 がn−ヘキシル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−6) R1 がn−オクチル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−7) R1 がn−デシル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−8) R1 がフェニル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−9) R1 がベンジル基であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−10) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともにメトキシ基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−11) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともにエトキシ基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−12) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともにn−プロポキシ基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−13) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともにn−ブトキシ基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−13) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともにn−ヘキシルオキシ基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−14) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともにn−オクチルオキシ基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−15) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともに9−カルバゾイル基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−16) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともに3,6−ジフェニル−9−カルバゾイル基である。)であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基である繰り返し単位(1)。
(1−17) R1 が基(i)(但し、R2 およびR3 がともにジメチルアミノ基である。〕であり、Xが−O−、−S−、メチレン基、ジ(メチル)メチレン基あるいはジ(トリフルオロメチル)メチレン基 である繰り返し単位(1)。
カルバゾール系重合体(1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、500〜500,000、好ましくは1,000〜20,000である。この場合、カルバゾール系重合体(1)のMnが500未満では、均一に塗布することが困難となるおそれがあり、一方500,000を超えると、溶媒ないし有機溶剤への溶解性が低下する傾向がある。
カルバゾール系重合体(1)は、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)のエネルギーレベルが−3.0〜−2.0eVであり、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital) のエネルギーレベルが−7.0〜−5.0eVであることが望ましい。
これらのエネルギーレベルが前記範囲外であると、発光材料として用いた際に、有機EL素子に良好な輝度や発光効率を達成することが困難となるおそれがある。
カルバゾール系重合体(1)は、例えば、
(イ)前記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」という。)と前記式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」という。)とを、Pdを含む触媒(以下、「Pd系触媒」という。)の存在下、好ましくは溶媒中で重縮合させる方法、または
(ロ)前記式(4)で表される化合物(以下、「化合物(4)」という。)と前記式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」という。)とを、Pd系触媒の存在下、好ましくは溶媒中で重縮合させる方法
により製造することができる。
これらの方法は一般に、「鈴木カップリング(SUZUKI coupling)」といわれているものである。
以下、前記各方法についてまとめて説明する。
化合物(2)において、V1 およびV2 としては、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、またV1 およびV2 は、カルバゾール環の2−位もしくは3−位と6−位もしくは7−位とに結合していることが好ましい。
重縮合に際して、化合物(2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
化合物(3)において、W1 およびW2 としては、下記式 (iii)〜(vii)で表される基が好ましく、またW1 およびW2 はXに対してp−位に結合していることが好ましい。
Figure 2006306997
Figure 2006306997
重縮合に際して、化合物(3)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
次に、化合物(4)のY1 およびY2 としては、前記式(iii)〜(vii)で表される基が好ましく、またY1 およびY2 はカルバゾール環の2−位もしくは3−位と6−位もしくは7−位とに結合していることが好ましい。
重縮合に際して、化合物(4)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
化合物(5)において、Z1 およびZ2 としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基がいずれも好ましく、またZ1 およびZ2 はXに対してp−位に結合していることが好ましい。
重縮合に際して、化合物(5)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記式(iii)〜(vii)で表される基を有する化合物(3)あるいは化合物(4)が反応原料として入手できない場合には、例えば、ビスハロゲン化物あるいはビス(トリフルオロメタンスルホネート)化合物を原料として、非特許文献2記載の方法で合成することができる。
J.Org.Chem.,1995年,第60巻,p.7508
重縮合に使用されるPd系触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド、〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯化合物(1:1)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジアセテート、ベンジルビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド、〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕パラジウム(II)ジクロライド、〔1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕パラジウム(II)ジクロライド、〔1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン〕パラジウム(II)ジクロライド、ビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド、ビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)ジクロライド、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)ジクロライド、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ビス(2,4−ペンタンジオナート)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)塩、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、アリルパラジウム(II)クロライドダイマー、〔N−i−プロピルアクリルアミド/4−(ジフェニルホスフィノ)スチレン共重合体〕パラジウム(II)ジクロライド等を挙げることができる。
これらのPd系触媒のうち、特に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が好ましい。
前記Pd系触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
Pd系触媒の使用量は、原料化合物の合計100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
重縮合に際しては、場合により、ホスフィン配位子を添加することもできる。
前記ホスフィン配位子としては、例えば、トリ−n−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、フェニルジエチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、n−プロピルジフェニルホスフィン、メトキシジフェニルホスフィン、エトキシジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリ(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノベンゼン−3−スルホン酸ナトリウム、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、2−ピリジルジフェニルホスフィン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(2−チエニル)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンや、下記式(6−1)〜(6−9)で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2006306997
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Figure 2006306997
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これらのホスフィン配位子のうち、特に、トリフェニルホスフィンが好ましい。
前記ホスフィン配位子は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
重縮合に際しては、場合により、アルカリ金属化合物を添加することもできる。 前記アルカリ金属化合物としては、例えば、メトキシナトリウム、エトキシナトリウム、n−プロポキシナトリウム、i−プロポキシナトリウム、n−ブトキシナトリウム、sec−ブトキシナトリウム、t−ブトキシナトリウム、フッ化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メトキシカリウム、エトキシカリウム、n−プロポキシカリウム、i−プロポキシカリウム、n−ブトキシカリウム、sec−ブトキシカリウム、t−ブトキシカリウム、フッ化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、メトキシルビジウム、エトキシルビジウム、n−プロポキシルビジウム、i−プロポキシルビジウム、n−ブトキシルビジウム、sec−ブトキシルビジウム、t−ブトキシルビジウム、フッ化ルビジウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素ルビジウム、メトキシセシウム、エトキシセシウム、n−プロポキシセシウム、i−プロポキシセシウム、n−ブトキシセシウム、sec−ブトキシセシウム、t−ブトキシセシウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、メトキシフランシウム、エトキシフランシウム、n−プロポキシフランシウム、i−プロポキシフランシウム、n−ブトキシフランシウム、sec−ブトキシフランシウム、t−ブトキシフランシウム、フッ化フランシウム、炭酸フランシウム、炭酸水素フランシウム等を挙げることができる。
これらのアルカリ金属化合物のうち、t−ブトキシナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、t−ブトキシカリウム、フッ化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、フッ化セシウム等が好ましい。
前記アルカリ金属化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
重縮合反応に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジエトキシエタン、アニソール等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド類等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、トルエン、テトラヒドロフラン等が好ましい。
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶剤の使用量は、原料化合物の合計100重量部に対して、通常、100〜100,000重量部、好ましくは400〜10,000重量部である。
さらに、重縮合に際して、水を共存させることもできる。
重縮合に際しては、得られたカルバゾール系重合体(1)の末端を封止するために末端封止剤を用いることもできる。
末端封止剤は、反応させる際に原料化合物と共に仕込んでもよく、また反応終了後に反応系に添加してもよい。前者の場合、Pd系触媒、ホスフィン配位子あるいはアルカリ金属化合物を一緒に添加することができる。
末端封止剤の具体例としては、フェニルホウ酸、(メチル)(フェニル)ホウ酸、(メトキシ)(フェニル)ホウ酸、ブロモベンゼン等を挙げることができる。
重縮合において、反応温度は、通常、0〜250℃、好ましくは10〜200℃であり、反応時間は、通常、1〜200時間、好ましくは3〜80時間である。
このような重縮合反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行うのことが好ましい。
カルバゾール系重合体(1)は、有機溶剤に対する溶解性が優れるため、薄膜を形成するための塗布液を容易に調製することができ、容易に薄膜を形成することができるとともに、良好な電荷輸送性を有するものである。したがって、カルバゾール系重合体(1)は、単独で、あるいは例えば燐光発光性を有する他の発光材料と共に組み合わせることにより、有機EL素子用発光材料として極めて好適に使用することができる。
有機EL素子用重合体組成物
本発明の有機EL素子用重合体組成物は、〔A〕カルバゾール系重合体(1)と〔B〕三重項発光性金属錯体化合物(以下、「〔B〕錯体化合物」という。)とを含有するものである。
本発明の有機EL素子用重合体組成物において、カルバゾール系重合体(1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
〔B〕錯体化合物としては、例えば、Ir錯体化合物、Pt錯体化合物、Pd錯体化合物、Rb錯体化合物、Os錯体化合物、Re錯体化合物等を挙げることができ、これらのうち、特に、Ir錯体化合物が好ましい。
前記Ir錯体化合物としては、例えば、Irと、2−フェニルピリジン、3−フェニルピリジン、2−フェニルピリミジン、4−フェニルピリミジン、5−フェニルピリミジン、ビピリジル、1−フェニルピラゾール、2−フェニルキノリン、2−フェニルベンゾチアゾール、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−フェニル−2−(4−ピリジル)−1,3,4−オキサジアゾールや、これらの誘導体等の窒素原子含有芳香族化合物との錯体化合物を挙げることができる。
このようなIr錯体化合物の具体例としては、例えば、下記式(7)〜(9)で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2006306997
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〔式(7)〜(9)において、各R8 は相互に独立にフッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、各xは相互に独立に0〜4の整数である。〕
式(7)〜(9)において、R8 の炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等を挙げることができる。
また、R8 の炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、4−ビフェニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
Ir錯体化合物は、例えば、前記式(7)で表されるIr錯体化合物(以下、「Ir錯体化合物(7)」という。)の場合、下記式(7−1)で表される化合物と下記式(7−2)で表される化合物とを、極性溶媒中で反応させることにより合成することができるが、その場合に副生される不純化合物、特に下記式(10)で表される不純化合物の含有量を1,000ppm以下、好ましくは10ppm以下とすることが望ましい。この場合、不純化合物の含有量が1,000ppmを超えると、Ir錯体化合物(7)の有する発光性能が阻害され、有機EL素子の発光輝度が不十分となるおそれがある。
Figure 2006306997
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〔式(7−1)、式(7−2)および式(10)において、R8 およびxは式(7)〜(9)におけるそれぞれR8 およびxと同義である。〕
本発明の有機EL素子用重合体組成物において、〔B〕錯体成分の含有割合は、カルバゾール系重合体(1)100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。この場合、〔B〕錯体成分の含有割合が少なすぎると、発光輝度が不十分となるおそれがあり、一方錯体成分の含有割合が多すぎると、発光輝度が却って減少する濃度消光の現象が生じるおそれがある。
本発明の有機EL素子用重合体組成物には、必要に応じて、例えば、電荷輸送性化合物等の適宜の添加物を配合することができる。
前記電荷輸送性化合物の具体例としては、下記式(11−1)〜式(11−10)で表される電荷輸送性化合物、下記式(12−1)〜(12−20)で表される電子輸送性化合物および下記式(13−1)〜(13−34)で表される正孔輸送性化合物等を挙げることができる。
Figure 2006306997
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〔式(12−16)において、各R9 は相互に独立に下記式(viii)〜(x)で表される基を示す。
Figure 2006306997
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組成物溶液
本発明の有機EL素子用重合体組成物は、通常、カルバゾール系重合体(1)と〔B〕錯体化合物とを適宜の有機溶剤に溶解させることによって、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される有機溶剤としては、用いられるカルバゾール系重合体(1)および〔B〕錯体化合物を溶解する限り特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド類や、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アニソール等を挙げることができるが、均一な厚みを有する薄膜が得られ易い点で、適度の蒸発速度を有するもの、具体的には沸点が70〜200℃程度の有機溶剤を用いることが好ましい。
前記有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶剤の使用量は、その種類や、カルバゾール系重合体(1)および〔B〕錯体化合物の種類などにより異なるが、カルバゾール系重合体(1)と〔B〕錯体化合物との合計濃度が、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%となる量である。
有機EL素子
本発明の有機EL素子は、本発明の有機EL素子用重合体組成物から形成されてなる発光層を有するものである。
前記発光層は、前記組成物溶液を、適宜の基体の表面に塗布したのち、有機溶剤を除去することにより形成することができる。
組成物溶液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、浸漬法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法等の適宜の方法を採用することができる。
形成される発光層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、10〜200nm、好ましくは30〜100nmの範囲で選択される。
本発明の有機EL素子用重合体組成物によると、十分に高い発光輝度を有する発光層を、例えばインクジェット法等の湿式法により容易に形成することができる。
本発明の有機EL素子の構成例を図1に示す。
この有機EL素子は、透明基板1上に、正孔を供給する電極である陽極2が、例えば透明導電膜により設けられ、この陽極2上に正孔注入輸送層3が設けられ、この正孔注入輸送層3上に発光層4が設けられ、この発光層4上にホールブロック層8が設けられ、このホールブロック層8上に電子注入層5が設けられ、この電子注入層5上に電子を供給する電極である陰極6が設けられており、陽極2および陰極6は直流電源7に電気的に接続されている。
このような有機EL素子において、透明基板1としては、ソーダガラス基板、石英ガラス基板、透明樹脂基板等を用いることができる。
陽極2の構成材料としては、好ましくは、仕事関数が大きく、例えば4eV以上の透明材料が用いられ、その例としては、ITO(インジウム−スズ酸化物)膜、酸化スズ(IV) 膜、酸化銅(II) 膜、酸化亜鉛膜等を挙げることができる。ここでいう「仕事関数」とは、固体から真空中に電子を取り出すのに要する最小限の仕事の大きさをいう。
陽極2の厚みは、材料の種類によって異なるが、通常、10〜1,000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選択される。
正孔注入輸送層3は、正孔を効率よく発光層4に供給するために設けられたものであって、陽極2から正孔を受け取って、発光層4に輸送する機能を果たすものである。
このような正孔注入輸送層3の構成材料としては、好ましくは電荷注入輸送材料、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸塩等が用いられる。
正孔注入輸送層3の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、10〜200nmの範囲で選択される。
発光層4は、電子と正孔とを結合させ、その結合エネルギーを光として放射する機能を果たすものであり、この発光層4が本発明の有機EL素子用重合体組成物によって形成されている。
発光層4の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、5〜200nmの範囲で選択される。
ホールブロック層8は、必ずしも必須ではないが、設けることが好ましい。このホールブロック層8は、正孔注入輸送層3を介して発光層4に供給された正孔が電子注入層5に侵入することを抑制し、発光層4における電子と正孔との結合を促進させ、発光効率をより向上させる機能を果たすものである。
このようなホールブロック層8の構成材料としては、好ましくは、下記式
Figure 2006306997
で表される2, 9−ジメチル−4, 7−ジフェニル−1, 10−フェナントロリン(バソクプロイン:BCP)、下記式
Figure 2006306997
で表される1, 3, 5−トリ(フェニル−2−ベンゾイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)等が用いられる。
ホールブロック層8の厚みは、通常、10〜30nmの範囲で選択される。
電子注入層5は、陰極6から受け取った電子をホールブロック層8を介して発光層4まで輸送する機能を果たすものである。
このような電子注入層5の構成材料としては、好ましくは、バソフェナントロリン系材料とCsとの共蒸着系(BPCs)が用いられ、その他、アルカリ金属やその化合物(例えば、フッ化リチウム、酸化リチウム等)、アルカリ土類金属やその化合物(例えば、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム等)等を用いることができる。
電子注入層5の厚みは、通常、0.1〜100nmの範囲で選択される。
陰極6の構成材料としては、好ましくは、仕事関数の小さく、例えば4eV以下のものが用いられ、その例としては、Al、Ca、Mg、In等の金属膜や、これらの金属の合金膜等を挙げることができる。
陰極6の厚みは、材料の種類によって異なるが、通常、10〜1,000nm、好ましくは50〜200nmの範囲で選択される。
本発明の有機EL素子は、例えば、下記のようにして製造することができる。
先ず、透明基板1上に、陽極2を形成する。陽極2の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法等を挙げることができる。また、ガラス基板などの透明基板の表面に例えばITO膜などの透明導電膜が形成されている市販材料を用いることもできる。
その後、形成された陽極2上に、正孔注入輸送層3を形成する。正孔注入輸送層3の形成方法としては、例えば、電荷注入輸送材料を適宜の溶剤に溶解して正孔注入輸送層形成液を調製し、この正孔注入輸送層形成液を陽極2の表面に塗布し、得られた塗布膜から溶剤を除去する方法を挙げることができる。
次いで、形成された正孔注入輸送層3上に、発光層4を形成する。発光層4の形成方法としては、例えば、本発明の有機EL素子用重合体組成物の組成物溶液を発光層形成液として用い、この発光層形成液を正孔注入輸送層3上に塗布し、得られた塗布膜から溶剤を除去する方法を挙げることができる。
その後、形成された発光層4上に、ホールブロック層8、電子注入層5および陰極6を順次形成して、陽極2および陰極6を直流電源7に電気的に接続することにより、有機EL素子が得られる。
ホールブロック層8、電子注入層5および陰極6の形成方法としては、例えば、真空蒸着法等の乾式法を挙げることができる。
この有機EL素子においては、直流電源7から陽極2と陰極6との間に直流電圧が印加されると、発光層4が発光し、この光が正孔注入輸送層3、陽極2および透明基板1を経由して外部に放射される。
本発明の有機EL素子用重合体組成物によって形成された発光層4を有する有機EL素子によると、高い発光輝度が得られる。
また、有機EL素子にホールブロック層8を配設することにより、陽極2からの正孔と陰極6からの電子との結合が高い効率で実現される結果、さらに高い発光輝度および発光効率が得られる。
本発明のカルバゾール系重合体(1)は、溶剤に対する溶解性に優れ、薄膜を容易に形成することができるとともに、良好なキャリア輸送性を有するため、有機EL素子用発光材料として極めて有用である。
また、本発明の有機EL素子用重合体組成物および有機EL素子によると、重合体成分としてカルバゾール系重合体(1)を含有するとともに、錯体成分として〔B〕錯体化合物を含有するため、三重項発光による優れた発光特性および耐久性を有する有機EL素子を得ることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1
容量500ミリリットルの三口フラスコに、3,6−ジブロモカルバゾール12.00g、炭酸カリウム12.80gを加えて脱気したのち、窒素置換し、さらにN,N−ジメチルホルムアミド200ミリリットル、1−ヨード−n−オクタン8.0ミリリットルを加えて、攪拌しながら70℃で20時間加熱した。
その後、反応溶液を分液漏斗に移し、水300ミリリットル、酢酸エチル300ミリリットルを加えて振とうしたのち、静置して2層に分離させた。
その後、得られた有機層を飽和食塩水300ミリリットルで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で30分間乾燥したのち、エバポレーターで濃縮し、シリカゲル−n−ヘキサンカラムで精製することにより、下記式(2−1)で表される化合物(以下、「化合物(2−1)」という。)10.05gを得た。化合物(2−1)の純度を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により確認したところ、100%であった。
Figure 2006306997
合成例2
容量500ミリリットルの三口フラスコに、ビスフェノールA15.4g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.41gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、窒素雰囲気中でピリジン100ミリリットルを加えて内容物を全量溶解させて、0℃に冷却し、滴下漏斗を用いて、トリフルオロメタンスルホニルクロリド25gをゆっくり滴下したのち、室温に戻して12時間攪拌した。
その後、エバポレーターでピリジンを留去し、クロロホルム150ミリリットル、水150ミリリットルを加えて、反応溶液を分液漏斗に移して振とうしたのち、静置して2層に分離させた。
その後、得られた有機層をエバポレーターで濃縮したのち、シリカゲル−n−ヘキサン/酢酸エチル(4/1)カラムで精製することにより、2,2−ビス(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)プロパン22.06gを得た。この化合物の純度をHPLCにより確認したところ、100%であった。
合成例3
容量500ミリリットルの三口フラスコに、2,2−ビス(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)プロパン20.00g、ビス(ピナコラト)ジボロン22.7g、酢酸カリウム12.00g、ジフェニルホスフィノフェロセン0.675g、ジクロロビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム0.995gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、窒素雰囲気中で1,4−ジオキサン200ミリリットルを加え、80℃で16時間攪拌したのち、トルエン300ミリリットルで希釈して、飽和食塩水200ミリリットルで2回洗浄した。
その後、反応溶液を分液漏斗に移して2層に分離させ、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム上で30分間乾燥したのち、溶剤を留去して固体生成物を得た。
その後、得られた固体生成物をトルエン100ミリリットルで2回再結晶させて精製することにより、下記式(3−1)で表される化合物(以下、「化合物(3−1)」という。)8.06gを得た。化合物(3−1)の純度をHPLCにより確認したところ、100%であった。
Figure 2006306997
合成例4
容量500ミリリットルの三口フラスコに、ビスフェノ−ルAF22.31g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.3612gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、窒素雰囲気下でピリジン150ミリリットルを加えて内容物を全量溶解させて、0℃に冷却し、滴下漏斗を用いて、トリフルオロメタンスルホニルクロリド25.0gをゆっくり滴下したのち、室温に戻して12時間攪拌した。
その後、エバポレーターでピリジンを留去し、クロロホルム300ミリリットル、水300ミリリットルを加えて、反応溶液を分液漏斗に移して振とうしたのち、静置して2層に分離させた。
その後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム上で30分間乾燥して、無水硫酸マグネシウムをろ別したのち、得られた有機層を濃縮して、シリカゲル−クロロホルムカラムで精製することにより、2,2−ビス(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン22.57gを得た。この化合物の純度をHPLCにより確認したところ、100%であった。
合成例5
容量500ミリリットルの三口フラスコに、2,2−ビス(4−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン20.00g、ビス(ピナコラト)ジボロン16.92g、酢酸カリウム12.00g、ジフェニルホスフィノフェロセン0.554g、ジクロロビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム0.817gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、窒素雰囲気中で1,4−ジオキサン200ミリリットルを加え、80℃で16時間攪拌したのち、トルエン300ミリリットルで希釈して、飽和食塩水200ミリリットルで2回洗浄した。
その後、反応溶液を分液漏斗に移して2層に分離させ、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム上で30分間乾燥したのち、溶剤を留去して、固体生成物を得た。
その後、得られた固体生成物をトルエン100ミリリットルで2回再結晶させて精製することにより、下記式(3−2)で表される化合物(以下、「化合物(3−2)」という。)8.06gを得た。化合物(3−2)の純度をHPLCにより確認したところ、100%であった。
Figure 2006306997
合成例6
容量500ミリリットルの三口フラスコに、4,4−ジブロモジフェニルエーテル10.03gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、窒素雰囲気中でジエチルエーテル300ミリリットルを加えて、0℃に冷却し、濃度1.54Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液40ミリリットルを滴下して、2時間攪拌した。
その後、2−i−プロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン12.5gをゆっくり滴下したのち、室温に戻して6時間攪拌した。
その後、水150ミリリットルを加えて、反応溶液を分液漏斗に移して振とうしたのち、静置して2層に分離させた。
その後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム上で30分間乾燥したのち、シリカゲル−クロロホルムカラムで精製することにより、下記式(3−3)で表される化合物(以下、「化合物(3−3)」という。)8.54gを得た。化合物(3−3)の純度をHPLCで確認したところ、100%であった。
Figure 2006306997
実施例1(カルバゾール系重合体(1)の製造)
容量100ミリリットルの三口フラスコに、化合物(2−1)0.500g、化合物(3−1)0.513g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.026gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、テトラヒドロフラン22.8ミリリットル、2Mの炭酸カリウム水溶液3.4ミリリットルを加え、65℃で12時間攪拌したのち、反応溶液を分液漏斗に移して、2層に分離させた。
その後、得られた有機層を濃縮してメタノール中に滴下し、沈殿をろ別して、減圧乾燥することにより、下記式(1−1)で表される繰り返し単位からなるカルバゾール系重合体(1)(以下、「重合体(A−1)」という。)0.434gを得た。重合体(A−1)のMwは6,900であった。重合体(A−1)のNMRチャートを図2に示す。
Figure 2006306997
また、重合体(A−1)を粉末状にしたものを試料として、HOMOのエネルギーレベルEh を、理研計器(株)製光電子分光装置AC−2(商品名)用いて測定したところ、−5.70eVであった。
さらに、LUMOのエネルギーレベルEl を、式El =Eh +Eg により算出したところ、−2.44eVであった。ここで、Eg は、式Eg =hc/λから算出されるエネルギーギャップ(単位:eV)である。但し、hはプランク定数、cは光速(単位:m/秒)であり、λは、石英基板上に、重合体(A−1)をシクロヘキサノンに溶解した溶液をスピンコート法により塗布し、得られた塗膜を150℃のホットプレート上で10分間加熱乾燥する被膜形成処理を繰り返して、厚さ20〜50nmの積層膜を形成して測定用基板とし、この基板について、(株)日立製作所製紫外可視分光光度計U−2010(商品名)により測定した吸収スペクトルの長波長側の吸収端波長(単位:nm)である。
実施例2(カルバゾール系重合体(1)の製造)
容量100ミリリットルの三口フラスコに、化合物(2−1)0.500g、化合物(3−2)0.636g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.026gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、テトラヒドロフラン22.8ミリリットル、2Mの炭酸カリウム水溶液3.4ミリリットルを加え、65℃で12時間攪拌したのち、反応溶液を分液漏斗に移して、2層に分離させた。
その後、得られた有機層を濃縮してメタノール中に滴下し、沈殿をろ別して、減圧乾燥することにより、下記式(1−2)で表される繰り返し単位からなるカルバゾール系重合体(1)(以下、「重合体(A−2)」という。)0.501gを得た。重合体(A−2)のMwは8,700であった。
Figure 2006306997
実施例3(カルバゾール系重合体(1)の製造)
容量100ミリリットルの三口フラスコに、化合物(2−1)0.500g、化合物(3−3)0.483g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.026gを加えて脱気したのち、窒素置換した。
その後、テトラヒドロフラン22.8ミリリットル、2Mの炭酸カリウム水溶液3.4ミリリットルを加え、65℃で12時間攪拌したのち、反応溶液を分液漏斗に移して、2層に分離させた。
その後、得られた有機層を濃縮してメタノール中に滴下し、沈殿をろ別して、減圧乾燥することにより、下記式(1−3)で表される繰り返し単位からなるカルバゾール系重合体(1)(以下、「重合体(A−3)」という。)0.400gを得た。重合体(A−3)のMwは7,900であった。
Figure 2006306997
比較合成例1
容量100ミリリットルの三口フラスコに、9−ビニルカルバゾール15g、アゾビスイソブチロニトリル0.0125g、蒸留したN,N−ジメチルホルムアミド30gを加え、窒素で15分間バブリングを行ったのち、温度を80℃に上昇させて、4時間重合した。
その後、反応溶液をメタノール400ミリリットル中に滴下し、得られた沈殿をろ別して、メタノールで洗浄したのち、減圧乾燥することにより、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(以下、「重合体(a)」という。)を得た。重合体(a)のMwは30,000であった。
実施例4(有機EL素子の作製および評価)
透明基板の表面上にITO膜を形成し、このITO膜を、洗浄媒体に中性洗剤、超純水、i−プロピルアルコール、超純水およびアセトンをこの順で用いて超音波洗浄したのち、さらに紫外線−オゾンで洗浄した。
次いで、この基板のITO膜上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸塩の水溶液をスピンコート法により塗布したのち、得られた厚さ65nmの塗膜を窒素雰囲気下250℃で30分間乾燥することにより、正孔注入輸送層を形成した。
次いで、得られた正孔注入輸送層上に、発光層形成液として、重合体(A−1)および前記式(7)(但し、x=0)で表されるIr錯体化合物(以下、「錯体化合物(B−1)」という。)の6モル%アニソール溶液を混合した組成物溶液(濃度3重量%)をスピンコート法により塗布し、得られた厚さ40nmの塗膜を窒素雰囲気下150℃で10分間乾燥することにより、発光層を形成した。
次いで、ITO膜上に正孔注入輸送層および発光層がこの順に積層された基板を真空装置内に固定して、真空装置内を1×10-4Pa以下に減圧し、TPBIを30nmの厚さに蒸着して、ホールブロック層を形成したのち、フッ化リチウムを0.5nmの厚さに蒸着することによって、電子注入層を形成し、さらに厚さ30nmのCa金属および厚さ100nmのAl金属を、この順で蒸着することにより、陰極を形成した。その後、ガラスで封止することにより、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子からは、錯体化合物(B−1)に由来する波長515nm付近の発光が得られた。
また、この有機EL素子の輝度が初期輝度の半分となるまでの時間(以下、「半減期間」という。)を測定し、また重合体(A−1)に代えて重合体(a)を用いた以外は前記有機EL素子と同様の手順で作製した比較用有機EL素子の半減期間を測定して、比較用有機EL素子の半減期間を「100」とした相対半減期間により、有機EL素子の耐久性を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例5〜6(有機EL素子の作製および評価)
実施例4において、重合体(A−1)に変えて表1に示す各重合体を用いた以外は、実施例4と同様の手順で有機EL素子を作製した。
得られた各有機EL素子からは、錯体化合物(B−1)に由来する波長515nm付近の発光が得られた。
また、各有機EL素子の耐久性を、実施例4と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
実施例7(有機EL素子の作製および評価)
実施例4において、前記式(12−4)で表される電荷輸送性化合物(以下、「PBD」という。)を重合体(A−1)に対して10モル%添加した以外は、実施例4と同様の手順で有機EL素子を作製した。
得られた各有機EL素子からは、錯体化合物(B−1)に由来する波長515nm付近の発光が得られた。
また、有機EL素子の耐久性を、実施例4と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2006306997
本発明の有機EL素子の構成例を示す断面図である。 実施例1で得たカルバゾール系重合体(1)のNMRチャートを示す図である。
符号の説明
1 透明基板
2 陽極
3 正孔注入輸送層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 直流電源
8 ホールブロック層

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位(1)からなり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量が500〜500,000であることを特徴とするカルバゾール系重合体。
    Figure 2006306997
    〔式(1)において、R1 は置換されていてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基、置換されていてもよい炭素数7〜30のアラルキル基または下記式(i)で表される基
    Figure 2006306997
    (但し、R2 およびR3 は相互に独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーロキシル基、置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、置換されていてもよい9−カルバゾイル基、置換されていてもよい3,6−ジフェニル−9−カルバゾイル基または−N(R4)(R5)(但し、R4 およびR5 は相互に独立に、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基または置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)を示し、Xは−O−、−S−または下記式(ii)で表される基
    Figure 2006306997
    (但し、R6 およびR7 は相互に独立に水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基または置換されていてもよい炭素数7〜20のアラルキル基を示す。)を示す。〕
  2. 下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物とを、Pdを含む触媒の存在下で重縮合させることを特徴とする請求項1に記載のカルバゾール系重合体の製造方法。
    Figure 2006306997
    〔式(2)において、R1 は式(1)におけるR1 と同義であり、V1 およびV2 は相互に独立に塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。
    式(3)において、Xは式(1)におけるXと同義であり、W1 およびW2 は相互に独立にホウ酸から誘導される1価の基を示す。〕
  3. 下記式(4)で表される化合物と下記式(5)で表される化合物とを、Pdを含む触媒の存在下で重縮合させることを特徴とする請求項1に記載のカルバゾール系重合体の製造方法。
    Figure 2006306997
    〔式(4)において、R1 は式(1)におけるR1 と同義であり、Y1 およびY2 は相互に独立にホウ酸から誘導される1価の基を示す。
    式(5)において、Xは式(1)におけるXと同義であり、Z1 およびZ2 は相互に独立に塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。〕
  4. 〔A〕請求項1に記載のカルバゾール系重合体と〔B〕三重項発光性金属錯体化合物とを含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物。
  5. 請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物から形成されてなる発光層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物から形成されてなる発光層およびホールブロック層を備えてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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