JP4802472B2 - アリーレンエーテル重合体、有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物並びに有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

アリーレンエーテル重合体、有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物並びに有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として有用な新規なアリーレンエーテル重合体に関する。また、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物および有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)は、直流電圧によって駆動することが可能であること、自己発光素子であるために視野角が広くて視認性が高いこと、応答速度が速いことなどの優れた特性を有することから、次世代の表示素子として期待されており、その研究が活発に行われている。
このような有機EL素子としては、陽極と陰極との間に有機材料よりなる発光層が形成された単層構造のもの、陽極と発光層との間に正孔輸送層を有する構造のもの、陰極と発光層との間に電子輸送層を有するものなどの多層構造のものが知られている。これらの有機EL素子は、いずれも、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが、発光層において再結合することによって発光するものである。
かかる有機EL素子において、発光層、電子もしくは正孔などの電荷を輸送する電荷輸送層などの機能性有機材料層を形成する方法としては、有機材料を真空蒸着によって形成する乾式法、並びに、有機材料が溶解されてなる溶液を塗布して乾燥することによって形成する湿式法が知られている。これらのうち、乾式法は、工程が煩雑で大量生産に適用することが困難であり、また、面積の大きい層を形成するには限界がある。これに対して、湿式法においては、工程が比較的簡単で大量生産に対応することが可能であり、例えばインクジェット法により面積の大きい機能性有機材料層を容易に形成することができる。従って、湿式法は、以上の利点を有するため、乾式法に比較して有利である。
一方、有機EL素子の発光層は、高い発光効率を有するものであることが要求されている。そして最近においては、高い発光効率を実現するために、有機EL素子の発光に、励起状態である三重項状態の分子などのエネルギーを利用することが試みられている。
具体的には、このような構成を有する有機EL素子によれば、従来から有機EL素子の外部量子効率の限界値と考えられていた5%を超え、8%の外部量子効率が得られることが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、この有機EL素子は低分子量の材料で構成されており、また、例えば蒸着法などの乾式法によって形成されるものであることから、物理的耐久性および熱的耐久性が小さい、という問題がある。
また、三重項状態の分子などのエネルギーを利用した有機EL素子として、例えば三重項発光性金属錯体化合物であるイリジウム錯体化合物よりなる錯体成分と、電荷輸送性を有する重合体であるポリビニルカルバゾールよりなる重合体成分とからなる組成物を用い、湿式法によって発光層が形成されてなるものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この有機EL素子は、ポリビニルカルバゾールの構造中にビニル基が存在することにより、電気化学的安定性に劣るものであり、長い使用寿命、すなわち高い耐久性を得ることができない、という問題がある。
「アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)」,1999年,第75巻,p.4 特開2001−257076号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、溶剤に対する溶解性に優れていて容易に薄膜を形成することができ、電子材料その他の樹脂材料として有用な新規なアリーレンエーテル重合体を提供することにあり、特に有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として有用な重合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、発光特性および耐久性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子が得られる有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物および、有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
本発明のアリーレンエーテル重合体は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位よりなることを特徴とする。
Figure 0004802472
〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子および1価の有機基よりなる群から選ばれた原子または基を示し、Aは、下記一般式(2)で表される2価の芳香族基を示す。〕
Figure 0004802472
〔式中、R5 〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子および1価の有機基よりなる群から選ばれた原子または基を示す。〕
本発明のアリーレンエーテル重合体においては、全繰り返し単位における一般式(1)で表される繰り返し単位の割合が50mol%以上であることが好ましい。
上記のアリーレンエーテル重合体は、下記一般式(4)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物とを、非水溶性溶剤、水系媒体、アルカリ金属の存在下において反応させることにより、得ることができる。
Figure 0004802472
〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子および1価の有機基よりなる群から選ばれた原子または基を示し、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子よりなる群から選ばれたハロゲン原子を示す。〕
Figure 0004802472
〔式中、Aは、2価の芳香族基を示す。〕
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物は、上記のアリーレンエーテル重合体よりなる重合体成分と、三重項発光性金属錯体化合物よりなる錯体成分とを含有してなることを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物により形成された発光層を有することを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンスソ素子は、ホールブロック層を備えてなることが好ましい。
本発明のアリーレンエーテル重合体は、溶剤に対する溶解性に優れていて容易に薄膜を形成することができると共に、当該重合体の特性に基づいた良好なキャリア輸送性を有するため、電子材料その他の樹脂材料として有用なものであり、特に有機エレクトロルミネッセンス用材料として有用なものである。
本発明のアリーレンエーテル重合体は、具体的に、有機エレクトロルミネッセンス素子において三重項発光を得るための有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として用いること、詳しくは、三重項発光性金属錯体化合物よりなる錯体成分と、電荷輸送性を有する重合体よりなる重合体成分とを含有する組成物において、従来重合体成分として用いられているポリビニルカルバゾールに代えて好適に用いることができる。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物によれば、錯体成分として三重項発光性金属錯体化合物を含有すると共に、重合体成分として、上記のアリーレンエーテル重合体を含有してなるものであるため、優れた発光特性および耐久性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が得られる。
更に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物を発光層の材料として用いることにより、三重項発光による優れた発光特性および耐久性を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<アリーレンエーテル重合体>
本発明のアリーレンエーテル重合体は、上記一般式(1)で表される繰り返し単位(以下、「特定繰り返し単位」ともいう。)よりなるものであって、上記一般式(4)で表される、特定のハロゲン原子よりなる置換基を2つ有するトリアジン化合物(以下、「2官能性トリアジン化合物」ともいう。)と、上記一般式(5)で表される、2つのヒドロキシ基を有する芳香族化合物(以下、「ヒドロキシ基含有化合物」ともいう。)とを反応させることによって得られるものである。
一般式(1)において、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素願子、フッ素原子、および1価の有機基よりなる群から選ばれた原子または基を示し、このR1 〜R4 は、すべてが同一であっても異なっていてもよいが、R1 とR2 とが同一であると共にR3 とR4 とが同一であることが好ましい。
基R1 〜基R4 を示す1価の有機基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリーロキシル基、ビスアリールアミノ基などを挙げることができる。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、トリル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ジフェニルアミノ基、ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、フェノキシル基などが挙げられる。これらのうちでは、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、ジフェニルアミノ基が好ましい。
また、一般式(1)において、Aは2価の芳香族基を示す。
基Aを示す芳香族基としては、具体的に、例えば1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2,2−ビス(4−フェニル)イソプロピリデニル基、2,2−ビス(4−フェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデニル基、4,4’−ジフェニルエーテル基、および下記式(A−1)〜式(A−20)で表される基が挙げられる。これらのうちでは、式(A−1)〜式(A−3)、式(A−8)〜式(A−10)および式(A−18)で表される基であることが好ましい。
Figure 0004802472
ここに、式(A−5)において、R13は、炭素原子数1〜20のアルキル基を示し、式(A−7)において、R14は、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
ここに、式(A−15)において、R13は、炭素原子数1〜20のアルキル基を示し、式(A−17)において、R14は、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。
本発明のアリーレンエーテル重合体を構成する特定繰り返し単位の好ましい具体例としては、一般式(1)においてAが上記一般式(2)で表される基である繰り返し単位が挙げられる。
一般式(2)において、R5 〜R8 は、それぞれ独立に、水素願子、フッ素原子、および1価の有機基よりなる群から選ばれた原子または基を示し、このR5 〜R8 は、すべてが同一であっても異なっていてもよいが、R5 とR6 とが同一であると共にR7 とR8 とが同一であることが好ましい。
基R5 〜基R8 を示す1価の有機基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリーロキシル基、ビスアリールアミノ基などが挙げられる。
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、トリル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ジフェニルアミノ基、ジ(3−メチルフェニル)アミノ基、フェノキシル基などが挙げられる。これらのうちでは、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、ジフェニルアミノ基が好ましい。
本発明のアリーレンエーテル重合体の数平均分子量は、1000〜1000000であることが好ましく、更に好ましくは2000〜500000である。
ここに、本明細書において、「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算数平均分子量を示す。
数平均分子量が過大である場合には、重合体の溶剤に対する溶解性が小さくなって析出等が生じるおそれがある。一方、数平均分子量が過小である場合には、有機EL素子の発光層を形成する材料として用いた場合に、この有機EL素子に十分な輝度が得られず、また、使用寿命が短くなるおそれがある。
本発明のアリーレンエーテル重合体においては、当該アリーレンエーテル重合体を構成する全繰り返し単位における特定繰り返し単位の割合が50mol%以上であることが好ましく、さらに好ましくは80mol%以上である。
特定繰り返し単位の含有割合が50mol%未満である場合には、有機EL素子の発光層を形成する材料として用いた場合に、この有機EL素子に十分な輝度が得られず、また、使用寿命が短くなるおそれがある。
本発明のアリーレンエーテル重合体は、2官能性トリアジン化合物と、ヒドロキシ基含有化合物とを、非水溶性溶剤、アルカリ金属および水系媒体の存在下において反応させる方法により製造することができる。
具体的には、2官能性トリアジン化合物と、ヒドロキシ基含有化合物と、非水溶性溶剤と、アルカリ金属と、水系媒体とを混合し、この混合系を撹拌または超音波照射して2官能性トリアジン化合物とヒドロキシ基含有化合物とを縮合重合させることによってアリーレンエーテル重合体が製造される。
このような製造方法において、原料物質として用いられる2官能性トリアジン化合物を示す一般式(4)において、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子よりなる群から選ばれたハロゲン原子を示し、塩素原子であることが好ましい。
2官能性トリアジン化合物の具体例としては、下記式(4−1)〜式(4−8)で表される化合物が挙げられる。これらのうちでは、式(4−1)〜式(4−3)、式(4−6)および式(4−7)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004802472
ここに、式(4−6)において、R15は、炭素原子数1〜20のアルキル基を示し、式(4−8)において、R16は、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。
また、原料物質として用いられるヒドロキシ基含有化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、および下記式(5−1)〜式(5−20)で表される化合物が挙げられる。これらのうちでは、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピリデン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、式(5−1)、式(5−2)および式(5−8)〜式(5−10)で表される化合物が好ましい。
Figure 0004802472
ここに、式(5−5)において、R13は、炭素原子数1〜20のアルキル基を示し、式(5−7)において、R14は、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
ここに、式(5−15)において、R13は、炭素原子数1〜20のアルキル基を示し、式(5−17)において、R14は、炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。
原料物質である2官能性トリアジン化合物とヒドロキシ基含有化合物との割合は、ヒドロキシ基含有化合物の使用量が、2官能性トリアジン化合物に対して0.5〜2.0当量であることが好ましく、特に好ましくは0.8〜1.2当量である。
ヒドロキシ基含有化合物の使用量が0.5当量未満である場合および2.0当量を超える場合には、得られる重合体の分子量が小さくなり、当該重合体の分子量を好ましい範囲とすることができないおそれがある。
アルカリ金属としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、水酸化フランシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、炭酸フランシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素フランシウムなどが挙げられる。これらのうちでは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましい。
アルカリ金属の使用量は、ヒドロキシ基含有化合物に対して0.5〜2.0当量であることが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2当量である。
非水溶性溶剤としては、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、アセトフェノンなどを用いることができる。
非水溶性溶剤の使用量は、2官能性トリアジン化合物100質量部に対して50〜1000000重量部であることが好ましく、さらに好ましくは100〜100000重量部である。
水系媒体としては、純水および食塩水などを用いることができる。
また、水系媒体の使用量としては、ヒドロキシ基含有化合物100質量部に対して50〜1000000重量部、特に100〜100000質量部であることが好ましい。
また、このような製造方法においては、相間移動触媒を用いることが好ましい。
相間移動錯体を用いることにより、高分子量体が得られやすくなる、という利点がある。
相間移動触媒としては、例えばベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、n−ドデシルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、n−ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
相間移動触媒の使用量は、2官能性トリアジン化合物に対して0.001〜1.0当量であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.1当量である。
この製造方法において、具体的な反応条件としては、反応温度は、−30〜200℃、好ましくは−10〜150℃の範囲から選択すればよく、反応時間は、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜15時間の範囲から選択すればよい。
このようなアリーレンエーテル重合体の製造方法においては、2官能性トリアジン化合物と、ヒドロキシ基含有化合物との反応によって得られた反応生成物の末端を置換することが好ましく、これにより、得られるアリーレンエーテル重合体により一層優れた発光効率および耐久性を得ることができる。
末端封止剤としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−t−ブチルフェニル等のフェノール類、カルバゾール、ジフェニルアミン等の2級アミン、トリメチルシリルクロライド、ジメチル−t−ブチルシリルクロライド等のハロゲン化シリル類、ヘキサメチルジシラザン、1−ヨードエタン、1−ヨードブタン、1−ヨードヘキサン等のハロゲン化アルキル化合物および下記式(I)で表されるトリアジンモノクロル化合物などが挙げられる。
Figure 0004802472
本発明のアリーレンエーテル重合体によれば、溶剤に対して優れた溶解性が得られ、薄膜を形成するための塗布液を容易に調製することが可能であるため、当該塗布液によって容易に薄膜を形成することができる。従って、本発明のアリーレンエーテル重合体は、電子材料その他の樹脂材料として有用なものであり、特に、その化学構造から有機エレクトロスミネッセンス素子における発光層や電荷輸送層を構成する有機EL素子用材料として好適に用いることができる。
また、本発明のアリーレンエーテル重合体は、例えば燐光発光性を有する発光性材料と共に組み合せることにより、有機EL素子の発光層を形成する材料として好適に用いることができる。
<有機EL素子用重合体組成物>
本発明の有機EL素子用重合体組成物は、上記のアリーレンエーテル重合体よりなる重合体成分と、三重項発光性金属錯体化合物よりなる錯体成分とを含有してなるものである。
錯体成分を構成する三重項発光性金属錯体化合物としては、例えばイリジウム錯体化合物、白金錯体化合物、パラジウム錯体化合物、ルビジウム錯体化合物、オスミウム錯体化合物、レニウム錯体化合物などが挙げられるが、これらの中ではイリジウム錯体化合物が好ましい。
錯体成分を構成するイリジウム錯体化合物としては、イリジウムと、フェニルピリジン、フェニルピリミジン、ビピリジル、1−フェニルピラゾール、2−フェニルキノリン、2−フェニルベンゾチアゾール、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−フェニル−2−(4−ピリジル)−1,3,4−オキサジアゾールまたはこれらの誘導体などの窒素原子含有芳香族化合物との錯体化合物を用いることができる。
このようなイリジウム錯体化合物の具体例としては、例えば下記一般式(6)〜一般式(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
Figure 0004802472
上記一般式(6)〜一般式(8)において、R17およびR18は、それぞれ、フッ素原子、アルキル基またはアリール基よりなる置換基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。xは0〜4の整数であり、yは0〜4の整数である。
以上において、置換基R17およびR18に係るアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
以上のうち、特に一般式(6)で表されるイリジウム錯体化合物(以下、「特定のイリジウム錯体化合物」ともいう。)を用いることが好ましい。
この特定のイリジウム錯体化合物は、通常、下記一般式(9)で表される化合物と、下記一般式(10)で表される化合物とを極性溶媒の存在下に反応させることにより合成することができるが、その場合に生ずる下記一般式(11)で表される特定の不純物化合物の含有量が1000ppm以下であることが重要である。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
上記一般式(9)〜(11)において、R17およびR18は、一般式(6)と同じである。xは0〜4の整数であり、yは0〜4の整数である。
特定の不純物化合物の含有量が1000ppm以下である特定のイリジウム錯体化合物は、上記の合成反応による反応生成物を精製することにより、得ることができる。
特定のイリジウム錯体化合物において、特定の不純物化合物の含有量が1000ppmを超える場合には、当該特定のイリジウム錯体化合物の有する発光性能が阻害されるため、有機EL素子用重合体組成物よりなる発光層を備えてなる有機EL素子に高い発光輝度を得ることが困難となる。
本発明の有機EL素子用重合体組成物における錯体成分の含有割合は、重合体成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部である。
錯体成分の含有割合が過小である場合には、有機EL素子用重合体組成物よりなる発光層を備えてなる有機EL素子に十分な発光を得ることが困難となることがある。一方、錯体成分の割合が過大である場合には、有機EL素子用重合体組成物よりなる発光層を備えてなる有機EL素子において、発光の明るさが却って減少する濃度消光の現象が生じることがあるため、好ましくない。
本発明の有機EL素子用重合体組成物には、必要に応じて、例えば電荷輸送性低分子化合物などの任意の添加物を加えることができる。
電荷輸送性低分子化合物としては、下記式(ア−1)〜式(ア−10)で表される電荷輸送性を有する化合物、下記式(イ−1)〜式(イ−20)で表される電子輸送性を有する化合物および下記式(ウ−1)〜式(ウ−34)で表される正孔輸送性を有する化合物などが挙げられる。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
Figure 0004802472
ここに、式(イ−16)において、Yは、下記式(a)〜式(c)で表される基を示す。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
Figure 0004802472
ここに、式(ウ−12)において、nは1〜5の整数を示す。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
Figure 0004802472
Figure 0004802472
本発明の有機EL素子用重合体組成物は、通常、上記のアリーレンエーテル重合体よりなる重合体成分と、上記の三重項発光性金属錯体化合物よりなる錯体成分とを適宜の有機溶剤に溶解させることによって組成物溶液として調製され、そして、この組成物溶液を発光層形成液とし、発光層を形成すべき基体の表面に塗布し、得られた塗膜に対して有機溶剤の除去処理を行うことにより、有機EL素子における発光層を形成することができる。
ここで、組成物溶液を調製するための有機溶剤としては、用いられる有機EL素子用重合体組成物を構成する重合体成分および錯体成分を溶解し得るものであれば特に限定されず、その具体例としては、クロロホルム、クロロベンゼン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、シクロヘキサノン、アニソール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、メチルアミルケトンなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、均一な厚みを有する薄膜が得られる点で、適当な蒸発速度を有するもの、具体的には沸点が70〜200℃程度の有機溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤の使用割合は、重合体成分および錯体成分の種類によって異なるが、通常、組成物溶液中の重合体成分および錯体成分の合計の濃度が0.5〜10質量%となる割合である。
また、組成物溶液を塗布する手段としては、例えばスピンコート法、ディッピング法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法などを利用することができる。
このような有機EL素子用重合体組成物によれば、十分に高い発光輝度で発光する発光層を有する有機EL素子を得ることができ、しかも、当該発光層をインクジェット法などの湿式法により容易に形成することができる。
<有機EL素子>
図1は、本発明の有機EL素子の構成の一例を示す説明用断面図である。
この例の有機EL素子は、透明基板1上に、正孔を供給する電極である陽極2が例えば透明導電膜により設けられ、この陽極2上に正孔注入輸送層3が設けられ、この正孔注入輸送層3上に発光層4が設けられ、この発光層4上にホールブロック層8が設けられ、このホールブロック層8上に電子注入層5が設けられ、この電子注入層5上に電子を供給する電極である陰極6が設けられている。そして、陽極2および陰極6は、直流電源7に電気的に接続される。
この有機EL素子において、透明基板1としては、ガラス基板、透明性樹脂基板または石英ガラス基板などを用いることができる。
陽極2を構成する材料としては、好ましくは、仕事関数の大きい例えば4eV以上の透明性材料が用いられる。ここで、仕事関数とは、固体から真空中に電子を取り出すのに要する最小限の仕事の大きさをいう。陽極2としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜、酸化スズ(SnO2 )膜、酸化銅(CuO)膜、酸化亜鉛(ZnO)膜などを用いることができる。
正孔注入輸送層3は、正孔を効率よく発光層4に供給するために設けられたものであって、陽極2から正孔(ホール)を受け取って、発光層4に輸送する機能を有するものである。この正孔注入輸送層3を構成する材料としては、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネートなどの電荷注入輸送材料を好適に用いることができる。また、正孔注入輸送層3の厚みは、例えば10〜200nmである。
発光層4は、電子と正孔とを結合させ、その結合エネルギーを光として放射する機能を有するものであり、この発光層4は、上記の有機EL素子用重合体組成物によって形成されている。発光層4の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、5〜200nmの範囲で選択される。
ホールブロック層8は、正孔注入輸送層3を介して発光層4に供給された正孔が電子注入層5に侵入することを抑制し、発光層4における正孔と電子との再結合を促進させ、発光効率を向上させる機能を有するものである。
このホールブロック層8を構成する材料としては、例えば下記式(1)で表される2, 9−ジメチル−4, 7−ジフェニル−1, 10−フェナントロリン(バソクプロイン:BCP)、下記式(2)で表される1, 3, 5−トリ(フェニル−2−ベンゾイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)、下記式(3)で表される化合物、上記式(イ−17)で表される化合物、上記式(イ−18)で表される化合物などを好適に用いることができる。
また、ホールブロック層8の厚みは、例えば10〜30nmである。
Figure 0004802472
Figure 0004802472
Figure 0004802472
電子注入層5は、陰極6から受け取った電子をホールブロック層8を介して発光層4まで輸送する機能を有するものである。この電子注入層5を構成する材料としては、バソフェナントロリン系材料とセシウムとの共蒸着系(BPCs)を用いることが好ましく、その他の材料としては、アルカリ金属およびその化合物(例えばフッ化リチウム、酸化リチウム)アルカリ土類金属およびその化合物(例えばフッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム)などを用いることができる。この電子注入層5の厚みは、例えば0.1〜100nmである。
陰極6を構成する材料としては、仕事関数の小さい例えば4eV以下のものが用いられる。陰極6の具体例としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、インジウムなどよりなる金属膜、またはこれらの金属の合金膜などを用いることができる。
陰極6の厚みは、材料の種類によって異なるが、通常、10〜1000nm、好ましくは50〜200nmである。
本発明において、上記の有機EL素子は、例えば以下のようにして製造される。
先ず、透明基板1上に、陽極2を形成する。
陽極2を形成する方法としては、真空蒸着法またはスパッタ法などを利用することができる。また、ガラス基板などの透明基板の表面に例えばITO膜などの透明導電膜が形成されてなる市販の材料を用いることもできる。
このようにして形成された陽極2上に、正孔注入輸送層3を形成する。
正孔注入輸送層3を形成する方法としては、具体的に、電荷注入輸送材料を適宜の溶剤に溶解することによって正孔注入輸送層形成液を調製し、この正孔注入輸送層形成液を、陽極2の表面に塗布し、得られた塗布膜に対して溶剤の除去処理を行うことによって正孔注入輸送層3を形成する手法を用いることができる。
次いで、本発明の有機EL素子用重合体組成物を適宜の有機溶剤に溶解することによって発光層形成液を調製し、この発光層形成液を正孔注入輸送層3上に塗布し、得られた塗布膜を熱処理することにより、発光層4を形成する。
発光層形成液を塗布する方法としては、スピンコート法、ディップ法、インクジェット法、印刷法などを利用することができる。
そして、このようにして形成された発光層4上に、ホールブロック層8を形成すると共に、このホールブロック層8の上に電子注入層5を形成し、更に、この電子注入層5の上に、陰極6を形成することにより、図1に示す構成を有する有機EL素子が得られる。
以上において、ホールブロック層8、電子注入層5および陰極6を形成する方法としては、真空蒸着法などの乾式法を利用することができる。
上記の有機EL素子においては、直流電源7により、陽極2と陰極6との間に直流電圧が印加されると、発光層4が発光し、この光は、正孔注入輸送層3、陽極2および透明基板1を介して外部に放射される。
このような構成の有機EL素子によれば、発光層4が上記の有機EL素子用重合体組成物によって形成されているため、高い発光輝度が得られる。
また、ホールブロック層8が配設されていることにより、陽極2からの正孔と陰極2からの電子とにおける結合が高い効率をもって実現され、その結果、より一層高い発光輝度および発光効率が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〈2官能性トリアジン化合物の合成例1〉
還流管付の容積500mlの三口フラスコに、カルバゾール8.36gと、炭酸カリウム6.91gと、ジオキサン100mlとを仕込むことによって懸濁液を得、この懸濁液に塩化シアヌル9.22gをジオキサン25mlに溶解させた溶液を加えて100℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液を1.5Lの氷水中に注ぎ、沈殿をろ別して乾燥させることによって黄色粉末を得、この黄色粉末をクロロベンゼンとヘキサンとの混合溶剤により再結晶処理することにより、黄色結晶として式(4−1)で表される化合物(以下、「2官能性トリアジン化合物(1)」ともいう。)9.80gを得た。得られた2官能性トリアジン化合物(1)の純度をHPLCで求めたところ100%であった。
〈ヒドロキシ基含有化合物の合成例1〉
容積1Lの三口フラスコに、カルバゾール100gと、水酸化カリウム75gと、ニトロベンゼン400mlとを仕込み80℃で4時間撹拌することによって得られた反応溶液を冷却してろ過を行い、得られた固形分に水1Lを加え、沈殿をろ別して乾燥させることによって黄褐色粉末を得、この黄褐色粉末を酢酸により再結晶処理することにより、黄色結晶として4−ニトロフェニルカルバゾール47gを得た。得られた4−ニトロフェニルカルバゾールの純度をHPLCで求めたところ100%であった。
得られた4−ニトロフェニルカルバゾール32.8gと、塩化スズ100gとを、窒素導入管および還流管付の容積1Lの三口フラスコに秤量し、この系内を十分に窒素置換した後、濃塩酸50mlおよび酢酸460mlを加えて17時間還流させた。反応終了後、反応液を水酸化ナトリウム370gが溶解された水溶液1200mlに注ぎ、白色沈殿をろ別してテトラヒドロフラン/水酸化ナトリウム飽和水溶液で抽出して濃縮した後、展開溶媒としてクロロホルムを用いたカラムによって精製処理を行うことにより、4−アミノフェニルカルバゾール22.2gを得た。この4−アミノフェニルカルバゾールの純度をHPLCで求めたところ99.8%であった。
得られた4−アミノフェニルカルバゾール8.0gと、4−テトラヒドロピラニルオキシブロモベンゼン16.7gと、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.85gと、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル0.84gと、カリウムt−ブトキシド10.5gとを、窒素導入管および温度計付の容積200mlの三口フラスコに秤量し、この系内を十分に窒素置換した後、アニソール60mlを加えて50℃で6時間反応させることにより、反応生成物を得た。
そして、この反応生成物17.4gと、トルエン200mlと、エタノール100mlと、濃塩酸23.5mlとを、容積500ml三角フラスコに仕込み、室温で6時間撹拌した後、150mlの飽和食塩水で2回洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去することによって得られた固体をトルエンにより再結晶処理して、白色結晶として式(5−1)で表される化合物(以下、「ヒドロキシ基含有化合物(1)」ともいう。)12.11gを得た。得られたヒドロキシ基含有化合物(1)の純度をHPLCで求めたところ100%であった。
〈比較用重合体(ポリビニルカルバゾール)の合成例1〉
窒素導入管および温度計付の容積100mlの三口フラスコに、N−ビニルカルバゾール15gと、アゾビスイソブチロニトリル0.0125gと、蒸留したジメチルホルムアミド30gとを仕込み、窒素を吹き込むことによって15分間バブリングを行った後、この系の温度を80℃に上昇させて4時間かけて重合処理を行った。重合処理後、得られた反応生成物をメタノール400ml中に注ぎ、沈殿をろ別してメタノールで洗浄した後に乾燥処理することにより、白色粉末としてポリビニルカルバゾール(以下、「比較用重合体(1)」ともいう。)を得た。得られた比較用重合体(1)の重量平均分子量は、30000であった。
〈参考例1〉
温度計、撹拌機を備えた容積200mLの三口フラスコに、ヒドロキシ基含有化合物としての2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデン3.53g(10.5mmol)と、アルカリ金属としての水酸化ナトリウム0.83g(21mmol)と、相間移動触媒としてのベンジルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド0.23g(0.63mmol)と、水系媒体としての飽和食塩水100mLとを仕込んだ後、この系に、2官能性トリアジン化合物(1)3.15g(10mmol)をニトロベンゼン100mlに溶解させた溶液を加え、85℃で5時間激しく撹拌することにより、重合反応を行った。その後、この反応系に末端封止剤として塩化ベンゾイル1.41g(10mmol)を添加して室温で2時間反応させることによってポリマー末端を置換した。
反応終了後、得られた反応溶液のニトロベンゼン層をメタノール300ml中に注ぐことによって重合体を再沈殿させ、その沈殿を回収してクロロホルムに溶解させ、純水で4回洗浄することにより、一般式(1)において、R1 〜R4 が水素原子であり、Aが2,2−ビス(4−フェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデニル基である繰り返し単位よりなる重合体(以下、「重合体(1)」ともいう。)に係る重合体溶液(以下、「重合体溶液(1)」ともいう。)を得た。
得られた重合体溶液(1)中の重合体(1)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算数平均分子量は8000であった。
〈参考例2〉
参考例1において、ヒドロキシ基含有化合物としての2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデンに代えて4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル2.12g(10.5mmol)を用いたこと以外は参考例1と同様にして、一般式(1)において、R1 〜R4 が水素原子であり、Aが4,4’−ジフェニルエーテル基である繰り返し単位よりなる重合体(以下、「重合体(2)」ともいう。)に係る重合体溶液(以下、「重合体溶液(2)」ともいう。)を得た。
得られた重合体溶液(2)中の重合体(2)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算数平均分子量は9000であった。
〈実施例1〉
参考例1において、ヒドロキシ基含有化合物としての2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロイソプロピリデンに代えてヒドロキシ基含有化合物(1)4.65g(10.5mmol)を用いたこと以外は参考例1と同様にして重合反応を行い、その後、この反応系に末端封止剤として式(I)で表される化合物4.12g(10mmol)を添加して85℃で2時間反応させることによってポリマー末端を置換した。
反応終了後、得られた反応溶液のニトロベンゼン層をメタノール300ml中に注ぐことによって重合体を再沈殿させ、その沈殿を回収してクロロホルムに溶解させ、純水で4回洗浄することにより、一般式(1)において、Aが一般式(2)で表されるものであり、一般式(1)および一般式(2)において、R1 〜R8 が水素原子である繰り返し単位よりなる重合体(以下、「重合体(3)」ともいう。)に係る重合体溶液(以下、「重合体溶液(3)」ともいう。)を得た。この重合体(3)のNMR測定の結果を図2に示す。
得られた重合体溶液(3)中の重合体(3)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算数平均分子量は6000であった。
〈参考例3〉
(有機EL素子の作製例)
透明基板上にITO膜が形成されてなるITO基板を用意し、このITO基板を、中性洗剤、超純水、イソプロピルアルコール、超純水、アセトンをこの順に用いて超音波洗浄した後、更に紫外線−オゾン(UV/O3 )洗浄した。
洗浄を行ったITO基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)溶液をスピンコート法によって塗布し、その後、得られた厚さ65nmの塗布膜を窒素雰囲気下において250℃で30分間乾燥することにより、正孔注入層を形成した。
次いで、得られた正孔注入層の表面に、発光層形成液として、重合体(1)および一般式(6)で示される特定のイリジウム錯体6mol%をアニソールに溶解することによって得られた有機EL素子用重合体組成物溶液(濃度3wt%)をスピンコート法によって塗布し、得られた厚さ40nmの塗布膜を窒素雰囲気下において150℃で10分間乾燥することにより、発光層を形成した。
次いで、ITO基板上に正孔注入層および発光層がこの順に積層されてなる積層体を真空装置内に固定し、その後、当該真空装置内を1×10-4Pa以下にまで減圧し、バソクプロインを30nm蒸着し、正孔ブロック層を形成した。次いで、フッ化リチウム0.5nm、カルシウム30nm、アルミニウム100nmを、この順で蒸着することにより陰極を形成した。その後、ガラス材料によって封止することにより、有機EL素子(以下、「有機EL素子(1)」ともいう。)を製造した。
得られた有機EL素子(1)からは、特定のイリジウム錯体に由来する波長515nm付近の発光が得られた。
また、有機EL素子(1)の耐久性を、その輝度が初期の輝度の半分となるまでの時間(以下、「半減時間」ともいう。)を、発光層の材料である重合体(1)に代えて比較用重合体(1)を用いたこと以外は参考例3と同様の手法によって製造した有機EL素子(以下、「比較用有機EL素子」ともいう。)の半減時間と比較することによって評価した。結果を表1に示す。
表1においては、比較用有機EL素子の半減時間を基準とし、100としたときの相対値を耐久性を示す値として示している。
〈参考例4〉
参考例3の有機EL素子の有機EL素子の作製例において、発光層の材料である重合体(1)に代えて重合体(2)を用いたこと以外は参考例3と同様の手法によって有機EL素子(以下、「有機EL素子(2)」ともいう。)を製造した。
得られた有機EL素子(2)からは、特定のイリジウム錯体に由来する波長515nm付近の発光が得られた。
また、有機EL素子(2)の半減時間を測定し、その耐久性を評価した。結果を表1に示す。
〈実施例2〉
参考例3の有機EL素子の有機EL素子の作製例において、発光層の材料である重合体(1)に代えて重合体(3)を用いたこと以外は参考例3と同様の手法によって有機EL素子(以下、「有機EL素子(3)」ともいう。)を製造した。
得られた有機EL素子(3)からは、特定のイリジウム錯体に由来する波長515nm付近の発光が得られた。
また、有機EL素子(3)の半減時間を測定し、その耐久性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004802472
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例における構成を示す説明用断面図である。 実施例1に係るNMRスペクトルを示す図である。
符号の説明
1 透明基板
2 陽極
3 正孔注入輸送層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 直流電源
8 ホールブロック層

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位よりなることを特徴とするアリーレンエーテル重合体。
    Figure 0004802472
    〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子および1価の有機基よりなる群から選ばれた原子または基を示し、Aは、下記一般式(2)で表される2価の芳香族基を示す。〕
    Figure 0004802472
    〔式中、R5 〜R8 は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子および1価の有機基よりなる群から選ばれた原子または基を示す。〕
  2. 全繰り返し単位における一般式(1)で表される繰り返し単位の割合が50mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアリーレンエーテル重合体。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアリーレンエーテル重合体よりなる重合体成分と、三重項発光性金属錯体化合物よりなる錯体成分とを含有してなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物。
  4. 請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用重合体組成物により形成された発光層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. ホールブロック層を備えてなることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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