JP3205848B2 - ポリエ−テル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリエ−テル樹脂及びその製造方法

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JP3205848B2 JP26382193A JP26382193A JP3205848B2 JP 3205848 B2 JP3205848 B2 JP 3205848B2 JP 26382193 A JP26382193 A JP 26382193A JP 26382193 A JP26382193 A JP 26382193A JP 3205848 B2 JP3205848 B2 JP 3205848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエ−テル樹脂、特に
各種有機溶媒に可溶で高いガラス転移温度を有し、かつ
撥水撥油性を有する低表面エネルギ−の耐熱性ポリエ−
テル樹脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエ−テル樹脂及びその製造方法は、
例えばJ.Polym. Sci.Part A−1、
7巻、3089ペ−ジ(1969年)などによって公知
である。このような従来のポリエ−テル樹脂は、高いガ
ラス転移温度を有していたが、高い表面エネルギ−を示
すため撥水撥油性に乏しく吸湿性および粘着性に問題が
あり、このことがポリエ−テル樹脂の工業的利用を妨げ
る大きな原因となっていた。しかし、これまで芳香族系
の耐熱性ポリエ−テルの表面エネルギ−を低下させ、液
体や固体に対してぬれにくくあるいは接着しにくくする
試みはなされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種有機溶
媒に可溶で、低い表面エネルギ−と高いガラス転移温度
を有し、撥水撥油性でかつ耐熱性のポリエ−テル樹脂及
びその製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機溶媒
への溶解性と高いガラス転移温度を保持しながら、なお
かつ撥水撥油性を示すポリエ−テル樹脂を得ることにつ
いて検討し、本発明に至った。即ち、本発明の第一の発
明は、一般式
【0005】
【化4】
【0006】(式中、Rは炭素数1〜18のパ−フルオ
ロアルキル基を示し、Arは二価の芳香族基を示し、n
は10〜200の整数を示す。)で表されるポリエ−テ
ル樹脂である。また、本発明の第二の発明は、一般式
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Rは炭素数1〜18のパ−フルオ
ロアルキル基を示す。)で表されるトリアジン二塩化物
の一種または二種以上と、一般式 HO−Ar−OH (III) (式中、Arは二価の芳香族基を示す。)で表される一
種または二種以上の芳香族ジオ−ルを反応させることを
特徴とする一般式
【0009】
【化6】
【0010】(式中、Rは炭素数1〜18のパ−フルオ
ロアルキル基を示し、Arは二価の芳香族基を示し、n
は10〜200の整数を示す。)で表されるポリエ−テ
ル樹脂の製造方法である。
【0011】上記一般式(I)で表されるポリエ−テル
樹脂は、上記一般式(II)で表されるトリアジン二塩化
物と上記一般式(III)で表される芳香族ジオ−ルから
製造されるが、トリアジン二塩化物としては上記一般式
(II)のRの炭素数が1〜18のパ−フルオロアルキル
基からなるトリアジン二塩化物を単独で使用することも
できるし、二種以上を混合して使用することもできる
また、上記一般式(II)で表されるトリアジン二塩化物
を単独で使用し、上記一般式(III)で表される芳香族
ジオ−ルの二種以上を混合して使用することもできる。
【0012】上記一般式(II)におけるRは炭素数1か
ら18の分岐を有することもあるパ−フルオロアルキル
基であるが、具体的には、例えば、トリフルオロメチル
基、パ−フルオロエチル基、パ−フルオロプロピル基、
パ−フルオロブチル基、パ−フルオロペンチル基、パ−
フルオロヘキシル基、パ−フルオロヘプチル基、パ−フ
ルオロオクチル基、パ−フルオロノニル基、パ−フルオ
ロデシル基などが挙げられる。
【0013】上記一般式(III)で表される芳香族ジオ
−ルとしては、ヒドロキノン、レゾルシノ−ル、4,
4’−ビフェノ−ル、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ−テル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エチルベンゼン、1,1−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3
−トリメチル−5−インダノ−ルなどを例示することが
できる。
【0014】上記一般式(I)で表されるポリエ−テル
樹脂の製造方法の第一の例は、有機溶媒とアルカリ水溶
液の二相系で、相間移動触媒存在下に上記一般式(II)
で表されるトリアジン二塩化物と上記一般式(III)で
表される芳香族ジオ−ルを0℃から200℃で数分間か
ら数日間反応させることにより行われるものである。こ
の方法において一般式(I)で表されるポリエ−テル樹
脂の分子量は一般式(II)で表されるトリアジン二塩化
物と一般式(III)で表される芳香族ジオ−ルの仕込み
量によって制限され、これらの反応成分を等モル量にす
ると高分子量の上記一般式(I)で表されるポリエ−テ
ル樹脂を製造することができる。一般式(I)で表され
るポリエ−テル樹脂においてnを10から200の整数
に限定した理由は、nが10より小ではフィルムなどに
成形した場合に機械的性質や耐熱性等の特性が充分では
なく、nが200を越えると有機溶媒等への溶解性及び
成形性が悪くなるからである。
【0015】この方法に利用できる有機溶媒としては、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リドン等のアミド系溶媒、ベンゼン、アニソ−ル、ジフ
ェニルエ−テル、ニトロベンゼン、ベンゾニトリルのよ
うな芳香族系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンのようなハロゲン系溶媒、テトラメチレンスル
ホン等の硫黄系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエ−テル系溶媒、さらにアセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン系溶媒等を例示することができる。この
方法に使用される相間移動触媒としては、四級アンモニ
ウム塩、四級ホスホニウム塩そしてクラウンエ−テル、
クリプタンドが用いられる。例えば、テトラメチルアン
モニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミ
ド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチル
アンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド、テトラメチルアンモニウム硫酸水素塩、ベンジル
トリエチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルア
ンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウム
ブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリブチ
ルアンモニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブ
ロミド、セチルトリブチルホスホニウムブロミド、15
−クラウン−5、18−クラウン−6、ベンゾ−18−
クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジベン
ゾ−24−クラウン−8などを例示することができる。
これらの触媒量は、1モル%〜100モル%であり、1
モル%未満では反応速度が遅く、100モル%を越える
と顕著な効果が得られないので必要でない。
【0016】上記一般式(I)で表されるポリエ−テル
樹脂の製造方法の第二の例は、有機溶媒中、酸受容剤存
在下に、上記一般式(II)で表されるトリアジン二塩化
物と上記一般式(III)で表される芳香族ジオ−ルを0
℃から200℃で数分間から数日間反応させることによ
り行われるものである。この方法に利用できる有機溶媒
としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ベンゼン、アニソ
−ル、ジフェニルエ−テル、ニトロベンゼン、ベンゾニ
トリルのような芳香族系溶媒、クロロホルム、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テ
トラクロロエタンのようなハロゲン系溶媒、テトラメチ
レンスルホン等の硫黄系溶媒、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエ−テル系溶媒、さらにアセトン、メチル
エチルケトン等のケトン系溶媒等を例示することができ
る。
【0017】また、これらの溶媒と同時に使用する酸受
溶剤としては、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機
塩基及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機の塩
基を挙げることができる。かくして製造された一般式
(I)で表されるポリエ−テル樹脂は、使用した一般式
(II)で表されるトリアジン二塩化物と使用した一般式
(III)で表される芳香族ジオ−ルの種類により、溶解
性、ガラス転移温度及び撥水撥油性が変化する。上記一
般式(I)で表されるポリエ−テル樹脂はクロロホル
ム、テトラヒドロフラン、アセトン、メタクレゾ−ル、
オルトクロロフェノ−ル、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等の有機溶
媒のすべて、または一部に可溶となり、溶媒キャスト法
により無色透明で強靱なフィルムを与える。このキャス
トフィルムは、200℃付近の高いガラス転移温度を有
し、さらに80〜98度の水の接触角及び40〜60度
のヨウ化メチレンの接触角を示し、40〜50erg/
cm2の低い表面自由エネルギ−を有している。
【0018】
【実施例及び比較例】以下、本発明を実施例によりさら
に詳しく説明する。 実施例1 100mLのナスフラスコに、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エ−テル0.506g(2.5mmol)、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド0.27g(0.
7mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液5.
1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−
トリフルオロメチルアニリノ)−4,6−ジクロロ−
1,3,5−トリアジン0.773g(2.5mmo
l)を5mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加し
た。20℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を3
00mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈
殿を得た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥
し、ポリエ−テル樹脂を95%の収率で得た。この樹脂
の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造
であることを確認した。
【0019】
【化7】
【0020】赤外吸収スペクトル 1570cm~1(C
=N) 元素分析 C H N 計算値(%) 60.28 2.99 12.78 実測値(%) 59.82 2.69 12.61 この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.82dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):333,000 数平均分子量(Mn):119,000 分子量分布(Mw/Mn):2.8 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):194℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
95℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、アセトン、ニトロベンゼ
ン、メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−
メチル−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフ
ィルムを作製した。このフィルムに対する水及びヨウ化
メチレンの接触角は、それぞれ82度と40度で、表面
エネルギ−は46erg/cm2であった。
【0021】実施例2 100mLのナスフラスコに、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド0.546g(2.5mmol)、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド0.27g
(0.7mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶
液5.1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−
(p−トリフルオロメチルアニリノ)−4,6−ジクロ
ロ−1,3,5−トリアジン0.773g(2.5mm
ol)を5mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加し
た。20℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を3
00mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈
殿を得た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥
し、ポリエ−テル樹脂を96%の収率で得た。この樹脂
の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造
であることを確認した。
【0022】
【化8】
【0023】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.79dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):177℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
90℃、窒素中395℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン、オルトクロロフェノ−ル等に可
溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液から無色透明なキ
ャストフィルムを作製した。このフィルムの表面エネル
ギ−は46erg/cm2であった。
【0024】実施例3 100mLのナスフラスコに、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン0.571g(2.5mmol)、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド0.27g(0.
7mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液5.
1mL、蒸留水1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液
に、2−(p−トリフルオロメチルアニリノ)−4,6
−ジクロロ−1,3,5−トリアジン0.773g
(2.5mmol)を5mLのクロロホルムに溶解した
溶液を添加した。20℃で12時間激しく撹拌した後、
反応溶液を300mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−
テル樹脂の沈殿を得た。これをろ別後、80℃で12時
間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を98%の収率で得
た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結
果、次式の構造であることを確認した。
【0025】
【化9】
【0026】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:1.01dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):203℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
95℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、オルトクロロ
フェノ−ル等に可溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液
から無色透明なキャストフィルムを作製した。このフィ
ルムの表面エネルギ−は47erg/cm2であった。
【0027】実施例4 100mLのナスフラスコに、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.841g
(2.5mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド0.27g(0.7mmol)、1モル濃度水酸
化ナトリウム水溶液5.1mL、蒸留水1mLを採り、
撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−トリフルオロメ
チルアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリ
アジン0.773g(2.5mmol)を5mLの塩化
メチレンに溶解した溶液を添加した。20℃で12時間
激しく撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ−ル
に投入し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得た。これをろ別
後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を
97%の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及
び元素分析の結果、次式の構造であることを確認した。
【0028】
【化10】
【0029】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.45dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):73,000 数平均分子量(Mn):29,000 分子量分布(Mw/Mn):2.5 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):203℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
95℃、窒素中395℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、アセトン、ニトロベンゼ
ン、メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−
メチル−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフ
ィルムを作製した。このフィルムの表面エネルギ−は4
5erg/cm2であった。
【0030】実施例5 100mLのナスフラスコに、α,α−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルベンゼン0.726g(2.5
mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.27g(0.7mmol)、1モル濃度水酸化ナト
リウム水溶液5.1mL、蒸留水1mLを採り、撹拌溶
解した。この溶液に、2−(p−トリフルオロメチルア
ニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン
0.773g(2.5mmol)を5mLのクロロホル
ムに溶解した溶液を添加した。20℃で12時間激しく
撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ−ルに投入
し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得た。これをろ別後、8
0℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を96%
の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素
分析の結果、次式の構造であることを確認した。
【0031】
【化11】
【0032】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.78dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):435,000 数平均分子量(Mn):121,000 分子量分布(Mw/Mn):3.6 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):231℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
90℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、メタクレゾ−ル、N−メチ
ル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リドン、オルトクロロフェノ−ル等に可溶でN−メチル
−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフィルム
を作製した。このフィルムの表面エネルギ−は47er
g/cm2であった。
【0033】実施例6 100mLのナスフラスコに、3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1,3−トリメチル−5−インダノ−ル
0.671g(2.5mmol)、セチルトリメチルア
ンモニウムブロミド0.27g(0.7mmol)、1
モル濃度水酸化ナトリウム水溶液5.1mL、蒸留水1
mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−ト
リフルオロメチルアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,
3,5−トリアジン0.773g(2.5mmol)を
5mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加した。20
℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を300mL
のメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得
た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリ
エ−テル樹脂を95%の収率で得た。この樹脂の赤外吸
収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造であるこ
とを確認した。
【0034】
【化12】
【0035】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.68dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):182,000 数平均分子量(Mn):70,000 分子量分布(Mw/Mn):2.6 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):230℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
90℃、窒素中395℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、
メタクレゾ−ル、ニトロベンゼン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、オルトクロロフェノ−ル、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル−2−ピロ
リドン溶液から無色透明なキャストフィルムを作製し
た。このフィルムに対する水及びヨウ化メチレンの接触
角は、それぞれ90度と44度で、表面エネルギ−は4
7erg/cm2であった。
【0036】実施例7 100mLのナスフラスコに、1,1−ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン0.74
1g(2.5mmol)、セチルトリメチルアンモニウ
ムブロミド0.27g(0.7mmol)、1モル濃度
水酸化ナトリウム水溶液5.1mL、蒸留水1mLを採
り、撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−トリフルオ
ロメチルアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−
トリアジン0.773g(2.5mmol)を5mLの
クロロホルムに溶解した溶液を添加した。20℃で12
時間激しく撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ
−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得た。これを
ろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹
脂を98%の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクト
ル及び元素分析の結果、次式の構造であることを確認し
た。
【0037】
【化13】
【0038】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:1.26dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):652,000 数平均分子量(Mn):181,000 分子量分布(Mw/Mn):3.6 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):210℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
95℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、N−メチル
−2−ピロリドン、オルトクロロフェノ−ル、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル−
2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフィルムを
作製した。このフィルムの表面エネルギ−は47erg
/cm2であった。
【0039】実施例8 100mLのナスフラスコに、2,2−ビス(3−フェ
ニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.951g
(2.5mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド0.27g(0.7mmol)、1モル濃度水酸
化ナトリウム水溶液5.1mL、蒸留水1mLを採り、
撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−トリフルオロメ
チルアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリ
アジン0.773g(2.5mmol)を5mLのクロ
ロホルムに溶解した溶液を添加した。20℃で12時間
激しく撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ−ル
に投入し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得た。これをろ別
後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を
98%の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及
び元素分析の結果、次式の構造であることを確認した。
【0040】
【化14】
【0041】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:1.00dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):512,000 数平均分子量(Mn):183,000 分子量分布(Mw/Mn):2.8 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):193℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中405℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、
メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、ニトロ
ベンゼン、オルトクロロフェノ−ル、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル−2−ピロ
リドン溶液から無色透明なキャストフィルムを作製し
た。また、フィルムの引張強度、破断時の伸び、引張弾
性率は、それぞれ79MPa、5%、1.9GPaであ
った。このフィルムに対する水及びヨウ化メチレンの接
触角は、それぞれ92度と37度で、表面エネルギ−は
50erg/cm2であった。
【0042】実施例9 100mLのナスフラスコに、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エ−テル0.404g(2.0mmol)、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド0.22g(0.
6mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液4.
1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−
パ−フルオロブチルアニリノ)−4,6−ジクロロ−
1,3,5−トリアジン0.918g(2.0mmo
l)を4mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加し
た。20℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を3
00mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈
殿を得た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥
し、ポリエ−テル樹脂を96%の収率で得た。この樹脂
の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造
であることを確認した。
【0043】
【化15】
【0044】赤外吸収スペクトル 1570cm~1(C
=N) 元素分析 C H N 計算値(%) 51.03 2.23 9.52 実測値(%) 50.60 2.01 9.33 この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.68dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):307,000 数平均分子量(Mn):99,000 分子量分布(Mw/Mn):3.1 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):172℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
95℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、アセトン、ニトロベンゼ
ン、メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−
メチル−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフ
ィルムを作製した。フィルムの引張強度、破断時の伸
び、引張弾性率は、それぞれ74MPa、7%、2.1
GPaであった。また、このフィルムに対する水及びヨ
ウ化メチレンの接触角は、それぞれ96度と62度で、
表面エネルギ−は39erg/cm2であった。
【0045】実施例10 100mLのナスフラスコに、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド0.437g(2.0mmol)、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド0.22g
(0.6mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶
液4.1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−
(p−パ−フルオロブチルアニリノ)−4,6−ジクロ
ロ−1,3,5−トリアジン0.918g(2.0mm
ol)を4mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加し
た。20℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を3
00mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈
殿を得た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥
し、ポリエ−テル樹脂を95%の収率で得た。この樹脂
の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造
であることを確認した。
【0046】
【化16】
【0047】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.46dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):256,000 数平均分子量(Mn):73,000 分子量分布(Mw/Mn):3.5 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):168℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
90℃、窒素中395℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、アセトン、メタクレゾ−
ル、N−メチル−2−ピロリドン、ニトロベンゼン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、オルトクロロ
フェノ−ル等に可溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液
から無色透明なキャストフィルムを作製した。フィルム
の引張強度、破断時の伸び、引張弾性率は、それぞれ5
2MPa、5%、1.4GPaであった。また、このフ
ィルムに対する水及びヨウ化メチレンの接触角は、それ
ぞれ98度と59度で、表面エネルギ−は40erg/
cm2であった。
【0048】実施例11 100mLのナスフラスコに、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン0.457g(2.0mmo
l)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド0.22
g(0.6mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水
溶液4.1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2
−(p−パ−フルオロブチルアニリノ)−4,6−ジク
ロロ−1,3,5−トリアジン0.918g(2.0m
mol)を4mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加
した。20℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を
300mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の
沈殿を得た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥
し、ポリエ−テル樹脂を96%の収率で得た。この樹脂
の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造
であることを確認した。
【0049】
【化17】
【0050】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.65dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):197℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
90℃、窒素中395℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、オルトクロロ
フェノ−ル等に可溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液
から無色透明なキャストフィルムを作製した。フィルム
の表面エネルギ−は40erg/cm2であった。
【0051】実施例12 100mLのナスフラスコに、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.672g
(2.0mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド0.22g(0.6mmol)、1モル濃度水酸
化ナトリウム水溶液4.1mLを採り、撹拌溶解した。
この溶液に、2−(p−パ−フルオロブチルアニリノ)
−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン0.91
8g(2.0mmol)を4mLのクロロホルムに溶解
した溶液を添加した。20℃で12時間激しく撹拌した
後、反応溶液を300mLのメタノ−ルに投入し、ポリ
エ−テル樹脂の沈殿を得た。これをろ別後、80℃で1
2時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を95%の収率で
得た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結
果、次式の構造であることを確認した。
【0052】
【化18】
【0053】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.25dL/g(1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン中30℃、0.5g/dLの濃度
で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):190℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン、オルトクロロフェノ−ル等に可
溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液から無色透明なキ
ャストフィルムを作製した。フィルムの表面エネルギ−
は39erg/cm2であった。
【0054】実施例13 100mLのナスフラスコに、α,α−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルベンゼン0.581g(2.0
mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.22g(0.6mmol)、1モル濃度水酸化ナト
リウム水溶液4.1mL、蒸留水1mLを採り、撹拌溶
解した。この溶液に、2−(p−パ−フルオロブチルア
ニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン
0.918g(2.0mmol)を4mLのクロロホル
ムに溶解した溶液を添加した。20℃で12時間激しく
撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ−ルに投入
し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得た。これをろ別後、8
0℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を93%
の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素
分析の結果、次式の構造であることを確認した。
【0055】
【化19】
【0056】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.29dL/g(メタクレゾ−ル中
30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):209℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、メタクレゾ−ル、オルトクロロフェノ−ル等に可
溶であった。
【0057】実施例14 100mLのナスフラスコに3−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1,3−トリメチル−5−インダノ−ル
0.537g(2.0mmol)、セチルトリメチルア
ンモニウムブロミド0.22g(0.6mmol)、1
モル濃度水酸化ナトリウム水溶液4.1mL、蒸留水1
mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−パ
−フルオロブチルアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,
3,5−トリアジン0.918g(2.0mmol)を
4mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加した。20
℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を300mL
のメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得
た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリ
エ−テル樹脂を97%の収率で得た。この樹脂の赤外吸
収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造であるこ
とを確認した。
【0058】
【化20】
【0059】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.59dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):444,000 数平均分子量(Mn):101,000 分子量分布(Mw/Mn):4.4 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):213℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
90℃、窒素中395℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、
メタクレゾ−ル、ニトロベンゼン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、オルトクロロフェノ−ル、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル−2−ピロ
リドン溶液から無色透明なキャストフィルムを作製し
た。フィルムの引張強度、破断時の伸び、引張弾性率は
それぞれ53MPa、4%、1.7GPaであった。ま
た、このフィルムに対する水及びヨウ化メチレンの接触
角は、それぞれ98度と62度で、表面エネルギ−は3
9erg/cm2であった。
【0060】実施例15 100mLのナスフラスコに1,1−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン0.593
g(2.0mmol)、セチルトリメチルアンモニウム
ブロミド0.22g(0.6mmol)、1モル濃度水
酸化ナトリウム水溶液4.1mL、蒸留水1mLを採
り、撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−パ−フルオ
ロブチルアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−
トリアジン0.918g(2.0mmol)を4mLの
クロロホルムに溶解した溶液を添加した。20℃で12
時間激しく撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ
−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得た。これを
ろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹
脂を97%の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクト
ル及び元素分析の結果、次式の構造であることを確認し
た。
【0061】
【化21】
【0062】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.55dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):232,000 数平均分子量(Mn):86,000 分子量分布(Mw/Mn):2.7 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):198℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
95℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メタクレゾ
−ル、ニトロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、
オルトクロロフェノ−ル、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリドン等に可溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液
から無色透明なキャストフィルムを作製した。フィルム
の引張強度、破断時の伸び、引張弾性率はそれぞれ81
MPa、6%、1.7GPaであった。このフィルムに
対する水及びヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ98
度と62度で、表面エネルギ−は39erg/cm2
あった。
【0063】実施例16 100mLのナスフラスコに2,2−ビス(3−フェニ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.761g
(2.0mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド0.22g(0.6mmol)、1モル濃度水酸
化ナトリウム水溶液4.1mL、蒸留水1mLを採り、
撹拌溶解した。この溶液に、2−(p−パ−フルオロブ
チルアニリノ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリ
アジン0.918g(2.0mmol)を4mLのクロ
ロホルムに溶解した溶液を添加した。20℃で12時間
激しく撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ−ル
に投入し、ポリエ−テル樹脂の沈殿を得た。これをろ別
後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を
97%の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及
び元素分析の結果、次式の構造であることを確認した。
【0064】
【化22】
【0065】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.87dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):715,000 数平均分子量(Mn):247,000 分子量分布(Mw/Mn):2.9 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):180℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中405℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトン、
メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、オルト
クロロフェノ−ル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ドン等に可溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液から無
色透明なキャストフィルムを作製した。フィルムの引張
強度、破断時の伸び、初期の引張弾性率は、それぞれ6
9MPa、5%、2.0GPaであった。また、このフ
ィルムに対する水及びヨウ化メチレンの接触角は、それ
ぞれ97度と54度で、表面エネルギ−は43erg/
cm2であった。
【0066】比較例1 100mLのナスフラスコにビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エ−テル0.506g(2.5mmol)、セチ
ルトリメチルアンモニウムブロミド0.27g(0.7
mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液5.1
mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−アニリノ
−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン0.60
3g(2.5mmol)を5mLのニトロベンゼンに溶
解した溶液を添加した。20℃で12時間激しく撹拌し
た後、反応溶液を300mLのメタノ−ルに投入し、ポ
リエ−テル樹脂を得た。これをろ別後、80℃で12時
間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を97%の収率で得
た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結
果、次式の構造であることを確認した。
【0067】
【化23】
【0068】赤外吸収スペクトル 1570cm~1(C
=N) 元素分析 C H N 計算値(%) 68.10 3.81 15.13 実測値(%) 67.80 3.63 15.01 この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.77dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):61,000 数平均分子量(Mn):21,000 分子量分布(Mw/Mn):2.9 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):183℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
10℃、窒素中415℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、メタクレゾ−ル、N−メチ
ル−2−ピロリドン、オルトクロロフェノ−ル、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル
−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフィルム
を作製した。フィルムの引張強度、破断時の伸び、引張
弾性率は、それぞれ80MPa、3%、3.4GPaで
あった。このフィルムに対する水及びヨウ化メチレンの
接触角は、それぞれ74度と28度で、表面エネルギ−
は49erg/cm2であった。実施例1および9に比
べ接触角が小さく表面エネルギ−が大きい。
【0069】比較例2 100mLのナスフラスコにビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド0.546g(2.5mmol)、セ
チルトリメチルアンモニウムブロミド0.27g(0.
7mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水溶液5.
1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−アニリ
ノ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン0.6
03g(2.5mmol)を5mLのクロロホルムに溶
解した溶液を添加した。20℃で12時間激しく撹拌し
た後、反応溶液を300mLのメタノ−ルに投入し、ポ
リエ−テル樹脂を得た。これをろ別後、80℃で12時
間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を98%の収率で得
た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結
果、次式の構造であることを確認した。
【0070】
【化24】
【0071】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.93dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):145,000 数平均分子量(Mn):44,000 分子量分布(Mw/Mn):3.3 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):179℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、メタクレゾ−ル、N−メチ
ル−2−ピロリドン、オルトクロロフェノ−ル、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル
−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフィルム
を作製した。このフィルムの表面エネルギ−は50er
g/cm2であった。実施例2および10に比べ表面エ
ネルギ−が大きい。
【0072】比較例3 100mLのナスフラスコに、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン0.571g(2.5mmo
l)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド0.27
g(0.7mmol)、1モル濃度水酸化ナトリウム水
溶液5.1mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2
−アニリノ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジ
ン0.603g(2.5mmol)を5mLのクロロホ
ルムに溶解した溶液を添加した。20℃で12時間激し
く撹拌した後、反応溶液を300mLのメタノ−ルに投
入し、ポリエ−テル樹脂を得た。これをろ別後、80℃
で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を99%の収
率で得た。この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素分析
の結果、次式の構造であることを確認した。
【0073】
【化25】
【0074】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:2.20dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):196℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
95℃、窒素中425℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、メタクレゾ−ル、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−
メチル−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフ
ィルムを作製した。フィルムの引張強度、破断時の伸
び、引張弾性率は、それぞれ98MPa、3%、3.6
GPaであった。このフィルムの表面エネルギ−は50
erg/cm2であった。実施例3および11に比べ表
面エネルギ−が大きい。
【0075】比較例4 100mLのナスフラスコに、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン0.841g
(2.5mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド0.27g(0.7mmol)、1モル濃度水酸
化ナトリウム水溶液5.1mLを採り、撹拌溶解した。
この溶液に、2−アニリノ−4,6−ジクロロ−1,
3,5−トリアジン0.603g(2.5mmol)を
5mLの塩化メチレンに溶解した溶液を添加した。20
℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を300mL
のメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂を得た。これ
をろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル
樹脂を98%の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペク
トル及び元素分析の結果、次式の構造であることを確認
した。
【0076】
【化26】
【0077】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.88dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):200℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中400℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル−2−ピロ
リドン溶液から無色透明なキャストフィルムを作製し
た。フィルムの表面エネルギ−は49erg/cm2
あった。実施例4および12に比べ表面エネルギ−が大
きい。
【0078】比較例5 100mLのナスフラスコに、α,α−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エチルベンゼン0.726g(2.5
mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド
0.27g(0.7mmol)、1モル濃度水酸化ナト
リウム水溶液5.1mL、蒸留水1mLを採り、撹拌溶
解した。この溶液に、2−アニリノ−4,6−ジクロロ
−1,3,5−トリアジン0.603g(2.5mmo
l)を5mLのニトロベンゼンに溶解した溶液を添加し
た。20℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を3
00mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂を得
た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリ
エ−テル樹脂を97%の収率で得た。この樹脂の赤外吸
収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造であるこ
とを確認した。
【0079】
【化27】
【0080】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:0.96dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)ガラス転移温度(示差走査熱量計):217℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
15℃、窒素中420℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、テトラヒドロフラン、メタクレゾ−ル、N−メチ
ル−2−ピロリドン、オルトクロロフェノ−ル、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリドン等に可溶でN−メチル
−2−ピロリドン溶液から無色透明なキャストフィルム
を作製した。フィルムの引張強度、破断時の伸び、引張
弾性率は、それぞれ88MPa、4%、2.3GPaで
あった。このフィルムの表面エネルギ−は51erg/
cm2であった。実施例5に比べ表面エネルギ−が大き
い。
【0081】比較例6 100mLのナスフラスコに、3−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1,3−トリメチル−5−インダゾ−ル
0.671g(2.5mmol)、セチルトリメチルア
ンモニウムブロミド0.27g(0.7mmol)、1
モル濃度水酸化ナトリウム水溶液5.1mL、蒸留水1
mLを採り、撹拌溶解した。この溶液に、2−アニリノ
−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン0.60
3g(2.5mmol)を5mLのクロロホルムに溶解
した溶液を添加した。20℃で12時間激しく撹拌した
後、反応溶液を300mLのメタノ−ルに投入し、ポリ
エ−テル樹脂を得た。これをろ別後、80℃で12時間
減圧乾燥し、ポリエ−テル樹脂を98%の収率で得た。
この樹脂の赤外吸収スペクトル及び元素分析の結果、次
式の構造であることを確認した。
【0082】
【化28】
【0083】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:1.39dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):479,000 数平均分子量(Mn):102,000 分子量分布(Mw/Mn):4.7 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):224℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中410℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メタクレゾ
−ル、N−メチル−2−ピロリドン、ニトロベンゼン、
オルトクロロフェノ−ル、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリドン等に可溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液
から無色透明なキャストフィルムを作製した。フィルム
の引張強度、破断時の伸び、引張弾性率は、それぞれ5
2MPa、4%、1.9GPaであった。このフィルム
に対する水及びヨウ化メチレンの接触角は、それぞれ8
7度と29度で、表面エネルギ−は52erg/cm2
であった。実施例6および14に比べ接触角が小さく表
面エネルギ−が大きい。
【0084】比較例7 100mLのナスフラスコに、1,1−ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン0.74
1g(2.5mmol)、セチルトリメチルアンモニウ
ムブロミド0.27g(0.7mmol)、1モル濃度
水酸化ナトリウム水溶液5.1mLを採り、撹拌溶解し
た。この溶液に、2−アニリノ−4,6−ジクロロ−
1,3,5−トリアジン0.603g(2.5mmo
l)を5mLのクロロホルムに溶解した溶液を添加し
た。20℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を3
00mLのメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂を得
た。これをろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリ
エ−テル樹脂を99%の収率で得た。この樹脂の赤外吸
収スペクトル及び元素分析の結果、次式の構造であるこ
とを確認した。
【0085】
【化29】
【0086】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:1.20dL/g(テトラヒドロフラ
ン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):352,000 数平均分子量(Mn):138,000 分子量分布(Mw/Mn):2.6 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):193℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中3
90℃、窒素中395℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メタクレゾ
−ル、オルトクロロフェノ−ル等に可溶でテトラヒドロ
フラン溶液から無色透明なキャストフィルムを作製し
た。このフィルムの表面エネルギ−は51erg/cm
2であった。実施例7および15に比べ表面エネルギ−
が大きい。
【0087】比較例8 100mLのナスフラスコに、2,2−ビス(3−フェ
ニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン0.951g
(2.5mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブ
ロミド0.27g(0.7mmol)、1モル濃度水酸
化ナトリウム水溶液5.1mLを採り、撹拌溶解した。
この溶液に、2−アニリノ−4,6−ジクロロ−1,
3,5−トリアジン0.603g(2.5mmol)を
5mLの塩化メチレンに溶解した溶液を添加した。20
℃で12時間激しく撹拌した後、反応溶液を300mL
のメタノ−ルに投入し、ポリエ−テル樹脂を得た。これ
をろ別後、80℃で12時間減圧乾燥し、ポリエ−テル
樹脂を99%の収率で得た。この樹脂の赤外吸収スペク
トル及び元素分析の結果、次式の構造であることを確認
した。
【0088】
【化30】
【0089】この樹脂の特性を以下に示す。 (1)固有粘度:1.16dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中30℃、0.5g/dLの濃度で測定) (2)分子量 重量平均分子量(Mw):357,000 数平均分子量(Mn):119,000 分子量分布(Mw/Mn):3.0 (3)ガラス転移温度(示差走査熱量計):177℃ 熱重量測定装置による10%重量減少温度は、空気中4
00℃、窒素中405℃であった。このポリエ−テル樹
脂は、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メタクレゾ
−ル、N−メチル−2−ピロリドン、ニトロベンゼン、
オルトクロロフェノ−ル、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリドン等に可溶でN−メチル−2−ピロリドン溶液
から無色透明なキャストフィルムを作製した。このフィ
ルムに対する水およびヨウ化メチレンの接触角は、それ
ぞれ67度と22度で、表面エネルギ−は51erg/
cm2であった。実施例8および16に比べ接触角が小
さく表面エネルギ−が大きい。
【0090】参考例1 2−(p−トリフルオロメチルアニリノ)−4,6−ジ
クロロ−1,3,5−トリアジンの合成 塩化シアヌル18.44g(0.1mol)を脱水蒸留
したテトラヒドロフラン200mLに溶解し、この溶液
にp−トリフルオロメチルアニリン16.11g(0.
1mol)を100mLのテトラヒドロフランに溶解し
た溶液を、0〜5℃で、30分かけて滴下した。その
後、1時間反応させた。次に、炭酸ナトリウム5.3g
(0.05mol)を蒸留水50mLに溶解した溶液を
滴下した。滴下後、0〜5℃で3時間撹拌した。反応
後、テトラヒドロフラン溶液を分別し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水後、溶媒を除去し、粗生成物を得た。これを
減圧下で昇華後、無水ヘキサン/トルエンで2回再結晶
することにより、白色結晶体を得た。 精製後収率:67% 融点:155〜157℃ 赤外吸収スペクトル:1540cm~1(C=N)、12
00cm~1と1170cm~1(C−F) 元素分析値 C H N 計算値(%) 38.86 1.63 18.13 実測値(%) 38.80 1.61 17.80
【0091】参考例2 2−(p−パ−フルオロブチルアニリノ)−4,6−ジ
クロロ−1,3,5−トリアジンの合成 塩化シアヌル9.9g(0.054mol)を脱水蒸留
したテトラヒドロフラン100mLに溶解し、この溶液
にp−パ−フルオロブチルアニリン16.7g(0.0
54mol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解した
溶液を、0〜5℃で、30分かけて滴下した。滴下終了
後、1時間反応させた。次に、炭酸ナトリウム2.9g
(0.027mol)を蒸留水30mLに溶解した溶液
を滴下した。滴下後、0〜5℃で3時間撹拌した。反応
後、テトラヒドロフラン溶液を分別し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水後、溶媒を除去し、粗生成物を得た。これを
減圧蒸留後(185〜190/1mmHg)、無水ヘキ
サン/トルエンで2回再結晶することにより、白色結晶
体を得た。 精製後収率:70% 融点:134〜135℃ 赤外吸収スペクトル:1537cm~1(C=N)、12
01cm~1と1169cm~1(C−F)1 H−NMR(CDCl3):4.61ppm(s,1
H,NH),7.64ppm(d,2H,9Hz,芳香
環),7.95ppm(d,2H,9Hz,芳香環) 元素分析値 C H N 計算値(%) 34.00 1.10 12.20 実測値(%) 34.09 1.05 11.86
【0092】
【発明の効果】本発明は一般式(I)で表されるポリエ
−テルおよびポリエ−テル樹脂の有利な製造方法を提供
するものである。従来のポリエ−テル樹脂は、極性が大
きく吸湿性で、高いガラス転移温度と高い表面エネルギ
−を有しているのに対し、本発明のポリエ−テル樹脂は
広範な有機溶媒に可溶で、かつ高いガラス転移温度と低
い表面エネルギ−を有する撥水撥油性の耐熱性樹脂であ
るので工業材料としての価値が大きい。また、充分に高
分子量のポリエ−テル樹脂を製造するための有利な方法
を提供するものであり、工業的価値が大きい。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−273643(JP,A) 特開 昭60−99131(JP,A) 特開 昭56−24423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/40 - 65/42 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18のパ−フルオロアルキル基
    を示し、Arは二価の芳香族基を示し、nは10〜20
    0の整数を示す。)で表されるポリエ−テル樹脂。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜18のパ−フルオロアルキル基
    を示す。)で表されるトリアジン二塩化物の一種または
    二種以上と、一般式 HO−Ar−OH (III) (式中、Arは二価の芳香族基を示す。)で表される一
    種または二種以上の芳香族ジオ−ルを反応させることを
    特徴とする一般式 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜18のパ−フルオロアルキル基
    を示し、Arは二価の芳香族基を示し、nは10〜20
    0の整数を示す。)で表されるポリエ−テル樹脂の製造
    方法。
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