JP5180923B2 - 半導体レーザモジュール,およびこれを備えたラマン増幅器 - Google Patents

半導体レーザモジュール,およびこれを備えたラマン増幅器 Download PDF

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この発明は,半導体レーザモジュール,および半導体レーザモジュールを備えたラマン増幅器に関する。
半導体レーザまたは半導体ゲインチップ(以下,LDと呼ぶ)は活性層を含み,活性層に電流を供給することによってレーザ光(光)を発生する。活性層に電流を供給すると活性層の温度が上昇する。活性層の温度変動はLDから出射されるレーザ光(光)の波長に影響を及ぼすので,LDが格納されるモジュール内部には一般にLDを冷却するための熱電クーラ(TEC:ThermoElectric Cooler )が設けられ,このTEC上にLDが搭載される。TEC上には温度を測定するためのサーミスタも搭載される。サーミスタによって測定される温度が所定温度(たとえば,25℃)となるようにTECは制御される。
TECはLDの活性層温度を所定温度に維持することを目的としてモジュール内部に設けられるものであるが,上述のように,TECは,活性層温度ではなくサーミスタ温度を所定温度に維持するように動作する。すなわち,TECによる温度制御(冷却)によってサーミスタ温度を所定温度に維持することはできるが,それがLDの活性層温度を一定にすることには必ずしもつながらない。
図9(A),(B)は,LDに供給する駆動電流を変化させたときの,活性層およびサーミスタの温度変化(実線が活性層温度,破線がサーミスタ温度)を示している。図9(A)はTECによる温度制御を行っていないとき(TEC制御無し)のグラフであり,図9(B)はTECを用いた温度制御を行ったとき(TEC制御時)のグラフである。図9(C)は,TECを用いた温度制御を行っている状態において,比較的小さい駆動電流をLDに供給したとき(実線)および比較的大きい駆動電流をLDに供給したとき(一点鎖線)の,LDから出射されるレーザ光(光)の波長と出力(パワー)との関係を示すグラフである。
図9(A)に示すように,TECによる温度制御を行っていない場合,活性層温度およびサーミスタ温度は,いずれも駆動電流を大きくするにしたがって上昇する。特に,活性層温度は急激に上昇する。駆動電流を大きくするにしたがって活性層温度とサーミスタ温度の乖離が大きくなる。
図9(B)を参照して,TECを用いた温度制御を行うと,上述したように,サーミスタ温度が所定温度に保たれる。しかしながら,駆動電流を大きくするにしたがって活性層温度は上昇し,サーミスタ温度との乖離は大きくなる。駆動電流を大きくすると活性層温度が上昇するので,出射されるレーザ光(光)の波長は長波長側にずれてしまう(図9(C))。光ファイバ中に形成された回折格子(FBG:Fiber Bragg Grating )を外部反射器とする外部共振器型半導体レーザモジュールでは,特に,FBGが持つ反射波長と半導体ゲインチップの持つ光学利得波長とが大きくずれてしまうと,引込み範囲から外れ,FBGによる発振が得られなくなる。
サーミスタを極力LDに近づけて配置することによってサーミスタ温度と活性層温度の乖離はある程度は改善され,レーザ光の波長ずれはある程度改善する(たとえば,特許文献1)。しかしながら,根本的な改善をもたらすものではない。
特開2002−141599号公報
この発明は,活性層温度をほぼ一定に保つことができるようにすることを目的とする。
この発明による半導体レーザモジュールは,半導体基板上に活性層を有する光導波路が形成され,前記活性層に電流が注入されることで発生した光が前記光導波路を導波され,該光導波路の一方の端に形成された前方端面より前記光が出射される半導体ゲインチップと,前記前方端面と光学的に結合し,内部に所定波長の光を反射する回折格子を有する光ファイバとを有し,前記光導波路の他方の端に形成された後方端面と前記回折格子とを前記光が往復することで共振器が構成される外部共振器型半導体レーザ,前記半導体ゲインチップの後方端面から出射される光を受光し,受光した光に応じた電流を出力する光電変換素子,温度変化を抵抗値の変化として出力する温度検出素子,および前記温度検出素子が出力する抵抗値が所定値になるように制御される熱電クーラを含むものであって,前記温度検出素子の近傍に通電によって発熱する発熱体が設けられており,前記光電変換素子から出力される電流が前記発熱体に通電されることを特徴とする。熱電クーラは,半導体レーザモジュールの外部に設けられる制御回路(クーラ制御回路)によって制御される。温度検出素子からの測定温度を表わすデータ(抵抗値)に基づいて,クーラ制御回路は,温度検出素子が所定温度を維持するように,熱電クーラを制御する。
半導体ゲインチップに含まれる活性層に電流が注入されると,活性層において光が発生する。半導体ゲインチップの前方端面から出射された光は,回折格子(FBG)が一部に形成されている光ファイバに入射する。半導体ゲインチップの後方端面と回折格子との間で光反射が繰返されることによってレーザ発振が生じる。得られたレーザ光が光ファイバ中を導波する。
半導体ゲインチップの後方端面は光反射器として機能し,高い反射率で光を反射する必要がある。また,FBGによる外部共振モードをより安定に得るために,半導体ゲインチップの前方端面は光反射率を低くする必要がある。一実施態様では,前記半導体ゲインチップの前方端面に反射防止膜が,後方端面に反射膜がそれぞれ設けられる。たとえば,前記後方端面に設けられる反射膜には,光反射率が90%以上のものが用いられる。
半導体ゲインチップの後方端面に到達した光は,上述のように,後方端面において反射されてレーザ光になるが,その一部は後方端面から外部に出射される。後方端面から出射される光は光電変換素子によって受光され,受光された光(その光量)に応じた電流が光電変換素子から出力される。
光電変換素子から出力される電流が,温度検出素子の近傍に設けられている発熱体に通電される。通電によって発熱体が発熱し,これによって温度検出素子が加熱される(温められる)。半導体ゲインチップの後方端面から出射される光は半導体ゲインチップに供給される駆動電流の大きさに応じた出力(パワー)を持つので,駆動電流が大きいほど,発熱体による温度検出素子の加熱量も大きくなる。
発熱体が設けられる温度検出素子の近傍とは,発熱体による発熱を十分に伝えることができる距離(範囲)を意味する。一の保持台(好ましくは熱伝導性の高い保持台)上に,温度検出素子および発熱体の両方を載置してもよいし,温度検出素子上に発熱体を設けてもよい。一実施態様では,前記発熱体として前記温度検出素子と絶縁された状態で設けられる薄膜抵抗が用いられる。
この発明によると,駆動電流の大きさに応じた出力を持つ光が半導体ゲインチップの後方端面から出射され,この光に応じた電流が温度検出素子の近傍に設けられた発熱体に通電されて発熱体が発熱するので,駆動電流の大きさに応じて,温度検出素子が加熱される。これにより活性層の温度と温度検出素子の温度との間の乖離を少なくすることができる。したがって,温度検出素子による検出温度が所定温度になるように熱電クーラを制御すると,活性層もほぼ所定温度に維持される。駆動電流の大きさに関わらずに活性層が所定温度に維持されるので,発振波長の安定化が図られる。
この発明による半導体レーザモジュールは,広い電流範囲にわたって安定してFBG発振したレーザ光を出射することができるので,ラマン増幅器における励起光源として用いるのに適している。この発明は,上述した半導体レーザモジュール,および前記半導体レーザモジュールからのレーザ光が励起光として入射し,誘導ラマン増幅を生じさせる光ファイバを備えたラマン増幅器も提供する。
半導体レーザモジュールの内部構造を示す平面図である。 半導体レーザモジュールの内部構造を示す側断面図である。 半導体ゲインチップ,フォトダイオード,薄膜抵抗およびサーミスタを示す一部拡大斜視図である。 薄膜抵抗およびサーミスタを示す一部拡大斜視図である。 薄膜抵抗およびサーミスタの配置関係の他の例を示す一部拡大斜視図である。 半導体レーザモジュールを含む半導体レーザユニットの電気的構成を示すブロック図である。 (A)はTECによる温度制御を行わないときの駆動電流と活性層およびサーミスタの温度変化の関係を示すグラフを,(B)はTECによる温度制御を行っているときの駆動電流と活性層およびサーミスタの温度変化の関係を示すグラフを,(C)はTECによる温度制御を行っているときの,レーザ光の波長および出力の関係を示すグラフを,それぞれ示す。 ラマン増幅器のブロック図を示す。 従来技術を示すものであり,(A)はTECによる温度制御を行わないときの駆動電流と活性層およびサーミスタの温度変化の関係を示すグラフを,(B)はTECによる温度制御を行っているときの駆動電流と活性層およびサーミスタの温度変化の関係を示すグラフを,(C)はTECによる温度制御を行っているときの,レーザ光の波長および出力の関係を示すグラフを,それぞれ示す。
図1は半導体レーザモジュールの内部構造を平面図によって,図2は半導体レーザモジュールの内部構造を側断面図によって,それぞれ示している。図1および図2において,ワイヤ(導線)の図示は省略されている。
半導体レーザモジュール1は,内部が中空の直方体状のパッケージ(筐体)2を備え,パッケージ2の内部に,光を出射する半導体ゲインチップ11,半導体ゲインチップ11から出射される光を集光するレンズ12,温度を測定する(温度変化を抵抗値の変化として出力する)サーミスタ13,および半導体ゲインチップ11の後方端面から出射する光を受光して半導体ゲインチップ11の出力をモニタするためのフォトダイオード(光電変換素子)14が格納されている。半導体ゲインチップ11はLDサブマウント21上に載置され,レンズ12はレンズホルダ22に保持され,サーミスタ13はサーミスタサブマウント23上に載置され,フォトダイオード14はPDサブマウント24の壁面に固定されている。LDサブマウント21,レンズホルダ22,サーミスタサブマウント23およびPDサブマウント24は,いずれも基板25上に固定されている。
詳細な図示は省略するが,半導体ゲインチップ11は,半導体基板上に,活性層を含む組成,不純物の種類と量等の異なる複数の半導体層が積層されて構成されている。活性層は光の導波方向にストライプ状に形成されている。そして,活性層において生じる光が活性層の上下に形成された複数の半導体層に閉込められ,活性層を含む複数層で光導波路が構成される。
パッケージ2の内部の底面に熱電クーラ(たとえば,ペルチェ素子)(以下,TECと呼ぶ)15が固定されている。TEC15上に,上述した半導体ゲインチップ11,レンズ12,サーミスタ13およびフォトダイオード14が搭載された基板25が固定されている。
パッケージ2の左右壁面のそれぞれから,複数のリード端子26が外方に突き出している。パッケージ2の内部において,リード端子26の端部と上述した半導体ゲインチップ11,サーミスタ13,フォトダイオード14およびTEC15が,ワイヤによって電気的に接続されている。
パッケージ2の前壁面に,光ファイバ4が中心に配置された円筒状のフェルール3が固定されている。
半導体ゲインチップ11に駆動電流を順方向に供給すると,活性層において光が発生する。活性層において発生した光は半導体ゲインチップ11の前方端面(出射端面)から出射してレンズ12に入射する。レンズ12において集光された光が光ファイバ4に入射する。
光ファイバ4中に,回折格子(FBG)4a(以下,FBG4aと言う)が形成されている。半導体ゲインチップ11の前方端面から出射した光のうち,FBG4aのブラッグ波長およびその近傍の波長を持つ光がFBG4aにおいて反射される。FBG4aにおいて反射された光は,光ファイバ4,レンズ12を介して再び半導体ゲインチップ11に戻り,活性層で光学利得を受けて増幅され,半導体ゲインチップ11の後方端面において反射される。半導体ゲインチップ11の後方端面とFBG4aとの間で光反射が繰返されることによってレーザ発振が生じ,レーザ光が光ファイバ4に入射する。このように,光を発生し,かつ後方端面において光を反射する半導体ゲインチップ11と,外部反射器として機能するFBG4aとによって,外部共振器型半導体レーザが構成されている。なお,FBG4aにおいて反射された光を半導体ゲインチップ11に戻す必要があるので,パッケージ2中にアイソレータは設けられていない。半導体ゲインチップ11の前方端面には反射防止膜を,後方端面には反射膜を,それぞれ設けてもよい。後方端面に設けられる反射膜には,たとえば,光反射率を90%とするものが用いられる。
図3は,基板25上の半導体ゲインチップ11,サーミスタ13およびフォトダイオード14の搭載範囲の拡大斜視図を示している。図4は,サーミスタサブマウント23上に載置されているサーミスタ13(および後述する薄膜抵抗17)を,さらに拡大して示す斜視図である。
半導体ゲインチップ11の上面および下面に,それぞれ上面電極31,下面電極32が形成されている。上面電極31と下面電極32との間に順方向の駆動電流を通電することによって,半導体ゲインチップ11の前方端面から光が出射する。後方端面からも,後方端面において反射されなかった光が出射する。
半導体ゲインチップ11が搭載されているLDサブマウント21上に,2つの電極パッド33,34が設けられている。
電極パッド33は,半導体ゲインチップ11の上面電極31とリード端子26(図1参照)の一つとを電気的に接続するために用いられる。電極パッド33に2つの金属製(たとえば,金,銅など)ワイヤ41,42の一端がボンディングされている。一方のワイヤ41の他端がリード端子26にボンディングされ,他方のワイヤ42の他端が半導体ゲインチップ11の上面電極31にボンディングされている。電極パッド33および2本のワイヤ41,42を介して,半導体ゲインチップ11の上面電極31とリード端子26とが電気的に接続される。
電極パッド34は,半導体ゲインチップ11の下面電極32とリード端子26の一つ(半導体ゲインチップ11の上面電極31に接続されるリード端子とは異なる端子であるのは言うまでもない)を電気的に接続するために用いられる。電極パッド34は,LDサブマウント21上の半導体ゲインチップ11の載置範囲に形成され,かつその一部が半導体ゲインチップ11の載置範囲をはみ出して形成されている。半導体ゲインチップ11の載置範囲をはみ出している電極パッド34の箇所に,ワイヤ43の一端がボンディングされている。ワイヤ43の他端はリード端子26にボンディングされている。電極パッド34およびワイヤ43を介して,半導体ゲインチップ11の下面電極32とリード端子26とが電気的に接続される。
半導体ゲインチップ11の上面電極31,下面電極32に順方向電流を通電すると,上述したように,半導体ゲインチップ11の前方端面および後方端面から光が出射する。前方端面からの光はレンズ12を介して光ファイバ4に入射する(図1参照)。他方,後方端面からの光はフォトダイオード14に入射する。フォトダイオード14において,後方端面からの光に応じた受光電流Imが出力される。
フォトダイオード14が固定されているPDサブマウント24に,2つの電極パッド35,36が設けられている。フォトダイオード14のアノード電極37が,ワイヤ44を介して電極パッド35に接続されている。フォトダイオード14のカソード電極38は,電極パッド36上に固定されている。
PDサブマウント24上の電極パッド35,36のそれぞれに,ワイヤ46,45の一端がそれぞれボンディングされている。ワイヤ45の他端はリード端子26にボンディングされている。他方,ワイヤ46の他端は,リード端子26ではなく,サーミスタサブマウント23上に設けられた薄膜抵抗17にボンディングされている。
図4を参照して,サーミスタサブマウント23上には,サーミスタ13および薄膜抵抗(たとえば,Au(金))17が設けられている。薄膜抵抗17は,サーミスタサブマウント23上において絶縁膜(たとえば,SiO2膜)18を介して設けられており,サーミスタサブマウント23と電気的に絶縁されている。サーミスタサブマウント23は導電性を持つ。
薄膜抵抗17は,絶縁膜18の上面において枠状に形成されており,その両端に2つのワイヤボンディングパッドが互いに離間して形成されている。薄膜抵抗17の2つのワイヤボンディングパッドのそれぞれに,2本のワイヤ46,47がそれぞれボンディングされている。一方のワイヤ46は,上述したように,他端がPDサブマウント24上に設けられた電極パッド35にボンディングされている(図3参照)。他方のワイヤ47の他端はリード端子26にボンディングされている。
薄膜抵抗17は,フォトダイオード14から出力される受光電流Imの出力経路上に存在する。すなわち,半導体ゲインチップ11の後方端面からの光を受けてフォトダイオード14から受光電流Imが出力されると,その受光電流Imは薄膜抵抗17に通電される。電流が通電されることによって薄膜抵抗17は発熱する。薄膜抵抗17を用いることによる作用,効果の詳細は後述する。
サーミスタサブマウント23上に薄膜抵抗17とともに載置されているサーミスタ13は,金属酸化物(マンガン,コバルト,ニッケルなど),半導体(シリコン)などの電気抵抗が温度に応じて変化することを利用して温度を測定する。サーミスタ13の電気抵抗変化を計測するために,サーミスタ13にも電流が通電される。サーミスタ13の上面に上面電極39が,サーミスタ13の下面全体に下面電極40が,それぞれ形成されている。上面電極39にワイヤ48の一端がボンディングされている。サーミスタサブマウント23上にワイヤ49の一端がそれぞれボンディングされている。ワイヤ48,49の他端は2つのリード端子26にそれぞれボンディングされている。ワイヤ48,49を介して,サーミスタ13に電流が通電される。
図5に示すように,薄膜抵抗17はサーミスタ13の上面に形成してもよい。この場合,サーミスタ13の上面電極39上に絶縁膜18が形成され,この絶縁膜18上に,薄膜抵抗17が形成される。絶縁膜18によって薄膜抵抗17と上面電極39とが電気的に絶縁される。なお,薄膜抵抗17はサーミスタ13の側面に同様に形成してもよい。
図6は,上述した半導体レーザモジュール1を含むレーザユニットの電気的構成を示すブロック図である。半導体レーザモジュール1と,半導体レーザモジュール1の外部に設けられる駆動電源51,自動出力制御回路(APC:Auto Power Control回路)52,およびTECコントローラ53とによって,レーザユニットは構成される。
駆動電源51から半導体ゲインチップ11に駆動電流が供給される。駆動電源51からの駆動電流は,APC回路52から与えられる制御信号に基づいて制御される。
APC回路52は,フォトダイオード14から出力される受光電流Imが所定値になるように駆動電源51を制御する。フォトダイオード14は半導体ゲインチップ11の後方に配置されており,後方端面から出射される光を受光して,これに応じた受光電流Imを出力する。半導体ゲインチップ11の後方端面から出射される光の出力は前方端面から出射される光の出力と比例するので,フォトダイオード14からの受光電流Imが所定値となるように駆動電源51を制御することによって,半導体ゲインチップ11の前方端面から出射される光出力(パワー)が所定値に維持される。
APC回路52の設定に基づいて半導体ゲインチップ11に供給される駆動電流が決定され,かつ半導体ゲインチップ11から出射される光のパワー(レーザ発振後のレーザ光のパワー)が決定される。求められる出力特性に応じて,様々なパワーの光を半導体レーザモジュール1から出射させることができる。
駆動電源51からの駆動電流が半導体ゲインチップ11に供給されると,半導体ゲインチップ11の活性層が発熱する。半導体ゲインチップ11は,TECコントローラ53から与えられる制御信号にしたがって動作するTEC15によって,冷却される。
TECコントローラ53は,サーミスタ13による測定温度が所定温度(たとえば,25℃)になるように,TEC15を制御する。すなわち,サーミスタ13には駆動電源51から電流が供給され,温度変化に伴って変化する抵抗値が,サーミスタ13に接続されたTECコントローラ53によって検知される。TECコントローラ53はサーミスタ13の抵抗値に基づいて,この抵抗値が所定値に維持されるようにTEC15を制御する。これによりサーミスタ13の測定温度が所定温度(たとえば,25℃)に維持される。
上述したように,駆動電流が供給されると半導体ゲインチップ11の活性層が発熱する。半導体ゲインチップ11の活性層の発熱は,LDサブマウント21,サーミスタサブマウント23を経由してサーミスタ13に伝わり,サーミスタ13の温度も上昇する。この場合,TECコントローラ53は上昇したサーミスタ13の温度を下げるようにTEC15を制御する。
ここで,上述したように,駆動電流が供給されると半導体ゲインチップ11の後方端面から光が出射する。後方端面からの光はフォトダイオード14に入射し,フォトダイオード14から受光電流Imが出力される。受光電流Imは,サーミスタ13の近傍に設けられている薄膜抵抗17に供給され,これにより薄膜抵抗17が発熱する。サーミスタ13は,半導体ゲインチップ11からのサブマウント21,23,基板25などを経由した熱伝導によって加熱されるとともに,薄膜抵抗17の発熱によっても加熱される。
半導体ゲインチップ11における発熱をサブマウント21,23,基板25を経由した熱伝導のみでサーミスタ13に伝達させるとすると,サーミスタ13の温度は半導体ゲインチップ11の活性層の温度と一致しなくなる。特に半導体ゲインチップ11に供給される駆動電流が大きい場合,サーミスタ13の温度と半導体ゲインチップ11の活性層の温度との間には大きな乖離が生じる。その結果,サーミスタ13は所定温度に維持されるが,活性層は所定温度に維持されずに上昇する。レーザ光の発振波長が長波長側に変動してしまう(図9(A)〜(C)参照)。
しかしながら,サーミスタ13は,サブマウント21,23,基板25を経由した熱伝導のみならず,サーミスタ13の近傍に設けられた薄膜抵抗17からの熱によっても加熱される。半導体ゲインチップ11に供給される電流が大きくされると,活性層の発熱量も大きくなるとともに,薄膜抵抗17の加熱量も大きくなる。これによって,サーミスタ内部の温度勾配が緩和され,より活性層温度に近い温度が検出されるようになる。
図7(A)〜(C)は,図9(A)〜(C)に対応するもので,サーミスタ13の近傍に薄膜抵抗17を設けた場合のグラフを示している。
図7(A)を参照して,薄膜抵抗17をサーミスタ13の近傍に配置することによって,活性層温度とサーミスタ温度の乖離幅を小さくすることができる。図7(B)を参照して,活性層温度とサーミスタ温度の乖離幅が小さくされた結果,TECコントローラ53およびTEC15によってサーミスタ13が所定温度に維持されると,活性層温度もほぼ所定温度に近い温度に維持される。駆動電流を大きくしても,出射光の波長のずれはほとんど生じない(図7(C))。半導体レーザモジュール1を,様々なパワーを持つレーザ光を得るための光源として用いても(駆動電流を変動させても),安定した波長のレーザ光を得ることができる。
図8は,上述した半導体レーザモジュール1(レーザユニット)を励起光用光源として用いたラマン増幅器のブロック図を示している。
ラマン増幅器60では,半導体レーザモジュール1から出射されたレーザ光が励起光としてカプラ61を通じて増幅用光ファイバ62に入力する。増幅用光ファイバ62において誘導ラマン散乱が生じ,レーザ光の波長(励起光波長)から約100nm程度長波長側に利得が生じる。増幅用光ファイバ62に信号光が入射すると,増幅用光ファイバ62中に生じた利得によって信号光が増幅される(ラマン増幅)。半導体レーザモジュール1は,比較的パワーの大きいレーザ光を出射することができるので,信号光を長距離にわたって伝送することができる。また,半導体レーザモジュール1は駆動電流を大きくしても波長ずれを生じることなく安定してレーザ発振するので,ラマン利得を安定して得ることができる。
1 半導体レーザモジュール
4 光ファイバ
4a 回折格子(FBG)
11 半導体ゲインチップ
13 サーミスタ
14 フォトダイオード
15 熱電クーラ(TEC)
17 薄膜抵抗
18 絶縁膜
60 ラマン増幅器
62 増幅用光ファイバ

Claims (5)

  1. 半導体基板上に活性層を有する光導波路が形成され,前記活性層に電流が注入されることで発生した光が前記光導波路を導波され,該光導波路の一方の端に形成された前方端面より前記光が出射される半導体ゲインチップと,前記前方端面と光学的に結合し,内部に所定波長の光を反射する回折格子を有する光ファイバとを有し,前記光導波路の他方の端に形成された後方端面と前記回折格子とを前記光が往復することで共振器が構成される外部共振器型半導体レーザ,
    前記半導体ゲインチップの後方端面から出射される光を受光し,受光した光に応じた電流を出力する光電変換素子,
    温度変化を抵抗値の変化として出力する温度検出素子,および
    前記温度検出素子が出力する抵抗値が所定値になるように制御される熱電クーラを含む半導体レーザモジュールであって,
    前記温度検出素子の近傍に通電によって発熱する発熱体が設けられており,
    前記光電変換素子から出力される電流が前記発熱体に通電されることを特徴とする,
    半導体レーザモジュール。
  2. 前記発熱体と前記温度検出素子は同一の保持台上に載置されている,
    請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
  3. 前記温度検出素子上に前記発熱体が設けられている,
    請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
  4. 前記発熱体は,前記温度検出素子と絶縁された状態で設けられる薄膜抵抗である,
    請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体レーザモジュール。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体レーザモジュール,および
    前記半導体レーザモジュールからのレーザ光が励起光として入射し,誘導ラマン増幅を生じさせる光ファイバ,
    を備えたラマン増幅器。
JP2009164407A 2009-07-13 2009-07-13 半導体レーザモジュール,およびこれを備えたラマン増幅器 Active JP5180923B2 (ja)

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