JP5447485B2 - 波長可変安定化レーザ - Google Patents

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Description

本発明は、射出される1波のレーザの波長を変更することができる波長可変安定化レーザにおいて、この射出されるレーザ光の波長を所望の波長にほぼ固定することができる波長可変安定化レーザに関する。
将来のマルチメディアネットワークの構築を目指し、超長距離でかつ大容量の光通信装置が要求されている。この大容量化を実現する方式として、波長分割多重(Wavelength-division Multiplexing、以下、「WDM」と略記する。)方式が、光ファイバの広帯域・大容量性を有効利用できるなどの有利な点から研究開発が進められている。
特に、WDM方式に使用されるWDM方式用光源装置は、複数の波長でレーザ光を射出する必要がある。さらに、その波長間隔は、標準規格、例えば、ITU−Tの勧告に基づくチャンネル(以下、「ch」と略記する。)ごとに定められたグリッド間隔にする必要があるため、その要求を満たすべくWDM方式用光源装置の研究開発が進められている。
従来、WDM方式用光源装置は、例えば、4波の波長多重を行うWDM方式光通信システムの場合には、互いに異なる波長のレーザ光を発振する4個の半導体レーザ、または、素子温度や駆動電流を変更することによって発振波長を変えることができる1個の波長可変レーザ(wavelength tunable laser)を備えていた。そして、この波長可変レーザとして、多重量子井戸構造DFBレーザ(以下、「MQW構造DFBレーザ」と略記する。)および可変波長分布ブラッグ反射型レーザ(以下、「可変波長DBRレーザ」と略記する。)などが使用されている。
特に、波長可変レーザの使用は、WDM方式用光源装置に常用光源および予備用光源として使用される半導体レーザの個数を削減することができる利点がある。例えば、32波のWDM方式光通信システムにおいて、1波長1個の半導体レーザを使用する場合では、常用光源に32個および予備用光源に32個が必要であるが、4波を発振することができる波長可変レーザを使用する場合では、最大でも常用光源に8個および予備用光源に8個で済む。
一方、これら半導体レーザは、定常状態において所定波長の単一モードレーザ光を発振するように回折格子のピッチなどが設計されるが、半導体レーザの立ち上げ時には必ずしも所定波長で発振しない。また、定常状態においても一定のゆらぎが存在し、常に所定波長に固定しているわけではない。さらに、波長可変レーザは、これらの現象が生じるとともに、多波長が発振可能であるため目的の所定波長に安定させる必要がある。
そこで、所望の波長に発振波長を固定すべく波長安定化装置がWDM方式用光源装置に使用されている。
図21は、従来のWDM方式用光源装置を示す図である。
図21(a)は、従来のWDM方式用光源装置の構成を示す図である。図21(b)は、ch0に波長を固定する場合の説明図である。図21(c)は、従来のマルチ波長安定化装置における各引込範囲と各chとの関係を示す図である。
図21(a)において、波長可変レーザ911から射出されたレーザ光は、マルチ波長安定化装置905内の入力光を2つに分岐するカプラ912に入射され、そのレーザ光の一部を分岐した後に残りのレーザ光は、WDM方式用光源装置の出力光として射出される。この波長可変レーザ911は、MQW半導体レーザであって、例えば、その素子温度を約8〜10(℃)変えると発振波長が0.8(nm)変化する特性を持つ。WDM方式光信号は、ITU−Tの勧告に基づいて波長間隔が0.8(nm)で4波の光信号が配置されているとすると、波長可変レーザ911は、約30(℃)の温度範囲で4波長のレーザ光を射出可能であり、素子温度を制御することによって4波長のうちから1波長のレーザ光を射出する。
マルチ波長安定化装置905内において、カプラ912で分岐した一部のレーザ光は、入力光を2つに分岐するカプラ913に入射される。このカプラ913で分岐した一方のレーザ光は、ファブリペローエタロンフィルタ(Fabry-perot Etalon Filter、以下、「ETフィルタ」と略記する。)914を介して、光強度に応じて電流を出力する第1ホトダイオード(以下、「PD」と略記する。)915に入射され、そのレーザ光の光強度が検出される。この第1PD915の出力値をPDo1とする。また、カプラ913で分岐した他方のレーザ光は、第2PD916に入射され、そのレーザ光の光強度が検出される。この第2PD916の出力値をPDo2とする。
このETフィルタ916において、透過率の極大値を与える波長は、安定化させたい波長におけるPDo2で規格化したPDo1の値、すなわち、PDo1/PDo2が目標値0.5となるように設定される。
そして、制御用CPU917は、これらPDo1およびPDo2を受信し、これらの検出値に基づいて波長可変レーザ911の発振波長を所定波長に固定する制御信号を波長可変レーザ911に送信する。
このような構成のWDM方式用光源装置は、次のように動作して、例えば、ch0に波長可変レーザ911の発振波長を安定化させる。
図21(a)および(b)において、制御用CPU917は、波長可変レーザ911を立ち上げて、PDo1およびPDo2を受信してPDo1/PDo2を算出する。そして、このPDo1/PDo2が目標値0.5より大きい場合には、制御用CPU911は、発振波長が長くなるように波長可変レーザ911の素子温度を調整して波長可変レーザ911を制御する。一方、波長可変レーザ911を立ち上げた時のPDo1/PDo2が目標値0.5より小さい場合には、制御用CPU917は、発振波長が短くなるように波長可変レーザ911を制御する。こうして常にPDo1/PDo2が0.5となるように波長可変レーザ911は、制御され、発振波長は、ch0に安定化される。
ここで、制御用CPU917は、単にPDo1/PDo2と目標値0.5との大小を比較し発振波長を制御するだけの場合には、波長可変レーザ911が図21(b)の点a、点b、点c、点dの波長で立ち上がった場合には、所望のch0に発振波長を安定化することができるが、波長可変レーザ911が点e、点fの波長で立ち上がった場合には、ch0以外の波長で安定化されてしまう。このため、制御用CPU917は、波長可変レーザ911の立ち上げ時の発振波長の範囲を考慮して、立ち上げ時の素子温度も制御する。
このように、WDM方式用光源装置は、立ち上げ時の素子温度を考慮することによってch1、ch2およびch3もch0の場合と同様に発振波長を安定化することができる。
ここで、レーザ立ち上げ時の波長に対し、波長安定化装置がレーザの発振波長を所望の波長に安定化することができる波長範囲を引込範囲と呼称することにする。
そして、この引込範囲は、図21(c)に示すようにETフィルタ914のFSR(Free Spectral Range)ごとにPDo1/PDo2が同一の値となるので、FSRによって決定される。このため、WDM方式光信号の各光信号の波長に合わせるため、ETフィルタ914のFSRは、WDM方式光信号の波長間隔に設定される。
一方、ETフィルタ914は、透過波長特性に温度依存性を持っている。
図22は、ETフィルタの透過波長特性の温度依存性を示す図である。
図22の縦軸は、μA単位で表示した検出器の電流値(透過率に相当する。)であり、横軸は、nm単位で表示した波長である。
ETフィルタの材質は、石英ガラスであり、鏡面の反射率は、25パーセントである。測定温度は、22.1(℃)、30.0(℃)、37.9(℃)および45.7(℃)である。
図22から分かるように、温度の上昇とともに透過波長特性が長波長側に横軸に沿って平行に約0.095(nm/℃)だけシフトする。
ところで、通信容量が急増していることから、WDM方式光信号は、多重数の増加が要請されている。このため、WDM方式用光源も、32波や64波などの多波長を発振可能とする必要がある。一方で、波長可変レーザの素子温度の変更範囲が限られているため、WDM方式用光源装置は、複数個の波長可変レーザを備える必要がある。
このとき、マルチ波長安定化装置は、発振可能なすべての波長に対して所望の波長に安定化する必要があるが、装置内のETフィルタにおける透過波長特性が温度依存性を持つため、従来の構成では、すべての波長を安定化することができないという問題がある。
特に、温度によって発振波長を変更する波長可変レーザとETフィルタとを一体化する場合に問題である。
例えば、8波のWDM方式用光源装置が0ch〜3chを発振可能な波長可変レーザと4ch〜7chを発振可能な波長可変レーザとで構成され、ETフィルタとして石英ガラスを使用する場合を考えると、0chと4ch、1chと5ch、2chと6chおよび3chと7chは、それぞれ同一の素子温度で制御され、また、ETフィルタの透過波長特性は、1(℃)の変化に対して約0.01(nm)だけシフトする温度依存性を持つ。WDM方式光信号の波長間隔を0.8(nm)とすると、各chを発振させるために素子温度を10(℃)ずつ変更する必要があるので、ETフィルタの透過波長特性は、0.1(nm)だけシフトすることになる。
このとき、マルチ波長安定化装置は、例えば、0chと4chが同一の素子温度で制御されるので、0chと4chにそれぞれ対応するレーザ光を安定化するために、従来技術で説明したように、ETフィルタのFSRを0.8(nm)に設定する必要がある。一方、マルチ波長安定化装置は、0ch〜3chにそれぞれ対応するレーザ光を安定化するために、ETフィルタのFSRをシフト分を考慮して0.8−0.1=0.7(nm)に設定する必要がある。
すなわち、マルチ波長安定化装置は、ETフィルタのFSRを一方で0.8(nm)に設定する必要があり同時に他方で0.7(nm)に設定する必要があるので、従来の構成では両要求を両立し難いという問題である。
また、通信容量の増加のために、伝送速度を2.5Gbpsから10Gbpsに向上しようとすると、従来構成では、高速変調によるスペクトル線幅の問題や相対強度雑音の問題も生じる。
そこで、本発明では、射出される1波のレーザ光の波長を変更することができるとともに、この射出されるレーザ光の波長を安定化することができる波長可変安定化レーザを提供することを目的とする。
上述の目的は、温度に応じて波長可変で複数の波長のうちいずれか1波長を発振可能なレーザを複数個備える光源と、光源から射出されたレーザ光が入射され、周期的な透過波長特性を持つ周期的フィルタと、光源の温度を調整する第1温度調整手段と、周期的フィルタの温度を調整する第2温度調整手段と、周期的フィルタから射出されたレーザ光が入射され、入射されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、複数個のレーザのうちからいずれか1個のレーザを複数の波長のうちの所望の波長で発振させるとともに、光検出手段の出力が発振させたレーザの発振可能な複数の波長ごとに異なる値に設定される目標値のうち所望の波長に対応する目標値になるように、第1温度調整手段による光源の温度および第2温度調整手段による周期的フィルタの温度の調整を制御して発振させたレーザの発振波長を制御する制御手段とを備え、光源から射出されるレーザ光の各波長は、互いに一定の波長間隔であり、周期的フィルタの周期は、一定の波長間隔であり、制御手段は、第1温度調整手段による光源の温度および第2温度調整手段による周期的フィルタの温度の調整により、各レーザの発振可能な複数の波長ごとに異なる値に設定される目標値を、透過波長特性における隣接する2極値間に設けるとともに複数個のレーザ間で共通にして、発振させたレーザの発振波長を制御する波長可変安定化レーザによって達成される。
このような波長可変安定化レーザでは、発振可能な波長ごとに複数の目標値を設定するので、複数の波長のなかから所望の波長のレーザ光を発振させることができ、しかもその波長に安定化することができる。
本発明にかかる可変波長安定化レーザは、可変波長レーザを備えるので、射出されるレーザの波長を変更することができる。さらに、本発明にかかる可変波長安定化レーザは、波長検出部における透過波長特性の温度依存性を考慮してレーザ光の波長を制御するので、所望の波長で安定化することができる。
そして、本発明にかかる可変波長安定化レーザは、可変波長レーザと波長検出部とを一体にすることができるので小型化および低廉化することができる。
第1の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。 第2の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。 第2の実施形態の各LDにおける素子温度、chおよび波長の関係を示す図である。 透過波長特性と各chのロック点との関係を示す図である。 第2の実施形態における透過波長特性の肩に配置される各ロック点を説明するための図である。 第2の実施形態のフローチャートである。 第3の実施形態における各chのロック点と初期立ち上げ波長との関係を示す図である。 第3の実施形態のフローチャートである。 第4の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。 第4の実施形態における各ETフィルタの透過波長特性とchのロック点との関係を示す図である。 第4の実施形態のフローチャートである。 第5の実施形態の各LDにおける素子温度、chおよびグリッドの間の関係を示す図である。 第5の実施形態における透過波長特性と各chのロック点との関係を示す図である。 第5の実施形態のフローチャートである。 第6の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。 第6の実施形態のフローチャートである。 波長可変安定化レーザのモジュールの第1構成例を示す図である。 波長可変安定化レーザのモジュールの第2構成例を示す図である。 波長可変安定化レーザのモジュールの第3構成例を示す図である。 波長可変安定化レーザのモジュールの第4構成例を示す図である。 従来のWDM方式用光源装置を示す図である。 ファブリペローエタロンフィルタの透過波長特性における温度依存性を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態の構成)
図1は、第1の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。
図1において、波長可変安定化レーザは、光源11、周期的フィルタ12、光検出部13および制御部14で基本構成される。
光源11は、複数の波長を発振可能なレーザを複数個備える。光源11から射出されるレーザ光は、周期的な透過波長特性を持つ周期的フィルタ12に入射される。周期的フィルタ12から射出されたレーザ光は、光検出部13に入射される。光検出部13は、受光したレーザ光の光強度を検出し、その光強度に応じた電気信号に変換する。そして、光検出部13は、その電気信号を制御部14に出力する。制御部14は、光源11内の複数個のレーザのうちからいずれか1個のレーザを所望の波長で発振させる。さらに、制御部14は、光検出部13の出力が複数の波長ごとに設定される複数の目標値のうちからこの所望の波長に対応する目標値になるように発振させたレーザの発振波長を制御する。
(第1の実施形態の作用効果)
このような波長可変安定化レーザでは、発振可能な波長ごとに複数の目標値が予め用意される。そして、制御部14は、光検出部13の出力が発振させた波長に応じた目標値なるように、光源11内の発振させたレーザを制御する。このように波長ごとに目標値を設定しその目標値なるようにレーザが制御されるため、周期的フィルタ12の透過波長特性における温度依存性を補償することができる。
したがって、波長可変安定化レーザは、温度変動および波長の変更にかかわらず、波長を安定化した所望のレーザ光を射出することができる。
(第1の実施形態のより好ましい構成)
特に、光源11から射出されるレーザ光がほぼ一定の波長間隔である場合には、周期的フィルタ12の周期は、この一定の波長間隔に設定され、制御部14における複数の目標値は、周期的フィルタ12の透過波長特性における隣接する2極値間に設けられることが好ましい。
このような場合には、或る波長の目標値と他の波長の目標値とを一致させることができる。さらに、目標値が周期的フィルタ12の透過波長特性における隣接する2極値間に設けられることによって確実に発振波長を安定にすることができる。
なお、本明細書において、透過波長特性における隣接する極値間の特性曲線を「透過波長特性の肩」と呼称する場合がある。さらに、互いに隣接する極大値から極小値に至る特性曲線を「透過波長特性の右肩」と、互いに隣接する極小値から極大値に至る特性曲線を「透過波長特性の左肩」と呼称する場合もある。
また、光源11内のレーザが発振する複数の波長のうちの中央波長に対応する目標値は、透過波長特性における隣接する2極値間のほぼ中央に設けられることが好ましい。
例えば、光源11内に6個の半導体レーザが備えられ、個々の半導体レーザは、0.8(nm)間隔で5波のレーザ光を発振可能である場合において、3番目の波長に対応する目標値を透過波長特性の肩のほぼ中央に設定される。
このように中央波長に対応する目標値が透過波長特性の肩のほぼ中央に設けられるため、他の波長に対応する目標値も透過波長特性の肩に適正に配置されるから、波長可変安定化レーザは、各波長を同程度の精度で波長を安定化させてレーザ光を射出することができる。
なお、本明細書において、中央波長は、1個のレーザが発振可能な波長帯域においてその中央を意味する。
そして、制御部14は、光源11内に設けられた複数個のレーザの中から1個のレーザを発振させる際に、発振させるべき所望の波長とこの所望の波長に最も近い透過波長特性の極値を与える波長との間の波長範囲であって、この波長範囲のうちの透過波長特性における隣接する2極値間のほぼ中央の波長を含む方で発振させてから発振波長を制御することが好ましい。
さらに、制御部14は、光源11内に設けられた複数個のレーザの中から1個のレーザを発振させる際に、発振させるべき所望の波長に最も近い波長であって透過波長特性における隣接する2極値間のほぼ中央の波長で発振させてから発振波長を制御することが好ましい。
上述のように中央波長に対応する目標値を透過波長特性の肩のほぼ中央に設けたとしても、中央波長から離れた波長の目標値は、極値に近い特性曲線上に配置される。つまり、中央波長に対応する目標値は、引込範囲の中央に配置されるが、中央波長から離れた波長の目標値は、引込範囲の中央から長波長側または短波長側に偏って配置されることになる。このため、例えば、引込範囲の中央から長波長側に目標値が配置された場合では、引込範囲において目標値から短波長側は広く、目標値から長波長側は狭くなる。よって、範囲が狭い目標値から長波長側でレーザを立ち上げてしまうと制御部14は、波長安定化の制御に困難が伴う。
そこで、レーザの立ち上げ波長を透過波長特性の肩のほぼ中央に対応する波長を含む波長範囲内で、あるいは、この透過波長特性の肩のほぼ中央に対応する波長で立ち上げるようにすることによって、制御部14は、確実に所望の波長に安定化することができる。
また、波長可変安定化レーザは、外部に取り出されるべきレーザ光を増幅する光増幅部(以下、「O-Amp」と略記する。)21をさらに備えることが好ましい。
上述の波長可変安定化レーザは、光源11、周期的フィルタ12、光検出部13および制御部14によって波長制御のフィードバック制御系を構成している。このため、制御されたレーザ光を取り出す場合には、図1において波線で示すように光源11と周期的フィルタ12との間に、光を2つに分岐するカプラ22を設ければよい。
したがって、外部に取り出されるべきレーザ光を増幅するO-Amp21は、図1において波線で示すように、光源11とカプラ22との間に、あるいは、カプラ22のレーザ光を外部に射出するポートに接続すればよい。
このようなO-Amp21を備えることによって、波長可変安定化レーザは、射出されるレーザ光の光強度の不足を補償することができる。
さらに、図1において波線で示すようにカプラ22とO-Amp21-2との間にアイソレータ(以下、「ISO」と略記する。)23を設けることによって、波長可変安定化レーザは、光源11の半導体レーザで生じるキンク(kink)を防止することができる。キンクは、カプラ22やO-Amp21や周期的フィルタ12などの各光部品間における接続部・接合部で生じる反射光が半導体レーザに戻ることによって生じる現象である。キンクは、例えば、半導体レーザの光出力駆動電流特性上においてスパイク状のねじれとして観測される。
ここで、O-Amp21としては、半導体レーザ光増幅器や光ファイバ増幅器などを使用することができる。
また、O-Amp21は、飽和領域で使用されることが好ましい。
光源11内のレーザ光の波長を制御するためにレーザの駆動電流を制御した場合には、レーザ光の光強度に変動が生じる。そこで、このように飽和領域で使用することによって、波長可変安定化レーザは、O-Amp21から射出されるレーザ光の光強度をほぼ一定に保持することができるから、安定した光強度のレーザ光を射出することができる。
そして、制御部14は、光源11内に設けられた複数個のレーザのなかから1個のレーザの素子温度を制御することによって発振波長を制御することがこのましい。また、制御部14は、1個のレーザの駆動電流を制御することによって発振波長を制御することが好ましい。さらに、制御部14は、1個のレーザを発振させる際には素子温度で波長を制御し、発振波長を制御する際には駆動電流で制御することが好ましい。
光源11内に設けられたレーザが半導体レーザである場合には、発振波長をその素子温度および駆動電流によって変更することができる。特に、MQW半導体レーザでは、素子温度で発振波長を制御した方が高出力および高信頼性である。
発振可能な複数の波長のなかからいずれか1波長を発振させる際には、素子温度で波長を制御し、この発振した波長を安定させるために目標値となるように発振波長を微調整する際には、駆動電流で制御するようにすると、駆動電流による制御は制御の時定数が小さいので、素子温度だけで制御する場合に比べて迅速に所望の波長に安定化することができる。
また、周期的フィルタ12は、透過波長特性の周期(FSR)および温度依存性が共通である複数個のフィルタであることが好ましい。この場合には、各フィルタから射出されるレーザ光を受光するために、光検出部13は、このフィルタの個数に対応する個数であることが最低限必要である。さらに、光源11から射出されるレーザは、ほぼ一定の波長間隔であり、一定の波長間隔を複数の波長範囲に分け、分けられた波長範囲のそれぞれは、複数個のフィルタのそれぞれの透過波長特性における隣接する2個の極値を与える波長範囲内にあることがより好ましい。
このように複数のフィルタを使用することによって、目標値ごとに適当なフィルタを割り振ることが可能であるから、それぞれの目標値を透過波長特性の肩のほぼ中央に配置するも可能である。このため波長可変安定化レーザは、より確実に安定した所望の波長のレーザ光を射出することができる。さらに、周期的フィルタは、所望のFSRに設計して製造したとしても、その前後のFSRを持つ周期的フィルタが製造されてしまうが、このような構成では、設計値を外れたFSRを持つ周期的フィルタを使用することができるから、周期的フィルタの製造歩留まりを向上することができる。
そして、周期的フィルタは、レーザにおける発振波長の温度依存性に応じた透過波長特性の温度依存性を持つフィルタであることが好ましい。
さらに、光源11は、複数の波長を発振可能なレーザであり、周期的フィルタ12は、レーザから射出されるレーザ光が入射され、レーザの発振波長の温度依存性に応じた透過波長特性の温度依存性を持つようにして、波長可変安定化レーザを構成することも可能である。
このような構成の波長可変安定化レーザは、透過波長特性の温度依存性をレーザの発振波長の温度依存性に応じて調整するので、制御部14の目標値を各chに対し共通にすることができ、より確実に安定した所望の波長のレーザ光を射出することができる。
例えば、透過波長特性の温度依存性は、レーザの発振波長の温度依存性に一致させる。すなわち、レーザが温度変動△Tで発振波長変動△Lである場合に、透過波長特性は、温度変動△Tでシフト量△Lとすればよい。このようにすることにより、ロック点は、透過波長特性の一方の肩上に配置されることになる。
また、同一の目標値になる透過率は、透過波長特性の右肩および左肩にある。この性質を利用するようにしてもよい。この場合は、レーザが発振可能な波長数も考慮する。
さらに、波長可変安定化レーザは、周期的フィルタを除き従来と同様な構成にすることができる。このため、周期的フィルタの交換と制御部14の微調整によって従来のマルチ波長安定化装置およびWDM方式用光源装置などが利用可能である。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態は、8波のWDM方式光信号の光源装置に好適な波長可変安定化レーザの実施形態である。WDM方式光信号は、1550(nm)波長帯域においてITU−Tの勧告に従い0.8(nm)波長間隔でch0〜ch7の波長が配置される。
図2は、第2の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。
図2において、レーザダイオード(以下、「LD」と略記する。)101-1は、ch0〜ch3にそれぞれ対応する4波のレーザ光を発振することができる。そして、LD101-1は、その素子温度および駆動電流値に従って、これら4波のレーザ光のうちからいずれか1波のレーザ光を発振する。LD101-1から射出されたレーザ光は、カプラ102に入射される。
同様に、LD101-2は、ch4〜ch7にそれぞれ対応する4波のレーザ光を発振することができ、発振したレーザ光は、カプラ102に入射される。
ここで、LD101-1がch0のレーザ光を発振する素子温度において、LD101-2は、ch4のレーザ光を発振する。LD101-1がch1のレーザ光を発振する素子温度において、LD101-2は、ch5のレーザ光を発振する。LD101-1がch2のレーザ光を発振する素子温度において、LD101-2は、ch6のレーザ光を発振する。そして、LD101-1がch3のレーザ光を発振する素子温度において、LD101-2は、ch7のレーザ光を発振する。
本実施形態では、LD101-1およびLD101-2は、次のように設計される。すなわち、素子温度が16(℃)の場合に、LD101-1がch0のレーザ光を発振するように、LD101-2がch4のレーザ光を発振するように設計される。素子温度が24(℃)の場合に、LD101-1がch1のレーザ光を発振するように、LD101-2がch5のレーザ光を発振するように設計される。素子温度が32(℃)の場合に、LD101-1がch2のレーザ光を発振するように、LD101-2がch6レーザ光を発振するように設計される。そして、素子温度が40(℃)の場合に、LD101-1がch3のレーザ光を発振するように、LD101-2がch7のレーザ光を発振するように設計される。
なお、本実施形態における各LD101の発振波長と各chとの関係を図3に示す。
LD101は、MQW構造DFBレーザや可変波長DBRレーザなどの可変波長レーザを使用することができる。特に、多重量子井戸レーザは、通常の分布帰還型レーザや分布ブラッグ反射型レーザなどに較べて、光学利得が大きく低閾値である、光学利得スペクトル幅が狭く発光スペクトル幅が狭くなる、高速変調が可能、および、TE波が優先的に選択されるなどの点で高性能である。
これらLD101およびカプラ102は、LDアレイ部を構成する。LDアレイ部は、後述する制御によって8波のうちの1波のレーザ光をカプラ103に射出する。
カプラ103に入射されたレーザ光は、3つに分配され、分配された第1レーザ光は、ISO121および半導体光増幅器(以下、「SOA」と略記する。)122を介してカプラ123に入射される。分配された第2レーザ光は、ETフィルタ104を介してPD105-1に入射される。そして、分配された第3レーザ光は、PD105-2に入射される。ここで、第1レーザ光は、最終的に波長可変安定化レーザの出力となるので、その光強度を第2および第3レーザ光の光強度より大きくすることが好ましい。
PD105-1は、入射されたレーザ光の光強度に従う電流を発生させ、電気信号をアナログ/デジタル変換器(以下、「A/D」と略記する。)116-1に出力する。A/D116-1は、このアナログ信号をディジタル信号に変換し、ディジタル信号を制御用の中央処理装置(以下、「CPU」と略記する。)108に出力する。このA/D116-1の出力、すなわち、ETフィルタ104を介したレーザ光の光強度に対応する値をPDo1とする。
PD105-2は、同様に、入射されたレーザ光の光強度に従う電流を発生させ、その電気信号は、A/D116-2を介してCPU108に出力される。このA/D116-2の出力、すなわち、カプラ103から直接入射されたレーザ光の光強度に対応する値をPDo2とする。
PDo1/PDo2は、ETフィルタ104の透過率に相当する値である。ETフィルタ104の透過率は、PDo1だけでも求めることができるが、PDo1をPDo2で規格化することによって、雑音や経時劣化などによるPDo1の変動を補償することができる。そして、CPU108は、PDo1/PDo2を計算するので、カプラ103からETフィルタ104に入射されるレーザ光とカプラ103からPD105-2に入射されるレーザ光とは、同一の光強度であることが好ましい。
図4は、第2の実施形態における透過波長特性と各chのロック点との関係を示す図である。
図4の縦軸は、PDo1/PDo2、すなわち、ETフィルタの透過率に相当する値であり、横軸は、ch(波長)である。各曲線は、各温度における透過波長特性を示し、その各温度は、上段から16(℃)、24(℃)、32(℃)、40(℃)の場合である。そして、各曲線上の黒丸(●)は、各chのロック点、すなわち、所望の発振波長に制御するための目標値である。
ETフィルタ104は、周期的フィルタであり、そのFSRは、WDM方式光信号の波長間隔に設定される。本実施形態においては、波長間隔が0.8(nm)であるので、FSRは、0.8(nm)に設定される。なお、0.8(nm)は、1550(nm)波長帯域において100(GHz)である。また、ETフィルタ104の素材は、本実施形態では、石英ガラスである。このため、ETフィルタ104の透過波長特性は、素子温度を16(℃)から40(℃)までの変化に対して、長波長側に約0.22(nm)シフトする。
このようにETフィルタのFSRをLDアレイ部から射出可能なレーザ光の波長間隔に設定すると、図4に示すように、同一の素子温度においてLD101-1およびLD101-2が発振可能なレーザ光に対応する目標値を同一にすることができる。ここで、ch0とch4とに対する目標値を第1目標値とする。ch1とch5とに対応する目標値を第2目標値とする。ch2とch6とに対する目標値を第3目標値とする。ch3とch7とに対応する目標値を第4目標値とする。
そして、ETフィルタの或る極値は、図4に示すように、第1ないし第4目標値が透過波長特性の左肩に配置されるように設計される。さらに、ETフィルタの半値幅は、透過波長特性のシフト量を考慮した上で、第1ないし第4目標値が透過波長特性の左肩に配置されるように設計される。各目標値は、ETフィルタ104の透過波長特性が素子温度の上昇に従って長波長側にシフトするので、第1目標値、第2目標値、第3目標値、第4目標値は、透過率の大きい方からこの順に従って配置される。
仮に、各目標値を1つの透過波長特性の左肩に配置すると、各目標値は、図5に示すように配置される。図5において、目標値を与える波長の各波長間隔は、透過波長特性の温度依存性に相当する長さである。本実施形態では、或るchを隣接するchに変更するために約8(℃)素子温度を変更するので、透過波長特性は、約8(℃)の素子温度の上昇に従い長波長側に約0.075(nm)シフトする。このため、この目標値を与える波長の各波長間隔は、約0.075(nm)である。
また、各目標値を配置することができる透過波長特性の肩の範囲は、次の事項によって設計可能である。すなわち、目標値を極大値の近くに配置すると、わずかな発振波長の変化に対しPDo1/PDo2が大きく変動してしまう。一方、目標値を極小値の近くに配置すると、PDo1/PDo2の信号対雑音比が劣化してしまう。このため、いずれの場合においても、LD101の発振波長を安定化することが容易ではない。
本実施形態では、前述のように透過波長特性が長波長側に0.22(nm)シフトし、FSRが0.8(nm)であることから、半値幅は、0.38(nm)に設計した。この場合において、各目標値の配置可能な透過波長特性の肩の範囲は、約0.25(nm)である。
ここで、LD101-1が発振する波長のうちの中央波長に対応する目標値は、透過波長特性の肩のほぼ中央に配置されることが好ましい。本実施形態では、LD101-1は、ch0〜ch3の4波のレーザ光を発振するので、真正の中央波長がない。そこで、ch1とch2との中央の波長を想定し、この波長に対応する目標値を透過波長特性の肩のほぼ中央に配置すると、第1ないし第4目標値は、透過波長特性の極値付近を避けて肩に適正に配置されるから、波長可変安定化レーザは、各波長を高精度に波長を安定化させてレーザ光を射出することができる。
このようにLDが発振する波長数が偶数のため仮想の目標値を考慮する場合も、LDが発振する複数の波長のうちの中央波長に対応する目標値が透過波長特性における隣接する2極値間のほぼ中央に設けられることの意味に含まれる。
ETフィルタ104のFSRの設計について、より一般的に説明する。
LDアレイ部の発振波長における温度依存性をR(GHz/℃)、発振波長間隔を△f(GHz)とすると、或る波長から隣接する他の波長に発振波長を変更するために必要な温度変更は、△f/R(℃)となる。周期的フィルタの透過波長特性の温度依存性をQ(GHz/℃)とすると、LDアレイ部が1波長間隔分発振波長を変更させる間に、周期的フィルタの透過波長特性は、Q×△f/R(GHz)だけシフトする。このため、FSRを波長間隔からQ×△f/R(GHz)だけ引いた値に設計すれば、1波長間隔分発振波長を変更したとしても、隣の同じ肩形状の同じ透過率にロック点を設定することができる。したがって、FSR(GHz)は、△f−(Q×△f/R)ないし△fの範囲で設計する。
また、FSRを発振可能な波長間隔の半分に設計すると、引込範囲が半分になる一方透過波長特性の肩の傾きが急になるので、より確実にロック点に発振波長を合わせることができる。この場合は、FSR(GHz)は、△f/2−(Q×△f/2R)ないし△f/2の範囲で設計する。
図2に戻って、温度調整器106および温度検出器107は、ベース基板110に接触するように接続される。
ベース基板110は、LD101とETフィルタ104と同一温度になるようにするため、その上にLD101、カプラ102、103、ETフィルタ104およびPD105が配置される。したがって、カプラ102、103およびPD105は、ベース基板110上に配置しない構成でもよい。
温度調整器106は、ベース基板110の温度を変更する素子である。温度調整器106として、例えば、ペルチェ効果(Peltier effect)によって温度を変更することができるペルチェ素子などを使用することができる。温度調整器106の温度制御は、CPU108がディジタル/アナログ変換器(以下、「D/A」と略記する。)113を介して温度調整器駆動回路112の電流値を変えることによって制御される。温度調整器駆動回路112は、制御された電流を温度調整器106に供給する。
温度検出器107は、ベース基板110の温度を検出する。温度検出器107として、例えば、サーミスタ(thermistor)や熱電対などを使用することができる。温度検出器107の出力は、A/D115を介してCPU108に入力される。
また、LD駆動回路111は、D/A114を介してCPU108によって駆動電流値を制御される。そして、LD駆動回路111は、この制御に基づく駆動電流をLD101-1、101-2に供給する。LD101-1、101-2は、この駆動電流によってレーザ発振する。
一方、SOA駆動回路124は、D/A126を介してCPU108によってSOA122を駆動する駆動電流値を制御される。そして、SOA駆動回路124は、この制御に基づく駆動電流をSOA122に供給する。SOA122は、この駆動電流に従う利得でレーザ光を増幅する。
SOA122からカプラ123に入射された第1レーザ光は、カプラ123で2つに分配され、一方は、波長可変安定化レーザの出力光として射出され、他方は、PD125に入射される。PD125は、この入射されたレーザ光に従う電流を発生し、PD125の出力は、A/D127を介してCPU108に入力される。CPU127は、このPD125の出力に基づいて波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度を判別し、所望の光強度になるように、D/A126およびSOA駆動回路124を介してSOA122の利得を制御する。
また、CPU108は、メモリ109にアクセスする。メモリ109は、後述する波長可変安定化レーザを制御するための第1プログラム、各LD101の初期立ち上げ駆動電流値、SOAの初期立ち上げ駆動電流値、温度ごとに温度調整器106の初期立ち上げ制御値、第1ないし第4目標値、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値などが記憶される。
ここで、LD101の初期立ち上げ駆動電流値は、chごとに設定される。そして、LD101の初期立ち上げ駆動電流値は、各chに対応するロック点が図4に示すように透過波長特性の1つの肩に1個しか存在しないので、当該ロック点を含む透過波長特性の肩の範囲に対応する波長範囲内でLD101が発振するように設定される。例えば、ch5に対応するLD101-2の初期立ち上げ駆動電流は、図4に示すch5の引込範囲内で立ち上がる値である。
さらに、極値付近では、前述と同様な理由によってロック点に波長を制御することが容易ではないので、極値付近に対応する波長を除外することが好ましい。
(第2の実施形態の作用効果)
次に、波長可変安定化レーザが発振波長を所望の波長に安定化させる制御について説明する。
図6は、第2の実施形態のフローチャートである。
CPU108は、例えば、電源投入によってメモリ109に記憶されている第1プログラムの実行を開始する。
図6において、CPU108は、波長可変安定化レーザ内の各回路を初期化する(S1)。
CPU108は、波長可変安定化レーザに対するchの立ち上げ要求があったか否かを判断する(S2)。要求がない場合には、要求があるまで、S2の処理を繰り返す。
chの立ち上げ要求(発振波長の設定)は、例えば、この波長可変安定化レーザがWDM方式光通信システムにおける送信局の光源装置として使用される場合では、送信局を統括する制御装置によってCPU108に入力される。
要求があった場合には、CPU108は、メモリ109にアクセスし、chXに対応するLD101、LD101の初期立ち上げ駆動電流値、SOA122の初期立ち上げ駆動電流値、chXに対応する温度にするための温度調整器106の初期立ち上げ制御値、chXに対応する目標値、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値を読み込む(S3)。
例えば、ch2を立ち上げる要求があった場合には、CPU108は、LD101-1、LD101-1の初期立ち上げ駆動電流値、SOA122の初期立ち上げ駆動電流値、32(℃)にするための温度調整器106の初期立ち上げ制御値、第3目標値、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値を読み込む。
CPU108は、読み込んだ温度調整器106の初期立ち上げ制御値をD/A113を介して温度調整器駆動回路112に出力して、温度調整器106を作動させる(S4)。
CPU108は、chXに対応するLD101にLD101の初期立ち上げ駆動電流をD/A114およびLD駆動回路111を介して供給する(S5)。
この駆動電流によってLD101は、レーザ光の発振を開始する。
CPU108は、A/D115を介して入力される温度検出器107の出力を監視し(S6)、一定の許容値以内でchXに対応する温度であるか否かを判断する(S7)。
判断の結果、chXに対応する温度ではない場合は、S6およびS7の処理を繰り返す。一方、chXに対応する温度である場合は、CPU108は、PDo1およびPDo2を取り込み、PDo1/PDo2を算出する(S8)。
CPU108は、chXに対応する目標値からPDo1/PDo2を引くことによってPDo1/PDo2とこの目標値との差を算出し、この差が一定の許容値以内であるか否かを判断する(S9)。PDo1/PDo2とこの目標値との差を算出することは、LD101の現在の発振波長とchXに対応する波長との差を算出することに相当する。
判断の結果、算出した差が許容値以内でない場合には、温度調整器106によってLD101の素子温度を変えることによって発振波長を変更し(S10)、S8の処理に戻る。
このLD101の素子温度の変更方向は、次のようにして決定される。すなわち、ロック点が透過波長特性の左肩に配置されているので、算出した差が「正」であることは、発振波長がロック点より短波長側であることを示すため、CPU108は、発振波長が長くなるように素子温度を変更する。逆に、算出した差が「負」であることは、発振波長がロック点より長波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が短くなるように素子温度を変更する。
一方、判断の結果、許容値以内である場合には、CPU108は、発振波長がchXに対応する波長に安定化(ロック)されたと判断する。そして、CPU108は、読み込んだSOA122の初期立ち上げ駆動電流値をD/A126を介してSOA駆動回路124に出力して、SOA122を作動させる(S11)。
CPU108は、A/D127を介して入力されるPD125の出力を監視し、一定の許容値以内で読み込んだレーザ光の光強度の目標値であるか否かを判断することによって光強度を一定に制御する(APC制御)(S12)。
このようにして波長可変安定化レーザは、所望のchXにレーザ光の波長を安定化させる。
そして、chXから別のchYへ切り替える場合には、CPU108は、再度上述のS3からS12までの処理を行う。
波長可変安定化レーザは、ETフィルタのFSRを発振可能な波長間隔に設定することによって、LD101-1とLD101-2とが同一の素子温度で発振することができるレーザ光の波長を安定化することができる。そして、波長可変安定化レーザは、透過波長特性の肩に配置される目標値を1個のLD101が発振することができる波長ごとに設定することによって、1個のLD101が異なる素子温度で発振することができるレーザ光の波長を安定化することができる。
このため、波長可変安定化レーザは、発振可能なすべての波長のレーザ光に対し波長を安定にして射出することができる。
なお、第2の実施形態において、CPU108は、出力されるレーザ光の光強度を一定に制御したが、これに限定されない。例えば、CPU108は、PD105-2の出力を利用することによってSOA122を利得一定に制御してもよい。
次に、別の実施形態について説明する。
(第3の実施形態の構成)
第2の実施形態では、所望のchに対応する波長のレーザ光を発振させる際に、LDを立ち上げる波長は、その所望のchに対応する引込範囲内に設定される。この場合においても、波長可変安定化レーザは、所望のchの波長に安定化されたレーザ光を射出することができるが、透過波長特性の極値付近にロック点を設定された波長に安定化させることは、容易ではない。これは、ロック点が引込範囲の中央から長波長側または短波長側に偏って配置されているからである。
そこで、第3の実施形態の波長可変安定化レーザは、各chの初期立ち上げ波長を発振させるべきchに対応する波長に最も近い波長であって透過波長特性の肩のほぼ中央の波長で発振させてから、所望の発振させるべきchに対応する波長に発振波長を制御する。
したがって、第3の実施形態の波長可変安定化レーザの構成は、メモリ109を除き、第2の実施形態の波長可変安定化レーザの構成と同一なので、その説明を省略する。
第3の実施形態においては、図2におけるメモリ109の代わりにメモリ159を使用する。メモリ159は、後述する波長可変安定化レーザを制御するための第2プログラム、各LD101の初期立ち上げ駆動電流値、SOAの初期立ち上げ駆動電流値、温度ごとに温度調整器106の初期立ち上げ制御値、第1ないし第4目標値、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値などが記憶される。
ここで、LD101の初期立ち上げ駆動電流値は、chごとに設定される。
図7は、第3の実施形態における各chのロック点と初期立ち上げ波長との関係を示す図である。
図7の縦軸は、PDo1/PDo2であり、横軸は、ch(波長)である。各曲線は、各温度における透過波長特性を示し、その特性曲線は、上段から16(℃)、24(℃)、32(℃)、40(℃)の場合である。そして、各特性曲線上の黒丸(●)は、各chのロック点、すなわち、所望の発振波長に制御するための目標値である。また、各特性曲線上の黒四角(■)は、各chの初期立ち上げ波長、すなわち、LD101の初期立ち上げ駆動電流によってLD101が発振を開始する波長である。このようにLD101の初期立ち上げ駆動電流値は、発振させるべきchに対応する波長に最も近い波長であって透過波長特性の肩のほぼ中央の波長でLD101を発振させる値である。
この値をより一般的に説明する。
LD駆動電流の波長依存性をS(nm/mA)、周期的フィルタの引込可能範囲幅をロック点を中心に±W(nm)だとすると、両端のchは、±W/S(mA)だけ電流値をずらしてLDを立ち上げることで、LDを透過波長特性の肩のほぼ中央から発振させることができる。
(第3の実施形態の作用効果)
次に、波長可変安定化レーザが発振波長を所望の波長に安定化させる制御について説明する。
図8は、第3の実施形態のフローチャートである。
CPU108は、例えば、電源投入によってメモリ159に記憶されている第2プログラムの実行を開始する。
図8において、波長可変安定化レーザ内の各回路を初期化するS1から温度検出器107の出力が定常状態になるS7まで、CPU108は、図6に示す第2の実施形態におけるCPU108の制御と同一であるので、その説明を省略する。
ここで、第3の実施形態において、chXに対応するLD101の初期立ち上げ駆動電流値が第2の実施形態とは異なるので、LD101は、第2の実施形態とは異なる発振波長でレーザ光の発振を開始する。
図8のS7において、判断の結果、chXに対応する温度である場合は、CPU108は、PDo1およびPDo2を取り込み、PDo1/PDo2を算出する(S21)。
CPU108は、chXに対応する目標値からPDo1/PDo2を引くことによってPDo1/PDo2とこの目標値との差を算出し、この差が一定の許容値以内であるか否かを判断する(S22)。PDo1/PDo2とこの目標値との差を算出することは、LD101の現在の発振波長とchXに対応する波長との差を算出することに相当する。
判断の結果、算出した差が許容値以内でない場合には、LD駆動回路111によってLD101の駆動電流を変えることによって発振波長を変更し(S23)、算出した差が許容値以内である場合には、後述するS27を処理する。
このLD101の駆動電流の変更方向は、次のようにして決定される。
すなわち、ロック点が透過波長特性の左肩のほぼ中央より極大値側に配置されている場合では、立ち上げ波長は、常に短波長側であるので、CPU108は、発振波長が長くなるように駆動電流を変更する。本実施形態においては、図7に示すように、ch0、c1、ch4およびch5の場合である。
逆に、ロック点が透過波長特性の左肩のほぼ中央より極小値側に配置されている場合では、立ち上げ波長は、常に長波長側であるので、CPU108は、発振波長が短くなるように駆動電流を変更する。本実施形態においては、図7に示すように、ch2、c3、ch6およびch7の場合である。
そして、再度、CPU108は、PDo1およびPDo2を取り込み、PDo1/PDo2を算出する(S24)。
CPU108は、chXに対応する目標値からPDo1/PDo2を引くことによってPDo1/PDo2とこの目標値との差を算出し、この差が一定の許容値以内であるか否かを判断する(S25)。
判断の結果、算出した差が許容値以内でない場合には、LD駆動回路111によってLD101の駆動電流を変えることによって発振波長を変更し(S26)、S24の処理に戻る。
このLD101の駆動電流の変更方向は、次のようにして決定される。
ロック点が透過波長特性の左肩に配置されているので、算出した差が「正」であることは、発振波長がロック点より短波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が長くなるように駆動電流を変更する。逆に、算出した差が「負」であることは、発振波長がロック点より長波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が短くなるように駆動電流を変更する。
一方、判断の結果、許容値以内である場合には、CPU108は、発振波長がchXに対応する波長に安定化(ロック)されたと判断する。そして、CPU108は、読み込んだSOA122の初期立ち上げ駆動電流値をD/A126を介してSOA駆動回路124に出力して、SOA122を作動させる(S27)。
CPU108は、A/D127を介して入力されるPD125の出力を監視し、一定の許容値以内で読み込んだレーザ光の光強度の目標値であるか否かを判断することによって光強度を一定に制御する(APC制御)(S28)。
このようにして波長可変安定化レーザは、所望のchXにレーザ光の波長を安定化させる。
そして、chXから別のchYへ切り替える場合には、CPU108は、再度上述のS3からS7までおよびS21からS28までの処理を行う。
第3の実施形態の波長可変安定化レーザは、第2の実施形態の作用効果に加え、LD101の初期立ち上げ波長を透過波長特性の肩のほぼ中央に設定するので、最初の発振波長の変更方向が特定されるため、誤った方向に発振波長が変更されることがない。このため、波長可変安定化レーザは、より確実に所望のchXに対応する波長にレーザ光を安定させて発振することができる。さらに、波長可変安定化レーザは、所望のchXに対応する波長に対し、ETフィルタのFSRだけずれた波長のレーザ光を発振することがない。
また、LD101から射出されるレーザ光は、発振波長を調整するために駆動電流が変動するため、光強度の変動が生じるが、SOA122が備えられているため、この変動分を補償することができる。
一般に、光増幅器は、飽和領域において入力光強度の変動に対し、その出力光強度は、あまり変動しない。
そこで、SOA122は、飽和領域で使用されることが好ましい。この場合には、SOA122の初期立ち上げ駆動電流値の代わりに、または、これに加えて、SOA122を飽和領域にする飽和駆動電流値がメモリ159に記憶される。両駆動電流値が記憶される場合には、CPU108は、SOA122を始めに初期立ち上げ駆動電流値で立ち上げてから飽和駆動電流値に切り替える。
このようにSOA122を飽和領域で使用すると、LD駆動電流の変動によってSOA122の入力光強度に変動が生じても、PD125の出力変動は、小さい。このため、波長可変安定化レーザは、射出されるレーザ光の光強度を容易に制御することができる。
特に、光源の光強度の変動に対し大きな許容値を持つ送信局の場合には、S28の処理を省略することが可能である。
なお、第2および第3の実施形態において、SOA122は、カプラ103とカプラ123との間に備えられたが、SOA122をカプラ102とカプラ103との間に備えて構成してもよい。このような構成では、LD101、カプラ102およびSOA122を一体化させて同一半導体基板上に製造することが可能である。さらに、同一半導体基板上に製造することができることから、光増幅器を含めた波長可変安定化レーザを小型に製造することが可能である。ここで、この場合は、SOA122は、図6および図8のS4においてSOA122の初期立ち上げ駆動電流値で駆動するように制御する。一般に、光増幅器は、駆動されていない状態では光吸収体となるので、PD105が検出可能な光強度のレーザ光がカプラ103に入射されない可能性があるからである。
次に、別の実施形態について説明する。
(第4の実施形態の構成)
第4の実施形態は、8波のWDM方式光信号の光源に好適な波長可変安定化レーザの実施形態である。WDM方式光信号は、1550(nm)波長帯域においてITU−Tの勧告に従い0.8(nm)波長間隔でch0〜ch7の波長が配置される。
図9は、第4の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。
なお、第4の実施形態の説明において、図2と同一の構成ついては、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図9において、LD101-1およびLD101-2は、カプラ102にレーザ光を射出する。これらLD101およびカプラ102は、LDアレイ部を構成する。LDアレイ部は、後述する制御によって8波のうちの1波のレーザ光をカプラ151に射出する。
カプラ151に入射されたレーザ光は、3つに分配され、分配された第1レーザ光は、ISO121、SOA122を介してカプラ123に入射される。
分配された第2レーザ光は、カプラ152-1に入射される。入射された第2レーザ光は、さらに2つに分配され、一方は、ETフィルタ153-1を介してPD154-1に入射され、他方は、ETフィルタ153-2を介してPD154-2に入射される。
分配された第3レーザ光は、カプラ152-2に入射される。入射された第3レーザ光は、さらに2つに分配され、一方は、ETフィルタ153-3を介してPD154-3に入射され、他方は、PD154-4に入射される。
PD154-1は、入射されたレーザ光の光強度に従う電流を発生させ、電気信号をA/D155-1に出力する。A/D155-1は、このアナログ信号をディジタル信号に変換し、ディジタル信号を制御用のCPU108に出力する。このA/D155-1の出力、すなわち、ETフィルタ154-1を介したレーザ光の光強度に対応する値をPDo1とする。
PD154-2は、同様に、入射されたレーザ光の光強度に従う電流を発生させ、その電気信号は、A/D155-2を介してCPU108に出力される。このA/D155-2の出力、すなわち、ETフィルタ154-2を介したレーザ光の光強度に対応する値をPDo2とする。
さらに、PD154-3は、同様に、入射されたレーザ光の光強度に従う電流を発生させ、その電気信号は、A/D155-3を介してCPU108に出力される。このA/D155-3の出力、すなわち、ETフィルタ154-3を介したレーザ光の光強度に対応する値をPDo3とする。
そして、PD154-4は、同様に、入射されたレーザ光の光強度に従う電流を発生させ、その電気信号は、A/D155-4を介してCPU108に出力される。このA/D155-4の出力、すなわち、カプラ103から直接入射されたレーザ光の光強度に対応する値をPDo4とする。
PDo1/PDo4は、ETフィルタ153-1の透過率に相当する値である。同様に、PDo2/PDo4は、ETフィルタ153-2の透過率に相当する値であり、PDo3/PDo4は、ETフィルタ153-3の透過率に相当する値である。
図10は、第4の実施形態における各ETフィルタの透過波長特性と各chのロック点との関係を示す図である。
図10の縦軸は、各ETフィルタ153の透過率に相当し、横軸は、ch(波長)である。各曲線は、各温度における各ETフィルタ153の透過波長特性を示し、その各温度は、上段から16(℃)、24(℃)、32(℃)、40(℃)の場合である。そして、各曲線上の黒丸(●)は、各chのロック点、すなわち、所望の発振波長に制御するための目標値である。
ETフィルタ153は、透過波長特性の温度依存性が同じ周期的フィルタである。ETフィルタ153の枚数は、波長間隔を複数の領域に分け、この分けられた1個の領域内において透過波長特性の肩が存在するように枚数を決定する。このようにETフィルタを備えることにより、各chに対応するそれぞれのロック点は、いずれかのETフィルタの肩に配置することができる。このため、chごとに各目標値を設定することにより、波長可変安定化レーザは、その目標値に基づいて各chに対応する波長でレーザ光を安定に発振させることができる。
本実施形態の場合には、波長間隔100(GHz)を5個の領域に分ける。そして、FSRが約90(GHz)のETフィルタを使用し、図10に示すように同一の温度において透過波長特性が20(GHz)ずれるように各ETフィルタを設計する。このように設計すると、分けられた第1領域と第3領域は、ETフィルタ153-1の各肩を割り当てることができ、分けられた第2領域と第4領域は、ETフィルタ153-2の各肩を割り当てることができ、さらに、分けられた第3領域と第5領域は、ETフィルタ153-3の各肩を割り当てることができる。このため、ETフィルタは、3枚でよい。
なお、本実施形態では、ETフィルタ153としてFSRが約90(GHz)の3枚のフィルタを使用したが、これに限定されるものではない。例えば、ETフィルタ153としてFSRが110(GHz)の2枚のフィルタを使用しても良い。この場合には、波長間隔100(GHz)を4個の領域に分け、2枚のETフィルタは、その透過波長特性が25(GHz)ずれるように設計すればよい。また、PD154は、ETフィルタの枚数に応じて2個、あるいは、3個でよい。
一般的には、ETフィルタの枚数は、次のように考えることができる。
ETフィルタの一方の肩で波長をロックすることが可能な領域をD(GHz)とした場合、ETフィルタの1周期分(1FSR分)の範囲において波長をロックすることができる領域は、両方の肩を利用した場合では、2D(GHz)である。
ここで、発振波長間隔(周波数間隔)を△f(GHz)とした場合、△fの領域内に上述のETフィルタが△f/FSR周期存在することになる。例えば、波長間隔が75(GHz)であってETフィルタのFSRが25(GHz)とした場合では、75(GHz)の範囲にETフィルタのピークが3周期分存在する。
すなわち、△f(GHz)の範囲で、1枚のETフィルタで波長をロックすることができる領域は、2D×△f/FSR(GHz)となる。
したがって、連続ではないが1枚のETフィルタで2D×△f/FSR(GHz)の範囲をロックすることができるので、△f(GHz)の範囲全体をロック可能にするためには、△f/(2D×△f/FSR)=FSR/2D枚以上のETフィルタが必要となる。
実際の設計では、FSR/2Dが整数になるとは限らないので、FSR/2Dを切り上げた数のK枚だけETフィルタが必要となる。つまり、Kは、FSR/2D以上であってFSR/2D+1より小さい自然数である。
このようにK枚のETフィルタを使用することで、発振波長間隔△fに無関係にETフィルタのFSR(GHz)の範囲全体においてロックすることができる。また、FSRの範囲全体にわたって、ロックすることができるようにするためには、K枚のETフィルタは、D(GHz)ずつピークをシフトさせるように設計される。
例えば、波長間隔が75(GHz)、ETフィルタのFSRが50(GHz)およびETフィルタの一方の肩における波長をロックすることができる領域が10(GHz)である場合では、必要な枚数は、FSR/2D=50/(2×10)=2.5枚である。よって、3枚のETフィルタがあればよい。これらETフィルタのピークを10(GHz)ずつずらして配置することで、波長間隔75(GHz)の範囲全体にわたって波長をロックすることができる。
一方、2Dは、半値全幅(FWHM)とほぼ等しくなるので、必要なETフィルタの枚数は、FSR/FWHM=フィネスとなる。このため、使用されるETフィルタのフィネスとほぼ等しい値の枚数が必要となる。
図9に戻って、温度調整器106および温度検出器107は、ベース基板110に接触するように接続される。
ベース基板110は、LD101とETフィルタ104と同一温度になるようにするため、その上にLD101、カプラ102、151、152、ETフィルタ153およびPD154が配置される。したがって、カプラ102、151、152およびPD154は、ベース基板110上に配置しない構成でもよい。
CPU108は、D/A113および温度調整器駆動回路112を介して温度調整器106に接続され、温度調整器106の温度を制御する。
CPU108は、D/A114およびLD駆動回路111を介してLD101に接続され、LD101にレーザ光を発振させる。
また、温度検出器107は、ベース基板110の温度を検出し、その出力は、A/D115を介してCPU108に入力される。
一方、CPU108は、D/A126およびSOA駆動回路124を介してSOA122に接続され、SOA122の利得を制御する。
SOA122からカプラ123に入射された第1レーザ光は、カプラ123で2つに分配され、一方は、波長可変安定化レーザの出力として射出され、他方は、PD125に入射される。PD125は、受光したレーザ光の光強度を検出し、その出力は、A/D127を介してCPU108に入力される。
また、CPU108は、メモリ209にアクセスする。メモリ209は、後述する波長可変安定化レーザを制御するための第3プログラム、各LD101の初期立ち上げ駆動電流値、SOAの初期立ち上げ駆動電流値、温度ごとに温度調整器106の初期立ち上げ制御値、chごとに波長制御に使用されるETフィルタ153-1〜153-3の別、chごとに設定された各目標値、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値などが記憶される。
ここで、LD101の初期立ち上げ駆動電流値は、chごとに設定される。そして、LD101の初期立ち上げ駆動電流値は、各chに対応するロック点が図10に示すように透過波長特性の1つの肩に1個しか存在しないので、当該ロック点を含む透過波長特性の肩の範囲に対応する波長範囲内でLD101が発振するように設定される。
(第4の実施形態の作用効果)
次に、波長可変安定化レーザが発振波長を所望の波長に安定化させる制御について説明する。
図11は、第4の実施形態のフローチャートである。
CPU108は、例えば、電源投入によってメモリ209に記憶されている第3プログラムの実行を開始する。
図11において、波長可変安定化レーザ内の各回路を初期化するS1から温度検出器107の出力が定常状態になるS7まで、CPU108は、図6に示す第2の実施形態におけるCPU108の制御と同一であるので、その説明を省略する。
図11のS7において、判断の結果、chXに対応する温度である場合は、CPU108は、chXのロック点が配置されている透過波長特性を持つETフィルタ153から射出されるPD154を選択する。この選択されたPD154の出力をPDoz(z=1、2、3)とする。CPU108は、PDozおよびPDo4を取り込み、PDoz/PDo2を算出する(S31)。
CPU108は、chXに対応する目標値からPDoz/PDo4を引くことによってPDoz/PDo4とこの目標値との差を算出し、この差が一定の許容値以内であるか否かを判断する(S32)。
判断の結果、算出した差が許容値以内でない場合には、温度調整器106によってLD101の素子温度を変えることによって発振波長を変更し(S33)、S31の処理に戻る。
このLD101の素子温度の変更方向は、次のようにして決定される。すなわち、ロック点が透過波長特性の左肩に配置されている場合には、算出した差が「正」であることは、発振波長がロック点より短波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が長くなるように素子温度を変更する。逆に、算出した差が「負」であることは、発振波長がロック点より長波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が短くなるように素子温度を変更する。
そして、ロック点が透過波長特性の右肩に配置されている場合には、算出した差が「正」であることは、発振波長がロック点より長波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が短くなるように素子温度を変更する。逆に、算出した差が「負」であることは、発振波長がロック点より短波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が長くなるように素子温度を変更する。
一方、判断の結果、許容値以内である場合には、CPU108は、発振波長がchXに対応する波長に安定化(ロック)されたと判断する。そして、CPU108は、読み込んだSOA122の初期立ち上げ駆動電流値をD/A126を介してSOA駆動回路124に出力して、SOA122を作動させる(S34)。
CPU108は、A/D127を介して入力されるPD125の出力を監視し、一定の許容値以内で読み込んだレーザ光の光強度の目標値であるか否かを判断することによって光強度を一定に制御する(APC制御)(S35)。
このようにして波長可変安定化レーザは、所望のchXにレーザ光の波長を安定化させる。
そして、chXから別のchYへ切り替える場合には、CPU108は、再度上述のS3からS7までおよびS31からS35までの処理を行う。
このように波長可変安定化レーザは、複数のフィルタを使用するため、各chの目標値を必ずいずれかのフィルタの透過波長特性の肩に配置することができる。このため、波長可変安定化レーザは、より確実に安定した所望の波長のレーザ光を射出することができる。さらに、周期的フィルタは、所望のFSRに設計して製造したとしても、その前後のFSRを持つ周期的フィルタが製造されてしまうが、本発明では、適当な領域の個数と周期的フィルタの枚数を設定することにより、透過波長特性の温度依存性が同一であればETフィルタが使用可能である。このため、本発明によれば、設計値を外れたFSRを持つ周期的フィルタを使用することができるので、周期的フィルタの製造歩留まりを向上することができる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第5の実施形態の構成)
上述の第2ないし第4の実施形態は、LDの発振波長の温度依存性と周期的フィルタであるETフィルタの透過波長特性の温度依存性とが一致していないために、第2ないし第4の実施形態で説明した対応をとって各chの波長にレーザ光の波長をロックするものである。
そこで、第5の実施形態の波長可変安定化レーザは、周期的フィルタであるETフィルタの透過波長特性の温度依存性をLDの発振波長の温度依存性に応じて設計することにより、各chの波長にレーザ光の波長をロックするものである。
したがって、第5の実施形態の波長可変安定化レーザの構成は、LD101、ETフィルタ104およびメモリ109を除き、第2の実施形態の波長可変安定化レーザの構成と同一なので、その説明を省略する。
第5の実施形態においては、図2におけるLD101の代わりにLD201-1〜201-8を使用する。LD201は、波長可変安定化レーザの発振可能波長数を32波とするため、8個とした。各LD201は、カプラ102(図2)に光学的に接続され、発振されたレーザ光がカプラ102に入射される。また各LD201は、図12に示すように素子温度、chおよびグリッドを設定される。
また、第5の実施形態においては、図2におけるETフィルタ104の代わりにETフィルタ204を使用する。
図13は、第5の実施形態における透過波長特性と各chのロック点との関係を示す図である。
図13の縦軸は、ETフィルタ204の透過率に相当し、横軸は、ch(波長)である。各曲線は、各温度における各ETフィルタ204の透過波長特性を示し、その各温度は、上段から16(℃)、24(℃)、32(℃)、40(℃)の場合である。そして、各曲線上の黒丸(●)は、各chのロック点、すなわち、所望の発振波長に制御するための目標値である。なお、図13において、ch6以降の記載は、省略されている。
ETフィルタ204の透過波長特性の温度依存性は、次のようにして設計される。
第5の実施形態においては、LDアレイ部は、図12に示すように0.1THz、すなわち、100(GHz)の波長間隔(グリッド間隔)でレーザ光を発振可能である。また、各LD201は、16(℃)、24(℃)、32(℃)および40(℃)において100(GHz)の間隔で4波のレーザ光を発振可能である。つまり、各LD201は、8(℃)の素子温度の変更によって、発振波長が100(GHz)変更される。さらに、LD201-1、201-3、201-5、201-7は、透過波長特性の左肩にロック点を配置し、LD201-2、201-4、201-6、201-8は、透過波長特性の右肩にロック点を配置するようにする。
このような場合では、ETフィルタ204の透過波長特性の温度依存性は、1波長分変更される温度に対し、25(GHz)だけ長波長側にシフトするように設計される。そして、ETフィルタのFSRは、75(GHz)に設計される。
このようにETフィルタを設計することにより、各chのロック点に対応する目標値を共通にすることができる。
ここで、LD201の発振波長を或る波長から隣接するグリッドの波長に変更するために必要な温度変更分を8℃△T(℃)とすると、ETフィルタの透過波長特性の温度依存性は、25(GHz)/△T(GHz/℃)と表示される。
各chのロック点は、ETフィルタを上述のように設計することにより、どのような透過率に目標値を設定しても、波長をロックするが、高精度に波長を安定化させる観点から、各chのロック点は、図13に示すように透過波長特性の肩のほぼ中央に配置することが好ましい。
そして、このような透過波長特性の温度依存性を持つETフィルタは、対向する2鏡面に挟まれる媒体を、例えば、線膨張係数の正の材料と負の材料とを組み合わせることによって製造することができる。
さらに、第5の実施形態においては、図2におけるメモリ109の代わりにメモリ259を使用する。メモリ259は、後述する波長可変安定化レーザを制御するための第4プログラム、各LD201の初期立ち上げ駆動電流値、SOAの初期立ち上げ駆動電流値、温度ごとに温度調整器106の初期立ち上げ制御値、ロック点の目標値、LD201ごとにロック点が配置される肩形状、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値などが記憶される。
ここで、LD201の初期立ち上げ駆動電流値は、chごとに設定される。そして、LD201の初期立ち上げ駆動電流値は、各chに対応するロック点が図13に示すように透過波長特性の1つの肩に1個しか存在しないので、当該ロック点を含む透過波長特性の肩の範囲に対応する波長範囲内でLD201が発振するように設定される。
(第5の実施形態の作用効果)
次に、波長可変安定化レーザが発振波長を所望の波長に安定化させる制御について説明する。
図14は、第5の実施形態のフローチャートである。
CPU108は、例えば、電源投入によってメモリ259に記憶されている第4プログラムの実行を開始する。
図14において、波長可変安定化レーザ内の各回路を初期化するS1から温度検出器107の出力が定常状態になるS7まで、CPU108は、図6に示す第2の実施形態におけるCPU108の制御と同一であるので、その説明を省略する。
図14のS7において、判断の結果、chXに対応する温度である場合は、CPU108は、メモリ259からchXのロック点が配置されている肩形状を取り込む(S41)。肩形状は、chXがLD201-1、201-3、201-5、201-7のいずれかから射出されるレーザ光である場合には、左肩であり、一方、chXがLD201-2、201-4、201-6、201-8のいずれかから射出されるレーザ光である場合には、右肩である。
CPU108は、PDo1およびPDo2を取り込み、PDo1/PDo2を算出する(S42)。
CPU108は、目標値からPDo1/PDo2を引くことによってPDo1/PDo2とこの目標値との差を算出し、この差が一定の許容値以内であるか否かを判断する(S43)。
判断の結果、算出した差が許容値以内でない場合には、S41で読み込んだ肩形状を判断する(S44)。
CPU108は、温度調整器106によってLD101の素子温度を変えることによって発振波長を変更し(S45)、S42の処理に戻る。
このLD101の素子温度の変更方向は、次のようにして決定される。すなわち、ロック点が透過波長特性の左肩に配置されている場合には、算出した差が「正」であることは、発振波長がロック点より短波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が長くなるように素子温度を変更する。逆に、算出した差が「負」であることは、発振波長がロック点より長波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が短くなるように素子温度を変更する。
そして、ロック点が透過波長特性の右肩に配置されている場合には、算出した差が「正」であることは、発振波長がロック点より長波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が短くなるように素子温度を変更する。逆に、算出した差が「負」であることは、発振波長がロック点より短波長側であることを示すので、CPU108は、発振波長が長くなるように素子温度を変更する。
一方、判断の結果、許容値以内である場合には、CPU108は、発振波長がchXに対応する波長に安定化(ロック)されたと判断する。そして、CPU108は、読み込んだSOA122の初期立ち上げ駆動電流値をD/A126を介してSOA駆動回路124に出力して、SOA122を作動させる(S46)。
CPU108は、A/D127を介して入力されるPD125の出力を監視し、一定の許容値以内で読み込んだレーザ光の光強度の目標値であるか否かを判断することによって光強度を一定に制御する(APC制御)(S47)。
このようにして波長可変安定化レーザは、所望のchXにレーザ光の波長を安定化させる。
そして、chXから別のchYへ切り替える場合には、CPU108は、再度上述のS3からS7までおよびS41からS47までの処理を行う。
このような構成の波長可変安定化レーザは、ETフィルタにおける透過波長特性の温度依存性をレーザの発振波長の温度依存性に応じて調整するので、各chのロック点に対応する目標値を共通にすることができ、より確実に安定した所望の波長のレーザ光を射出することができる。
なお、第5の実施形態において、ETフィルタは、透過波長特性の温度依存性を25(GHz)/△TG(℃)に、FSRを75(GHz)と設計したが、これに限定されるものではない。
一般的には、1個で波長間隔△f(GHz)、n波を発振することができるレーザを複数個備える場合では、ETフィルタは、以下のように設計される。
まず、波長間隔(周波数間隔)△fとETフィルタのFSRとが異なる場合では、(△f−FSR)/△TG(GHz/℃)の温度特性を持ち、かつ、(△f×n)/FSRが整数となるETフィルタに設計する。
例えば、50(GHz)波長間隔、4波を発振することができるレーザを複数個備える場合は、FSR40(GHz)温度依存性10/△TG(GHz/℃)、または、FSR20(GHz)温度依存特性30/TG(GHz)、または、FSR25(GHz)温度依存特性25/△TG(GHz/℃)となるようにETフィルタを設計すればよい。
そして、波長間隔△fとETフィルタのFSRとが同じ場合では、FSR/△TG(GHz/℃)の温度依存性を持つETフィルタに設計する。
また、例えば、LDアレイ部が100(GHz)波長間隔で4波を発振することができるレーザを複数個備える場合では、ETフィルタは、透過波長特性の温度依存性を100/8(GHz/℃)に、FSRを100(GHz)と設計してもよい。
また、LDアレイ部が100(GHz)波長間隔で4波を発振することができるレーザを複数個備える場合では、ETフィルタは、透過波長特性の温度依存性を50/8(GHz/℃)に、FSRを50(GHz)と設計してもよい。
さらに、LDアレイ部が100(GHz)波長間隔で4波を発振することができるレーザを複数個備える場合では、ETフィルタは、透過波長特性の温度依存性を25/8(GHz/℃)に、FSRを50(GHz)と設計してもよい。
また、LDアレイ部が100(GHz)波長間隔で4波を発振することができるレーザを複数個備える場合では、ETフィルタは、透過波長特性の温度依存性を20/8(GHz/℃)に、FSRを80(GHz)と設計してもよい。
次に、別の実施形態について説明する。
(第6の実施形態の構成)
第6の実施形態は、光源と周期的フィルタとが異なる温度依存性を持つことから、光源および周期的フィルタの温度を互いに独立して制御する波長可変安定化レーザの実施形態である。
光源の発振波長は、8波のWDM方式光信号の光源に使用することができるようにするため、1550(nm)波長帯域においてITU−Tの勧告に従い0.8(nm)波長間隔でch0〜ch7の波長である。
図15は、第6の実施形態の波長可変安定化レーザの構成を示す図である。
なお、図15において、図2と同一の構成は、同一の参照符号を付すことによってその説明を省略する。
図15において、LD101-1およびLD101-2は、カプラ102にレーザ光を射出する。これらLD101およびカプラ102は、ベース基板310-1上に形成され、LDアレイ部を構成する。LDアレイ部は、後述する制御によって8波のうちの1波のレーザ光をカプラ103に射出する。
カプラ103に入射されたレーザ光は、3つに分配され、分配された第1レーザ光は、ISO121、SOA122を介してカプラ123に入射される。分配された第2レーザ光は、ETフィルタ104を介してPD105-1に入射される。分配された第3レーザ光は、PD105-2に入射される。
第2の実施形態と同様に、PD105-1の出力をPDo1とし、PD105-2の出力をPDo2とする。
これらカプラ103、ETフィルタ104およびPD105は、波長検出部を構成する。
ETフィルタ104のFSRは、LDアレイ部が発振可能な波長間隔を考慮して決定される。特に、そのFSRは、この波長間隔に合わせることが望ましい。本実施形態では、LDアレイ部が0.8(nm)間隔でレーザ光を発振可能であることから、そのFSRは、0.8(nm)に設定される。さらに、FSRは、LDアレイ部の発振可能な波長間隔の1/2倍、1/4倍などに合わせることも好適である。
また、ETフィルタ104の或る極大値は、透過波長特性の肩上に配置されるロック点(目標値、透過率)を考慮して決定される。特に、ロック点が、透過波長特性の肩のほぼ中央に配置されるようにすることが望ましい。このようにロック点を配置すると、ロック点が、引込範囲のほぼ中央の波長に配置されるため、LD101がロック点の短波長側および長波長側のいずれの波長で立ち上がったとしても、確実に波長を安定化させることができるからである。
さらに、ETフィルタ104の半値幅は、ロック点の前後における透過波長特性の傾きを考慮して決定される。この傾きが緩やかであると、発振波長の変化に対しPDo1/PDo2の変化が少ないため、発振波長を所望の波長に安定化させる精度が低くなる。一方、この傾きが急峻であると、発振波長の変化に対しPDo1/PDo2の変化が大きいため、過渡応答時間が長くなるなど、発振波長を所望の波長に安定化させるためのフィードバック制御が容易ではない。
図15に戻って、LDアレイ部の温度を制御するため、温度調整器301-1および温度検出器304-1は、ベース基板310-1に接触するように接続される。
ベース基板310-1は、LD101の温度を制御することができれば良いことから、カプラ102がベース基板310-1上に配置されない構成でもよい。
温度調整器30-1は、ベース基板310-1の温度を変更するペルチェ素子である。温度調整器30-1の温度は、CPU108がD/A303-1を介して温度調整器駆動回路302-1の電流値を変えることによって制御される。温度調整器駆動回路302-1は、制御された電流を温度調整器301-1に供給する。
温度検出器304-1は、ベース基板10-1の温度を検出するサーミスタである。温度検出器304-1の出力は、A/D305-1を介してCPU108に入力される。
同様に、波長検出部の温度を制御するため、温度調整器301-2および温度検出器304-2は、ベース基板310-2に接触するように接続される。
ベース基板310-2は、ETフィルタ104の温度を制御することができれば良いことから、カプラ103およびPD105がベース基板310-2上に配置されない構成でもよい。
CPU108は、D/A303-2および温度調整器駆動回路302-2を介して温度調整器301-2に接続され、温度調整器301-2の温度を制御する。
また、温度検出器304-2は、ベース基板310-2の温度を検出し、その出力は、A/D305-2を介してCPU108に入力される。
CPU108は、D/A114およびLD駆動回路111を介してLD101に接続され、LD101にレーザ光を発振させる。
一方、CPU108は、D/A126およびSOA駆動回路124を介してSOA122に接続され、SOA122の利得を制御する。
SOA122からカプラ123に入射された第1レーザ光は、カプラ123で2つに分配され、一方は、波長可変安定化レーザの出力として射出され、他方は、PD125に入射される。PD125は、受光したレーザ光の光強度を検出し、その出力は、A/D127を介してCPU108に入力される。
また、CPU108は、メモリ309にアクセスする。メモリ309は、後述する波長可変安定化レーザを制御するための第5プログラム、各LD101の初期立ち上げ駆動電流値、SOAの初期立ち上げ駆動電流値、温度ごとに各温度調整器301の初期立ち上げ制御値、ロック点の目標値、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値などが記憶される。
ここで、LD101の初期立ち上げ駆動電流値は、chごとに設定される。そして、LD101の初期立ち上げ駆動電流値は、各chに対応するロック点が透過波長特性の1つの肩に1個しか存在しないので、当該ロック点を含む透過波長特性の肩の範囲に対応する波長範囲内でLD101が発振するように設定される。
また、温度調整器301-2の初期立ち上げ駆動電流値は、ETフィルタ104における透過波長特性の温度依存性を考慮し、各chに対応する温度でロック点が所定の透過波長特性の肩上に配置されるように正確に設定される。そして、波長検出部の温度は、LDアレイ部の温度より10(℃)ないし15(℃)高くなるように設定することが好ましい。LDアレイ部が波長検出部の熱放射などの影響を受けることおよび半導体レーザで構成されていることから、CPU108は、このように設定することによってLDアレイ部の温度を容易に制御することができる。
さらに、ロック点の目標値は、光源であるLDアレイ部と周期的フィルタであるETフィルタとが独立して温度を制御されるので、各chに共通な目標値にすることができる。
(第6の実施形態の作用効果)
次に、波長可変安定化レーザが発振波長を所望の波長に安定化させる制御について説明する。
図16は、第6の実施形態のフローチャートである。
CPU108は、例えば、電源投入によってメモリ309に記憶されている第5プログラムの実行を開始する。
図16において、CPU108は、波長可変安定化レーザ内の各回路を初期化する(S61)。
CPU108は、波長可変安定化レーザに対するchの立ち上げ要求があったか否かを判断する(S62)。要求がない場合には、要求があるまで、S62の処理を繰り返す。
chの立ち上げ要求(発振波長の設定)は、例えば、この波長可変安定化レーザがWDM方式光通信システムにおける送信局の光源装置として使用される場合では、送信局を統括する制御装置によってCPU108に入力される。
要求があった場合には、CPU108は、メモリ309にアクセスし、chXに対応するLD101、LD101の初期立ち上げ駆動電流値、SOA122の初期立ち上げ駆動電流値、chXに対応する温度にするための各温度調整器301の初期立ち上げ制御値、ロック点の目標値、波長可変安定化レーザから射出されるレーザ光の光強度の目標値を読み込む(S63)。
CPU108は、読み込んだ各温度調整器301の初期立ち上げ制御値を各D/A303を介して各温度調整器駆動回路302に出力して、各温度調整器301を作動させる(S64)。
CPU108は、chXに対応するLD101にLD101の初期立ち上げ駆動電流をD/A114およびLD駆動回路111を介して供給する(S65)。
この駆動電流によってLD101は、レーザ光の発振を開始する。
CPU108は、各A/D305を介して入力される温度検出器304の出力を監視し(S66)、一定の許容値以内でchXに対応する温度であるか否かを判断する(S67)。
判断の結果、chXに対応する温度ではない場合は、S66およびS67の処理を繰り返す。一方、chXに対応する温度である場合は、CPU108は、PDo1およびPDo2を取り込み、PDo1/PDo2を算出する(S68)。
CPU108は、chXに対応する目標値からPDo1/PDo2を引くことによってPDo1/PDo2とこの目標値との差を算出し、この差が一定の許容値以内であるか否かを判断する(S69)。PDo1/PDo2とこの目標値との差を算出することは、LD101の現在の発振波長とchXに対応する波長との差を算出することに相当する。
判断の結果、算出した差が許容値以内でない場合には、LD駆動回路111によってLD101の駆動電流を変えることによって発振波長を変更し(S70)、S68の処理に戻る。
このLD101の駆動電流の変更方向は、ロック点が配置される透過波長特性の肩形状および算出した差の「正負」を考慮して決定される。
一方、判断の結果、許容値以内である場合には、CPU108は、発振波長がchXに対応する波長に安定化(ロック)されたと判断する。そして、CPU108は、読み込んだSOA122の初期立ち上げ駆動電流値をD/A126を介してSOA駆動回路124に出力して、SOA122を作動させる(S71)。
CPU108は、A/D127を介して入力されるPD125の出力を監視し、一定の許容値以内で読み込んだレーザ光の光強度の目標値であるか否かを判断することによって光強度を一定に制御する(APC制御)(S72)。
このようにして波長可変安定化レーザは、所望のchXにレーザ光の波長を安定化させる。
そして、chXから別のchYへ切り替える場合には、CPU108は、再度上述のS63からS72までの処理を行う。
波長可変安定化レーザは、LD101における発振波長の温度依存性とETフィルタ104における透過波長特性の温度依存性とを考慮して、LD101とETフィルタ104とを独立に温度制御するので、各ch(各発振波長)の目標値を共通な値にすることができる。
このため、波長可変安定化レーザは、発振可能なすべての波長のレーザ光に対し波長を安定にして射出することができる。
なお、第2ないし第6の実施形態では、説明を簡単にするため波長可変安定化レーザの発振可能な波長数を具体的に特定して説明したが、これに限定されるものではない。波長可変安定化レーザの発振可能な波長数は、任意である。
そして、第2および第3実施形態においては、各ロック点を透過波長特性の左肩に配置したが、透過波長特性の右肩に配置してもよい。この場合には、ETフィルタの透過波長特性が素子温度の上昇に従って長波長側にシフトするので、第1目標値、第2目標値、第3目標値、第4目標値は、この順に透過率の小さい方から配置される。そして、素子温度の変更方向において、目標値からPDo1/PDo2を引いた差が「正」であることは、発振波長がロック点より長波長側であることを示すので、発振波長が短くなるように素子温度を変更する。逆に、この差が「負」であることは、発振波長がロック点より短波長側であることを示すので、発振波長が長くなるように素子温度を変更する。
また、第2ないし第6の実施形態においては、光増幅器としてSOAを使用したが、光ファイバ増幅器を使用してもよい。波長可変安定化レーザの出力波長帯が1550(nm)波長帯である場合には、エルビウム元素添加光ファイバ増幅器を使用することができる。エルビウム元素(erbium)は、ランタノイドの希土類元素の1つで、元素記号Er、原子番号68である。ランタノイドに属する元素は、互いに性質が類似している。他の波長帯域を増幅する希土類元素として、ネオジム(Nd)、プラセオジウム(Pr)およびツリウム(Tm)などが知られている。また、光ファイバ増幅器には、誘導ラマン散乱や誘導ブリルアン散乱を利用する光増幅器もある。
さらに、第2ないし第6の実施形態では、SOA122は、ISO121の射出側に接続したがこれに限定されるものではない。SOA122は、最終的に波長可変安定化レーザの出力となるレーザ光を増幅することができる場所に配置されればよい。例えば、SOA122は、カプラ102とカプラ103(カプラ151)との間に配置し、カプラ102から射出されるレーザ光を増幅してカプラ103(カプラ151)に入射させても良い。このように配置することによってLD101とSOA122を一体形成することができる。または、例えば、SOA122は、カプラ103(カプラ151)とISO121カプラ103との間に配置し、カプラ103(カプラ151)から射出されるレーザ光を増幅してISO121に入射させても良い。
次に、波長可変安定化レーザのモジュールについて説明する。
図17は、波長可変安定化レーザのモジュールの第1構成例を示す図である。
図18は、波長可変安定化レーザのモジュールの第2構成例を示す図である。
図19は、波長可変安定化レーザのモジュールの第3構成例を示す図である。
図20は、波長可変安定化レーザのモジュールの第4構成例を示す図である。
なお、図20(a)は、モジュールの上面図であり、図20(b)は、上段の図に示すA−A’における側面図である。
これら第1ないし第4構成例のモジュールは、第1ないし第6の実施形態に使用することができる。特に、第2構成例のモジュールは、第6の実施形態の使用に好適である。ここで、第1および第3構成例のモジュールは、SOAをLDと一体形成した場合を示し、第2構成例のモジュールは、SOAをISOの入射側に配置した場合を示す。また、第4構成例のモジュールは、LDアレイチップなどで構成されるLDアレイ部とETフィルタなどで構成される波長検出部のベース基板を別にして個別に温度制御する場合である。さらに、第1ないし第4構成例のモジュールは、LDが8個備えられた32波発振可能な場合を示す。
図17において、第1構成例のモジュールは、LD301、カプラ302、SOA303、集光するためのレンズ305、PD306、309、プリズム307、ETフィルタ308、サーミスタ310、ペルチェ素子312、半導体基板313、ベース基板314、ISO315およびパッケージ316とを備えて構成される。
LD301、カプラ302およびSOA303は、同一半導体基板313上に一体形成され、LDアレイ部を構成する。また、LDアレイ部、レンズ305、PD306、309、プリズム307、ETフィルタ308、サーミスタ310は、ベース基板314上に配置され、ベース基板314は、ペルチェ素子312上に配置される。そして、これら各素子は、パッケージ316内に収納される。
ここで、例えば、第2の実施形態と第1構成例とを対比すると、LD101はLD301に対応し、カプラ102はカプラ302に対応し、カプラ103はプリズム307に対応し、ETフィルタ104はETフィルタ308に対応し、PD105-1はPD309に対応し、PD105-2はPD306に対応し、SOA122はSOA303に対応し、ISO121はISO312に対応し、温度調整器106はペルチェ素子312に対応し、温度検出器107はサーミスタ310に対応する。
図18において、第2構成例のモジュールは、LD401、カプラ402、集光するためのレンズ405、410、412、PD407、409、プリズム406、ETフィルタ408、サーミスタ414、ペルチェ素子413、SOA411、ベース基板415、ISO416およびパッケージ417とを備えて構成される。
LD401およびカプラ402は、同一半導体基板上に一体形成され、LDアレイ部を構成する。また、LDアレイ部、レンズ405、410、412、PD407、409、プリズム406、ETフィルタ408、サーミスタ414およびSOA411は、ベース基板415上に配置され、ベース基板415は、ペルチェ素子413上に配置される。ペルチェ素子413は、LDアレイ部の温度および波長検出部の温度を調整する。波長検出部は、レンズ405、410、412、PD407、409、プリズム406、ETフィルタ408、サーミスタ414およびSOA411から構成される。そして、これら各素子は、パッケージ417内に収納される。
ここで、例えば、第2の実施形態と第2構成例とを対比すると、LD101はLD401に対応し、カプラ102はカプラ402に対応し、カプラ103はプリズム406に対応し、ETフィルタ104はETフィルタ408に対応し、PD105-1はPD409に対応し、PD105-2はPD407に対応し、SOA122はSOA411に対応し、ISO121はISO416に対応し、温度調整器106はペルチェ素子413に対応し、温度検出器107はサーミスタ414に対応する。
図19において、第3構成例のモジュールは、LD501、LD501のバックパワーを検出するPD502、カプラ503、505、SOA504、集光するためのレンズ506、PD509、510、プリズム507、ETフィルタ508、サーミスタ511、ペルチェ素子512、ISO513、ベース基板514およびパッケージ515とを備えて構成される。
LD501、カプラ503、505およびSOA504は、同一半導体基板上に一体形成され、LDアレイ部を構成する。また、LDアレイ部、PD502、LDアレイ部、レンズ506、PD510、509、プリズム507、ETフィルタ508およびサーミスタ511は、ベース基板514上に配置され、ベース基板514は、ペルチェ素子512上に配置される。そして、これら各素子は、パッケージ515内に収納される。
ここで、例えば、第2の実施形態と第3構成例とを対比すると、LD101はLD501に対応し、カプラ102はカプラ503に対応し、カプラ103はカプラ505およびプリズム507に対応し、ETフィルタ104はETフィルタ508に対応し、PD105-1はPD509に対応し、PD105-2はPD510に対応し、SOA122はSOA504に対応し、ISO121はISO513に対応し、温度調整器106はペルチェ素子512に対応し、温度検出器107はサーミスタ511に対応する。
図20において、第4構成例のモジュールは、LDアレイチップ601、集光するためのレンズ603、614、PD602、604、607、プリズム605、ETフィルタ606、サーミスタ608、609、ペルチェ素子612およびベース基板613とを備えて構成される。
LDアレイチップ601は、8個のLDとこのLDから射出されたレーザ光を合波するカプラとカプラからの出力光を増幅するSOAとを備え、これらが同一半導体基板上に一体形成されている。PD602は、LDアレイチップ602から射出されるバックレーザ光のバックパワーを受光する。そして、LDアレイチップ601、PD602、サーミスタ609およびレンズ603は、ベース基板613-1に配置され、ベース基板613-1は、ペルチェ素子612-1上に配置される。
そして、PD604、607、プリズム605、ETフィルタ606およびサーミスタ608は、ベース基板613-2は、ペルチェ素子612-2上に配置される。これら各ペルチェ素子612は、パッケージ600内に納められる。
また、LDアレイチップ601、PD602、604、607、サーミスタ608、609およびペルチェ素子612の各電極パッドは、パッケージ600に備えられた内外を電気的に接続するための各接続ピン611にワイヤボンディング(wire bonding)によってそれぞれ接続される。
さらに、例えば、第2の実施形態と第4構成例とを対比すると、LD101およびカプラ102はLDアレイチップ601に対応し、カプラ103はプリズム605に対応し、ETフィルタ104はETフィルタ606に対応し、PD105-1はPD607に対応し、PD105-2はPD604に対応し、温度調整器106はペルチェ素子612に対応し、温度検出器107はサーミスタ608、609に対応する。
11 光源
12 周期的フィルタ
13 光検出部
14 制御部
21 光増幅器
101 LD
104、153 ETフィルタ
105、154 PD
106、301 温度調整器
107、304 温度検出器
108 CPU
109、309 メモリ
122 SOA

Claims (8)

  1. 温度に応じて波長可変で複数の波長のうちいずれか1波長を発振可能なレーザを複数個備える光源と、
    前記光源から射出されたレーザ光が入射され、周期的な透過波長特性を持つ周期的フィルタと、
    前記光源の温度を調整する第1温度調整手段と、
    前記周期的フィルタの温度を調整する第2温度調整手段と、
    前記周期的フィルタから射出されたレーザ光が入射され、前記入射されたレーザ光の光強度を検出する光検出手段と、
    前記複数個のレーザのうちからいずれか1個のレーザを前記複数の波長のうちの所望の波長で発振させるとともに、前記発振させたレーザの発振可能な前記複数の波長ごとに設定される目標値を互いに共通の値にして且つ前記光検出手段の出力が共通の前記目標値になるように、前記発振させたレーザの立ち上げ時に前記第1温度調整手段による前記光源の温度の調整および前記第2温度調整手段による前記周期的フィルタの温度の調整を前記所望の波長に応じて制御して前記発振させたレーザの発振波長を制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする波長可変安定化レーザ。
  2. 前記共通の目標値は、前記透過波長特性における隣接する2極値間の中央付近に設けられること
    を特徴とする請求項1に記載の波長可変安定化レーザ。
  3. 前記制御手段は、前記1個のレーザを発振させる際に、前記所望の波長と前記所望の波長に最も近い前記透過波長特性の極値を与える波長との間の波長範囲であって、前記波長範囲のうちの前記透過波長特性における隣接する2極値間の中央付近の波長を含む方で発振させてから前記発振波長を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の波長可変安定化レーザ。
  4. 前記制御手段は、前記1個のレーザを発振させる際に、前記所望の波長に最も近い波長であって前記透過波長特性における隣接する2極値間の中央付近の波長で発振させてから前記発振波長を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の波長可変安定化レーザ。
  5. 外部に取り出されるべきレーザ光を増幅する光増幅手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載の波長可変安定化レーザ。
  6. 前記光増幅手段は、飽和領域で使用されること
    を特徴とする請求項5に記載の波長可変安定化レーザ。
  7. 前記レーザは、駆動電流に対しても波長可変の半導体レーザであり、
    前記制御手段は、前記1個のレーザの前記駆動電流を制御することによって前記発振波長を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の波長可変安定化レーザ。
  8. 前記レーザは、半導体レーザであり、
    前記制御手段は、前記1個のレーザを発振させる際には前記第1温度調整手段および前記第2温度調整手段を制御し、前記発振波長を制御する際には駆動電流を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の波長可変安定化レーザ。
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