JP5180428B2 - 走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置及びその方法並びに半導体パターンの形状評価装置 - Google Patents

走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置及びその方法並びに半導体パターンの形状評価装置 Download PDF

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Description

本発明は、試料上の任意の位置を測長走査型電子顕微鏡(Critical-Dimension Scanning Electron Microscope:CD−SEM)により撮像する際に用いられるアドレッシングポイントあるいはフォーカスポイントあるいはスティグマポイントあるいは測長ポイントの座標と前記座標における画像テンプレートあるいは撮像条件等が記載された撮像レシピを作成する走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置及びその方法並びに半導体パターンの形状評価装置(SEM装置)に関するものである。
半導体ウエハに形成された高精度の配線パターンの出来映えを測定して検査するのに従来から測長走査型電子顕微鏡(Critical-Dimension Scanning Electron Microscope:CD−SEM)等が広く用いられている。該CD−SEM等のSEM装置においては、検査を要する半導体パターン上の危険ポイントを測長ポイントとしてSEMにより観察し、その観察画像からパターンの配線幅などの各種寸法値を計測し、これらの寸法値を監視することによってプロセス変動を検出している。
このような検査をするためには、撮像レシピ(撮像ポイントの座標、撮像条件及び各撮像ポイントの画像テンプレート等)を作成する必要がある。
該SEM装置用の撮像レシピ作成に関する技術としては、特開2002−328015号公報(特許文献1)が知られている。
特許文献1には、CADデータ等の半導体ウエハの設計情報を格納し、該設計情報に基づいて半導体ウエハの検査すべき領域を含む撮影/検査条件を設定するナビゲーションシステムと、該設定された撮影/検査条件に従って実際に半導体ウエハの撮影を行い、検査を実行する走査型電子顕微鏡システムとから構成された半導体検査システムが記載されている。このシステムは、CADデータからアドレシングポイント(AP)の位置を検出し、同位置のCADデータをテンプレートとして登録し、次にAPにおけるSEM画像を取得し、該SEM画像と登録済みのAPにおけるCADテンプレートのマッチングを行い、該CADテンプレートの位置に対応するSEM画像をテンプレートして再登録し、以降再登録したSEMテンプレートを使用する機能を有することも記載されている。
特開2002−328015号公報 特開2000−348658号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている半導体検査システムでは、CADデータから作成された線画像(例えばレジストのマスクの境界のみがエッジとして描かれた画像)を用いて撮像ポイントを手動、あるいは自動で決定するため、CADデータから作成された線画像と実際のSEM画像との間において見た目の乖離が大きく、適切な撮像ポイントが選択できないという課題があった。
(1)また、撮像レシピの作成は、例えばどの様なパターンをAPとして選択するとアドレッシングが成功するかといったオペレータの知見を必要とするものであり、自動レシピ作成においては上記知見をシステム内部においてどのようにルール化するかが課題となる。
(2)また、上記撮像レシピは一度作成すればよいというものではなく、設定すべきAP、FP、SP、BP、EPは撮像対象(プロセスルールや製造工程の違い)、あるいは撮像条件等によって変化する可能性がある。そのため、上記撮像対象や撮像条件の変化に対しどのように迅速に撮像レシピを書き変えて対応するかが課題となる。
(3)さらに上述のような自動レシピ作成を行うシステムを構築した後、上記システムにおける任意の選択ルールにより生成した撮像レシピの良し悪しをどのように判断するか、あるいは上記選択ルールの良し悪しをどのように判断するかが課題となり、また良好でない場合にどのように修正するかが課題となる。
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、SEM装置等において、撮像レシピを自動作成するための選択ルールを教示により最適化できるようにした撮像レシピ作成装置及びその方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記最適化された撮像レシピを用いてSEM装置等により、多数の検査箇所を高速かつ正確に計測することが可能となり、半導体デバイスの特性や製造プロセスの状態を推定し、プロセスへフィードバックすることを可能とした半導体パターンの形状評価装置及びその方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、走査型電子顕微鏡を用いて半導体パターンをSEM観察するための撮像シーケンスを規定する撮像レシピを作成する装置において、撮像レシピ生成アルゴリズムを記憶する記憶手段と、前記半導体パターンのレイアウト情報を入力して記憶するレイアウト情報入力手段と、半導体パターンをSEM観察するための撮像シーケンスにおける複数の撮像ポイントを選択する選択ルールを教示するための学習データ教示手段と、該学習データ教示手段で教示された前記選択ルールに基いて前記レイアウト情報入力手段に入力されたレイアウト情報から前記撮像シーケンスにおける複数の撮像ポイントを選択する選択ルールを最適化する選択ルール最適化手段と、該選択ルール最適化手段で最適化された選択ルールを含む撮像レシピを前記記憶手段に記憶させておいた撮像レシピ生成アルゴリズムに基づいて生成する撮像レシピ生成手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記半導体パターンのレイアウト情報は、走査型電子顕微鏡を用いて撮像した画像、又は前記半導体パターンの設計情報が記述されたCADデータ、又は前記半導体パターンの設計情報が記述されたCADデータを画像データに変換したCAD画像であることを特徴とする。
また、本発明は、前記撮像レシピは、撮像ポイントの座標と、該座標における画像テンプレート及び/又は撮像条件とが含まれることを特徴とする。
また、本発明は、前記最適化された選択ルールは、複数の選択要素指標を組み合わせて構成された選択指標であることを特徴とする。また、本発明は、前記最適化された選択ルールは、複数の選択要素指標を重みを用いた線形結合によって形成された選択指標であることを特徴とする。
また、本発明は、前記選択要素指標には、パターンの複雑さ、パターンの特異性、パターン形状の変化方向、パターンの粗密度、パターンの変形し易さ、CAD画像とSEM画像とのマッチング特性、パターン寸法、設計マージン、及び光近接効果補正の微細度や複雑度の内の一つ又は複数又は全てが含まれることを特徴とする。
また、本発明は、前記データベースには、更に前記撮像レシピ、撮像対象、撮像条件、及び前記選択ルール内の一つ又は複数又は全てを保存し、複数台の走査型電子顕微鏡において共有することを特徴とする。
また、本発明は、前記データベースには、更に前記撮像レシピ、撮像対象、撮像条件、及び前記選択指標の内の一つ又は複数又は全てを保存し、前記撮像レシピ作成部における前記教示に用いることを特徴とする。
また、本発明は、前記撮像レシピ生成手段において、前記撮像レシピである撮像ポイントの候補座標、又は前記選択ルールである前記選択指標の分布若しくは前記選択要素指標の分布若しくは前記選択要素指標間の重みを、GUI上に表示又はファイル出力することを特徴とする。
また、本発明は、低倍視野でのウエハ上のパターンのレイアウト情報を基に撮像レシピを作成することを特徴とする自動撮像レシピ作成装置及びその方法である。前記低倍視野でのウエハ上のパターンのレイアウト情報が得られる入力情報としては、低倍視野におけるSEM画像あるいはCADデータあるいは前記CADデータを画像データに変換したCAD画像が挙げられるが、以後これらを総称して低倍像と呼ぶ。
本発明においては撮像レシピの自動作成、具体的にはAP、FP、SP、BP、EPの一つ又は複数又は全てを含む撮像ポイントを選択する選択ルールを教示により最適化することを特徴とする。前記教示方法として、ユーザが低倍像上で任意に撮像ポイントを指定する、あるいは過去において選択された撮像ポイントおよび過去に作成された選択ルールの学習パラメータ(後述する選択要素指標間の重み情報等)をデータベースに保存し、所望のテンプレート選定に適当なデータセットを前記データベースから参照して教示を行うことを特徴とする。前記教示により撮像対象や撮像条件の変化に対し迅速に撮像レシピを書き変えて対応することが可能となる。具体的に前記データベースに保存する情報には、撮像レシピの情報、あるいは低倍像(CADデータあるいはSEMデータ)、あるいは観察された撮像ポイントの位置およびテンプレート、あるいは撮像対象(製造工程を含む)、あるいは撮像条件、学習パラメータの一部又は全てを含む。前記データベースを複数のSEM装置間で共有することにより、学習サンプル(低倍像と撮像ポイントとの組み合わせ)を早期に蓄積することができる。さらに作成した撮像レシピを前記データベースあるいはレシピサーバ等を用いて複数のSEM装置において共有することができる。
また、前記選択ルールは、複数の選択要素指標によって設定されることを特徴とする。これらの選択要素指標を、例えば線形結合により一つの選択指標を作成し(線形結合時の係数を以後、重みと呼ぶ)、前記選択指標を低倍像内の任意の領域から算出することにより、前記領域が撮像ポイントとして適しているか否かを判定することができる。また、前述の選択要素指標間の重みは教示により決定することも、ユーザが任意に設定することも可能である。また、前記選択指標を前述のような複数の選択要素指標から選択的に抽出し構成する構造とすることにより、例えばAP、FP、SP、BP、EP等の撮像ポイントの違い、あるいは撮像対象や撮像条件の変化、あるいは想定外の新規テンプレート選択基準の発見により、新たな選択要素指標が必要になった場合、あるいは任意の選択要素指標が不要となった場合など、前記選択要素指標の追加、あるいは削除、あるいは新規選択要素指標の追加を容易に行うことができる。例えば新たな選択要素指標を追加する場合、前記新たな選択要素指標の算出部分のみ追加すれば、システム全体の枠組みは変更せずに容易に追加することができる。
前述の自動レシピ作成装置及びその方法において、選択された撮像ポイントの良し悪しを判定するため、一つ又は複数のテンプレート候補の位置をCAD画像あるいはSEM画像に重ね合わせてGUI(Graphic User Interface)上に表示することを特徴する。また、前記選択ルールの良し悪しを判定するため、選択指標あるいは選択要素指標の分布あるいは学習された前記選択要素指標間の重みをGUI上に表示することを特徴する。また、このようなGUI表示により、前記の選択要素指標間の重みをユーザが任意に設定したり、あるいは過去に学習した重みと比較したり、あるいはオペレータの撮像レシピ作成の知見を可視化・明示化することが可能となる。
本発明によれば、撮像レシピを自動作成するための選択ルールは、教示あるいは重み調整といった処理により容易に作成することが可能であり、プロセスの変化や、撮像する工程、撮像条件等の変化に対し迅速に対応することが可能となる。
本発明に係る撮像レシピ作成機能を備えたSEM装置(測長走査型電子顕微鏡(Critical-Dimension Scanning Electron Microscope:CD−SEM)などの走査型電子顕微鏡を用いた半導体パターンの形状評価装置)の実施の形態について図1〜図12を用いて説明する。
ところで、LSIの微細化・高密度化に伴う設計マージンの減少等により、半導体パターンの寸法管理を行う必要がある検査箇所が格段に増加しつつあり、寸法管理ツールとして用いられるSEM装置等のスループット向上ならびに自動化率向上が強く求められている。
そこで、SEM装置等を用いて、検査を要する半導体パターン上の危険ポイントを測長ポイントとしてSEM等により観察し、その観察画像からパターンの配線幅などの各種寸法値を計測してパターン形状の評価を行うためには、アドレッシングポイント、フォーカスポイント、スティグマポイント、ブライトネス・コントラストポイント又は測長ポイントの一部又は全てを含む撮像ポイントの座標と撮像条件(撮像倍率や画質(レイヤー、電子線のドーズ量、フォーカス、非点収差等)等)とを決定し、各撮像ポイントにおける画像テンプレートを登録する必要がある。これら撮像ポイントの座標、撮像条件及び画像テンプレートの情報を含めて撮像レシピと呼ぶ。
本発明は、SEM装置等において、撮像ポイントを選択するための選択ルールを教示により最適化できるようにした撮像レシピ作成装置及びその方法である。その結果、多数の検査箇所を高速かつ正確に計測することが可能となり、半導体デバイスの特性や製造プロセスの状態を推定し、プロセスへフィードバックすることが可能となる。
1:SEM装置
1.1:SEM装置構成
図1は、本発明において試料の二次電子像(Secondary Electron:SE像)あるいは反射電子像(Backscattered Electron:BSE像)を取得する走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)の構成概要のブロックを示す。また、SE像とBSE像を総称してSEM画像と呼ぶ。また、ここで取得される画像は測定対象を垂直方向から観察したトップダウン画像、あるいは任意の傾斜角方向から観察したチルト画像の一部または全てを含む。
電子光学系102は、電子線(一次電子)104を発生する電子銃103と、該電子銃103から発生した電子線104を収束させるコンデンサレンズ105と、収束された電子線104を偏向させる偏向器106と、二次電子を検出するためのExB偏向器107と、収束された電子線を試料(半導体ウエハ)101上に結像させる対物レンズ108とを備えて構成される。試料101は、XYステージ117上に載置される。その結果、偏向器106および対物レンズ108は、ステージ117上に載置された試料101上の任意の位置において電子線が焦点を結んで照射されるように、電子線の照射位置と絞りとを制御する。ところで、XYステージ117は試料101を移動させ、該試料の任意位置の画像撮像を可能にしている。そのため、XYステージ117により観察位置を変更することをステージシフト、偏向器106により電子線を偏向して観察位置を変更することをビームシフトと呼ぶ。
一方、電子線を照射された半導体ウエハ101からは、2次電子と反射電子が放出され、2次電子は2次電子検出器109により検出される。一方、反射電子は反射電子検出器110,111により検出される。反射電子検出器110と111とは互いに異なる方向に設置されている。2次電子検出器109および反射電子検出器110、111で検出された2次電子および反射電子はA/D変換機112、113、114でデジタル信号に変換され、処理・制御部115に入力されて画像メモリ1152に格納され、CPU1151で目的に応じた画像処理(例えば図3に示す処理が実行されてパターンの配線幅などの各種寸法値を計測し、これらの寸法値を監視することによってプロセス変動を検出している。)を行って半導体パターンの寸法等を含む形状評価が行われる。なお、処理・制御部115(図5に示す802、808又は809)は、光学顕微鏡(図示せず)等でウエハ101上のグローバルアライメントマークを観察することによりウエハ101の原点ずれやウエハの回転を補正するグローバルアライメント制御も含めてステージ117の位置及び移動を制御するステージコントローラ119と、偏向器106を制御して電子線のビームシフト(ビーム偏向)を制御する偏向制御部120と、対物レンズ108を制御してフォーカス制御するフォーカス制御部121とに接続される。さらに、処理・制御部115(802、808又は809)は、入力手段を備えたディスプレイ116と接続してユーザに対して画像等を表示するGUI(Graphic User Interface)等の機能を有することになる。
図2は半導体ウエハ上に電子線を走査して照射した際、半導体ウエハ上から放出される電子の信号量を画像化する方法を示す。電子線は、例えば図2(a)に示すようにx、y方向に201〜203又は204〜206のように走査して照射される。電子線の偏向方向を変更することによって走査方向を変化させることが可能である。x方向に走査された電子線201〜203が照射された半導体ウエハ上の場所をそれぞれG〜Gで示している。同様にy方向に走査された電子線204〜206が照射された半導体ウエハ上の場所をそれぞれG〜Gで示している。上記G〜Gにおいて放出された電子の信号量は、それぞれ図2(b)内に示した画像209における画素H〜Hの明度値になる(G、Hにおける右下の添え字1〜6は互いに対応する)。208は画像I上のx、y方向を示す座標系(Ix,Iy)である。
図1中の115はコンピュータシステムであり、図4に示す画像処理・レシピ作成演算装置806又は809で作成された撮像レシピを基にAP(アドレッシングポイント)あるいはFP(フォーカスポイント)あるいはSP(スティグマポイント)あるいはBP(ブライトネス・コントラストポイント)あるいはEP(測長ポイント)を撮像するため、ステージコントローラ119や偏向制御部120に対して制御信号を送り、さらに半導体ウエハ101上の観察画像に対し各種画像処理を行う等の処理及び制御を行って半導体パターンの寸法等の形状の評価が行われる。また、処理・制御部115は入力手段を有するディスプレイ116と接続されており、ユーザに対して画像等を表示するGUI(Graphic User Interface)を備える。117はXYステージであり、半導体ウエハ101を移動させ、上記半導体ウエハの任意の位置の画像撮像を可能にしている。なお、XYステージ117により観察位置を変更することをステージシフト、偏向器106により電子線を偏向することにより観察位置を変更することをビームシフトと呼ぶ。
図1では反射電子像の検出器を2つ備えた実施例を示したが、上記反射電子像の検出器の数を減らすことも、あるいは増やすことも可能である。また、前述したコンピュータシステム115における処理及び制御の一部又は全てを異なる複数台の処理端末に割り振って処理及び制御することも可能である。
図1に示す装置を用いて測定対象を任意の傾斜角方向から観察したチルト画像を得る方法としては(1)電子光学系より照射する電子線を偏向し、電子線の照射角度を傾斜させて傾斜画像を撮像する方式(例えば特開2000−348658号)、(2)半導体ウエハを移動させるステージ117自体を傾斜させる方式(図1においてはチルト角118でステージが傾斜している)、(3)電子光学系自体を機械的に傾斜させる方式等がある。
1.2:SEM撮像シーケンス
図3は任意の測長ポイント(以降、EPと呼ぶ)を観察するための撮像シーケンスを示す。該撮像シーケンスにおける撮像箇所ならびに撮像条件(撮像倍率や画質(電子線のドーズ量、フォーカス条件、非点収差補正等)等)、さらにEPにおける測長条件は撮像レシピとして図5に示す画像処理・レシピ作成演算装置806又は809で作成されて例えば記憶装置(データベース)123(805、804又は803)に記憶されて管理される。
まず、試料である半導体ウエハ101をSEM装置のステージ117上に取り付ける(S31)。次に、光学顕微鏡(図示せず)等でウエハ上のグローバルアライメントマークを観察することにより、処理・制御部115(802、808又は809)は試料の原点ずれや回転ずれを算出し、これらのずれ量を基にステージコントローラ119を介してステージ117を制御することによって補正する(S32)。次に、処理・制御部115(802、808又は809)は、ステージ117を移動して、画像処理・レシピ作成演算装置806又は809で作成された撮像ポイント(AP)の座標及び撮像条件に従って撮像位置をアドレッシングポイント(AP)に移動してEP(測長ポイント)時よりも低倍の撮像条件で撮像する(S33)。
ここでAPについて説明を加えておく。直接EPを観測しようとした場合、ステージの位置決め精度等の理由により観察箇所がずれてしまう問題を解決するため、一旦位置決め用として予め例えば記憶装置123(805、804又は803)に登録された座標が既知であるAPを一旦観察し、処理・制御部115(802、808又は809)は予め画像処理・レシピ作成演算装置806又は809で作成されて例えば記憶装置123(805、804又は803)に登録されたAPにおける画像テンプレートと上記観察したAPのSEM画像とのマッチングを行うことによって画像テンプレートの中心座標と実際にAPを観測した際の中心座標とのずれベクトルを検出する。次に、処理・制御部115(802、808又は809)は、画像テンプレートの座標とEPの座標との相対ベクトルから上記検出されたずれベクトルを差し引いた分だけ、偏向制御部120を介して偏向器106を制御してビームシフトにより撮像位置を移動してEPを観察することにより、高い座標精度でEPを撮像することができることになる(一般的にビームシフトの位置決め精度はステージの位置決め精度よりも高い)。
そのため、画像処理・レシピ作成演算装置806又は809で作成されて例えば記憶装置123(805、804又は803)に登録されるAPは、(1)EPからビームシフトにより移動可能な距離に存在するパターンであり(かつEPにおけるコンタミネーションの発生を抑えるためAP撮像時の範囲(Field of view:FOV)にEP撮像時のFOVを含まないことを条件とする場合もある)、(2)APの撮像倍率はステージの位置決め精度を加味してEPの撮像倍率よりも低く、(3)パターン形状あるいは明度パターンが特徴的(マッチングが取り易い形状或いは明度を有するパターン)であり、登録された画像テンプレートと観察したSEM画像とのマッチングがとり易い等の条件を満たしていることが望ましい。後述するように本発明によれば、システム内部(例えば画像処理・レシピ作成演算装置806又は809)において、前述の条件を評価し、自動で良好なAPの選択を行うことが可能となる。
登録するAPにおける画像テンプレートはCAD画像、あるいはSEM画像、あるいは特開2002−328015号公報に開示されているように画像テンプレートの登録のためだけに撮像を行うのを避けるため、一旦例えば記憶装置123(805、804又は803)にCADテンプレートで登録しておき、実際の撮像時に得たAPのSEM画像を画像テンプレートとして再登録する等のバリエーションが考えられる。
次に、処理・制御部115(802、808又は809)の制御及び処理に基づいてビームシフトにより撮像位置をフォーカスポイント(FP)に移動して撮像してオートフォーカスのパラメータを求め、該求められたパラメータに基づいてオートフォーカスを行う(S34)。ここでFPについて説明を加えておく。撮像時には鮮明な画像を取得するためオートフォーカスを行うが、試料101に電子線を長く照射すると汚染物質が試料に付着してしまう(コンタミネーション)。そこで、EPにおけるコンタミネーションの付着を抑えるため、処理・制御部115(802、808又は809)は、一旦EP近くの座標をFPとして観察し、オートフォーカスのパラメータを求めてから上記パラメータを基にEPを観測するという方法がとられる。そのため、例えば記憶装置123(805、804又は803)に登録されるFPは、(1)AP、EPからビームシフトにより移動可能な距離に存在するパターンであり、かつFP撮像時のFOVにAP、EP撮像時のFOVは含まれない、(2)FPの撮像倍率はEPの撮像倍率と同程度である、(3)オートフォーカスをかけ易いパターン形状をもつ(フォーカスずれに起因する像のぼけを検出し易い)等の条件を満たしていることが望ましい。本発明によれば、システム内部(例えば画像処理・レシピ作成演算装置806又は809)において、FP選択についてもAPと同様、前述の条件を評価し、自動で良好な撮像ポイント(FP)の選択を行うことが可能となる。
次に、処理・制御部115(802、808又は809)の制御及び処理に基づいて、ビームシフトにより撮像位置をスティグマポイント(SP)に移動して撮像して非点収差補正のパラメータを求め、該求められたパラメータに基づいて自動非点収差補正(オートスティグマ補正)を行う(S35)。
ここでSPについて説明を加えておく。撮像時には歪みのない画像を取得するため非点収差補正を行うが、AFと同様、試料に電子線を長く照射すると汚染物質が試料に付着してしまう。そこで、EPにおけるコンタミネーションの付着を抑えるため、処理・制御部115(802、808又は809)は、一旦EP近くの座標をSPとして観察し、非点収差補正のパラメータを求めてから上記パラメータを基にEPを観測するという方法がとられる。そのため、記憶装置123(805、804又は803)に登録されるSPは、(1)AP、EPからビームシフトにより移動可能な距離に存在するパターンであり、かつSP撮像時のFOVにAP、EP撮像時のFOVは含まれない、(2)SPの撮像倍率はEPの撮像倍率と同程度である、(3)非点収差補正をかけ易いパターン形状をもつ(非点収差に起因する像のぼけを検出し易い)等の条件を満たしていることが望ましい。本発明によれば、システム内部(例えば画像処理・レシピ作成演算装置806又は809)において、SP選択についてもAPと同様、前述の条件を評価し、自動で良好な撮像ポイントの選択を行うことが可能となる。
次に,処理・制御部115の制御及び処理に基づいて、ビームシフトにより撮像位置をブライトネス&コントラストポイント(以降,BPと呼ぶ)に移動して撮像してブライトネス&コントラスト調整のパラメータを求め、該求められたパラメータに基づいて自動ブライトネス&コントラスト調整を行う(S36)。
ここでBPについて説明を加えておく。撮像時には適切な明度値及びコントラストをもつ鮮明な画像を取得するため、例えば二次電子検出器109におけるフォトマル(光電子増倍管)の電圧値等のパラメータを調整することよって、例えば画像信号の最も高い部分と最も低い部分とがフルコントラストあるいはそれに近いコントラストになるように設定するが、AFと同様,試料に電子線を長く照射すると汚染物質が試料に付着してしまう。そこで、EPにおけるコンタミネーションの付着を抑えるため、処理・制御部115(802、808又は809)は一旦EP近くの座標をBPとして観察し、ブライトネス&コントラスト調整のパラメータを求めてから前記パラメータを基にEPを観測するという方法がとられる。そのため、記憶装置123(805、804又は803)に登録されるBPは、(1)AP、EPからビームシフトにより移動可能な距離に存在するパターンであり、かつSP撮像時のFOVにAP,EP撮像時のFOVは含まれない、(2)SPの撮像倍率はEPの撮像倍率と同程度である、(3)BPにおいて調整したパラメータを用いて測長ポイントにおいて撮像した画像のブライトネスやコントラストが良好であるために、BPは前記測長ポイントにおけるパターンに類似したパターンである等の条件を満たしていることが望ましい。本発明によれば、システム内部(例えば画像処理・レシピ生成演算装置806又は809)において、BP選択についても、APと同様、前述の条件を評価し、自動で良好な撮像ポイントの選択を行うことが可能である。
なお、前述したステップS34、S35、S36におけるオートフォーカス、オートスティグマ、オートブライトネス・コントラストは場合によって、一部あるいは全てが省略される、あるいはS34,S35,S36の順番が任意に入れ替わる、あるいはFP、SP、BPの座標で重複するものがある(例えばオートフォーカス、オートスティグマを同一箇所で行う)等のバリエーションがある。
最後に、処理・制御部115(802、808又は809)の制御及び処理に基づいてビームシフトにより撮像位置を測長ポイント(EP)に移動して撮像し、設定した測長条件でパターンの測長を行って半導体パターンの形状評価を行う(S37)。
以上説明したように、撮像ポイントとしては、AP,FP,SP,BP,EPの一つ又は複数又は全てが考えられる。
図4には、低倍像400上におけるAP402、FP403、SP404、BP405、EP401のテンプレート位置の一実施例を点線枠で図示する。
記憶装置123(805、804、803)に登録するAPにおける画像テンプレートはCAD画像、あるいはSEM画像、あるいは特開2002−328015号公報に開示されているように画像テンプレートの登録のためだけに撮像を行うのを避けるため、一旦CADテンプレートで登録しておき、実際の撮像時に得たAPのSEM画像を画像テンプレートとして再登録する等のバリエーションが考えられる。
2:システム構成(データベース管理、共有)
本発明に係るシステムの構成のいくつかの実施の形態を図5(a)〜(c)を用いて説明する。
まず、図5(a)において、801は図1に示すSEM装置、802は該SEM装置を制御するSEM制御装置(処理・制御部115の制御機能を有する。)、803は画像処理・レシピ作成演算装置806で作成された撮像レシピが登録されたレシピサーバ、804はデータベースサーバ、806は画像処理・レシピ作成演算装置であり、これらはネットワークを介して情報の送受信が可能である。データベースサーバ804にはストレージが取り付けられており前述した過去データを保存することが可能である。
図5(b)は図5(a)に対して図1に示す測長SEM装置807ならびにSEM制御装置(処理・制御部115の制御機能を有する。)808がもう一組ネットワークに追加された構成になっている。本発明においては、複数台(二台以上を含む)のSEM装置801、807において撮像レシピをレシピサーバ803あるいはデータベースサーバ804により共有することが可能であり、画像処理・レシピ作成演算装置806での一回の撮像レシピ作成によって上記複数台のSEM装置801、807を稼動させることができる。また複数台のSEM装置801、807でデータベース805を共有することにより、教示に活用できる学習サンプルの蓄積も早い。
図5(c)は図5(a)(b)におけるSEM制御装置やサーバ等の802〜804、806を一つの装置809に統合したものである。本実施の形態のように任意の機能を任意の複数台の装置に分割、あるいは統合して処理させることが可能である。
なお、画像処理・レシピ作成演算装置806又は809は、入力手段を備えたディスプレイ(図示せず)と接続してユーザに対して画像等を表示する図7、図9〜図12に示すGUI等の機能を有することになる。
3:画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)における撮像レシピ自動作成
本発明に係る画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)806又は809における自動レシピ作成方法においては、低倍視野でのウエハ上のパターンのレイアウト情報を基に撮像レシピを作成する。上記低倍視野でのウエハ上のパターンのレイアウト情報が得られる入力情報としては、低倍視野におけるSEM画像、あるいはCADデータ、あるいは上記CADデータを画像データに変換したCAD画像が挙げられるが、以後これらを総称して低倍像と呼ぶ(前述した図4の低倍像400に相当)。低倍像としてCADデータを用い、CADデータから撮像ポイントの決定および同位置のCADデータをテンプレートとして登録した場合は、テンプレート作成の目的のみでウエハを撮像する必要がなく、SEMの稼働率向上が可能となる。次に、画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)806又は809において、例えばデータベース805に入力されて登録された入力情報としての低倍像を基に、撮像ポイント(AP、FP、SP、BP、EPの一部または全てを含む)の選択を自動で行うための選択エンジンについて述べる。
3.1:選択エンジン(選択要素指標と選択指標)
図6(a)に上記選択エンジンの構造の一実施例を示す。選択エンジン502(806又は809)は、低倍像501を入力とし、撮像ポイント504をGUI等に出力する。次に、選択エンジン502の撮像ポイント選択方法の一実施例について説明する。選択エンジン502内には入力した低倍像501の任意の領域に対し、撮像ポイントとして相応しいかを判定する指標値(以降、選択指標と呼ぶ。図6中のテンプレート選択指標503に相当)をもつ。図6(b)に示すように、低倍像501内において任意の領域サイズをもつ領域506を任意のステップでxy座標系505に対してx、y方向に走査し、各場所において上記選択指標値を算出する。その結果、低倍像内における上記選択指標値の分布507が得られ、例えばその最大値が得られたポイント508を撮像ポイントとして選択する。
前述の説明では低倍像全体に対し選択指標値を算出し、その最大値を選択ポイントとしたが、選択ポイントの種類によっては選択する領域に任意の制約条件を設けることが可能である。例えば選択ポイントとしてAPを考えた場合、APとEPはテンプレートの領域が重複せず、かつAPとEPはビームシフトで移動できる範囲内に存在するといったような制約条件である。
具体的に図6(b)を用いて説明すると、EPの場所が既に同図中の点線枠509で示した場所と決まっており、またEP509からビームシフトにより移動できる範囲が点線枠510である場合、APの探索範囲は領域510から領域509を差し引いた領域内に設定する。
また、ここではテンプレートサイズを既知として撮像ポイントの座標の自動選択方法を示したが、例えば上記テンプレートサイズを変えながら、上記選択指標値を算出し、例えば上記選択指標値が最大となるテンプレートサイズを求めることにより、テンプレートサイズも自動選択可能となる。上記テンプレートサイズの変更範囲についても、必要に応じて制約条件を設けることができる。
次に、上記選択指標について説明する。前述のように撮像ポイントとして相応しいかを判定する選択指標値はいくつか考えられるが、本発明における上記選択指標値は撮像ポイントを選択する上で考慮すべきいくつかの選択基準を組み合わせて複合的な選択基準をもつ指標値であることを特徴とする。上記「撮像ポイントを選択する上で考慮すべきいくつかの選択基準」を数値化したものを選択要素指標値と呼び、上記「複合的な選択基準」を選択指標と呼ぶ。例えば「任意の傾向が強い、弱い」「任意のパターンが含まれている、いない」といった定量的な表現が難しい指標、または連続的な数値として表現しにくい指標も存在するが、符号化等の手段により上記数値化した選択要素指標値と同様に扱うことができるため、以後まとめて議論する。
上記選択要素指標値における選択基準(選択ルール)は、選択ポイント、撮像対象、撮像条件(撮像倍率や画質(電子線ドーズ量、フォーカス、非点収差等)等)、装置(SEM装置、測長SEM装置等)によって適したものが異なるが、例えばAPであれば、パターンの複雑さ、あるいはパターンの特異性、あるいはパターン形状の変化方向(例えばx、y方向に形状の変化をもっているか等)、あるいはパターンの粗密度、あるいはパターンの変形し易さ(例えば露光・現像プロセスにおいて生成されたパターンと設計データのパターンとの乖離が製造条件の変化に対して変化し易いか否か)、あるいはマッチング特性(CAD画像とSEM画像とのマッチングにおいて位置ずれが生じ易いか否かあるいは安定したマッチング結果が得られるか否か)といった選択要素指標が挙げられ、EPであれば、パターンの複雑さ、パターンの変形し易さ、あるいはパターン寸法(線幅あるいはパターン間の距離あるいは上層・下層のコンタクトホールとの位置関係等の寸法値)、設計マージン(パターンの変形・位置ずれ等のばらつきに対するデバイス特性の耐性を示す指標)、光近接効果補正(Optical Proximity Correction:OPC)の微細度や複雑度といった選択要素指標が挙げられる。
複数の上記選択要素指標を組み合わせて一つの選択指標を求める手段はいくつか考えられるが、ここでは上記選択要素指標の線形結合により、一つの選択指標を生成する(線形結合時の係数wを以後、重みと呼ぶ)。
(選択指標)=Σw*(n番目の選択要素指標) (n=1、2、・・・、N)
例として図6(a)中の選択指標503は重みw、w、w、・・・を用いて選択要素指標(複雑さ、特異性、変化方向、・・・)を線形結合して生成している。上記重みwは、各選択要素指標を選択指標に反映させる度合いを決定するパラメータであり、任意に調整することが可能である。
3.2:選択エンジンの学習
前述の選択エンジン502においては、予め選択指標(前述の例において具体的には選択要素指標とその重みw)を設定しなければならず、更に設定後の選択エンジンの処理により出力された撮像ポイントの結果が誤っていた場合、上記設定を修正せねばならない。しかしながら、上記設定は一般的に容易でない場合も多く、また選択要素指標や重みに関する知識を要する作業である。
そこで、本発明においては、教示に基づき上記重みを学習し最適化することを特徴とする。また、選択要素指標の選択に関しては、上記教示による重みの最適化により実現することもできるが(すなわち、必要ない選択要素指標の重みは0になる)、前述のように、AP選択ならばこれらの選択要素指標が有効そうである、あるいはEP選択ならばこれらの選択要素指標が有効そうである、といったある程度の予備知識がある場合は、用途に応じて予め有効そうな選択要素指標を抽出した後、上記選択要素指標の重みを教示により最適化する方法が有効である(決定を要するパラメータ数(ここでは重みの数)が少ない程、一般に学習サンプル数も少なくて済み、学習が容易となるため)。
図7は学習により選択指標が変化する様子を模式的に示したものである。
図7(a)を用いて例えばAP選択ルールの学習について説明する。
まず、低倍像601と対でAPの位置(選択ポイントの教示位置)604を教示する。教示位置604は、同図のように一つのAPの位置で与えてもよいし、あるいは複数のAP候補がある場合は複数の教示位置を指定してもよいし、あるいは領域で指定してもよい。以降、これらをまとめて教示領域と呼ぶ。選択エンジン602内においては、APの教示領域604において選択指標が高くなるように選択指標606内の重みt、t、t、・・・を学習する。学習方法の実施例として、まず各選択要素指標値の分布を算出する。重みを与えれば選択指標の分布が一意に決まるため、重みの与え方を変えて最も教示領域の上記選択指標値がそれ以外の領域の選択指標値よりも大きくなる重みを求める。その結果、学習後の選択指標によるAPの選択結果は領域(選択ポイントの出力位置)608のようになる(教示した領域と全く同じ領域ではないが、類似したパターンが選ばれる傾向となることが期待できる)。
また、APの教示領域として領域(選択ポイントの教示位置)605(上記教示領域604とは異なる領域)を指定した場合は、同様に教示領域605において選択指標が高くなるように選択指標607内の重みu、u、u、・・・を学習することにより、学習後の選択指標では上記教示領域607に近い領域(選択ポイントの出力位置)609が選択されるようになる。
図7(b)を用いて例えばEP選択ルールの学習について説明する。図7(a)に示したAPの場合と学習方式に関しては同様であり、教示領域の与え方により、出力結果が変化する(教示領域(選択ポイントの教示位置)610、611に対し、ぞれぞれ、出力領域(選択ポイントの出力位置)614、615となる。)。ただし、EPに対し異なる点が二点ある。EP610、611は測長用に高倍で撮像するため、AP604、605に対しテンプレートサイズが小さいこと。また、選択要素指標が異なりうることの二点である。前述のように、選択要素指標の選択に関しては、上記教示による重みの最適化により実現することもできるが(すなわち、必要ない選択要素指標の重みは0になる)、図7において図示した実施例では予備知識によりAP選択においては複雑さ、特異性、変化方向、・・・が、EP選択においては複雑さ、変形し易さ、プロセスマージンが選択要素指標の候補として抽出されている。
図7に模式的に示すように選択指標は複数の選択要素指標603から選択的に抽出し構成する構造であるため、例えばAP、FP、SP、BP、EP等の探索テンプレートの違い、あるいは撮像対象、撮像条件(撮像倍率や画質等)の変化、あるいは想定外の新規テンプレート選択基準の出現により、新たな選択要素指標が必要になった場合、あるいは任意の選択要素指標が不要となった場合など、上記選択要素指標の追加、あるいは削除、あるいは新規選択要素指標の追加を容易に行うことができる。例えば新たな選択要素指標を追加する場合、上記新たな選択要素指標の算出部分のみ追加すれば、システム全体の枠組みは変更しなくても容易に組み込むことができる。
3.3:撮像レシピ自動作成の処理フロー
図8を用いて撮像レシピ自動作成の処理全体のフローの一実施例を説明する。
まず、画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)806又は809は、テンプレート選択エンジンの学習を行う(S85)。該選択エンジンの学習S85は撮像ポイント(AP、FP、SP、BP、EP)、あるいは撮像位置、あるいは撮像条件(撮像倍率(視野サイズ)、画質等)、あるいは撮像対象(製造工程を含む)毎に行うことが可能である。S85における学習方法にはいくつかのバリエーションが考えられ、次にいくつか列挙する。
(1)GUI上において、学習用の低倍像704(CADデータあるいはSEMデータ)を入力し、ステップS81において上記低倍像において選択すべき撮像ポイントをユーザが指定する。
(2)以前のSEM観察、あるいは学習により作成あるいは取得した、撮像レシピの情報、あるいは低倍像704(CADデータあるいはSEMデータ)、あるいは観察された撮像ポイントの位置およびテンプレート、あるいは撮像対象(製造工程を含む)、あるいは撮像条件、学習パラメータ(重み情報や抽出された選択要素指標の組み合わせ等)(以後、まとめて過去データと呼ぶ)をデータベース805に保存し、上記データベース805に保存された過去データの中から所望のテンプレート選択に適当なデータセットを上記データベースから参照してステップS85において学習する。データベース805に保存されている過去データは、ステップS86での学習以前にステップS83においてマニュアルで作成した撮像レシピ等の過去データを保存したもの、あるいは本発明における選択エンジンにより後述するステップS86、S89において選択された過去データの情報等が含まれる。すなわち過去にオペレータが作成してきた膨大な撮像レシピ等の過去データは、本システムの学習サンプルとして有効活用することができる。また、データベースの蓄積がない場合であっても、その時点から作成した過去データをデータベース805に保存していくことによって、教示に十分な過去データが蓄えられた時点で撮像レシピ生成の自動化が可能となるため、過去データの管理が有効である。
(3)データベース805に保存されている以前に学習された選択エンジンの学習パラメータ(重み情報や抽出された選択要素指標の組み合わせ等)を読み込み、上記学習パラメータを用いる、あるいはそれを学習あるいは修正の初期値として用いる。
次に、ステップS85において学習された選択エンジンを用いて、ステップS86において撮像ポイントの位置や撮像条件(テンプレートサイズ等)を決定する。ステップS86の結果をステップS87において吟味し、十分な結果が得られていないと判断した場合はステップS85に戻り再学習を繰り返す。一方、十分な結果が得られた場合は、学習ステップを終了し、運用ステップに移る。
運用ステップにおいては、取得された低倍像708(CADデータあるいはSEMデータ)からステップS89において自動で撮像ポイントを決定することが可能となる。ただし、ステップS91において再学習が必要とされないと判断された場合は運用が継続され(S92)、ステップS91において再学習が必要と判断された場合は、再び学習ステップS85へと戻る。
4.画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)におけるGUI
本発明に係る例えば画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)806又は809おける教示あるいは結果表示に関するGUIの一実施例について説明する。
図7(a)(b)において低倍像601に対し604、605、610、611で示したようなGUIからの撮像ポイントの教示方法にはいくつのバリエーションがある。次に代表的な教示方法を列挙する。
(1)図7中604、605、610、611のように、撮像ポイント(位置の他にサイズも指定可能)をGUIに設けられたキーボードによる数値入力あるいはマウス等で指定する。
(2)図9(a)中の低倍像901に対し、候補となる複数の撮像ポイント(選択ポイントの教示位置)902〜905をGUIに設けられたキーボード(入力手段)による数値入力あるいはマウス(入力手段)等で指定する。
(3)図9(b)中の低倍像901に対し、点線(撮像ポイント候補の境界線)906等で区切られた撮像ポイントの設定領域候補中からマウスポインタ(入力手段)907等で領域指定する。例えば同図では領域(選択ポイントの教示位置)908が選択されている。
(4)図9(c)中の低倍像901に対し、マウスポインタ(入力手段)909等で自由曲線を描画し、候補となる撮像ポイントの設定領域を例えば領域(選択ポイントの候補が含まれる教示領域)910、911のように指定する。領域は上記910、911のように断片化した複数領域を同時に指定してもよい。
なお、上記撮像ポイント指定の際には、上記撮像ポイントの指定可能範囲に関する制約条件を基に、例えば図6(b)509に示した設定不可領域(AP指定においてはEPの設定領域)や510に示した指定可能範囲(AP指定においてはEPよりビームシフトにより移動可能な範囲)を表示し、上記撮像ポイント指定をサポートする機能を有する。また、複数枚の低倍像において図9(a)〜(c)に示した教示を行い、上記複数枚の低倍像を用いて学習することにより、上記複数枚の低倍像において良好な選択エンジンとなるような汎用的な重みを学習させることが可能である。
学習時においては、例えば図12に示すGUIの選択エンジン学習用ウィンドウ1201を用いて上記選択要素指標の選択ならびに重みを学習させることができる。まず、プルダウンメニュー1202等を用いて撮像ポイントの種類(図ではAP)やテキストボックス1203等を用いてテンプレートサイズ(正方領域の場合、一辺の長さ)の値或いは範囲等を指定する。上記テンプレートサイズは、一つの値で指定することも、あるいは設定可能範囲で指定することも可能であり(例えば***nmから***nmの範囲)、後者の場合、学習により適切なテンプレートサイズを上記範囲内から決定する。
また、選択要素指標を選択或いは重みの学習結果を表示するウィンドウ1204内に列挙された複数の要素選択指標を例えば選択要素指標の使用可否を選択するチェックボックス(入力手段)1205を用いて選択する。学習開始ボタン1207を押すことにより、図9(a)〜(c)等のような教示方法により指定された教示領域を基に、チェックボックスにより選択された要素選択指標間の重みを学習する。図9(a)〜(c)のGUI901と図12のGUIの選択エンジン学習用ウィンドウ1201とは同一画面に表示可能である。ウィンドウ1204では一例として、複雑さ、特異性、粗密度、変形し易さの4つの選択要素指標が選択されているため、学習後、上記4つの選択要素指標について重みが学習され、例えば選択要素指標間の重みを表示するテキストボックス1206に表示される。上記4つの選択要素指標以外の選択要素指標の重みは0になる。ただし、上記4つの選択要素指標についても学習の結果重みが0になる場合がありうる(同図の例では、粗密度の重みは0になっている)。
また、上記撮像ポイントの種類を選択した時点で、テンプレートサイズの値又は設定可能範囲のデフォルト値、あるいはチェックボックスで選択すべき選択要素指標のデフォルト値を表示させる等の入力サポートが可能である。
本発明に係る例えば画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)806又は809における選択エンジンンにより算出された撮像ポイントの代表的な表示方法について説明する。図9(d)中の低倍像901に対し、算出された撮像ポイントの候補を選択ポイントの出力位置912〜914のように表示する。撮像ポイントの候補は指定により上位N個(Nは指定可。順位は選択指標値等を基に決定)表示することができる。また、オプションとして表示した各候補912〜914の順位および撮像ポイントとしての相応しさの選択指標値(上記選択指標値等)を912B〜914Bのように表示することができる(例えば912Bにおいては、順位1位、指標値0.90)。
選択エンジン及び上記選択エンジンの出力結果の妥当性検証、あるいは撮像ポイントが選択される傾向の解析を行うため、上記選択指標値、あるいは選択要素指標値、あるいは学習された選択要素指標間の重みをGUI上に表示あるいはそれらの数値をファイル出力することが可能である。図10に表示の一実施例を示す。各選択要素指標値の分布を1001〜1003に示す。図中では例として複雑さ、特異性、粗密度に関する選択要素指標値の分布を表示した(図中の・・・はその他にも任意の選択要素指標の表示がありうることを示している)。また選択指標を算出するための上記各選択要素指標値間の重みの値を1004〜1006に示し、また該重みの値1004〜1006の傾向を捉えるため図示したものが選択要素指標値間の重み表示1008である。1008は重み1004〜1006の値をグラフにまとめたものである。1008より、例えば本実施例においては「複雑さ」を重視し、「粗密度」に関しては軽視された選択ルールとなっていることが分かる。このような可視化によりオペレータの選択基準を明示的に示すことが可能となる。また、1007は選択要素指標の分布および重みから算出された選択指標の分布を示したものである。上記選択要素指標および選択指標の分布は図9(e)中の915のように等高線で表示することも可能である。また、低倍像901も重ねて表示することができる。
また、選択された撮像ポイントにおけるテンプレートを確認するため、図11のGUI1100に示すような低倍像と撮像ポイントとの同時観察が可能である。上記同時観察画面には、低倍像のCAD画像1101、あるいは上記CAD画像1101に対応する低倍像のSEM画像1102、1103、あるいは撮像ポイントの位置1107〜1109、あるいは撮像ポイントのCADテンプレート1110、1113、あるいは上記CADテンプレート1110、1113に対応するSEM画像1111、1112、1114、1115、あるいは上記低倍像1101やテンプレート1110等のウエハ1122上での位置1123の一部又は全ての同時表示が可能である。同図ではCADテンプレート画像が1110、1113のように複数表示されているが、このようにAPに関して複数のテンプレート候補を同時に表示することも、またAPとEPのような種類の異なるテンプレート候補を同時に表示することもできる。撮像レシピに登録する撮像ポイントも、上記撮像ポイントへのアドレッシングが失敗した場合に対処するため、複数点登録しておくことが考えられる。また、一つの低倍像のCAD画像(例えば1101)に対して複数の低倍像のSEM画像(例えば1102、1103)が表示されているが、これは例えば運用時において撮像レシピを用いて次々と上記撮像レシピに登録されたAP位置を撮像した際に得られたSEM画像群である。上記SEM画像群は、ステージ精度により撮像する毎に微小な位置ずれがある、あるいは撮像条件の違いによりSEM像でのパターンの見え方が異なる、あるいは製造プロセスに変化により撮像されたパターンの形状等に違いがある等の変化が発生する可能性があるため、上記SEM画像群を図11に示すようなGUI1100で観察する、あるいは撮像レシピに登録しておくことが有効である。すなわち一箇所の撮像ポイントにつき、複数枚の上記SEM画像群をテンプレートとして登録しておくことにより、上記SEM画像群中の任意のテンプレートで例えばアドレッシングが失敗した場合、上記SEM画像群中の他のテンプレートでアドレッシングを行うことによって処理が成功する可能性がある。
また、CAD画像ならびにSEM画像毎に撮像条件をそれぞれ1104〜1106、1116〜1121の様に表示することができる。上記撮像条件には視野サイズ、座標、製造工程、レイヤー番号の一部又は全てを含み、SEM画像の場合はそれに加え、SEM装置の撮像条件、撮像日時等を含む。
また、本発明で述べた撮像レシピ生成方法あるいは解析方法あるいは表示方法あるいはファイル管理方法はSEMのみならず、光学顕微鏡あるいは走査型プローブ顕微鏡(以降、SPM(Scanning Probe Microscope)と呼ぶ)等においても活用できる。すなわち、上記光学顕微鏡あるいはSPMにおいても、AP、EPの設定は必要となる場合があり、例えばSPMにおいては、前述までのSEM画像は、SPMにより取得される奥行き情報あるいは上記奥行き情報を画像に変換したものとなる(奥行きの値を画像の明度値として変換)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、次の(1)〜(7)のような作用効果を奏する。
(1)自動で撮像レシピを生成することが可能となる。
(2)撮像レシピを自動生成するための選択ルールは、教示あるいは重み調整といった処理により容易に作成することが可能であり、プロセスの変化や、撮像する工程、撮像条件等の変化に対し迅速に対応することができる。
(3)選択ルールにおける選択要素指標は容易に追加・削除が可能であり、現状のシステムでは表現しきれない新たな選択基準の要求に対しても前記システム全体の枠組みを変更せずに迅速に対応することができる。
(4)過去にオペレータが作成してきた膨大な撮像レシピ等の過去データをデータベースに蓄えることにより、前記過去データを本システムの学習サンプルとして有効活用することができる。
(5)GUI上に一つ又は複数のテンプレート候補の位置をCAD画像あるいはSEM画像に重ね合わせて表示することにより、前述の選択ルールにより選択された撮像ポイントの良し悪しを容易に判断することができる。
(6)複数のテンプレート候補の位置あるいは選択指標あるいは選択要素指標の分布を表示することにより、ユーザはテンプレートとして相応しい領域の傾向を把握することができ、選択結果や選択ルールの妥当性を評価できる。
(7)前記の選択要素指標間の重み表示することにより、オペレータの知見であるテンプレート選択基準を可視化、明示化することが可能となる。
本発明によれば、CD−SEM等のSEM装置に適用可能である。
本発明に係るSEM装置の一実施の形態を示す概略構成図である。 本発明に係るSEM装置における半導体ウエハ上から放出される電子の信号量を画像化する方法を示す図である。 本発明に係るSEM装置における撮像シーケンスの一実施の形態を示す図である。 本発明に係る低倍像において各撮像ポイントを示す図である。 本発明に係るSEMシステム構成の様々な実施の形態を示す図である。 本発明に係る撮像レシピ作成装置における撮像ポイント選択エンジンの構造の一実施例と選択指標値の分布の一実施例を示す図である。 本発明に係る撮像レシピ作成装置における撮像ポイント選択エンジン内の選択ルールの学習方法の一実施例を示す図である。 本発明に係る撮像レシピ自動作成の処理全体のフローの一実施例を示す図である。 本発明に係る撮像レシピ作成装置における撮像ポイントの選択エンジンへの教示方法の一実施例及び選択エンジンの出力結果を示す図である。 本発明に係る撮像ポイントを選択する選択ルールとしての選択指標値、選択要素指標値、選択要素指標値間の重みの分布の一実施例を示す図である。 本発明に係る撮像レシピ作成装置に接続されたGUIにおいて、低倍像と撮像ポイントのCAD画像とSEM画像の同時観察画面を示す図である。 本発明に係る選択要素指標の選択ならびに重みを学習させるための撮像レシピ作成装置に接続されたGUI画面の一実施例を示す図である。
符号の説明
101…半導体ウエハ、102…電子光学系、103…電子銃、104…一次電子、105…コンデンサレンズ、106…偏向器、107…ExB偏向器、108…対物レンズ、109…二次電子検出器、110、111…反射電子検出器、112〜114…A/D変換器、115…処理・制御部、1151…CPU、1152…画像メモリ、116…GUI画面、117…ステージ、118…ステージチルト角、119…ステージコントローラ、120…偏向制御部、121…フォーカス制御部、201〜206…収束電子線の入射方向、207…試料表面、208…画像座標系、209…画像、
400…低倍像、401…測長点(EP)、402…アドレッシングポイント(AP)、403…フォーカスポイント(FP)、404…オートスティグマポイント(SP)、405…ブライトネス・コントラストポイント、
501…低倍像、502…選択エンジン(撮像レシピ作成演算装置)、503…選択指標、504…撮像ポイント、505…xy座標系、506…撮像ポイント探索用テンプレート、507…選択指標値の低倍像内分布、508…選択指標値の低倍像内分布のピーク位置、601…低倍像、602…選択エンジン(撮像レシピ作成演算装置)、603…選択要素指標、606、607、612、613…選択指標、801…SEM装置、802…SEM制御装置、803…レシピサーバ、804…データベースサーバ、805…データベース、806…画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)、807…測長SEM装置、808…SEM制御装置、809…SEM制御・レシピ管理・データベース管理・画像処理・レシピ作成演算装置(CPU)。

Claims (15)

  1. 走査型電子顕微鏡を用いて半導体パターンをSEM観察するための撮像シーケンスを規定する撮像レシピを作成する装置であって、
    撮像レシピ生成アルゴリズムを記憶する記憶手段と、
    前記半導体パターンのレイアウト情報を入力して記憶するレイアウト情報入力手段と、
    半導体パターンをSEM観察するための撮像シーケンスにおける複数の撮像ポイントを選択する選択ルールを教示するための学習データ教示手段と、
    該学習データ教示手段で教示された前記選択ルールに基いて前記レイアウト情報入力手段に入力されたレイアウト情報から前記撮像シーケンスにおける複数の撮像ポイントを選択する選択ルールを最適化する選択ルール最適化手段と、
    該選択ルール最適化手段で最適化された選択ルールを含む撮像レシピを前記記憶手段に記憶させておいた撮像レシピ生成アルゴリズムに基づいて生成する撮像レシピ生成手段と
    を備えたことを特徴とする走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  2. 前記半導体パターンのレイアウト情報は、走査型電子顕微鏡を用いて撮像した画像、又
    は前記半導体パターンの設計情報が記述されたCADデータ、又は前記半導体パターンの
    設計情報が記述されたCADデータを画像データに変換したCAD画像であることを特徴
    とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  3. 前記撮像レシピには、前記撮像シーケンスにおける撮像ポイントの座標と、該座標における画像テンプレート及び/又は撮像条件とが含まれることを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  4. 前記撮像シーケンスにおける複数の撮像ポイントとしては、アドレッシングポイント、フォーカスポイント、スティグマポイント、ブライトネス・コントラストポイント及び測長ポイントの内、何れか一つ又は複数又は全てが含まれることを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  5. 前記最適化された選択ルールは、複数の選択要素指標を組み合わせて構成された選択指標であることを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  6. 前記最適化された選択ルールは、複数の選択要素指標を重みを用いた線形結合によって形成された選択指標であることを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  7. 前記選択要素指標には、パターンの複雑さ、パターンの特異性、パターン形状の変化方
    向、パターンの粗密度、パターンの変形し易さ、CAD画像とSEM画像とのマッチング
    特性、パターン寸法、設計マージン、及び光近接効果補正の微細度や複雑度の内の一つ又
    は複数又は全てが含まれることを特徴とする請求項5又は6に記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  8. 前記記憶手段には、更に前記撮像レシピ、撮像対象、撮像条件、及び前記選択ルール内の一つ又は複数又は全てを保存し、複数台の走査型電子顕微鏡において共有することを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  9. 前記記憶手段には、更に前記撮像レシピ、撮像対象、撮像条件、及び前記選択指標の内の一つ又は複数又は全てを保存し、前記撮像レシピ作成部における前記教示に用いることを特徴とする請求項1記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  10. 前記撮像レシピ生成手段において、前記撮像レシピである撮像ポイントの候補座標、又は前記選択ルールである前記選択指標の分布若しくは前記選択要素指標の分布若しくは前記選択要素指標間の重みを、GUI上に表示又はファイル出力することを特徴とする請求項5又は6に記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置。
  11. 走査型電子顕微鏡を用いて半導体パターンをSEM観察するための撮像シーケンスを指定する撮像レシピを作成する方法であって、
    撮像レシピ生成アルゴリズムを記憶手段に記憶し、
    前記半導体パターンのレイアウト情報をレイアウト情報入力手段に入力して記憶し、
    半導体パターンをSEM観察するための撮像シーケンスにおける複数の撮像ポイントを選択する選択ルールを教示し、
    該教示された選択ルールに基いて前記レイアウト情報入力手段に入力されたレイアウト情報から前記撮像シーケンスにおける複数の撮像ポイントを選択する選択ルールを最適化し、
    該最適化された選択ルールを含む撮像レシピを前記記憶手段に記憶させておいた撮像レシピ生成アルゴリズムに基づいて生成する
    ことを特徴とする走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成方法。
  12. 前記撮像レシピを生成するステップにおいて、前記最適化された選択ルールは、複数の選択要素指標を組み合わせて構成された選択指標であることを特徴とする請求項11記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成方法。
  13. 前記複数の選択要素指標には、パターンの複雑さ、パターンの特異性、パターン形状の変化方向、パターンの粗密度、パターンの変形し易さ、CAD画像とSEM画像とのマッチング特性、パターン寸法、設計マージン、及び光近接効果補正の微細度や複雑度の内の一つ又は複数又は全てが含まれることを特徴とする請求項12記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成方法。
  14. 前記撮像レシピを生成するステップにおいて、前記撮像レシピである撮像ポイントの候補座標、又は前記選択ルールである前記選択指標の分布若しくは前記選択要素指標の分布若しくは前記選択要素指標間の重みを、GUI上に表示又はファイル出力することを特徴とする請求項12記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成方法。
  15. 走査型電子顕微鏡を用いて撮像レシピに従って半導体ウエハ上の半導体パターンをSE
    M観察し、該SEM観察に基づいて半導体パターンの形状を評価する半導体パターンの形
    状評価装置において、
    請求項1乃至10の何れか一つに記載の走査型電子顕微鏡用撮像レシピ作成装置を備えたことを特徴とする半導体パターンの形状評価装置。
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