JP5179818B2 - 金属含有酸性研磨浴の安定剤 - Google Patents

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Description

本発明は、金属および過酸化物含有酸性研磨溶液を安定化するための混合物の使用に関する。また、本発明は、尿素と1種以上のアルカンジホスホン酸の混合物を少なくとも1種含む金属および過酸化物含有酸性研磨浴の安定化に適した過酸化物含有溶液を含む。さらに、本発明は、上記混合物を安定剤として含む前記過酸化物含有酸性研磨溶液に関する。最後に本発明は、過酸化物含有酸性溶液を用いて金属表面を化学研磨する方法に関する。
金属表面を化学研磨する方法は、金属表面を平坦化しデバリングするのに用いられる。研磨される金属表面は、酸化性溶液で処理される。この処理は、一般的に酸化性溶液槽への浸漬により行われる。該酸化性溶液は以下の混合水溶液をベースとすることが多い。過酸化物、特に過酸化水素と、無機酸またはその塩、たとえば重フッ化アンモニウム(二フッ化水素アンモニウム、NHHF)と、その他各種添加剤、たとえば安定剤、光沢剤、抑制剤、界面活性剤および/または粘度調整剤。
安定剤は過酸化物含有溶液に添加されることが多い。というのは、過酸化水素のような過酸化物は、金属および/または金属イオンの存在下で触媒による分解を受けやすいからである。したがって、金属表面を酸化によりデバリングし平坦化する過酸化物含有研磨浴のように、金属および/または金属イオンと接触する溶液では、特に過酸化物の分解を抑制する安定剤を添加することが重要である。
過酸化物に対して用いられる安定剤としては尿素が挙げられる。現状の技術によると、尿素はそれ単独または他の安定剤(たとえば、アンモニウムイオン)と共に過酸化物含有水溶液に添加される。
特許文献1は、過酸化物およびその酸性またはアルカリ性溶液に用いる安定剤として、アルキリデン−ジホスホン酸およびその他のホスホン酸反応生成物を使用することを開示している。
しかし、今日まで用いられている安定剤は、いずれも一定の最大金属イオン濃度以下でしか機能しない。金属イオン濃度がこの上限に達するかそれを超えると、過酸化物含有水溶液は不安定になり、過酸化物が分解されて酸素が発生する。過酸化物含有水溶液において金属イオン濃度がこの臨界点に達すると、原則としてこの過酸化物含有水溶液を使用することはできず、廃棄しなければならない。過酸化物含有水溶液の廃棄をすると、古い溶液の廃棄及び新しい溶液の調製のいずれでもかなりのコストがかかる。
金属イオン含有量の臨界上限は、用いられる金属イオンの種類、過酸化物含有溶液の組成、安定剤によって異なる。たとえば、銅を用いた場合は、臨界上限値は、10〜30g/lとなり、鉄を用いた場合は、20〜40g/lとなる。
特許文献2は、有機ホスホン酸誘導体と有機ヒドロキシ化合物を含む過酸化水素溶液で安定化の相乗効果が見られることを開示している。この安定剤混合物は、特に湿式精錬、鉱物の分離、洗浄に好適である。
特許文献3は、少なくとも1種のホスホン酸、少なくとも1種の酸化剤、少なくとも1種の短鎖有機カルボン酸を含む洗浄水溶液を開示している。特許文献3で用いてもよい酸化剤として、尿素−過酸化水素が挙げられている。本発明では、通常、尿素をそのまま用い、尿素と過酸化水素との1:1付加物としては用いない。しかし、特許文献3は、過酸化物含有溶液の安定化について記載するものではない。むしろ、特許文献3は磁鉄鉱の除去について記載するものである。ホスホン酸は基本的に、しっかりと付着した磁鉄鉱の固着物を除去するのに用いられる。特許文献3に記載されている洗浄液は、通常80〜100℃の温度範囲で用いられる。過酸化物を用いた工程では、過酸化物は通常約60℃以上で自触媒分解するため、このような高温は用いられない。
特許文献4は、ペルオキシ化合物溶液に用いられる安定剤を開示している。該安定剤は、特定のアミノトリホスホン酸に加えて尿素過化合物を含んでも良い。ペルオキシ化合物溶液は、通常、pH約7.5〜約12.5である。pH7.5未満の溶液は過酸化物漂白液として適さないことが明記されている。それは、pH値が低いと漂白速度が遅く、効率的な作業ができなくなるからである。
特許文献5は、金属の機械的研磨に適するというペーストまたはスラリーを開示している。該ペーストは、尿素−過酸化物に加えて、特に1−ヒドロキシエタン−1、1ジホスホン酸をキレート剤として含有してもよい。該ペーストまたはスラリーの安定化能については記載されていない。
従来の安定剤はほかにも欠点を有することが多い。すなわち、従来の安定剤は金属イオン臨界濃度未満でも過酸化物の分解を完全には抑制できず、分解の進行を遅らせるだけである。このため、過酸化物含有溶液の使用中および保管中、たとえば作業中にかなり長い中断をする場合は、過酸化物含有溶液の過酸化物濃度を定期的にチェックする必要があり、触媒による分解で失われた分の過酸化物を補充しなければいけないことも多い。触媒による分解で過酸化物含有溶液の過酸化物濃度が変動すると、工程品質に悪影響が出る。これを避けるためには、定期的に過酸化物含有溶液を分析監視することが必要になり、コストがかかる。
化学的研磨のような過酸化物含有水溶液を用いる多くの処理は、発熱をともなう。そのため、処理中に過酸化物含有水溶液の温度が上昇し、所望の処理温度を維持するためには、過酸化物含有水溶液を冷却する必要がある。また、該温度上昇により、過酸化物が自触媒分解する臨界温度(この自触媒分解も発熱を伴う)以上となる場合がある。過酸化水素水溶液におけるこの臨界温度は約65℃である。この温度を超えると、安定剤をさらに添加してもこの自触媒分解を抑制することはできない。過酸化物が自触媒分解により分解した場合、市販の安定剤は不可逆的にその効果を失う。従って、その溶液/研磨浴は廃棄しなければならず、新しい溶液の作製が必要になる。
米国特許3122417号 米国特許4070442号 ドイツ4232612A1号公報 ドイツ出願公開(未審査出願)1519494号公報 中国1720313A号公報
本発明は、主に、過酸化物含有溶液を安定化するための、尿素および、1つ以上のヒドロキシル基または1つ以上のアミノ基で置換されていてもよい1種以上のアルカンジホスホン酸またはその塩の混合物の使用に関する。
前記混合物の安定化作用は、該混合物が金属および過酸化物含有酸性研磨溶液の安定化に用いられる場合に特に重要である。
研磨工程の実施中に形成される金属イオンが過酸化物の分解を促進することが知られている。それゆえ、本発明により、特に鉄表面および銅表面に対して、高い金属濃度(たとえば、>20g/l)でも研磨浴を使うことができることは驚きであった。
研磨浴は、本発明においては、普通、過酸化物含有酸性水溶液と解される。スラリーやペーストといった機械的研磨を付加するものももちろん考えられるが、それらは本発明の直接の目的ではない。
本発明の他の目的は、以降の明細書および添付の特許請求の範囲から理解される。
本発明は、過酸化物含有水溶液用の新規な安定剤に関する。該安定剤は、前記水溶液中に溶解した金属イオン濃度にほぼ左右されずに、確実に過酸化物の分解を抑制する。
本発明の安定剤は、尿素および、1つ以上のヒドロキシル基または1つ以上のアミノ基で置換されていてもよい1種以上のアルカンジホスホン酸または該アルカンジホスホン酸塩の組合わせを含む。アルカンジホスホン酸は、1個、2個、3個または4個の炭素原子を有する炭化水素鎖を有することが好ましい。前記アルカンジホスホン酸としては、アルキレンジホスホン酸、アミノ置換アルキリデンジホスホン酸、または、ヒドロキシ置換アルキリデンジホスホン酸が挙げられる。特に好適なアルキリデンジホスホン酸としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が挙げられる。
本発明に係る上記新規安定剤は、尿素の重量比が遊離のアルカンジホスホン酸に対して100:1〜20:1の範囲にある場合に、特に高い効果を発揮する。好ましくは該重量比は60:1〜35:1であり、特に50:1程度が好ましい。
前記安定剤は、過酸化物含有水溶液を安定化させる作用を持つ。これは主に、過酸化水素含有水溶液に関係するが、それ以外の過酸化物含有溶液も同様に安定化することができる。たとえば、過硫酸および/または過酢酸のようなペルオキシカルボン酸、またはその塩を含む溶液を安定化することができる。
安定化された過酸化水素水溶液の濃度は、約30%または約35%とすることができる。また、該濃度はそれより低いものであってもよく、たとえば、20%以下、10%以下、または5%以下であってもよい。
本発明の別の態様として、本発明の安定剤を用いて安定化された溶液が挙げられる。この溶液は、安定剤、1種以上の過酸化物、水以外の成分を含んでもよい。過酸化物含有溶液は該構成成分以外の1種以上の酸を含むことが多い。このような酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、過塩素酸、フッ化水素酸のような鉱酸および/またはカルボン酸やスルホン酸のような有機酸が挙げられる。
本発明の安定剤は、過酸化物含有水溶液に純物質または溶液として加えることができる。一般的に、過酸化物含有水溶液における安定剤の濃度は、0.1〜3.0wt.%であり、好ましくは0.2〜3.0wt.%、特に0.4〜1.0wt.%程度が好ましい。
尿素とアルキリデンジホスホン酸という、本発明の安定剤に含まれる物質は、個々には安定剤として既知であり、個々に安定剤として使用されている。しかし、尿素、アルキリデンジホスホン酸単独では、上述したような従来の安定剤の欠点が現れてしまう。
しかし驚くべきことに、尿素と1種以上のアルカンジホスホン酸を組合わせることで、新規な特性を発揮する過酸化物含有水溶液用の安定剤が得られることがわかった。すなわち、尿素および1種以上のアルカンジホスホン酸またはアルカンジホスホン酸の塩を含む安定剤は、下記の特性を有する。該特性は、たとえば安定化された過酸化物含有水溶液が金属表面処理用の化学研磨浴として用いられる場合などの様々な用途において重要である。化学研磨浴という語は、浸漬浴だけでなく、安定化された過酸化物含有溶液の過酸化物の化学反応に基づく金属表面の研磨またはデバリングを目的としたあらゆる形態の利用を含むものである。
1. 本発明の安定剤を用いれば、過酸化物含有水溶液、たとえば化学研磨浴は、金属イオンが飽和状態になるまで、または任意で添加される1種以上の無機酸のような反応性物質を消耗するまで、過酸化物含有水溶液の作用、特にその酸化作用がひどく劣化することなく用いることができる。さらに、反応性物質を消耗した溶液は、該反応性物質を補充するだけでその機能を完全に回復するので、溶液を廃棄する必要が無い。
2. 過酸化物含有水溶液が過熱状態になり、過酸化物の自触媒分解が起こったとしても、本発明の安定剤は通常ダメージを受けない。過酸化物含有水溶液が完全に反応し、臨界温度未満に冷却された後、過酸化物を補充すれば、過酸化物含有水溶液は限定なしに再度使用することができ、安定剤の安定化作用は劣化しない。
3. 本発明の安定剤は、従来技術の個々の化合物やその他の安定剤より飛躍的に優れた安定化作用を示すことが多い。すなわち、本発明の安定剤を含む過酸化物含有水溶液は、ワークのデバリングまたは研磨における化学研磨浴といった使用中、および、作業中断時のような保存中においても、過酸化物の分解によりわずかな量の酸素しか失わないことがわかった。したがって、無機酸のような反応性物質を含んでもよい過酸化物含有水溶液を経済的に最大限使用することができる。
4. 本発明に係る安定剤が優れた安定化作用を示すため、アンモニウムイオンのような高価な有機添加剤を使用する必要がなくなった。これによって、廃液と濃縮液の処理に伴う費用が大幅に低減される。使用済の過酸化物含有水溶液は、簡単な中和処理および沈殿による金属イオンの分離処理等により処理される。したがって、アンモニウムイオン成分の使用に伴う錯体の特殊処理または研磨浴やスラッジの焼却は不要となった。
5. 上記過酸化物含有水溶液が金属表面処理用の化学研磨浴として用いられる場合、該研磨浴の組成は、反応性物質である酸、過酸化物および安定剤に限定することができる。これら以外の物質の添加も可能であるが、通常はその必要はなく、さらに大幅なコストダウンが可能になる。
6. 上記過酸化物含有水溶液が化学研磨浴として用いられる場合、従来技術の方法に相関して研磨速度と研磨浴の効率は上昇するが、品質の低下はない。
上記有利な特性を有する点で本発明の安定剤は、従来の安定剤とは異なるものである。該特性は、安定剤の構成成分同士の予期されなかった相乗効果により得られたものである。該相乗効果は、構成成分である尿素とアルカンジホスホン酸が重量比100:1〜20:1で用いられた時、特に顕著になる。
本発明の他の態様は、金属表面を本発明の安定剤を含む過酸化物含有研磨浴を用いて化学研磨する方法に関する。化学研磨とは、酸化性酸性溶液を用いて金属表面を平坦化しデバリングすることを意味する。本発明の方法を用いて、種々の金属を含むワークの表面を化学研磨することができる。該方法は、たとえば、銅や銅合金のワーク等の銅含有金属表面の研磨に適用することができる。また、該方法は、たとえば、炭素鋼および軟鉄から製造された構造の鉄含有金属表面の研磨に適用することもできる。
炭素鋼を化学研磨するにあたって、従来技術においては酸化剤に加えて重フッ化アンモニウムを含有する溶液が用いられる。本発明に係る方法を用いる場合は、重フッ化アンモニウムを同濃度のフッ化水素酸と交換すればよい。これにより、研磨浴で使用される構成成分のコストが低減されるだけでなく、アンモニア含有浴およびスラッジの廃棄に伴うコストも低減される。さらに、このようなフッ化水素酸含有研磨浴を用いれば、金属ワークの処理速度が飛躍的に速くなる。すなわち、従来の研磨浴を用いた場合の何倍もの速度になる。また、本発明においては、従来の研磨浴で必要であった多くの有機添加物も不要になる。
本発明の化学研磨方法は、少なくとも、安定化された過酸化物含有水溶液を適切な手法で金属表面に接触させることを特徴とする。この工程は、たとえば、ワークを研磨浴に浸漬することで行うこともできるし、また、研磨される内部空間に過酸化物含有水溶液を通過させたり、ワークの表面にスプレーするといった他の方法で行うこともできる。1以上のワークを研磨するのに、過酸化物含有水溶液に浸漬させる場合、研磨浴の攪拌を行うことが有効である場合が多い。これによって、作業時間が短縮され、金属表面が均一に研磨される。安定化された過酸化物含有水溶液は、必要に応じて、光沢剤、抑制剤、界面活性剤、および/または粘度調整剤のような添加剤を含んでいてもよい。
研磨は、通常、室温またはそれよりわずかに高い温度、たとえば20〜45℃で行われる。最適な研磨時間は、温度、研磨溶液の組成、研磨対象の金属表面の組成、初期粗さ等の多くの要因に左右される。しかし、本発明の安定剤を用いることで、研磨溶液中の金属イオン濃度にはほとんど左右されなくなる。
ワークを研磨浴中で処理、またはワークに過酸化物含有水溶液を接触させた後、該ワークを通常脱イオン水でリンスして乾燥する。
以下の実施例を示して、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1、比較例1)
炭素鋼C45処理用の化学研磨浴
A―従来技術に係る研磨浴:

組成(wt.%):
二フッ化水素アンモニウム 0.8%
尿素 1.8%
シュウ酸 0.5%
過酸化水素(35%) 10.0%
水 残部

パラメーター:
温度 30℃
鉄研磨速度(活性): 50mg/(dmmin)
結果:
研磨表面は光沢があり、端部はデバリングされていた。
溶解した鉄の濃度が20g/lまでの処理で、該濃度が高くなると過酸化水素の消耗が急速に激しくなった。該濃度が30g/lを超えると、研磨浴は使用できなくなり、一部を入れ替えて再生せざるを得なくなった。研磨溶液中の鉄濃度が25g/l以上では難溶性の沈殿(塩被覆)が増加した。
二フッ化水素アンモニウムの濃度を上げることで、80mg/(dmmin)まで活性を上げることが可能であった。高活性にすると、研磨表面は光沢が無くなり、粗くなった。
B―本発明に係る研磨浴:

組成(wt.%):
フッ化水素酸 0.7%
尿素 0.7%
1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸 0.02%
過酸化水素(35%) 20.0%
水 残部

パラメーター:
温度: 30℃
活性: 200mg/(dmmin)
結果:
研磨表面は平坦で光沢があり、端部はデバリングされていた。
フッ化水素酸および安定剤の濃度を上げることで、研磨品質を損なうことなく活性を600mg/(dmmin)まで上げることができた。しかも、研磨浴中の沈殿は観察されなかった。また、過酸化水素の消耗は増加しなかった。研磨浴は鉄濃度が60g/lになるまで使用できた。
研磨浴(B)は研磨浴(A)と比較して、活性が最大で8倍高くなり、そのため作業時間が短く、しかも耐用期間が3倍以上であった。その上、研磨浴(B)は研磨浴(A)と比較して化合物にかかるコストがずっと安かった。
(実施例2、比較例2)
銅処理用の化学研浴
A―従来技術に係る研磨浴

組成(wt.%):
硫酸(96%) 1.0%
過酸化水素(35%) 14.0%
安定剤(市販) 1.0%
水 残部

パラメーター:
温度:35℃
研磨速度: 0.1g/(dmmin)
結果:
研磨表面は光沢が良く、端部はデバリングされていた。
銅の含有濃度が10g/l以上になると、過酸化水素の消耗が増加した。該濃度が20g/lを超えると、研磨表面の品質が極端に劣化し、過酸化水素の消耗が急激に激しくなった。
B―本発明に係る研磨浴

組成(wt.%):
硫酸(96%) 1.0%
過酸化水素(35%) 14.0%
尿素 0.4%
1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸 0.01%
水 残部

パラメーター:
温度:35℃
研磨速度:0.1g/(dmmin)
結果
銅の含有濃度が50g/l以下では、光沢表面が得られた。銅の含有濃度が30g/l以下では、過酸化水素の消耗は変化しなかった。濃度が30g/lを超えると、作業1時間あたりでは過酸化水素の消耗にわずかな増加がみられた。これは、本発明に係る研磨浴の耐用期間が従来に比べて2.5〜3倍であることと一致する。

Claims (16)

  1. 金属および過酸化物含有酸性研磨溶液を安定化するための、尿素および、1つ以上のヒドロキシル基または1つ以上のアミノ基で置換されていてもよい1種以上のアルカンジホスホン酸またはその塩の混合物の使用であって、尿素の重量比がアルカンジホスホン酸に対して100:1〜20:1の範囲にあることを特徴とする混合物の使用
  2. 前記アルカンジホスホン酸が1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸を含むことを特徴とする請求項に記載の混合物の使用。
  3. 前記金属および過酸化物含有酸性研磨溶液のpHが0〜3であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の混合物の使用。
  4. 金属および過酸化物含有酸性研磨浴の安定化に適した過酸化物含有溶液であって、尿素および、1つ以上のヒドロキシル基または1つ以上のアミノ基で置換されていてもよい1種以上のアルカンジホスホン酸またはその塩の混合物を含有し、尿素の重量比がアルカンジホスホン酸に対して100:1〜20:1の範囲にある過酸化物含有溶液。
  5. 前記アルカンジホスホン酸が1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸を含むことを特徴とする請求項に記載の過酸化物含有溶液。
  6. 尿素の重量比がアルカンジホスホン酸に対して60:1〜35:1であることを特徴とする請求項または請求項に記載の過酸化物含有溶液。
  7. 過酸化物含有酸性研磨溶液であって、安定剤として、尿素および、1つ以上のヒドロキシル基または1つ以上のアミノ基で置換されていてもよい1種以上のアルカンジホスホン酸またはその塩の混合物を含有した過酸化物含有酸性研磨溶液であって、尿素の重量比がアルカンジホスホン酸に対して100:1〜20:1の範囲にあることを特徴とする過酸化物含有酸性研磨溶液
  8. 前記過酸化物含有酸性研磨溶液中の前記安定剤の濃度が0.1〜3.0wt.%であることを特徴とする請求項に記載の過酸化物含有酸性研磨溶液。
  9. アルカンジホスホン酸以外の酸を1種以上含有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の過酸化物含有酸性研磨溶液。
  10. フッ化水素酸を含有することを特徴とする請求項に記載の過酸化物含有酸性研磨溶液。
  11. 硫酸を含有することを特徴とする請求項に記載の過酸化物含有酸性研磨溶液。
  12. 金属表面をpHが0〜3の過酸化物含有酸性溶液で化学研磨する方法であって、過酸化物含有溶液と、尿素および、1つ以上のヒドロキシル基または1つ以上のアミノ基で置換されていてもよい1種以上のアルカンジホスホン酸またはその塩の混合物とを併用し、尿素の重量比がアルカンジホスホン酸に対して100:1〜20:1の範囲にあることを特徴とする化学研磨方法。
  13. 鉄含有金属表面を化学研磨することを特徴とする請求項12に記載の化学研磨方法。
  14. 前記過酸化物含有溶液が、フッ化水素酸を含有することを特徴とする請求項13に記載の化学研磨方法。
  15. 銅含有金属表面を化学研磨することを特徴とする請求項12に記載の化学研磨方法。
  16. 前記過酸化物含有溶液が、硫酸を含有することを特徴とする請求項15に記載の化学研磨方法。
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