JP5178428B2 - 防音カバーおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、車両のエンジンルームに配置されるエンジンカバーなどとして用いられる防音カバーおよびその製造方法に関する。
車両のエンジンルームには、エンジンカバーが配置されている。エンジンカバーは、エンジンのシリンダヘッドを、上方から覆っている。エンジンカバーは、エンジンの騒音が外部に漏出するのを抑制するために配置される。また、エンジンカバーは、エンジンルームの意匠性向上のために配置される。
エンジンカバーは、カバー本体と、吸音部材と、を備えている。カバー本体は、硬質の樹脂製であって、エンジンルームに表出している。カバー本体の表面が意匠面である。吸音部材は、発泡ポリウレタン製であって、カバー本体の裏側に積層されている。吸音部材は、エンジンのシリンダヘッドの上方に配置されている。
近年においては、エンジンカバーの騒音抑制効果を向上させるために、吸音部材の裏面とシリンダヘッドの表面との間の隙間を、できるだけ小さくする技術が開発されている。具体的には、吸音部材の裏面に、シリンダヘッドの表面の凹凸形状に略沿った凹凸形状を付して、両面間の隙間を小さくし、シール性を向上すると共に、空間部の定在波の発生による共鳴音を抑制している。
しかしながら、吸音部材の裏面に凸部を配置すると、当該凸部に欠肉部が発生しやすくなる。すなわち、吸音部材を発泡成形する際に、キャビティに存在するエアなどのガスが凸部成形部(凸部を成形するための凹状部)に滞留しやすくなる。このため、凸部に、滞留したガスの体積に対応する欠肉部が、発生しやすくなる。
凸部に欠肉部が発生すると、吸音部材が所望の吸音性能を発揮しにくくなる。また、エンジンカバーは、シリンダヘッドに対して脱着可能である。このため、例えばエンジンの点検や修理などの際に、エンジンカバーをシリンダヘッドから取り外すと、吸音部材の欠肉部が表出してしまう。したがって、見栄えが悪い。
ここで、欠肉部の発生を抑制するためには、吸音部材を発泡成形する際に、キャビティに対する発泡樹脂原料の投入量を増やせばよい。しかしながら、この場合、吸音部材の密度が大きくなってしまう。このため、所望の性能(例えば、吸音性、弾性など)を確保しにくくなる。
また、凸部が単一の場合は、発泡成形の際、凸部成形部に、直接、発泡ポリウレタンの原料を注入すればよい。すなわち、凸部成形部を、金型の下型の上面に配置する。そして、当該凸部成形部に、直接、液状の原料を注ぎ込む。注ぎ込まれた原料は、まず、重力により凸部成形部の底部に溜まる。続いて、原料は、底部を起点に膨張し、凸部成形部を充填する。その後、原料は、キャビティ全体に行き渡る。このように、凸部が単一の場合は、凸部成形部に、直接、原料を注入することにより、欠肉部の発生を抑制することができる。
ところが、吸音部材の裏面に、単一ではなく、複数の凸部が配置されている場合がある。この場合、任意の単一の凸部に対応する凸部成形部に、直接、原料を注入しても、他の凸部に対応する凸部成形部に、キャビティに存在するガスが追い込まれてしまう。このため、やはり欠肉部が発生してしまう。ここで、複数の凸部成形部に順番に液状の原料を注ぎ込む方法が考えられる。しかしながら、順番に原料を注入すると、その分注入時間を長く確保する必要があり、生産効率が悪くなる。よって、上記発泡成形方法では、全ての凸部に対して、欠肉部の発生を抑制することは困難である。
この点に鑑み、特許文献1には、複数の凸部成形部の各々に、直接、発泡ポリウレタンの原料を注入する発泡成形品の製造方法が開示されている。複数の凸部成形部は、金型の下型の上面に、凹設されている。金型には、凸部成形部と同数のノズルが配置されている。同文献記載の発泡成形品の製造方法によると、複数の凸部成形部の各々に、液状の原料を、ノズルから直接注ぎ込む。このため、発泡成形品の全ての凸部に欠肉部が発生するのを抑制することができる。
また、特許文献2には、複数の凸部成形部を、下型の上面ではなく、上型の下面に凹設した金型が開示されている。発泡ポリウレタンの原料は、膨張しながら複数の凸部成形部の各々を上昇する。このため、キャビティのガスは、凸部成形部の各々の頂部に追い込まれる。ここで、金型には、リーク通路が配置されている。リーク通路は、複数の凸部成形部の頂部同士を連通している。並びに、リーク通路は、金型の分割面を介して、金型の外部に連通している。このため、各凸部成形部の頂部に追い込まれたガスは、当該リーク通路を介して、金型の外部に流出する。同文献記載の金型によると、複数の凸部成形部の頂部にまで原料を行き渡らせることができる。このため、発泡成形品の全ての凸部に欠肉部が発生するのを抑制することができる。
特開2003−127149号公報 特開2001−47450号公報
しかしながら、特許文献1の発泡成形品の製造方法によると、吸音部材の裏面の凸部の配置数だけ、言い換えると凸部成形部の配置数だけ、ノズルを配置する必要がある。このため、製造設備の構造が複雑になる。また、専用機となるため、汎用性に欠ける。
また、特許文献2の金型によると、別途、リーク通路を設ける必要がある。このため、金型の構造が複雑になる。また、発泡成形品を発泡成形する際、原料はリーク通路にまで進入する。このため、発泡成形後の発泡成形品から、リーク通路内で硬化した部分を、逐一切除する必要がある。したがって、製造工程が複雑化する。
本発明の防音カバーおよびその製造方法は、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、製造設備および金型の構造が簡単で、製造工程が簡単で、吸音部材の裏面の凸部に欠肉部が発生しにくい防音カバーの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、防音性能が高い防音カバーを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の防音カバーの製造方法は、所定の形状を有する本体側基準面を有する裏面を有するカバー本体と、該本体側基準面の該形状に略沿った形状を有する吸音部材側基準面を有する表面と、複数の凸部を有する裏面と、を有し該カバー本体の裏側に配置される樹脂発泡体製の吸音部材と、を備えてなり、防音対象である音源部材の表面に取り付けられる防音カバーの製造方法であって、前記吸音部材の前記表面は、さらに、前記裏面の複数の前記凸部の表側に配置され、前記本体側基準面の前記形状に沿わない複数の凹部を有し、前記吸音部材側基準面に対応する基準面成形面と複数の該凹部に対応する複数の凹部成形部とを有する第一型面を有する第一型と、複数の前記凸部に対応する複数の凸部成形部を有する第二型面を有する第二型と、を備える金型のキャビティに、前記樹脂発泡体の原料であり液状の発泡樹脂原料を、注入する注入工程と、該金型を開き前記吸音部材を取り出す型開き工程と、を有することを特徴とする(請求項1に対応)。
ここで、「キャビティ」に発泡樹脂原料を注入する場合のキャビティとは、金型を締めた状態のキャビティ、および金型を開いた状態のキャビティを含む。
本発明の防音カバーの製造方法に用いられる金型(金属製以外のものも含む)は、第一型と第二型とを備えている。第一型は、第一型面を有している。第一型面は、基準成形面と、複数の凹部成形部と、を有している。凹部成形部は、凹部に対応する凸状を呈している。第一型面により、吸音部材の表面に、吸音部材側基準面と、凹部と、が形成される。
第二型は、第二型面を有している。第二型面は、複数の凸部成形部を有している。凸部成形部は、凸部に対応する凹状を呈している。第二型面により、吸音部材の裏面に、凸部が形成される。
本発明者は、吸音部材の裏面の凸部に欠肉部が発生しやすい原因について、以下のように考察した。すなわち、仮に、金型に凸状の凹部成形部が配置されていない場合は、キャビティを流動する発泡樹脂原料の流れが、凹状の凸部成形部に差し掛かる際、発泡樹脂原料の流路断面積が急激に拡大することになる。このため、発泡樹脂原料の流れが、キャビティに存在するエアなどのガスを巻き込んでしまう。したがって、巻き込まれたガスが凸部成形部の角部に押し込まれてしまう。この状態のまま発泡樹脂原料が硬化することにより、発泡成形後の吸音部材の裏面の凸部に、欠肉部が発生してしまう。
この点に鑑み、本発明の防音カバーの製造方法に用いられる金型には、凸状の凹部成形部が配置されている。凸状の凹部成形部と凹状の凸部成形部とは、キャビティにおいて、対向している。このため、発泡樹脂原料の流れは、凹状の凸部成形部に差し掛かる際、凸状の凹部成形部にも差し掛かることになる。したがって、発泡樹脂原料の流れが凸部成形部および凹部成形部に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい。流路断面積が変化しにくいと、発泡樹脂原料の流れが、キャビティに存在するエアなどのガスを巻き込んでしまうおそれが小さい。このため、発泡成形後の吸音部材の裏面の凸部に、欠肉部が発生するおそれが小さい。
このように、本発明の防音カバーの製造方法によると、吸音部材の裏面の凸部に、欠肉部が発生しにくい。また、特許文献1に開示されているように、製造設備に、吸音部材の凸部と同数のノズルを敢えて配置する必要がない(本記載は、本発明の防音カバーの製造方法において、キャビティに対する発泡樹脂原料の注入口を一つに限定する趣旨ではない。すなわち、注入口を複数配置してもよい)。また、特許文献2に開示されているように、金型に、リーク通路を敢えて配置する必要がない。このため、製造設備および金型の構造が簡単である。
また、本発明の防音カバーの製造方法によると、特許文献2に開示されているように、リーク通路を配置する必要がない。このため、発泡成形後の吸音部材から、リーク通路内で硬化した部分を、逐一切除する必要がない。したがって、製造工程が簡単である。
また、本発明の防音カバーの製造方法により製造される防音カバーによると、吸音部材の裏面の凸部に欠肉部が発生しにくい。このため、所望の吸音性能を発揮しやすい。また、吸音部材の裏面の見栄えがよい。
また、凸部の欠肉部を抑制するための凹部は、吸音部材の表面に形成される。吸音部材の表面は、カバー本体により、覆い隠される。このため、凹部が表出しない。この点においても、本発明の防音カバーの製造方法により製造される防音カバーは、見栄えがよい。
また、本発明の防音カバーの製造方法により製造される防音カバーによると、カバー本体の裏面と、吸音部材の表面と、の間に複数の空間が区画される。複数の当該空間は、カバー本体の裏面の本体側基準面と、吸音部材の表面の複数の凹部と、により形成される。
音源部材の発生する騒音の一部は、吸音部材→複数の空間→カバー本体を介して、外部に漏出する。この場合、複数の空間は、吸音部材とカバー本体との間に介在する空気層(空気以外のガスが含まれている場合も含む。)として機能する。空気層を配置すると、音源部材からカバー本体へ伝わる振動を、低減することができる。このため、防音性能が高くなる。また、空気層の分だけ吸音部材の重量が軽くなるため、軽量化の効果がある。
(2)上記(1)の構成において、前記凸部は、根本部と、該根本部に対して表裏方向に最も離間する頂部と、該根本部と該頂部とを連結する立壁部と、を有し、該根本部は、該根本部において前記本体側基準面からの表裏方向高さが最短となる最短部を有し、該本体側基準面から該最短部までの表裏方向高さを100%として、該本体側基準面から該頂部までの表裏方向高さは、300%以上に設定されており、該最短部が連なる面の延在方向を0°として、該立壁部の最大傾斜角度は、80°以上に設定されている場合がある(請求項2に対応)。
上記形状の凸部を裏面に有する吸音部材を発泡成形する場合、特に、発泡樹脂原料の流れが凸部成形部に差し掛かる際、発泡樹脂原料の流路断面積が急激に拡大することになる。このため、発泡成形後の吸音部材の裏面の凸部に、欠肉部が発生しやすくなる。
この点、凸部成形部に対向して凹部成形部を配置すると、発泡樹脂原料の流れが凸部成形部および凹部成形部に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい。このため、発泡成形後の吸音部材の裏面の凸部に、欠肉部が発生するおそれが小さい。このように、本発明の防音カバーの製造方法は、上記形状の凸部を裏面に有する吸音部材を発泡成形するのに、特に好適である。
本構成において、本体側基準面から最短部までの表裏方向高さを100%として、本体側基準面から頂部までの表裏方向高さを300%以上としたのは、300%未満の場合、流路断面積が急激に変化しにくいからである。また、最短部が連なる面の延在方向を0°として、立壁部の最大傾斜角度を80°以上に設定したのは、80°未満の場合、流路断面積が急激に変化しにくいからである。
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記凸部は、根本部と、該根本部に対して表裏方向に最も離間する頂部と、該根本部と該頂部とを連結する立壁部と、を有し、該根本部は、該根本部において前記本体側基準面からの表裏方向高さが最短となる最短部を有し、前記吸音部材の体積を、該吸音部材の表裏方向投影面積で、割った値を、表裏方向平均高さとして、該表裏方向平均高さを100%として、前記本体側基準面から該頂部までの表裏方向高さは、150%以上に設定されており、該最短部が連なる面の延在方向を0°として、該立壁部の最大傾斜角度は、80°以上に設定されている場合がある(請求項3に対応)。
上記形状の凸部を裏面に有する吸音部材を発泡成形する場合、特に、発泡樹脂原料の流れが凸部成形部に差し掛かる際、発泡樹脂原料の流路断面積が急激に拡大することになる。このため、発泡成形後の吸音部材の裏面の凸部に、欠肉部が発生しやすくなる。
この点、凸部成形部に対向して凹部成形部を配置すると、発泡樹脂原料の流れが凸部成形部および凹部成形部に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい。このため、発泡成形後の吸音部材の裏面の凸部に、欠肉部が発生するおそれが小さい。このように、本発明の防音カバーの製造方法は、上記形状の凸部を裏面に有する吸音部材を発泡成形するのに、特に好適である。
本構成において、表裏方向平均高さを100%として、本体側基準面から頂部までの表裏方向高さを150%以上としたのは、150%未満の場合、流路断面積が急激に変化しにくいからである。また、最短部が連なる面の延在方向を0°として、立壁部の最大傾斜角度を80°以上に設定したのは、80°未満の場合、流路断面積が急激に変化しにくいからである。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記凸部は、前記音源部材の前記表面に当接する封止凸部である構成とする方がよい(請求項4に対応)。
封止凸部は、音源部材の表面に当接している。このため、封止凸部を配置すると、音源部材の表面と吸音部材の裏面との間の隙間を介して、騒音が漏出するのを、抑制することができる。
また、封止凸部は、比較的、表裏方向高さが高い。このため、封止凸部用の凸部成形部に発泡樹脂原料の流れが差し掛かる際、発泡樹脂原料の流路断面積が急激に拡大することになる。したがって、発泡成形後の封止凸部には、欠肉部が発生しやすくなる。
この点、凸部成形部に対向して凹部成形部を配置すると、発泡樹脂原料の流れが凸部成形部および凹部成形部に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい。このため、発泡成形後の封止凸部に、欠肉部が発生するおそれが小さい。このように、本発明の防音カバーの製造方法は、封止凸部を裏面に有する吸音部材を発泡成形するのに、特に好適である。
(5)また、上記課題を解決するため、本発明の防音カバーは、所定の形状を有する本体側基準面を有する裏面を有するカバー本体と、該本体側基準面の該形状に略沿った形状を有する吸音部材側基準面を有する表面と、複数の凸部を有する裏面と、を有し該カバー本体の裏側に配置される樹脂発泡体製の吸音部材と、を備えてなり、防音対象である音源部材の表面に取り付けられる防音カバーであって、前記吸音部材の前記表面は、さらに、前記裏面の複数の前記凸部の表側に配置され、前記本体側基準面の前記形状に沿わない複数の凹部を有することを特徴とする(請求項5に対応)。
本発明の防音カバーによると、カバー本体の裏面と、吸音部材の表面と、の間に複数の空間が区画される。複数の当該空間は、カバー本体の裏面の本体側基準面と、吸音部材の表面の複数の凹部と、により形成される。
音源部材の発生する騒音の一部は、空間経由ルートを介して、外部に漏出する。この場合、複数の空間は、吸音部材とカバー本体との間に介在する空気層(空気以外のガスが含まれている場合も含む。)として機能する。空気層を配置すると、音源部材からカバー本体へ伝わる振動を、低減することができる。このため、防音性能が高くなる。また、空気層の分だけ吸音部材の重量が軽くなるため、軽量化の効果がある。
また、凹部は、吸音部材の表面に形成される。吸音部材の表面は、カバー本体により、覆い隠される。このため、凹部が表出しない。したがって、本発明の防音カバーは、見栄えがよい。
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記凸部は、前記音源部材の前記表面に当接する封止凸部である構成とする方がよい(請求項6に対応)。封止凸部は、音源部材の表面に当接している。このため、封止凸部を配置すると、音源部材の表面と吸音部材の裏面との間の隙間を介して、騒音が漏出するのを、抑制することができる。
本発明によると、製造設備および金型の構造が簡単で、製造工程が簡単で、吸音部材の裏面の凸部に欠肉部が発生しにくい防音カバーの製造方法を提供することができる。また、本発明によると、防音性能が高い防音カバーを提供することができる。
以下、本発明の防音カバーおよびその製造方法の実施の形態について説明する。本実施形態は、本発明の防音カバーおよびその製造方法を、エンジンカバーおよびその製造方法として具現化したものである。
<エンジンカバー>
まず、本実施形態のエンジンカバーの構成について説明する。本実施形態のエンジンカバーにおいては、「上側」が本発明の「表側」に、「下側」が本発明の「裏側」に、それぞれ対応している。
図1に、本実施形態のエンジンカバーの上方から見た斜視図を示す。図2に、図1のII−II断面図を示す。図1、図2に示すように、本実施形態のエンジンカバー1は、カバー本体2と吸音部材3とを備えている。エンジンカバー1は、エンジンルーム内において、エンジンのシリンダヘッド90の上面900を覆っている。エンジンカバー1は、エンジンの騒音が外部に漏出するのを抑制している。エンジン(シリンダヘッド90)は、本発明の音源部材に含まれる。上面900は、本発明の音源部材の表面に含まれる。
[カバー本体]
図3に、本実施形態のエンジンカバーのカバー本体の下方から見た斜視図を示す。図3に示すように、カバー本体2は、硬質の樹脂製であって、下方に開口する浅底の長方形トレイ状を呈している。カバー本体2の上面は、エンジンルーム内に表出する意匠面である。カバー本体2の下面20には、所定の凹凸形状を有する本体側基準面200が配置されている。下面20は、本発明のカバー本体の裏面に含まれる。また、下面20の四隅には、四つのボス部201が配置されている。一方、シリンダヘッド90の上面900には、四つのピン(図略)が配置されている。四つのボス部201と、四つのピンとは、上下方向に対向している。四つのボス部に四つのピンが各々圧入されることにより、カバー本体2すなわちエンジンカバー1は、シリンダヘッド90の上面に、脱着可能に取り付けられている。
[吸音部材]
図4に、本実施形態のエンジンカバーの吸音部材の上方から見た斜視図を示す。図5に、同吸音部材の下方から見た斜視図を示す。図6に、同吸音部材の下面図を示す。図4〜図6に示すように、吸音部材3は、発泡ポリウレタン製であって、長方形板状を呈している。発泡ポリウレタンは、本発明の樹脂発泡体に含まれる。吸音部材3は、カバー本体2の下面20に、下面20から突設されたピン(図略)を介して、固定されている。
吸音部材3の上面30には、所定の凹凸形状を有する吸音部材側基準面300と、合計七つの凹部301と、が配置されている。上面30は、本発明の吸音部材の表面に含まれる。吸音部材側基準面300の凹凸形状と、本体側基準面200の凹凸形状と、は上下方向に対応している。吸音部材側基準面300と本体側基準面200とは、略隙間無く面接触している。七つの凹部301は、吸音部材側基準面300に対して、下方に没入している。すなわち、図2に示すように、七つの凹部301は、本体側基準面200の凹凸形状に沿っていない。七つの凹部301と本体側基準面200との間には、七つの空間302が区画されている。
吸音部材3の下面31は、所定の凹凸形状を有している。下面31は、本発明の吸音部材の裏面に含まれる。図2に示すように、下面31の凹凸形状と、シリンダヘッド90の上面900の凹凸形状(ホース類やハーネス類の凹凸形状を含む。)と、は上下方向に対応している。図6に示すように、下面31において、上面30の七つの凹部301(図6において点線で示す。)と上下方向に対向する部分には、合計三つの凸部310、311(図6においてハッチングで示す。)が配置されている。三つの凸部310、311は、下方に突出している。また、二つの凸部311は、図2に示すように、シリンダヘッド90の上面900に弾接している。凸部311は、本発明の封止凸部に含まれる。吸音部材3の下面31における二つの凸部311以外の部分と、シリンダヘッド90の上面900と、の間には、所定の隙間が区画されている。
[凸部]
以下、凸部310の形状について説明する。以下の説明は、凸部311の形状の説明を兼ねるものである。すなわち、凸部311は、以下に示す凸部310の形状上の特徴と同様の形状上の特徴を有している。
図7に、図2の枠VII内の拡大図を示す。図7に示すように、凸部310は、根本部310aと、頂部310bと、立壁部310cと、を備えている。根本部310aは、凸部310の外縁を形成している。頂部310bは、略平面状を呈している。頂部310bは、根本部310aから、下方に最も離間している。
根本部310aにおける、本体側基準面200からの上下方向高さは一定ではない。例えば、根本部310aの前縁における本体側基準面200からの上下方向高さL1と、根本部310aの後縁における本体側基準面200からの上下方向高さL2と、を比較すると、L2の方が、L1よりも短い。根本部310aの後縁において、本体側基準面200からの上下方向高さL2は、最短となる。根本部310aの後縁を最短部310dとする。
本体側基準面200から最短部310dまでの上下方向高さL2を100%として、本体側基準面200から頂部310bまでの上下方向高さL3は、300%以上になっている。
立壁部310cの後端は、階段状を呈している。すなわち、立壁部310cの後端は、上下方向に延在する平面と、前後方向に延在する平面と、が組み合わさって形成されている。最短部310dが連なる平面F1の延在方向を0°として、最短部310dが連なる立壁部310cの後端の最大傾斜角度θ1(=上下方向に延在する平面の傾斜角度)は、略90°(80°以上)になっている。
図2に示すように、吸音部材3と同体積の直方体の体積V10を、吸音部材3の上下方向投影面積S10で割った値を、上下方向平均高さL10(=V10/S10)とする。上下方向平均高さL10を100%として、本体側基準面200から頂部310bまでの上下方向高さL3(図7参照)は、150%以上になっている。
<エンジンカバーの製造方法>
次に、本実施形態のエンジンカバーの製造方法について説明する。本実施形態のエンジンカバーの製造方法は、注入工程と、型締め工程と、型開き工程と、合体工程と、を有している。
[注入工程]
まず、注入工程について説明する。図8に、本実施形態のエンジンカバーの製造方法に用いる金型の注入工程における斜視図を示す。金型4は、上型5と下型6とヒンジ部7とを備えている。上型5は、本発明の第一型に含まれる。下型6は、本発明の第二型に含まれる。
上型5は、鋼製であって、長方形板状を呈している。上型5の下面50(後述する型締め状態における下面)には、基準面成形面500と、合計七つの凹部成形部501と、が配置されている。下面50は、本発明の第一型面に含まれる。図4に示すように、基準面成形面500により、吸音部材3の吸音部材側基準面300の形状が付与される。また、七つの凹部成形部501により、吸音部材3の七つの凹部301の形状が付与される。
図8に戻って、下型6は、鋼製であって、長方形板状を呈している。下型6と上型5とは、ヒンジ部7を介して、開閉可能に(つまり型開き、型締め可能に)連結されている。下型6の上面60は、所定の凹凸形状を有している。上面60は、本発明の第二型面に含まれる。上面60には、三つの凸部成形部600、601が配置されている。図5に示すように、三つの凸部成形部600、601により、吸音部材3の三つの凸部310、311の形状が付与される。詳しくは、凸部成形部600により凸部310の形状が、凸部成形部601により凸部311の形状が、それぞれ付与される。
本工程においては、図8に示す型開き状態のまま、ノズル70により、金型4のキャビティ71に、液状の発泡ポリウレタン原料P(ポリオール成分と、イソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤、架橋剤、充填剤、着色剤、各種安定剤などから選ばれる所望の添加剤と、を所定の割合で配合したもの)を、注ぎ込む。発泡ポリウレタン原料Pは、本発明の発泡樹脂原料に含まれる。この際、ノズル70を、金型4に対して、相対的に左方に移動させる。
[型締め工程]
次に、型締め工程について説明する。図9に、図8の型締め状態におけるIX−IX方向断面図を示す。図9に示すのは、発泡ポリウレタン原料硬化前の状態である。本工程においては、金型4を、図8に示す型開き状態から、図9に示す型締め状態に、切り替える。具体的には、ヒンジ部7を中心に、下型6に対して、上型5を揺動させる。そして、下型6と上型5とを上下方向に当接させる。型締め状態においては、三つの凸部成形部600、601と、七つの凹部成形部501とが、上下方向に対向している。すなわち、三つの凸部成形部600、601の上下方向投影面内に、七つの凹部成形部501が配置されている。
図9に示すように、キャビティ71に注入された発泡ポリウレタン原料Pは、膨張しながら、キャビティ71を流動する。具体的には、注入工程における注入点A1を起点として、発泡ポリウレタン原料Pは、キャビティ71を拡散する。
図10に、図9の枠X内の拡大図を示す。図10に太点線矢印で示すように、仮に、上型5の下面50に凹部成形部501が配置されていない場合、発泡ポリウレタン原料Pの流路A2は、略直線状になる。ここで、下型6の上面60には、凸部成形部600が配置されている。このため、発泡ポリウレタン原料Pが凸部成形部600に差し掛かることにより、流路断面積は、S1→S2に、急激に拡大する。したがって、凸部成形部600の角部に、ガスG(具体的には、型締めの際キャビティ71に閉じこめられる空気や発泡ポリウレタン原料Pの発泡によるガスなど)が追い込まれてしまう。
これに対して、図10に太実線矢印で示すように、上型5の下面50に凹部成形部501が配置されている場合、発泡ポリウレタン原料Pの流路A3は、凹部成形部501と凸部成形部600との形状に沿って、湾曲する。このため、発泡ポリウレタン原料Pが凸部成形部600および凹部成形部501に差し掛かっても、流路断面積は、S1→S3→S4→S5に示すように、急激に拡大しない。したがって、凸部成形部600の角部に、ガスGが追い込まれにくい。すなわち、凸部成形部600の角部にまで、発泡ポリウレタン原料Pが充分に充填される。
なお、他の凹部成形部501と凸部成形部601との間においても、同様に、発泡ポリウレタン原料Pの流路断面積は、急激に拡大しない。したがって、凸部成形部601の角部に、ガスGが追い込まれにくい。すなわち、凸部成形部601の角部にまで、発泡ポリウレタン原料Pが充分に充填される。
図11に、図8の型締め状態におけるIX−IX方向断面図を示す。図11に示すのは、発泡ポリウレタン原料硬化後の状態である。図11に示すように、発泡ポリウレタン原料が硬化することにより、キャビティ71に、所定の弾性を有する発泡ポリウレタン製の吸音部材3が発泡成形される。
[型開き工程]
次に、型開き工程について説明する。図12に、本実施形態のエンジンカバーの製造方法に用いる金型の型開き工程における斜視図を示す。本工程においては、金型4を、図11に示す型締め状態から、図12に示す型開き状態に、切り替える。そして、吸音部材3を金型4から取り出す。吸音部材3の上面30には、吸音部材側基準面300と、合計七つの凹部301と、が形成されている。
[合体工程]
次に、合体工程について説明する。本工程においては、吸音部材3と、別途射出成形により作製されたカバー本体2と、を合体させる。具体的には、カバー本体2の下面20から突設されたピンにより、吸音部材3をカバー本体2に固定する。このようにして、本実施形態のエンジンカバー1が製造される。
<作用効果>
次に、本実施形態のエンジンカバーおよびその製造方法の作用効果について説明する。本実施形態のエンジンカバー1の製造方法によると、図9に示すように、金型4に、凹部成形部501が配置されている。凹部成形部501と凸部成形部600とは、キャビティ71において、上下方向に対向している。このため、図10に示すように、発泡ポリウレタン原料Pの流れは、凸部成形部600に差し掛かる際、略同時に、凹部成形部501にも差し掛かることになる。したがって、発泡ポリウレタン原料Pの流れが凸部成形部600および凹部成形部501に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい(S1→S3→S4→S5)。流路断面積が変化しにくいと、発泡ポリウレタン原料Pの流れが、キャビティ71に存在するガスを巻き込んでしまうおそれが小さい。このため、発泡成形後の吸音部材3の下面31の凸部310、311に、欠肉部が発生するおそれが小さい。
また、本実施形態のエンジンカバー1の製造方法によると、特許文献1に開示されているように、製造設備(発泡成形設備)に、吸音部材3の凸部310、311と同数のノズル70を、敢えて配置する必要がない。また、特許文献2に開示されているように、金型4に、リーク通路を敢えて配置する必要がない。このため、製造設備並びに金型4の構造が簡単である。
また、リーク通路を配置する必要がないため、発泡成形後の吸音部材3から、リーク通路内で硬化した部分を、逐一切除する必要がない。したがって、製造工程が簡単である。また、製造の際、タクトを短縮化することができる。
また、キャビティ71における発泡ポリウレタン原料Pの流れに合流部がある場合、欠肉部が発生しやすい。その理由は、合流部にガスが追い込まれやすいからである。この点、本実施形態のエンジンカバー1の製造方法によると、単一のノズル70を用いて、発泡ポリウレタン原料Pを、キャビティ71に注入している。このため、発泡ポリウレタン原料Pの流れに、合流部が形成されにくい。したがって、この点においても、吸音部材3に欠肉部が発生しにくい。
また、本実施形態のエンジンカバー1によると、吸音部材3の下面31の凸部310、311に欠肉部が発生しにくい。このため、所望の吸音性能を発揮しやすい。また、吸音部材3の下面の見栄えがよい。
また、凸部310、311の欠肉部を抑制するための凹部301は、吸音部材3の上面30に形成される。吸音部材3の上面30は、カバー本体2により、覆い隠される。このため、凹部301がエンジンルームに表出しない。この点においても、本実施形態のエンジンカバー1は、見栄えがよい。
また、本実施形態のエンジンカバー1によると、カバー本体2の下面20と、吸音部材3の上面30と、の間に七つの空間302が区画される。図7に枠付き矢印で示すように、エンジンの発生する騒音の一部は、空間経由ルートを介して、外部に漏出する。この場合、空間302は、吸音部材3とカバー本体2との間に介在する空気層として機能する。空気層を配置すると、エンジンからカバー本体2へ伝わる振動を、低減することができる。このため、防音性能が高くなる。また、空気層の分だけ吸音部材3の重量が軽くなるため、軽量化の効果がある。
また、本実施形態のエンジンカバー1によると、図7に示すように、本体側基準面200から最短部310dまでの上下方向高さL2を100%として、本体側基準面200から頂部310bまでの上下方向高さL3は、300%以上になっている。また、最短部310dが連なる平面F1の延在方向を0°として、最短部310dが連なる立壁部310cの後端の最大傾斜角度θ1は、80°以上になっている。
このような形状の凸部310、311を下面31に有する吸音部材3を発泡成形する場合、図10に示すように、特に、発泡ポリウレタン原料Pの流れが凸部成形部600、601に差し掛かる際、発泡ポリウレタン原料Pの流路断面積が急激に拡大することになる(S1→S2)。このため、発泡成形後の吸音部材3の下面31の凸部310、311に、欠肉部が発生しやすくなる。
この点、凸部成形部600、601に対向して凹部成形部501を配置すると、発泡ポリウレタン原料Pの流れが凸部成形部600、601および凹部成形部501に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい(S1→S3→S4→S5)。このため、発泡成形後の吸音部材3の下面31の凸部310、311に、欠肉部が発生するおそれが小さい。このように、本実施形態のエンジンカバー1の製造方法は、図7に示すような凸部310、311を下面31に有する吸音部材3を発泡成形するのに、特に好適である。
また、本実施形態のエンジンカバー1によると、図2に示すように、吸音部材3の体積V10を、上下方向投影面積S10で割った値を、上下方向平均高さL10(=V10/S10)とした場合、当該上下方向平均高さL10を100%として、本体側基準面200から頂部310bまでの上下方向高さL3(図7参照)は、150%以上になっている。
このような形状の凸部310、311を下面31に有する吸音部材3を発泡成形する場合、図10に示すように、特に、発泡ポリウレタン原料Pの流れが凸部成形部600、601に差し掛かる際、発泡ポリウレタン原料Pの流路断面積が急激に拡大することになる(S1→S2)。このため、発泡成形後の吸音部材3の下面31の凸部310、311に、欠肉部が発生しやすくなる。
この点、凸部成形部600、601に対向して凹部成形部501を配置すると、発泡ポリウレタン原料Pの流れが凸部成形部600、601および凹部成形部501に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい(S1→S3→S4→S5)。このため、発泡成形後の吸音部材3の下面31の凸部310、311に、欠肉部が発生するおそれが小さい。このように、本実施形態のエンジンカバー1の製造方法は、図7に示すような凸部310、311を下面31に有する吸音部材3を発泡成形するのに、特に好適である。
また、本実施形態のエンジンカバー1によると、図2に示すように、二つの凸部311は、シリンダヘッド90の上面900に弾接している。このため、シリンダヘッド90の上面900と吸音部材3の下面31との間の隙間を介して、騒音が漏出するのを、抑制することができる。
また、隙間を封止しているこれら二つの凸部311は、比較的、表裏方向高さが高い。このため、凸部311用の凸部成形部601に発泡ポリウレタン原料Pの流れが差し掛かる際、発泡ポリウレタン原料Pの流路断面積が急激に拡大することになる。したがって、発泡成形後の凸部311には、特に欠肉部が発生しやすくなる。
この点、凸部成形部601に対向して凹部成形部501を配置すると、発泡ポリウレタン原料Pの流れが凸部成形部601および凹部成形部501に差し掛かっても、流路断面積が急激に変化しにくい。このため、発泡成形後の凸部311に、欠肉部が発生するおそれが小さい。このように、本実施形態のエンジンカバー1の製造方法は、シリンダヘッド90の上面900に弾接する凸部311を有する吸音部材3を発泡成形するのに、特に好適である。
<その他>
以上、本発明のエンジンカバーおよびその製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図13に、本発明のエンジンカバーのその他の実施形態(その1)となるエンジンカバーの部分拡大断面図を示す。図14に、本発明のエンジンカバーのその他の実施形態(その2)となるエンジンカバーの部分拡大断面図を示す。なお、図13、図14に拡大して示す部分は、図7に拡大して示す部分に、対応している。また、図13、図14において、図7と対応する部位については、同じ符号で示す。
図13に示すように、凸部310は、傾斜の異なる二つの平面からなる立壁部310cを備えている。二つの平面を比較すると、最短部310dに連なる平面の方が、頂部310bに連なる平面よりも、平面F1に対する傾斜角度が大きい。したがって、最短部310dに連なる平面と、平面F1と、の挟角が、立壁部310cの最大傾斜角度θ1になる。
図14に示すように、凸部310は、半球面状の立壁部310cを備えている。平面F1に対する立壁部310cの傾斜角度は、最短部310dに連なる部分において、最大となる。したがって、最短部310dに連なる部分の接線L5と、平面F1と、の挟角が、立壁部310cの最大傾斜角度θ1になる。
このように、凸部310、311の形状は特に限定しない。三角柱状、四角柱状、六角柱状などの多角柱状としてもよい。また、半球状としてもよい。あるいは、平面と曲面とを組み合わせて凸部310、311の表面を構成してもよい。また、図13、図14に示すように、凹部301の形状も特に限定しない。凹部301の内部空間を、三角柱状、四角柱状、六角柱状などの多角柱状としてもよい。また、半球状としてもよい。あるいは、平面と曲面とを組み合わせて凹部301の内面を構成してもよい。また、凸部310、311の形状と、凹部301の形状と、が異なっていてもよい。
また、上記実施形態においては、図8に示すように、型開き状態において、発泡ポリウレタン原料Pをキャビティ71に注入した。しかしながら、金型4にゲートを配置して、図9に示す型締め状態において、発泡ポリウレタン原料Pをキャビティ71に注入してもよい。
また、上記実施形態においては、単一のノズル70を用いて、発泡ポリウレタン原料Pをキャビティ71に注入した。しかしながら、複数のノズル70を用いて、発泡ポリウレタン原料Pをキャビティ71に注入してもよい。また、上記実施形態においては、本体側基準面200および吸音部材側基準面300の形状を凹凸形状としたが、平面状、あるいは曲面状としてもよい。
また、上記実施形態においては、本発明の防音カバーおよびその製造方法を、エンジンカバー1およびその製造方法として具現化した。しかしながら、例えば、アンダーカバー、ブロックサイドカバー、ミッションカバー、ポンプカバーとして具現化してもよい。
本発明の防音カバーの一実施形態となるエンジンカバーの上方から見た斜視図である。 図1のII−II断面図である。 同エンジンカバーのカバー本体の下方から見た斜視図である。 同エンジンカバーの吸音部材の上方から見た斜視図である。 同吸音部材の下方から見た斜視図である。 同吸音部材の下面図である。 図2の枠VII内の拡大図である。 同エンジンカバーの製造方法に用いる金型の注入工程における斜視図である。 図8の型締め状態におけるX−IX方向断面図である(発泡ポリウレタン原料硬化前)。 図9の枠X内の拡大図である。 図8の型締め状態におけるIX−IX方向断面図である(発泡ポリウレタン原料硬化後)。 同エンジンカバーの製造方法に用いる金型の型開き工程における斜視図である。 本発明のエンジンカバーのその他の実施形態(その1)となるエンジンカバーの部分拡大断面図である。 本発明のエンジンカバーのその他の実施形態(その2)となるエンジンカバーの部分拡大断面図である。
符号の説明
1:エンジンカバー(防音カバー)、2:カバー本体、3:吸音部材、4:金型、5:上型(第一型)、6:下型(第二型)、7:ヒンジ部。
20:下面(裏面)、30:上面(表面)、31:下面(裏面)、50:下面(第一型面)、60:上面(第二型面)、70:ノズル、71:キャビティ、90:シリンダヘッド(音源部材)、200:本体側基準面、201:ボス部、300:吸音部材側基準面、301:凹部、302:空間、310:凸部、310a:根本部、310b:頂部、310c:立壁部、310d:最短部、311:凸部(封止凸部)、500:基準面成形面、501:凹部成形部、600:凸部成形部、601:凸部成形部、900:上面(表面)。
A1:注入点、A2:流路、A3:流路、F1:平面、G:ガス、L1:上下方向高さ、L10:上下方向平均高さ、L2:上下方向高さ、L3:上下方向高さ、L5:接線、P:発泡ポリウレタン原料(発泡樹脂原料)、S1〜S5:流路断面積、S10:上下方向投影面積、V10:体積、θ1:最大傾斜角度。

Claims (6)

  1. 所定の形状を有する本体側基準面を有する裏面を有するカバー本体と、
    該本体側基準面の該形状に略沿った形状を有する吸音部材側基準面を有する表面と、複数の凸部を有する裏面と、を有し該カバー本体の裏側に配置される樹脂発泡体製の吸音部材と、
    を備えてなり、防音対象である音源部材の表面に取り付けられる防音カバーの製造方法であって、
    前記吸音部材の前記表面は、さらに、前記裏面の複数の前記凸部の表側に配置され、前記本体側基準面の前記形状に沿わない複数の凹部を有し、
    前記吸音部材側基準面に対応する基準面成形面と複数の該凹部に対応する複数の凹部成形部とを有する第一型面を有する第一型と、複数の前記凸部に対応する複数の凸部成形部を有する第二型面を有する第二型と、を備える金型のキャビティに、前記樹脂発泡体の原料であり液状の発泡樹脂原料を、注入する注入工程と、
    該金型を開き前記吸音部材を取り出す型開き工程と、
    を有する防音カバーの製造方法。
  2. 前記凸部は、根本部と、該根本部に対して表裏方向に最も離間する頂部と、該根本部と該頂部とを連結する立壁部と、を有し、
    該根本部は、該根本部において前記本体側基準面からの表裏方向高さが最短となる最短部を有し、
    該本体側基準面から該最短部までの表裏方向高さを100%として、該本体側基準面から該頂部までの表裏方向高さは、300%以上に設定されており、
    該最短部が連なる面の延在方向を0°として、該立壁部の最大傾斜角度は、80°以上に設定されている請求項1に記載の防音カバーの製造方法。
  3. 前記凸部は、根本部と、該根本部に対して表裏方向に最も離間する頂部と、該根本部と該頂部とを連結する立壁部と、を有し、
    該根本部は、該根本部において前記本体側基準面からの表裏方向高さが最短となる最短部を有し、
    前記吸音部材の体積を、該吸音部材の表裏方向投影面積で、割った値を、表裏方向平均高さとして、
    該表裏方向平均高さを100%として、前記本体側基準面から該頂部までの表裏方向高さは、150%以上に設定されており、
    該最短部が連なる面の延在方向を0°として、該立壁部の最大傾斜角度は、80°以上に設定されている請求項1または請求項2に記載の防音カバーの製造方法。
  4. 前記凸部は、前記音源部材の前記表面に当接する封止凸部である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の防音カバーの製造方法。
  5. 所定の形状を有する本体側基準面を有する裏面を有するカバー本体と、
    該本体側基準面の該形状に略沿った形状を有する吸音部材側基準面を有する表面と、複数の凸部を有する裏面と、を有し該カバー本体の裏側に配置される樹脂発泡体製の吸音部材と、
    を備えてなり、防音対象である音源部材の表面に取り付けられる防音カバーであって、
    前記吸音部材の前記表面は、さらに、前記裏面の複数の前記凸部の表側に配置され、前記本体側基準面の前記形状に沿わない複数の凹部を有することを特徴とする防音カバー。
  6. 前記凸部は、前記音源部材の前記表面に当接する封止凸部である請求項5に記載の防音カバー。
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