JP6126477B2 - 車両用外装材 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車のフェンダプロテクタ、アンダーカバーなどの車両用外装材に関する。
一般に、自動車には、走行時に泥水の飛散や小石の跳ね上げ等から車体を保護するため、例えば車体のホイールハウスの内側に、タイヤの上部を覆うフェンダプロテクタが取り付けられている。このフェンダプロテクタは、所定の熱可塑性樹脂を主成分とした材料を射出成形することで製造されることが一般的である。また、タイヤの一部を上方から覆うことができるように、概略的にはアーチ状などに湾曲した面形状となるよう構成されている。
近年、フェンダプロテクタ等の車両用外装材では、自動車の燃費向上やコストダウンのため、所定の剛性や強度を確保しながら軽量化が求められている。また、例えばフェンダプロテクタにおいては、車体を保護する機能に加えて、車両の走行時に発生する騒音が車室内に伝播されるのを抑制しておく機能も求められている。こうした車両の走行時における騒音としては、土砂、小石、水等の衝突(チッピング)により生じる衝突音(チッピング音やスプラッシュ音)、路面とタイヤとの摺接によって生じる擦過音(パターンノイズやロードノイズ)等がある。
こうした騒音の伝播を抑制するために吸音材を設けたものとして、特許文献1,2が知られている。
特許文献1を参照すると、溶融状態の熱可塑性樹脂シートを不織布の一面に重ねて一対のロール間を通すことにより、両面から押圧し、不織布層と、熱可塑性樹脂層とを備えた外装材とすることが記載されている。
また、本出願人による特許文献2を参照すると、フェンダプロテクタの裏面にリブを立設し、このリブを覆うように吸音材を設けることで、フェンダプロテクタの裏面とリブとの間を吸音気室とする構成が記載されている。
特開2011−143763号公報 特開2010−6312号公報
しかしながら、特許文献1に示される不織布層など、吸音性を有する吸音層は、剛性の高い樹脂による樹脂層と比較して剛性や強度が低い。また、車両用外装材としては、防音性の向上と共に、上述のように軽量化、薄肉化も求められている。
このため、不織布による吸音層と、熱可塑性樹脂層とを備えた構成により防音性の向上を図るとしても、設計の際には、軽量化、薄肉化しながら所定の剛性や強度を有するように設計することとなる。このため、吸音層を配設できる場所や面積が限定されるなど、設計上の制約が大きくなっていた。
また、特許文献2は、リブを立設したフェンダプロテクタを成形した後、吸音材をリブ付近などいくつもの所定位置で固定していく工程を行い、製造することとなるため、コスト高となるおそれがあった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、防音性が高く低コストでありながら設計の自由度が大きい車両用外装材を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明に係る車両用外装材は、複数の層を有して構成される板状防音部が設けられ、複数の層は、板状防音部における少なくとも一方の表面が樹脂材料を含む樹脂層であり、吸音性を有する吸音層を少なくとも含み、板状防音部の配設された場所における所定位置には、樹脂層が配設された側の面に、線状に延設された線状凸部が形成され、板状防音部における樹脂層が配設された側の面には、線状凸部に隣接する所定範囲に凹部が形成されたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、防音性が高く低コストでありながら設計の自由度が大きい車両用外装材を提供することができる。
本発明の実施形態としてのフェンダプロテクタ100の外観例を概略的に示す斜視図である。 板状防音部20と、縁端ビード部41、面内ビード部42の関係を模式的に示す図である。 (a)模式的な横断面、(b)縁端ビード部41周り、(c)面内ビード部42周りを、それぞれ示す図である。 縁端ビード形成部203周りについて、製造工程を模式的に示す図である。 面内ビード形成部204周りについて、製造工程を模式的に示す図である。 板状防音部20の他の配置例を示す斜視図である。 板状防音部20の他の形状例を示す図である。
次に、本発明に係る車両用外装材を自動車のフェンダプロテクタに適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
なお、本発明に係るフェンダプロテクタの構成としては、以下に説明する形状、配置構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を本願発明のフェンダプロテクタとして採用することができる。このため、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1に示すように、本実施形態のフェンダプロテクタ100は、自動車におけるタイヤの一部を上方から覆うことができるように、概略的にはアーチ状に湾曲した面形状となるよう構成されている。また、アーチ状に湾曲した面形状の上部には、切欠部12が形成される。フェンダプロテクタ100が車両に取り付けられた際、この切欠部12には、図示しないタイヤを保持する部分やサスペンションなどの車両部材が配置される。
なお、本明細書では、車両の直進時における前進方向を基準として前後左右方向を定めることとする。また、上下方向は、車両が水平面に置かれた時の鉛直方向における上下方向とする。
本実施形態のフェンダプロテクタ100は、射出成形により成形された成形樹脂部11の中に、板状防音部20が配置されて構成される。図1の構成例では、フェンダプロテクタ100の湾曲した面形状における後方側に板状防音部20aが、上部に板状防音部20bが、それぞれ配設された場合を示す。こうした構成により、剛性が必要な前方側は板状防音部20の配置されていない成形樹脂部11で構成し、小石や水等のチッピングが当たる後方側に板状防音部20aを配置し、エンジンルーム内に対する吸音および遮音のための上部に板状防音部20bを配置するようにしている。
板状防音部20aの縁端部には、線状に延設された線状凸部としての縁端ビード部41aが形成され、面内には面内ビード部42aが形成される。また、板状防音部20bの縁端部には、線状に延設された線状凸部としての縁端ビード部41bが形成され、面内には面内ビード部42bが形成される。
図2に、上述した板状防音部20と、縁端ビード部41、面内ビード部42の関係を模式的に示す。図3(a)はその模式的な横断面を示し、図3(b)は縁端ビード部41周りの詳細な構成を、図3(c)は面内ビード部42周りの詳細な構成を、それぞれ示す。
板状防音部20が配設された場所には、その板状防音部20の縁端部23を内部に収めるように縁端ビード部41が形成される。また、板状防音部20の面内には、縁端部におけるある1点と他の1点との間をつなぐ略直線状に面内ビード部42が形成される。
また、本実施形態のフェンダプロテクタ100は、後述のように射出成形により成形されるため、金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂を注入する入口となるゲート13が配設される。このゲート13の数や配置は、溶融状態の熱可塑性樹脂が成形品であるフェンダプロテクタ100の隅々まで流れて充填されるように、フェンダプロテクタ100の形状に応じて適宜設計される。このため、図1中にはゲート13を省略した概略形状を示す。
成形樹脂部11は、特に強度を要求される所定の部分を除いて、フェンダプロテクタ自体の軽量化を図るため、例えば1.0mm程度の薄肉板状として構成される。
このため、ゲート13から注入された溶融状態の熱可塑性樹脂の流動性をよくするように、上述した縁端ビード部41、面内ビード部42に加えて、ビード部がフェンダプロテクタ100の形状に応じて適宜配置されてよい。
板状防音部20は、図3に示すように、樹脂層31と、吸音層32との2層構造からなる。
樹脂層31は、例えばポリプロピレンなどの剛性の高い樹脂材料に所定の添加剤などを加えた材料により構成される。このため、音が貫通しにくく、遮音性を有する層となっている。
吸音層32は、例えば不織布や各種繊維材料など吸音性を有する材料で構成される。特に不織布は、チッピング音やスプラッシュ音といった打音に対する吸音性が高いため、好適に適用することができる。
上述した縁端ビード部41、面内ビード部42は、板状防音部20における樹脂層31が表面に配設された側の面に形成される。すなわち、縁端ビード部41、面内ビード部42を構成する樹脂は、板状防音部20以外の部分である成形樹脂部11を構成する樹脂と同一であり、樹脂層31を構成する樹脂と、後述する射出成形により一体化されて構成される。図1、図2の構成例では、アーチ状に湾曲した面形状のフェンダプロテクタ100における外側、すなわち車体側に板状防音部20の樹脂層31が配設された場合を示す。
こうした構成で、アーチ状に湾曲した面形状のフェンダプロテクタ100における内側、すなわちタイヤ側に板状防音部20の吸音層32を配設することにより、吸音層32の不織布などでチッピング音・スプラッシュ音等の打音を小さくすることができる。また、車体側に配設された樹脂層31によりパターンノイズ等を遮音することができる。言うなれば、図1、図2に示す構成例は、チッピング音・スプラッシュ音等の打音を吸音することを特に重視した配置である。
また、図3に示す樹脂層31の厚みDは、0.5mm〜1.5mmであることが好ましく、吸音層32の厚みEは、1mm以上であることが好ましい。こうした厚みとすることで、フェンダプロテクタ100の全体として軽量化、薄肉化を図りつつ、樹脂層31による遮音効果や吸音層32による吸音効果も十分に引き出すことができる。
また、樹脂層31や吸音層32は、狙いの性能によって種々変更して設計されてよい。樹脂層31の厚みDを厚くすれば、遮音性を向上させることができる。また、吸音層32については、吸音層32の厚みE、単位面積当たりの質量、繊維の圧縮量、繊維長などを変えることにより、所定の周波数に対して特に吸音性の高い構成とすることができる。
また、図3(b)に示すように、縁端ビード部41に隣接する板状防音部20側の所定範囲には、縁端凹部21が形成される。また、図3(c)に示すように、面内ビード部42に隣接する板状防音部20の両側の所定範囲には、面内凹部22が形成される。
この縁端凹部21および面内凹部22は、後述する射出成形の際に金型で主に吸音層32が押し潰されることで形成される。凹部の深さは0.5mm以内が好ましい。
次に、本実施形態のフェンダプロテクタ100の製造方法について、図4、図5を参照して説明する。
図4(a)は、金型200での型締め前における縁端ビード形成部203周りを示し、図4(b)は、その型締め後を示す。図5(a)は、金型200での型締め前における面内ビード形成部204周りを示し、図5(b)は、その型締め後を示す。
本実施形態のフェンダプロテクタ100の製造工程では、まず板状部材50を金型200により挟み込む。そして、この挟み込んだ状態で金型200における上述したゲート13に対応する部分から金型200の内側の空間に溶融状態の熱可塑性樹脂を流し込んで充填する。本実施形態のフェンダプロテクタ100は、こうした熱可塑性樹脂の射出成形により製造される。
板状部材50は、成形後に板状防音部20とされる平板状の部材であり、樹脂層51、吸音層52の2層構造からなるよう予め成形される。樹脂層51は、成形後のフェンダプロテクタ100における樹脂層31とされる部分であり、吸音層52は、成形後のフェンダプロテクタ100における吸音層32とされる部分である。
金型200の内側面には、本実施形態のフェンダプロテクタ100を成形するための所定の凹凸形状が形成される。
図4に示す縁端ビード形成部203周りには、縁端凹部21を形成するための縁端圧縮部201と、縁端ビード部41を形成するための縁端ビード形成部203とが形成される。また、図5に示す面内ビード形成部204周りには、面内凹部22を形成するための面内圧縮部202と、面内ビード部42を形成するための面内ビード形成部204とが形成される。
金型200による型締めを行う前には、図4(a)に示すように、板状部材50の縁端部53が縁端ビード形成部203内の空間に収まるよう定められた所定位置に、板状部材50が配置される。また、板状部材50は、金型200における縁端ビード形成部203および面内ビード形成部204が配設される側に樹脂層51の配設面が向くように配置される。
そして金型200の型締めを行うことで、図4(b)に示すように、縁端圧縮部201により板状部材50が押し潰され、縁端ビード部41を形成するための縁端ビード形成部203による空間に隣接する所定範囲が縁端凹部21として形成される。
また、図5に示すように、金型200の型締めを行うことで、面内圧縮部202により板状部材50が押し潰され、面内ビード部42を形成するための面内ビード形成部204による空間に隣接する両側の所定範囲が面内凹部22として形成される。
縁端凹部21および面内凹部22は、金型200により板状部材50の主に吸音層32が押し潰されることで形成される。
こうして金型200が型締めされた状態で、上述したゲート13に対応する部分から金型200の内側に溶融状態の熱可塑性樹脂を流し込んで充填する。
このことにより、溶融状態の熱可塑性樹脂は、縁端ビード形成部203および面内ビード形成部204内の空間にも流し込まれて充填される。この時、溶融状態の熱可塑性樹脂は高温であるため、その熱により板状部材50の樹脂層51を構成する樹脂と一体化され、強固に固着される。
このため、成形樹脂部11を構成する樹脂、すなわち溶融状態で金型200内に流し込まれる熱可塑性樹脂と、板状部材50の樹脂層51を構成する樹脂とは、熱により一体化されやすい材料であることが好ましい。例えば何れもポリプロピレン系樹脂を主成分とした樹脂材料とすることにより、高い強度、剛性が得られると共に、熱で一体化させる固着性も良好にすることができる。
また、縁端ビード形成部203に隣接する板状部材50側となる所定範囲には、上述のように縁端凹部21を形成するための縁端圧縮部201が配設される。また、面内ビード形成部204に隣接する両側の所定範囲には、上述のように面内凹部22を形成するための面内圧縮部202が配設される。
このため、縁端ビード形成部203および面内ビード形成部204内の空間に溶融状態の熱可塑性樹脂が流し込まれる際、隣接する所定範囲は圧縮されて凹部とされている。このため、流し込まれた溶融状態の熱可塑性樹脂は板状部材50の面内に漏れ出ることがなく、縁端ビード形成部203および面内ビード形成部204内の空間に留まる。
また、縁端ビード形成部203および面内ビード形成部204内の空間は、板状部材50における樹脂層51側に配設されるため、流し込まれる熱可塑性樹脂の流動性も良好となる。すなわち、吸音層52を構成する不織布などによる表面抵抗がない状態で溶融状態の熱可塑性樹脂を金型200内の空間に流し込むことができる。
こうして金型200の内側の空間に溶融状態の熱可塑性樹脂を流し込んで充填し、冷却した後、金型200を開いて成形品を離型させ、ゲートカットなどの所定の工程を行うことでフェンダプロテクタ100を製造することができる。
次に、上述した実施形態の効果について説明する。
上述した実施形態では、薄肉の射出成形で製造されるフェンダプロテクタ100の少なくとも1箇所に、樹脂層31と吸音層32の2層構造からなる板状防音部20を備える。また、板状防音部20の縁端部23を包み込むように、この縁端部23に沿う線状の縁端ビード部41が延設される。さらに、板状防音部20の面内における所定位置に、線状の面内ビード部42が形成される。
このため、樹脂と比較して剛性や強度の低い吸音層32を有する板状防音部20を備えた構成でありながら、その板状防音部20が配設された場所の剛性や強度を局所的に向上させることができる。
また、縁端ビード部41や面内ビード部42が、板状防音部20における樹脂層31の側の面に形成されるため、縁端ビード部41や面内ビード部42における樹脂と樹脂層31の樹脂とを射出成形の熱で一体化させ、強固に固着させることができる。また、板状防音部20の縁端部23が縁端ビード部41の内部に収まるように配置されるため、この縁端ビード部41の内部についても、縁端ビード部41の樹脂と樹脂層31の樹脂とを射出成形の熱で一体化させ、強固に固着させることができる。
このため、さらに高い強度を得ることができる。
このように、本実施形態のフェンダプロテクタ100は、縁端ビード部41や面内ビード部42を形成することで、板状防音部20の配設された場所周りにおける変形防止を図ると共に、剛性や強度をアップさせた構成となっている。このため、吸音層32を有する板状防音部20を備えた構成でありながら、フェンダプロテクタ100の設計における制約を小さくすることができる。例えばフェンダプロテクタ100に穴、リブ、ピンなどを配設する設計をする場合であっても、設計に強度や剛性による制約が加わることがない。
このように、設計の自由度の大きいフェンダプロテクタ100を提供することができる。
また、板状防音部20は、樹脂層31が遮音性を有し、吸音層32が吸音性を有するため、車両の走行時に発生する各種の騒音を効果的に低減することができる。例えば上述のようにタイヤ側に板状防音部20の吸音層32を配設した構成とすることにより、吸音層32の不織布などでチッピング音・スプラッシュ音等の打音を小さくすることができる。また、車体側に配設された樹脂層31によりパターンノイズ等を遮音することができる。
このように、板状防音部20を目的に応じた構成とすることで、車両の走行時に発生する各種の騒音を効果的に低減することができる。
近年は軽量化による薄肉化が強く求められ、防音性については対策が困難になる方向となっている。
これに対し、上述した実施形態によれば、フェンダプロテクタ100における剛性が必要な部位については成形樹脂部11で構成し、防音性を重視したい部位に目的に応じた構成とした板状防音部20を配置することで、軽量化、薄肉化も可能でありながら防音性にも優れた構成とすることができる。例えば上述した実施形態の構成では、全体を熱可塑性樹脂のみで構成された従来のフェンダプロテクタと重量はほとんど同等にできる。それでいて、樹脂のみで構成された従来のフェンダプロテクタでは対策が困難なチッピング音・スプラッシュ音等の打音などに対しても防音性を向上させることができる。
また、射出成形に用いる金型200には、縁端ビード形成部203に隣接する位置に縁端圧縮部201が、面内ビード形成部204に隣接する位置に面内圧縮部202が、それぞれ形成される。そして、金型200の型締めの際に、この縁端圧縮部201、面内圧縮部202により板状部材50を押し潰し、縁端凹部21、面内凹部22を形成する。
このため、金型200の内側の空間に溶融状態の熱可塑性樹脂を流し込んで充填する際にも、溶融状態の樹脂が板状防音部20の面内に漏れることを確実に防止することができる。このため、設計通りの形状の成形品を確実かつ安定して製造することができる。
また、縁端ビード部41や面内ビード部42は、板状防音部20における樹脂層31の側に形成される。このため、射出成形による製造工程で、金型200の内側の空間に溶融状態の熱可塑性樹脂を流し込んで充填する際にも、溶融状態の熱可塑性樹脂の流動性を高めることができる。このため、設計通りの形状の成形品を確実かつ安定して製造することができる。
また、製造工程としても、金型200の間に板状部材50を配置して型締めするだけの一般的な射出成形の工程だけで、上述した縁端ビード部41や面内ビード部42に加えて、隣接する縁端凹部21、面内凹部22も形成し、板状防音部20を成形樹脂部11に一体化させて強固に固着させたフェンダプロテクタ100を製造することができる。
このため、設計の自由度が大きく防音性の高いフェンダプロテクタ100を低コストに提供することができる。
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、板状防音部20の樹脂層31の面を車体側、タイヤ側のどちらに配置するかは、設計上の目的などに応じて、上述した実施形態と逆向きであってもよい。また、図6に示すように、板状防音部20の一部についてだけ異なる向きで配設してもよい。図6の構成例では、フェンダプロテクタ100の湾曲した面形状における後方側の板状防音部20aについては、上述した実施形態と同様に樹脂層31が車体側に配置され、上部の板状防音部20bについては、樹脂層31がタイヤ側に配置された逆向きの構成となっている。
上述のように、タイヤ側に板状防音部20の吸音層32を配設した場合、吸音層32の不織布などでチッピング音・スプラッシュ音等の打音を小さくでき、車体側に配設された樹脂層31によりパターンノイズ等を遮音することができる。
一方、タイヤ側に板状防音部20の樹脂層31を配設した場合、タイヤ側の樹脂層31でパターンノイズ等を遮音でき、車体側に配設された吸音層32の不織布などでエンジンノイズ、こもり音、ロードノイズなどを吸音することができる。
このため、図6のように構成することで、上部の板状防音部20bではエンジンルームの遮音を重視し、後方側の板状防音部20aではチッピング音・スプラッシュ音等の打音の吸音を重視した防音特性とすることができる。
また、上部および後方側の全体について、タイヤ側に板状防音部20の樹脂層31を配設した構成では、エンジンルームの遮音を重視した防音特性とすることができる。
このように、設計上の目的などに応じて、板状防音部20の向きは配置場所に応じて適宜設計されてよい。
また、例えば図7に示すように、金型200の間に挟み込む前の板状部材50を予めプレスなどで賦形し、凹凸形状を付与してもよい。図7の例では、凸状溝24が予め賦形された構成例を示す。
このように板状部材50を予めプレスなどして凹凸形状を付与しておくことにより、成形品としてのフェンダプロテクタ100の剛性をさらに向上させることができる。また、付与する形状によって、車体の取付部分の形状への追従性を向上させることもできる。
また、面内ビード部42は、上述した実施形態のように十字型に限定されず、縁端部における点と、縁端部における他の点との間をつなぐ線状であれば任意の形状であってよい。例えば、ゲート13から放射状になるよう形成されてもよく、蜘蛛の巣型などであってもよい。また、面内ビード部42となる線は、直線であっても曲線であってもよい。また、面内ビード部42となる線と線は交差してもしなくてもよい。また、線幅、すなわち長手方向に垂直な断面の断面積は一定に限定されず、例えばテーパ状などであってもよい。
このように、面内ビード部42の配置や形状が種々変更された場合であっても、隣接する所定範囲に面内凹部22を形成することで、本発明を同様に実現することができる。
また、縁端ビード部41についても、線状の凸部となる線の線幅、すなわち長手方向に垂直な断面の断面積は一定に限定されず、例えばテーパ状などであってもよい。
また、縁端ビード部41は、縁端部23の全てに配設されることに限定されず、設計等に応じて少なくとも一部に形成されていれば、本発明を同様に実現することができる。
また、縁端凹部21や面内凹部22の延設方向における幅も、一定に限定されず、例えばテーパ状などであってもよい。
また、面内ビード部42や縁端ビード部41は、線状の凸部であればビード形状に限定されず、補強できる厚肉部として任意の形状であってよい。特に、射出成形の際に溶融状態の熱可塑性樹脂の流動性のよい形状であることが好ましい。
また、板状防音部20は、吸音層を含み、縁端ビード部41や面内ビード部42が形成される側の表面に樹脂層が配設された構成であれば、上述のような2層構造に限定されず、3層以上など任意の層構成であってよい。
また、上述した実施形態では、本発明を自動車のフェンダプロテクタに適用した例について説明したが、例えばアンダーカバーなど、防音性が求められる各種の車両用外装材にも本発明は同様に適用することができる。
100 フェンダプロテクタ
11 成形樹脂部
12 切欠部
13 ゲート
20 板状防音部
21 縁端凹部
22 面内凹部
23 縁端部
31 樹脂層
32 吸音層
41 縁端ビード部(線状凸部の一例)
42 面内ビード部(線状凸部の一例)
50 板状部材
51 樹脂層
52 吸音層
53 縁端部
200 金型
201 縁端圧縮部
202 面内圧縮部
203 縁端ビード形成部
204 面内ビード形成部

Claims (4)

  1. 複数の層を有して構成される板状防音部が設けられ、
    前記複数の層は、
    前記板状防音部における少なくとも一方の表面が樹脂材料を含む樹脂層であり、
    吸音性を有する吸音層を少なくとも含み、
    前記板状防音部の配設された場所における所定位置には、前記樹脂層が配設された側の面に、線状に延設された線状凸部が形成され
    前記板状防音部における前記樹脂層が配設された側の面には、前記線状凸部に隣接する
    所定範囲に凹部が形成されたことを特徴とする車両用外装材。
  2. 前記車両用外装材は、前記複数の層を有して構成される平板状の板状部材が金型で挟み込まれた後、樹脂材料の射出成形により製造され、
    前記凹部は、前記板状部材を前記金型で挟み込むことにより形成されることを特徴とする請求項記載の車両用外装材。
  3. 前記線状凸部は、前記板状防音部における縁端部の少なくとも一部に、該縁端部に沿って延設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用外装材。
  4. 前記線状凸部は、前記板状防音部における縁端部における点と、縁端部における他の点との間をつなぐ線状に形成されたことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の車両用外装材。
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