JPWO2013077003A1 - 自動車用内外装材及びその製造方法 - Google Patents

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    • B60R13/02Internal Trim mouldings ; Internal Ledges; Wall liners for passenger compartments; Roof liners

Abstract

発泡体からなるスペーサーやサイレンサー等を基材の一面上に設けた自動車用内外装材において、車体への装着作業の簡易化と質感の向上を図ることができる自動車用内外装材及びその製造方法を提供するものであり、自動車の車体の所定箇所を覆うように使用する自動車用内外装材であって、所定形状に形成された基材10、及び、基材10の車体と向き合う一面上の所定箇所において、発泡樹脂を用いたインサート成形によって基材10と一体になるように所定形状に形成されている発泡体11、を備えており、上記基材10は、車体のパネルBPの表面を覆って装飾するトリム部材10Aを構成し、上記発泡体11は、上記パネルBPと上記トリム部材10Aとの間隔を所定長さに保つ複数のスペーサー11A〜11Eと、吸音シート13と、を構成している。

Description

本発明は、例えば自動車のラゲージトリム、ラゲージマット、サイドトリム、デッキトリム、デッキボード、ドアトリム等のトリム部材や、フェンダーライナー等のライナー部材といった自動車用内外装材及びその製造方法に関するものである。
通常、自動車用内外装材であるトリム部材やライナー部材は、合成樹脂や不織布からなる基材を、自動車のボディパネルやドアパネル等あるいはホイールハウスやトランクルーム等といった取付箇所の形状に対応するように、立体形状に成形して得られる(例えば特許文献1〜3参照)。また、こうしたトリム部材やライナー部材の基材は、その周縁部分をボディパネル等あるいはホイールハウスやトランクルーム等に当接させるように形成されている。
一方、トリム部材やライナー部材は、基材のみでなく、多くの場合、該基材の内面(車体側の面)上にスペーサーやサイレンサーなどが取り付けられている。
つまり、トリム部材であれば、略中央部分がボディパネル等から間隔を空けて浮いているので、触った時に大きく撓んで薄くて弱い手応えの質感に劣るものとなることを抑制するため、ボディパネル等との間に発泡樹脂製のスペーサーを介装させている(例えば特許文献4)。ライナー部材であれば、外部から車内へ騒音が入り込まないようにするために、基材の内面に発泡樹脂や不織布等からなるシート状のサイレンサーを接合している。
特開2011−116190号公報 特開2007−301889号公報 特開2007−45240号公報 特開平10−16559号公報
ところが、上記従来の自動車用内外装材においては、車体への装着作業時において、基材へのスペーサーやサイレンサーなどの取り付けが煩雑で手間を要するものになり、また該スペーサーや該サイレンサーが取付箇所の形状等に対応せずに、該装着作業が繁雑であるという問題があった。
すなわち、上記スペーサーには、通常はブロック状の発泡体が使用されており、作業者は、該発泡体を適当な大きさに切って、該発泡体に接着剤を塗布し、一つ一つ位置を合わせながら基材に接着する、という一連の作業を手作業で行っている。また上記サイレンサーには、通常は繊維シートが使用されており、作業者は、該繊維シートを適当なサイズに裁断し、基材に接着あるいは縫着する、という作業を手作業で行っている。
また上記取付箇所において発泡体や繊維シートが当接される部位は、曲面であったり、補強材やユニットが取り付けられていたり、ハーネス類が配索されていたりして、凹凸になっている場合がある。該凹凸が小さければ発泡体や繊維シートを弾性変形させることで対応できるが、該弾性変形で対応出来ない場合は、トリム部材が車体から浮く等の外観不良を防止するため、該トリム部材の装着の邪魔にならないように、該発泡体や該繊維シートを手作業で削ったり、裁断し直したりする等の後加工が必要になってしまう。
さらに、補強材やユニットやハーネス類を避けようとしたり、装着作業を簡易にしようとしたりして上記発泡体の取付箇所の数を減らすと、上記発泡体の取付箇所相互の間隔が大きくなって、部分的にボディパネル等から浮いた状態のままの箇所ができてしまう。こうした部分的箇所は、上記発泡体の取付箇所の周縁に比べて面剛性が低下するため、上記発泡体の取付箇所に比べて触った時の撓みが明らかに大きくなり、質感を損なう原因になるという問題があった。
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、発泡体からなるスペーサーやサイレンサー等を基材の一面上に設けた自動車用内外装材において、車体への装着作業の簡易化と質感の向上を図ることができる自動車用内外装材及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の自動車用内外装材の発明は、自動車の車体の所定箇所を覆うように使用する自動車用内外装材であって、所定形状に形成された基材、及び、上記基材の上記車体と向き合う一面上の所定箇所において、発泡樹脂を用いたインサート成形によって上記基材と一体になるように所定形状に形成されている発泡体、を備えていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動車用内外装材の発明において、上記基材は、上記車体のパネルの表面を覆って装飾するトリム部材を構成し、上記発泡体は、上記パネルと上記トリム部材との間隔を所定長さに保つスペーサーを構成していることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の自動車用内外装材の発明において、上記発泡体は、上記スペーサーが複数と、さらに該スペーサー相互の間において該スペーサーと一体成形された吸音シートと、を構成していることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の自動車用内外装材の発明において、上記基材は、上記車体の所定箇所を覆って保護するライナー部材を構成し、上記発泡体は、上記ライナー部材を介した自動車内への音の進入を抑制する吸音シートを構成していることを要旨とする。
請求項5に記載の自動車用内外装材の製造方法の発明は、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の自動車用内外装材の製造方法であって、上記基材を受け治具に固定するする第1工程と、上記基材の一面と向き合うように成形凹部が設けられた押さえ治具と、上記受け治具との間に、上記基材を挟持する第2工程と、上記成形凹部の内面と、上記基材の一面とに囲まれてなるキャビティ内に樹脂液を注入する第3工程と、上記キャビティ内で上記樹脂液を発泡流動後に硬化させることで上記基材の一面上に上記発泡体を一体的に成形する第4工程と、からなることを要旨とする。
〔作用〕
本発明の自動車用内外装材は、受け治具と、成形凹部が設けられた押さえ治具とを成形型として利用したインサート成形により、基材の一面上に発泡体が一体的に形成されている。従って、本発明の自動車用内外装材は装着作業時において、基材の一面に発泡体を取付場所に気をつけつつ手作業で取り付けなくてもよい。加えて上記発泡体は、成形型として利用する押さえ治具の成形凹部の形状を調整することで、所望とする任意の形状とすることが可能であり、後加工で形状の調整をする必要がない。結果、車体への装着作業が簡易なものとなる。さらに本発明の自動車用内外装材は、上記発泡体を取付箇所に応じた所望の形状や位置とすることができるので、該発泡体を面剛性の部分的な低下を抑制する形状や位置にして、触った時の撓みを小さくすることにより、質感の向上を図ることができる。
また本発明の自動車用内外装材の製造方法によれば、自動車の車体に設計変更がある場合に、これに対応しやすいという利点を有している。つまり、従来であれば、設計変更に応じて取付順序や取付個数を変更するべく生産工程も変更する必要があるが、本発明の製造方法であれば、成形凹部が設けられた押さえ治具を交換するのみで、生産工程を変更する必要がない。加えて、本発明の製造方法によれば、キャビティへの樹脂液の注入量を変更することで、発泡体の密度を簡単に変更することができるため、該密度の変更に応じて面剛性、つまりは触った時の撓みを簡単に調整することができ、さらなる質感の向上を図ることができる。
上記自動車用内外装材は、基材であるトリム部材と発泡体であるスペーサーとからなる自動車用トリムや、基材であるライナー部材と発泡体である吸音シートからなる自動車用ライナーに適用されることが望ましい。
また、上記自動車用内外装材は、基材の一面上に発泡体を構成するスペーサーと吸音シートとを一体化して設けることが可能である。上記スペーサーと上記吸音シートとを一体化して設ける場合、スペーサーと吸音シートとをそれぞれ個別に設けるものに比べ、車体への装着作業が非常に簡易になる。
〔効果〕
本発明によれば、発泡体からなるスペーサーやサイレンサー等を基材の一面上に設けた自動車用内外装材において、車体への装着作業の簡易化と質感の向上を図ることができる自動車用内外装材及びその製造方法を提供することができる。
実施形態の自動車用内外装材を示す(a)は表面側からの斜視図、(b)は裏面側からの斜視図、(c)は車体に装着した状態の断面図。 自動車用内外装材の製造の第1工程を示す断面図。 自動車用内外装材の製造の第2工程を示す断面図。 自動車用内外装材の製造の第3工程を示す断面図。 自動車用内外装材の製造の第4工程を示す断面図。 別形態の自動車用内外装材を示す断面図。 別形態の自動車用内外装材を示す断面図。
以下、本発明の自動車用内外装材を具体化した一実施形態について説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、自動車用内外装材は、基材10と、該基材10の裏面に設けられた発泡体11と、を備えている。
上記基材10は、自動車の車体の所定箇所を覆うために、所定形状に形成されている。本実施形態の基材10は、自動車のラゲージルーム内で側面に露出する車体パネルBPを覆うためのラゲージトリム10Aを構成している。
上記発泡体11は、上記基材10の裏面で、該基材10と一体になるようにインサート成形によって所定形状に形成されている。本実施形態の発泡体11は、上記車体パネルBPと上記ラゲージトリム10Aとの間隔を所定長さに保つためのスペーサー11A,11B,11C,11D,11Eと、吸音シート13と、を構成している。
上記スペーサー11A〜11Eのうち、上記ラゲージトリム10Aの上部に設けられたスペーサー11A,11Bは、上記車体パネルBP上における該スペーサー11A,11Bの当接部位の近傍にハーネスHが配索されているので、該ハーネスHに当たらないような形状になるように形成されている。
一方、上記スペーサー11A〜11Eのうち、上記ラゲージトリム10Aの下部に設けられたスペーサー11C,11Dは、該スペーサー11C,11Dの当接部位となる車体パネルBPがホイールハウスであって傾斜面となっているので、該当接部位に応じた形状になるように形成されている。
また上記スペーサー11A〜11Eは、上記ラゲージトリム10Aの内面上で相互の間隔が略均等になる位置に形成されており、該ラゲージトリム10Aの面剛性の部分的な低下を防止することで、上記ラゲージトリム10Aを外面側から触った時の撓みを小さくして、質感を向上させている。
上記吸音シート13は、上記スペーサー11A〜11E相互の間において、該スペーサー11A〜11Eと一体成形されている。該吸音シート13は、車内に入り込もうとする騒音に対し、緩衝吸音機能を発揮することにより、該騒音を低減している。
上記基材10は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート等のエステル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の熱可塑性樹脂や、不織布等を材料に用い、射出成形、真空・圧空成形、加熱プレス成形等の成形方法で所定形状に形成されている。
上記発泡体11は、樹脂液を発泡させてなる、例えばポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリオレフィンフォーム、フェノール樹脂発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、シリコーン発泡体等の発泡樹脂を材料に用い、所定形状に形成されている。該発泡樹脂の中でも、ポリウレタンフォームは、入手が容易であり、モールディング発泡や注入発泡等といった注型発泡成形法によるインサート成形に好適であり、上記基材10に好適に接合(粘着)できるため、望ましい。
上記ポリウレタンフォームには、主にポリオール成分からなるA液と、イソシアネート成分からなるB液と、を混合して使用する2液型のものを使用することが望ましい。これは、2液型のポリウレタンフォームを使用することで、耐熱性、吸音性、硬度(弾性)等の特性と粘着性を好適に調整することができるためである。
上記発泡体11は、上記ポリウレタンフォームを用いて形成される場合、その密度を10〜100kg/mに設定することが望ましく、またスペーサーとしての使用を主目的とするのであれば30kg/m〜100kg/mに設定することがより望ましく、吸音シートとしての使用を主目的とするのであれば10〜20kg/mに設定することがより望ましい。密度が10kg/mに満たない場合、スペーサーとして使用するには発泡体11が軟らかすぎて、上記ラゲージトリム10Aを外面側から触った時の撓みが大きくなり質感が低下してしまうおそれがある。密度が100kg/mを超える場合、吸音シートとして使用するには発泡体11が硬すぎて、充分な緩衝吸音機能を発揮することができず、音を反射してしまうことで却って騒音を発生させてしまうおそれがある。
上記自動車用内外装材の製造方法について説明する。
上記自動車用内外装材の製造においては、上記基材10を固定するための受け治具50と、上記発泡体11を成形するための押さえ治具51と、を使用する。
図2に示すように、上記受け治具50は、上記基材10を固定するべく、その上面に上記基材10(本実施形態であればラゲージトリム10A)の表面と対応する形状の固定凹部50aが形成されている。そして、該固定凹部50aに嵌め込まれた上記基材10は、上記発泡体11が成形される裏面を外方に向けるようにして、該受け治具50に固定されるようになっている。
図3に示すように、上記押さえ治具51は、上記受け治具50に固定された上記基材10の裏面と向き合うことになる下面に、成形凹部52が形成されている。該成形凹部52は、上記発泡体11を成形するためのものであり、上記スペーサー11A〜11Eの形状に対応する形状に形成された凹部52A,52B,52Cと、上記吸音シート13の形状に対応する形状に形成された凹部52Dと、の相互の内部を一体的に繋げて形成されたものである(但し、図3中ではスペーサー11A,11Eに対応する凹部が省略されている)。また上記押さえ治具51の下面には、上記受け治具50との間で上記基材10を挟持固定することができるように、上記基材10の裏面と対応する形状の固定凸部51bが形成されている。
上記押さえ治具51の上面には、複数の注入孔53A,53B,53Cが、それぞれ上記成形凹部52の内部で凹部52A,52B,52Cと連通するように形成されている。そして樹脂液を、注入孔53Aからは凹部52Aの内部へ、注入孔53Bからは凹部52Bの内部へ、注入孔53Cからは凹部52Cの内部へ注入でき、さらに凹部52A,52B,52Cのそれぞれの内部から凹部52Dへ樹脂液を注入できるようになっている。また上記押さえ治具51の上面には、持ち手51dが設けられ、該持ち手51dを使用することで、上記受け治具50に対して該押さえ治具51を容易に移動させることができる。
上記受け治具50及び上記押さえ治具51に用いる材質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂、鉄、銅、アルミニウム等の金属、石膏等が挙げられるが、上記基材10の形状に対応させやすい、取り扱いや運搬が容易である等の観点から、合成樹脂が望ましく、なかでも熱硬化性樹脂は、強度と耐久性が好適であるため、より望ましい。
上記自動車用内外装材の製造の第1工程では、上記基材10が受け治具50に固定される。なお上記基材10であるラゲージトリム10Aは、該製造とは別の工程で予め成形されたものである(図2参照)。
製造の第2工程では、上記受け治具50に固定された上記基材10に対し、上記押さえ治具51が被着され、上記受け治具50と上記押さえ治具51との間に上記基材10が挟持される(図3参照)。
製造の第3工程では、上記押さえ治具51の成形凹部52の内面と、上記基材10の裏面とに囲まれてなるキャビティ54内に、上記注入孔53A,53B,53Cを介して樹脂液が注入される(図4参照)。
製造の第4工程では、上記キャビティ54内に注入された上記樹脂液を発泡流動後に硬化させることにより、上記発泡体11によって構成される上記スペーサー11A〜11E及び吸音シート13が上記基材10の裏面上に一体的に成形される(図5参照)。
上記第4工程の後、上記押さえ治具51が取り除かれ、上記自動車用内外装材が得られる。
上記第3工程において、樹脂液の注入には、注入ガン(図示略)が使用される。また上記発泡体11の材料にポリウレタンフォームが用いられる場合、ポリウレタンを発泡させるには、該ポリウレタンの原料混合物に反応性発泡剤や不活性発泡剤を添加して機械的に発泡させる方法を採用することが望ましい。該機械的に発泡させる方法としては、ミキシングヘッドから原料混合物を液状で吐出させ、その液状吐出物をクリーム状とした後で発泡させるノンフロス法、ミキシングヘッドから原料混合物を泡状に吐出させるフロス法、原料混合物を圧搾空気によってスプレーする吹付発泡法等が適用される。また上記発泡体11の密度の調整は、該第3工程において、樹脂液の注入量が調節されることによって行われる。
上記第4工程において、上記樹脂液を硬化は、必要に応じて圧縮、加熱を行なってもよく、あるいはフリーフォーミングで樹脂液を発泡させて自然硬化させてもよい。また上記発泡体11の材料にポリウレタンフォームが用いられる場合、ポリウレタンが有する粘着性によって上記基材10に接合してもよく、あるいは予め基材10の裏面にホットメルト接着剤やウレタン系接着剤等の接着剤を塗布し、該接着剤によって接合してもよい。
本発明の自動車用内外装材は、上記実施形態で示した構成に限定されず、以下のように変更してもよい。
上記キャビティ54を複数の空間に区画し、各空間への樹脂液の注入量をそれぞれ変更することで、上記発泡体11の密度を部分的に変えてもよい。例えば、上記押さえ治具51の成形凹部52の内部において、凹部52Aと凹部52Bとの間、凹部52Bと凹部52Cとの間にそれぞれ区画壁を設け、該区画壁によって該キャビティ54の内部を3つの空間に区画し、3つの空間のうち凹部52Bを有する空間への樹脂液の注入量を、凹部52A及び凹部52Cを有する空間への樹脂液の注入量に比べて少なくすることにより、スペーサー11Bとスペーサー11Cの密度に比べて、スペーサー11Dの密度を小さくすることができる。
なお上記のように樹脂液の注入量を変えて上記発泡体11の密度を部分的に変える場合、製造の第3工程においては、各空間へ樹脂液を注入する注入ガンは同じものを使用して樹脂液の注入量のみを変えてもよく、あるいは各空間でそれぞれ異なる注入ガンを使用してもよい。
また上記のように成形凹部52の内部を複数の空間に区画する場合、上記発泡体11によって構成される上記スペーサー11A〜11Eと上記基材10によって構成されるラゲージトリム10Aとが一体になっており、かつ上記発泡体11によって構成される吸音シート13と上記基材10によって構成されるラゲージトリム10Aとが一体になっているのであれば、成形凹部52の内部を、スペーサーを成形するための空間と、吸音シートを成形するための空間と、で区画することにより、スペーサー11A〜11Eと、上記吸音シート13と、を別体的に形成してもよい。
図6に示すように、自動車用内外装材において、上記発泡体11により、上記スペーサー11A〜11Eのみを構成してもよい。該自動車用内外装材の製造は、上記押さえ治具51に、上記スペーサー11A〜11Eを成形するための複数の成形凹部52を形成することで対応することができる。
図7に示すように、自動車用内外装材は、上記基材10によってライナー部材であるフェンダーライナー20Aを構成し、上記発泡体11によってスペーサー21A及び吸音シート21Bを構成してもよい。上記フェンダーライナー20Aは、自動車のホイールハウス内において、車輪の上部を覆うことにより、該車輪が跳ね上げる小石や砂利や雨水を車内等に進入させないようにするためのものである。また吸音シート21Aは、該車輪によるロードノイズや小石等が上記フェンダーライナー20Aに衝突して発生するチッピングノイズなどといった騒音が上記フェンダーライナー20Aを介して自動車内へ進入することを抑制するものである。
上記基材10により、上記トリム部材として、ラゲージマット、サイドトリム、デッキトリム、デッキボード、ドアトリム、ドアオープニングトリム等を構成してもよい。また上記基材10により、上記ライナー部材として、車室内の天井を覆うヘッドライニング、車室内の床を覆うフロアライニング等を構成してもよい。また自動車用内外装材は、ダッシュサイレンサ−、エンジンフードサイレンサー、トランクリッドサイレンサー、バンパーコア、マッドガード、ボディサイドモール等としてもよい。
本発明の自動車用内外装材は、発泡体からなるスペーサーやサイレンサー等が基材の一面上に一体的に形成されているので、車体への装着作業の簡易化を図ることができるから、産業上利用可能である。
10 基材
10A ラゲージトリム
20A フェンダーライナー
11 発泡体
11A,11B,11C,11D,11E スペーサー
13 吸音シート
21A スペーサー
21B 吸音シート
50 受け治具
51 押さえ治具
51a 成形凹部
本発明は、例えば自動車のラゲージトリム、ラゲージマット、サイドトリム、デッキトリム、デッキボード、ドアトリム等のトリム部材や、フェンダーライナー等のライナー部材といった自動車用内外装材及びその製造方法に関するものである。
通常、自動車用内外装材であるトリム部材やライナー部材は、合成樹脂や不織布からなる基材を、自動車のボディパネルやドアパネル等あるいはホイールハウスやトランクルーム等といった取付箇所の形状に対応するように、立体形状に成形して得られる(例えば特許文献1〜3参照)。また、こうしたトリム部材やライナー部材の基材は、その周縁部分をボディパネル等あるいはホイールハウスやトランクルーム等に当接させるように形成されている。
一方、トリム部材やライナー部材は、基材のみでなく、多くの場合、該基材の内面(車体側の面)上にスペーサーやサイレンサーなどが取り付けられている。
つまり、トリム部材であれば、略中央部分がボディパネル等から間隔を空けて浮いているので、触った時に大きく撓んで薄くて弱い手応えの質感に劣るものとなることを抑制するため、ボディパネル等との間に発泡樹脂製のスペーサーを介装させている(例えば特許文献4)。ライナー部材であれば、外部から車内へ騒音が入り込まないようにするために、基材の内面に発泡樹脂や不織布等からなるシート状のサイレンサーを接合している。
特開2011−116190号公報 特開2007−301889号公報 特開2007−45240号公報 特開平10−16559号公報
ところが、上記従来の自動車用内外装材においては、車体への装着作業時において、基材へのスペーサーやサイレンサーなどの取り付けが煩雑で手間を要するものになり、また該スペーサーや該サイレンサーが取付箇所の形状等に対応せずに、該装着作業が繁雑であるという問題があった。
すなわち、上記スペーサーには、通常はブロック状の発泡体が使用されており、作業者は、該発泡体を適当な大きさに切って、該発泡体に接着剤を塗布し、一つ一つ位置を合わせながら基材に接着する、という一連の作業を手作業で行っている。また上記サイレンサーには、通常は繊維シートが使用されており、作業者は、該繊維シートを適当なサイズに裁断し、基材に接着あるいは縫着する、という作業を手作業で行っている。
また上記取付箇所において発泡体や繊維シートが当接される部位は、曲面であったり、補強材やユニットが取り付けられていたり、ハーネス類が配索されていたりして、凹凸になっている場合がある。該凹凸が小さければ発泡体や繊維シートを弾性変形させることで対応できるが、該弾性変形で対応出来ない場合は、トリム部材が車体から浮く等の外観不良を防止するため、該トリム部材の装着の邪魔にならないように、該発泡体や該繊維シートを手作業で削ったり、裁断し直したりする等の後加工が必要になってしまう。
さらに、補強材やユニットやハーネス類を避けようとしたり、装着作業を簡易にしようとしたりして上記発泡体の取付箇所の数を減らすと、上記発泡体の取付箇所相互の間隔が大きくなって、部分的にボディパネル等から浮いた状態のままの箇所ができてしまう。こうした部分的箇所は、上記発泡体の取付箇所の周縁に比べて面剛性が低下するため、上記発泡体の取付箇所に比べて触った時の撓みが明らかに大きくなり、質感を損なう原因になるという問題があった。
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、発泡体からなるスペーサーやサイレンサー等を基材の一面上に設けた自動車用内外装材において、車体への装着作業の簡易化と質感の向上を図ることができる自動車用内外装材及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の自動車用内外装材の発明は、自動車の車体の所定箇所を覆うように使用する自動車用内外装材であって、所定形状に形成された基材、及び、上記基材の上記車体と向き合う一面上の所定箇所において、発泡樹脂を用いたインサート成形によって上記基材と一体になるように所定形状に形成されている発泡体からなる複数のスペーサー、を備え、上記基材は、上記車体のパネルの表面を覆って装飾するトリム部材又は上記車体の所定箇所を覆って保護するライナー部材を構成し、上記複数のスペーサーによって、上記パネルと上記トリム部材との間隔又は上記車体の所定箇所と上記ライナー部材との間隔は所定長さに保たれ、上記トリム部材又は上記ライナー部材を外面側から触った時の撓みを小さくするべく、上記複数のスペーサーは、上記トリム部材又は上記ライナー部材の内面上で相互の間隔が略均等になる位置に形成されていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の自動車用内外装材の発明において、上記スペーサーが複数と、さらに該スペーサー相互の間において該スペーサーと一体成形された吸音シートと、を構成していることを要旨とする。
請求項に記載の自動車用内外装材の製造方法の発明は、請求項1又は請求項2に記載の自動車用内外装材の製造方法であって、上記基材を受け治具に固定するする第1工程と、上記基材の一面と向き合うように成形凹部が設けられた押さえ治具と、上記受け治具との間に、上記基材を挟持する第2工程と、上記成形凹部の内面と、上記基材の一面とに囲まれてなるキャビティ内に樹脂液を注入する第3工程と、上記キャビティ内で上記樹脂液を発泡流動後に硬化させることで上記基材の一面上に上記発泡体を一体的に成形する第4工程と、からなることを要旨とする。
〔作用〕
本発明の自動車用内外装材は、受け治具と、成形凹部が設けられた押さえ治具とを成形型として利用したインサート成形により、車体のパネルの表面を覆って装飾するトリム部材又は車体の所定箇所を覆って保護するライナー部材を構成する基材の一面上に発泡体からなる複数のスペーサーが一体的に形成されている。従って、本発明の自動車用内外装材は装着作業時において、基材の一面に発泡体からなる複数のスペーサーを取付場所に気をつけつつ手作業で取り付けなくてもよい。加えて上記発泡体からなる複数のスペーサーは、成形型として利用する押さえ治具の成形凹部の形状を調整することで、所望とする任意の形状とすることが可能であり、後加工で形状の調整をする必要がない。結果、車体への装着作業が簡易なものとなる。さらに本発明の自動車用内外装材は、上記発泡体からなる記複数のスペーサーは、取付箇所に応じた所望の形状とすることができ、また上記トリム部材又は上記ライナー部材の内面上で相互の間隔が略均等になる位置に形成されているので、トリム部材又は上記ライナー部材を外面側から触った時の撓みを小さくすることにより、質感の向上を図ることができる。
また本発明の自動車用内外装材の製造方法によれば、自動車の車体に設計変更がある場合に、これに対応しやすいという利点を有している。つまり、従来であれば、設計変更に応じて取付順序や取付個数を変更するべく生産工程も変更する必要があるが、本発明の製造方法であれば、成形凹部が設けられた押さえ治具を交換するのみで、生産工程を変更する必要がない。加えて、本発明の製造方法によれば、キャビティへの樹脂液の注入量を変更することで、発泡体の密度を簡単に変更することができるため、該密度の変更に応じて面剛性、つまりは触った時の撓みを簡単に調整することができ、さらなる質感の向上を図ることができる
〔効果〕
本発明によれば、発泡体からなるスペーサーやサイレンサー等を基材の一面上に設けた自動車用内外装材において、車体への装着作業の簡易化と質感の向上を図ることができる自動車用内外装材及びその製造方法を提供することができる。
実施形態の自動車用内外装材を示す(a)は表面側からの斜視図、(b)は裏面側からの斜視図、(c)は車体に装着した状態の断面図。 自動車用内外装材の製造の第1工程を示す断面図。 自動車用内外装材の製造の第2工程を示す断面図。 自動車用内外装材の製造の第3工程を示す断面図。 自動車用内外装材の製造の第4工程を示す断面図。 別形態の自動車用内外装材を示す断面図。 別形態の自動車用内外装材を示す断面図。
以下、本発明の自動車用内外装材を具体化した一実施形態について説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、自動車用内外装材は、基材10と、該基材10の裏面に設けられた発泡体11と、を備えている。
上記基材10は、自動車の車体の所定箇所を覆うために、所定形状に形成されている。本実施形態の基材10は、自動車のラゲージルーム内で側面に露出する車体パネルBPを覆うためのラゲージトリム10Aを構成している。
上記発泡体11は、上記基材10の裏面で、該基材10と一体になるようにインサート成形によって所定形状に形成されている。本実施形態の発泡体11は、上記車体パネルBPと上記ラゲージトリム10Aとの間隔を所定長さに保つためのスペーサー11A,11B,11C,11D,11Eと、吸音シート13と、を構成している。
上記スペーサー11A〜11Eのうち、上記ラゲージトリム10Aの上部に設けられたスペーサー11A,11Bは、上記車体パネルBP上における該スペーサー11A,11Bの当接部位の近傍にハーネスHが配索されているので、該ハーネスHに当たらないような形状になるように形成されている。
一方、上記スペーサー11A〜11Eのうち、上記ラゲージトリム10Aの下部に設けられたスペーサー11C,11Dは、該スペーサー11C,11Dの当接部位となる車体パネルBPがホイールハウスであって傾斜面となっているので、該当接部位に応じた形状になるように形成されている。
また上記スペーサー11A〜11Eは、上記ラゲージトリム10Aの内面上で相互の間隔が略均等になる位置に形成されており、該ラゲージトリム10Aの面剛性の部分的な低下を防止することで、上記ラゲージトリム10Aを外面側から触った時の撓みを小さくして、質感を向上させている。
上記吸音シート13は、上記スペーサー11A〜11E相互の間において、該スペーサー11A〜11Eと一体成形されている。該吸音シート13は、車内に入り込もうとする騒音に対し、緩衝吸音機能を発揮することにより、該騒音を低減している。
上記基材10は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート等のエステル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等の熱可塑性樹脂や、不織布等を材料に用い、射出成形、真空・圧空成形、加熱プレス成形等の成形方法で所定形状に形成されている。
上記発泡体11は、樹脂液を発泡させてなる、例えばポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリオレフィンフォーム、フェノール樹脂発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、シリコーン発泡体等の発泡樹脂を材料に用い、所定形状に形成されている。該発泡樹脂の中でも、ポリウレタンフォームは、入手が容易であり、モールディング発泡や注入発泡等といった注型発泡成形法によるインサート成形に好適であり、上記基材10に好適に接合(粘着)できるため、望ましい。
上記ポリウレタンフォームには、主にポリオール成分からなるA液と、イソシアネート成分からなるB液と、を混合して使用する2液型のものを使用することが望ましい。これは、2液型のポリウレタンフォームを使用することで、耐熱性、吸音性、硬度(弾性)等の特性と粘着性を好適に調整することができるためである。
上記発泡体11は、上記ポリウレタンフォームを用いて形成される場合、その密度を10〜100kg/m3に設定することが望ましく、またスペーサーとしての使用を主目的とするのであれば30kg/m3〜100kg/m3に設定することがより望ましく、吸音シートとしての使用を主目的とするのであれば10〜20kg/m3に設定することがより望ましい。密度が10kg/m3に満たない場合、スペーサーとして使用するには発泡体11が軟らかすぎて、上記ラゲージトリム10Aを外面側から触った時の撓みが大きくなり質感が低下してしまうおそれがある。密度が100kg/m3を超える場合、吸音シートとして使用するには発泡体11が硬すぎて、充分な緩衝吸音機能を発揮することができず、音を反射してしまうことで却って騒音を発生させてしまうおそれがある。
上記自動車用内外装材の製造方法について説明する。
上記自動車用内外装材の製造においては、上記基材10を固定するための受け治具50と、上記発泡体11を成形するための押さえ治具51と、を使用する。
図2に示すように、上記受け治具50は、上記基材10を固定するべく、その上面に上記基材10(本実施形態であればラゲージトリム10A)の表面と対応する形状の固定凹部50aが形成されている。そして、該固定凹部50aに嵌め込まれた上記基材10は、上記発泡体11が成形される裏面を外方に向けるようにして、該受け治具50に固定されるようになっている。
図3に示すように、上記押さえ治具51は、上記受け治具50に固定された上記基材10の裏面と向き合うことになる下面に、成形凹部52が形成されている。該成形凹部52は、上記発泡体11を成形するためのものであり、上記スペーサー11A〜11Eの形状に対応する形状に形成された凹部52A,52B,52Cと、上記吸音シート13の形状に対応する形状に形成された凹部52Dと、の相互の内部を一体的に繋げて形成されたものである(但し、図3中ではスペーサー11A,11Eに対応する凹部が省略されている)。また上記押さえ治具51の下面には、上記受け治具50との間で上記基材10を挟持固定することができるように、上記基材10の裏面と対応する形状の固定凸部51bが形成されている。
上記押さえ治具51の上面には、複数の注入孔53A,53B,53Cが、それぞれ上記成形凹部52の内部で凹部52A,52B,52Cと連通するように形成されている。そして樹脂液を、注入孔53Aからは凹部52Aの内部へ、注入孔53Bからは凹部52Bの内部へ、注入孔53Cからは凹部52Cの内部へ注入でき、さらに凹部52A,52B,52Cのそれぞれの内部から凹部52Dへ樹脂液を注入できるようになっている。また上記押さえ治具51の上面には、持ち手51dが設けられ、該持ち手51dを使用することで、上記受け治具50に対して該押さえ治具51を容易に移動させることができる。
上記受け治具50及び上記押さえ治具51に用いる材質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂、鉄、銅、アルミニウム等の金属、石膏等が挙げられるが、上記基材10の形状に対応させやすい、取り扱いや運搬が容易である等の観点から、合成樹脂が望ましく、なかでも熱硬化性樹脂は、強度と耐久性が好適であるため、より望ましい。
上記自動車用内外装材の製造の第1工程では、上記基材10が受け治具50に固定される。なお上記基材10であるラゲージトリム10Aは、該製造とは別の工程で予め成形されたものである(図2参照)。
製造の第2工程では、上記受け治具50に固定された上記基材10に対し、上記押さえ治具51が被着され、上記受け治具50と上記押さえ治具51との間に上記基材10が挟持される(図3参照)。
製造の第3工程では、上記押さえ治具51の成形凹部52の内面と、上記基材10の裏面とに囲まれてなるキャビティ54内に、上記注入孔53A,53B,53Cを介して樹脂液が注入される(図4参照)。
製造の第4工程では、上記キャビティ54内に注入された上記樹脂液を発泡流動後に硬化させることにより、上記発泡体11によって構成される上記スペーサー11A〜11E及び吸音シート13が上記基材10の裏面上に一体的に成形される(図5参照)。
上記第4工程の後、上記押さえ治具51が取り除かれ、上記自動車用内外装材が得られる。
上記第3工程において、樹脂液の注入には、注入ガン(図示略)が使用される。また上記発泡体11の材料にポリウレタンフォームが用いられる場合、ポリウレタンを発泡させるには、該ポリウレタンの原料混合物に反応性発泡剤や不活性発泡剤を添加して機械的に発泡させる方法を採用することが望ましい。該機械的に発泡させる方法としては、ミキシングヘッドから原料混合物を液状で吐出させ、その液状吐出物をクリーム状とした後で発泡させるノンフロス法、ミキシングヘッドから原料混合物を泡状に吐出させるフロス法、原料混合物を圧搾空気によってスプレーする吹付発泡法等が適用される。また上記発泡体11の密度の調整は、該第3工程において、樹脂液の注入量が調節されることによって行われる。
上記第4工程において、上記樹脂液を硬化は、必要に応じて圧縮、加熱を行なってもよく、あるいはフリーフォーミングで樹脂液を発泡させて自然硬化させてもよい。また上記発泡体11の材料にポリウレタンフォームが用いられる場合、ポリウレタンが有する粘着性によって上記基材10に接合してもよく、あるいは予め基材10の裏面にホットメルト接着剤やウレタン系接着剤等の接着剤を塗布し、該接着剤によって接合してもよい。
本発明の自動車用内外装材は、上記実施形態で示した構成に限定されず、以下のように変更してもよい。
上記キャビティ54を複数の空間に区画し、各空間への樹脂液の注入量をそれぞれ変更することで、上記発泡体11の密度を部分的に変えてもよい。例えば、上記押さえ治具51の成形凹部52の内部において、凹部52Aと凹部52Bとの間、凹部52Bと凹部52Cとの間にそれぞれ区画壁を設け、該区画壁によって該キャビティ54の内部を3つの空間に区画し、3つの空間のうち凹部52Bを有する空間への樹脂液の注入量を、凹部52A及び凹部52Cを有する空間への樹脂液の注入量に比べて少なくすることにより、スペーサー11Bとスペーサー11Cの密度に比べて、スペーサー11Dの密度を小さくすることができる。
なお上記のように樹脂液の注入量を変えて上記発泡体11の密度を部分的に変える場合、製造の第3工程においては、各空間へ樹脂液を注入する注入ガンは同じものを使用して樹脂液の注入量のみを変えてもよく、あるいは各空間でそれぞれ異なる注入ガンを使用してもよい。
また上記のように成形凹部52の内部を複数の空間に区画する場合、上記発泡体11によって構成される上記スペーサー11A〜11Eと上記基材10によって構成されるラゲージトリム10Aとが一体になっており、かつ上記発泡体11によって構成される吸音シート13と上記基材10によって構成されるラゲージトリム10Aとが一体になっているのであれば、成形凹部52の内部を、スペーサーを成形するための空間と、吸音シートを成形するための空間と、で区画することにより、スペーサー11A〜11Eと、上記吸音シート13と、を別体的に形成してもよい。
図6に示すように、自動車用内外装材において、上記発泡体11により、上記スペーサー11A〜11Eのみを構成してもよい。該自動車用内外装材の製造は、上記押さえ治具51に、上記スペーサー11A〜11Eを成形するための複数の成形凹部52を形成することで対応することができる。
図7に示すように、自動車用内外装材は、上記基材10によってライナー部材であるフェンダーライナー20Aを構成し、上記発泡体11によってスペーサー21A及び吸音シート21Bを構成してもよい。上記フェンダーライナー20Aは、自動車のホイールハウス内において、車輪の上部を覆うことにより、該車輪が跳ね上げる小石や砂利や雨水を車内等に進入させないようにするためのものである。また吸音シート21Aは、該車輪によるロードノイズや小石等が上記フェンダーライナー20Aに衝突して発生するチッピングノイズなどといった騒音が上記フェンダーライナー20Aを介して自動車内へ進入することを抑制するものである。
上記基材10により、上記トリム部材として、ラゲージマット、サイドトリム、デッキトリム、デッキボード、ドアトリム、ドアオープニングトリム等を構成してもよい。また上記基材10により、上記ライナー部材として、車室内の天井を覆うヘッドライニング、車室内の床を覆うフロアライニング等を構成してもよい。また自動車用内外装材は、ダッシュサイレンサ−、エンジンフードサイレンサー、トランクリッドサイレンサー、バンパーコア、マッドガード、ボディサイドモール等としてもよい。
本発明の自動車用内外装材は、発泡体からなるスペーサーやサイレンサー等が基材の一面上に一体的に形成されているので、車体への装着作業の簡易化を図ることができるから、産業上利用可能である。
10 基材
10A ラゲージトリム
20A フェンダーライナー
11 発泡体
11A,11B,11C,11D,11E スペーサー
13 吸音シート
21A スペーサー
21B 吸音シート
50 受け治具
51 押さえ治具
51a 成形凹部

Claims (5)

  1. 自動車の車体の所定箇所を覆うように使用する自動車用内外装材であって、
    所定形状に形成された基材、
    及び、
    上記基材の上記車体と向き合う一面上の所定箇所において、発泡樹脂を用いたインサート成形によって上記基材と一体になるように所定形状に形成されている発泡体、
    を備えている
    ことを特徴とする自動車用内外装材。
  2. 上記基材は、上記車体のパネルの表面を覆って装飾するトリム部材を構成し、
    上記発泡体は、上記パネルと上記トリム部材との間隔を所定長さに保つスペーサーを構成している
    請求項1に記載の自動車用内外装材。
  3. 上記発泡体は、上記スペーサーが複数と、さらに該スペーサー相互の間において該スペーサーと一体成形された吸音シートと、を構成している
    請求項2に記載の自動車用内外装材。
  4. 上記基材は、上記車体の所定箇所を覆って保護するライナー部材を構成し、
    上記発泡体は、上記ライナー部材を介した自動車内への音の進入を抑制する吸音シートを構成している
    請求項1に記載の自動車用内外装材。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の自動車用内外装材の製造方法であって、
    上記基材を受け治具に固定する第1工程と、
    上記基材の一面と向き合うように成形凹部が設けられた押さえ治具と、上記受け治具との間に、上記基材を挟持する第2工程と、
    上記成形凹部の内面と、上記基材の一面とに囲まれてなるキャビティ内に樹脂液を注入する第3工程と、
    上記キャビティ内で上記樹脂液を発泡流動後に硬化させることで上記基材の一面上に上記発泡体を一体的に成形する第4工程と、
    からなる
    ことを特徴とする自動車用内外装材の製造方法。
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