JP4883973B2 - 車両用フロアスペーサ - Google Patents

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本発明は、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドとからなる車両用フロアスペーサに係り、特に、フロアスペーサの製造効率を高めることができ、フロアスペーサの出来上がりの形状精度が極めて高い車両用フロアスペーサに関するものである。
一般に車両の室内側フロアには、車両衝突時等の衝撃から乗員の下肢部を保護するために、フロア前方の乗員足元部分に設置される下肢部衝撃吸収パッドと、その後方のフロア上に設置される水平パッドとからなる車両用フロアスペーサが設置されている。
従来の車両用フロアスペーサは、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドとを別体に成形し、双方を接着ないし嵌め合わせる等による方法で製造されている。例えば、特許文献1に開示の自動車用フロアスペーサがその最たる例である。このフロアスペーサは、硬質プラスチック製で車両設置時に車体側となる面をハニカム構造やスリット構造に成形してなる衝撃吸収材と、同一素材からなるフロアスペーサ(水平パッド)とから構成されており、フロアスペーサに形成された貫通孔に衝撃吸収材に設けられた凸部を嵌合させることにより、自動車用フロアスペーサが形成される。
特開2003−118460号公報
特許文献1に開示の自動車用フロアスペーサによれば、衝撃吸収材に設けられた凸部をフロアスペーサ(水平パッド)に形成された貫通孔に嵌合させる簡易な方法で自動車用フロアスペーサを形成することができる。しかし、このような2つの部材を嵌め合わせることによる製造方法や、既述する接着による製造方法では、水平パッドに対する衝撃吸収材(下肢部衝撃吸収パッド)の角度が正規の角度から微妙にずれることが往々にして生じ、このような微妙なずれにより、フロアスペーサが設置されるべき車両の室内側の形状に該フロアスペーサが適合しないといった問題が生じていた。また、かかる微妙なずれを回避するためには熟練した組立作業員の技量に依存するところが大きく、したがって、フロアスペーサの大量生産においては、その作業効率の低下が問題となっていた。
本発明の車両用フロアスペーサは、上記する問題に鑑みてなされたものであり、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドとからなるフロアスペーサの製造効率を高めるとともに、フロアスペーサの出来上がりの形状精度も極めて高い車両用フロアスペーサを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による車両用フロアスペーサは、車両への設置時に室内側となる上面が水平に形成されている水平パッドと、車両への設置時に車体側となる底面に複数の凹溝が形成されている下肢部衝撃吸収パッドとからなる車両用フロアスペーサであって、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドは発泡性樹脂粒子によって一体に成形されており、かつ、下肢部衝撃吸収パッドに形成されている凹溝の少なくとも車両後方側の側面は水平パッドの上面に対して垂直または略垂直に形成されていることを特徴とする。
水平パッドは、床面の嵩高さの調整や水平面内の平坦性を確保するために設けられるものであり、したがって、設置時に室内側となる上面は一般に水平に形成されている。一方、下肢部衝撃吸収パッドは、足元床面の嵩高さの調整や傾斜面内の平坦性に加えて、車両衝突時の衝撃を吸収して下肢部への障害を防止するために設けられるものである。
下肢部衝撃吸収パッドの車両への設置時に車体側となる底面には、複数の凹溝が形成されている。ここで、凹溝の形態は特に限定するものではないが、例えば、車両の前後方向や左右方向に延設する縦長状の形態や、平面視が矩形や円形、楕円形の形態などを適用できる。また、その溝深さも適宜に調整することができ、車両衝突時において、該凹溝が座屈することによって衝撃エネルギーを効果的に吸収できる形状(深さを含む)であれば適宜に設定することができる。
また、水平パッドおよび下肢部衝撃吸収パッドを成形する発泡性樹脂粒子は特に限定するものではないが、発泡性樹脂粒子として熱可塑性樹脂粒子を使用する場合は、スチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを使用することができ、発泡性樹脂として熱硬化性樹脂を使用する場合は、ポリウレタン系樹脂などを使用することができる。中でも、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系単量体を含浸重合させて得られるスチレン改質ポリエチレン系樹脂の樹脂粒子発泡成形体は、ポリエチレン系樹脂粒子の発泡成形体やポリプロピレン系樹脂粒子の発泡成形体に比べて、寸法安定性と形状保持性に優れていること、ポリスチレン系樹脂粒子の発泡成形体に比べて擦れによる粉が出難いことの理由から特に好ましい。また、スチレン改質ポリエチレン系樹脂におけるスチレン成分の割合は40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、より好ましくは55〜75重量%である。
フロアスペーサの成形に際しては、例えば上記するスチレン改質ポリエチレン系樹脂をはじめとする熱可塑性樹脂に、発泡剤を含浸させて発泡性の熱可塑性樹脂とし、該発泡性の熱可塑性樹脂を加熱水蒸気等で予備発泡させることで予備発泡粒子を製造する。次いで、かかる予備発泡粒子を成形型に充填し、発泡成形すればよい。ここで、フロアスペーサの発泡倍率は、例えば5〜70倍の範囲内で調整した予備発泡粒子により成形するのがよい。発泡倍率が5倍未満のものは非常に硬くなるため、発泡体による十分な塑性変形性能を期待することができない。一方、発泡倍率が70倍を越えてしまうと、発泡体が軟らかすぎてしまい、発泡体としての反力を得ることが難しくなる。
本発明の車両用フロアスペーサは、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドを一つの成形型内にて一体成形することにより、双方を別体に成形した後に接合する従来の製造方法の課題を解決するものである。ここで、下肢部衝撃吸収パッドは水平パッド(の水平な上面)に対して、車両ボディーの形状に応じた任意の角度で延設しているのが一般的である。かかる態様において、下肢部衝撃吸収パッドの底面に上記する凹溝を形成する場合、成形型内にてフロアスペーサを成形した後にフロアスペーサを脱型しようとすると、該凹溝が形成型と干渉し、脱型できない可能性がある。具体的には、固定型と可動型とからなる成形型において、フロアスペーサを型内成形後、可動型を型開きすることによって可動型に貼り付いたフロアスペーサを固定型から脱型し、可動型からフロアスペーサを取り外すことによってフロアスペーサの脱型がおこなわれる。この可動型を型開きする際に、フロアスペーサの底面に設けられた凹溝が固定型のキャビティ内に設けられた凹溝形成用の突起(または突条)と干渉し、可動型の型開きが阻害されるものである。
そこで、凹溝を画成する側面のうち、少なくとも車両後方側の側面を水平パッドの上面に対して垂直または略垂直に形成すること(固定型の凹溝形成用の突起が垂直または略垂直となっている)ことにより、凹溝と固定型が干渉することを防止することができる。なお、少なくとも車両後方側の側面とは、車両後方側の側面のみならず、車両前方側の側面や、さらには車両の前後方向に延びる側面も垂直または略垂直に形成できることを意味している。
以上より、本発明の車両用フロアスペーサは、一つの成形型から下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドからなるフロアスペーサを一体に製造することができるため、製造の簡素化を図ることができる。さらに、成形された下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドの双方を接続する必要がないことから、所望形状のフロアスペーサ、すなわち、形状精度の高いフロアスペーサを得ることができる。
また、本発明による車両用フロアスペーサの他の実施形態は、車両への設置時に室内側となる上面が水平に形成されている水平パッドと、車両への設置時に車体側となる底面に複数の凹溝が形成されている下肢部衝撃吸収パッドとからなる車両用フロアスペーサであって、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドは発泡性樹脂粒子によって一体に成形されており、かつ、下肢部衝撃吸収パッドに形成されている凹溝のうち、車両後方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両後方側に開いた面となるように形成されており、車両前方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両前方側に開いた面となるように形成されていることを特徴とする。
本発明の車両用フロアスペーサは、下肢部衝撃吸収パッドに形成される凹溝のうち、車両後方側の側面を水平パッドの上面に対する垂線よりも車両後方側に開いた面となるように形成し、車両前方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両前方側に開いた面となるように形成することにより、型開き時の成形型と凹溝との干渉を防止するものである。
なお、本実施形態において、車両の前後方向に延びる凹溝の側面は、水平パッドの上面に垂直ないしは略垂直であってもよいし、底面から凹溝の溝底に向かって溝の中央側に傾斜した態様であってもよい。すなわち、凹溝の断面視形状が下肢部衝撃吸収パッドの底面から末広がりの形状に形成されることで、脱型時の成形型と凹溝との干渉を防止することができる。
本発明の車両用フロアスペーサによれば、型開き時の成形型と凹溝との干渉を防止できることはもとより、脱型がより容易となる。
また、本発明による車両用フロアスペーサの他の実施形態は、車両への設置時に室内側となる上面が水平に形成されている水平パッドと、車両への設置時に車体側となる底面に複数の突起が形成されている下肢部衝撃吸収パッドとからなる車両用フロアスペーサであって、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドは発泡性樹脂粒子によって一体に成形されており、かつ、下肢部衝撃吸収パッドに形成されている突起の少なくとも車両前方側の側面は水平パッドの上面に対して垂直または略垂直に形成されていることを特徴とする。
本発明の車両用フロアスペーサは、例えば底面がフラットな下肢部衝撃吸収パッドにおいて、該底面に任意形状の突起を備えているものであり、断面欠損部を設けることで衝撃エネルギーを効果的に吸収できる点においては既述する凹溝を設けた態様と同様である。
突起の形状は任意であり、例えば、車両の前後方向に延設する縦長状の形態であっても、断面が円形や楕円形、多角形の突起が散在する態様であってもよい。
本発明の車両用フロアスペーサにおいても、任意形状の突起が成形型からの脱型時に該成形型の例えば固定型と干渉しないようにするために、突起の少なくとも車両前方側の側面を水平パッドの上面に対して垂直または略垂直に形成するものである。ここで、突起の車両後方側の側面や、さらには、車両の前後方向に延設する側面も水平パッドの上面に対して垂直または略垂直に形成することができることは、上記と同様である。
また、本発明による車両用フロアスペーサの他の実施形態は、車両への設置時に室内側となる上面が水平に形成されている水平パッドと、車両への設置時に車体側となる底面に複数の突起が形成されている下肢部衝撃吸収パッドとからなる車両用フロアスペーサであって、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドは発泡性樹脂粒子によって一体に成形されており、かつ、下肢部衝撃吸収パッドに形成されている突起のうち、車両後方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両前方側に開いた面となるように形成されており、車両前方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両後方側に開いた面となるように形成されていることを特徴とする。
本発明の車両用フロアスペーサは、下肢部衝撃吸収パッドに形成されている突起のうち、車両後方側の側面を水平パッドの上面に対する垂線よりも車両前方側に開いた面となるように形成し、車両前方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両後方側に開いた面となるように形成することで、上記と同様に型開き時の成形型と突起との干渉を防止するものである。
なお、突起の車両前後方向に延びる側面は、突起の断面視形状が突起の先端部から下肢部衝撃吸収パッドの底面に向かって広がるように傾斜した平面ないしは曲面であってもよい。
本発明の車両用フロアスペーサによれば、型開き時の成形型と凹溝との干渉を防止できることはもとより、脱型がより容易となる。
また、本発明による車両用フロアスペーサの他の実施形態は、前記車両用フロアスペーサにおいて、衝撃吸収パッドと水平パッドが異種原料によって成形されていることを特徴とする。
ここで、異種原料とは、同材質の予備発泡粒子であってそれぞれの発泡倍率が相異する原料や、予備発泡粒子の材質自体が相異する原料、さらには、予備発泡粒子の材質およびそれぞれの発泡倍率が相異する原料のことを意味している。
例えば、上記するスチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのいずれか1種を選択して下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドを一体に成形する。ここで、発泡倍率が異なる水平パッド用の予備発泡粒子と下肢部衝撃吸収パッド用の予備発泡粒子をそれぞれ一つの成形型に充填して発泡成形する。この際、成形型のキャビティ内を仕切り部材で仕切っておき、仕切り部材の左右の空間に各予備発泡粒子を同時充填し、充填後にキャビティ内から仕切り部材を除去するのがよい。
下肢部衝撃吸収パッドには耐衝撃性能が要求されていることから、水平パッドよりも予備発泡粒子の発泡倍率を低くする(高密度となる)ことにより、下肢部衝撃吸収パッドは、可及的に軽量で、かつ所望の衝撃吸収性能を備えた態様で成形でき、水平パッドは可及的に軽量に成形できるため、下肢部衝撃吸収パッドに要求される衝撃吸収性能を確保しながら、フロアスペーサ全体の重量を可及的に軽量とすることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の車両用フロアスペーサによれば、底面に凹溝や突起を備えた下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドとを一つの成形型にて一体に成形することができるため、製造効率を高めることができるとともに、出来上がりの形状精度が極めて高い車両用フロアスペーサを得ることができる。また、本発明の車両用フロアスペーサによれば、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドを異種原料にて一体に成形することができるため、下肢部衝撃吸収パッドに要求される衝撃吸収性能を確保しながら、全体の重量が可及的に軽量な車両用フロアスペーサを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のフロアスペーサの一実施形態の断面図を、図2は、図1のII−II矢視図をそれぞれ示している。図3,4は、それぞれ本発明のフロアスペーサの他の実施形態の断面図であり、図5は、図4のV−V矢視図を、図6は、図5のVI−VI矢視図をそれぞれ示している。図7は、本発明のフロアスペーサの他の実施形態の断面図を、図8は、図7のVIII−VIII矢視図を、図9は、本発明のフロアスペーサの他の実施形態の断面図を、図10は、図9のX−X矢視図をそれぞれ示している。図11〜13は、順に、フロアスペーサの製造方法を説明した図である。
図1は、フロアスペーサの一実施形態の断面図を示している。フロアスペーサ10は、乗員足元部に配設される下肢部衝撃吸収パッド1と、その後方の車室内フロアに配設される水平パッド2が一体に成形されている(図1の2点鎖線の左側が下肢部衝撃吸収パッド1であり、右側が水平パッド2である)。水平パッド2の上面(車室内側の面)は水平に形成されており、下肢部衝撃吸収パッド1の底面(車体側の面)には、車両前後方向に延設する複数の凹溝3,3,…が同間隔で設けられている。また、下肢部衝撃吸収パッド1は車体側の形状に応じた態様で水平パッド2から所定の角度で傾斜しており(図では、2段に傾斜しているが、1段であっても3段以上であってもよい)、下肢部衝撃吸収パッド1の上面および底面はともに傾斜方向に平行な面に形成されている。
凹溝3は、図2に示すように、車両前方側の側面32と車両後方側の側面31、車両前後方向に延びる2つの側面33,33と溝底の天端面34から構成されているが、図1に示す下肢部衝撃吸収パッド1においては、車両後方側の側面31が水平パッド2の水平な上面に対して垂直となるように形成されている。また、図示する実施形態においては、凹溝3の車両前方側の側面32は、下肢部衝撃吸収パッド1の底面から凹溝3の天端面34に向かって、末広がりな態様で形成されている。
なお、フロアスペーサの製造方法は後述するが、下肢部衝撃吸収パッド1と水平パッド2は、異種原料から製造されるのが好ましく、例えば、双方を同材質の予備発泡粒子であってそれぞれの発泡倍率が相異する原料から一体に製造する方法や、予備発泡粒子の材質自体が相異する原料から製造する方法、さらには、予備発泡粒子の材質およびそれぞれの発泡倍率が相異する原料から製造する方法を適用できる。ここで、使用する発泡性樹脂粒子としては、熱可塑性樹脂粒子であるスチレン改質ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などを使用することができる。また、熱硬化性樹脂としてポリウレタン系樹脂を使用する場合は、成形型内に該樹脂を注入し、発泡させることによりフロアスペーサを製造できる。
図3は、フロアスペーサの他の実施形態を示した断面図である。このフロアスペーサ10Aでは、下肢部衝撃吸収パッド1の底面に設けられた凹溝3aにおいて、車両後方側の側面3a1と車両前方側の側面3a2の双方がともに水平パッド2の水平な上面に対して垂直に形成されている。
また、図4は、フロアスペーサのさらに他の実施形態を示したものである。フロアスペーサ10Bを構成する下肢部衝撃吸収パッド1の凹溝3bにおいて、車両後方側の側面3b1は水平パッド2の上面に対する垂線X1よりも車両後方側に開いた面(角度θ1)となるように形成されており、車両前方側の側面3b2は水平パッド2の上面に対する垂線X1よりも車両前方側に開いた面(角度θ2)となるように形成されている。この下肢部衝撃吸収パッド1を底面側から見たV−V矢視図が図5であり、図5のVI−VI矢視図が図6にそれぞれ示されている。図4より、この下肢部衝撃吸収パッド1の底面にも、車両前後方向に延設する複数の凹溝3b、3b、…が設けられているが、その車両前後方向に延設する側面3b3,3b3は、図6からも明らかなように、底面から凹溝の天端面3b4に向かって末広がりな態様で形成されている。このように、凹溝3bの全側面が末広がり形状に形成されていることで、成形型からフロアスペーサを脱型する際に、成形型とフロアスペーサの凹溝が干渉することを防止することができる。
図7は、平板状の下肢部衝撃吸収パッド1の底面に複数の車両前後方向に延設する突起4,4,…が設けられたフロアスペーサのさらに他の実施形態を示したものである(図8も併せて参照)。突起4のうち、車両前方側の側面41は、水平な水平パッド2の上面に垂直に形成されている。
一方、図9に示すフロアスペーサ10Dでは、下肢部衝撃吸収パッド1の突起4aにおいて、車両後方側の側面4a1は水平パッド2の上面に対する垂線X2よりも車両前方側に開いた面(角度θ3)となるように形成されており、車両前方側の側面4a2は水平パッド2の上面に対する垂線X2よりも車両後方側に開いた面(角度θ4)となるように形成されている。また、図10に示す突起4aの断面図に示すように、突起4aの車両前後方向に延設する側面4a3,4a3は、突起の先端から下肢部衝撃吸収パッドの底面に向かって断面が広がるような態様で形成されている。
次に、図11〜13に基づいて、フロアスペーサ10の製造方法を説明する。
フロアスペーサ10は、下肢部衝撃吸収パッド1と水平パッド2とでその原料が異なる態様で、かつ一つの成形型内にて一体に成形される。ここで、成形型は、一般的な金型を使用することができ、図11に示すような、下方に位置する固定型5とその上方の可動型6とから構成されており、双方の対向面においてフロアスペーサの形状に応じたキャビティが形成されている。
本実施形態では、例えばスチレン改質ポリエチレン系樹脂を使用し、下肢部衝撃吸収パッド用の予備発泡粒子を水平パッドの予備発泡粒子に比して低倍率にて予備発泡させた粒子を、固有の充填口61,62からキャビティ内に充填する。ここで、キャビティ内における下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドとの境界付近には、双方の粒子が混ざり合わないように予め仕切り部材7が設けられており、それぞれの形状がキャビティの内壁面と仕切り部材7にて画成されている。なお、固定型5のうち、下肢部衝撃吸収パッド1を形成するキャビティ面には凹溝形成用の突条51が設けられている。
図11は、キャビティ内にそれぞれの予備発泡粒子81,82が充填されている状況が示されているが、双方の予備発泡粒子81,82は同時充填され、充填後にキャビティ内から仕切り部材7が速やかに除去される。なお、仕切り部材7の除去は、例えば、図の紙面垂直方向に適宜の仕切り部材7除去手段を講じておけばよい。
図12は、キャビティ内にて予備発泡粒子81,82が発泡成形された後、可動型6が型開き方向に移動することで、可動型6のキャビティ面にフロアスペーサ10が貼り付いた状態で、固定型5からフロアスペーサ10が脱型されている状況を示している。
ここで、下肢部衝撃吸収パッド1の底面に設けられた凹溝3の車両後方側の側面31は水平パッド2の水平な上面と垂直であり、凹溝3の車両前方側の側面32は、水平パッド2の上面に対する垂線よりも車両前方側に開いた面に形成されているため、脱型の際に、凹溝3と突条51とが干渉することなく、スムーズに可動型6の型開きがおこなわれる。なお、凹溝3の車両前後方向に延設する側面は、上記するように、水平パッド2の上面と垂直、ないしは断面視形状が底面から凹溝の天端面に向かって末広がりな態様となるように形成されている。
最後に、図13に示すように、可動型6からフロアスペーサ10を取り外すことにより、フロアスペーサ10の脱型が完了し、下肢部衝撃吸収パッド1と水平パッド2とからなり、所望形状のフロアスペーサ10が製造される。
なお、下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドとが同原料にて製造されてもよいことは勿論のことであり、この場合には、キャビティ内を仕切り部材にて仕切っておく必要はない。また、成形型の構成は、図示する形態以外の構成であってもよいことは勿論のことである。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のフロアスペーサの一実施形態の断面図。 図1のII−II矢視図。 本発明のフロアスペーサの他の実施形態の断面図。 本発明のフロアスペーサの他の実施形態の断面図。 図4のV−V矢視図。 図5のVI−VI矢視図。 本発明のフロアスペーサの他の実施形態の断面図。 図7のVIII−VIII矢視図。 本発明のフロアスペーサの他の実施形態の断面図。 図9のX−X矢視図。 フロアスペーサの製造方法を説明した図。 図11に続き、フロアスペーサの製造方法を説明した図。 図12に続き、フロアスペーサの製造方法を説明した図。
符号の説明
1…下肢部衝撃吸収パッド、2…水平パッド、3,3a,3b…凹溝、31,3a1,3b2…車両後方側の側面、32,3a2,3b2…車両前方側の側面、33,3b3…車両前後方向の側面、34,3b4…天端面、4…突起、41,4a1…車両後方側の側面、42,4a2…車両前方側の側面、5…固定型、6…可動型、61,62…充填口、7…仕切り部材、81,82…予備発泡粒子、10,10A,10B,10C,10D…フロアスペーサ

Claims (3)

  1. 車両への設置時に車体側となる底面に複数の凹溝が形成されている下肢部衝撃吸収パッドと、該下肢部衝撃吸収パッドの後方のフロア上に設置され、車両への設置時に室内側となる上面が水平に形成されて、少なくとも水平面内の平坦性を確保するために設けられている水平パッドと、からなる車両用フロアスペーサであって
    下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドは発泡性樹脂粒子によって一体に成形されており、かつ、下肢部衝撃吸収パッドは水平パッドから所定の角度で傾斜し、下肢部衝撃吸収パッドに形成されている凹溝の少なくとも車両後方側の側面は水平パッドの上面に対して垂直または略垂直に形成されていることを特徴とする車両用フロアスペーサ。
  2. 車両への設置時に車体側となる底面に複数の凹溝が形成されている下肢部衝撃吸収パッドと、該下肢部衝撃吸収パッドの後方のフロア上に設置され、車両への設置時に室内側となる上面が水平に形成されて、少なくとも水平面内の平坦性を確保するために設けられている水平パッドと、からなる車両用フロアスペーサであって、
    下肢部衝撃吸収パッドと水平パッドは発泡性樹脂粒子によって一体に成形されており、かつ、下肢部衝撃吸収パッドは水平パッドから所定の角度で傾斜し、下肢部衝撃吸収パッドに形成されている凹溝のうち、車両後方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両後方側に開いた面となるように形成されており、車両前方側の側面は水平パッドの上面に対する垂線よりも車両前方側に開いた面となるように形成されていることを特徴とする車両用フロアスペーサ。
  3. 衝撃吸収パッドと水平パッドが異種原料によって成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用フロアスペーサ。
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