JP4216923B2 - 自動車用バンパー芯材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用バンパー芯材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体の前、後部に取り付けられるバンパーは、エネルギー吸収部材としての合成樹脂発泡体からなる芯材(以下、バンパー芯材という)をポリプロピレンやポリウレタン成形品からなる表皮で覆い、これを金属又は合成樹脂から箱状或いは断面コ字状に形成され自動車本体に取り付けられるバックアップビームに取り付けてなる構造が公知である。上記バンパー芯材は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を所要形状の金型内に充填し、加熱して発泡融着させて得られる成形体が一般に用いられている。
【0003】
自動車用バンパー芯材において、両端のコーナー部など特に大きなエネルギー吸収力が要求される部分は高密度に形成する必要がある。バンパー芯材が全体に均質な密度の発泡粒子成形体の場合、全体の密度が両端部などの大きなエネルギー吸収力を要求される部分に合わせて形成されるため、大きなエネルギー吸収力を要求されない部分は過剰な密度になってしまっている。このようにバンパー芯材全体を必要以上に高い密度に形成することは、不要な重量増加になると共にコストの上昇を招いてしまう。更にこの場合バンパー芯材の剛性が過剰になり、バリアー試験などで評価される全面衝突時の発生荷重が増加してしまい、車両本体に伝わる衝撃が増大して車両本体の変形が生じるおそれがある。
【0004】
このような問題を解決するために、バンパー芯材の長さ方向(車両の幅方向)に2種以上の密度の異なる部分を形成することも試みられている。密度の異なる複数の部分からなる発泡成形体の製造方法として、密度の異なる部分を別々に成形し、これらを接着剤を用いたり、熱融着等により接合して一体化する方法が公知である。しかしながらこの方法は工程が複雑であり、優れた物性を有するバンパー芯材を安定して製造することは困難であった。
【0005】
また、複数の密度の異なる発泡体を接合せずに、密度の異なる部分を一体に形成してなるバンパー芯材が公知である。例えば、特開平4−215544号公報には、部分的にエネルギー吸収能の異なる部分を一体に形成してなるバンパー芯材の製造方法が記載されている。具体的には、パンパー芯材成形用の型を長手方向に複数に分割し、それぞれの分割した型により、型内に充填された発泡粒子を異なる圧縮率で圧縮して、部分的に発泡倍率(密度)を異ならしめ、車両幅方向中心部と両サイドコーナー部とがエネルギー吸収能の高い低発泡倍率の強化発泡部として形成され、その間にエネルギー吸収能が低い高発泡倍率の発泡部が形成され、両発泡部が連続して一体に成形されたバンパー芯材を得る方法である。しかしながらこの金型を分割し圧縮圧力を変化させて発泡成形する方法では、密度の違う部分の境界部がはっきりせず、得られるバンパー芯材の物性が不十分であるという欠点がある。又、各部分毎に圧縮率を変えるには金型構造が複雑であり、実際の生産上は大変高価なバンパー芯材になってしまうため実用的ではない。
【0006】
複数の密度の異なる部分を一体に形成する発泡粒子成形体の上記以外の製造方法として、例えば実公昭62−22352号公報に記載されているように、異種原料を用いて一体に成形する方法が公知である。この方法は、発泡成形型のキャビティ内を仕切板で仕切り、その仕切られたそれぞれのキャビティ内へ異種の原料となる各々の樹脂粒子を充填し、充填後或は加熱途中等に仕切板をキャビティから除去して蒸気等の加熱媒体により加熱膨張させて異種となる原料を互いに加熱融着させる発泡成形方法である。本発明者らは、この方法をバンパー芯材の製造に適用することを試み、バンパー芯材後面側(車体側)の金型壁から金型内部に進退可能な仕切板を設け、仕切板で区画されたキャビティ内に交互に密度の異なる発泡粒子を充填し、高エネルギー吸収部と低エネルギー吸収部とが一体に形成された発泡成形体を得た。しかしながら、バンパー芯材の製造は単純な形状の成形体の製造の場合とは異なり、以下の問題があり、単純に適用することはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般にバンパーの縦断面の形状は車両外面側が単純な方形状ではなく曲面状にデザインされており、バンパー内部にて衝撃吸収のために設けられるバンパー芯材もバンパー形状と同様に車両外面側の縦断面形状が曲面状や凹凸形状等の、バンパー形状に応じた形に形成されている。そのため、図8に示すように成形型101はバンパー芯材の車両外面側の型102aと車体側の型102bとから構成されるが、該成形型101内を仕切る仕切板103のバンパー芯材の車両外面側の形状は、曲線状や凹凸を有する形状に形成される。そのため、仕切板103がバンパー芯材の車体側の型から型内に進入可能に設けられた上記成形型101を用いてバンパー芯材を成形すると、図8に示すように矢印A方向に仕切板103を進入させ成形型101内を仕切り発泡粒子を金型内に充填した後、矢印B方向に仕切板103を動かして該仕切板を型の外に退出させると、仕切板103とキャビティ104との間に空間105が形成され、その空間105にキャビティ104内部に充填された発泡粒子がはみ出して、図9に示すように成形体106はバンパー芯材のバックアップビーム側表面109に大きく突出したバリ108が発生したものとなってしまう。
【0008】
バンパー芯材は、使用時に車体側となるバックアップビーム側の表面109に突起物などがあるとエネルギー吸収能が不均一になり所望の性能が得られなくなる虞れがあり、また突起物がバックアップビームと干渉するため表皮材を所定の取付け位置にセットできず、バンパーの組付けが困難となるおそれがある。このため、ビーム側の表面109に突出したバリ108は突出した部分を残さないように慎重にバリ取りを行って表面を平滑にする必要があり、製造工程における生産性低下をまねく。
【0009】
またバンパー芯材を例えば車両外方側から車体側にかけて次第に厚みを増す形状とした場合、上述のバリは極めて大きなものとなるためバリ取りに多大な労力を費すことになり、これを回避しようとすると、バンパー芯材をデザインする際に大きな制約を受けるという欠点があった。
【0010】
本発明はバリが発生してもバリがバックアップビームと干渉しない程度にとどめられる又はバックアップビームと干渉するバリが発生してもバリ取り処理が簡単に行える自動車用バンパー芯材を容易に得ることができ、各種のデザインに対応可能な自動車用バンパー芯材の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両前面側からバックアップビーム取付け面側にかけて次第に厚みを増すバンパー芯材を成形するための該バンパー芯材の車体側の型と車両外方面側の型とからなる成形型のキャビティを複数の仕切板によって複数の領域に仕切り、仕切られたキャビティの各領域内にそれぞれ所定の合成樹脂発泡粒子を充填し、車体側の型に向かってキャビティ内から仕切板を後退させた後発泡粒子を加熱融着させて一体化させ、長手方向を所定長さに区画されてなる複数の領域が一体に形成された、
該芯材のバックアップビームに取付けられる面の前記領域と領域との境界周囲が凹部として形成されており、かつ該芯材の上面、下面、或いは上面及び下面の前記領域と領域との境界周囲が凹部として形成されている、自動車用バンパー芯材を製造する方法であって、上記仕切板がバンパー芯材の車体側の型に設けられた挿通孔を介してキャビティ内に進退自在に形成され、挿通孔の周囲がキャビティ側に突出しており、かつ仕切板の上端縁と下端縁が仕切板の進退方向と平行に形成されていると共に、成形型における該仕切板の上端縁と下端縁と接触する部分の周囲の形状が仕切板の上下の形状に応じて進退方向と平行に形成されている成形型を用いることを特徴とする自動車バンパー芯材の製造方法、を要旨とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づき説明する。図1に示す本発明により製造されたバンパー芯材の1例である自動車用バンパー芯材1は、長手方向(車両の幅方向)を所定長さに区画してなる密度の異なる領域(エネルギー吸収能の異なる領域)1a、1bが複数組み合わされたポリオレフィン系樹脂発泡粒子成形体であり、各領域が一体に形成されている。図1に示すバンパー芯材1は2種類の密度の異なる領域1aと1bとから構成されており、図2に示すように全体が9つの領域に区画され、両端部、中央部、及び両端部と中央部との間の5つの区画が比較的密度の高い発泡粒子を型内成形してなる領域1a(エネルギー吸収能の高い高密度の領域)から形成され、該高密度の領域1a、1aどうしの間の4つの区画が1aよりも密度の低い発泡粒子を型内成形してなる領域1b(エネルギー吸収能の低い低密度の領域)から形成され、これらが交互に設けられている。更に図1及び図2に示すように、バンパー芯材1の密度の異なる領域1aと1bとの境界3の周囲が窪んだ状態の凹部2として形成されている。
【0013】
本発明により製造されたバンパー芯材1の各領域は、合成樹脂発泡粒子を型内で蒸気等で加熱して融着一体化することで得られる。合成樹脂発泡粒子の基材樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等のプロピレン系樹脂、スチレンモノマーやアクリル系モノマー等の単量体を含浸重合させた改質ポリプロピレン、或いは高密度ポリエチレンや、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレンや、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、あるいは上記樹脂及び上記共重合体から選択された2以上の混合物、あるいは上記樹脂又は上記共重合体又は上記混合物を主成分(50重量%以上)とする他の樹脂やエラストマーとの混合物が例示される。中でもポリオレフィン系樹脂が耐薬品性及びバンパー芯材への加工特性等の面で優れ、特に融点(DSC法による主融解ピークの頂点)138℃以上のポリプロピレン系(プロピレン成分50重量%以上)樹脂が耐熱性、バンパー芯材に加工された際の耐衝撃吸収性及び軽量性に優れるので好ましい。ポリオレフィン系樹脂にはエチレン−プロピレン共重合体ゴム等のゴム分をブレンドすることもできる。
【0014】
本発明により製造されたバンパー芯材1における各領域の密度は、例えば基材樹脂としてプロピレン系樹脂を用い、2種類の密度の異なる領域から構成する場合、高密度の領域1aは衝撃を吸収するための作用を十分得るためには、0.450〜0.030g/cm が好ましく、より好ましくは0.300〜0.035g/cm3 である。一方低密度の領域1bは、とりわけ大きなエネルギー吸収力は必要としないため、軽量化等に寄与する点から好ましい密度は、0.15〜0.020g/cm 、より好ましくは0.09〜0.022g/cm である。また上記両領域の密度の差は、0.430〜0.008g/cm3 となるように形成するのが好ましい。
【0015】
本明細書中では、高密度の領域をエネルギー吸収の高い領域とし、低密度の領域をエネルギー吸収の低い領域として説明しているが、これは各領域において、それらを構成する基材樹脂、樹脂添加剤及び独立気泡率等が略一致している場合を前提としているものである。従って、各領域でそれらが異なる場合には密度とエネルギー吸収能との関係は逆転現象も起こりうる。
【0016】
また、各領域の組み合わせは、図1に示す以外にも、種々の態様を採用できる。例えば、長手方向を区画する長さ、領域の数、等を任意に構成できる。またこの例においては2種類の異なる密度の領域から形成されているが、3種類以上の異なる密度の領域から構成してもよい。更に、密度以外にも、基材樹脂の種類や粒子の重量等が異なる発泡粒子を用いて各領域を構成することもできる。
【0017】
本発明により製造されたバンパー芯材1は、該芯材1のビーム取り付け面側の密度の異なる領域1aと1bとの境界の周囲に凹部2が設けられている。該凹部2を設けることにより領域と領域との境界部周囲はバックアップビームとは非接触に形成される。このため例えば後述する本発明の自動車用バンパー芯材の製造方法のように進退自在に形成された仕切板によってキャビティを区画してそれぞれのキャビティに所定の発泡粒子を充填した後仕切板を型外に退出させ、発泡粒子を加熱融着させる方法による場合には上記凹部内にバリが発生したり、また、予め別体として形成された各々の領域を接着や熱融着により接合して自動車用バンパー芯材とする方法による場合にも上記凹部内にバリが発生しやすい。しかし、これらのバリは凹部内にあってバックアップビームと接触しないため、パンパー芯材の衝突時のエネルギー吸収能に影響を与えず、従ってバックアップビーム取付け面を平滑にする作業が不要であり、バンパー芯材の生産性を低下させない。あるいは、バリがバックアップビーム側に一部突出してもバリの両脇に凹部2が形成されているので、バリを芯材のビーム取付面以下の高さに切除し易い。また、そのようなバリは溶融・押圧処理することにより芯材1のビーム取付面以下の高さにすることもできる。この際、バリの両脇に凹部2が形成されているので溶融・押圧処理された樹脂は凹部2からはみ出すことなく凹部内にとどめることができるのでバリ除去処理が容易である。
【0018】
また、凹部2はビーム取り付け面に設けるのみならず、車両に取りつけた際に上側となる上面、同様に下側となる下面、或いは上面及び下面の両面に設けることもできる。このように凹部2がバンパー芯材1の密度の異なる領域の境界の上面及び下面に設けられていると、後述する本発明のバンパー芯材の製造方法により製造した場合に、バンパー芯材の長手方向と直交する方向の断面形状が曲線や凹部を含んでいても製造が容易であり、デザイン上の自由度が増し種々の形状のバンパー芯材を得ることができるため好ましい。尚、上記凹部2はバンパー芯材の車両前面側には設けないようにするのが好ましい。これは前面に凹部が設けられていると、衝撃を受けた場合に該凹部から割れが発生する等、衝撃吸収力が低下する虞れがあるからである。
【0019】
ビーム取付け面側の凹部2の幅及び深さはバンパー芯材の強度及び成形性に応じて適宜選択できるが、特に本発明の製造方法により製造した場合には、凹部内に発生したバリの処理を容易にするために、発泡体の密度の異なる領域1a、1bの境界部3を中心に長手方向の両側に各々1.0〜20.0mmの幅に形成するのが好ましく、またその深さは1.00〜50.0mmに形成するのが好ましい。また、凹部2を前記上面と前記下面に設ける場合は、上面と下面の凹部の底面が平行になるように形成するのが好ましい。また、境界3は図3に示すようにバンパー芯材1を上下および前後方向に垂直に区画するように形成されていることが好ましい。
【0020】
本発明により製造されたバンパー芯材1は図4に示すように、バックアップビーム4に取り付けられ、表面が表皮材5等で覆われて、バンパー7として構成され、車体6に取り付けて用いられる。
【0021】
図5は本発明バンパー芯材の製造方法に用いる成形型の1例の要部断面図である。以下本発明バンパー芯材の製造方法について説明する。図5に示すように、成形型8は金型フレーム9a、9bにバンパー芯材の形状に応じたキャビティを形成する雄型10a、雌型10bが取り付けられている。尚、雄型10aはバンパー芯材の車体側の型であり、バックアップビーム取付け面側を形成する為の型でもある。また雌型10bは車両外方面を形成するための型である。
【0022】
更に成形型8は長手方向を複数のキャビティ空間に分割する仕切板11を備えている。仕切板11は各仕切板毎にエアシリンダ12のシリンダーロッド13に接続され、型内を進退可能に形成されている。仕切板11を進退させるシリンダー12はビーム側となる方のフレーム9aに取り付けられ仕切板11をビーム側の雄型10aに設けられた挿通孔14から型内部へ進入可能に形成されている。また、車体外方面側の雌型10b側には仕切板11によって区画されたそれぞれのキャビティに発泡粒子を充填するための充填機16が、各々の区画されたキャビティ毎に設けられている。
【0023】
雄型10aの挿通孔14の周囲は、キャビティ内側に向けて突出しており凸部15として形成されている。この凸部15を形成する雄型の突出部分は挿通孔14の長手方向両側にそれぞれ0.7〜25.0mmの幅に形成されることが好ましい。突出部分の幅が0.7mm未満では強度が不十分で変形したり破損するおそれがある。また凸部15の成形面からの高さは、バンパー芯材1の車両外面側先端の曲がり具合や凹部の有無等の形状に応じて適宜決められるが、1.0〜50.0mmに形成するのが好ましい。尚、仕切板の厚みは、一般に0.5〜10.0mmに形成されているため、全体として凸部15の幅は2.0〜62.0mmに形成されていることが好ましく、3.0〜30mmに形成されていることがより好ましい。凸部15の幅が2.0mm未満では強度不足であり、62.0mmを超えると得られるバンパー芯材のエネルギー吸収効率が低下する虞れがある。また仕切板11の幅(厚み)は、凸部15の幅に対し、10〜85%に形成するのが好ましい。
【0024】
仕切板11は図6(a)に示すように上端縁と下端縁とを仕切板の進行方法に対して平行となるように形成するのが好ましい。この場合、雌型10bの仕切板の上端縁と下端縁と接する部分は、仕切板11の上下の形状に応じた形状に形成される。すなわち、雌型10bの仕切板11の上端縁11a及び下端縁11bと接触する部分の周囲の形状は仕切板11と同様に仕切板の進行方向と平行に形成され、雌型10bの当該部分は周囲の部分よりもキャビテイ内側に突出した形状に形成される。
【0025】
バンパー芯材のデザインによっては、バリがバックアップビーム取り付け面よりも車体側に突出した大きなものとなることがあるが、バリの両脇に凹部が形成されているので、バリ取りの作業が容易に行える。
【0026】
雌型10bの仕切板11の上端縁11a及び下端縁11bと接触する部分の周囲の形状を周囲の部分よりもキャビテイ内側に突出するように形成した場合、この凸部15a、15bの幅は、仕切板11の挿通孔の周囲の凸部15と同じ幅にするのが好ましい。
【0027】
上記成形型8を用いてバンパー芯材を製造するには、まず仕切板11をキャビティ内に進めて各キャビティごとに仕切る。次いで各充填機16から所定の発泡粒子をキャビティ内に各々充填する。仕切板は発泡粒子が充填された後、或いは充填しながら退出させる。キャビティ内の各区画に発泡粒子が完全に充填され仕切板がキャビティ内部から除かれたならば、キャビティを蒸気等で加熱して発泡粒子を融着して複数の領域が一体に形成された発泡粒子成形体を得る。しかる後に該発泡粒子成形体をキャビティから取り出してバンパー芯材1が得られる。この際、図1に示すようにバンパー芯材1には、上下と中央にバリが発生するが、このバリは、凹部2内に留まり、ビーム取り付け面から外方に突出しない。
【0028】
発泡粒子をキャビティ内に充填するには、型内に間隙を設けて空気等により発泡粒子をキャビティ内に充填する所謂クラッキング充填法を用いることができる。この方法では高密度の領域及び低密度の領域を両方同時に充填することができる。また、発泡粒子を加圧して体積を小さくし、型のキャビティ内と発泡粒子のタンクとの間に圧力差を設けて充填するいわゆる圧縮充填法を用いてもよい。この場合には通常、低密度の領域の発泡粒子が圧縮され密度が変化するのを避けるため、はじめに高密度の領域を充填しておいて次に低密度の領域を充填する。
【0029】
各キャビティに充填される原料の発泡粒子は、密度や粒子重量、基材樹脂等が全て同じ発泡粒子であっても、異なる発泡粒子であってもいずれでもよい。例えば同一の発泡粒子を用いて異なる密度の領域を形成するには、仕切板により区画された各々のキャビティ内に発泡粒子を充填する際に、高い密度の領域として形成するキャビティに充填する発泡粒子の加圧量を他よりも大きくする方法や、クラッキング充填による場合、高い密度の領域として形成するキャビティに先に発泡粒子を充填し、その後型内の間隙を狭めてから低い密度の領域として形成するキャビティに発泡粒子を充填する方法等が挙げられる。
【0030】
尚、仕切板11をキャビティから退出させる場合、仕切板11の先端が雄型10aの凸部15の突出面よりも型外側になるまで退出させるのが好ましい。すなわち、仕切板11の先端がキャビティの凸部15の突出面よりもキャビティ内に入り込んだ状態で成形を行うと、得られるバンパー芯材の凹部2に仕切板の部分が凹溝として形成される。仕切板の跡のような細溝がバンパー芯材のバックアップビーム取り付け面に存在すると、衝撃を受けた場合の衝撃吸収特性が低下する虞れがある。このとき凹部内にバリが発生するが、前に述べたようにこのバリはビーム取り付け面より外方に突出しないか、あるいは突出しても突出しないよう処理すればよく、処理は容易である。
【0031】
また図7に示すように、雌型10bの仕切板11の先端と接する部分には、仕切板の先端がバンパーの長手方向にズレないように仕切板11を支持するための支持部材18を設けるのが好ましい。支持部材18は、例えば仕切板11を挟んで両側から支持する円柱状突起として形成することができる。この支持部材18は両側に同じ数(例えば1個ずつ、或いは2個ずつ等)だけ設けてもよいが、図7に示すように、高密度の発泡粒子が充填されるキャビティ側17aよりも、低密度の発泡粒子が充填されるキャビティ側17bの突起の数が多くなるように形成するのが好ましい。これは、密度の異なる領域を形成するために、それぞれ密度の異なる発泡粒子を充填する際、圧縮充填法を用いて高密度の領域を形成するためのキャビティに初めに充填した後、低密度の領域を形成するためのキャビティに充填すると、圧力を下げた際に高密度の領域を形成するためのキャビティの側の発泡粒子が膨らんで仕切板を低密度の領域を形成するためのキャビティの側に押しやるためであり、低密度の領域を形成するためのキャビティ側に支持部材18の突起を多く設けるのが好ましい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により製造された自動車用バンパー芯材は、長手方向を所定長さに複数に区画してなる密度等の異なる領域(エネルギー吸収能の異なる領域)が組み合わされているものであるから、衝撃特性に優れ、軽量且つ低コストであると共に、本発明の製造方法による場合には、芯材のバックアップビーム取り付け面の密度等の異なる領域の境界周囲が凹部として形成されているため、バンパー芯材の形状に拘わらず、バンパー芯材のビーム面側にバリは凹部内に発生するため仮に大きく突出してもバリの除去が容易であり生産性が低下せず、バンパー芯材のビーム面に邪魔な突起物がなくビームへの取り付けは容易である。
【0033】
すなわち、図9に示すようにバンパー芯材のビーム取り付け面にバリができた場合、単にバリを除去するのみならず、エネルギー吸収能を均一にするため表面を平滑に仕上げる必要があり、非常に手間がかかる。これに対し本願発明のように凹部があれば、図1に示すようにバリが存在していてもバリが凹部内に留まりビーム取り付け面にまで突出していなければ、特にバリを除去しなくても、ビーム取り付けに際し邪魔にならない為、バリ取り作業は不要である。また、仮にバリが凹部内に収まらず、ビーム取り付け面から外方に突出したとしても、バリがビーム取り付け面から突出しないように除去すればよく、バリの付け根の部分まで除去したり該部分を平滑に処理する必要はない。
【0034】
本発明バンパー芯材の製造方法は、成形型のキャビティ内を仕切板により仕切り、仕切られたキャビティ内にそれぞれ所定の発泡粒子を充填し、キャビティ内より仕切板を除いた後発泡粒子を加熱融着させて一体化させ、長手方向を所定長さに区画してなる複数の領域が一体に形成された合成樹脂発泡粒子成形体からなるバンパー芯材を製造する方法であって、上記仕切板がバンパー芯材のビーム面側に設けられた型枠の挿通孔を介してキャビティ内に進退自在に形成され、挿通孔の周囲がキャビティ側に突出した成形型を用いる構成を採用したことにより、バリの問題がなく諸特性に優れた自動車用バンパー芯材を容易に得ることができる。また、バンパー芯材の車体外側面の形状が曲面状や凹凸を有する形状であっても、バリの問題が生じないため、バンパー芯材及びバンパーのデザインの自由度が大きくなり、各種のデザインの自動車用バンパーを生産性を低下させることなく提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により製造された自動車用パンパー芯材の1例の要部外観を示す斜視図である。
【図2】 図1のバンパー芯材をビーム側から見た正面図である。
【図3】 図2のIII−III線縦断面図である。
【図4】 本発明により製造されたバンパー芯材を用いた自動車バンパーの縦断面図である。
【図5】 本発明バンパー芯材の製造方法に用いた成形型の説明図である。
【図6】 図5の成形型の仕切板の作用を説明するための図であり、(a)は仕切板がキャビティ内に進入した状態を示し、(b)は仕切板がキャビティから退出した状態を示す。
【図7】 仕切板の支持部材を示す説明図である。
【図8】 従来のバンパー芯材の製造方法に用いた成形型の断面図である。
【図9】 図8に示す成形型を用いて得られるバンパー芯材の要部外観を示す斜視図である。

Claims (1)

  1. 車両前面側からバックアップビーム取付け面側にかけて次第に厚みを増すバンパー芯材を成形するための該バンパー芯材の車体側の型と車両外方面側の型とからなる成形型のキャビティを複数の仕切板によって複数の領域に仕切り、仕切られたキャビティの各領域内にそれぞれ所定の合成樹脂発泡粒子を充填し、車体側の型に向かってキャビティ内から仕切板を後退させた後発泡粒子を加熱融着させて一体化させ、長手方向を所定長さに区画されてなる複数の領域が一体に形成された、
    該芯材のバックアップビームに取付けられる面の前記領域と領域との境界周囲が凹部として形成されており、かつ該芯材の上面、下面、或いは上面及び下面の前記領域と領域との境界周囲が凹部として形成されている、自動車用バンパー芯材を製造する方法であって、
    上記仕切板がバンパー芯材の車体側の型に設けられた挿通孔を介してキャビティ内に進退自在に形成され、挿通孔の周囲がキャビティ側に突出しており、かつ仕切板の上端縁と下端縁が仕切板の進退方向と平行に形成されていると共に、成形型における該仕切板の上端縁と下端縁と接触する部分の周囲の形状が仕切板の上下の形状に応じて進退方向と平行に形成されている
    成形型を用いることを特徴とする自動車バンパー芯材の製造方法。
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