JP5177172B2 - シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
用紙Sは、転写部30へと正確に位置決めされて送られるように、停止しているタイミングローラ対24に用紙Sの先端が突き当てられ、さらに過剰に送り込まれることで、図15に示す用紙S1のように搬送路内でループ(撓み)を形成し、用紙が十分に整位補正(スキュー補正)された後で、タイミングローラ対24の回転がスタートし、用紙搬送が再開されるという構成が一般的である。そして、このとき、用紙に起因する様々な衝撃音が発生する。
複写機等の画像形成装置は、オフィス等に設置され、1台の画像形成装置を複数のユーザで共有する場合が多く、特に画像形成装置近傍の座席で作業をしている人にとっては、他のユーザが画像形成装置を使用するたびに、これらの衝撃音にさらされることとなるため、その頻度が高いと衝撃音を騒音のように不快に感じる度合いも高くなり、作業効率の低下を招く場合もある。近年、快適なオフィス環境作りのために、事務機の静音化が要請されており、これら衝撃音の静音化も重要な技術課題となっている。そして、これら用紙搬送の際に用紙に起因して発生する衝撃音のなかでも、はたき音は比較的大きく、ユーザが不快に感じる度合いも高いため、その静音化は特に重要である。
しかし、複数サイズの用紙に対応している画像形成装置においては、画像形成部に用紙を搬送する搬送路は通常1つだけではなく、図14に示すプリンタ200のように、給紙カセット21に収容された用紙Sを搬送する搬送路(以下、「カセット搬送路」という。)のほかに、手差しトレイ25から用紙が搬送される搬送路(以下、「手差し搬送路」という。)などがある。手差しトレイ25は、一般に画像形成装置本体の側面に配置されているため、カセット搬送路における用紙搬送方向と、手差し搬送路における用紙搬送方向とは、互いに対向する方向から合流してタイミングローラ対24へと通じる構成となっている。
また、前記ガイド変位機構は、シートが前記第3の搬送手段から搬送される場合には、前記内側ガイド部材を前記第1の位置に、シートが前記第2の搬送手段から搬送される場合には、前記第2の位置に移動させる移動手段を含んでもよい。
ここで、また、前記内側ガイド部材は、装置本体フレームに、前記第1の位置と第2の位置とで変位可能に軸支されていてもよい。
また、ここで、前記ガイド変位機構は、弾性部材を備え、前記内側ガイド部材は、前記弾性部材により前記第2の位置から前記第1の位置へと変位する方向に付勢されていてもよい。
これにより、シートが第2の搬送手段より搬送されてきた場合には、弾性部材によりシートが内側ガイド部材をはたく際の衝撃を吸収してはたき音を抑制するとともに、はたく際にシートから加えられた押力が解消されると、弾性部材による付勢力を受けて第1の位置へと戻るため、第3の搬送手段よりシートが搬送されてきたときには、シートを第1の搬送手段へと案内することができる。
また、ここで、前記別のガイド変位機構は、シートが前記第2の搬送手段から搬送される場合には、前記別の内側ガイド部材を前記第3の位置に、シートが前記第3の搬送手段から搬送される場合には、前記第4の位置に移動させる別の移動手段を含んでもよい。
また、ここで、前記別の内側ガイド部材は、装置本体フレームに、前記第3の位置と第4の位置とで変位可能に軸支されていてもよい。
また、ここで、前記別のガイド変位機構は、別の弾性部材を備え、前記別の内側ガイド部材は、前記別の弾性部材により前記第4の位置から前記第3の位置へと変位する方向に付勢されていてもよい。
これにより、シートが第3の搬送手段より搬送されてきた場合には、別の弾性部材によりシートが別の内側ガイド部材をはたく際の衝撃を吸収してはたき音を抑制するとともに、シートがはたく際にシートから加えられた押力が解消されると、別の弾性部材による付勢力を受けて第3の位置へと戻るため、第2の搬送手段よりシートが搬送されてきた場合には、シートを第1の搬送手段へと案内することができる。
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)を例にして説明する。
(1−1.プリンタの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンタ100の全体構成を示す概略断面図である。当該プリンタ100は、画像形成部10、給紙部20、転写部30、定着装置40、および制御部50等を備える構成となっている。
以下、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各再現色をC、M、Y、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのC、M、Y、Kを添字として付加する。
転写部30は、中間転写ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33、1次転写ローラ34、およびクリーナブレード37などを備えている。
中間転写ベルト31は、無端状のベルトであり、駆動ローラ32と従動ローラ33に張架されて周回駆動される。
光学部15は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部50からの駆動信号によりC〜K色の画像形成のためのレーザ光L1を発し、感光体ドラム11C〜11Kを露光走査する。この露光走査によって、帯電チャージャ12C〜12Kによりそれぞれ帯電された感光体ドラム11C〜11K上に静電潜像が形成される。各静電潜像の形成は、現像器13C〜13Kによりそれぞれ現像されて感光体ドラム11C〜11K上にC〜K色のトナー像が、中間転写ベルト31上の同じ位置に重ね合わせて1次転写されるようにタイミングをずらして実行される。そして、1次転写ローラ34C〜34Kによって付与される静電力により中間転写ベルト31上に各色のトナー像が順次転写されフルカラーのトナー像が形成され、さらに2次転写位置36方向に移動する。
なお、捌きローラ26および28は、ローラ等の回転体に限られず、例えば、固定式の捌きパッドなどでもよい。
プリンタ100の前面上部の操作しやすい位置には、操作パネル8(図2参照)が設けられている。操作パネル8には、コピー枚数を入力するためのテンキー、コピー開始を指示するためのコピースタートキー、画像形成モードを選択するためのキーに加えて、プリンタ100の状態、例えば、ジョブ実行指示を待っている状態(待機中)であることなどを示すメッセージ画面が表示されるタッチパネル式の液晶表示部が備えられており、当該液晶表示部のタッチパネル機能により、給紙トレイの選択指定やコピー濃度の調整等を受付ける。
(1−2.制御部50の構成)
図2は、制御部50の構成を示すブロック図である。
通信I/F部52は、LANカード、LANボードといったLAN(Local Area Network)に接続するためのインターフェースであり、外部からのプリントジョブのデータを受信する。
CPU51は、ROM53から必要なプログラムを読み出し、画像形成部10、給紙部20、転写部30、定着装置40の動作をタイミングを取りながら統一的に制御して、通信I/F部52が受信したプリントジョブのデータに基づくプリントジョブを実行する。
給紙トレイ判定部511は、CPU51の機能の一部である。給紙トレイ判定部511は、通信I/F部52が受信したプリントジョブおよびユーザが操作パネル8上で入力したプリントジョブにおいて使用される用紙が収容されている給紙トレイを判定し、判定結果に基づいてガイドモータ72を駆動してカム71を回転させる。詳しくは後述する。
(1−3.給紙カセットから給紙される場合)
図3は、給紙カセット21から給紙される場合における、搬送路29の概略構成を示す図である。
(1−4.手差しトレイから給紙される場合)
手差しトレイ25から給紙された場合における、搬送路29の概略構成を図5に示す。
(1−5.ガイド部材位置制御)
図6は、本実施の形態におけるガイド部材位置制御処理の内容を示すフローチャートである。
手差しトレイ25でない場合、プリントジョブを実行する(ステップS2:NO、ステップS4)
続いてプリントジョブが終了したかどうかを判定する。プリントジョブが終了していない場合、プリントジョブを引き続き実行する(ステップS5:NO、ステップS4)。プリントジョブが終了している場合、次にカム71が遠接位置にあるかどうかを判定する(ステップS5:YES、ステップS6)。
上記のように、プリントジョブの実行時に、用紙が給紙カセット21から給紙される場合には、ガイド部材293を退避位置に位置させ、手差しトレイ25から給紙される場合には、ガイド部材293をガイド位置に位置させることにより、給紙カセット21から給紙される場合のはたき音を抑制しつつ、手差しトレイ25から給紙される場合においても用紙搬送が適切に行われるようにすることができる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1においては、カム71によってガイド部材293を移動させて退避位置およびガイド位置に位置決めし、はたき音の抑制と適切な用紙搬送の両立を実現する構成について説明した。本実施の形態においては、弾性部材によって用紙がガイド部材293をはたくときの衝撃を吸収してはたき音を抑制しつつ適切な用紙搬送を実現する構成について説明する。
図7、図8、図9は、本実施の形態における搬送路29の概略構成を示す図であって、図7は、給紙カセット21から給紙された用紙にループが形成されている状態を示し、図8は、図7のループが解消された時の状態を示し、図9は、手差しトレイ25から給紙された用紙の先端がガイド部材293に当った状態を示す。
なお、図8および図9においては、図7におけるガイド部材293および圧縮バネ81の位置を破線で示してある。
<実施の形態3>
上記実施の形態1および2においては、カセット給送部220からタイミングローラ対24に至るカセット搬送路において湾曲の内側のガイド面全体を構成するガイド部材293が退避位置まで移動する構成について説明した。しかし、前記湾曲の内側のガイド面全体がループ解消時の用紙Sに当らない場合もあり、用紙Sに当たる部分のみを可動式とすることでもはたき音を抑制することができる。本実施の形態では、前記湾曲の内側のガイド部材の一部を可動式としてはたき音の抑制と適切な用紙搬送を両立する構成について説明する。
図10、図11、図12は、本実施の形態における搬送路29の概略構成を示す図であって、図10は、給紙カセット21から給紙された用紙にループが形成されている状態を示し、図11は、図10のループが解消された時の状態を示し、図12は、手差しトレイ25から給紙された用紙の先端がガイド部材293に当った状態を示す。なお、図11および図12においては、図10におけるガイド部材296および圧縮バネ81の位置を破線で示してある。
図10に示す用紙にループが形成された状態から図11に示すループが解消された状態に移行する際に、ガイド部材296は用紙から湾曲の内側方向の押力を受ける。そして、当該押力により圧縮バネ81は圧縮され、ガイド部材296は湾曲の内側方向に移動し、図11に示す退避位置まで移動する。このとき、上記押力は圧縮バネ81によって吸収されるため、用紙がガイド部材296をはたく力が弱められ、その結果はたき音が抑制される。そして用紙後端がカセット給送部220(繰り出しローラ22と捌きローラ26のニップ部)を抜けると、上記押力が消滅し、圧縮バネ81の弾性力により、ガイド部材293は図10に示す位置まで戻される。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の各実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を考えることができる。
まず、プリントジョブを受付けると(ステップS11:YES)、次にプリントジョブに供される用紙Sが収容されているのは手差しトレイ25であるかどうかを判定する。手差しトレイでない場合、ガイドモータ72を回転駆動してカム71を遠接位置まで回転させ、ガイド部材293を退避位置まで移動させた後、プリントジョブを実行する(ステップS12:NO、ステップS13、ステップS14)。
続いてプリントジョブが終了したかどうかを判定する。プリントジョブが終了していない場合、プリントジョブを引き続き実行する(ステップS15:NO、ステップS14)。プリントジョブが終了している場合、次にカム71が近接位置にあるかどうかを判定する(ステップS15:YES、ステップS16)。
上記のように、プリントジョブの実行時に、用紙が給紙カセット21から給紙される場合には、退避位置までガイド部材293を移動させてはたき音の発生を抑制し、手差しトレイ25から給紙される場合には、ガイド位置までガイド部材293を移動させる構成により、給紙カセット21から給紙された場合のはたき音の発生を抑制しつつ、手差しトレイ25から給紙された場合においても、用紙搬送が適切に行われるようにすることができる。
(3)上記各実施の形態においては、給紙カセット21からのカセット搬送路と手差しトレイ25からの手差し搬送路を例に説明したが、これに限られない。例えば、プリンタ本体の側面に給紙ユニットを備える構成のプリンタにおいて、両面プリント可能な機種の場合、前記給紙ユニット内に2面目用の搬送路が設けられていることがある。この場合、1面目用の搬送路と2面目用の搬送路とが、上記各実施の形態のように互いに対向接近しながらそれぞれ湾曲しつつ合流する形状となることがある。そのような場合にも、上記各実施の形態および各変形例におけるカセット搬送路および手差し搬送路の構成をそれぞれ1面目用および2面目用の搬送路に適用することにより、同様にはたき音の抑制と適切な用紙搬送を両立させることができる。
(5)上記実施の形態1および変形例(1)においては、ガイド部材293が退避位置にあるとき、カム71は最遠部711においてガイド部材293に当接し、ガイド部材293がガイド位置にあるとき、カム71は最近部712においてガイド部材293に当接しているとしたがこれに限られず、ガイド部材293が退避位置およびガイド位置に位置するような箇所であれば、カム71の周面におけるいずれの箇所においてガイド部材293に当接してもよい。
(9)上記各実施の形態および各変形例において、ガイド部材293、296が退避位置およびガイド位置にて静止するように、ガイド部材293、296の変位を止めるストッパを設けてもよい。この場合、ストッパのガイド部材293、296と当接する面にスポンジやゴム等の緩衝材を設けて当接の際の衝撃音を抑制するようにするのが好ましい。
(14)以上、本発明に係るシート搬送装置を、タンデム型カラーデジタルプリンタを例にして説明したが、本発明は、タンデム型カラーデジタルプリンタに限られず、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファックス、また、これらの機能を備えた複合機(MFP:Multifunction Peripheral)など、およそシート搬送装置を備えた全ての画像形成装置に適用される。
20 給紙部
21 給紙カセット
22、27 繰り出しローラ
23、29 搬送路
24 タイミングローラ対
25 手差しトレイ
26、28 捌きローラ
29a カセット搬送路
29b 手差し搬送路
30 転写部
31 中間転写ベルト
32 駆動ローラ
35 2次転写ローラ
36 2次転写位置
40 定着装置
70 移動部
71 カム
72 ガイドモータ
73 回転軸
81 圧縮バネ
82 固定部材
100、200 プリンタ
220 カセット給送部
231、232、291、292、293、296 ガイド部材
270 手差し給送部
294 遥動支持部
295 支軸
711 最遠部
712 最近部
Claims (9)
- 一対の回転体によりシートを搬送する第1の搬送手段と、1の回転体と当該回転体に押圧される1の押圧部材との組よりそれぞれ成り、前記第1の搬送手段までシートを選択的に搬送する第2と第3の搬送手段とを備えると共に、搬送途中において第1の搬送手段と第2の搬送手段間でシートに一時的にループを形成させる構成を有するシート搬送装置であって、
前記第2の搬送手段から第1の搬送手段に至るまでの第1の搬送路の前記ループが形成される位置には、一方に突出する方向に曲がった曲部であって、前記ループの形成によりシートが曲がる方向に曲がった曲部が含まれ、
前記第3の搬送手段から第1の搬送手段に至るまでの第2の搬送路が、前記曲部において当該曲部の突出している側から前記第1の搬送路と合流しており、
前記第1の搬送路を形成するガイド部材のうち、前記曲部の内側部分を含む内側ガイド部材を、前記第3の搬送手段により搬送されてきたシートを前記第1の搬送手段まで案内する第1の位置と、当該第1の位置よりも前記曲部の内側方向に後退した位置である第2の位置とで変位可能に支持するガイド変位機構が設けられている
ことを特徴とするシート搬送装置。 - 前記ガイド変位機構は、シートが前記第3の搬送手段から搬送される場合には、前記内側ガイド部材を前記第1の位置に、シートが前記第2の搬送手段から搬送される場合には、前記第2の位置に移動させる移動手段を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。 - 前記内側ガイド部材は、装置本体フレームに、前記第1の位置と第2の位置とで変位可能に軸支されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシート搬送装置。 - 前記ガイド変位機構は、弾性部材を備え、
前記内側ガイド部材は、前記弾性部材により前記第2の位置から前記第1の位置へと変位する方向に付勢されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。 - 搬送途中において第1の搬送手段と第3の搬送手段間でシートに一時的にループを形成させる構成をさらに有し、
前記第2の搬送路には、前記第1の曲部に向けて突出する方向に曲がった別の曲部が含まれ、
前記第2の搬送路を形成するガイド部材のうち、前記別の曲部の内側部分を含む別の内側ガイド部材を、前記第2の搬送手段により搬送されてきたシートを前記第1の搬送手段まで案内する第3の位置と、当該第3の位置よりも前記別の曲部の内側方向に後退した位置である第4の位置とで変位可能に支持する別のガイド変位機構が設けられている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。 - 前記別のガイド変位機構は、シートが前記第2の搬送手段から搬送される場合には、前記別の内側ガイド部材を前記第3の位置に、シートが前記第3の搬送手段から搬送される場合には、前記第4の位置に移動させる別の移動手段を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。 - 前記別の内側ガイド部材は、装置本体フレームに、前記第3の位置と第4の位置とで変位可能に軸支されている
ことを特徴とする請求項5または6に記載のシート搬送装置。 - 前記別のガイド変位機構は、別の弾性部材を備え、
前記別の内側ガイド部材は、前記別の弾性部材により前記第4の位置から前記第3の位置へと変位する方向に付勢されている
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載のシート搬送装置。 - 前記請求項1から8のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えた画像形成装置。
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