JP5172070B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5172070B2
JP5172070B2 JP2004230980A JP2004230980A JP5172070B2 JP 5172070 B2 JP5172070 B2 JP 5172070B2 JP 2004230980 A JP2004230980 A JP 2004230980A JP 2004230980 A JP2004230980 A JP 2004230980A JP 5172070 B2 JP5172070 B2 JP 5172070B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
composition according
weight
lubricating oil
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004230980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005054193A (ja
JP2005054193A5 (ja
Inventor
ウィリアム ショー ロバート
アレクサンダー ウェストン ベル イアン
ロブソン ロバート
Original Assignee
インフィニューム インターナショナル リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by インフィニューム インターナショナル リミテッド filed Critical インフィニューム インターナショナル リミテッド
Publication of JP2005054193A publication Critical patent/JP2005054193A/ja
Publication of JP2005054193A5 publication Critical patent/JP2005054193A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5172070B2 publication Critical patent/JP5172070B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M167/00Lubricating compositions characterised by the additive being a mixture of a macromolecular compound, a non-macromolecular compound and a compound of unknown or incompletely defined constitution, each of these compounds being essential
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M2203/00Organic non-macromolecular hydrocarbon compounds and hydrocarbon fractions as ingredients in lubricant compositions
    • C10M2203/06Well-defined aromatic compounds
    • C10M2203/065Well-defined aromatic compounds used as base material

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

本発明は、潤滑油組成物、例えば、マルチグレード潤滑剤であって、エンジンピストン清浄性において、特にディーゼルエンジンに関して、強化性能を与えるものに関する。
内燃エンジンのクランク室用潤滑油組成物(又は潤滑剤)は公知であり、また、それらが、それらの特性及び性能を強化するために添加剤(又は添加剤成分)を含むことが知られている。
性能基準に合う相手先商標製品製造会社(OEMs)の要求は、ますます、潤滑剤の特性に影響してきている。そのような性能基準の一つは、圧縮点火(ディーゼル)内燃エンジンの作動中のピストンの清浄性に関するものである。これは、VWTDi試験(CEC L-78-T-99)により測定されてもよい。
所定の他の性能基準としては、潤滑剤の揮発性、潤滑剤の燃料経済性及び潤滑剤の塩素含量が挙げられる。また、環境問題のため、潤滑剤の硫酸灰分、リン及び硫黄含量の重要性が増してきている。
様々な基準は、使用してもよい添加剤成分及び量及びベースストックに関して、潤滑剤配合者を明らかに抑制している。
US-A-5,436,379は、合成炭化水素50〜97質量%及びイソブチレンオリゴマー3〜50質量%から配合された完全に合成の潤滑ベースオイル組成物、及び完全に合成の潤滑剤組成物へのそれらの配合を記載している。その明細書は、鉱油をベースとしたマルチグレードオイルの性能は、様々な理由でかなり不十分であることを述べている。
少量の非水素化オレフィンポリマー、例えばポリイソブテンの、鉱油をベースとした潤滑油組成物における使用が、内燃エンジン中のピストンの清浄性を驚くほど向上することを、ここで見出した。さらに、そのようなポリマーの使用の利点は、粘度指数向上剤の量を減少してもよい一方で、粘度グレードが維持されることである。
第一の態様において、本発明は、マルチグレードクランク室潤滑油組成物であり、好ましくは圧縮点火エンジン用、具体的には乗用車の圧縮点火エンジン用のものであって、以下のもの:
(A)少なくとも50、例えば少なくとも60質量%が鉱油である過半量(major amount)の潤滑粘性オイル;及び少量(minor amount)の:
(B)オイル組成物の質量をベースとして1〜15、好ましくは2〜10未満、例えば3〜8質量%の量の非水素化オレフィンポリマーであって、該ポリマーの数平均分子量が100〜5,000であるもの;
(C)分散剤、例えば無灰分散剤;
(D)金属清浄剤、例えばカルシウム及び/又はマグネシウム清浄剤;
(E)抗酸化剤、耐磨耗剤及び摩擦改質剤から選ばれる一つ又はそれより多い他の潤滑剤添加剤成分;及び
(F)粘性改質剤
を含むか又はそれらを混合することにより製造される上記組成物である。
第二の態様において、本発明は、圧縮点火内燃エンジンの潤滑方法であって、エンジンを作動すること及び第一の態様による潤滑油組成物でエンジンを潤滑にすることを含む上記方法である。
第三の態様において、本発明は、圧縮点火内燃エンジンのピストン清浄性を向上させる方法であって、第一の態様による潤滑油組成物をエンジンに加えることを含む上記方法である。
第四の態様において、本発明は、圧縮点火内燃エンジン、好ましくは比出力が25kW/リットル又はそれより高いものと、第一の態様による潤滑油組成物との組み合わせである。
第五の態様において、本発明は、圧縮点火内燃エンジンのピストン清浄性を向上させるための、マルチグレードクランク室潤滑油組成物における非水素化オレフィンポリマーの使用である。
第六の態様において、本発明は、第一の態様において定義されたマルチグレードクランク室潤滑油組成物を製造するための濃縮物であって、油性キャリヤー、非水素化オレフィンポリマー、分散剤、金属清浄剤及び、一つ又はそれより多い他の潤滑剤添加剤成分であって抗酸化剤、耐磨耗剤及び摩擦改質剤から選ばれるもの、を含む上記濃縮物である。
本発明の特徴を、以下に詳細に論じる:
潤滑油組成物
本発明の潤滑油組成物は、内燃エンジン、好ましくは圧縮点火(ディーゼル)エンジン、より好ましくは圧縮点火乗用車エンジンのクランク室を潤滑にするためのものである。ディーゼル応用、具体的には乗用車用のクランク室潤滑油組成物は、そのような応用の性能要求に合うように特に配合されなければならない。
本発明の潤滑油組成物は、粘度グレードSAE 10W-X、SAE 5W-X及びSAE 0W-Xのマルチグレードオイル組成物であって、Xは、20、30及び40を表すものが好ましく、そのグレードの特徴は、SAE J300分類において提供される。潤滑油組成物の粘度グレードSAE 5W-X及びSAE 0W-Xであって、Xが20、30及び40、好都合には20及び30を示すものが、特に好ましい。
本発明の他の態様において、第一の態様の潤滑油組成物のNOACK揮発度は、CEC L-40-A-93により測定した場合、15以下、例えば13未満、好ましくは11未満、例えば7〜10質量%である。潤滑油組成物のNOACK揮発度は、一般的に、4以上、例えば5質量%以上である。
さらに、本発明の潤滑油組成物は、オイル組成物の質量をベースとして、好ましくは0.005〜0.08、例えば0.01〜0.07、具体的には0.03〜0.06質量%のリン、好ましくは一つ又はそれより多いジチオリン酸亜鉛添加剤から誘導されたものを有する。
他の態様とは関係なく、本発明の潤滑油組成物の硫黄含量は、オイル組成物の質量をベースとして、好ましくは0.05〜0.4、具体的には0.1〜0.3、好都合には0.15〜0.2質量%である。
ある態様において、本発明の潤滑油組成物は、オイル組成物の質量をベースとして、1.0以下、例えば0.2〜0.8、好ましくは0.3〜0.6質量%の硫酸灰分値を与える。
潤滑油組成物は、また、オイル組成物の質量をベースとして、モリブデン含量300以下、好ましくは10〜200、具体的には50〜175質量ppmである。
また、ホウ素含有添加剤は、潤滑油組成物中に存在してもよく、そこでのホウ素の量は、好ましくはオイル組成物の質量をベースとして150以下、好ましくは10〜100、具体的には25〜75質量ppmである。
リン、硫黄、モリブデン及びホウ素の量は、ASTM D5185の方法により測定され;「TBN」は、ASTM D2896により測定される全塩基価であり;窒素の量は、ASTM D4629の方法により測定され;また、硫酸灰分量は、ASTM D874の方法により測定される。
好ましくは、潤滑油組成物は、少なくとも性能要求ACEA B2-98、より好ましくは少なくともACEA B1-02、例えば少なくともACEA B3-02、具体的にはACEA B4-02及びACEA B5-02を、軽量ディーゼルエンジンに関して満足させる。
潤滑粘性オイル
潤滑粘性オイルは、潤滑油組成物の主要な液体構成要素である。潤滑粘性オイルとしては、(a)添加剤濃縮物又は添加剤パッケージに添加されるオイル、及び(b)添加剤濃縮物又は添加剤パッケージ中に存在するいずれかのオイルが挙げられる。
記載したように、潤滑粘性オイルの少なくとも50質量%は、鉱油であり;群I、II及びIIIのベースストック及びそれらの混合物から選ばれてもよい。そのバランスは、群IV及びVベースストック及びそれらの混合物から選ばれる合成ベースストックを含んでいてもよい。例えば、潤滑粘性オイルの少なくとも60、70、80、90又は95質量%又はすべてが鉱油であってもよい。
ベースストックは、多様な異なる方法を使用して製造してもよく、例えば、蒸留、溶媒精製、水素加工、オリゴマー化、エステル化及び再精製が挙げられるが、それらに限定されない。
米国石油協会(API)1509「Engine Oil Licensing and Certification System」第四版、1996年12月は、すべてのベースストックが5つの一般的なカテゴリーに分類されることを述べている:
群Iのベースストックは、飽和度が90%未満であり、及び/又は、硫黄が0.03%より多く、粘度指数が80と等しいかそれより高く120未満である;
群IIのベースストックは、飽和度が90%と等しいかそれより高く、硫黄が0.03%と等しいかそれ未満であり、粘度指数が80と等しいかそれより高く120未満である;
群IIIのベースストックは、飽和度が90%と等しいかそれより高く、硫黄が0.03%と等しいかそれ未満であり、粘度指数が120と等しいかそれより高く;
群IVのベースストックは、ポリαオレフィン(PAO)であり;また
群Vのベーストックは、群I、II、III又はIVに含まれない他の全てのベースストックを含み、例えば商標名Pennzoilとして販売されるアルキルシクロペンタンが挙げられる。
群IVのベースストック、即ち、ポリアルファオレフィン(PAO)は、上記のように、一般的に、α-オレフィンの水素化オリゴマーであり、オリゴマー化の最も重要な方法は、フリーラジカル方法、チーグラー触媒反応、カチオン性及びフリーデルクラフト触媒反応である。
使用される場合、群Vのベースストックは、エステルの形態であってもよい。例としては、ポリオールエステル、例えばペンタエリスリトールエステル、トリメチロールプロパンエステル及びネオペンチルグリコールエステル;ジエステル;炭素数36の二量体酸エステル;トリメリット酸エステル、即ち、1,2,4-ベンゼントリカルボキシレート;及びフタル酸エステル、即ち1,2-ベンゼンジカルボキシレートが挙げられる。エステルが製造される酸は、好ましくは、一般式RCO2Hで表されるモノカルボン酸であり、式中、Rは、分枝、線状又は混合アルキル基を表す。そのような酸は、例えば、炭素数6〜18である。
好ましくは、潤滑粘性オイルは、オイルの質量をベースとして、0.1以下、例えば、0.05以下、より好ましくは0.005〜0.03質量%の硫黄を含む。
特に好ましいものは、群IIIのベースストックを、オイル組成物の質量をベースとして、好都合には少なくとも20、例えば少なくとも40、より好ましくは55〜90質量%の量で含む潤滑粘性オイルである。
好ましい態様において、潤滑粘性オイルは、群IIIベースストック及び群Vベースストックをエステルの形態において含む。エステルの形態の群Vベースストックの量は、オイル組成物の質量をベースとして、好ましくは15以下、例えば0.5〜15、より好ましくは1又は2〜15、具体的には3〜15、より具体的には3〜10、好都合には3〜8、例えば5〜8質量%である。群I、群II又は群IVベースストック又はそれらのいずれかの混合物は、少量で、本発明の潤滑油組成物を製造するのに使用される添加剤成分及び添加剤濃縮物用の希釈剤又はキャリヤー液として、潤滑粘性オイル中に存在してもよい。より好ましくは、潤滑粘性オイルは、エステルの形成において、群IIIベースストック及び群Vベースストックから本質的になるが、少量、例えば、全オイルの質量をベースとして25以下、例えば20以下、好ましくは10以下、好都合には5質量%以下の他のベースストック、例えば群I、群II又は群IVのベースストック又はそれらのいずれかの混合物を含んでいてもよい。
上記群を定義するのに使用した試験方法は、飽和度に関してはASTM D2007;粘度指数に関してはASTM D2270;及び硫黄に関してはASTM D2622、4294、4927及び3120の一つである。
非水素化オレフィンポリマー
非水素化オレフィンポリマーは、好ましくは、一つ又はそれより多い非環式オレフィンモノマーのポリマーである。一般的に、本発明に有用な非水素化オレフィンポリマーは、ポリマー鎖当たり、約一つの二重結合、好ましくは一つの二重結合を有する。
「非水素化」とは、ポリマーが、一つ又はそれより多い不飽和部位、例えば炭素-炭素
二重結合を含むことを意味しており、また、それは、本発明に使用されるポリマーを、潤滑剤関連において、α-オレフィン、例えばα-デセンの水素化オリゴマーであるポリαオレフィン(又はPAO)と一般的に呼ばれものとは区別している。
Mortier and Orszulikにより編集された「Chemistry and Technology of lubriants」、33〜40頁(第二版)は、PAO及びポリブテンについて論じ、また、本発明に使用してもよいポリイソブチレン(又はPIB)が、「PAO-型潤滑剤とは実質的に異なる特性を示す」、ことを示している。
ポリマーは、α-オレフィンモノマー又はα-オレフィンモノマーの混合物、又はエチレン及び少なくとも一つの炭素数3〜28のα-オレフィンモノマーを含む混合物を、少なくとも一つのメタロセン(例えばシクロペンタジエニル-遷移金属化合物)及びアルモキサン(alumoxane)化合物を含む触媒系の存在下で重合することにより製造してもよい。この方法を使用して、ポリマーの95%又はそれより多くが末端エテニリデン型不飽和を有するポリマーを提供することができる。末端エテニリデン不飽和を示すポリマー鎖の百分率を、FTIR分光分析、滴定又はC13 NMRにより測定してもよい。この後者のタイプの共重合体は、一般式POLY-C(R1)=CH2により特徴付けられてもよく、式中、R1は、炭素数1〜26のアルキル、好ましくは炭素数1〜18のアルキル、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル、最も好ましくは炭素数1〜2のアルキル(例えばメチル又はエチル)であり、POLYは、ポリマー鎖を表す。R1アルキル基の鎖長は、重合に使用するために選択されるコモノマーにより変わるであろう。少量のポリマー鎖は、末端エテニル、即ちビニル、不飽和、即ち、POLY-CH=CH2を含むことが可能であり、ポリマーの一部は、内部単不飽和(internal monounsaturation)、例えば、POLY-CH=CH(R1)を含むことが可能であり、式中、R1は、上記定義のとおりである。これらの末端不飽和共重合体は、公知のメタロセン化学により製造してもよく、また、米国特許第5,498,809号;第5,663,130号;第5,705,577号;第5,814,715号;6,022,929号及び第6,030,930号に記載されるように製造してもよい。
他の有用なクラスのポリマーは、例えば、イソブテン又はスチレンのカチオン重合により製造されるポリマーにより構成されるものである。このクラスの一般的なポリマーとしては、ブテン含量35〜75質量%及びイソブテン含量30〜60質量%の炭素数4の製油所ストリームの重合により、ルイス酸触媒、例えば三塩化アルミニウム又は三フッ化ホウ素、好ましくは三塩化アルミニウムの存在下において得られるポリイソブテンが挙げられる。ポリ-n-ブテンを製造するためのモノマーの好ましい源は、石油供給ストリーム、例えばラフィネートIIである。これらの供給原料は、当技術分野、例えば米国特許第4,952,739号に開示されている。ポリイソブチレンは、本発明の最も好ましいポリマーであり、それは、ブテンストリームからカチオン重合により(例えば、AlCl3又はBF3触媒を使用して)容易に入手可能だからである。一般的に、そのようなポリイソブチレンは、ポリマー鎖当たり約一つのエチレン性二重結合の残留不飽和を、鎖に沿った位置で含む。好ましい態様は、純粋なイソブチレンストリーム又はラフィネートIストリームから製造したポリイソブチレンを利用して、末端ビニリデンオレフィンを有する反応性イソブチレンポリマーを製造する。好ましくは、これらのポリマーは、高反応性ポリイソブチレン(HR-PIB)と呼ばれ、少なくとも65%、例えば70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%の末端ビニリデン含有物を有する。そのようなポリマーの製造は、例えば、米国特許第4,152,499号に記載されている。HR-PIBは公知であり、HR-PIBは、商標名GlissopalTM(BASF)及びUltravisTM(BP-Amoco)として商業的に入手可能である。
他の態様において、非水素化オレフィンポリマー、例えばポリイソブチレンは、末端二重結合(又は末端エテニリデン型又は末端ビニリデン不飽和)を有するポリマー鎖を10以下、例えば5〜10%有する。そのようなポリマーは、高反応性ではないと考えられる。商業的に入手可能なポリマーの例は、商標名NapvisTM(BP-Amoco)として販売されているもの及び触媒として三塩化アルミニウムでの重合により通常得られるものがある。
好ましくは、ポリマーは、炭素数2〜10、例えば3〜8の一つ又はそれより多いオレフィンの重合から誘導される。特に好ましいオレフィンは、ブテン、好都合にはイソブテンである。
本発明に有用な非水素化オレフィンポリマーの数平均分子量は、100; 300又は800から開始し、2400; 2500; 2700; 3000又は5000で終了する範囲が好ましい。好ましい範囲は、300〜3000、より好ましくは800〜2500である。上記の開始及び終了の値は、独立して組み合わせてもよい。分子量は、幾つかの公知の技術により決定することができる。そのような決定に関して好都合な方法は、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によるものであって、それはさらに、分子量分布情報を提供する;W.W.Yau, J.J.Kirkland and D.D Bly、「Modern Size Exclusion Liquid Chromatography」、John Wiley and Sons, ニューヨーク、1979年を参照されたい。
さらに、非水素化オレフィンポリマーの、ASTM D445により測定した、100℃での動粘度は、少なくとも9又は15、例えば100又は150〜3000、好都合には200〜2700又は2500mm2s-1である。
ある態様において、数平均分子量200〜2400、100℃での動粘度200〜2500mm2s-1を有するポリイソブチレンポリマーは、有益な特性を示すことが見出された。
分散剤添加剤
分散剤(又は分散剤添加剤)、例えば無灰(即ち、金属非含有)分散剤は、使用の間、サスペンションにおいて酸化から生じる固体及び液体汚染物質を保持し、従って、金属部分へのスラッジの凝結及び沈殿又は堆積を妨ぐ。それらは、長鎖炭化水素を含み、分散されるべき粒子と結合することができる極性先端部に油溶性を与える。注目すべきグループは、炭化水素置換コハク酸イミドにより供給される。
一般的に、無灰分散剤は、金属含有(及び従って灰形成)清浄剤とは対照的に、燃焼において実質的に無灰を形成する。ボレート化金属非含有分散剤は、ここにおいて無灰分散剤とみなされる。「実質的に無灰」とは、分散剤が、燃焼において微量の灰を与えてもよいが、その量において、分散剤の性能に実際的な又は有意な影響を与えないものを意味する。
分散剤添加剤組成物は、二つ又はそれより多い分散剤を含む。
本発明の無灰分散剤は、分散されるべき粒子と結合することができる官能基を有する油溶性重合性長鎖主鎖を含む。一般的にそのような分散剤は、大抵、架橋基を介して、ポリマー主鎖に結合されるアミン、アミン-アルコール又はアミド極性成分を有する。無灰分散剤は、例として以下のものから選ばれてもよい;長鎖炭化水素置換モノ-及びポリカルボン酸又はそれらの無水物の油溶性塩、エステル、アミノ-エステル、アミド、イミド及びオキサゾリン;長鎖炭化水素のチオカルボキシレート誘導体;それらに直接結合されるポリアミン成分を有する長鎖脂肪族炭化水素;及び長鎖置換フェノールをホルムアルデヒド及びポリアルキレンポリアミンで縮合することにより形成されるマンニッヒ縮合生成物。好適な分散剤としては、例えば、長鎖ヒドロカルビル-置換カルボン酸の誘導体であって、そのヒドロカルビル基の数平均分子量は15,000未満、例えば5,000未満であり、そのような誘導体の例は、高分子量ヒドロカルビル置換コハク酸の誘導体である。そのようなヒドロカルビル置換カルボン酸は、例えば、窒素含有化合物、好都合にはポリアルキレンポリアミン又はアミン-アルコール又はアミド又はエステルで誘導体化されていてもよい。特に好ましい分散剤は、アルケニルコハク酸無水物とポリアルキレンアミンの反応生成物である。最後に述べた方の分散剤を開示している明細書の例としては、US-A-3 202 678、US-A-3 154 560、US-A-3 172-892、US-A-3 024 195、US-A-3 024 237、US-A-3 219 666、US-A-3 216 936及びBE-A-662 875が挙げられる。
本発明の分散剤は、好ましくは、非重合性(例えば、モノ-又はビス-コハク酸イミド)である。
本発明の分散剤は、所望によりボレート化されていてもよい。そのような分散剤は、U.S. 3,087,936、U.S. 3,254,025及びU.S.5,430,105に一般的に教示されるような従来の方法によりボレート化することができる。分散剤のボレート化は、アシル化窒素組成物の各モル当たりのホウ素原子比0.1〜20を提供するのに十分な量で、アシル窒素含有分散剤を、ホウ素化合物、例えば酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素ホウ酸(boron halide boron acid)及びホウ酸のエステルと処理することにより容易に達成される。
塩素又は塩素原子含有化合物のいずれも使用しない熱反応方法により、ポリブテン及び無水マレイン酸から製造されたポリイソブテニルコハク酸無水物から得られる、無灰コハク酸イミド又はそれらの誘導体は、好ましい分散剤である。
分散性(dispersancy)は、粘度指数向上性及び分散性を提供できる重合性化合物により提供されてもよい。そのような化合物は、分散剤粘度指数向上剤添加剤又は多機能性粘度指数向上剤として公知である。そのようなポリマーは、粘度指数向上剤に加え、性能特性、例えば分散性及び/又は抗酸化性を提供することにおいて、従来の粘度指数向上剤とは異なる(以下の、粘性改質剤での多機能性粘性改質剤のさらなる議論を参照されたい)。もし、分散剤粘度指数向上剤添加剤が本発明に使用されるならば、分散剤添加剤も存在する。
好都合には、分散剤添加剤組成物は、一つ又はそれより多い分散剤、好ましくはボレート化及び非ボレート化分散剤を含有する。
一般的に、一つ又はそれより多い分散剤は、潤滑剤組成物中に、オイル組成物の質量をベースとして0.01〜0.12、好ましくは0.03〜0.09、具体的には0.05〜0.07質量%の窒素を提供する量において使用される。
清浄剤添加剤
清浄剤(又は清浄剤添加剤)は、ピストン堆積物、例えば高温ワニス及びラッカー堆積物の形成を、エンジンのサスペンション中の微細な固形物を保持することにより低減させる;それは、また、酸中和性を有していてもよい。清浄剤は、有機酸の金属塩を含み、それはここでは石鹸又は界面活性物質と呼ばれる。
清浄剤は、極性先端部、即ち、有機酸の金属塩を、油溶性の長い疎水性末端部と有する。従って、一般的に有機酸は、一つ又はそれより多い官能基、例えばOH又はCOOH又はSO3Hを、金属及びヒドロカルビル置換基との反応のために有する。清浄剤が有機酸の中和に必要な理論量に関して過剰の金属を含む場合、清浄剤は過塩基性であってもよい。この過剰は、ミセル構造における有機酸の金属塩を有するコロイド分散、一般的に金属カーボネート及び/又はヒドロキシドの形態にある。
有機酸の例としては、スルホン酸、フェノール及び硫化したそれらの誘導体及び芳香族カルボン酸を含むカルボン酸が挙げられる。
フェノールは、非硫化又は好ましくは硫化されていてもよい。さらに、ここに使用される用語「フェノール」は、一つより多いヒドロキシル基を含むフェノール(例えば、アルキルカテコール)又は縮合芳香族環(例えば、アルキルナフトール)及び化学反応により改質されたフェノール、例えばアルキレン架橋フェノール及びマンニッヒ塩基縮合フェノール;及びサリゲニン型フェノール(塩基性条件下でフェノール及びアルデヒドの反応により製造される)を含む。
好ましいフェノールは以下の一般式で表される;
Figure 0005172070
(式中、Rは、ヒドロカルビル基を表し、yは、1〜4を表す)。yが1より大きい場合、ヒドロカルビル基は、同じでも異なっていてもよい。
フェノールは、しばしば硫化された形態において使用される。硫化方法の詳細は、当業者に公知であり;例えばUS-A-4,228,022及びUS-A-4,309,293を参照されたい。
上記一般式において、Rにより表されるヒドロカルビル基は、好都合には、アルキル基であり、好都合には、炭素数5〜100、好ましくは5〜40、具体的には、9〜12であり、全てのR基中の平均炭素数は、好適な油溶性を確実にするために、好ましくは、少なくとも9である。好ましいアルキル基は、ノニル(例えば、トリプロピレン)基又はドデシル(例えば、テトラプロピレン)基である。
上記のように、ここに使用される用語「フェノール」は、例えば、アルデヒドとの化学反応により修飾されたフェノール及びマンニッヒ塩基縮合フェノールを含む。
フェノールが修飾されてもよいアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びブチルアルデヒドが挙げられる。好ましいアルデヒドはホルムアルデヒドである。本発明による使用に好適なアルデヒド修飾フェノールは、例えば、US-A-5 259 967及びWO 01/74751に記載されている。
マンニッヒ塩基縮合フェノールは、フェノール、アルデヒド及びアミンの反応により製造される。好適なマンニッヒ塩基縮合フェノールの例は、GB-A-2 121 432に記載されている。
一般的に、フェノールは、上記のもの以外の置換基を含んでいてもよい。そのような置換基の例としては、メトキシ基及びハロゲン原子が挙げられる。
好ましいフェノールは、それらの硫化誘導体である。
一般的に、スルホン酸は、ヒドロカルビル置換、具体的にはアルキル置換された、芳香族炭化水素、例えば蒸留及び/又は抽出により石油の分別から又は芳香族炭化水素のアルキル化により得られるもののスルホン化により得られる。アルキルアリールスルホン酸は、一般的に、炭素数が22〜100又はそれより多い。スルホン酸は、芳香族成分上で一つより多いアルキル基により置換されていてもよく、例えば、それらは、ジアルキルアリールスルホン酸であってもよい。好ましくは、スルホン酸の数平均分子量は、350又はそれより多く、より好ましくは400又はそれより多く、具体的には500又はそれより多く、例えば600又はそれより多い。数平均分子量は、ASTM D3712により測定してもよい。
本発明により使用してもよいスルホン酸の他のタイプは、アルキルフェノールスルホン酸を含む。そのようなスルホン酸は、硫化され得る。
カルボン酸としては、モノ-及びジカルボン酸が挙げられる。好ましいモノカルボン酸は、炭素数8〜30、具体的には8〜24のものである。(本明細書が、カルボン酸中の炭素数を示す場合、カルボキシル基中の炭素原子は、その数に包含される)。モノカルボン酸の例としては、イソ-オクタン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸及びベヘン酸が挙げられる。所望により、イソ-オクタン酸は、Exxon Chemicalにより商標名「Cekanoic」として販売される、炭素数8の酸異性体の混合物の形態において使用されてもよい。他の好適な酸は、α-炭素原子での三級置換基を有するもの及びカルボキシル基を隔てる二つ又はそれより多い炭素原子を有するジカルボン酸である。さらに、炭素数が35より多い、例えば炭素数36〜100のジカルボン酸も好適である。不飽和カルボン酸は硫化され得る。
カルボン酸の好ましいタイプは、芳香族カルボン酸である。芳香族カルボン酸の芳香族成分は、ヘテロ原子、例えば窒素及び酸素を含むことができる。好ましくは、その成分は、ヘテロ原子を含まない;より好ましくは、その成分の炭素数は、6又はそれより多く;例えば、ベンゼンは、好ましい成分である。芳香族カルボン酸は、一つ又はそれより多い芳香族成分、例えば一つ又はそれより多いベンゼン環であって、縮合されているか又はアルキレン架橋により結合されているものを含んでいてもよい。
カルボキシル成分は、芳香族成分に直接又は間接的に結合してもよい。好ましくは、カルボン酸基は、芳香族成分の炭素原子、例えばベンゼン環上の炭素原子に直接結合されている。
より好ましくは、芳香族成分は、また、第二官能基、例えば、ヒドロキシ基又はスルホネート基であって、芳香族成分上の炭素原子に直接又は間接的に結合することができるものを含んでいる。
芳香族カルボン酸の好ましい例は、サリチル酸及びそれらの硫化誘導体、例えばヒドロカルビル置換したサリチル酸及びそれらの誘導体である。
例えば、ヒドロカルビル置換したサリチル酸の硫化方法は、当業者に公知である。
一般的に、サリチル酸は、フェノキシドのカルボキル化、例えば、Kolbe-Schmitt法により製造され、その場合、通常、希釈剤中、非カルボキシル化フェノールとの混合物において一般的に得られるであろう。
油溶性サリチル酸に関する好ましい置換基は、アルキル置換基である。アルキル置換サリチル酸において、アルキル基は、好都合には、炭素数5〜100、好ましくは9〜30、具体的には14〜20である。一つより多いアルキル基がある場合、すべてのアルキル基中の平均炭素数は、好適な油溶性を確実にするために、好ましくは少なくとも9である。
金属清浄剤は、中性又は過塩基性であってもよく、その用語は当技術分野において公知である。清浄剤添加剤成分は、一つ又はそれより多い清浄剤添加剤を含んでいてもよく、それは中性清浄剤、過塩基性清浄剤又は両方の混合物であり得る。
清浄剤の全塩基価(TBN)は、15〜600である。
本発明の清浄剤は、一つのタイプの有機酸の塩又は一つより多いタイプの有機酸の塩、例えばハイブリッド複合清浄剤(hybrid complex detergent)であってもよい。
ハイブリッド複合清浄剤は、清浄剤内の、塩基性材料、例えばコロイド金属カーボネートが、一つより多いタイプの有機酸の金属塩により安定化されている清浄剤である。単一のタイプの有機酸が、同じタイプの有機酸の混合物を含んでもよいということは、当業者に評価されるであろう。例えば、スルホン酸は、多様な分子量のスルホン酸の混合物を含んでいてもよい。そのような有機酸組成物は、一つのタイプと考えられる。従って、複合清浄剤は、二つ又はそれより多い別々の清浄剤の混合物とは区別され、例えば、そのような混合物は、過塩基性カルシウムサリチレート清浄剤と過塩基性カルシウムフェナート清浄剤との混合物である。
当技術分野は、過塩基性複合清浄剤の例を記載している。例えば、国際特許出願公開番号WO 97/46643/4/5/6及び7は、ハイブリッド複合清浄剤の記載及び定義に関してここに含まれるものとするが、それは、一つより多い酸性有機化合物と塩基性金属化合物との混合物を中和し、その後、その混合物を過塩基性にすることにより製造される。従って、清浄剤の個々の塩基性材料は、多くの有機酸タイプにより安定化される。ハイブリッド複合清浄剤の例としては、カルシウムフェナート-サリチレート-スルホネート清浄剤、カルシウムフェナート-スルホネート清浄剤及びカルシウムフェナート-サリチレート清浄剤が挙げられる。
EP-A-0 750 659は、カルシウムフェナートをカルボキシル化し、その後硫化し、カルシウムサリチレート及びカルシウムフェナートの混合物を過塩基性にすることにより製造されるカルシウムサリチレートフェナート複合体を記載している。そのような複合体は、「フェナラート」と呼ばれてもよい。
清浄剤添加剤組成物は、二つ又はそれより多い清浄剤、例えばアルカリ金属、例えばナトリウム、清浄剤及びアルカリ土類金属、例えばカルシウム及び/又はマグネシウム、清浄剤を含む。疑いを回避するため、清浄剤添加剤組成物は、無灰分散剤、即ち、金属非含有清浄剤を、一般的に、有機酸の有機塩の形態で含んでいてもよい。好ましくは、その清浄剤は、金属含有であり、1属及び2属の金属が好ましく、より好ましくはカルシウム及びマグネシウム、具体的にはカルシウムである。
好ましくは、清浄剤組成物は、清浄剤が一つのタイプの有機酸の金属塩又は一つより多いタイプの有機酸の金属塩を含むかどうかに関係なく、少なくとも一つの過塩基性金属清浄剤を含む。
硫黄を含有しない一つ又はそれより多い有機酸、例えばカルボン酸、サリチル酸、アルキレン架橋フェノール及びマンニッヒ塩基縮合フェノールをベースとした、少なくとも一つの金属清浄剤を含む、好ましくはそれらから本質的になる清浄剤添加剤組成物が好ましい。具体的には、サリチル酸ベース清浄剤は、特に有効であることが見出された。従って、単に金属を含む清浄剤、好ましくはカルシウム、サリチレートベース清浄剤組成物が、中性又は過塩基性のどちらであっても、好都合である。
清浄剤添加剤組成物は、二つ又はそれより多い清浄剤、好ましくは、TBNが150より高い少なくとも一つの清浄剤及び、TBNが150以下の少なくとも一つの清浄剤を好ましく含む。
一般的に、一つ又はそれより多い清浄剤は、TBNが3〜15、好ましくは5〜12、具体的には7〜10を提供する量において、潤滑油組成物中に使用される。
他の添加剤
他の添加剤の例としては、耐磨耗剤、抗酸化剤、摩擦改質剤、錆防止剤、腐蝕防止剤、流動点降下剤、消泡剤及び粘性改質剤が挙げられる。
耐磨耗剤は、摩擦および過剰の磨耗を低減し、硫黄又はリン又はその両方を含有する化合物を通常ベースとする。ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩は、耐磨耗剤及び抗酸化剤としてよく使用される。その金属はアルカリ又はアルカリ土類金属、又はアルミニウム、鉛、スズ、モリブデン、マグネシウム、ニッケル又は銅であってもよい。亜鉛塩(ZDDP)は、潤滑油組成物の全質量をベースとして0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜2質量%の量で、潤滑油中に最も一般的に使用される。それらは、公知の技術により、第一にジヒドロカルビルジチオリン酸(DDPA)を、一つ又はそれより多いアルコール又はフェノールをP2S5と反応させて形成し、その後、形成したDDPAを亜鉛化合物で中和することにより製造してもよい。例えば、ジチオリン酸を、炭素数1〜18、好ましくは2〜12の一級及び二級アルコールの混合物を反応させることにより製造してもよい。或いは、複数のジチオリン酸を製造することができ、そこでは、一方のヒドロカルビル基は完全に二級であり、他方のヒドロカルビル基は完全に一級である。亜鉛塩を製造するために、塩基性又は中性の亜鉛化合物を使用してもよいが、酸化物、水酸化物及び炭酸塩が最も一般的に使用される。市販の添加剤は、過剰の亜鉛を多くの場合含み、なぜなら中和反応において過剰の塩基性亜鉛化合物が使用されるからである。
ZDDPは、比較的低コストで優れた磨耗保護性を、また、抗酸化剤としての機能を提供する。好ましくは、一つ又はそれより多いジチオリン酸亜鉛を含むジチオリン酸亜鉛組成物は、特に、一級及び二級アルキル基の混合物を含み、その二級アルキル基が、過半のモル比率、例えば、アルキル基の量をベースとして、少なくとも60、好都合には少なくとも75、より具体的には少なくとも85モル%であるものが、本発明に有用である。好ましくは、ジチオリン酸亜鉛組成物は、二級アルキル基90モル%及び一級アルキル基10%を有する。
抗酸化剤は、酸化に対する組成物の耐性を増加し、また、過酸化物と組み合わされ、またそれを改質することにより作用し、過酸化物を分解するか、又は、酸化触媒を不活性にすることにより、それらを無害にしてもよい。それらは、ラジカルスカベンジャー(例えば、立体的ヒンダードフェノール、二級芳香族アミン及び有機銅塩);ヒドロペルオキシド分解剤(例えば、有機硫黄及び有機リン添加剤);及び多機能剤として分類されてもよい。そのような抗酸化剤(又は酸化防止剤)としては、ヒンダードフェノール、芳香族アミン化合物、アルカリ土類金属及び金属非含有アルキルフェノールチオエステルであって炭素数5〜12のアルキル側鎖を好ましく有するもの、無灰アルキレン架橋フェノール、ホスホ硫化及び硫化炭化水素、リンエステル、金属及び金属非含有チオカルバメート及びそれらの誘導体、油溶性銅化合物(U.S. 4,867,890に記載されたもの)、及びモリブデン含有化合物が挙げられる。本発明の実施において、一定の抗酸化剤の使用又は他のやり方におけるものは、一定の利点を与えてもよい。例えば、一つの態様において、ヒンダードフェノールをエステル基と含む抗酸化剤組成物を使用することが好ましい。他の態様において、二級芳香族アミン及び上記ヒンダードフェノールを含む抗酸化剤組成物を使用することが好ましい。
好ましくは、芳香族アミン、例えばジフェニルアミン及び/又はヒンダードフェノール化合物を含む抗酸化剤組成物、例えば3,5-ビス(アルキル)-4-ヒドロキシフェニルカルボン酸エステル、例えば、Ciba Speciality Chemicalsから販売されているIRGANOX(登録商標)L135が有用である。通常、一つ又はそれより多い抗酸化剤は、オイル組成物の質量をベースとして、0.1〜0.8、例えば0.2〜0.6、好ましくは0.3〜0.5質量%の量において使用される。
摩擦改質剤としては、低い摩擦係数である一方燃料経済性を向上させる、境界的な添加剤が挙げられる。例としては、多価アルコールのエステル、例えば高級脂肪酸のグリセロールモノエステル、例えばグリセロールモノ-オレート;長鎖ポリカルボン酸とジオールのエステル、例えば、二量化不飽和脂肪酸のブタンジオールエステル;オキサゾリン化合物;及びアルコキシル化アルキル置換モノアミン、及びアルキルエーテルアミン、例えばエトキシル化獣脂アミン及びエトキシル化獣脂エーテルアミンが挙げられる。モリブデン含有化合物は、摩擦改質剤の例でもある。従来的に、一つ又はそれより多い有機摩擦改質剤は、オイル組成物の質量をベースとして0.1〜0.5、例えば0.2〜0.4質量%の量において使用される。
本発明に有用な、モリブデン含有化合物、好ましくはモリブデン-硫黄化合物は、単核又は多核であってもよい。化合物が多核である場合には、化合物は、非金属原子、例えば硫黄、酸素及びセレンからなる、好ましくは硫黄から本質的になるモリブデンコアを含む。
モリブデン-硫黄化合物を油溶性又は油分散性にするために、一つ又はそれより多いリガンドを、化合物中のモリブデン原子に結合させる。リガンドの結合は、対イオンの場合、静電的相互作用による結合及び共有及び静電的結合の中間の結合の形態を含む。同じ化合物内のリガンドは、異なって結合されていてもよい。例えば、リガンドは、共有結合されていてもよく、また、他のリガンドは静電的に結合されていてもよい。
好ましくは、その又はそれぞれのリガンドは、モノアニオン性であり、そのようなリガンドの例としては、ジチオホスフェート、ジチオカルバメート、キサンテート、カルボキシレート、チオキサンテート、ホスフェート及びヒドロカルビル、好ましくはアルキル、それらの誘導体が挙げられる。好ましくは、例えば、コアにおいて、モリブデン-硫黄化合物が多核化合物である場合には、モリブデン原子の数対モノアニオン性リガンド(それらは化合物を油溶性又は油分散性にすることができる)の数の比は、1より多く対1(greater than 1 to 1)、例えば少なくとも3対2である。
モリブデン-硫黄化合物の油溶性又は油分散性は、すべての化合物のリガンドに存在する全炭素原子数により影響されてもよい。化合物のリガンドのヒドロカルビル基の全てに存在する全炭素原子数は、少なくとも21、例えば21〜800、例えば少なくとも25、少なくとも30又は少なくとも35であると思われる。例えば、各アルキル基中の全炭素原子数は、一般的に、1〜100、好ましくは1〜40、より好ましくは3〜20であると思われる。
モリブデン-硫黄化合物の例としては、二核(dinuclear)モリブデン-硫黄化合物及び三核(trinuclear)モリブデン-硫黄化合物が挙げられる。
二核モリブデン-硫黄化合物の例は、以下の一般式により表される:
Figure 0005172070
(式中、R1〜R4は、独立して、炭素数1〜24の直鎖、分岐鎖又は芳香族ヒドロカルビル基を示し;X1〜X4は、独立して、酸素原子又は硫黄原子を示す)。4つのヒドロカルビル基、R1〜R4は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
好ましいモリブデン-硫黄化合物は、(I)又は(II)において表される構造のコアを有する:



Figure 0005172070
各コアは、正味電荷+4を有する。
好ましい態様において、モリブデン-硫黄化合物は、油溶性又は油分散性三核モリブデン-硫黄化合物である。三核モリブデン-硫黄化合物の例は、WO98/26030、WO99/31113、WO99/66013、EP-A-1 138 752、EP-A-1 138 686及び欧州特許出願第02078011に開示されており、それらはそれぞれ参照文献として、特に、ここに開示されたモリブデン化合物又は添加剤の特性に関して、本記載に含まれるものとする。
好ましくは、三核モリブデン-硫黄化合物は、一般式Mo3SkExLnApQzにより表され、式中:
kは、少なくとも1の整数であり;
Eは、酸素及びセレンから選ばれる非金属原子を表し:
xは、0又は整数であることが可能であり、好ましくはk+xは少なくとも4、より好ましくは4〜10、例えば4〜7、最も好ましくは4又は7である;
Lは、モリブデン-硫黄化合物における油溶性又は油分散性を与えるリガンドを表し、好ましくは、Lは、モノアニオン性リガンドであり;
nは、1〜4の整数であり;
Aは、もしLがアニオン性リガンドであるならば、L以外のアニオンを表し;
pは、0又は整数であることが可能であり;
Qは、中性の電子供与化合物を表し:また
Zは、0〜5であり、非理論量の値を含む。
三核モリブデン-硫黄化合物の形成には、好適なリガンド(L)及び他のアニオン(A)の選択が、例えば、コアに存在する硫黄及びE原子の数に依存して要求されること、即ち、硫黄原子、もし存在するならばE原子、もし存在するならばL及びAにより与えられる全アニオン価は-12でなければならないことを、当業者は認識するであろう。また、もし、アニオン価が-12を超えるならば、三核モリブデン-硫黄化合物は、モリブデン以外のカチオン、例えば(アルキル)アンモニウム、アミン又はナトリウムを有していてもよい。
Qの例としては、水、アルコール、アミン、エーテル及びホスフィンが挙げられる。電子供与化合物、Qは、単に、三核モリブデン-硫黄化合物上の空の配位部位を充填するために存在するに過ぎない。
Aの例としては、いずれの原子価、例えば、一価及び二価であってもよく、ジスルフィド、水酸化物、アルコキシド、アミド及びチオシアネート又はそれらの誘導体が挙げられ;好ましいAは、ジスルフィドイオンを表す。
好ましくは、Lは、モノアニオン性リガンド、例えばジチオホスフェート、ジチオカルバメート、キサンテート、カルボキシレート、チオキサンテート、ホスフェート及びヒドロカルビル、好ましくはアルキル、それらの誘導体である。nが2又はそれより大きい場合、リガンドは同じであっても異なっていてもよい。
ある態様において、他の態様とは無関係に、kは4又は7、nは1又は2のいずれかであり、Lは、モノアニオン性リガンドであり、pは、A上のアニオン電荷をベースとした化合物上に電気的中性を与える整数であり、各x及びzは、0である。
さらなる態様において、他の態様とは無関係に、kは、4又は7であり、Lはモノアニオン性リガンドであり、nは4であり、各p、x及びzは0である。
モリブデン-硫黄コア、例えば上記(I)及び(II)に示した構造は、一つ又はそれより多い、多座配位リガンド、即ち、モリブデン原子に結合可能な一つより多い官能基を有するリガンドにより相互に連結し、オリゴマーを形成してもよい。そのようなオリゴマーを含むモリブデン-硫黄添加剤は、本発明の範囲内と考えられる。
化合物を含有するモリブデンの他の例としては、モリブデンカルボキシレート及びモリブデン窒素複合体が挙げられ、その両方とも硫黄化されていてもよい。
ある態様において、モリブデン含有化合物、例えば、三核モリブデンジチオカルバメート及びカルボン酸、例えばオレイン酸のグリセロールモノエステルが好ましい。
ホウ素は、本発明の潤滑油組成物中に存在してもよい。ホウ素含有添加剤は、ホウ素化合物を、油溶性又は油分散性添加剤又は化合物と反応させることにより製造してもよい。ホウ素化合物としては、酸化ホウ素、酸化ホウ素水和物、三酸化二ホウ素(boron trioxide)、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、ボロン酸(boron acid)、例えばボロン酸(boronic acid)、ホウ酸、四ホウ酸及びメタホウ酸、ホウ化水素、ホウ化アミド(boron amide)及びホウ酸の様々なエステルが挙げられる。ホウ素含有添加剤の例としては、ボレート化分散剤;ボレート化分散剤VI向上剤;アルカリ金属又は混合アルカリ金属又はアルカリ土類金属ボレート;ボレート過塩基性金属清浄剤;ホウ酸エポキシド;ホウ酸エステル;硫化ホウ酸エステル;及びホウ酸アミドが挙げられる。好ましいホウ素含有添加剤は、ボレート化(borated)分散剤である。
非イオン性ポリオキシアルキレンポリオール及びそれらのエステル、ポリオキシアルキレンフェノール、及びアニオン性スルホン酸アルキルからなる群より選ばれる錆防止剤を使用してもよい。
銅及び鉛支持腐蝕防止剤を使用してもよいが、それらは本発明の組成に一般的に要求されない。一般的に、そのような化合物は、炭素数5〜50のチアジアゾールポリスルフィド、それらの誘導体及びそれらのポリマーである。1,3,4-チアジアゾールの誘導体、例えば、米国特許第2,719,125号、第2,719,126号及び第3,087,932号に記載されているものが一般的である。他の同様の材料は、米国特許第3,821,236号、第3,904,537号、第4,097,387号、第4,107,059号、第4,136,043号、第4,188,299号及び第4,193,882号に記載されている。他の添加剤は、チアジアゾールのチオ及びポリチオスルフェンアミド、例えば英国特許明細書第1,560,830号に記載されているものである。また、ベンゾトリアゾール誘導体は、このクラス内の添加剤に含まれる。これらの化合物が潤滑剤組成物に含まれる場合、それらは、0.2質量%活性成分を超えない量において好ましく存在する。
少量の解乳化剤成分を使用してもよい。好ましい解乳化剤成分は、EP-A-330 522に記載されている。それは、アルキレンオキシドを、ビス-エポキシドと多価アルコールとの反応により得られる付加物と反応させることにより得られる。解乳化剤は、0.1質量%活性成分を超えない量で使用すべきである。処理率0.001〜0.05質量%活性成分が好都合である。
他に潤滑油向上剤として公知の流動点降下剤は、液体が流れるか注ぐことができる最低温度を低下させる。そのような添加剤は公知である。液体の低温流動性を向上させる一般的なそれら添加剤は、炭素数8及び18のジアルキルフマレート/ビニルアセテートコポリマー、ポリアルキルメタクレート等である。
泡のコントロールは、ポリシロキサンタイプ、例えばシリコンオイル又はポリジメチルシロキサンの消泡剤(antiformant)を含むいくつかの化合物により提供され得る。
粘度指数向上剤(又は粘性改質剤)は、潤滑油に高温及び低温操作性を与え、高温での剪断安定性を残すことを可能にし、また、低温で許容可能な粘性又は流動性を示す。粘性改質剤としての使用のための好適な化合物は、一般的に、高分子量炭化水素ポリマー、例えばポリイソブチレン、エチレン及びプロピレン及び高次α-オレフィンのコポリマー;ポリエステル、例えばポリメタクリレート;水素化ポリ(スチレン-コ-ブタジエン又は-イソプレン)ポリマー及び修飾物(modification)(例えば、スターポリマー);及びエステル化ポリ(スチレン-コ-マレイン酸無水物)ポリマーである。一般的に、油溶性粘性改質ポリマーの数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィ又は光散乱法により測定した場合、少なくとも15,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜600,000である。R.M.Mortier 及びS.T.Orzulikにより編集された「Chemistry & Technology of Lubricants」第一版、1992年、Blackie Academic & Professionalの第5章の開示はここに含まれる。使用されるVMは、その単一の機能を有していてもよいか、又は多機能性、例えば粘度指数向上剤特性及び分散剤特性を示すものであってもよい。分散剤オレフィンコポリマー及び分散剤ポリメタクリレートは、分散剤粘度指数向上剤添加剤の例である。分散剤粘度指数向上剤添加剤は、様々な機能部分、例えばポリマー上にアミン、アルコール及びアミドを化学的に付着させることにより製造され、そのポリマーは、ゲル透過クロマトグラフィ又は光散乱法により測定した場合、好ましくは、その数平均分子量が少なくとも15,000、例えば20,000〜600,000である傾向がある。使用されるポリマーは、粘性改質剤に関して以下に記載されるものであってもよい。従って、アミン分子は、分散性及び/又は抗酸化特性を与えるために組み込まれてもよく、一方、フェノール分子は、抗酸化性を向上させるために組み込まれてもよい。従って、具体的な例は、活性モノマー、例えば無水マレイン酸でポストグラフトし、その後、例えばアルコール又はアミンで誘導体化したエチレン-プロピレンの共重合体である。分散剤粘性改質剤を本発明に使用した結果、また、潤滑油組成物の窒素含有物は、分散剤粘性改質剤から誘導されたものを含む。分散剤粘性改質剤の例は、Hitec(登録商標)5777であり、それは、Ethyl Corpにより製造販売されている。EP-A-24146及びEP-A-0 854 904は、分散剤粘度指数向上剤の例を記載しており、それらは従ってここに含まれるものとする。一般的に、粘性改質剤は、多機能性であってもそうでなくても、潤滑油組成物の所望の粘度グレード(例えば、SAE 10W-40)による量、例えば、オイル組成物の質量をベースとして、0.001〜2、好ましくは0.01〜1.5、例えば0.1〜1質量%のポリマー量において使用される。
潤滑油組成物に使用される場合、そのような添加剤の代表的な有効量は、以下のようである:
Figure 0005172070
*最終潤滑油組成物をベースとした活性成分の質量%
添加剤濃縮物
添加剤濃縮物は、それらの使用前に二つ又はそれより多い添加剤を取扱う、及び潤滑剤組成中の添加剤の溶解又は分散を促進する、好都合な手段を構築している。一タイプの添加剤(時々「添加剤成分」と呼ばれる)より多くを含有する潤滑剤組成物を製造する場合、それぞれの添加剤は、別々に組み込まれる。しかし、多くの場合、二つ又はそれより多い添加剤を含む添加剤濃縮物(いわゆる添加剤「パッケージ」(また、「アドパック(adpack)」と呼ばれる))として添加剤を組み込むことが好都合である。
潤滑油組成物の製造において、添加剤を、故に、添加剤を含有する添加剤濃縮物の形態において導入することは一般的な方法である。多くの添加剤を使用する場合、添加剤を含有する一つ又はそれより多い添加剤濃縮物を製造することは、必須ではないが、望ましいことかも知れず、それにより、粘性改質剤、多機能性粘性改質剤及び流動点降下剤を除いた、いくつかの添加剤は、潤滑粘性オイルに同時に加えて潤滑油組成物を形成することができる。潤滑油への添加剤濃縮物の溶解は、希釈液又は溶媒により、及び穏やかな加熱を伴う混合により、促進してもよいが、それは必須ではない。一般的に、添加剤濃縮物を所定量の潤滑粘性オイルと組み合わせた時、最終組成物において所望の濃度を提供する適切な量において添加剤を含むように、添加剤濃縮物は配合されるであろう。必要に応じて、粘性改質剤又は多機能性粘性改質剤及び流動点降下剤は、その後、別々に加えられ、潤滑油組成物が形成される。
添加剤濃縮物において、添加剤の活性成分をベースとした質量%は、5、8又は10で開始し、12、15又は20で終了する範囲であってもよく(その開始及び終了の値は、独立して組み合わせてもよい)、残りは、油性キャリヤー又は希釈液(例えば、潤滑粘性オイル)である。最終的な潤滑油組成物は、一般的に、5〜40質量%の添加剤濃縮物を含んでいてもよい。
最終潤滑油組成物における添加剤の量は、一般的に、オイル組成物のタイプによる。例えば、重質ディーゼルエンジン潤滑油組成物は、オイル組成物の質量をベースとして、添加剤7〜22、より好ましくは8〜16、例えば8〜14質量%を有する。乗用車エンジン潤滑油組成物、例えば、ガソリン又はディーゼルエンジンオイル組成物は、少量の添加剤、例えば、オイル組成物の質量をベースとして添加剤2〜16、例えば3又は4〜14、好ましくは5〜12、特に6〜10質量%を有する傾向がある。上記の量は、非水素化オレフィンポリマー、粘性改質剤及び流動点降下剤添加剤を除くものである。
一般的に、添加剤濃縮物の粘性は、潤滑油組成物のものよりも高い。一般的に、添加剤濃縮物の100℃での動粘度は、少なくとも50、例えば、100〜200、好ましくは120〜180mm2s-1である。
従って、本発明による潤滑油組成物の製造方法は、潤滑粘性オイルを一つ又はそれより多い添加剤又は添加剤濃縮物であって、二つ又はそれより多い添加剤を含むものと混合すること、及び、その後、他の添加剤成分、例えば粘性改質剤、所望により多機能性粘性改質剤及び流動点降下剤を混合することを含むことが可能である。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑粘性オイル、二つ又はそれより多い添加剤成分、非水素化オレフィンポリマー及び粘性改質剤、及び所望により多機能性粘性改質剤及び流動点降下剤を含むものを混合することにより製造してもよい。
潤滑油組成物のリン及び硫黄含有物は、潤滑油組成物中の添加剤、例えばジチオリン酸亜鉛から都合よく誘導される。
相互作用は、二つ又はそれより多い清浄剤を含む、二つ又はそれよい多い添加剤間で、それらがオイル組成物に組み込まれた後に生じるかも知れないことは、認識されるべきである。相互作用は、混合プロセス、又は、その組成物が受けるその次の条件において生じるかも知れず、それにはその作業環境における組成物の使用が含まれる。相互作用は、さらに補助的な添加剤が本発明の組成物に又はオイルの成分と加えられる場合に、生じるかも知れない。そのような相互作用は、添加剤の化学組成を変える相互作用を含むかも知れない。従って、本発明の組成物は、例えば、いずれかの添加剤間の相互作用が生じる組成物、及び、相互作用が、例えばオイルに混合された成分間で生じない組成物を含む。
潤滑油組成物は、機械エンジン部分、具体的には内燃、例えば圧縮点火、エンジンを、それらに潤滑油を添加することにより潤滑にするために使用してもよい。圧縮点火エンジンの具体的な例としては、近年開発されたものであって、特定の出力を約5又はそれより高い、例えば25又はそれより高い、好ましくは少なくとも30、具体的には40又はそれより高いkW/リットルに増加するために、そのトップリングの溝の温度が150℃を超え、好ましくは250℃を超えてもよいものが挙げられる。好ましくは、最大特定出力は、約60kW/リットルである。これらのエンジンは、それらの作動中にリング固着問題を被る傾向がある。
好ましい態様において、クランク室潤滑油組成物は以下のものを含む:
(A) 潤滑粘性オイルであって、少なくともその50質量%が鉱油であり、そのオイルが、群III及び群IVから選ばれるベースストックを過半量で含み、また所望により、エステルの形態において群Vベースストックを少量で含むもの;
(B) オイル組成物の質量をベースとして10質量%より少ない量の非水素化脂肪族オレフィンポリマー、例えばポリイソブテンであって、該ポリマーの数平均分子量が100〜5,000の範囲にあるもの;
(C) ボレート化及び非ボレート化コハク酸イミドを含有する分散剤添加剤組成物;
(D) (i)カルシウム及びマグネシウム清浄剤及び(ii)硫黄を含有しない一つ又はそれより多い有機酸、例えばサリチル酸カルシウムをベースとした一つ又はそれより多いカルシウム清浄剤から選択される、清浄剤添加剤組成物;
(E) 過半量のジチオリン酸亜鉛を含有する耐磨耗組成物であって、二級アルキル基を有するもの、一つ又はそれより多い芳香族アミン及びヒンダードフェノール化合物から選ばれる抗酸化剤組成物、及びジチオカルバミン酸モリブデン及びカルボン酸エステル化合物からなる摩擦改質剤組成物;及び
(F) オレフィンコポリマー及び水素化ポリ(スチレン-コ-イソプレン)ポリマー及びそれらの修飾物から選ばれる粘性改質剤。
ここに使用した用語「ヒドロカルビル」は、関連する基が水素及び炭素原子により主に構成され、また、炭素原子を介して分子の残部に結合するものを意味するが、その基の実質的な炭化水素特性を損なうのに不十分な比率において他の原子又は基の存在を排除するものではない。
ここに使用した場合、用語「含んでいる」又は「含む」は、述べた特徴、整数、工程又は成分の存在を特定するために用いられるが、一つ又はそれより多いそれらの他の特徴、整数、工程、成分又は基の存在又は添加を除外しない。用語「含んでいる」又は「含む」がここで使用される場合、用語「から本質的になる」及びその同族言語は好ましい態様であり、一方、「からなる」及びその同族言語は、用語「から本質的になる」の好ましい態様である。
ここに使用した場合、用語「油溶性」又は「油分散性」は、添加剤が、油に、全ての比率において、可溶性、溶解可能性、混和性又は懸濁可能性であることを意味していない。しかし、それらは、添加剤が、油組成物が使用される環境においてそれらが目的とされる効果を発揮するのに十分な範囲にまで、油に、例えば、可溶性又は安定して分散性であることを意味している。さらに、他の添加剤、例えば上記したものの追加的な組み込みは、添加剤の可溶性又は分散性に影響してもよい。
「過半量」は、組成物の50を超える、例えば70より多い、好ましくは75〜97、具体的には80〜95又は90質量%を意味する。
「少量」は、組成物の50質量%未満、例えば30未満、例えば3〜25、好ましくは5又は10〜20質量%を意味する。
用語「モリブデン-硫黄化合物」は、少なくとも一つのモリブデン原子及び少なくとも一つの硫黄原子を有する化合物を意味する。好ましくは、その化合物は、一つ又はそれより多いモリブデン原子に結合し、また、一つ又はそれより多い非モリブデン原子、例えば、炭素に結合するする少なくとも一つの硫黄原子を有する。より好ましくは、その化合物は、一つ又はそれより多いモリブデン原子にのみ結合する少なくとも一つの硫黄原子を有し、例えばコア[Mo2S4]、[Mo3S4]及び[Mo3S7]により表される。酸素およびセレンから選ばれる原子は、一つ又はそれより多い硫黄原子をそのようなコアにおいて置き換えてもよい。好都合には、そのコアは、モリブデン及び硫黄原子のみからなっている。従って、用語「モリブデン-硫黄添加剤」は、一つ又はそれより多いモリブデン-硫黄化合物を含む添加剤を意味する。
記載した全ての百分率は、特に規定しない限り、活性成分に基づいた質量%、即ち、キャリヤー又は希釈オイルと関係しない。
略語SAEは、自動車技術者協会を表し、それは粘度グレードにより潤滑剤を分類している。
ここで、本発明は、単に例として、以下のように特に記載されるであろう。
潤滑油組成物の製造
二つの潤滑油組成物(オイル1及びオイルA)を当技術分野に公知の方法により、添加剤パッケージ、群IIベースストック(4.5質量%)及び群IIIベースストック(それぞれ75.0及び78.5質量%)を含有するベースストック混合物、及び粘性改質剤及び流動点降下剤を混合することにより、SAE 5W-30グレードに調製した。各オイルは、同じタイプ及び量の添加剤成分を含むが、オイル1は、数平均分子量が2225(4質量%)のポリイソブテンポリマー及び少量の粘性改質剤を含んでいた。各オイルは、リン含量0.050質量%を有し、また灰分0.721質量%を示した。
試験及び結果
サンプルのそれぞれのオイルA及び1を、VWTDi CEC-L-78-T-99試験を特にベースとした、また、PV1452試験としても公知な、堆積物形成の調査に使用されるエンジン試験にかけた。その試験は、潤滑剤作業能力(performance capabilities)の工業規格及び厳しい評価に関するものである。
その試験は、4-シリンダー、1.9リットル、81kW乗用車ディーゼルエンジンを使用した。それは直接噴射エンジンであり、ユニットの出力を増加するためにターボチャージャーシステムが使用されていた。工業試験方法は、ホット及びコールド運転条件の繰り返しサイクル、いわゆるPKサイクルからなっていた。これは、ゼロ荷重での30分間のアイドル期間、それに続く180分間の全荷重及び4150rpmを含んでいた。標準試験において、その後、全サイクルを全体で54時間繰り返した。この54時間において、試験潤滑の初期油充填量(oil fill)4.5リットルは補給されなかった。
54時間の試験の終わりに、エンジンを排液し、エンジンを分解し、ピストンを、ピストン堆積物及びピストンリング固着(sticking)について評価した。これは、性能が、合格か又は不合格かを定義するための工業基準オイル(industry reference oil)(RL206)に関連した評価結果を与えた。
ピストンは、DIN評価体系として公知のものに対して評価した。三つのピストンリングの溝及びその溝の間にある二つのピストンランドを、堆積物に関してメリットスケールで評価し、当業者に公知の方法により、スコアを100により示した。要約すると、数が大きい程、性能は良い;100は、完全に清澄であることを示し、0は、完全に堆積物で覆われていることを示す。その後、5つのスコアを平均し、全体のピストン清浄性メリット評価を示した。その後、試験に関して全ピストン清浄性を与えるために4つのピストンの各スコアを平均した。
示したように、これらの結果を、工業基準オイル(RL206)に関連して判断し、合格性能を定めた。以下の表1に、二つのオイルの結果を示した。
Figure 0005172070
データは、非水素化オレフィンポリマーの使用が、リン及び灰分を低減した潤滑油組成物において優れたピストン清浄性を提供することを示している。
追加の潤滑油組成物を、変更した試験方法(以下の表2を参照されたい)において、それらの性能について評定し、ここではエンジンを12時間ごとに止め、排液し、解体し、評価し、再び組み立てた;最初の試験オイルをエンジンに戻し、その後再スタートさせた。48時間での評価を、表2に示した。SAE 2002-01-2678は、使用した変更方法を記載している。
潤滑油組成物(オイルB及び2〜6)は、リン約0.1%、硫黄約0.35%及び灰分約1.2%を有するSAE 5W-30オイルに、添加剤パッケージ、群IIIベースストックからなるベースストック混合物及び粘性改質剤及び流動点降下剤から配合した。各オイルは、同じ型及び量の添加剤成分を含むが、オイル2〜6は、オイルBに比べて、ポリイソブテンポリマー(表2を参照されたい)及び少量の粘性改質剤を含んでいた。
Figure 0005172070
表2のデータは、潤滑油組成物中の非水素化オレフィンポリマーの使用が、内燃エンジンのピストン清浄性を予想外に向上するという所見を支持していた。

Claims (26)

  1. マルチグレードクランク室潤滑油組成物であって、以下のもの:
    (A)過半量の潤滑粘性オイルであって、その少なくとも50質量%が群IIIの鉱油で、かつ、その25質量%以下が群I、群II又は群IVのベースストックである潤滑粘性オイル;及び少量の:
    (B)オイル組成物の質量をベースとして1〜15質量%の量の、炭素数3〜8のオレフィンから誘導される非水素化オレフィンポリマーであって、該ポリマーの数平均分子量が100〜5,000であるもの;
    (C)分散剤;
    (D)金属清浄剤;
    (E)抗酸化剤、耐磨耗剤及び摩擦改質剤から選ばれる一つ又はそれより多い他の潤滑剤添加剤成分;及び
    (F)粘性改質剤
    を含むか又はそれらを混合することにより製造される上記組成物。
  2. 非水素化オレフィンポリマーが、末端二重結合を有するポリマー鎖を10%以下有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 非水素化オレフィンポリマーが、末端二重結合を有するポリマー鎖を5〜10%有する、請求項2に記載の組成物。
  4. 非水素化オレフィンポリマーの数平均分子量が、300〜3000である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 非水素化オレフィンポリマーの数平均分子量が、800〜2500である、請求項4に記載の組成物。
  6. 非水素化オレフィンポリマーが、ブテンから誘導される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 非水素化オレフィンポリマーが、イソ-ブテンから誘導される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 非水素化オレフィンポリマーが、ポリイソブチレンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 非水素化オレフィンポリマーの、100℃での動粘度が、少なくとも9mm2s-1である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 非水素化オレフィンポリマーの、100℃での動粘度が、200〜2200mm2s-1である、請求項9に記載の組成物。
  11. 非水素化オレフィンポリマーが、2〜10質量%の量である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 非水素化オレフィンポリマーが、3〜8質量%の量である、請求項11に記載の組成物。
  13. 分散剤が、無灰分散剤を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 金属洗浄剤が、カルシウム及び/又はマグネシウム洗浄剤を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 組成物が、オイル組成物の質量をそれぞれベースとして、リン含量0.005〜0.08質量%;硫黄含量0.05〜0.4質量%を有し;硫酸灰分含量1.0質量%以下を与える、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. リン含量が0.01〜0.07質量%である、請求項15に記載の組成物。
  17. リン含量が0.03〜0.06質量%である、請求項16に記載の組成物。
  18. 硫黄含量が0.1〜0.3質量%である、請求項15に記載の組成物。
  19. 硫黄含量が0.15〜0.2質量%である、請求項18に記載の組成物。
  20. 硫酸灰分含量が0.2〜0.8質量%である、請求項15に記載の組成物。
  21. 硫酸灰分含量が0.3〜0.6質量%である、請求項20に記載の組成物。
  22. 圧縮点火内燃エンジンの潤滑方法であって、エンジンを作動すること及び請求項1〜21のいずれか1項に記載の潤滑油組成物でエンジンを潤滑にすることを含む、上記方法。
  23. 圧縮点火内燃エンジンのピストン清浄性を向上させる方法であって、請求項1〜21のいずれか1項に記載の潤滑油組成物をエンジンに加えることを含む、上記方法。
  24. 請求項1〜21のいずれか1項に記載の潤滑油組成物で潤滑された圧縮点火内燃エンジン。
  25. 圧縮点火内燃エンジンのピストン清浄性を向上させるための、
    過半量の潤滑粘性オイルを含み、潤滑粘性オイルは少なくとも50質量%が群IIIの鉱油で、かつ、25質量%以下が群I、群II又は群IVのベースストックであるマルチグレードクランク室湿潤油組成物における、炭素数3〜8のオレフィンから誘導され、かつ、数平均分子量が100〜5,000である非水素化オレフィンポリマーの使用。
  26. 請求項1〜21のいずれか1項に規定したマルチグレードクランク室潤滑油組成物を製造するための濃縮物であって、油性キャリヤー、炭素数3〜8のオレフィンから誘導され、かつ、数平均分子量が100〜5,000である非水素化オレフィンポリマー、分散剤、金属清浄剤及び、一つ又はそれより多い他の潤滑剤添加剤成分であって抗酸化剤、耐磨耗剤及び摩擦改質剤から選ばれるもの、を含む上記濃縮物。
JP2004230980A 2003-08-07 2004-08-06 潤滑油組成物 Expired - Fee Related JP5172070B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP03254961 2003-08-07
EP03254961.0 2003-08-07

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005054193A JP2005054193A (ja) 2005-03-03
JP2005054193A5 JP2005054193A5 (ja) 2007-09-20
JP5172070B2 true JP5172070B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=34130333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004230980A Expired - Fee Related JP5172070B2 (ja) 2003-08-07 2004-08-06 潤滑油組成物

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7838470B2 (ja)
JP (1) JP5172070B2 (ja)
CN (1) CN100366711C (ja)
CA (1) CA2474959C (ja)

Families Citing this family (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050101496A1 (en) * 2003-11-06 2005-05-12 Loper John T. Hydrocarbyl dispersants and compositions containing the dispersants
US20060049383A1 (en) * 2004-09-08 2006-03-09 Omniseal, Inc. Complex mixtures of ions and processes for deposition
EP1835013A4 (en) * 2004-10-19 2010-08-04 Nippon Oil Corp OIL COMPOSITION
US8367592B2 (en) * 2005-03-11 2013-02-05 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Lubricant for metallic material working and a method of press working a metallic material
ATE510903T1 (de) * 2005-05-20 2011-06-15 Infineum Int Ltd Verwendung von schmierölzusammensetzungen zur verschleissreduzierung von mit drehendem zapfer versehenen personenkraftwagenmotoren
CA2549517C (en) * 2005-06-01 2014-01-21 Infineum International Limited Lubricating oil composition comprising non-hydrogenated polymer
CN101020856B (zh) * 2006-02-14 2012-08-29 英菲诺姆国际有限公司 润滑
JP2008094891A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑用添加剤
US20080236538A1 (en) * 2007-03-26 2008-10-02 Lam William Y Lubricating oil composition for improved oxidation, viscosity increase, oil consumption, and piston deposit control
EP1992677A1 (en) * 2007-05-10 2008-11-19 Castrol Limited Lubricant composition for combustion engine containing dispersant additive and polymer dispersant viscosity index improver
EP2045313B1 (en) * 2007-10-04 2017-05-31 Infineum International Limited A lubricating oil composition
FR2924439B1 (fr) * 2007-12-03 2010-10-22 Total France Composition lubrifiante pour moteur quatre temps a bas taux de cendres
US20090186784A1 (en) * 2008-01-22 2009-07-23 Diggs Nancy Z Lubricating Oil Composition
US20100077792A1 (en) * 2008-09-28 2010-04-01 Rexorce Thermionics, Inc. Electrostatic lubricant and methods of use
US20100152072A1 (en) 2008-12-17 2010-06-17 Chevron Oronite Company Llc Lubricating oil compositions
US20100152073A1 (en) 2008-12-17 2010-06-17 Chevron Oronite Company Llc Lubricating oil compositions
US20100152074A1 (en) 2008-12-17 2010-06-17 Chevron Oronite Company Llc Lubricating oil compositions
US8616323B1 (en) 2009-03-11 2013-12-31 Echogen Power Systems Hybrid power systems
WO2010121255A1 (en) 2009-04-17 2010-10-21 Echogen Power Systems System and method for managing thermal issues in gas turbine engines
EP2446122B1 (en) 2009-06-22 2017-08-16 Echogen Power Systems, Inc. System and method for managing thermal issues in one or more industrial processes
US9316404B2 (en) 2009-08-04 2016-04-19 Echogen Power Systems, Llc Heat pump with integral solar collector
US8869531B2 (en) 2009-09-17 2014-10-28 Echogen Power Systems, Llc Heat engines with cascade cycles
US8096128B2 (en) 2009-09-17 2012-01-17 Echogen Power Systems Heat engine and heat to electricity systems and methods
US8813497B2 (en) 2009-09-17 2014-08-26 Echogen Power Systems, Llc Automated mass management control
US8613195B2 (en) 2009-09-17 2013-12-24 Echogen Power Systems, Llc Heat engine and heat to electricity systems and methods with working fluid mass management control
US8783034B2 (en) 2011-11-07 2014-07-22 Echogen Power Systems, Llc Hot day cycle
US8616001B2 (en) 2010-11-29 2013-12-31 Echogen Power Systems, Llc Driven starter pump and start sequence
US8857186B2 (en) 2010-11-29 2014-10-14 Echogen Power Systems, L.L.C. Heat engine cycles for high ambient conditions
WO2013055391A1 (en) 2011-10-03 2013-04-18 Echogen Power Systems, Llc Carbon dioxide refrigeration cycle
ES2613834T3 (es) 2011-11-11 2017-05-26 Vanderbilt Chemicals, Llc Composición de aditivo que comprende un derivado de toliltriazol
US9091278B2 (en) 2012-08-20 2015-07-28 Echogen Power Systems, Llc Supercritical working fluid circuit with a turbo pump and a start pump in series configuration
US9341084B2 (en) 2012-10-12 2016-05-17 Echogen Power Systems, Llc Supercritical carbon dioxide power cycle for waste heat recovery
US9118226B2 (en) 2012-10-12 2015-08-25 Echogen Power Systems, Llc Heat engine system with a supercritical working fluid and processes thereof
US9638065B2 (en) 2013-01-28 2017-05-02 Echogen Power Systems, Llc Methods for reducing wear on components of a heat engine system at startup
EP2948649B8 (en) 2013-01-28 2021-02-24 Echogen Power Systems (Delaware), Inc Process for controlling a power turbine throttle valve during a supercritical carbon dioxide rankine cycle
KR20160028999A (ko) 2013-03-04 2016-03-14 에코진 파워 시스템스, 엘엘씨 큰 네트 파워 초임계 이산화탄소 회로를 구비한 열 엔진 시스템
US9546339B2 (en) 2013-05-16 2017-01-17 Vanderbilt Chemicals, Llc Method for reducing crystallization of 1-[di(4-octylphenyl)aminomethyl]tolutriazole
WO2016073252A1 (en) 2014-11-03 2016-05-12 Echogen Power Systems, L.L.C. Active thrust management of a turbopump within a supercritical working fluid circuit in a heat engine system
US9528074B2 (en) * 2015-02-13 2016-12-27 Chevron Oronite Technology B.V. Lubricating oil compositions with enhanced piston cleanliness
CA2919739A1 (en) * 2015-02-13 2016-08-13 Chevron Oronite Technology Bv Lubricating oil compositions with enhanced piston cleanliness
US9528071B2 (en) * 2015-02-13 2016-12-27 Chevron Oronite Technology B.V. Lubricating oil compositions with enhanced piston cleanliness
JP6569146B2 (ja) * 2015-03-31 2019-09-04 出光興産株式会社 4サイクルエンジン用潤滑油組成物
EP3511398B1 (en) * 2015-03-31 2024-05-22 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Gasoline engine lubricant oil composition and manufacturing method therefor
CN106318533B (zh) * 2015-06-16 2019-05-17 中国石油化工股份有限公司 一种曲轴箱系统润滑油组合物及其制备方法
JP2017066220A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 Jxエネルギー株式会社 潤滑油組成物
WO2019018763A1 (en) * 2017-07-21 2019-01-24 Exxonmobil Research And Engineering Company LUBRICATING COMPOSITIONS WITH ENHANCED DEPOSITION PERFORMANCE
US10883388B2 (en) 2018-06-27 2021-01-05 Echogen Power Systems Llc Systems and methods for generating electricity via a pumped thermal energy storage system
KR20220070222A (ko) * 2019-09-26 2022-05-30 더루브리졸코오퍼레이션 내연 기관의 윤활 조성물 및 작동 방법
US11435120B2 (en) 2020-05-05 2022-09-06 Echogen Power Systems (Delaware), Inc. Split expansion heat pump cycle
JP2024500375A (ja) 2020-12-09 2024-01-09 スーパークリティカル ストレージ カンパニー,インコーポレイティド 3貯蔵器式電気的熱エネルギー貯蔵システム

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3664955A (en) * 1969-12-31 1972-05-23 Exxon Research Engineering Co Lubricating oil compositions of improved thermal stability
BE781637A (fr) * 1972-04-04 1972-07-31 Labofina Sa Compositions lubrifiantes pour moteurs rotatifs.
US3994815A (en) * 1975-01-23 1976-11-30 The Lubrizol Corporation Additive concentrates and lubricating compositions containing these concentrates
JP2546795B2 (ja) * 1987-02-27 1996-10-23 出光興産株式会社 潤滑油組成物
JPS63210198A (ja) * 1987-02-27 1988-08-31 Idemitsu Kosan Co Ltd マルチグレ−ドエンジン油組成物
US4776967A (en) 1987-02-27 1988-10-11 Idemitsu Kosan Company Limited Lubricating oil composition
GB8804171D0 (en) * 1988-02-23 1988-03-23 Exxon Chemical Patents Inc Dispersant for marine diesel cylinder lubricant
IT1229656B (it) 1989-04-21 1991-09-06 Mini Ricerca Scient Tecnolog Composizioni lubrificanti contenenti ditiofosfati non metallici.
US5137980A (en) * 1990-05-17 1992-08-11 Ethyl Petroleum Additives, Inc. Ashless dispersants formed from substituted acylating agents and their production and use
FR2709495A1 (fr) * 1993-09-03 1995-03-10 Exxon France Composition lubrifiante à base d'huile blanche.
US5436379A (en) 1994-01-14 1995-07-25 Pennzoil Products Company Base oil for shear stable multi-viscosity lubricants and lubricants therefrom
US5498355A (en) 1994-09-20 1996-03-12 Ethyl Corporation Lubricant compositions of enhanced performance capabilities
US5641731A (en) * 1994-11-04 1997-06-24 Ashland, Inc. Motor oil performance-enhancing formulation
DE19704482A1 (de) * 1997-02-06 1998-08-13 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von halogenfreiem, reaktivem Polyisobuten
US6333298B1 (en) * 1999-07-16 2001-12-25 Infineum International Limited Molybdenum-free low volatility lubricating oil composition
CA2341924C (en) * 2000-03-28 2011-06-07 Chevron Oronite Company Llc Lubricant composition for air-cooled two-stroke cycle engines
US6300290B1 (en) * 2000-06-02 2001-10-09 Infineum International Ltd Two-cycle lubricating oil
US6569818B2 (en) * 2000-06-02 2003-05-27 Chevron Oronite Company, Llc Lubricating oil composition
JP3722472B2 (ja) * 2000-06-02 2005-11-30 シェブロンテキサコジャパン株式会社 潤滑油組成物
JP5308608B2 (ja) * 2000-11-27 2013-10-09 株式会社東日製作所 締結体締付け力安定化剤、これを用いた締付け力安定化法、安定化剤を付着した締結体構成部品
DE10123553A1 (de) * 2001-05-15 2002-11-21 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Polyalkenylsuccinimidprodukten, neue Polyalkenylsuccinimidprodukte mit verbesserten Eigenschaften, Zwischenprodukte und Verwendungen
EP1266954A1 (en) * 2001-06-15 2002-12-18 Infineum International Limited Specific basestock mixtures for diesel engine lubricating compositions
US7026273B2 (en) * 2001-11-09 2006-04-11 Infineum International Limited Lubricating oil compositions
US6734148B2 (en) * 2001-12-06 2004-05-11 Infineum International Ltd. Dispersants and lubricating oil compositions containing same
US6743757B2 (en) * 2001-12-06 2004-06-01 Infineum International Ltd. Dispersants and lubricating oil compositions containing same
US6846782B2 (en) * 2003-04-04 2005-01-25 The Lubrizol Corporation Method of reducing intake valve deposits in a direct injection engine

Also Published As

Publication number Publication date
US7838470B2 (en) 2010-11-23
JP2005054193A (ja) 2005-03-03
US20050070444A1 (en) 2005-03-31
CA2474959A1 (en) 2005-02-07
CA2474959C (en) 2009-11-10
CN100366711C (zh) 2008-02-06
CN1590521A (zh) 2005-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5172070B2 (ja) 潤滑油組成物
US7867955B2 (en) Lubricating oil composition
US20050153848A1 (en) Lubricating oil composition
CA2549517C (en) Lubricating oil composition comprising non-hydrogenated polymer
JP5394977B2 (ja) 潤滑油組成物
CA2594029C (en) An internal combustion engine crankcase lubricating oil compostion
JP5220976B2 (ja) 分散剤及び該分散剤を含む潤滑油組成物
AU2005203036B2 (en) Additives and lubricant formulations for improved antiwear properties
JP5203550B2 (ja) 分散剤及びそれを含む潤滑油組成物
JP7377913B2 (ja) 潤滑油組成物
EP1062309A1 (en) Crankcase lubricant compositions and method of improving engine deposit performance
JP4722385B2 (ja) 改質清浄剤及び該改質清浄剤を含む潤滑油組成物
JP5704792B2 (ja) 潤滑油組成物
JP2013064154A (ja) ピストン沈着物制御能力が向上した潤滑油
AU2020217445B2 (en) Method for reducing piston deposits in a marine diesel engine
JP5203551B2 (ja) 潤滑油組成物
EP1728848B1 (en) Use of unsaturated olefin polymers to improve the compatibility between nitrile rubber seals and lubricating oil compositions
EP1505144A1 (en) A lubricating oil composition
EP1266955B1 (en) Lubricating oil compositions
EP1340804A1 (en) Lubricating oil compositions

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070806

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110603

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120213

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120508

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5172070

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees