JP6569146B2 - 4サイクルエンジン用潤滑油組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、4サイクルエンジン用潤滑油組成物に関し、例えば、船舶用又は固定式の発電設備等において、高負荷で連続運転される4サイクルエンジンに好適に使用可能な潤滑油組成物に関する。
ガスコージェネレーションシステム、発電設備等で使用される4サイクルエンジン用エンジンオイルは、高い負荷に対応するために、SAE J300 #40等の高粘度グレードのものが必要となる。そのため、基油としてニュートラル油(例えば、500N鉱油)を用いても十分な粘度が得られないことがあり、従来、ブライトストックやエチレン・プロピレンコポリマー(OCP)等の高粘度基材が配合されることがある。
また、従来、例えば特許文献1に開示されるように、船舶用ディーゼルエンジン、発電用エンジンで使用される潤滑油組成物に関しては、100℃における動粘度が6〜10mm/sのフィッシャー・トロプシュ由来(FT由来)の基油に、所定の増粘剤が配合されることによって、潤滑剤−燃料適合性が改善されたものが知られている。ここで、増粘剤としては、100℃における動粘度が15〜30mm/sの範囲のFT由来の基油、ブライトストック、脱アスファルトシリンダー油、ポリイソブチレンおよびこれらの混合物から選択されたものが使用されている。
さらに、特許文献2には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の内燃機関などに使用される潤滑油組成物において、潤滑油基油に、重量平均分子量50万〜1000万のポリブテン及び/又はポリイソブテンが0.001〜1重量%配合されることによってエンジン清浄性が改善されることも開示されている。
特表2012−511608号公報 特開2007−246771号公報
ガスコージェネレーションシステムや、発電設備用エンジンに使用される従来の潤滑油は、上記したブライトストックやOCP等の高粘度基材や増粘剤が配合されると、それらが高温でスラッジ化することがある。そのため、スラッジ化抑制のため、耐熱性の高い清浄剤や分散剤が配合されたり、酸化防止剤の最適化が行われたりしているが、これら添加剤によってスラッジ化を防止するには限界がある。また、特許文献2に開示されるように、分子量の高いポリブテン及び/又はポリイソブテンを1質量%以下の割合で配合する場合、スラッジ化を十分に防止することができない。
また、近年、エンジン効率の向上のため、ターボ過給圧力が増加しつつあり、ターボチャージャーにおいて、潤滑油劣化によってデポジット(コーキング)が生成し、ターボチャージャーの破損等のトラブルが懸念されている。したがって、ターボチャージャーを備えるエンジンで使用される潤滑油には、ターボコーキングを抑制することが求められている。さらに、ガスコージェネレーションシステムや、発電設備用のエンジン油ではロングドレイン性も求められている。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高粘度化させる基材を配合しても、高温運転下のスラッジの発生を抑制し、かつ耐ターボコーキング性を高め、過酷な環境下で使用してもロングドレイン性を有する、4サイクルエンジン用潤滑油組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の分子量で、かつイソブテン由来の構成単位を含むポリオレフィンを所定量配合しつつ、潤滑油組成物における硫酸灰分を所定量とすることで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、以下の4サイクルエンジン用潤滑油組成物を提供する。
基油(A)と、少なくともイソブテン由来の構成単位を有し、かつ数平均分子量が500〜10,000であるポリオレフィン(B)0.5〜10質量%とを含み、硫酸灰分が0.7質量%を超え1.2質量%以下である4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
また、本発明は、上記4サイクルエンジン用潤滑油組成物によって、4サイクルエンジンにおける各部品間を潤滑する潤滑方法も提供する。
さらに、本発明は、以下の4サイクルエンジン用潤滑油組成物の製造方法も提供する。
基油(A)に、少なくともイソブテン由来の構成単位を有し、かつ数平均分子量が500〜10,000であるポリオレフィン(B)を、潤滑油組成物全量基準で0.5〜10質量%配合し、かつ、硫酸灰分が0.7質量%を超え1.2質量%以下となるように調整して、4サイクルエンジン用潤滑油組成物を得る4サイクルエンジン用潤滑油組成物の製造方法。
本発明では、高粘度化させる基材を配合しても、高温運転下でのスラッジの発生を抑制し、かつ耐ターボコーキング性を高め、過酷な環境下で使用してもロングドレイン性を有する、4サイクルエンジン用潤滑油組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の4サイクルエンジン用潤滑油組成物(以下、単に「潤滑油組成物」と称することもある)は、基油(A)と、ポリオレフィン(B)とを少なくとも含む。
[基油]
基油(A)は、鉱油及び合成油の中から適宜選択されて使用される。
鉱油としては、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、中間基系鉱油などが挙げられ、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等のうちの1つ以上の処理を行って精製した鉱油等が挙げられ、より具体的には、軽質ニュートラル油、中質ニュートラル油、重質ニュートラル油等が挙げられる。
また、鉱油としては、API(米国石油協会)の基油カテゴリーにおいて、グループ1、2、3のいずれに分類されるものでもよいが、スラッジ生成を抑制する観点から、グループ2、3に分類されるものが好ましい。なお、グループ1に分類される基油は、飽和分90%未満で及び/又は硫黄分が0.03%より高くなるもので、粘度指数が80以上120未満である。また、グループ2に分類される基油は、飽和分90%以上及び硫黄分が0.03%以下のもので、粘度指数が80以上120未満である。さらに、グループ3に分類される基油は、飽和分90%以上、硫黄分が0.03以下、粘度指数が120以上である。
なお、硫黄分は、JIS K 2541に準拠して測定した値であり、飽和分は、ASTM D 2007に準拠して測定した値である。さらに、粘度指数はJIS K 2283に準拠して測定した値である。
合成油としては、炭素数6〜16のαオレフィンの重合体であるポリ−α−オレフィン(PAO)、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、リン酸エステルなどの各種のエステル、ポリフェニルエーテルなどの各種のエーテル、ポリアルキレングリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、GTL WAXを異性化することによって製造される基油などが挙げられる。
基油としては、鉱油を一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、合成油を一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。更には、鉱油一種以上と合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよい。
また、潤滑油基油は、潤滑油組成物において主成分となるものであり、潤滑油組成物全量基準で、通常、50質量%以上、好ましくは60〜97質量%、より好ましくは70〜95質量%含有される。
基油(A)の粘度については特に制限はないが、100℃における動粘度が、2〜25mm/sの範囲であることが好ましく、4〜20mm/sの範囲であることがより好ましく、5〜15mm/sの範囲であることがさらに好ましい。本実施形態の潤滑油組成物は、基油(A)の動粘度をこのように比較的高くすることで、高負荷で運転される4サイクルエンジン、特にガスコージェネレーションに好適に使用可能である。
[ポリオレフィン(B)]
本実施形態で使用されるポリオレフィン(B)としては、少なくともイソブテン由来の構成単位を有し、かつ数平均分子量が500〜10,000であるものが使用される。
潤滑油組成物は、このように数平均分子量500以上の(B)成分を含有することで、潤滑油組成物の粘度を高くすることが可能になる。また、(B)成分が、イソブテン由来の構成単位を含み、かつ数平均分子量が10,000以下と比較的低いことから、高温環境下(例えば、200℃以上)でのスラッジの発生を抑えることも可能である。そして、後述するように、硫酸灰分を所定範囲にすることで、高温下でのオイル劣化も抑制されて、ターボコーキングの発生も防止されやすくなる。
(B)成分の数平均分子量は、好ましくは600〜6000である。数平均分子量を600以上とすることで、(B)成分により潤滑油組成物の粘度をより高めやすくなる。また、6000以下とすることで、スラッジの発生をより有効に防止しやすくなる。これら観点から、(B)成分の数平均分子量は、より好ましくは700〜3000である。
成分(B)におけるイソブテン以外のオレフィンとしては、例えば炭素数2〜20のオレフィンが使用され、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−フェニル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、6−フェニル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンなどを挙げることができる。これらの中で1−ブテンが好ましい。
ポリオレフィンは、イソブテン由来の構成単位を50〜100モル%含むことが好ましく、70〜100モル%含むことがより好ましく、80〜100モル%含むことがさらに好ましい。このように、イソブテン由来の構成単位の量が多くなると、スラッジの発生がより一層抑えられ、かつ耐ターボコーキング性を向上させやすくなる。
また、スラッジの発生を抑え、かつ耐ターボコーキング性を向上させやすくする観点から、ポリオレフィン(B)は、各種のブテンを重合して得たポリブテンであることが好ましく、中でもポリイソブテンがより好ましい。なお、本明細書におけるポリイソブテンとは、構成単位の全てがイソブテン由来のもののみならず、構成単位の一部(20モル%以下、好ましくは10モル%以下)が、1−ブテン等の他のブテン由来の構成単位であるものも含まれる。
また、(B)成分は、水素添加物であってもよく、例えば、ポリブテンの水素添加物、ポリイソブテンの水素添加物であってもよいが、本実施形態では、水素未添加であることが好ましく、すなわち、上記したポリブテンやポリイソブテンは水素未添加であったほうがよい。本実施形態においては、水素未添加であるほうが、スラッジの発生等をより抑制しやすくなる。
また、本実施形態において(B)成分の含有量は、組成物全量基準で、0.5〜10質量%となるものである。(B)成分の含有量を0.5質量%以上とすることで、潤滑油組成物の粘度を適切に向上させることが可能である。また、(B)成分の含有量を10質量%以下とすることで、スラッジの発生や分散性の低下が防止される。これら観点から、(B)成分の含有量は、組成物全量基準で、より好ましくは1.0〜7.0質量%、更に好ましくは1.5〜5.0質量%である。
[金属系清浄剤]
本実施形態における4サイクルエンジン用潤滑油組成物は、金属系清浄剤を含有することが好ましく、具体的には、塩基価170〜400mgKOH/gの過塩基性カルシウムサリシレート(C1)と、塩基価50mgKOH/g以下の中性カルシウムスルホネート及び塩基価50mgKOH/g以下の中性カルシウムサリシレートから選択される中性金属系清浄剤(C2)とを含有することが好ましい。
潤滑油組成物は、塩基価の高い(C1)成分で塩基価維持性を確保しつつ、塩基価の低い(C2)成分を併用することで清浄性も確保しており、これら2成分の使用により、スラッジの発生をより一層抑えつつ、高い清浄性を確保することが可能になる。さらには、後述する所望の含有量とすることで、潤滑油組成物の高温劣化を防いで、ターボコーキングを抑制しやすくなる。
なお、(C2)成分としては、上記の中では、中性カルシウムスルホネートを使用することが好ましい。
過塩基性カルシウムサリシレート(C1)の含有量は、組成物全量基準で、1.5〜6.0質量%が好ましく、2.0〜5.0質量%がより好ましく、2.5〜4.0質量%がさらに好ましい。(C1)成分の含有量をこのような範囲とすることで、潤滑油組成物の塩基価を高めてロングドレイン性が確保され、さらには、ターボコーキングの抑制効果も高めやすくなる。
一方で、中性金属系清浄剤(C2)の含有量は、上記(C1)成分よりも少なく、組成物全量基準で、0.3〜3質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましく、0.6〜1.5質量%がさらに好ましい。(C2)成分の含有量をこのような範囲とすることで高い清浄性を確保しやすくなる。また、(C2)成分の含有量を0.6質量%以上とすることで、ターボコーキングの抑制効果が高くなる。
また、過塩基性カルシウムサリシレート(C1)の塩基価は、上記したように、170〜400mgKOH/gであるが、好ましくは190〜380mgKOH/g、より好ましくは200〜350mgKOH/gである。(C1)成分の塩基価がこのような範囲となることで、潤滑油組成物の塩基価も高くでき、それにより、清浄性を良好にしつつスラッジの発生を抑えるとともに、ターボコーキングの抑制効果を高めやすくなる。
また、(C2)成分(すなわち、中性カルシウムスルホネート及び中性カルシウムサリシレート)の塩基価は、50mgKOH/g以下であるが、好ましくは10〜40mgKOH/g、より好ましくは15〜30mgKOH/gである。本実施形態では、塩基価の低い特定の金属系清浄剤を所定量使用することで、潤滑油組成物の清浄性を高くしやすくなり、ターボコーキングの抑制効果も高めやすくなる。
また、潤滑油組成物は、上記した(C1)及び(C2)成分が配合されることで、カルシウムを含有することになるが、潤滑油組成物におけるカルシウム含有量は、1800質量ppmより多く3500質量ppm以下であることが好ましい。1800質量ppmより多くなると、清浄性を良好にしつつスラッジの発生が抑えられ、さらには、硫酸灰分が0.7質量%を超えてターボコーキングの抑制効果が優れたものとなり、ロングドレイン性も確保しやすくなる。一方で、3500質量ppm以下となることで、硫酸灰分が1.2質量%以下となりやすくなる。
以上の観点から、潤滑油組成物におけるカルシウム含有量は、2000〜3000質量ppmがより好ましく、2100〜2900質量ppmがさらに好ましい。
過塩基性カルシウムサリシレート(C1)としては、モノアルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸等のアルキルサリチル酸のカルシウム塩を用い、そのカルシウム塩を過塩基化したものが挙げられる。また、(C2)成分として使用される中性カルシウムサリシレートとしては、モノアルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸等のアルキルサリチル酸のカルシウム塩が挙げられる。アルキルサリチル酸を構成するアルキル基は、炭素数4〜30のものが好ましく、より好ましくは炭素数8〜22の直鎖又は分枝アルキル基である。
(C2)成分として使用される中性カルシウムスルホネートは、各種スルホン酸のカルシウム塩を使用できる。ここで、使用されるスルホン酸としては、芳香族石油スルホン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸等があり、具体的には、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、ジラウリルセチルベンゼンスルホン酸、パラフィンワックス置換ベンゼンスルホン酸、ポリオレフィン置換ベンゼンスルホン酸、ポリイソブチレン置換ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などを挙げることができる。
なお、本明細書において、金属系清浄剤の塩基価とは、JIS K−2501:過塩素酸法で測定したものである。
[無灰系分散剤]
潤滑油組成物は、さらに無灰系分散剤を含有することが好ましい。無灰系分散剤としては、ポリブテニルコハク酸イミド(D1)、ホウ素変性ポリブテニルコハク酸イミド(D2)が挙げられるが、潤滑油組成物は、これらの両方を含有することが好ましい。潤滑油組成物は、これらの化合物を含有することで、耐熱性と分散性の両方を向上させることが可能である。
ポリブテニルコハク酸イミド(D1)としては、以下の一般式(1)及び(2)で表される化合物が挙げられる。
これら一般式(1)及び(2)におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、その数平均分子量は、通常750以上3500以下であり、好ましくは900以上2000以下である。上記数平均分子量が750以上であれば、分散性が良好となり、3500以下であれば、貯蔵安定性が良好となる。また、上記一般式(1)及び(2)それぞれにおけるnは、通常1〜5の整数であり、より好ましくは2〜4の整数である。
これら一般式(1)及び(2)で示される化合物の製造方法としては、特に限定はないが、公知の方法によって製造することができる。例えば、ポリブテンと無水マレイン酸とを100℃以上200℃以下で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
さらに、ポリブテニルコハク酸イミド(D1)としては、一般式(1)及び(2)で示される化合物と、アルコール、アルデヒド、ケトン、アルキルフェノール、環状カーボネート、エポキシ化合物、有機酸等とを反応させた変性ポリブテニルコハク酸イミドを用いることもできる。
ホウ素変性ポリブテニルコハク酸イミド(D2)としては、上記したポリブテニルコハク酸イミド(D1)に、ホウ素化合物を作用させて得られる化合物である。
ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩及びホウ酸エステル等が挙げられる。ホウ酸としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸及びパラホウ酸等が挙げられる。また、ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム及び八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウム等が好適例として挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸とアルキルアルコール(望ましくは炭素数1〜6)とのエステル、例えばホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル及びホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。
ポリブテニルコハク酸イミド(D1)及びホウ素変性ポリブテニルコハク酸イミド(D2)の含有量合計は、潤滑油組成物全量基準の窒素原子換算量で、0.01〜0.15質量%であることが好ましく、0.02〜0.12質量%であることがより好ましく、0.04〜0.10質量%であることがさらに好ましい。上記下限値以上であることで耐熱性、及び分散性が良好となり、スラッジの発生等を防止しやすくなる。また、上限値以下であれば、含有量に見合って性能を発揮しやすくなる。
なお、ポリブテニルコハク酸イミド(D1)とホウ素変性ポリブテニルコハク酸イミド(D2)に由来するホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比B/Nは、通常0.05〜1.5が好ましく、0.15〜1.2であるものがより好ましい。
[耐摩耗剤]
潤滑油組成物は、耐磨耗剤としてジチオリン酸亜鉛(E)を含有することが好ましい。ジチオリン酸亜鉛(E)は、例えば、以下の一般式(3)で示されるものが使用される。
一般式(3)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜24のアルキル基、直鎖状若しくは分岐状の炭素数2〜24のアルケニル基、又は炭素数6〜18のアラルキル基を示し、互いに異なってもよいし、同一であってもよい。一般式(3)においては、アルキル基、アルケニル基ではR1〜R4の炭素数が6〜10、アラルキル基では炭素数が8〜20であることが好ましく、安定性等の観点からアルキル基又はアラルキル基であったほうがよい。
本実施形態では、ジチオリン酸亜鉛を使用することで少ない使用量で耐摩耗性を向上させることが可能である。また、潤滑油組成物の高温酸化劣化等も防止し、ターボコーキングが発生するのも抑制しやすくなる。
1〜R4におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、及びこれらアルキル基の分岐状の構造異性体が挙げられる。
また、アルケニル基としては、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基、n−ヘプテニル基、n−オクテニル基、n−ノネニル基、n−デセニル基、n−ウンデセニル基、n−ドデセニル基,n−トリデセニル基,n−テトラデセニル基,n−ペンタデセニル基,n−ヘキサデセニル基,n−ヘプタデセニル基,n−オクタデセニル基,n−ノナデセニル基,n−イコセニル基,n−ヘンイコセニル基,n−ドコセニル基,n−トリコセニル基,n−テトラコセニル基、及びこれらアルケニル基の分岐状の構造異性体が挙げられる。
アラルキル基としては、エチルフェニル基、n−ブチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−ノニルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、およびこれらのアルキル基を分岐状とした構造異性体が挙げられる。
また、R1〜R4は、それぞれ独立にR−CH2−(ただし、Rは炭素数1〜23のアルキル基)の構造を示す第1級アルキル基であることがより好ましく、中でもn−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基がさらに好ましい。このように、R1〜R4を第1級アルキル基とし、又はアラルキル基とすることで、酸化安定性をより向上させて、ターボコーキングの発生を抑制しやすくなる。
ジチオリン酸亜鉛(E)の含有量は、潤滑油組成物全量基準のリン原子換算量で、100〜1000質量ppmであることが好ましく、200〜800質量ppmであることがより好ましく、300〜600質量ppmであることがさらに好ましい。本実施形態では、(E)成分の含有量をこれら下限値以上とすることで、耐摩耗性を良好にすることができる。また、下限値以上とすることで高温劣化を防止し、耐ターボコーキング性を向上させやすくなる。一方で、上限値以下とすることで、配合量に見合った性能を発揮させやすくなり、後述するように、硫酸灰分を1.2質量%以下としやすくなる。
[酸化防止剤]
本実施形態の潤滑油組成物は、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール化合物(F1)と、アルキルジフェニルアミン化合物(F2)とを含有することが好ましい。また、ヒンダードフェノール化合物(F1)と、アルキルジフェニルアミン化合物(F2)の含有量の合計が、潤滑油組成物全量基準で、1.5質量%より多く6.0質量%以下であることが好ましい。
4サイクルエンジンは、エンジン効率の向上が求められており、そのため、圧縮比率等が上昇し、それに伴い、エンジンの燃焼温度や圧力も高くなる傾向にある。このように、エンジンが高温、高圧下で運転されると、潤滑油が劣化して、ピストンのアンダーサイド、リング溝、ランド部分等に汚れが発生しやすくなる。したがって、4サイクルエンジン用の潤滑油は、高いピストン清浄性を有することが好ましい。なお、ピストン清浄性は、船舶用又は固定式の発電設備、さらには、コージェネレーションシステムでは、高い負荷率で長時間の運転が行われるため、より強く求められる。
本実施形態の潤滑油組成物は、上記のようにスラッジが抑制されることと相俟って、(F1)成分と(F2)成分の酸化防止剤合計を1.5質量%より多く含有することで、酸化安定性を高めて、高いピストン清浄性を確保することが可能になる。また、6.0質量%以下とすることで添加量に見合った効果を発揮することができる。
上記(F1)成分と(F2)成分の含有量の合計は、酸化安定性及びピストン清浄性をより良好にする観点から、2.0〜5.5質量%であることがより好ましく、2.5〜5.0質量%であることがさらに好ましい。
なお、アルキルジフェニルアミン化合物(F2)のヒンダードフェノール化合物(F1)に対する質量比(F2/F1)は、特に限定されないが、1/3〜3/1程度であることが好ましく、1/2〜2/1程度であることがより好ましい。
ヒンダードフェノール化合物(F1)としては、代表的には、フェノール性水酸基に対して、オルト位にt−ブチル基が置換されたものが挙げられ、ビスフェノール系のもの、モノフェノール系のもの等がある。ビスフェノール系のものとしては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド等が挙げられる。
また、モノフェノール系のものとしては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール等のアルキルの炭素数が1〜4の2,6−ジ−t−ブチル−4−アルキルフェノール;n−オクチル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、6−メチルヘプチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート等のアルキルの炭素数が4〜12のアルキル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノールが挙げられる。
これらの中では、酸化安定性及び高温清浄性をより良好にする観点から、フェノール性水酸基に対して、オルト位となる位置の両方にt−ブチル基が置換されたものが好ましい。
アルキルジフェニルアミン化合物(F2)としては、モノ−t−ブチルジフェニルアミン、モノオクチルジフェニルアミン及びモノノニルジフェニルアミンなど、一方のフェニル基に炭素数3〜10のアルキル基が置換されたモノアルキル置換ジフェニルアミン類;4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミン、4−ブチル−4’−オクチルジフェニルアミンなど、各アルキル基の炭素数が3〜10のジアルキルジフェニルアミン類;テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミン、ジ(2,4−ジエチルフェニル)アミン、ジ(2−エチル−4−ノニルフェニル)アミンなど、アルキル基を3つ以上有し、各アルキル基の炭素数が1〜10のポリアルキルジフェニルアミン類などが挙げられ、これらの中では、各アルキル基の炭素数が3〜10のジアルキルジフェニルアミン類が好ましい。
[その他の添加剤]
潤滑油組成物は、さらに、流動点降下剤、金属不活性化剤、抗乳化剤、消泡剤等のその他の添加剤をさらに含有していてもよい。
流動点降下剤としては、ポリメタクリレート、ポリアクリレート等が挙げられる。金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系およびピリミジン系化合物等が挙げられる。
抗乳化剤としては、界面活性剤が用いられ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
また、消泡剤としては、例えば、シリコーン油、フルオロシリコーン油およびフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
[潤滑油組成物]
本実施形態における潤滑油組成物は、硫酸灰分が、0.7質量%を超え1.2質量%以下となるものである。本実施形態では、硫酸灰分が0.7質量%を超えることで、組成物中の金属系清浄剤やジチオリン酸亜鉛由来の金属分が多くなるので、上記成分(B)を使用することと相俟って、高温劣化が抑制され、潤滑油組成物にターボコーキングが発生しにくくなり、さらにはロングドレイン性も確保されやすくなる。
また、硫酸灰分を1.2質量%以下とすることで、組成物中の金属量が必要以上に多くならないので、金属分が燃焼室等に析出したりすることも防止される。本実施形態の潤滑油組成物は、ロングドレイン性が実現できるものであるため、エンジンは潤滑油組成物を交換せずに長期間運転することが可能になる。そして、本実施形態の潤滑油組成物は、長期間交換せずに使用しても、上記のように金属分が析出しにくいので、交換前にノッキング等が発生したりすることもない。
以上の観点から、潤滑油組成物の硫酸灰分は、0.80〜1.15質量%であることが好ましく、0.90〜1.10質量%であることがより好ましい。
また、潤滑油組成物は、100℃における動粘度が6.9mm/s以上21.9mm/s未満であることが好ましく、より好ましくは9.3mm/s以上18.0mm/s未満であり、さらに好ましくは9.3mm/s以上16.3mm/s未満である。本実施形態の潤滑油組成物は、100℃における動粘度をこのような範囲とすることで、高負荷で運転されるエンジン、特にガスコージェネレーションシステムにおいて好適に使用可能である。
本実施形態の潤滑油組成物は、4サイクルエンジンにおける各部品間を潤滑するエンジン油として使用されるものである。
また、本実施形態の潤滑油組成物は、船舶用又は固定式の発電設備等において、高負荷で連続運転され、ターボチャージャーを備える4サイクルエンジンに好適に使用されるものである。そのような4サイクルエンジンとしては、具体的には、最大出力200kW以上で、かつ最大出力の60%以上の運転を連続10時間以上継続し、オイル交換周期が1000時間以上となるものが挙げられる。なお、オイル交換周期でいう“時間”は、エンジンが運転されている時間の合計を意味する。
本実施形態の潤滑油組成物は、上記のように高負荷で連続運転される4サイクルエンジンに使用しても、ピストン清浄性が良好で、かつスラッジの発生が抑えられる。さらには、高温劣化も防止されて、ターボコーキングの抑制効果が良好なものとなり、ロングドレイン性が確保される。
また、本実施形態の潤滑油組成物は、ガスエンジンに好適に使用され、特にガスコージェネレーションシステムに好適に使用されるものである。
[4サイクルエンジン用潤滑油組成物の製造方法]
本発明の一実施形態における4サイクルエンジン用潤滑油組成物の製造方法は、基油(A)に、ポリオレフィン(B)を配合し、かつ、硫酸灰分が0.7質量%を超え1.2質量%以下となるように調整して、4サイクルエンジン用潤滑油組成物を得るものである。
本方法において、基油(A)及びポリオレフィン(B)の詳細は上記したとおりであり、また、各成分の配合される量(配合量)も上記した含有量と同様であるので、その説明は省略する。
また、上記した金属系清浄剤、無灰系分散剤、耐摩耗剤、酸化防止剤、及びその他の添加剤を任意で、上記した含有量と同様の配合量で配合され、硫酸灰分が0.7質量%を超え1.2質量%以下になるように調整される。なお、本方法で得られる潤滑油組成物の詳細も上記と同じであるのでその説明を省略する。
本製造方法において、各成分は、いかなる方法で基油に配合されてもよく、その手法や配合順は限定されない。
次に、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
各性状の測定方法は、以下に示す要領に従って求めたものである。
(1)動粘度
JIS K2283−2000に準じ、ガラス製毛管式粘度計を用いて測定した値である。
(2)硫黄分
JIS K2541に準拠して測定した。
(3)塩基価
金属清浄剤及び潤滑油組成物の塩基価は、JIS K−2501−2003に準拠して過塩素酸法で測定したものである。
(4)硫酸灰分
JIS K2272に準拠して測定した。
(5)数平均分子量、重量平均分子量
各成分の数平均分子量及び重量平均分子量は、東ソー製 HLC−8220型に、東ソーカラム:TSKgel GMH−XL 2本+G2000H−XL 1本を取り付け、検出器:屈折率検出器、測定温度:40℃、移動相:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/分、濃度1.0mg/mlの条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて求めた。
(6)カルシウム含有量
潤滑油組成物におけるカルシウム含有量は、JPI−5S−38−03に準拠して測定した。
(7)パネルコーキング試験
Fed. Test Method Std. 791−3462に準拠し、パネル温度300℃又は310℃、油温100℃の条件下で、スプラッシュ時間15秒、停止時間45秒のサイクルで3時間試験した。試験終了後、パネルに付着したコーキング物の付着量を評価した。
(8)高温劣化試験(耐ターボコーキング性試験)
直径35mm、高さ3mmの鉄製の皿状容器に供試油0.5gを入れ、250℃で6時間加熱後の残渣物の状態を観察して、以下の評価基準で評価した。
A:流動性あり B:流動性なし
(9)ホットチューブ試験
JPI−5S−55 99に準じて、測定温度310℃で実施した。ガラス管中に付着したラッカーと色見本とを比較し、透明の場合は10点、黒の場合は0点として評点を付けるとともに、ガラス管に付着したラッカー質量を測定した。評点が高いほど、また、ラッカーが少ないほど、高性能であることを示す。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
表1に示す配合の実施例、比較例の潤滑油組成物を作製し、その潤滑油組成物の性状を測定した。また、パネルコーキング試験及び高温劣化試験により、各実施例、比較例の潤滑油組成物を評価した。結果を表1に示す。
※カルシウム含有量及びリン含有量は、それぞれ潤滑油組成物におけるカルシウム含有量、リン含有量であり、組成物全量基準で示す。
※表1における各成分は、以下を表す。
基油:500N鉱油(水素化精製鉱油)、100℃動粘度10.9mm2/s、硫黄分0.01質量%以下、API分類:グループ2
ポリブテン−1:ポリイソブテン、数平均分子量1800、水素未添加
ポリブテン−2:ポリイソブテン、数平均分子量750、水素未添加
ポリブテン−3:ポリイソブテン、数平均分子量30000、水素未添加
ブライトストック:150BS鉱油(水素化精製鉱油)、100℃動粘度33.3mm2/s,硫黄分0.01質量%以下
OCP−1:エチレン−プロピレンコポリマー、重量平均分子量91000
金属系清浄剤A:過塩基性カルシウムサリシレート、カルシウム含有量:7.8質量%、塩基価:225mgKOH/g
金属系清浄剤B:カルシウムスルホネート,カルシウム含有量:2.35質量%,塩基価:17mgKOH/g
無灰系分散剤A:ポリブテニルコハク酸イミド、窒素含有量1.0質量%
無灰系分散剤B:ホウ素変性ポリブテニルコハク酸イミド、窒素含有量1.23質量%,
ホウ素含有量1.3質量%
耐摩耗剤:ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、リン含有量:7.40質量%、亜鉛含有量:8.9質量%、
酸化防止剤:酸化防止剤F1と、酸化防止剤F2の混合物(F2/F1(質量比)=2/1.5)
酸化防止剤F1:アルキル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(ただし、アルキルが炭素数7〜9のアルキルである混合物である)の混合物
酸化防止剤F2:ジオクチルジフェニルアミン
その他添加剤:流動点降下剤、金属不活性化剤、消泡剤、抗乳化剤
以上のように、実施例1〜4では、所定の分子量のポリブテンを配合し、かつ硫酸灰分が0.7質量%を超えるように各種添加剤を配合したため、動粘度を適切な値に調整しつつも、パネルコーキング試験の結果が良好となりスラッジを抑制することができた。さらに、高温劣化試験の結果が良好となり、耐ターボコーキング性が良好となった。このように、本実施例では高硫酸灰分の潤滑油組成物において、スラッジが抑制され、かつ耐ターボコーキング性が良好となることで、ロングドレイン性を確保しやすくなる。
それに対して、比較例1〜3では、ポリブテンの代わりにブライトストック、OCPが使用され、あるいは分子量が大きいポリブテンが使用されたため、パネルコーキング試験の結果が悪くなり、清浄性を良好にしつつ、スラッジ発生を抑制することができなった。さらには、高温劣化試験も良好な結果とならず、ターボコーキングの抑制効果が低いものとなった。
さらに、実施例1〜4については、ホットチューブ試験も実施した。試験結果を以下に示す。以下の表2に示すように、実施例1〜4では、ホットチューブ試験の結果が良好となり、ピストン清浄性も良好となった。

Claims (13)

  1. 基油(A)と、少なくともイソブテン由来の構成単位を有し、かつ数平均分子量が500〜10,000であるポリオレフィン(B)0.5〜10質量%とを含み、硫酸灰分が0.9質量%以上1.2質量%以下である4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  2. 前記ポリオレフィン(B)が、ポリブテンである請求項1に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  3. 前記ポリブテンが、ポリイソブテンである請求項2に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  4. 前記ポリブテンが、水素未添加である請求項2又は3に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  5. 塩基価170〜400mgKOH/gの過塩基性カルシウムサリシレート(C1)と、塩基価50mgKOH/g以下の中性カルシウムスルホネート及び塩基価50mgKOH/g以下の中性カルシウムサリシレートから選択される中性金属系清浄剤(C2)とを含み、
    カルシウム含有量が1800質量ppmより多く3500質量ppm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  6. ポリブテニルコハク酸イミド(D1)、及びホウ素変性ポリブテニルコハク酸イミド(D2)をさらに含む請求項1〜5のいずれ1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  7. ジチオリン酸亜鉛(E)を、潤滑油組成物全量基準のリン原子換算量で、100〜1000質量ppm含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  8. ヒンダードフェノール系化合物(F1)と、アルキルジフェニルアミン化合物(F2)とをさらに含有し、これらの含有量の合計が、組成物全量基準で1.5質量%より多く6.0質量%以下である請求項1〜7のいずれ1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  9. 100℃における動粘度が6.9mm/s以上21.9mm/s未満である請求項1〜8のいずれか1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  10. 最大出力200kW以上で、かつ最大出力の60%以上の運転を連続10時間以上継続し、オイル交換周期が1000時間以上である4サイクルエンジンに使用される請求項1〜9のいずれか1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  11. ガスコージェネレーションシステムで用いる請求項1〜10のいずれか1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の4サイクルエンジン用潤滑油組成物により、4サイクルエンジンにおける各部品間を潤滑する潤滑方法。
  13. 基油(A)に、少なくともイソブテン由来の構成単位を有し、かつ数平均分子量が500〜10,000であるポリオレフィン(B)を、潤滑油組成物全量基準で0.5〜10質量%配合し、かつ、硫酸灰分が0.9質量%以上1.2質量%以下となるように調整して、4サイクルエンジン用潤滑油組成物を得る4サイクルエンジン用潤滑油組成物の製造方法。
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