JP5308608B2 - 締結体締付け力安定化剤、これを用いた締付け力安定化法、安定化剤を付着した締結体構成部品 - Google Patents

締結体締付け力安定化剤、これを用いた締付け力安定化法、安定化剤を付着した締結体構成部品 Download PDF

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Description

発明が属する技術分野
本発明は、締結体の締付け力を安定化することができる安定化剤、及びこれを用いた締結体の締付け力安定化方法、更に、同安定化剤を予め付着させてなる締結体を構成する部品に関する。ここで「締結体を構成する部品(締結体構成部品)」というのは、螺合するねじ部品である雄ねじが形成されたボルト部材、雌ねじが形成されたナット部材、例えば、ボルト、ねじ、ナット、配管継手等が含まれ、その他、締結体に補助的に用いられる座金、ワッシャーさらに被締結体なども含まれる。なお、本明細書における用語は、ねじの締付けについての通則(JIS B1083)及びねじ用語(JIS B0101)に従った。
ねじの締付けについてはJISB1083に通則が定められている。ここで本願発明と関連する部分を概説すると、図8はボルトの伸びと締付け軸力との関係を示すグラフであり、降伏するまでは弾性域にあって、ボルトの伸びと締付け軸力とは直線状に変化する。そして、弾性域においては、締付けトルクTf と締付け力Ff との関係は下記式(1)で示される。
Tf =Ts +Tw =K・Ff ・d ・・・・ (式1)
ここで式(1)中のK,Ts ,Tw は以下の通りである。
K=(1/2d)・((P/π)+μs・d2・sec α´+μwDw) (式2)
Ts =(Ff/2)・((P/π)+μs ・d2 ・sec α´) (式3)
Tw =(Ff/2)・μw Dw (式4)
また、接触する座面(座金を用いる場合を含む)が円環状の場合には、式(4)中のDw は下記式(5)で与えられる。
Dw =(2/3)・((Do3−Di3)/(Do2−Di2))
(式5)
上記各式中の記号とその意味は以下の通りである。
Dw :座面における摩擦トルクの等価直径
Di :接触する座面の内径
Do :接触する座面の外径
Ff :初期締付け力または締付け力
K :トルク係数
P :ねじのピッチ
Tf :締付けトルク
Ts :ねじ部トルク
Tw :座面トルク
d :ねじの呼び径
d2 :ねじの有効径
α :ねじ山のフランク角
α´:ねじ山の山直角断面におけるフランク角
(tan α´=tan α・cos β)
β :ねじ山のリード角
μs :ねじ面摩擦係数
μw :座面摩擦係数
ところで、締結体の締付け力管理は締結体に所要の締結力を与えるために重要であり、管理方法としては、トルク法、回転角法、及びトルク勾配法が一般に知られているが、締付け作業時に締付けトルクだけを管理するトルク法は、特殊な締付け用具を必要としないという利点があるため実用上はこのトルク法が広く用いられている。
しかし、締付けトルクTf の90%前後はねじ面及び座面の摩擦によって費やされてしまい、また、初期締付け力は締付け作業時のねじ面や座面の摩擦や接触状態により大きく左右されるという問題がある。
すなわち、上記(式1)を変形した下記(式1´)
Ff =Tf /K・d ・・・・ (式1´)
をみると、締付け力(締付け軸力)Ff は、締付けトルクTf に正比例し、トルク係数Kとねじの呼び径dに反比例することが分かるが、同一規格のボルト部材、ナット部材を用いて同じ締結体を多数形成する場合には、ねじの呼び径dは同一(公差程度の微小な違いはあっても基本的には同一径)であるから、一定の締付けトルクTf で締付けを行った場合、トルク係数Kが一定とすれば、常に一定の締付け力(締付け軸力)Ff が得られるはずである。しかしながら実際には、同一規格のボルト−ナットの締結体の締付け作業を一定の締付けトルクで行った場合に必ずしも一定の締付け力が得られるとは限らない。
これは、ボルト部材とナット部材の締結体における締付け力は、機械や加工分野における通常の摩擦、摩耗、潤滑とは異なり、ねじの螺合面や座面の摩擦や接触の多様性、特異性に影響を受け易いという理由による。例えば、ねじの螺合面や座面でかじりや焼き付きが部分的に生ずると、摩擦状態が不均一になりトルク係数が変化するという問題があり、締付け特性の変動を招いて不安定にしまうからである。
つまり、トルク法のように、締付け力で間接的にねじ締付け力を安定に得るためには、ねじ面及び座面の摩擦や接触の多様性や特異性を十分に考慮しなければならないが、ねじ面や座面でかじりや焼き付きが部分的に生じて摩擦状態が不均一になると、ねじ面や座面の摩擦係数が変化するのみならず、ねじ面や座面における摩擦トルクの等価直径やねじの有効径などの因子も影響を受け、締付け特性の変動を招き、不安定となってしまうのである。
図9は以上のような締付け軸力Ff がトルク係数Kの変動によって変化する状態を示し、これに更に締付けトルクTf の変動を招いた場合には最大軸力Ffmaxと最小Ffminの相違は相当に大きくなって、これが締結作業時に安定した締付け力を得ることの大きな阻害原因となることが分かる。
以上のような状況から、締付けトルクの管理で一定の締付け力を安定して得るようにする工夫が従来からされている。
トルク法で締結体の締付け力を安定化する従来技術としては、
1)マシン油や固体潤滑粉末入りペーストを塗布する方法。
2)二硫化モリブデンやPTFE(ポリテトラフルオロエチレンあるいは四フッ化エチレン)の粉末を樹脂バインダーなどとともに被覆する方法(特開昭50−139256号公報、特開平10−338824号公報等)。
3)ボンデライト・ボンダリューベ処理をする方法(特開昭49−81237号公報等)。
4)水に分散させた酸化低分子ポリエチレンと合成樹脂エマルジョンを浸漬・塗布し、乾燥被覆する方法(特開平9−40991号公報)、
5)黒鉛粉末をエポキシ樹脂などとともに塗布し被覆する方法(特開平08−028535号公報、特開2000−120638号公報)。
6)水などに分散または溶解した樹脂を塗布し、乾燥被覆する方法。
この6)の方法は、特開昭52−081462号公報、特開昭52−149566号公報、特開昭55−60711号公報、特開昭55−062985号公報、特開昭56−041285号公報、特開平06−080983号公報、特開平07−224824号公報等に開示されている。
発明が解決しようとする課題
ここで「安定化」というのは、締付け軸力一定にて、締付けトルクを測定し、式(1)から平均トルク係数Kmを求め、そのばらつき(トルク係数の標準偏差Sk、変動係数B)を算出した下記式(6)のトルク係数の変動係数Bの程度をいい、相対的にバラツキが小さい場合を「安定」、大きい場合を「不安定」という。
B=Sk/Km ・・・・ (式6)
B:トルク係数の変動係数
Sk:トルク係数の標準偏差
Km:平均トルク係数
この「安定化」の観点から従来技術を考えると、上記1)の単に鉱油(マシン油)類を塗布する方法や上記2)の粉末を樹脂バインダーとともに被覆する方法は、締付け力やトルク係数の安定化が十分ではなく、また、温度が締付け特性に及ぼす影響が大きく、摩擦抵抗を小さくすることはできても安定化剤としての作用がなく、本発明の目的を達成できない。
つまり、鉱油の付着や固体潤滑粉末入りペーストの付着による方法は、摩擦面の抵抗を減少させるという効果は奏されるものの、上述した安定化には有効でない。
更に加えて、安定化剤が高価であること、固体潤滑粉末を用いる方法では放置すると比重の違いから固体粉末と油分とが分離しやすいという問題があり、さらに、一度締付けると固体粉末が変形や破壊したり、繰返し締付け・緩めを行うとなじみ効果が生じることで締付け特性が変化してしまい、安定しないという問題がある。なお「締付け・緩みを繰り返す」ことがある理由は、例えば、化学プラントや原子力プラント、航空機や鉄道の分野におけるメンテナンスさらに自動車の修理やタイヤ交換においては、分解−組立を繰り返し行うため、ねじ締結体の締付け−ゆるめを繰り返すことが必要性となるからである。
上記3)〜6)の方法は締結体締付け力の安定化に用いられるものであるがそれぞれ問題がある。例えば、上記のうちのボンデライト・ボンダリューベ処理をする方法は、温度に対する感受性が強く、温度変化によりトルク係数値が大幅に変化してしまうという問題がある。
上記4)の水分散の酸化低分子ポリエチレンと合成樹脂エマルジョンを浸漬・塗布・乾燥する方法(特開平9−40991号公報)によると、
1)有機溶剤に溶解しているわけではないので、水に安定化物質を均一に分散させることが困難で、分散状態によって締結体に形成される膜厚などの被膜特性が異なりトルク係数がばらつく。
2)有機溶剤に溶かしてあれば、揮発するのでスプレー後にすぐに使用できるが、水を乾燥させるのに乾燥装置を必要とするのでエアゾール(スプレー)化しても、現場で締結体にスプレーしてすぐに使えないという問題がある。
上記5)の黒鉛粉末をエポキシ樹脂とともに塗布・被覆する方法(特開平08−028535号公報、特開2000−120638号公報)によると、黒鉛粉末により、摩擦係数が低下し振動などにより締結体に緩みを生じやすくなる。また黒鉛粉末の分散状態、粒径によりトルク係数が変化し、バラツキが大きくなるという問題がある。
さらに、上記6)の水などに分散または溶解した樹脂を塗布し、乾燥被覆する方法(「固体被覆タイプ」という)のでは、次のような問題点がある。
[イ]安定化が十分でない。
[ロ]特殊な処理設備が必要で、少量生産に適さない。
[ハ]被覆膜厚が締付け特性に影響を及ぼす。
[ニ]輸送中の接触やねじ込みの途中で被膜が剥離する。
[ホ]繰返し締付け緩めによって被膜が剥離し、締付け特性が変化する。
[ニ]水や油などの付着物によって締付け特性が変化する。
以上のように、従来技術の締結体締付け力の安定化法は、いずれも問題があった。
本発明は、これらの問題を解消し、実用的に優れたトルク法で締結体の締付け力を管理するのに適したトルク係数の変動を可及的に抑制することができる締付け力安定化剤を提供することを目的としたものである。
又本発明の別の目的は、この締付け力安定化剤を用いて、締結体の締付け力を安定して得ることができる締結体締付け力安定化法を提供するところにある。
本発明の更に別の目的は、締結体構成部品を製造しあるいは出荷する工場等において、同構成部品に予め上記締付け力安定化剤を付着させ、これを同締結体を機械的に組み立てる工場等に供給するという安定化剤付着済みの締結体構成部品を提供するところにある。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的は以下の構成を有する各発明により達成される。なお、本発明における「締結体」というのは、JIS B1083の「ねじ締結体」のことをいう。
(1)締結体を締め付ける際のトルク係数を安定化させる安定化剤であって、炭素数4の不飽和鎖状炭化水素の重合体を安定化剤の有効成分とし、締結体の締付け作業時の環境温度24℃において安定化剤の粘度が235mPa・s以上であるように調製した締結体締付け力安定化剤。
(2)炭素数4の不飽和鎖状炭化水素の重合体が、n−ブテンの重合体、イソブテンの重合体、又はn−ブテン及びイソブテンの共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする上記発明(1)に記載の締結体締付け力安定化剤。
(3)安定化剤の有効成分を鉱油中に10質量%以上相溶させたことを特徴とする上記発明(1)又は(2)に記載の締結体締付け力安定化剤。
(4)安定化剤の有効成分を有機溶剤に溶解したことを特徴とする上記発明(1)ないし(3)のいずれかに記載の締結体締付け力安定化剤。
(5)上記有効成分が、ASTM D2503−92で測定した数平均分子量が5000以下であることを特徴とする上記発明(1),(2)に記載の締結体締付け力安定化剤。
(6)上記有効成分が、NPCC法(NIPPON PETROCHEMICALS Method :GPC)で測定した重量平均分子量が50000以上であることを特徴とする上記発明(1),(2)に記載の締結体締付け力安定化剤。
)ボルト部材、ナット部材などのねじ部品および被締結体のねじ螺合部、並びにボルト部材、ナット部材などのねじ部品および座金、被締結体などの座面の少なくともいずれか一つに上記発明(1)ないし()のいずれかの安定化剤を付着させて用いることを締結体締付け力の安定化法。
)上記発明(1)ないし()のいずれかに記載の締付け力安定化剤を予め、ねじ部品および座金、被締結体のねじ螺合部又は座面の少なくともいずれか一つに付着させて保管することを特徴とする締結体を構成する締結体構成部品。
)上記発明(1),(2),(3),(5)または(6)のいずれかの安定化剤の有効成分を有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を揮発させて被膜を形成したことを特徴とする締結体を構成する上記発明()に記載の締結体構成部品。
10)上記発明(1)ないし()のいずれかに記載の締付け力安定化剤を表面に付着させた締結体構成部品が、ボルト部材,ナットなどのねじ部品、又は座金及び被締結体の少なくともいずれかであることを特徴とする締結体を構成する締結体構成部品。
上記の発明(1)において、炭素数4の不飽和鎖状炭化水素には発明(2)のオレフィン系炭化水素のブテン(ブチレンともいう)が好ましく用いられ、n−ブテン、イソブテンのいずれであってもよい。重合体(ポリブテン)はこれらの単独の重合物(重合体)であっても、両者の共重合物(共重合体)であってもよいし、これらの重合体,共重合体単独であっても混合物であってもよい(なお以下の説明においてポリブテン(重合体)という場合は、実施例の記載を除いて単独の重合体、共重合体あるいは混合物の場合を含むものとする)。
本発明で用いられるポリブテンは、好ましくは数平均分子量数Mnが300以上で、粘度平均分子量Mvが1×107以下、より好ましくは数平均分子量数Mnが500以上で、粘度平均分子量Mvが6×106以下が適当である場合が多い。平均分子量があまり小さいと後述するトルク係数の変動係数が大きくなる傾向があり、また引火点も低下するため危険性が増す。反対に平均分子量が大きすぎると安定化物質が硬くなり、ねじ面、座面での摩擦抵抗ならびにトルク係数が大きくなりすぎる。更に平均分子量が大きくなると、安定化物質が固体化してねじ面、座面に加わる力で割れてしまいトルク係数のバラツキが大きくなる。
このようなポリブテンとしては、例えば、グリソパール(Glissopal )1000,1300,2300:ビーエーエスエフ(株)社製(以下「BASF社製」という):GPC(gel permeation chromatgraphy )法による重量平均分子量 1000 〜2300、テトラックス (TETRAX) 3T,4T,5T,6T:日本石油化学(株)社製:NPCCC法(GPC)による重量平均分子量 66000〜129000、出光ポリブテンOH,5H,2000H (水素添加グレード)、15R,35R,100R,300R (水素未添加グレード):出光石油化学(株)社製:ASTM D2503−92による数平均分子量350〜3000等を代表的に挙げることができる。
なお、締結体を高温で使用する際の焼き付き現象を避けるためには、固体潤滑剤を本発明の締結体締付け力安定化剤に添加し混合してもよい。
また、粘度が高く付着しにくく作業性が悪い場合には、n−ブテンの重合体、イソブテンの重合体、またはイソブテンとn−ブテンとの共重合体、あるいは、これらの混合組成物を適当な溶剤に溶解して粘度を調製してもよいし、n−ブテンの重合体、イソブテンの重合体、またはn−ブテンとイソブテンの共重合体の二つ以上を混合してなる混合組成物を非相溶性の分散媒(例えば水)下で界面活性剤を用いてエマルジョンにして用いることもできる。
上記において、ブテン重合体(ポリブテン)を有効成分とする安定化剤は、例えば鉱油に相溶してボルト部材等に付着させるか、あるいは有機溶剤に溶解してボルト部材等に付着させる前あるいは付着させた後に、乾燥して溶剤を揮発除去するようにして使用することもできる。前者の鉱油を相溶剤として用いる場合には、上記発明(3)のように安定化剤の有効成分を鉱油中に10質量%以上相溶して用いることがよい。相溶量がこれよりも少ないと変動係数が大きくなるという傾向が大きくなって、本発明の目的の達成が難しくなる。なお有機溶剤を使用する後者の場合は、ブテン重合物を相溶できかつ揮発性の溶剤が使用でき、限定されるものではないが、例えばトルエン,ヘキサン等を用いることができる。これらの有機溶剤を溶媒として用いる場合には、該溶媒は乾燥することで揮発除去できる。鉱油としては、パラフィン系、ナフテン系、中間基系などの鉱油を蒸留分離し、水素化精製あるいは溶剤精製処理を行ったニュ−トラル油、ブライトストック等を挙げることができ、また、常圧蒸留抽出油を溶剤脱ろう処理した油、それをさらに高圧下にて水素精製し硫黄分などの不純物を除去した油なども使用でき、更にこれに限定されず、一般的なねじ締付けに用いられるものであれば使用することができるが、特にはマシン油(ISO VG46)を代表的に挙げることができる。
本発明の安定化剤には、必要に応じて他の目的のための剤を添加することを排除するものではない。このような添加剤としては、例えば、極圧添加剤、泡消し剤、付着の有無を目視確認しやすくするための着色剤、等を挙げることができ、一般的にはこれらの添加剤の添加量は微量であり、本発明の締付け力を安定化させるための上記変動係数Bの影響は実質的に無視できる。
本発明の安定化剤は、平均分子量の大きさの違いによって、ねじ面等に形成される被膜等の付着層の性状は、液状、柔らかい粘性体、ゴム状のものとなる。
本発明にてゴム状とは、粘性体及びゴム状を示す(但し表5は除く)。
このような被膜の性状の違いは、本発明の安定化剤を使用する用途により大きく影響し、例えば、自動車工業等の大量の個数を使用する用途では、締結体製造の作業現場で安定化剤を付着させる作業を行うことは作業能率上、適当でない場合が多いので、締結体構成部品を同部品供給者の工場等で安定化剤付着済みの製品として予め製造し提供することが好ましい。このためにボルト部材等の表面に付着した状態でゴム状の性状を呈するブテン重合体の重量平均分子量50000以上のものを配合した安定化剤が適している。反対に、締結体を少量個数使用する場合には、ボルト部材等の表面への付着作業性などからむしろ組み立て作業現場で安定化剤の塗布を行うことが好ましく、付着した状態で液状を呈する数平均分子量5000以下のものが適している。重量平均分子量5000を越え30000未満のものは工場での付着作業を行う方式や、現場で付着作業を行う方式のいずれの効果を得るために用いることができ、上述した、ゴム状の付着層(被膜:重量平均分子量50000以上)、あるいは液状の付着層(数平均分子量5000以下)のそれぞれの効果を折衷的に利用することになる。
n−ブテン,イソブテン、これら単体の重合体及び共重合体の混合物を用いる場合には、混合物を構成する各ブテンの平均分子量は、同程度であってもよいし異なっていてもよい。平均分子量が大きく異なっているものを混合して用いる場合には、粘度や使用環境温度での安定化特性の調製範囲を広げることができる利点がある。また、組成的に同じブテン重合体(ポリブテン)を、その平均分子量が異なるもの(例えば平均分子量数千のイソブテンと数万のイソブテン)を混合して用いてもよく、粘度や使用環境温度での安定化特性の調製範囲を広げることができる。
上記において「付着」というのは、目的とする表面(ねじ面等)に安定化剤を被覆させることができれば手法は特に限定されず、ブラシ等による塗布、浸漬(ディッピング)、噴霧などのいずれであってもよい。
締結体の表面状態によっては、極圧添加剤(「潤滑の物理化学」p226〜229 :昭和49年.幸書房:参照)や泡消し剤などを本発明の締結体締付け力安定化剤に添加してもよいし、安定化剤の特性上で問題がなければ他の適当な添加剤を添加してもよい。また、付着の有無を目視確認しやすくするために着色剤(顔料,染料等)を本発明の締結体締付け力安定化剤に添加してもよい。
以下、本発明の締結体締付け力安定化剤、本発明の締結体締付け力安定化方法及び本発明の締付け力安定化剤を付着させた締結体構成部品に係る実施例について、添付図面を参照して説明するが、本発明がこの実施例に限定されるものではない。
種々の締付け力安定化剤の実施例と比較例の潤滑剤及び安定化剤を、それぞれボルト、ナット、座金(以下「ボルト等」という)に塗布した後、以下の▲1▼〜▲6▼の条件の下で締付け試験を行い、締結体締付け力安定化特性を比較した。なお、本発明においては、平均分子量の測定は、数平均分子量Mnが5000以下についてはASTM D2503−92により、数平均分子量Mnが5000を越える場合は、重量平均分子量MwをNPCC法(GPC)で求め、さらに重量平均分子量Mw100000以上では粘度平均分子量MvをBASF法によってスタウディンガーインデックスを求め算出した。但し実施例1は重量平均分子量Mw(BASF法:GPC)で求めた。
▲1▼:本発明の締結体締付け力の安定化の程度を示す上記式(6)のトルク係数の変動係数Bの数値は次の条件の試験により求めた。
締付け試験条件
標準ねじ締結体:呼び径六角ボルト(M16ピッチ2mm)、六角ナット(両面取り)M16ピッチ2mm
ボルト強度区分:8.8
ナット強度区分:8
平座金使用:平座金(HRC40±5)使用
ねじ締結体表面処理:亜鉛めっきクロメート処理(JIS H8610 1種B,3級:クロメート処理)
締付け軸力:80KN(但し、表7、図1〜図3、図6、図7は除く)
締付け試験は、締結体、測定装置を設置し、室内の温度が設定する締付け作業時の環境温度に達した後、1時間以上保持してから開始した。
▲2▼:安定化剤の有効成分として、イソブテン(イソブチレン)の重合物、すなわち、ポリイソブチレンとしては、BASF社製の商品名「Glissopal」、商品名「Oppanol」が市販されており、本例においては、これらのうちの「Glissopal」、「Oppanol」を用いた。
▲3▼:安定化剤の有効成分として、イソブテン、n−ブテンの重合物、すなわちポリブテンとしては、日本石油化学(株)社製の商品名「テトラックス」、「ハイモール」、「エバータック」、「日石ポリブテン」、「SV−7000」、Exxon社製の商品名「VISTANEX」、出光石油化学(株)社製の商品名「出光ポリブテン」、日本油脂(株)社製の商品名「Polyvis」及びAmoco社製の商品名「Indopol」、BP社製の商品名「Napvis」が市販されているが、本例においては、これらのうちの「テトラックス」及び「出光ポリブテン」を用いた。
▲4▼:上記▲2▼のポリイソブテンと上記▲3▼のポリブテンの混合組成物を用いた。
▲5▼:本発明品の締付け力安定化剤はイソブテン重合体、n−ブテン重合体及びイソブテンとn−ブテンの共重合体、あるいはこれらの二種又はそれ以上の混合物を用いることができ、混合物の場合には、種々の粘度のものを調製(詳細は表2,表3の欄外に記載)することもできる。なお、表2(実施例1〜12)は、ポリブテンを有機溶剤に溶解せずに付着して被膜とした場合を示し、表3(実施例13〜27)は、ポリブテンをマシン油(ISO VG46)に相溶して用いた場合を示している(相溶割合は表3中に記載)。
▲6▼:比較例1で用いた潤滑剤である鉱油(マシン油)は、一般にねじ締付けに用いられる「ISO VG46」とし、比較例2の固体潤滑剤入りペーストはカルシウム化合物系固体潤滑剤を配合した潤滑剤(ゾルベスト103:STT社製)を用いた。また、比較例3の安定化剤である水溶性樹脂乾燥被覆品には、トルカーCHAグリーン(日本油脂(株)社製)のトルカー処理品を用い、比較例4には、エポキシ樹脂(エピコート828:油化シェルエポキシ(株))を用いた。
以上の▲1▼〜▲6▼の条件・設定に従って、従来例の潤滑剤、安定化剤を用いた場合の締付け試験を行った結果の締結体締付け力安定化特性(トルク係数の変動係数B)を下記表1に示し、本発明例の締付け力安定化剤を用いた場合の締付け試験結果の締結体締付け力安定化特性(トルク係数の変動係数B)を下記表2、表3に示した。また、表2、表3の「混合」の状態は、相溶している状態を示す。
Figure 0005308608
Figure 0005308608
Figure 0005308608
上記表1〜表3から分かるように、比較例1〜3はトルク係数の変動係数B(以下単に「変動係数B」という)が0.06を越えているのに比べ、ブテン重合体をボルト等に付着させた本発明品の例(表2参照)は、変動係数Bが0.06未満と低く、更に安定化粘度が338mPa・s以上、あるいは平均分子量が400以上の例では変動係数Bは0.04未満、特に安定化粘度が628mPa・s以上、あるいは平均分子量が570以上の例では変動係数Bは0.02未満という極めて優れた安定化が得られ、バラツキが小さいことが試験により確認された。
また、ブテン重合体を鉱油に相溶してボルト等に付着させた本発明品の例(表3参照)の変動係数Bは、ブテン重合体の配合割合を多くすることに伴って小さくなる傾向が示され、配合割合が10質量%以上になると変動係数Bは0.04未満、特に配合割合が30質量%以上になると変動係数Bは0.03未満という極めて優れた安定化が得られ、バラツキが小さいことが確認された。
試験例1
以上の測定結果が現れる原因を確認するために、締結体構成部品の座金座面の状態を電子顕微鏡で観察し、結果を図1〜図3に示した。
図1〜図3の状態は、締付けて緩めた状態を示す。
すなわち、図1の電子顕微鏡写真は実施例38と同じ配合の安定化剤を塗布・乾燥した後に締結体締付け軸力60KNで締付けたときの座金座面を示すものであり、図2は比較例5の潤滑剤(マシン油)を塗布した後に軸力60KNで締め付けたときの座金座面を示す電子顕微鏡写真、図3は比較例7の固体潤滑剤入りペースト(カルシウム化合物系固体潤滑剤入りペースト)を塗布した後に軸力60KNで締め付けたときの座金座面を示す電子顕微鏡写真である。
これらの電子顕微鏡写真から分かるように、鉱油(マシン油)を塗布した後に締付けを行った締結体の座金座面は、図2に示すように、めっき表面のクロム層(黒部)が部分的に消失しており、かじりが生じたものと推測される。
また、比較例7の固体潤滑剤入りペーストを塗布した後に締付けを行った締結体の座金座面は、図3に示すように、全面的に線状の傷が観察され、硬い固体潤滑剤がこすり付けられた跡であると推測される。
これに比べて、本発明品の締付け安定化剤を付着させた例では、締付けた座金座面は、図1に示すように部分的に強くこすれているが、クロム層(図1の黒色部分参照)が多く残っていることが明瞭に観察される。
したがって、これらの電子顕微鏡写真から、本発明品で用いた締付け力安定化剤は、比較例の潤滑剤等に比べて締付け力安定化特性が優れていることが分かる。
試験例2
図4は実施例の締付け力安定化剤のポリブテンの粘度とトルク係数との関係を示したグラフである。
粘度2000mPa・s以上の範囲においては、粘度の対数とトルク係数がほぼ直線上にならんでいることが分かる。そして先に示した表3からわかるように粘度が235mPa・s以上であれば、従来例に比べて、実用上十分な優れた性能を有するバラツキの小さい目的の安定化剤を得ることができ、粘度を調整することによって所望のトルク係数に設定できるという利点が得られることが分かる。更に、表2から分かるように、粘度が630mPa・s以上の範囲においては、変動係数Bのバラツキを非常に小さくした安定化剤を得ることができる利点が得られることが分かる。
試験例3
図5は、実施例1の締付け力安定化剤を用いた場合と、比較例1の潤滑剤としてマシン油を用いた場合について、締付け作業時の環境温度がトルク係数に及ぼす影響を調べた結果を示したグラフである。
実施例1の締付け力安定化剤については、トルク係数の締付け温度依存性が非常に小さいのに対し、比較例1の潤滑剤のマシン油についてはトルク係数が大きく変化することが分かる。
ねじ締付け作業において、締結体の締結体締付け軸力を締付けトルクで管理する場合に、温度の影響を考慮することは従来ほとんどされていないが、建設現場のような屋外で作業が行われる場合には、締付け作業時の環境温度は大きく変化するのが普通である。このような場合、トルク係数の変動係数Bの締付け温度依存性が小さいことは、トルク法で締付け軸力を管理するために、その軸力の安定化に大きく寄与するものである。
試験例4
図6は、実施例38の締付け力安定化剤を用いた場合、比較例5のマシン油を用いた場合、比較例7のカルシウム化合物系物質入りペーストを用いた場合、および二硫化モリブデン系固体潤滑剤入りペーストを用いた場合について、繰返し締付け特性を試験した結果を示したグラフである。締付け作業時の環境温度は24℃である。
締結体によっては締付けと緩めを何回も繰返す場合があり、この際にトルク係数が下がると、締め過ぎが生じ、逆に、上ると締付け力が不足し、重大な事故を招き兼ねない。
この図6から分かるように、10回繰返し締付けを行った場合、比較例5のマシン油、比較例7の固体潤滑剤入りペーストを用いると、繰返し締め付けるにつれてトルク係数が大きく低下することが分かる。これでは、締付け回数が増えると締め過ぎが起きやすい傾向になり、締結体に過大な力が負荷されてしまう。
これに対して本発明品である安定化剤を用いた実施例7の場合には、トルク係数変化はほとんど生じないことが分かり、上記従来例の問題を招くことがないという利点が得られる。
試験例5
図7は実施例7の締付け力安定化剤を用いた場合と、比較例1の潤滑剤のマシン油を用いた場合について、ゆるみ特性を比較試験した結果を示したグラフである。
この比較試験の結果から分かるように、潤滑剤のマシン油を用いた場合には、ある締付け軸力(55〜60KN)を境に急峻にゆるむのに対し、本発明品の実施例7の締付け力安定化剤を用いた場合には、締付け軸力は少しずつ徐々にゆるんでいくことが分かる。
このような本発明品で生ずる現象は、例えば、航空機などに用いられている損傷許容設計概念からも非常に有利な点である。つまり損傷許容設計とは、欠陥(損傷)がはじめから存在するという前提で、運用中の繰返し点検により、これらの損傷が致命的な大きさに成長する前に発見し、適切な修理を施す事により構造の健全を保つことを目的としたものであり、たとえねじ締結体がゆるみを生じたとしても、次の点検まで致命的なゆるみに達しにくくなるという意味において従来例に比べて非常に優れており、安全性が極めて重要視される用途において、本発明品を適用することによる利点,重要性は多大なものである。
次に、締結体表面への付着物(水、油)が実施例の締付け力安定化剤の安定化効果に及ぼす影響を確認した試験の結果を示す。
すなわち、ボルト等の締結体構成部品の表面に締結力安定化剤を付着する際に、該表面に水や油が付着していると、締結力安定化剤の付着によるトルク係数の安定化に悪影響を及ぼすかを検討した。この影響は小さいことが望ましいことは言うまでもない。結果を表4に示した。なお、水,油の付着程度はボルトとナット全体を水または油に浸漬させ、水または油がたれない程度で安定化剤を付着とした。
Figure 0005308608
この結果から分かるように、本発明品の安定化剤は、締結体構成部品の表面に水や油が付着していても、トルク係数の変動係数Bが若干低下するものの0.02未満という極めて優れた数値範囲内にあることが確認された。
試験例6
更に、安定化剤を有機溶剤に溶解し、ボルト等の締結体構成部品の表面に塗布等の方法で付着させ、乾燥した後の付着層の性状による安定化特性の違いを検討した試験を行い、その結果を下記表5に示した(有機溶剤に溶解したのは本試験例のみ)。
Figure 0005308608
この表5の結果から分かるように、ブテン重合体を有効成分とする本発明品を用いた場合には、重合度の違い(つまり平均分子量の違い)によりボルト等の締結体構成部品の表面に形成される付着層の性状は、ゴム状、液状、軟らかい粘性体と異なるが、いずれの場合にも変動係数Bは0.02未満という極めて安定した状態を示すことが確認された。
試験例7
締結体における表面処理の影響を調べた結果を表6に示した。表面処理は、亜鉛メッキクロメート処理はJIS H8610 1種B,3級を用い、ダクロタイズト処理は、亜鉛粒子とクロム化合物を被膜化したものを使用した。
Figure 0005308608
この表6の結果から分かるように、変動係数Bは極めて安定した状態を示すことが確認された。
試験例8
締結体における、締付け軸力の影響を調べた結果を表7に示した。
Figure 0005308608
この表7の結果から分かるように、締付け軸力が変わったとしても変動係数Bは極めて安定した状態を示すことが確認された。
発明の効果
本発明の締結体締付け力の安定化剤及び締結体締付け力の安定化方法及び締付け力安定化剤を付着させた締結体によって以下の効果が得られた。
効果1) トルク係数の変動係数Bのバラツキが極めて少なく、締付けトルクを一定としたときの締付け軸力が、極めて変動の少ない範囲で安定して誰保することができる。
効果2) 従来例の固体潤滑剤入りペーストなどに比べ、コストが安い。
効果3) 粘度を変化させるという手法で、トルク係数や変動係数Bを目的とする範囲に設定することができるという利点がある。
効果4) 締付け作業時の環境温度の変化による変動係数Bが小さい。
効果5) 急激なゆるみを生じ難い。
効果6) (固体被覆タイプに比べ)剥離し難い。
効果7) 締結体の繰返し締め付けとゆるめの使用においても、締付け力が安定している。
効果8) 締結体に付着させるのに特別な装置を必要としない。よって、処理数、処理場所の制限を受け難い。
効果9) 被覆タイプに見られる膜厚の影響を受け難い。
効果10) 締結体への水や油の付着の影響を受け難い。
効果11) 締結体への付着処理数が少なくても容易に対応可能。
実施例38の締付け力安定化剤のブテン重合体を塗布し、締め付けて緩めた後の座金座面の状態を示した電子顕微鏡写真。 比較例5の潤滑剤(マシン油)を塗布した後に、締め付けて緩めた座金座面の状態を示した電子顕微鏡写真。 比較例7の潤滑剤(カルシウム化合物系固体潤滑剤入りペースト)を塗布した後に、締め付けて緩めた座金座面を示した電子顕微鏡写真。 試験例2の締付け力安定化剤のブテン重合体の粘度とトルク係数との関係を示したグラフ。 実施例1の締付け力安定化剤のブテン重合体と比較の潤滑剤の鉱油について、締付け作業時の環境温度がトルク係数に及ぼす影響を示したグラフ。 実施例38の締付け力安定化剤のブテン重合体と比較の潤滑剤のマシン油、カルシウム化合物系及び二硫化モリブデン系固体潤滑剤入りペーストについての繰返し締付け特性を示すグラフ。 実施例7の締付け力安定化剤のブテン重合体と比較の潤滑剤のマシン油についてゆるみ特性比較したグラフ。 ボルトの伸びと締付け軸力との関係を示したグラフ。 トルク係数の変化が締付けトルクと締付け軸力に及ぼす影響を示したグラフ。

Claims (10)

  1. 締結体を締め付ける際のトルク係数を安定化させる安定化剤であって、炭素数4の不飽和鎖状炭化水素の重合体を安定化剤の有効成分とし、締結体の締付け作業時の環境温度24℃において安定化剤の粘度が235mPa・s以上であるように調製した締結体締付け力安定化剤。
  2. 炭素数4の不飽和鎖状炭化水素の重合体が、n−ブテンの重合体、イソブテンの重合体、又はn−ブテン及びイソブテンの共重合体のいずれか、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の締結体締付け力安定化剤。
  3. 安定化剤の有効成分を鉱油中に10質量%以上相溶させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の締結体締付け力安定化剤。
  4. 安定化剤の有効成分を有機溶剤に溶解したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の締結体締付け力安定化剤。
  5. 前記有効成分が、ASTM D2503−92で測定した数平均分子量が5000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の締結体締付け力安定化剤。
  6. 前記有効成分が、NPCC法(GPC)で測定した重量平均分子量が50000以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の締結体締付け力安定化剤。
  7. ボルト部材、ナット部材などのねじ部品及び被締結体のねじ螺合部、並びにボルト部材、ナット部材などのねじ部品及び座金、被締結体の座面の少なくともいずれか一つに、請求項1ないし6のいずれかの安定化剤を付着させて用いることを特徴とする締結体締付け力の安定化法。
  8. 前記請求項1ないし6のいずれかに記載の締付け力安定化剤を予めねじ部品、座金、被締結体のねじ螺合部又は座面の少なくともいずれか一つに付着させて保管することを特徴とする締結体を構成する締結体構成部品。
  9. 前記請求項1、2、3、5または6のいずれかの安定化剤の有効成分を有機溶剤に溶解して付着した後、有機溶剤を揮発させて被膜を形成したものであることを特徴とする請求項8に記載の締結体構成部品。
  10. 前記請求項1ないし6のいずれかに記載の締付け力安定化剤を表面に付着させた締結体構成部品がボルト部材,ナット部材などのねじ部品、又は座金及び被締結体の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項8又は9に記載の締結体構成部品。
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