JPH10338824A - 螺合締結部材用の防錆塗料組成物、螺合締結部材および螺合締結装置 - Google Patents

螺合締結部材用の防錆塗料組成物、螺合締結部材および螺合締結装置

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JPH10338824A
JPH10338824A JP33453497A JP33453497A JPH10338824A JP H10338824 A JPH10338824 A JP H10338824A JP 33453497 A JP33453497 A JP 33453497A JP 33453497 A JP33453497 A JP 33453497A JP H10338824 A JPH10338824 A JP H10338824A
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JP
Japan
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rust
coating composition
screw fastening
screw
preventive
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Application number
JP33453497A
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English (en)
Inventor
Toshio Miyagawa
敏夫 宮川
Teruo Iura
輝生 井浦
Masayoshi Hasegawa
昌義 長谷川
Shigeyuki Furukawa
重之 古川
Junzo Mine
順三 嶺
Tadashi Morimoto
正 森本
Shigeru Nakano
茂 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
NOF Corp
Nippon Steel Bolten Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
NOF Corp
Nittetsu Bolten KK
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Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd, NOF Corp, Nittetsu Bolten KK filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高防蝕性、高潤滑性および上塗り塗料との高
適合性で、温度変化に依存せず安定した軸力を得る螺合
締結装置を提供する。 【解決手段】 座金15、雌ねじ部13を有した六角ナット
11および雄ねじ部9を有した高力ボルト1にてトルシア
形高力ボルトセット18を構成する。各表面に亜鉛あるい
はマンガンの燐酸塩皮膜を0.1〜50g/m2 の条件
で形成して下地処理する。燐酸塩皮膜の表面に防錆塗料
組成物を1〜50μmで塗布する。防錆塗料組成物は、
ガラス転移温度が0〜80℃の熱可塑性樹脂を固形分に
対して20〜60重量%、潤滑剤を固形分に対して5〜
40重量%含有する。潤滑剤は、四フッ化エチレン高分
子体、二硫化モリブデン、グラファイト、高級脂肪酸金
属塩を用いる。温度上昇に従って防錆塗料組成物の熱可
塑性樹脂が軟化して粘弾性が増大し潤滑性の増加および
摩擦係数の低下を抑止し一定のトルクで軸力が安定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂を含
有する防錆塗料組成物、この防錆塗料組成物を塗布形成
した螺合締結部材、および、防錆塗料組成物を互いに螺
合する螺合締結部材の少なくともねじ部または座面に塗
布形成した螺合締結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高層ビルや橋などの建造物におい
て、螺合締結部材であるボルト、螺合締結部材である座
金および螺合締結部材であるナットが対になった螺合締
結装置であるボルトセットを締め付けて組み立てた後に
上塗り塗装が施されるが、このボルトセットを締め付け
てから上塗り塗装が施されるまでに長時間を要するた
め、例えば特公昭54−25532号公報、特公昭55
−9566号公報および特開昭50−139130号公
報などに記載のように、防錆塗料組成物をボルトセット
に塗布する構成が知られている。
【0003】そして、特公昭54−25532号公報に
記載のものは、ビニルブチルアルコール樹脂などの樹
脂、防蝕顔料、燐酸、有機溶剤を含有する混合物である
塗料用のビヒクルに粉末ポリエチレンや粉末ポリプロピ
レンを1〜50重量%含有させた防錆塗料組成物を、ボ
ルトセットの表面に塗布して、潤滑性、耐蝕性および上
塗り塗料との高適合性を得ている。
【0004】また、特公昭55−9566号公報に記載
のものは、ボルトセットの表面に燐酸金属塩を0.1〜
50g/m2 で塗布形成した後に、ビニルブチルアルコ
ール樹脂などの樹脂を含有する塗料用のビヒクルと、燐
酸クロム錯塩やポリビニルブチルアルコールのキレート
化合物などのクロム化合物と、四フッ化エチレン高分子
体、二硫化モリブデン、グラファイトおよび高級脂肪酸
金属塩の少なくともいずれか一方の潤滑成分とを主成分
とした混合物を0.1〜50g/m2 で塗布形成して積
層形成し、塗装性、耐蝕性、潤滑性および共まわり防止
性を向上させている。
【0005】さらに、特開昭50−139130号公報
に記載のものは、ビニルブチルアルコール樹脂、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂や顔料などの混合物
である塗料用のビヒクルに四フッ化エチレン高分子体、
二硫化モリブデン、グラファイト、高級脂肪酸金属塩の
少なくともいずれか一方を塗料固形分に1重量%以上5
0重量%以下含有させている。そして、この防錆塗料組
成物をボルトおよびナットに塗布形成することにより、
ボルトおよびナットの加工作業性および螺合の際のトル
ク係数値の低下による螺合性が向上するとともに、別途
ボルトやナットの表面に処理した薄膜および防錆塗料組
成物の表面へ施す塗料との適合性を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、建造物は、
夏季および冬季にかかわらず建造されるため、建造物を
構成する鋼材の温度が季節によって大きく異なる。この
ため、建造物を構成する鋼材と同様に金属にて形成され
たボルトセットの温度も季節によって、例えば0℃付近
から60℃付近と大きく異なる。
【0007】そして、上記特公昭54−25532号公
報、特公昭55−9566号公報および特開昭50−1
39130号公報などに記載の防錆塗料組成物をボルト
セットに塗布して、上塗り塗料との適合性、耐蝕性、潤
滑性および共まわり防止性を向上させる構成では、潤滑
性能としてトルク係数値を小さくして小さいトルクで締
め付けられることにより締付作業性を向上させている
が、この潤滑性は温度が低くなるとトルク係数値が増大
するため、一定の軸力を得るためには通常より高いトル
クで締め付けなければならない。また、温度が高くなる
とトルク係数値が減少するため、一定の軸力を得るため
には通常より低いトルクで締め付けなければならない。
このように、季節の温度変化に従って締め付けるトルク
が大きく変化する。したがって、一定のトルクで締め付
けると、季節が変わって温度が変化すると、締め付け部
分が緩んだり、締め付けが強くなりすぎて、しいてはボ
ルトが破断してしまうおそれがある。
【0008】また、ボルトの締め付けのたびにトルク係
数値を測定したのでは、施工作業が非常に煩雑となり、
実際の施工現場でボルトの締め付け毎にトルク値を測定
することは作業的に非能率的である。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、高防蝕性、高潤滑性および上塗り塗料との高適合性
が得られるとともに、温度変化に依存せず一定の締め付
けトルクで安定した軸力が得られる螺合締結部材用の防
錆塗料組成物、螺合締結部材、および、螺合締結装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の螺合締結
部材用の防錆塗料組成物は、ガラス転移温度が0℃以上
80℃以下の熱可塑性樹脂を固形分に対して20重量%
以上60重量%以下含有したものである。
【0011】そして、ガラス転移温度が0℃以上80℃
以下の熱可塑性樹脂を固形分に対して20重量%以上6
0重量%以下含有することにより、ボルトおよびナット
を螺合させる作業環境の温度に伴って熱可塑性樹脂が軟
化するので、温度変化に伴って粘弾性変化を生じ、温度
上昇による潤滑性の増加を抑止して、温度変化に対応す
る摩擦係数が変化しないことにより、温度が変化しても
安定した軸力が得られる。そして、ガラス転移温度が0
℃より低くなると、常温での正常な塗膜形成が困難とな
り、80℃より高くなると高温域での樹脂の軟化が生じ
ず潤滑性が増大して所定の軸力が得られるまでのトルク
が低くなり、締付作業が煩雑となるので、ガラス転移温
度を0℃以上80℃以下に設定する。また、熱可塑性樹
脂の含有量が固形分に対して20重量%より少なくなる
と、温度変化に対応して粘弾性が変化せず、温度変化に
より軸力が変化してしまい、固形分に対して60重量%
より多くなると、トルク係数値が大きくなり、所定の軸
力が得られるまでのトルクが高くなって締付作業性が煩
雑となるため、熱可塑性樹脂を固形分に対して20重量
%以上60重量%以下で含有させる。
【0012】請求項2記載の螺合締結部材用の防錆塗料
組成物は、請求項1記載の螺合締結部材用の防錆塗料組
成物において、四フッ化エチレン高分子体、二硫化モリ
ブデン、グラファイトおよび高級脂肪酸金属塩の少なく
ともいずれか一方を固形分に対して5重量%以上40重
量%以下含有したものである。
【0013】そして、四フッ化エチレン高分子体、二硫
化モリブデン、グラファイトおよび高級脂肪酸金属塩の
少なくともいずれか一方を固形分に対して5重量%以上
40重量%以下含有させることにより、ボルトおよびナ
ットの締め付け時の共まわりを防止して締付作業性が向
上するとともに、安定した軸力が得られる。そして、含
有量が固形分に対して5重量%より少なくなると、所定
のトルク係数値の範囲内にすることが困難となり、固形
分に対して40重量%より多くなると、熱可塑性樹脂の
含有量が減少してしまい、温度変化に伴うトルク係数値
の変化を緩和する熱可塑性樹脂の粘弾性変化の効果が低
下して温度変化に対する安定した軸力が得られにくくな
るため、含有量を固形分に対して5重量%以上40重量
%以下に設定する。
【0014】請求項3記載の螺合締結部材は、請求項1
または2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物が少な
くともねじ部に塗布されて前記防錆塗料組成物の薄膜が
形成されたものである。
【0015】そして、少なくともねじ部に請求項1また
は2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物を塗布して
防錆塗料組成物の薄膜を形成するため、温度が変化して
も一定のトルクで安定した軸力が得られ、締付作業性が
向上する。
【0016】請求項4記載の螺合締結部材は、請求項1
または2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物が少な
くとも座面に塗布されて前記防錆塗料組成物の薄膜が形
成されたものである。
【0017】そして、請求項1または2記載の螺合締結
部材用の防錆塗料組成物を少なくとも座面に塗布して防
錆塗料組成物の薄膜を形成したため、共まわりを防止し
て締付作業性が向上するとともに、安定した軸力が得ら
れる。
【0018】請求項5記載の螺合締結装置は、互いに螺
合する一対の螺合締結部材の少なくともいずれか一方の
少なくともねじ部に請求項1または2記載の螺合締結部
材用の防錆塗料組成物が塗布されてこの防錆塗料組成物
の薄膜が形成されたものである。
【0019】そして、互いに螺合する一対の螺合締結部
材の少なくともいずれか一方の少なくともねじ部に請求
項1または2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物を
塗布したため、温度が変化しても一定のトルクで安定し
た軸力が得られ、締付作業性が向上する。
【0020】請求項6記載の螺合締結装置は、互いに螺
合する一対の螺合締結部材の少なくともいずれか一方の
少なくとも座面に請求項1または2記載の螺合締結部材
用の防錆塗料組成物が塗布されてこの防錆塗料組成物の
薄膜が形成されたものである。
【0021】そして、互いに螺合する一対の螺合締結部
材の少なくともいずれか一方の少なくとも座面に請求項
1または2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物を塗
布したため、共まわりを防止して締付作業性が向上する
とともに、安定した軸力が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の螺合締結装置の実
施の一形態を図面を参照して説明する。
【0023】図4において、1は螺合締結部材としての
ボルトであるトルシア形の高力ボルトで、この高力ボル
ト1は、略円柱状の軸部2を有している。そして、この
軸部2の一端部には、軸部2の径寸法より径大の略半球
状の頭部3が平面状の座面4を軸部2の他端部側に向け
て設けられている。また、軸部2の他端側には、周方向
に沿ってV溝状の破断溝6が設けられ、この破断溝6の
先端部に軸方向に沿って凹溝状の溝部7を複数有したピ
ンテール8が設けられている。さらに、軸部2の略中間
部分から破断溝6にわたって、ねじ部である雄ねじ部9
が設けられている。
【0024】一方、図5および図6において、11は螺合
締結部材としてのナットである六角ナットで、この六角
ナット11は、周面に平面状の側面部12が略均等に6面設
けられ、中心軸にねじ部である雌ねじ部13が設けられた
六角筒状に形成されている。
【0025】さらに、図1ないし図3において、15は螺
合締結部材としての座金で、この座金15は、略円板環状
に形成され、内周側に高力ボルト1の軸部2を挿通可能
となっている。
【0026】そして、高力ボルト1、六角ナット11およ
び座金15にて、螺合締結装置であるトルシア形高力ボル
トセット18が構成されている。
【0027】また、高力ボルト1および六角ナット11の
表面には、防錆塗料組成物が塗布されて薄膜が1μm以
上50μm以下、例えば20μmの厚さ寸法で形成され
ている。
【0028】そして、この防錆塗料組成物は、ガラス転
移温度が0℃以上80℃以下の熱可塑性樹脂を固形分に
対して20重量%以上60重量%以下、好ましくは、潤
滑剤を固形分に対して5重量%以上40重量%以下で含
有し、その他防錆顔料、体質顔料、着色顔料、有機溶剤
などが適宜分散混合されている。
【0029】また、熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、ビニル樹脂などで、これら樹脂の分子量や重合状態
などにてガラス転移温度が0℃以上80℃以下のものが
用いられる。
【0030】なお、エポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック
型、ダイマー酸、芳香族アミン型などで、特にビスフェ
ノールA型は、防蝕性および上塗り適合性に優れるため
好ましい。
【0031】また、ポリエステル樹脂としては、中油ア
ルキド樹脂、長油アルキド樹脂、超長油アルキド樹脂、
変性アルキド樹脂などが用いられ、特に中油アルキド樹
脂、ロジン変性、フェノール変性、エポキシ変性、ビニ
ル変性アルキド樹脂が、防蝕性および上塗り適合性に優
れるため好ましい。
【0032】一方、アクリル樹脂としては、アクリルモ
ノマーの単重合体および共重合体が用いられる。そし
て、アクリルモノマーとしては、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イ
ソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリ
レート、ラウリルメタクリレート、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジ
ルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビ
ニル、アクリロニトリルなどが用いられる。
【0033】また、フェノール樹脂としては、ノボラッ
ク型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂やアルキド樹脂との変位フェノール樹脂などが
用いられ、特にレゾール型フェノール樹脂が、防蝕性お
よび上塗り適合性に優れるため好ましい。
【0034】さらに、ビニル樹脂としては、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルブチラールなどが用いられ、特に酢酸ビニル樹脂
が、防蝕性および上塗り適合性に優れるため好ましい。
【0035】そして、熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度
が0℃より低くなると、常温での正常な塗膜形成が困難
となり、80℃より高くなると高温域での樹脂の軟化が
生じず潤滑性が増大して所定の軸力が得られるまでのト
ルクが低くなり、作業が煩雑となるので、ガラス転移温
度が0℃以上80℃以下のものを用いる。
【0036】また、熱可塑性樹脂の含有量は、材料の特
性により異なるが、固形分に対して20重量%より少な
くなると、温度変化に対応して粘弾性が変化せず、温度
変化により軸力が変化してしまい、固形分に対して60
重量%より多くなると、トルク係数値が大きくなり、所
定の軸力が得られるまでのトルクが高くなって作業性が
低下するため、固形分に対して20重量%以上60重量
%以下、好ましくは30重量%以上50重量%以下で含
有させる。
【0037】一方、潤滑剤としては、四フッ化エチレン
高分子体、二硫化モリブデン、グラファイト、ステアリ
ン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩が用いられる。
【0038】そして、この潤滑剤は、防錆塗料組成物中
の固形分に対して5重量%より少なくなると、所定のト
ルク係数値の範囲内に調整することが困難となり、製品
間での安定したトルク係数値が得られなくなり、ばらつ
きを生じやすくなり、固形分に対して40重量%より多
くなると、熱可塑性樹脂の含有量が減少してしまい、温
度変化に伴うトルク係数値の変化を緩和する熱可塑性樹
脂の粘弾性変化の効果が低下して、温度変化に対する安
定した軸力が得られにくくなるため、固形分に対して5
重量%以上40重量%以下、好ましくは15重量%以上
25重量%以下で含有させる。
【0039】また、防錆塗料組成物にて形成される薄膜
の厚さ寸法が、1μmより薄くなると、防蝕性、潤滑
性、共まわり防止性が低下するとともに、十分な温度に
対する軸力安定性が得られなくなり、50μmより厚く
なると上塗り塗料が防錆塗料組成物の一部とともに剥離
しやすくなり、密着性が低下、すなわち上塗り塗料との
適合性が低下するとともに、雄ねじ部9および雌ねじ部
13の螺合性が低下するため、1μm以上50μm以下、
好ましくは10μm以上30μm以下に設定する。
【0040】そして、その他として、防錆顔料は、スト
ロンチウムクロメート、ジンククロメート、亜鉛末など
が用いられる。また、体質顔料としては、炭酸カルシウ
ム、タルク、硫酸バリウムなどが用いられる。さらに、
着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、黄
鉛、有機顔料などが用いられる。また、有機溶剤として
は、炭化水素系、アルコール系、エーテル系、エステル
系、ケトン系などが用いられる。
【0041】次に、上記高力ボルト1および六角ナット
11への防錆塗料組成物の薄膜を形成する動作を説明す
る。
【0042】まず、製造された高力ボルト1および六角
ナット11の表面を下地処理する。すなわち、亜鉛あるい
はマンガンの燐酸塩皮膜を0.1g/m2 以上50g/
2以下の条件で形成し、製造の際に表面に付着する油
脂分やスケール分を除去する。なお、この燐酸塩皮膜が
0.1g/m2 より薄くなると、防錆塗料組成物の薄膜
の保持力が低下し、疵がつきやすく耐蝕性も低下すると
ともに、防錆塗料組成物に潤滑剤が含有されている場合
には、この潤滑成分が高力ボルト1の締め付け時に局所
的に偏析して良好な潤滑特性が得られなくなる。また、
50g/m2 より厚くなると燐酸塩皮膜がガラス質であ
るため、脆くなり皮膜としての性能が得られなくなる。
このため、下地処理としての亜鉛あるいはマンガンの燐
酸塩皮膜は0.1g/m2 以上50g/m2 以下、好ま
しくは5g/m2 以上30g/m2 で形成する。
【0043】次に、適宜原料を混合した防錆塗料組成物
を、静電塗装や噴霧などにより噴霧量を調整して所定の
厚さ寸法に塗装し、40℃以上120℃以下で20分以
上40分以下で乾燥し、防錆塗料組成物の薄膜を形成す
る。
【0044】次に、上記高力ボルト1および六角ナット
11の締め付け動作を図面を参照して説明する。
【0045】まず、連結する一対の被連結体20,21にそ
れぞれ設けられた略円形のねじ孔22,22を連通させて一
対の被連結体20,21を重ね合わせる。そして、連通する
ねじ孔22,22に高力ボルト1をピンテール8側から挿通
し、頭部3の座面4を一方の被連結体20の表面に当接さ
せる。
【0046】次に、他方の被連結体21から突出する高力
ボルト1に円板環状の座金15の内周側を挿通させ、図1
に示すように、六角ナット11の雌ねじ部13を高力ボルト
1の雄ねじ部9に螺合させる。この後、略円筒状のアウ
タースリーブ25内に略円筒状のインナースリーブ26を略
同軸上に互いに回転自在に備えた取付冶具27を用いて六
角ナット11を締め付ける。なお、取付冶具27は、アウタ
ースリーブ25の内周面は六角ナット11が回転不可能に挿
入可能に凹凸上に形成され、インナースリーブ26の内周
面はピンテール8が回転不可能に挿入可能に凹凸上に形
成されている。また、取付冶具27は、アウタースリーブ
25に掛かる締め付けトルクの反力がインナースリーブ26
に掛かるようになっている。
【0047】そして、図2に示すように、インナースリ
ーブ26にピンテール8を嵌挿するとともに、アウタース
リーブ25に六角ナット11を嵌挿し、アウタースリーブ25
を回転させて六角ナット11を締め付け、図3に示すよう
に、高力ボルト1の破断溝6の部分にインナースリーブ
26から応力が掛かってピンテール8がねじ切れるように
破断することにより、一定のトルクにより六角ナット11
が締め付けられ、被連結体20,21が連結固定される。な
お、この締付トルクは、ピンテール8の破断するトルク
に一義的に制御されるもので、高力ボルト1のトルク係
数値や強度などの機械的性質や加工精度などの安定化に
より、締付軸力を安定化させる目的のものである。
【0048】次に、上記高力ボルト1および六角ナット
11の作用を説明する。
【0049】高力ボルト1および六角ナット11に塗布形
成された防錆塗料組成物の薄膜は、被連結体20,21を連
結固定する作業環境の温度により、防錆塗料組成物の熱
可塑性樹脂の軟化状態が変化する。
【0050】すなわち、温度が上昇するに従って、熱可
塑性樹脂が軟化して粘弾性が増大し、潤滑性の増大であ
るトルク係数値が低下してくる40℃以上60℃以下の
付近で塗膜の粘弾性が発現し始める。高力ボルト1およ
び六角ナット11の螺合し合う雄ねじ部9と雌ねじ部13と
の粘弾性が増大することにより、温度上昇による潤滑性
の増大を抑制して、温度変化に対応する摩擦係数が変化
しないことにより、温度が上昇してもトルク係数値はほ
とんど変化しない。
【0051】このため、一定のトルクで安定した軸力が
得られ、温度変化により締め付け部分が緩んだり、締め
付けが強くなりすぎて、しいては高力ボルト1が破断し
てしまうおそれがなく、確実な締め付けが行える。そし
て、確実な締め付けが安定して得られるため、全体の締
め付け状態を把握でき、作業性も向上できる。
【0052】このように、上記実施の形態によれば、ガ
ラス転移温度が0℃以上80℃以下の熱可塑性樹脂を固
形分に対して20重量%以上60重量%以下で含有する
防錆塗料組成物の薄膜を塗布成形することにより、高力
ボルト1および六角ナット11を螺合させる作業環境の温
度に伴って熱可塑性樹脂が軟化し、温度変化に伴って粘
弾性変化を生じ、温度変化に対応する摩擦係数が変化せ
ず温度上昇による潤滑性の増加を阻止することにより、
防蝕性、潤滑性および上塗り塗料との高適合性を損なう
ことなく、温度が変化しても一定のトルクで安定した軸
力が得られる。
【0053】また、熱可塑性樹脂を含有する防錆塗料組
成物に四フッ化エチレン高分子体、二硫化モリブデン、
グラファイトおよび高級脂肪酸金属塩の少なくともいず
れか一方を固形分に対して5重量%以上40重量%以下
で含有させたため、潤滑性を向上でき、高力ボルト1お
よび六角ナット11の締め付け時の共まわりを防止でき、
締め付け作業性を向上できるとともに、安定した軸力が
容易に得られる。
【0054】さらに、高力ボルト1および六角ナット11
の外表面に防錆塗料組成物を塗布したため、共まわりを
防止でき、締付作業が容易となって締付作業性を向上で
き、安定した軸力が得られるとともに、防錆塗料組成物
の上塗り塗料との高適合性により、上塗り塗料の剥離が
なく、また上塗り塗料の塗布性も良好で、作業性を向上
できる。
【0055】また、座金15の座面、すなわち六角ナット
11および被連結体20,21に対向する面に防錆塗料組成物
を塗布することにより、例えば降雨などにより水に濡れ
た状態でも、乾燥状態と変わらない一定のトルクで安定
した軸力が得られる。
【0056】なお、上記実施の形態において、トルシア
形の高力ボルト1を用いて説明したが、例えば図7およ
び図8に示すように、側面部30が略均等に6面設けられ
座面31を有した六角頭部32を、一端側にねじ部である雄
ねじ部33を有する軸部34の他端に座面31側に設けた螺合
締結部材としてのボルトである高力六角ボルト35に、六
角ナット11が螺合して座金15とともに締結する螺合締結
装置である六角ボルトセット36でも同様の効果が得られ
る。
【0057】そして、螺合締結装置としては、上述した
防錆塗料組成物を塗布した座金15を備えたトルシア形高
力ボルトセット18および六角ボルトセット36の他に、座
金15を備えないいずれのボルトおよびいずれのナットの
みにて螺合締結装置が構成されるもの、あるいは螺合締
結部材としてのねじ、または頭部を有しないいわゆるい
もねじ式のものを螺合締結部材として構成される螺合締
結装置など、螺合して締結するいずれのものでも対象と
することができ、これら螺合して締結するいずれの螺合
締結部材あるいは螺合締結装置でも上述と同様の効果が
得られる。
【0058】また、防錆塗料組成物として、潤滑剤を含
有させて説明したが、設定するトルク係数値、例えばJI
S-B-1186に規定されたトルク係数値の平均が0.110
〜0.150のAランクでは潤滑剤が必要であるが、
0.150〜0.190のBランクとなれば、潤滑剤を
含有させなくてもよい場合もあり得る。
【0059】さらに、高力ボルト1および六角ナット11
の双方の外表面に熱可塑性樹脂および潤滑剤を含有する
防錆塗料組成物を塗布して説明したが、設定するトルク
係数値となれば、適宜一方のみに塗布してもよい。すな
わち、いずれか一方のみに潤滑剤が含有された防錆塗料
組成物または潤滑剤が含有されていない防錆塗料組成物
を塗布したり、一方に潤滑剤が含有されていない防錆塗
料組成物を塗布し他方に潤滑剤が含有された防錆塗料組
成物または潤滑剤が含有されていない防錆塗料組成物を
塗布するなど、いずれの組み合わせでもできる。
【0060】そして、座金15についても、全く防錆塗料
組成物を塗布しないもの、潤滑剤が含有されていない防
錆塗料組成物を塗布したもの、潤滑剤が含有された防錆
塗料組成物を塗布したもの、また一般的に用いられてい
る防錆塗料、防止塗料あるいは無機ジンク塗料などを塗
布したものでもよい。
【0061】また、高力ボルト1および六角ナット11の
外表面に防錆塗料組成物を塗布して説明したが、少なく
とも主として軸力に影響する雄ねじ部9および雌ねじ部
13の部分にのみ塗布してもよい、すなわち、雄ねじ部9
および雌ねじ部13の部分にのみに防錆塗料組成物を塗布
しその他の部分は従来の単なる防錆を目的とした塗料を
塗布するなどしてもよい。
【0062】さらに、軸力に影響する高力ボルト1の被
連結体20,21と対向する座面4や六角ナット11の被連結
体20,21や座金15と対向する座面、あるいは座金15の被
連結体20,21や六角ナット11に対向する座面にのみ防錆
塗料組成物を塗布するなどしてもよい。また、座金15の
片面のみに塗布してもよい。
【0063】
【実施例】次に、上記実施の形態の防錆塗料組成物を塗
布したボルト、ナットおよび座金を備えた螺合締結装置
であるボルトセットの各温度および水濡れ時における軸
力安定状況、耐蝕性および上塗り塗料との適合性につい
て、各種組成の異なる防錆塗料組成物を比較試料として
用いたものと比較した。
【0064】なお、ボルトセットとしては、高力六角ボ
ルト35、六角ナット11および座金15,15を備えた六角ボ
ルトセット36、および、トルシア形の高力ボルト1、六
角ナット11および座金15を備えたトルシア形高力ボルト
セット18で、JIS-B-1186に規定されたねじの呼びがM1
2、M16、M20、M22、M24、M27、M30
のサイズのものを用いた。
【0065】そして、燐酸マンガン皮膜を15g/m2
で形成して下地処理した後、各種防錆塗料組成物を厚さ
寸法が略30μmとなるように塗布し、80℃で30分
程度乾燥した後、20℃にて1週間放置したものを用い
た。なお、配合比は、表1に示す。また、座金は、無機
質ジンクリッチプライマー(日本油脂株式会社製 商品
名:ムキゼットNo.2000)を10〜20μmの厚
さで塗布したもの、各種防錆塗料組成物をボルトおよび
ナットの条件と同様に塗布したもの、ボルトおよびナッ
トと同様に燐酸マンガンにて下地処理した後に各種防錆
塗料組成物を塗布したものを用いた。
【0066】
【表1】 また、熱による軸力安定状況の試験は、六角ボルトセッ
ト36およびトルシア形高力ボルトセット18を、測定する
温度に設定した恒温槽内に恒温状態で1時間保持し、取
り出した後に直ちに試験機にセットして締め付けを行
う。そして、六角ボルトセット36の場合には、トルク−
軸力の関係よりトルク係数値を求めた。また、トルシア
形高力ボルトセット18は、取付冶具27であるトルシア形
専用電動レンチで締め付け、ピンテール8が破断した時
の軸力を測定した。なお、試験機としては、50トンボ
ルト試験機(川崎製鐵製、商品名:BIS−520)を
用いた。
【0067】さらに、水濡れ時の軸力安定状況の試験、
すなわち例えば降雨などにより水に濡れた状態で使用す
る状況を想定して測定する試験は、六角ボルトセット36
およびトルシア形高力ボルトセット18を、約20℃の水
道水中に30分間浸漬後、直ちに試験機にセットして締
め付け、熱による軸力安定状況の試験と同様にトルク係
数値あるいは軸力を測定した。
【0068】一方、耐蝕性の試験としては、JIS-K-5400
に基づいた塩水噴霧試験400時間およびJIS-K-5400に
基づいたサンシャインカーボンアーク灯式の耐候性試験
2500時間行い、錆および塗料の膨れ・剥がれの発生
がないものを耐蝕性が良好とした。
【0069】また、上塗り塗料との適合性について、ゴ
バン目試験を行った。このゴバン目試験は、試験片とし
てボルトおよびナットと同一条件で、150mm×70mm
×0.8mmの鋼板の表面に下地処理して防錆塗料組成物
の薄膜を形成し、100時間耐候性試験を行った後、上
塗り塗料を塗布形成する。なお、上塗り塗料としては、
鉛系錆止め塗料(日本油脂株式会社製 商品名:ダイオ
No.400)を35μmの厚さで2度塗りしたもの、
フェノールジンククロメート(日本油脂株式会社製 商
品名:レジスプライマー)を30μmで塗布した後にフ
ェノール樹脂塗料(日本油脂株式会社製 商品名:ニッ
サンMIO)を60μmで塗布したもの、エポキシプラ
イマー(日本油脂株式会社製 商品名:エピコマリンプ
ライマー)を60μmの厚さで塗布した後にエポキシ樹
脂塗料(日本油脂株式会社製 商品名:エピコマリン上
塗)を60μmの厚さで塗布したもの、ポリウレタン樹
脂塗料(日本油脂株式会社製 商品名:ハイウレタンN
o.2800)を60μmの厚さで2度塗りしたもの、
タールエポキシ樹脂塗料(日本油脂株式会社製 商品
名:バラスコNo.800)を110μmの厚さで塗布
したもの、タールウレタン樹脂塗料(日本油脂株式会社
製 商品名:バラスコNo.800 速乾形)を110
μmの厚さで塗布したものの6種類で行った。
【0070】そして、各試験片の中央に、JIS-K-5400で
規定された新しい安全カミソリ用片刃を用いて、皮膜部
分に2mm間隔で格子状に素地に達する切り傷を入れて2
5個のマス目を作り、その上にJIS-Z-1522で規定された
粘着テープを完全に密着するように貼り付けた後、粘着
テープを一気に剥がしてマス目の残存数を調べ、1マス
も剥がれないものを上塗り塗料との適合性が良好である
とした。
【0071】そして、各種試験の結果を表2ないし表5
に示す。なお、表2ないし表4に示す結果は、座金15の
表面に無機質ジンクリッチプライマーを塗布したものを
用いた。また、表4および表5に示す結果は、M22の
サイズのものを用いた。
【0072】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 そして、表2に示す高力六角ボルト35を用いた場合に
は、常温である20℃においては、従来より用いられて
いる防錆塗料組成物と本実施例の防錆塗料組成物とは同
様のトルク係数値が得られた。そして、温度が0℃、4
0℃、60℃と変化した場合、従来の防錆塗料では温度
が上がるに従ってトルク係数値が減少したが、本実施例
の防錆塗料では高力六角ボルト35のサイズにかかわらず
ほぼ一定のトルク係数値が得られ、温度が変化しても安
定したトルク係数値が得られた。そして、上塗り塗料と
の適合性についても、剥離が全く認められず良好であっ
た。
【0073】また、表3に示すトルシア形の高力ボルト
1においても、常温である20℃では従来の防錆塗料組
成物と本実施例の防錆塗料組成物とは同様の締付軸力が
得られ、温度が上がるに従って従来の防錆塗料組成物の
締付軸力は増大するのに対し、本実施例の防錆塗料組成
物の締付軸力はほぼ一定しており、温度にかかわらず安
定した軸力が製品間のばらつきなく得られることが分か
った。そして、上塗り塗料との適合性も全く剥離せず、
良好な結果が得られた。
【0074】さらに、表4にも示すように、熱硬化性樹
脂を用いた塗料番号29のものは、温度が上昇するに従
って締付軸力が増大した。
【0075】また、表4および表5に示す結果から、熱
可塑性樹脂でもガラス転移温度が0℃および80℃の塗
料番号4および5は温度が変化しても安定したトルク係
数値が得られたが、ガラス転移温度が−10℃および9
0℃の塗料番号21および22では締付軸力が増大し
た。さらに、防錆塗料組成物の薄膜の厚さ寸法が1μm
および50μmの塗料番号6および7は安定した締付軸
力が得られ上塗り塗料との適合性も良好であったが、薄
膜の厚さ寸法が0.5μmおよび52μmの塗料番号2
3および24は温度の上昇とともに軸力が増大し、上塗
り塗料との適合性も不良であった。また、熱可塑性樹脂
が固形分に対して20重量%および60重量%の塗料番
号1、3、8および10は温度の変化にかかわらず安定
したトルク係数値が得られたが、熱可塑性樹脂が固形分
に対して18重量%および62重量%の塗料番号19、
20、25および26は温度が上昇するに従ってトルク
係数値の低下が認められた。
【0076】そして、熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂
(三井東圧化学株式会社製 商品名:エポキ−81
1)、ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製 商品
名:バイロン300)、アクリル樹脂(日立化成工業株
式会社製 商品名:ヒタロイド1641A)、フェノー
ル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製 商品名:ス
ーパーベッカサイト1001)、ビニル樹脂(ユニオン
・カーバイド・日本株式会社製商品名:ビニライトVY
HH)などの種類が変わっても、熱による軸力安定、耐
蝕性および上塗り塗料との適合性に変わりはなく、とも
に良好であった。
【0077】また、潤滑剤として、四フッ化エチレン高
分子体(ヘキスト合成株式会社製商品名:ホスタフロン
TF9205)、二硫化モリブデン(住鉱潤滑剤株式
会社製 商品名:モリ PAパウダー)、グラファイト
(住鉱潤滑剤株式会社製商品名:グラファイトパウダー
2000M)および高級脂肪酸金属塩(日本油脂株式会
社製 商品名:カルシウムステアレート)などの種類が
変わっても、同様に温度による軸力安定、耐蝕性および
上塗り塗料との適合性に変わりはなく、ともに良好であ
った。さらに、潤滑剤の固形分に対して4重量%の塗料
番号27は、潤滑性の向上が図れず、固形分に対して4
2重量%の塗料番号28は、軸力が過大となった。
【0078】そして、潤滑剤を含有した防錆塗料組成物
を高力六角ボルト35のみ用い、六角ナット11には全く塗
装を設けない場合(試験番号16)でも、温度に対して
安定したトルク係数値が得られた。また、通常は六角ナ
ット11側を締め付けるが、締付箇所の状況により高力六
角ボルト35側を締め付ける状況が生じ得るが、試験番号
16および17の結果から、締め付ける側の塗装状況を
問わず、温度に対して安定したトルク係数値が得られ
た。
【0079】したがって、ガラス転移温度が0℃以上8
0℃以下の熱可塑性樹脂が固形分に対して20重量%以
上60重量%以下含有し、膜厚を1μm以上50μm以
下にすることが、温度に対して安定した軸力が得られ、
耐蝕性および上塗り塗料との適合性も良好であることが
分かる。
【0080】また、潤滑剤を添加する場合には、固形分
に対して5重量%以上40重量%以下で含有させること
で良好な潤滑特性が得られることが分かる。
【0081】一方、表5に示す水濡れ時の軸力安定状況
を測定した結果から、座金15に防錆塗料組成物を塗布し
たものおよび無機質ジンクリッチプライマーを塗布した
ものにおいては表4に示す結果と同様にそれぞれ温度に
対して安定した軸力が得られるが、水に濡れた状態で螺
合させた場合において、無機質ジンクリッチプライマー
を塗布したものでは、六角ボルトセット36ではトルク係
数値が低下し、トルシア形ボルトセット18では軸力が増
大し、締め付けが過度となる状況となったが、座金15に
も防錆塗料組成物を塗布すると水に濡れた状態でもトル
ク係数値あるいは軸力は変化していない。また、従来の
塗料を用いたものでも、座金15に無機質ジンクリッチプ
ライマーを塗布したものでは、水に濡れることによりト
ルク係数値あるいは軸力が変化することがわかる。
【0082】そして、水に濡れた状態を観察すると、無
機質ジンクリッチプライマーを塗布したものは、吸水し
た状態となっていた。このため、無機質ジンクリッチプ
ライマーを塗布したものは、少なくとも表面に微細な凹
凸により水が担持された状態となって、締め付け時にこ
の担持された水が螺合部分や座面に水膜状に介在するこ
とによって、乾燥時と異なるトルク係数値あるいは軸力
が得られなくなるものと思料される。
【0083】したがって、座金15にも本発明の防錆塗料
組成物を塗布することにより、温度に対して安定した特
性が得られるとともに、降雨などの水が付着する状況で
使用しても安定した特性が得られ、例えば水を拭き取っ
たり乾燥させる必要がなく、乾燥時と同様にそのまま締
め付けでき、締付作業性を向上できることがわかる。ま
た、水が付着しても特性が変化しないことから、保存や
搬送が容易で製品梱包も簡略化できる。
【0084】なお、座金15において、下地処理の有無に
おける特性の変化は認められなかった。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載の螺合締結部材用の防錆塗
料組成物によれば、ガラス転移温度が0℃以上80℃以
下の熱可塑性樹脂を20重量%以上60重量%以下で含
有したため、螺合締結部材を螺合させる作業環境の温度
に伴って熱可塑性樹脂の軟化状態が異なり、温度変化に
伴って粘弾性変化を生じ、温度上昇による潤滑性の増加
を阻止して、温度変化に対応する摩擦係数が変化しない
ことにより、温度が変化しても安定した軸力が得られ
る。
【0086】請求項2記載の螺合締結部材用の防錆塗料
組成物によれば、請求項1記載の螺合締結部材用の防錆
塗料組成物の効果に加え、四フッ化エチレン高分子体、
二硫化モリブデン、グラファイトおよび高級脂肪酸金属
塩の少なくともいずれか一方を5重量%以上40重量%
以下で含有したため、螺合締結部材の締め付け時の共ま
わりを防止でき締付作業性を向上できるとともに、安定
した軸力が得られる。
【0087】請求項3記載の螺合締結部材によれば、少
なくともねじ部に請求項1または2記載の螺合締結部材
用の防錆塗料組成物を塗布して防錆塗料組成物の薄膜を
形成したため、温度が変化しても一定のトルクで安定し
た軸力が得られ、締付作業性を向上できる。
【0088】請求項4記載の螺合締結部材によれば、請
求項1または2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物
を少なくとも座面に塗布して防錆塗料組成物の薄膜を形
成したため、共まわりを防止でき締付作業性を向上でき
るとともに、安定した軸力が得られる。
【0089】請求項5記載の螺合締結装置によれば、互
いに螺合する一対の螺合締結部材の少なくともいずれか
一方の少なくともねじ部に請求項1または2記載の螺合
締結部材用の防錆塗料組成物を塗布したため、温度が変
化しても一定のトルクで安定した軸力が得られ、締付作
業性を向上できる。
【0090】請求項6記載の螺合締結装置によれば、少
なくとも座面に請求項1または2記載の螺合締結部材用
の防錆塗料組成物を塗布したため、共まわりを防止でき
締付作業性を向上できるとともに、安定した軸力が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の螺合締結装置の実施の一形態を示すト
ルシア形高力ボルトセットの締め付け状況を説明する一
部を切り欠いた側面図である。
【図2】同上トルシア形高力ボルトセットの締め付け状
況を説明する一部を切り欠いた側面図である。
【図3】同上トルシア形高力ボルトセットの締め付け状
況を説明する一部を切り欠いた側面図である。
【図4】同上トルシア形の高力ボルトを示す側面図であ
る。
【図5】同上六角ナットを示す一部を切り欠いた側面図
である。
【図6】同上平面図である。
【図7】本発明の螺合締結装置の他の実施の形態を示す
六角ボルトセットの締め付け状況を説明する一部を切り
欠いた側面図である。
【図8】同上高力六角ボルトを示す側面図である。
【符号の説明】
1 螺合締結部材としてのボルトであるトルシア形の
高力ボルト 4 座面 9,33 ねじ部としての雄ねじ部 11 螺合締結部材としてのナットである六角ナット 13 ねじ部としての雌ねじ部 15 螺合締結部材としての座金 18 螺合締結装置であるトルシア形高力ボルトセット 35 螺合締結部材としてのボルトである高力六角ボル
ト 36 螺合締結装置である六角ボルトセット
フロントページの続き (72)発明者 井浦 輝生 福岡県行橋市西泉四丁目3番2号 日鐵ボ ルテン株式会社技術部内 (72)発明者 長谷川 昌義 神奈川県横浜市戸塚区下倉田町296 日本 油脂株式会社塗料事業部技術本部工業塗料 技術部内 (72)発明者 古川 重之 神奈川県横浜市戸塚区下倉田町296 日本 油脂株式会社塗料事業部技術本部工業塗料 技術部内 (72)発明者 嶺 順三 福岡県北九州市八幡西区折尾四丁目32番7 号 (72)発明者 森本 正 福岡県北九州市八幡西区鉄王一丁目3番20 号 (72)発明者 中野 茂 福岡県遠賀郡遠賀町大字別府4387番地

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度が0℃以上80℃以下の
    熱可塑性樹脂を固形分に対して20重量%以上60重量
    %以下含有したことを特徴とする螺合締結部材用の防錆
    塗料組成物。
  2. 【請求項2】 四フッ化エチレン高分子体、二硫化モリ
    ブデン、グラファイトおよび高級脂肪酸金属塩の少なく
    ともいずれか一方を固形分に対して5重量%以上40重
    量%以下含有したことを特徴とする請求項1記載の螺合
    締結部材用の防錆塗料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の螺合締結部材用
    の防錆塗料組成物が少なくともねじ部に塗布されて前記
    防錆塗料組成物の薄膜が形成されたことを特徴とする螺
    合締結部材。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の螺合締結部材用
    の防錆塗料組成物が少なくとも座面に塗布されて前記防
    錆塗料組成物の薄膜が形成されたことを特徴とする螺合
    締結部材。
  5. 【請求項5】 互いに螺合する一対の螺合締結部材の少
    なくともいずれか一方の少なくともねじ部に請求項1ま
    たは2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物が塗布さ
    れてこの防錆塗料組成物の薄膜が形成されたことを特徴
    とする螺合締結装置。
  6. 【請求項6】 互いに螺合する一対の螺合締結部材の少
    なくともいずれか一方の少なくとも座面に請求項1また
    は2記載の螺合締結部材用の防錆塗料組成物が塗布され
    てこの防錆塗料組成物の薄膜が形成されたことを特徴と
    する螺合締結装置。
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