JP5171705B2 - フッ素含有排水の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明はフッ素含有排水の処理方法に関し、更に詳しくは重金属が共存する場合であっても、フッ素を含有する排水からそれらを簡便な手段で経済的且つ効率的に高レベルで除去することができるフッ素含有排水の処理方法に関する。
従来、フッ素含有排水の処理方法として、フッ素含有排水に硫酸アルミニウムのようなアルミニウム源を加え、アルミニウムイオンの存在下でpH調整してフッ素を凝集沈澱又は共沈させる方法(例えば特許文献1及び2参照)、フッ素含有排水に塩化カルシウムや水酸化カルシウムのようなカルシウム源を加え、カルシウムイオンの存在下でpH調整してフッ素を凝集沈澱又は共沈させる方法(例えば特許文献3〜5参照)等が知られている。しかし、これらの従来法には、アルミニウム源やカルシウム源の使用量の割にはフッ素の除去が不充分で、概して相当量の沈殿物が副生するため、その処理がまた厄介という問題がある。
ところで、フッ素を含有する石膏にリン酸水素カルシウム二水和物(CaHPO・2HO)を加えると、該石膏からのフッ素の溶出を低減できることが知られており(例えば非特許文献1参照)、またフッ素で汚染された土壌にリン酸水素カルシウム二水和物の水懸濁処理物を加えると、該土壌からのフッ素の溶出を低減できることが知られている(例えば特許文献6参照)。これらの従来法は共に、リン酸水素カルシウムの粒子表面でフッ素がフッ素アパタイトとなって不溶化するのを利用するものである。そこでフッ素含有排水に対しても、かかるリン酸水素カルシウム二水和物やその水懸濁処理物を加えて、該排水からフッ素を除去することが考えられる。しかし、実際のところ、フッ素含有排水にリン酸水素カルシウム二水和物やその水懸濁処理物を加え、混合し、固液分離して、固形分を回収しても、それらの添加量の割には該排水からのフッ素の除去が不充分であり、なかでも排水中に鉛やカドミウム等の重金属が共存すると、特にカドミウムが共存すると、それらがリン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面でフッ素がフッ素アパタイトとなって不溶化するのを妨げるためと推察されるが、フッ素の除去が著しく不充分になるという問題がある。
特開平9−276875号公報 特開2006−320865号公報 特開2001−340870号公報 特開2002−143864号公報 特開2005−224670号公報 特開2007−216156号公報
ジャーナル オブ ザ ヨーロピアン セラミック ソサエティ(Journal of the European Ceramic Society)26(2006)767〜770
本発明が解決しようとする課題は、重金属が共存する場合であっても、フッ素含有排水からフッ素や更には重金属を簡便な手段で経済的且つ効率的に高レベルで除去することができるフッ素含有排水の処理方法を提供する処にある。
前記の課題を解決する本発明は、フッ素含有排水に下記の活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合し、排水中のフッ素を該活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面で不溶化させた後、固液分離して、排水中のフッ素を除去することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法に係る。
活性化リン酸水素カルシウム二水和物:リン酸水素カルシウム二水和物を水/リン酸水素カルシウム二水和物の質量比が35〜100となる50〜80℃の水中で1〜60分間撹拌して、その粒子表面をエッチング処理したもの
本発明では先ず、フッ素含有排水に、前記したような活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合する。加える活性化リン酸水素カルシウム二水和物の量は、排水中のフッ素含有量等にもよるが、通常はフッ素1モルに対して5〜25モル、好ましくは7.5〜25モルとなる量とする。また混合時間は通常、0.5〜2時間程度とする。
前記のように活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合すると、排水中のフッ素は活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面でフッ素アパタイトとなって不溶化するので、本発明では次に、活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合したものを固液分離し、固形分を回収する。固液分離には、それ自体は公知の各種の濾過機や遠心分離機を使用することができる。排水中のフッ素は活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面でフッ素アパタイトとして不溶化され、かかる固液分離で固形分として回収されるので、排水から除去される。
本発明では、前記したように、フッ素含有排水に活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加える。ここで活性化リン酸水素カルシウム二水和物というのは、リン酸水素カルシウム二水和物を水/リン酸水素カルシウム二水和物の質量比が35〜100となる50〜80℃の水中で1〜60分間撹拌して、その粒子表面をエッチング処理したものである。原料となるリン酸水素カルシウム二水和物としては、市販品や合成品を適宜使用することができる。排水からのフッ素の除去程度は、フッ素が活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面でフッ素アパタイトとしてどの程度不溶化されるかによって異なり、具体的には活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面の構造等によって異なる。実際のところ、表面が滑らかな柱状結晶構造を呈する市販のリン酸水素カルシウム二水和物やその単なる水懸濁処理物を使用しても、排水からフッ素を相応に除去することができるが、そのためには、それらの使用量(添加量)を多くしたり、処理時間を長くしたり、また厄介な付加的操作をする必要がある。
しかし、前記したようにその粒子表面をエッチング処理することにより活性化した活性化リン酸水素カルシウム二水和物を使用すると、比較的少量の使用量(添加量)及び短い処理時間で、そこに鉛やカドミウムのような重金属が共存する場合であっても、フッ素や更には重金属の除去率を著しく高めることができる。実際のところ、その粒子表面を好ましいナノメータ(nm)レベルのエッチング構造とした活性化リン酸水素カルシウム二水和物を使用すると、そこに鉛やカドミウムのような重金属が共存する場合であっても、排水からのフッ素の除去率を、95〜100質量%にまですることができる。
前記のようなエッチング処理は、リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面を好ましいナノメータ(nm)レベルのエッチング構造とするため、リン酸水素カルシウム二水和物を水中で撹拌するときの水/リン酸水素カルシウム二水和物の質量比、温度及び時間、なかでも温度に注意し、水/リン酸水素カルシウム二水和物の質量比を35〜100、温度を50〜80℃及び時間を1〜60分間とする。
本発明では、フッ素含有排水に、先ず下記のカルシウム塩を加えて混合し、次いで前記のように活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合するのが好ましい。かかるカルシウム塩は通常、フッ素含有排水に対して0.01〜0.5質量%となる量、好ましくは0.1〜0.5質量%となる量加える。
カルシウム塩:塩化カルシウム、硝酸カルシウム及び硫酸カルシウムから選ばれる一つ又は二つ以上
フッ素含有排水に、活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えることに先立って、前記のように特定のカルシウム塩を加えて混合すると、排水からフッ素を更に高レベルで除去することができる。ケイ酸カルシウム、フッ化カルシウム、炭酸カルシウム等の他のカルシウム塩では、効果が得られないだけではなく、逆効果になることがある。
前記したように、フッ素含有排水に単にリン酸水素カルシウム二水和物やその水懸濁処理物を加え、混合し、固液分離して、固形分を回収しても、それらの添加量の割には該排水からのフッ素の除去が不充分であり、なかでも排水中に鉛やカドミウム等の重金属が共存すると、特にカドミウムが共存すると、それらがリン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面でフッ素がフッ素アパタイトとなって不溶化するのを妨げるためと推察されるが、フッ素の除去が著しく不充分になり、また重金属の除去、特にカドミウムの除去も不充分になる。しかし、pH4.0〜10.0、好ましくは5.8〜8.6の調整下で、活性化リン酸水素カルシウム二水和物を用いる本発明によれば、フッ素含有排水が更に鉛やカドミウムのような重金属を共存する場合であっても、排水中のフッ素を活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面でフッ素アパタイトとして充分に不溶化させると共に排水中の重金属を該活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面に充分に吸着させることができるため、排水からフッ素及び重金属を高レベルで除去することができる。
本発明によると、鉛やカドミウムのような重金属が共存する場合であっても、フッ素含有排水からフッ素及び重金属を簡便な手段で経済的且つ効率的に除去することができる。
市販のリン酸水素カルシウム二水和物A等を用いてフッ素含有排水を処理したときのフッ素イオンの濃度を例示するグラフ。 市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aの粒子表面を例示する5000倍の走査型電子顕微鏡写真。 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの粒子表面を例示する5000倍の走査型電子顕微鏡写真。 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを用いてフッ素含有排水を処理したときのフッ素イオンの濃度を片対数で例示するグラフ。 カルシウム塩を加え、活性化リン酸水素カルシウム二水和物Bを用いてフッ素含有排水を処理したときのフッ素イオンの濃度を片対数で例示するグラフ。 塩化カルシウムを加え、活性化リン酸水素カルシウム二水和物Bを用いてフッ素含有排水を処理したときのフッ素イオンの濃度を例示するグラフ。 市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aを用いて重金属を共存させたフッ素含有排水を処理したときのフッ素イオン及び重金属イオンの濃度を例示するグラフ。 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを用いて重金属を共存させたフッ素含有排水を処理したときのフッ素イオン及び重金属イオンの濃度を例示するグラフ。
試験区分1
市販のフッ素液を用いて調製したフッ素イオンを20mg/L含有する水溶液300gに、下記のリン酸水素カルシウム二水和物A、水懸濁処理物A又は活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを0.1〜0.6g加え、25℃の温度下で1時間混合し、遠心分離して、固形分を回収した。固形分を回収した後の遠心分離液をイオンクロマトグラフに供し、フッ素イオンの濃度を求めた。結果を表1及び図1に示した。
リン酸水素カルシウム二水和物A:市販品(試薬)
水懸濁処理物A:リン酸水素カルシウム二水和物Aを200質量倍の水に懸濁し、20〜25℃の室温下で24時間撹拌した後、遠心分離した固形分を同じ室温下で通風乾燥したもの
活性化リン酸水素カルシウム二水和物A:リン酸水素カルシウム二水和物Aを50質量倍の50℃の水中で1時間撹拌して、その粒子表面をエッチング処理し、ナノメータ(nm)レベルのエッチング構造としたもの














Figure 0005171705
図1において、横軸はリン酸水素カルシウム二水和物A等の添加量(g)を示しており、縦軸はフッ素イオンの濃度(mg/L)を示していて、1はリン酸水素カルシウム二水和物Aについてフッ素イオンの濃度を示す曲線、2は水懸濁処理物Aについてフッ素イオンの濃度を示す曲線、3は活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aについてフッ素イオンの濃度を示す曲線である。また図2は、市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aの粒子表面を例示する5000倍の走査型電子顕微鏡写真、図3は活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの粒子表面を例示する5000倍の走査型電子顕微鏡写真である。図示を省略するが、水懸濁処理物Aの粒子表面は図2と図3の中間のような様相を呈している。これらの表1、図1、図2及び図3からも明らかなように、粒子表面が滑らかな柱状結晶構造を呈する市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aやその水懸濁処理物Aに比べて、粒子表面がナノメータ(nm)レベルのエッチング構造を呈する活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aは、少ない添加量且つ短い時間で、排水からフッ素イオンを高レベルで除去することができる。
試験区分2
市販のフッ素液を用いて調製したフッ素イオンを20mg/L含有する水溶液300gに、前記の活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを0.30g、0.45g又は0.60g加え、25℃の温度下で0.5〜3時間混合し、遠心分離して、固形分を回収した。固形分を回収した後の遠心分離液をイオンクロマトグラフに供し、フッ素イオンの濃度を求めた。結果を表2及び図4に示した。
Figure 0005171705
図4において、横軸は混合時間(時)を示しており、縦軸はフッ素イオンの濃度(mg/L)を対数で示していて、4は活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの添加量が0.30gの場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、5は活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの添加量が0.45gの場合についてフッ素イオン濃度を示す曲線、6は活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの添加量が0.60gの場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線である。
試験区分3
市販のフッ素液を用いて調製したフッ素イオンを20mg/L含有する水溶液500gに、無添加の場合を除いて後述する7種類のカルシウム塩のいずれかを2.5g加え、25℃の温度下で0.5時間撹拌した後、下記の活性化リン酸水素カルシウム二水和物Bを0.5g加え、25℃の温度下で1〜6時間撹拌し、遠心分離して、固形分を回収した。固形分を回収した後の遠心分離液をイオンクロマトグラフに供し、フッ素イオンの濃度を求めた。結果を表3及び図5に示した。
活性化リン酸水素カルシウム二水和物B:市販のリン酸水素カルシウム二水和物B(ゼラチン製造時の副生物)を50質量倍の50℃の水中で1時間撹拌して、その粒子表面をエッチング処理し、ナノメータ(nm)レベルのエッチング構造としたもの
Figure 0005171705
図5において、横軸は混合時間(時)を示しており、縦軸はフッ素イオンの濃度(mg/L)を対数で示していて、7はCaSiOを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、8はCaCoを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、9はCa(OH)を加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、10はCaFを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、11は無添加の場合(カルシウム塩を加えなかった場合)についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、12はCaSO・2HOを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、13はCa(NO)・2HOを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線、14はCaClを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線である。これらの表3及び図5からも明らかなように、フッ素含有排水に活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えることに先立って、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウムのようなカルシウム塩を加えて混合すると、排水からフッ素イオンを更に高レベルで除去することができる。
試験区分4
市販のフッ素液を用いて調製したフッ素イオンを20mg/L含有する水溶液300gに、塩化カルシウムを0.2〜1.2g加え、25℃の温度下で0.5時間撹拌した後、前記の活性化リン酸水素カルシウム二水和物Bを0.30g加え、25℃の温度下で1時間撹拌し、遠心分離して、固形分を回収した。固形分を回収した後の遠心分離液をイオンクロマトグラフに供し、フッ素イオンの濃度を求めた。結果を表4及び図6に示した。
Figure 0005171705
図6において、横軸はCaClの添加量(g)を示しており、縦軸はフッ素イオンの濃度(mg/L)を示していて、15はCaClの添加量に対するフッ素イオンの濃度を示す曲線である。
試験区分5
市販のフッ素液を用いて調製したフッ素イオンを20mg/L含有する水溶液20gに、硝酸鉛又は硝酸カドミウムを加えて鉛イオン又はカドミウムイオンが5〜15mg/Lとなるよう共存させ、更に撹拌しながら少量の水酸化カルシウムを加えてpH5.5に調整した後、前記した市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aを0.02g加え、25℃の温度下で24時間混合し、遠心分離して、固形分を回収した。固形分を回収した後の遠心分離液をイオンクロマトグラフに供してフッ素イオンの温度を求めると共に、ICP発光分光分析に供して鉛イオン又はカドミウムイオンの濃度を求め、それらの除去率を計算した。結果を表5及び7に示した。
Figure 0005171705
図7において、横軸は共存させた鉛イオン又はカドミウムイオンの初期濃度(mg/L)を示しており、縦軸はフッ素イオン、鉛イオン又はカドミウムイオンの除去率(質量%)を示していて、16は鉛イオンの除去率を示す曲線、17は鉛イオンを共存させた場合のフッ素イオンの除去率を示す曲線、18はカドミウムイオンの除去率を示す曲線、19はカドミウムイオンを共存させた場合のフッ素イオンの除去率を示す曲線である。これらの表5及び図7からも明らかなように、市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aを用いると、鉛イオンやカドミウムイオンが共存する場合は、それらが共存しない場合に比べ、フッ素イオン、鉛イオン及びカドミウムイオンの除去率が総じて低くなり、特にカドミウムイオンが共存する場合は、フッ素イオン及びカドミウムイオンの除去率が著しく低くなる。
試験区分6
市販のフッ素液を用いて調製したフッ素イオンを20mg/L含有する水溶液20gに、硝酸鉛又は硝酸カドミウムを加えて鉛イオン又はカドミウムイオンが5〜15mg/Lとなるよう共存させ、更に撹拌しながら少量の水酸化カルシウムを加えてpH5.5に調整した後、前記した活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを0.02g加え、25℃の温度下で24時間混合し、遠心分離して、固形分を回収した。固形分を回収した後の遠心分離液をイオンクロマトグラフに供してフッ素イオンの温度を求めると共に、ICP発光分光分析に供して鉛イオン又はカドミウムイオンの濃度を求め、それらの除去率を計算した。結果を表6及び図8に示した。
Figure 0005171705
図8において、横軸は共存させた鉛イオン又はカドミウムイオンの初期濃度(mg/L)を示しており、縦軸はフッ素イオン、鉛イオン又はカドミウムイオンの除去率(質量%)を示していて、20は鉛イオンの除去率を示す曲線、21は鉛イオンを共存させた場合のフッ素イオンの除去率を示す曲線、22はカドミウムイオンの除去率を示す曲線、23はカドミウムイオンを共存させた場合のフッ素イオンの除去率を示す曲線である。これらの表6及び図8からも明らかなように、市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aに代えて、その粒子表面をナノメータ(nm)レベルのエッチング構造とした活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを用いると、鉛イオンが共存する場合はいうまでもなく、カドミウムイオンが共存する場合も、フッ素イオン、鉛イオン及びカドミウムイオンを高レベルで除去することができる。
1 市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aについてフッ素イオンの濃度を示す曲線
2 水懸濁処理物Aについてフッ素イオンの濃度を示す曲線
3 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aについてフッ素イオンの濃度を示す曲線
4 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの添加量が0.30gの場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
5 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの添加量が0.45gの場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
6 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aの添加量が0.60gの場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
7 CaSiOを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
8 CaCOを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
9 Ca(OH)を加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
10 CaFを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
11 無添加の場合(カルシウム塩を加えなかった場合)についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
12 CaSO・2HOを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
13 Ca(NO・2HOを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
14 CaClを加えた場合についてフッ素イオンの濃度を示す曲線
15 CaClの添加量に対するフッ素イオンの濃度を示す曲線
16 市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aを加えた場合について鉛イオンの除去率を示す曲線
17 市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aを加え、鉛イオンを共存させた場合についてフッ素イオンの除去率を示す曲線
18 市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aを加えた場合についてカドミウムイオンの除去率を示す曲線
19 市販のリン酸水素カルシウム二水和物Aを加え、カドミウムイオンを共存させた場合についてフッ素イオンの除去率を示す曲線
20 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを加えた場合について鉛イオンの除去率を示す曲線
21 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを加え、鉛イオンを共存させた場合についてフッ素イオンの除去率を示す曲線
22 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを加えた場合についてカドミウムイオンの除去率を示す曲線
23 活性化リン酸水素カルシウム二水和物Aを加え、カドミウムイオンを共存させた場合についてフッ素イオンの除去率を示す曲線

Claims (6)

  1. フッ素含有排水に下記の活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合し、排水中のフッ素を該活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面で不溶化させた後、固液分離して、排水中のフッ素を除去することを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。
    活性化リン酸水素カルシウム二水和物:リン酸水素カルシウム二水和物を水/リン酸水素カルシウム二水和物の質量比が35〜100となる50〜80℃の水中で1〜60分間撹拌して、その粒子表面をエッチング処理したもの
  2. フッ素含有排水中のフッ素1モルに対して5〜25モルとなる量の活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加える請求項1記載のフッ素含有排水の処理方法。
  3. フッ素含有排水に先ず下記のカルシウム塩を加えて混合し、次いで活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合する請求項1又は2記載のフッ素含有排水の処理方法。
    カルシウム塩:塩化カルシウム、硝酸カルシウム及び硫酸カルシウムから選ばれる一つ又は二つ以上
  4. フッ素含有排水に対して0.01〜0.5質量%となる量のカルシウム塩を加える請求項記載のフッ素含有排水の処理方法。
  5. フッ素含有排水が更に重金属を共存するものであり、かかる排水にpH4.0〜10.0の調整下で活性化リン酸水素カルシウム二水和物を加えて混合し、排水中のフッ素を活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面で不溶化させると共に排水中の重金属を該活性化リン酸水素カルシウム二水和物の粒子表面に吸着させた後、固液分離する請求項1又は2記載のフッ素含有排水の処理方法。
  6. 重金属がカドミウムである請求項記載のフッ素含有排水の処理方法。
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