JP3047833B2 - 6価クロムの処理方法 - Google Patents

6価クロムの処理方法

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JP3047833B2 JP8270048A JP27004896A JP3047833B2 JP 3047833 B2 JP3047833 B2 JP 3047833B2 JP 8270048 A JP8270048 A JP 8270048A JP 27004896 A JP27004896 A JP 27004896A JP 3047833 B2 JP3047833 B2 JP 3047833B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は6価クロム含有水の
処理方法に関し、特に6価クロムで汚染された土壌、地
下水の6価クロムの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、6価クロム含有廃水の処理は、
「公害防止の技術と法規(第5訂)、水質編248〜2
53頁、1995年」に示されるように、硫酸第一鉄、
亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤とpHを低く抑えるた
めの酸を添加して、6価クロムを3価のクロムに還元し
た後、3価のクロムイオンを消石灰等のアルカリ剤を添
加し水酸化クロムにして沈殿分離する還元−水酸化物沈
殿法、この方法において6価クロムを3価のクロムに還
元するときに電解処理をする電解還元法が還元処理方法
として一般的に使用されている。他の方法としては、6
価クロムイオンを強塩基性陰イオン交換樹脂や活性炭に
吸着させるイオン交換法や吸着剤法が用いられている。
また土壌中の低濃度の6価クロムの処理は、活性炭、亜
炭等を土壌中に添加する方法が取られるが、高濃度の場
合は廃水中の処理と同様に硫酸第一鉄等の還元性の物質
を導入して還元反応を行い、その後アルカリで中和して
3価クロムを固定化し、最後に溶出防止と封じ込め処理
のためコンクリートやアスファルトで覆う方法が用いら
れた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
の処理方法は以下の問題を有していた。第1の問題点は
pH管理を要するため、そのための装置や設備が必要と
なることである。その理由は、6価クロムの還元反応に
適したpH値と水酸化クロムの沈殿物を生成するのに適
したpH値が異なり、それぞれの反応に適したpH値に
管理する必要があるからである。第2の問題点は、土壌
中の高濃度の6価クロムの処理において、処理のために
用いる薬剤の添加により新たな汚染が生じてしまうこと
である。すなわち、6価クロムの処理に還元剤およびp
Hをコントロールするための薬品を多量に使用するた
め、添加した薬剤が土壌に残留し、新たな汚染を引き起
こすことが問題となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、6価クロムで汚染された環境中にシリコンを導入
することを特徴とする。シリコンをアルカリ水溶液中あ
るいは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を含有し
た中性領域の水に添加するとシリコンと水酸イオンとの
反応で発生する電子が、6価クロムを3価クロムに還元
する。生成した3価のクロムイオンは、pHの中性から
弱アルカリ領域で水酸化物となり、水酸化クロムの沈殿
物を生成する。またシリコンが溶解して形成したケイ酸
やシリコンの表面に形成されたシラノール基に3価のク
ロムイオンは吸着される。この反応によりシリコンやケ
イ酸は3価のクロムイオンとイオン結合で架橋し、反応
の進行とともに沈殿を生成し、透明な上清を得ることが
できる。シリコンを使用すれば、シリコンからの電子の
放出と水酸化クロムの生成が同じpH領域で進行するた
め、反応を管理する装置や設備を必要としない。またシ
リコンは、還元作用とアルカリの中和作用の両方を持つ
ため、6価クロムの還元反応の進行に伴って上昇するp
Hを調整し、pH調整用の酸の添加を必要としない。ま
たシリコンは元素に由来する毒性が無く、シリコンが溶
解あるいは酸化されて形成される酸化ケイ素も元来土壌
中に最も多く含まれる成分であるため、シリコンの添加
による新たな汚染の心配がない。これらの理由により本
願の発明は、特に土壌、地下水に含まれる6価クロムの
処理に最適である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明におけるシリコンは各種形態のものを利用できる
が、反応性を考慮すれば、粒子状のものが好ましい。粒
子状の場合、例えば0.01μm〜100μmのものが
利用できる。処理に迅速性を必要とせず、シリコンが徐
々に溶解するpHの高い環境であれば、特に粒径を問わ
ない。粒子状のシリコンが半導体製造プロセスやシリコ
ンウエハ製造プロセス等から排出されるシリコンスラッ
ジであれば、安価に利用できる。また土壌中の有機塩素
化合物の処理を行う場合は、シリコンを水性媒体に懸濁
させた状態で導入することが好ましい。シリコンは水酸
イオンとの反応で発生する電子により6価クロムを3価
クロムに還元するからであり、また、シリコンが水に溶
解して形成したケイ酸やシリコンの表面に形成されたシ
ラノール基が3価のクロムイオンを吸着する作用を有す
るからである。
【0006】本発明における塩基性物質として、水酸化
ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、酸化カルシウム等を挙げることができ、こ
れらの2種以上を組み合わせて用いることもできる。ま
たシリコンの粉末を凝集沈殿する必要がある場合は、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水中で多価の
陽イオンが生成する塩基性物質が適している。添加環境
中での添加物質の制限が無ければ、上記以外の塩基性物
質でも可能であり、本発明が上記の塩基性物質の列挙例
に制限されるものではない。
【0007】本発明におけるアルカリ金属塩として、リ
チウム、ナトリウム、カリウム等の塩を挙げることがで
きる。実用的には、環境に与える影響の少ない、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが好
ましいが、上記以外のアルカリ金属塩を添加した場合で
もシリコンを還元剤として使用でき、本発明が上記の列
挙例に制限されるものではない。
【0008】本発明におけるアルカリ土類金属塩とし
て、マグネシウム塩、カルシウム塩等を挙げることがで
きる。実用的には、環境に与える影響の少ない、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム等が好ましいが、上記以外
のアルカリ土類金属塩でもシリコンを還元剤として使用
でき、本発明が上記の列挙例に制限されるものではな
い。
【0009】本発明の6価クロムの処理方法は、シリコ
ンと還元反応によって生じた3価クロムの凝集が同時に
おこるため、3価クロムの溶出を防ぐことができる。ま
た6価クロム含有水中で生成した凝集沈殿物は透水性に
優れるため簡単に濾別できる。また反応過程でシリコン
の表面にはシラノール基が形成されるため、他の重金属
イオンをシリコン表面に吸着する効果もある。さらに凝
集沈殿物はケイ素成分が多く、ガラス固化やセメント固
化に適した廃棄物となる。
【0010】本発明の方法で6価クロム含有水を処理す
る場合、例えば、シリコン粒子を充填したカラムに通水
する方法が挙げられる。この場合シリコンが水中に溶解
するよう高いpHに調製すればその効果が持続する。ま
た回分式で6価クロム含有水を処理する場合は、6価ク
ロム含有水を貯めた槽にシリコンスラッジを添加して、
水酸化カルシウム等でpHを中性領域以上に調製すれば
よい。反応が進行すれば透明な上澄水が得られるため、
6価クロムの濃度を確認後、上澄水を排出すればよい。
また沈殿物の透水性は高く、濾別も可能である。
【0011】本発明の方法で6価クロムで汚染された土
壌や土壌間隙水、地下水を処理する場合、例えば、汚染
土壌を耕転しシリコンと混合させることによりシリコン
を土壌中に導入できる。また土壌の浄化対象範囲に供給
口が位置するように埋設した管により、シリコン懸濁水
をポンプ等によって供給する方法などによってもシリコ
ンを導入できる。汚染物質とシリコンの混合方法によっ
て本発明が何ら制限されるものではない。また処理後の
土壌中に残留する3価のクロムは、6価クロムに比べ毒
性が著しく低く、土壌中で水酸化物を形成あるいはシリ
コンと凝集しているため土壌中に保持され、地下水を汚
染しない。本発明により浄化された土壌は、3価のクロ
ムイオンの溶出を低減し、かつ硫酸塩等の添加を行って
いないため、新たな汚染もない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。 〔実施例1および比較例1〕容量300mlのネジ口ガ
ラス瓶にクロム濃度を35.0mg/lに調製した重ク
ロム酸カリウム水溶液100mlを入れ、水酸化カルシ
ウム粉末を添加して瓶内水溶液のpHを9に調製した。
これにシリコン粒子(平均粒径0.8μm)を1gを添
加し、蓋をした。このサンプルを実施例1とした。比較
例1として重クロム酸カリウム水溶液に水酸化カルシウ
ム粉末を添加し、pHを9に調製したサンプルを水素ガ
スで気相置換したものを用いた。用いたシリコン粒子
は、半導体製造プロセスから排出されたシリコンウエハ
の裏面研磨排水から高速遠心沈澱によって分離・乾燥さ
れたシリコン粒子を用いた。このサンプルを25℃の恒
温に置いた。7日後のガラス瓶中の上清を採取し、6価
クロムイオンと3価クロムイオン濃度をJISK010
2により定量した。表1に得られた結果を示す。
【0013】
【表1】 シリコン粒子を添加した場合は、7日後に6価クロムイ
オン濃度が0.04mg/lまで低下し、3価クロムイ
オン濃度は0.1mg/lまで低下していた。これに対
し比較例ではクロムイオン濃度に大きな変化が見られな
かった。なお、実施例1のサンプルにおいてシリコンか
ら水素ガスが発生するが、6価クロムの還元は、発生し
た水素ガスによるものではない。比較例のサンプルは水
素で気相置換されているにもかかわらず6価クロムの減
少が認められないからである。
【0014】〔実施例2および比較例2〕内容量500
mlのアクリルの容器に土壌400g、クロム濃度を3
5.0mg/lに調製した重クロム酸カリウム水溶液2
00mlを添加し、シリコン粒子(平均粒径0.8μ
m)を2g炭酸カルシウムを2g添加し、これを攪拌混
合して実施例2とした。実施例2の条件よりシリコンを
除いたサンプルを比較例2とした。シリコン粒子は、半
導体製造プロセスから排出されたシリコンウエハの裏面
研磨排水から高速遠心沈殿によって分離・乾燥されたシ
リコン粒子を用いた。このサンプルを25℃の恒温に置
いた。14日後のアクリル容器内の土壌の上清を採取
し、6価クロムイオンと3価クロムイオン濃度をJIS
K0102により定量した。表2に得られた結果を示
す。
【0015】
【表2】 比較例2では6価クロムイオン濃度は13.4mg/l
まで低下していた。これに対しシリコン粒子を添加した
実施例2では、14日後の6価クロムイオン濃度が0.
03mg/lまで低下し、3価クロムイオン濃度が0.
1mg/lまで低下していた。シリコン添加による6価
クロムの処理効果が明らかである。また実験開始時に炭
酸カルシウムを添加したのみで、後はpHをコントロー
ルしていないことから、この処理方法ではpH管理が不
要なことがわかる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の6価クロ
ムの処理方法は、中性からアルカリ性領域で、6価クロ
ムを還元処理すると同時に3価のクロムを凝集沈殿して
水溶液中より分離することができるため、処理途中でp
Hを調製する必要が無い。またシリコンを使用するので
添加する物質による新たな汚染を起こさない。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6価クロムで汚染された環境に含まれる
    6価クロムを処理する方法において、該環境中にシリコ
    ンを導入することを特徴とする6価クロムの処理方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコンの形態が微粒子状である請
    求項1に記載の6価クロムの処理方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコンを水性媒体に懸濁させた状
    態で前記環境に導入する請求項1または2に記載の6価
    クロムの処理方法。
  4. 【請求項4】 塩基性物質を更に前記環境中に添加する
    請求項1〜3のいずれかに記載の6価クロムの処理方
    法。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩
    の少なくとも1種を更に前記環境中に添加する請求項1
    〜4のいずれかに記載の6価クロムの処理方法。
  6. 【請求項6】 前記環境が水である請求項1〜5のいず
    れかに記載の6価クロムの処理方法。
  7. 【請求項7】 前記環境が土壌である請求項1〜5のい
    ずれかに記載の6価クロムの処理方法。
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CN1096481C (zh) * 1996-08-20 2002-12-18 大曹株式会社 聚合物固态电解质

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JP2006058107A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Atox Co Ltd 放射性物質を含んだクロメート廃液の処理方法

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