JP2774096B2 - 汚濁排水の浄化処理剤 - Google Patents

汚濁排水の浄化処理剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚濁排水の浄化処理
剤に関し、更に詳しくは、処理対象の汚濁排水が有機系
であると無機系であるとを問わず、当該排水中に溶存し
ている例えば金属類のような溶存汚濁物質と、浮遊懸濁
物質(SS)とを同時に沈降・分離することができ、そ
の結果、当該汚濁排水を浄化して水質の優れた処理水に
転化することができる新規な汚濁排水の浄化処理剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】汚濁排水の処理は、従来、当該排水に各
種の無機系凝集剤または/および有機系凝集剤を投入し
て排水中のSSを凝集させて汚泥とし、ついで、その汚
泥と処理水とに分離している。そして、処理水は所定の
水質基準を満たすように例えばpH調整されたのち放流さ
れ、分離汚泥は脱水し固形化して廃棄される。
【0003】このときに使用される凝集剤は、無機凝集
剤,有機系凝集剤のいずれにおいても、排水中のSSを
有効に凝集させることに主たる目的が設定されている。
したがって、例えばCr,Pb,Cdのような金属類が
溶存している汚濁排水に凝集剤を投入した場合、これら
金属類の一部はSSの汚泥で取り囲まれた状態で分離さ
れるとはいえ、投入した凝集剤それ自体は、これら金属
類を固定して分離する能力を備えていないので、これら
溶存汚濁物質を有効に除去できるわけではない。すなわ
ち、汚濁排水中の溶存汚濁物資を除去するためには、別
の処理システムが必要になる。
【0004】また、従来の排水処理によって得られた分
離汚泥は、一般に、水に溶けやすい。したがって、その
分離汚泥に上記した金属類などが含有されている場合に
は、これら溶存汚濁物質が分離汚泥から再溶出してしま
い、新たな環境汚染を引き起こすことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の汚濁
排水の処理における上記したような問題を解決すること
ができる粉体の浄化処理剤の提供を目的とする。具体的
には、汚濁排水をきわめて短時間のうちに汚泥と清浄な
処理水に分離することができ、そして、汚濁排水が酸
性,アルカリ性のいずれの場合であっても浄化処理能力
を備え、しかも処理水は中性となるので、従来のよう
に、処理水のpH調整を行う必要がなく、また汚濁排水中
の前記溶存汚濁物質の固定・分離と、SSの凝集分離と
を同時に実現することができ、更には、分離汚泥は安定
で水に難溶性であり、そのため汚濁物質の再溶出を抑制
することができる新規な汚濁排水の浄化処理剤の提供を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、アルミナ・けい酸塩を主体
とする天然鉱物30〜50重量%と硫酸カルシウム45
〜65重量%と有機系凝集剤1〜5重量%とから成る主
成分100重量部に対し、硫酸アルミニウム30〜50
重量部、塩化アルミニウム5〜10重量部、および、炭
酸ナトリウム,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,ド
ロマイトの群から選ばれる少なくとも1種20〜40重
量部が配合されていることを特徴とする汚濁排水の浄化
処理剤が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の浄化処理剤は、アルミナ
・けい酸塩を主体とする天然鉱物と硫酸カルシウムと有
機系凝集剤とで主成分を構成する。そして、この主成分
に、更に、硫酸アルミニウムと塩化アルミニウムとアル
カリ金属炭酸塩とが必須成分として配合されている。
【0008】まず、上記主成分におけるアルミナ・けい
酸塩を主体とする天然鉱物としては、例えば、モンモリ
ロナイト(Al5/3Mg1/3Si410(OH)21/3・m
2O),パイロフィライト(Al2Si410(O
H)2),カオリナイト(Al2Si25(OH)4),ハロ
イサイト(Al2Si25(OH)4),セリサイト(K
1.0(H 3O)1.0Al4(SiAl)820(OH)4),マスコ
ナイト(KAl2(OH)2[Al・Si310]),パラゴ
ナイト(NaAl2(OH)2[Al・Si310])などを
あげることができる。これら天然鉱物はそれぞれ単独で
用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0009】この天然鉱物は次のような作用効果を発揮
するものと考えられる。すなわち、これら天然鉱物の主
体であるアルミナ・けい酸塩は両性化合物であって、汚
濁排水に接触すると当該汚濁排水に当初は懸濁し、その
後経時的に溶解していく。そして、溶解が進むにつれて
汚濁排水が酸性領域にある場合は陽イオンとして、また
アルカリ領域にある場合は陰イオンとして存在し、それ
自体がイオン交換能を発揮する。そのため、汚濁排水中
で例えばイオン形態をとって溶存している金属類やシア
ン成分や有機金属成分などの溶存汚濁物質に対しては、
それらを収着・固定する作用効果を発揮する。そして、
溶解の進行と同時に自らは高分子化していき、汚濁排水
からの分離が進行する。
【0010】また、これらの天然鉱物には、多種多様の
鉱物性微量元素(ミネラル成分)が含有されており、こ
れらのミネラル成分は汚濁排水に経時的に溶出する。そ
して、汚濁排水に水溶性の有機物が存在する場合、この
溶出したミネラル成分は、当該有機物を酸化・分解する
排水中の溶存酸素や解離酸イオンと作用して、その一部
は塩となって前記有機物と結合し、そのことにより前記
水溶性の有機物を水に難溶性の凝固体に転化させ、有機
物成分の分離を促進する。また、分離汚泥における前記
再溶出を抑制する。ミネラル成分の上記作用効果は、腐
敗が進行した有機物を含有する汚濁排水の処理にとって
とくに有用である。
【0011】なお、天然鉱物の上記作用効果は、汚濁排
水のpH値が3〜9の範囲、すなわち、酸性領域,中性領
域,アルカリ領域のいずれにおいても有効に発揮され
る。次に、主成分を構成する硫酸カルシウムとしては、
具体的には、石膏をあげることができる。石膏として
は、2水石膏,半水石膏,無水石膏などの1種またはこ
れらの混合物をあげることができる。
【0012】この硫酸カルシウムは、汚濁排水に懸濁
し、または非常に遅速ではあるがその一部が溶解し、後
述する硫酸アルミニウムや塩化アルミニウムから解離し
た酸成分を中和するとともに、そのときに生成する塩が
核となって凝集反応を促進する。すなわち、凝集助剤と
して機能する。また、主成分を構成する有機系凝集剤と
しては、その種類が格別限定されるものではなく、アニ
オン系,カチオン系,ノニオン系など従来から市販され
ているものであれば何であってもよい。
【0013】この有機系凝集剤は、他の成分の働きによ
って形成された微細な凝集物を吸着・架橋して粗大な凝
集物にする働きをし、もって、凝集物の分離効果を促進
する。本発明の浄化処理剤における他の必須成分である
硫酸アルミニウムと塩化アルミニウムは、いずれも、汚
濁排水に接触すると同時に直ちに溶解して加水分解し、
硫酸アルミニウムの場合は酸化アルミニウムと硫酸に、
塩化アルミニウムの場合は酸化アルミニウムと塩酸にそ
れぞれ解離する。
【0014】そして、酸化アルミニウムは、イオン化し
たコロイド状の重縮合水酸化アルミニウムに転化し、S
S表面におけるζ電位の低下作用を発揮することにより
SSを微粒子状に凝集させる。また、アルカリ領域にお
いては、汚濁排水中に存在する有機金属成分などを無機
化したり、金属類などの溶存汚濁物質を収着・固定した
りする機能も発揮する。
【0015】次に、炭酸ナトリウム,炭酸カルシウム,
炭酸マグネシウム,ドロマイトの群から選ばれる少なく
とも1種は、汚濁排水に接触すると直ちに溶解して、前
記した硫酸アルミニウムと塩化アルミニウムの解離によ
って生成した酸成分を中和する。すなわち、中和剤とし
て機能する。
【0016】本発明の浄化処理剤において、前記主成分
は、天然鉱物30〜50重量%,硫酸カルシウム45〜
65重量%,有機系凝集剤1〜5重量%の割合をもって
構成される。天然鉱物を30重量%より少なくすると、
天然鉱物の前記した作用効果が充分に発揮されず、溶存
汚濁物質の収着・固定・分離,SSの凝集分離、また分
離汚泥の再溶出抑制が充分に実現できなくなる。また5
0重量%より多くすると、天然鉱物の前記作用効果は飽
和して使用量が無駄になるだけではなく、処理水が白濁
しはじめ、また他の成分の相対的な割合が減少してそれ
ら成分の前記した作用効果が犠牲になってしまう。好ま
しい割合は35〜45重量%である。
【0017】硫酸カルシウムを30重量%より少なくす
ると、硫酸カルシウムの凝集助剤としての凝集促進効果
は不充分となり、凝集物は低密度になるため排水処理に
要する時間は長くなり、また、65重量%より多くして
も上記の効果は飽和して使用量は無駄になるだけではな
く、処理水が白濁しはじめ、また他の成分の相対的な割
合が減少してその成分の作用効果が減殺される。好まし
くは、50〜60重量%である。
【0018】有機系凝集剤を1重量%より少なくする
と、有機系凝集剤の前記した作用効果は充分に発揮され
ず、また5重量%より多くすると、凝集物がべたつきは
じめ、凝集分離した汚泥の後処理に難が生ずる。本発明
の浄化処理剤は、上記した主成分に対し、更に、硫酸ア
ルミニウム,塩化アルミニウム,アルカリ金属炭酸塩が
配合される。
【0019】その場合、これら必須成分の配合量は、処
理対象の汚濁排水のpH値との関係で決定される。例え
ば、汚濁排水が酸性領域にある場合は、硫酸アルミニウ
ムと塩化アルミニウムの配合量を少なくし、同時にアル
カリ金属炭酸塩の配合量を多くして、処理水が中性にな
るような処置が採られる。逆に、汚濁排水がアルカリ領
域にある場合は、硫酸アルミニウムと塩化アルミニウム
の配合量を多くし、同時にアルカリ金属炭酸塩の配合量
を少なくする。いずれにしても、処理水が中性になるよ
うにこれら3成分の配合量が選定される。
【0020】そして、前記主成分における天然鉱物の前
記した特異な作用効果は、pH値3〜9の範囲で有効に発
揮されるので、上記3成分の配合量は、得られた浄化処
理剤を処理対象の汚濁排水に投入したときに、当該排水
のpH値が3〜9となるような量に設定される。具体的に
は、前記主成分100重量部に対し、硫酸アルミニウム
は30〜50重量部,塩化アルミニウムは5〜10重量
部、そして、炭酸ナトリウム,炭酸カルシウム,炭酸マ
グネシウム,ドロマイトの群から選ばれる少なくとも1
20〜40重量部に設定される。このとき、汚濁排水
のpH値は3〜9の範囲内におさまり、前記天然鉱物の特
異な作用効果の発揮が阻害されるという問題は起こらな
くなる。
【0021】そして、上記3成分は、主成分に対する上
記配合量の範囲内において、処理水を中性にするために
その配合量の増減が調整されることになる。本発明の浄
化処理剤は、前記した各成分の粉末を所定の割合で混合
することにより製造される。使用に当たっては、汚濁排
水に投入し、全体を撹拌すればよい。そのときの使用量
は、処理対象の汚濁排水の性状によっても多少増減する
が、通常、汚濁排水に対する濃度として50〜500mg
/l程度であればよい。
【0022】また、撹拌は強く行うことが好ましい。本
発明の浄化処理剤を用いて生成した凝集物は固く高密度
であり、撹拌しても崩壊や再溶解を起こすこともなく、
むしろ、撹拌すればするほど、各成分の前記した作用効
果が有効に発揮されるからである。
【0023】
【実施例】
1.浄化処理剤の調製 モンモリロナイト,パイロフィライト,カオリナイトを
重量比で8:8:7で混合して成る混合粉末:39.3
重量%,無水石膏粉末:57.1重量%,アクリルアマ
イド系凝集剤とアルギン酸系凝集剤を重量比で1.5:
0.5で混合して成る有機系凝集剤粉末:3.6重量%を
混合して主成分を構成した。
【0024】ついで、この主成分100重量部に対し、
硫酸アルミニウム粉末:39.3重量部,塩化アルミニ
ウム粉末:7.1重量部,炭酸ナトリウムと炭酸カルシ
ウムとドロマイトを重量比で8:4:5で混合して成る
混合粉末:30.4重量部とを混合して、本発明の浄化
処理剤を調製した。この浄化処理剤は、pH値4〜9の排
水に使用できるものである。
【0025】比較のために、下記の凝集剤を調製した。
上記した実施例の主成分において、アルミナセメント粉
末:39.3重量%,無水石膏粉末:57.1重量%,ア
クリルアマイド系凝集剤とアルギン酸系凝集剤を重量比
で1.5:0.5で混合して成る有機系凝集剤粉末:3.
6重量%を混合して主成分を構成した。
【0026】ついで、この主成分100重量部に対し、
硫酸アルミニウム粉末:39.3重量部,塩化アルミニ
ウム粉末:7.1重量部,炭酸ナトリウムと炭酸カルシ
ウムとドロマイトを重量比で8:4:5で混合して成る
混合粉末:30.4重量部とを混合して、比較例の凝集
剤を調製した。2.これらの浄化処理剤を用いて、以下
のような汚濁排水の処理を行った。
【0027】1)下水処理 A下水処理場の最初の沈殿池から得られ、表1で示した
性状を有する一次処理水に、本発明の浄化処理剤を表1
で示した量だけ添加して全体を撹拌した。得られた上澄
液の性状を表1に示した。比較例の凝集剤による処理結
果も表1に併記した。
【0028】
【表1】
【0029】また、最終の沈殿池から得られ、表2で示
した性状を有する二次処理水に、本発明の処理剤と比較
例凝集剤をそれぞれ表2で示した量だけ添加して、約1
0時間の曝気を行った。得られた結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】2)給水槽汚泥(上水)の処理 表3で示した性状の給水槽汚泥(上水)を原水とし、こ
れに、本発明の処理剤を添加して全体を撹拌した。得ら
れた上澄液の性状を表3に示した。また、上記給水槽汚
泥を脱水機にかけたのちの濾液を原水とし、これに本発
明の処理剤を添加して全体を撹拌した。得られた処理水
の性状も表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】表3から明らかなように、本発明の処理剤
は、SSのみならず、溶存する金属に対する分離除去能
力が非常に優れている。 3)浄化槽汚泥処理 汚濁排水として、表4で示した性状の浄化槽汚泥を選定
し、これを本発明の処理剤と比較例処理剤でそれぞれ処
理した。それぞれの場合につき、得られた処理水の性状
を表4に示した。
【0034】
【表4】
【0035】また、浄化槽引き抜き汚泥からの分離水に
対し、同様の処理を行った。得られた処理水の性状を表
5に示した。
【0036】
【表5】
【0037】最近、浄化槽の普及が進み、それに伴っ
て、引き抜き汚泥量も増量し、その処理対策が問題にな
りはじめている。その汚泥処理に本発明の処理剤を用い
れば、SSに限らず、有機質成分は効果的に分離除去さ
れ、その上澄液を透明度30以上に浄化することができ
る。 4)屎尿処理場における汚濁排水の処理 屎尿を消化槽に30日間貯留し、そのときの脱離液を汚
濁排水として選定し、これを、本発明の処理剤と比較例
凝集剤でそれぞれ処理した。それぞれの場合につき、得
られた処理水の性状を表6に示した。
【0038】
【表6】
【0039】また、上記脱離液に曝気処理を行い、得ら
れた処理水を本発明の処理剤と比較例凝集剤でそれぞれ
処理した。得られた結果を表7に示した。
【0040】
【表7】
【0041】現在、屎尿処理場では消化槽の脱離液を井
戸水や河川水で10〜20倍に希釈したのち曝気槽で処
理している。しかし、最近は、井戸水の汲み上げなどの
規制が厳しくなり、上記した処理に苦慮しているケース
が多い。表から明らかなように、本発明の処理剤を用い
ると、脱離液を無希釈で曝気処理することができ、しか
も得られた処理水の性状からすると、それを脱離液の希
釈水としても充分利用することができる。また、窒素成
分とリン成分も有効に分離除去することができて有用で
ある。
【0042】5)豚屎尿の処理 汚濁排水として、養豚場の屎尿を固液分離したのちの分
離水を選定し、これを本発明の処理剤と比較例凝集剤で
それぞれ処理した。得られた結果を表8に示した。な
お、検体は3点とした。
【0043】
【表8】
【0044】6)製紙工場の排水処理 汚濁排水として、製紙工場の排水処理設備における最初
の沈殿池からの流出水を選定し、これを、本発明の処理
剤と比較例凝集剤でそれぞれ処理した。得られた結果を
表9に示した。
【0045】
【表9】
【0046】また、前記流出水を曝気し、得られた処理
水に対し、本発明の処理剤と比較例凝集剤による処理を
行った。得られた結果を表10に示した。
【0047】
【表10】
【0048】7)皮革工場の排水処理 汚濁排水として、皮革工場の排水処理設備における最初
の沈殿池からの流出水を選定し、これを、本発明の処理
剤で処理した。得られた結果を表11に示した。
【0049】
【表11】
【0050】表から明らかなように、本発明の処理剤
は、SS,有機物成分とともに、溶存しているCrも大
幅に分離除去することができる。 8)リネンサプライ工場の排水処理 汚濁排水として、リネンサプライ工場からの排水を選定
し、これを本発明の処理剤と比較例凝集剤でそれぞれ処
理した。得られた結果を表12に示した。
【0051】
【表12】
【0052】表から明らかなように、本発明の処理剤を
用いると、リネンサプライ工場の排水を再利用可能な状
態にまで再生することができる。しかも、再生は従来の
ように活性炭を使用することなく行うことができるので
処理コストの低減を実現できる。 9)航空機洗浄排水の処理 汚濁排水として、飛行場における航空機の洗浄排水を選
定した。なお、現在の日本では、この洗浄排水の処理に
関しては、米国から指定された方法が採用されている。
【0053】この洗浄排水を本発明の処理剤と比較例凝
集剤で処理した。その結果を、表13に示した。なお、
米国から指定されている処理法による結果も併記した。
【0054】
【表13】
【0055】10)河川水,池の濁水、トンネル工事時
の濁水の処理 汚濁排水として、表14で示した性状の水を選定し、そ
れぞれを、本発明の処理剤で処理した。結果を表14に
示した。
【0056】
【表14】
【0057】11)埋立処分場の排水処理 汚濁排水として、産業廃棄物(不燃ゴミ)の埋立処分場
における流出水を選定し、これを本発明の処理剤で処理
した。結果を表15に示した。
【0058】
【表15】
【0059】12)脱水ケーキからの溶出排水の処理 産業廃棄物の最終埋立処分場から流出した汚濁排水(pH
値4〜9)を本発明の処理剤と比較例凝集剤で処理した
のち汚泥を分離し、その分離汚泥に脱水処理を行った。
なお、処理時における添加量は300mg/lとした。得
られた脱水ケーキにつき、環境庁告示13で規定する方
法に準拠して溶出試験を行った。その結果を表16に示
した。
【0060】
【表16】
【0061】表から明らかなように、本発明の処理剤を
用いると、比較例凝集剤の場合に比べて、脱水ケーキか
らの金属類の溶出は抑制されている。これは、本発明の
処理剤がアルミナ・けい酸塩を主体とする天然鉱物を含
有していることによってもたらされる効果である。 13)主成分における各成分の配合量の影響 モンモリロナイト,パイロフィライト,カオリナイトを
重量比で8:8:7で混合して天然鉱物の混合粉末を調
製した。
【0062】この混合粉末と、無水石膏粉末と、アクリ
ルアマイド系凝集剤とアルギン酸系凝集剤を重量比で
1.5:0.5で混合して成る有機系凝集剤粉末とを表1
7で示した割合(重量%)で混合して主成分を調製し
た。ついで、この主成分100重量部に対し、硫酸アル
ミニウム粉末,塩化アルミニウム粉末,炭酸ナトリウム
と炭酸カルシウムとドロマイトを重量比で8:4:5で
混合して成る炭酸塩粉末を、表17に示した割合(重量
部)で混合し、4種類の浄化処理剤を調製した。
【0063】
【表17】
【0064】これら4種類の処理剤を用いて、表14で
示した性状のトンネル工事の濁水を処理した。その結果
を表18に示した。
【0065】
【表18】
【0066】処理剤2,3を用いた場合には、形成され
たフロックも大きく、その沈降速度も速く、分離汚泥と
の界面も鮮明であった。また、上澄水の透明度も、表1
8から明らかなように、30以上であり、光沢もあっ
た。また、処理剤1を用いた場合には、天然鉱物の量が
少なく、それから溶出するミネラル成分が不足するた
め、Pb(溶質汚濁物質)の収着能は劣っており、また
過剰の無水石膏粉末が懸濁して上澄水の透明度は劣化し
ている。なお、形成されたフロックも小さく、その沈降
速度も遅くなった。
【0067】更に、処理剤4を用いた場合には、天然鉱
物が過剰であるため処理水に懸濁し、その透明度は劣化
している。また、形成されたフロックは弱く、その密度
も低かった。このようなことから、主成分における天然
鉱物,無水石膏の割合は、それぞれ30〜50重量%,
45〜65重量%に設定すべきことがわかる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
浄化処理剤は、汚濁排水中のSSだけではなく、そこに
溶存している金属類のような溶存汚濁物質をも同時に分
離除去することができる。とくに、分離後の汚泥は安定
であって、自らが再溶解することもなく、溶存汚濁物質
の溶出も抑制されていて、従来の凝集剤ではみられない
効果を奏する。
【0069】また、本発明の浄化処理剤で処理された処
理水は中性になり、そのため、従来のようなpH調整も不
要となり、その処理ライン運転の低コスト化を実現する
ことができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ・けい酸塩を主体とする天然鉱
    物30〜50重量%と硫酸カルシウム45〜65重量%
    と有機系凝集剤1〜5重量%とから成る主成分100重
    量部に対し、硫酸アルミニウム30〜50重量部、塩化
    アルミニウム5〜10重量部、および、炭酸ナトリウ
    ム,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,ドロマイトの
    群から選ばれる少なくとも1種20〜40重量部が配合
    されていることを特徴とする汚濁排水の浄化処理剤。
  2. 【請求項2】 前記天然鉱物が、モンモリロナイト,パ
    イロフィライト,カオリナイトの群から選ばれる少なく
    とも1種である請求項1の汚濁排水の浄化処理剤。
JP9136439A 1996-10-11 1997-05-27 汚濁排水の浄化処理剤 Expired - Fee Related JP2774096B2 (ja)

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