JP6452131B2 - 皮革鞣し排水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、皮革処理工場の皮革鞣し工程において発生する排水のクロムイオン濃度、並びにCOD値等を低減し、当該排水を浄化し、皮革鞣し処理工程の用水として再利用することを可能とする排水処理方法に関する。
皮革処理工場から排出される皮革排水の水質は、皮革鞣し処理工程前の排水では、有機物や油分等の汚染物を極めて多く含有するがクロムイオンを含まず、また、皮革鞣し処理工程以降の排水では、鞣し処理工程で3価クロムが使用され、また、そのpH値も低く、クロムイオンを多く含有する。
一方、皮革排水の処理は、50トン/日以上の排水を排出する比較的規模の大きな皮革処理工場では、各工程から排出される排水を合流して総合排水とし、その処理は、一次処理として無機や有機の凝集剤を用いた凝集処理法や浮上分離法、二次処理として活性汚泥による嫌気性雰囲気あるいは好気性雰囲気における生物処理法等が適宜に組み合わされて用いられていた(特許文献1)。
しかし、このような活性汚泥法などの微生物処理では、難分解性の有機化合物や微粒子の完全な除去は困難であるため、これらの微生物処理方法を補填する目的で、酸化処理、膜分離処理、凝集分離処理等の化学的、物理的な処理方法の活用が検討されてきた。
また、上述のようにクロムイオンを含有する排水では、微生物処理の際、クロムイオンが微生物の増殖を阻害する要因ともなるため、生物処理前には除去しておく必要もある(特許文献2)。
特表2002−531250号公報 特開平7−227599号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、皮革処理工場の皮革鞣し工程において発生する排水のクロムイオン濃度並びにCOD値等を低減し、当該排水を浄化し、浄化した排水を皮革鞣しの用水として再利用可能とする排水処理方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1]皮革鞣しにおいて発生する排水のうち、
(イ)クロムイオンを含有する排水のクロムイオン濃度を減少させ、且つCOD値を低減させること、および
(ロ)クロムイオンを含有しない排水のCOD値を低減させることを特徴とする
皮革鞣しにおいて発生する排水を浄化し、皮革処理の用水として再利用する排水処理方法。
[2]クロムイオンを含有しない排水のpH値を12以上とし、ついで酸性の無機塩類を排水に添加して、pH値を6〜7まで下げ、ついで活性炭を含有する排水処理剤と高分子凝集剤を添加することを特徴とする[1]に記載の排水処理方法。
[3]高分子凝集剤がアニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤、およびポリフェノール系高分子凝集剤から選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である[1]又は[2]に記載の排水処理方法。
[4]クロムイオンを含有する排水をアルカリ金属水酸化物で処理してpH値を11以上とし、ついで酸性無機塩類を添加してpH値を7〜8まで下げ、その後活性炭を含有する排水処理剤と高分子凝集剤を添加してクロムイオンを不溶化して除去することを特徴とする[1]に記載の排水処理方法。
[5]高分子凝集剤がアニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、および、ノニオン系高分子凝集剤から選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である[1]又は[4]に記載の排水処理方法。
[6]COD値の低減率が、80%以上である[1]乃至[5]のいずれかに記載の排水処理方法。
[7]酸性の無機塩類が、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第1鉄、塩化第二鉄、および硫酸アルミニウムから選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である[2]又は[4]に記載の排水処理方法。
[8]活性炭を含有する排水処理剤における粉末活性炭の含有量が50重量%以上である[1]乃至[7]のいずれかに記載の排水処理方法。
[9]クロムイオンの除去率が99%以上である[4]に記載の排水処理方法。
本発明の排水処理方法により皮革なめしにおいて発生する排水中の有機物等の被酸化性物質(公知の常法に従ってCOD、BOD等の指標で測定可能)を効率的に除去し、クロムイオンを含有する排水においてはそのクロムイオン濃度を充分に減少させ、皮革鞣し工程の用水として再利用することができる。
牛革銀面の電子顕微鏡写真である(約40倍)。
本発明の排水処理方法では、皮革鞣しにおいて発生する排水のうちクロムイオンを含有する排水のクロムイオン濃度を減少させ、且つCOD値を低減させ、クロムイオンを含有しない排水のCOD値を減少させて皮革鞣しにおいて発生する排水を浄化し、これを皮革鞣しの用水として再利用することができる。
皮革鞣しを含む皮革加工には、牛皮、豚皮及び羊皮等の処理皮革の多様性に加えて、フェノール、有機溶剤、無機塩類等多種多様な薬品類、及び多量の用水が使用される。また、世界の皮革加工工場の80〜90%が皮鞣しにクロムを使用しており、皮革工場からのクロム汚染排水は、環境汚染の潜在リスクを高める重大な問題となっている。
海外における皮革工場(モンゴル国)のクロム鞣し工程を含む製造プロセスの公知例を示すと表1のようになる。
ここで、銀面(Grain)とは、製革工程で毛及び表皮を除去した真皮の表面をいう。真皮乳頭層の最外側であり、ここではコラーゲン細線維(フィブリル)がコラーゲン線維束(ファイバー)を形成せずに走行し、相互に交絡している(図1:牛革銀面の電子顕微鏡)。銀面は、毛穴の大きさ、形状、配列の仕方、毛穴間の形状等で動物の種類による特徴が表れる。
皮革処理工場から排出される皮革排水の水質は、皮革鞣し処理工程前の排水では、有機物、油分及び硫黄化合物等の汚染物を極めて多く含有し、また、皮革鞣し処理工程以降の排水では、上記汚染物質の含有量は比較的少なくなるが、鞣し処理工程で3価クロムイオンが使用され、また、pHも低く、クロムイオンを多く含有する。
また、このような皮革鞣し排水処理では、多くの場合生物処理(活性汚泥法等)が併用され得るが、クロムイオンを含有する排水では、生物処理の際、クロムイオンの存在が、微生物の増殖を阻害する要因ともなり得るため、生物処理前に除去あるいは不溶化しておく必要がある。
本発明の排水処理方法では、クロムイオンを含有する排水をアルカリ金属水酸化物で処理してpH値を11以上とし、その後酸性無機塩類を添加してpH値を7〜8まで下げ、その後活性炭を含有する排水処理剤を添加し、ついで高分子凝集剤を添加してクロムイオンを不溶化する。
ここで、使用可能なアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示できるが、これらのみに限定されない。
酸性無機塩類としては、例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第1鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム等が例示可能であり、これらを単独で又は、二種以上混合して使用できるがこれらのみに限定されるものでないことは言うまでもない。
活性炭を含有する排水処理剤としては、例えば、粉末活性炭そのものを使用することができる。また、この場合、前記粉末活性炭と特開2005−13973に記載されている処理剤を併用することが好ましい。その際、粉末活性炭と特開2005−13973に記載されている処理剤との混合割合は、粉末活性炭を50重量%以上とすることが好ましい。かかる成分構成を有する処理剤は、現在、D−AE(商品名)として、株式会社エコ・プロジェクトより市販されている。前記粉末活性炭としては、ヨウ素吸着量が800mg/g以上のものが好ましく、ヨウ素吸着量が900mg/g以上のものがさらに好ましいヨウ素吸着量の測定は、JIS K1474による。クロムイオンを含有する排水における活性炭を含有する排水処理剤の添加量としては、排水1Lに対して0.1g以上、10g以下程度が好ましく、排水1Lに対して0.2g以上、5g以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して0.3g以上、1g以下程度が特に好ましい。
なお、特開2005−13973に記載されている処理剤としては、例えば、現在、EPX(商品名)として、株式会社エコ・プロジェクトより市販されている。具体的には、特開2005−13973号公報の段落[0040]において、以下の成分構成を有するものが例示されている。即ち、軽焼マグネシア:半水石膏粉末=35〜50:50〜65の重量%比に配合されてなる粉末状水硬性固結化材100重量部当たり、粉末状の無機質吸水性硬化促進材(焼成ダスト)が80〜120重量部で、粉末状の無機質吸水性硬化助材(微硅砂)が20〜40重量部で、粉末状のアニオン系高分子凝集剤が2〜6重量部の割合の粉末状混合物であり、その代表的化学組成は、Ig−loss(2.10),SiO(33.02),MgO(20.06),CaO(14.91),Al(11.37),Fe(1.53),P(1.43),NaO(0.94),SO(14.64)である(括弧内は重量%を示す。)。
本発明の上記クロムイオン含有廃液の排水処理方法では、高分子凝集剤がアニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、およびノニオン系高分子凝集剤から選ばれる1種類又は2種類以上の混合物が使用可能であるが、特にアニオン系の高分子凝集剤が優れている。
アニオン系高分子凝集剤としては、ハイモ(株)製、ポリアクリルアミド系のハイモフロックSS130、MTアクアポリマー(株)製アコフロックA−110等が例示できるが、これらのみに限定されるものでないことは言うまでもない。クロムイオンを含有する排水におけるアニオン系高分子凝集剤の添加量としては、排水1Lに対して10mg以上、200mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して15mg以上、150mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して20mg以上、100mg以下程度が特に好ましい。
カチオン系高分子凝集剤としては、ハイモ(株)製、ポリアクリルエステル系のハイモフロックMP184、MTアクアポリマー(株)製アロンフロックC−508等が例示できるが、これらのみに限定されるものでないことは言うまでもない。クロムイオンを含有する排水におけるカチオン系高分子凝集剤の添加量としては、排水1Lに対して10mg以上、200mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して15mg以上、150mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して20mg以上、100mg以下程度が特に好ましい。
ノニオン系高分子凝集剤としては、ハイモ(株)製、ポリアクリルアミド系のハイモフロックAP105、MTアクアポリマー(株)製アコフロックN−102等が例示できるが、これらのみに限定されるものでないことは言うまでもない。クロムイオンを含有する排水におけるノニオン系高分子凝集剤の添加量としては、排水1Lに対して10mg以上、200mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して15mg以上、150mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して20mg以上、100mg以下程度が特に好ましい。
以上のようにして、本発明のクロムイオン含有廃液の排水処理方法ではクロムイオンの不溶化率(除去率)を99%以上とすることができる。
一方、本発明のクロムイオンを含有しない排水の排水処理方法では、該排水のpH値を12以上とし、酸性の無機塩類を排水に添加して、pH値を6〜7まで下げ、ついで活性炭を含有する排水処理剤を添加し、さらに高分子凝集剤を添加する。
本発明のクロムイオンを含有しない排水の上記排水処理方法では、高分子凝集剤がアニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤、および、ポリフェノール系高分子凝集剤から選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である。これらの凝集剤の具体例としては、上記のものが挙げられる。
該排水のpH値を12以上とするに際しては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸水素塩等の無機塩基類の使用が例示できるが、これらのみに限定されるものではない。
酸性の無機塩類、活性炭を含有する排水処理剤については、クロムイオン含有廃液についても上述したものを好適に使用でき、高分子凝集剤についても、上述のアニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤を好適に使用できる。
加えて、本願発明においては、クロムイオン含有の有無によらず、さらに、ポリフェノール系高分子凝集剤をも有効に使用できる。かかるポリフェノール系高分子凝集剤としては、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニン等のポリフェノール類が使用可能であるが、その中で特にタンニンが好ましい。使用可能なタンニンに特に限定はなく、例えば、栗、団栗等を産生するブナ科植物、日本茶、中国茶、紅茶等の茶、ワイン、柿等に由来する植物タンニン等が使用可能であるが、その中でも、特に、水溶性タンニンが好ましく、就中、柿タンニンが凝集性能に優れている。
クロムイオンを含有しない排水における活性炭を含有する排水処理剤の添加量としては、排水1Lに対して0.1g以上、10g以下程度が好ましく、排水1Lに対して0.2g以上、5g以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して0.3g以上、1.0g以下程度が特に好ましい。
クロムイオンを含有しない排水におけるアニオン系高分子凝集剤の添加量としては、排水1Lに対して10mg以上、200mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して15mg以上、150mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して20mg以上、100mg以下程度が特に好ましい。
クロムイオンを含有しない排水におけるカチオン系高分子凝集剤の添加量としては、排水1Lに対して10mg以上、200mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して15mg以上、150mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して20mg以上、100mg以下程度が特に好ましい。
クロムイオンを含有しない排水におけるノニオン系高分子凝集剤の添加量としては、排水1Lに対して10mg以上、200mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して15mg以上、150mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して20mg以上、100mg以下程度が特に好ましい。
クロムイオンを含有しない排水におけるポリフェノール系高分子凝集剤の添加量としては、排水1Lに対して100mg以上、2000mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して150mg以上、1500mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して300mg以上、1000mg以下程度が特に好ましい。クロムイオンを含有しない排水における柿タンニンの添加量としては、排水1Lに対して100mg以上、2000mg以下程度が好ましく、排水1Lに対して150mg以上、1500mg以下程度が更に好ましく、排水1Lに対して200mg以上、1000mg以下程度が特に好ましい。
以上のようにして、本発明の排水処理方法では、クロムイオン含有排水、クロムイオン非含有排水の双方について、無機塩類の添加によるpH調整と、活性炭を含有する排水処理剤、高分子凝集剤を適切に投入し、クロムイオン含有排水においてクロムイオンを効率的に不溶化除去する一方、クロムイオン含有の有無によらず、排水中の有機物等の被酸化性物質を効率的に除去し、最終的にCOD低減率を80%以上とすることができる。
このように、本発明の排水処理方法では、皮革鞣し工程において発生する排水中の有機物等の被酸化性物質(常法に従ってCOD、BOD等の指標で測定可能)を効率的に除去し、クロムイオンを含有する排水においては、そのクロムイオン濃度を充分に減少させ、鞣し工程において発生する排水を更なる鞣し工程の用水として再利用することができる。また、クロムイオン非含有排水処理後の固形物は有機質主体のため、乾燥(風乾)後、燃料その他コンポスト用としての利用が可能となる。
一方、クロムイオン含有排水処理後の固形物はクロムの沈殿物が主体であり、クロムの回収が可能である。あるいは、クロムは不溶化状態となっているため、固化処理等を行い、固液分離した固化物は埋め立て処理等も可能となる。クロムイオン含有排水処理後の固形物は傾瀉(デカンテーション)の他、遠心分離、膜濾過、濾過等の通常の固液分離の手段で分離可能である。
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものでないことはいうまでもない。
[実施例1(クロムイオン含有排水)]
クロムイオンを含有する排水1Lに5重量%水酸化ナトリウム水溶液を26.5mL添加して1分間混合撹拌しpHを11.04とした後、Feとして11重量%濃度の硫酸第二鉄水溶液を4.6mL添加して1分間混合撹拌しpHを7.60とした。
その後、活性炭を含有する排水処理剤として、後述の粉末活性炭を主成分とする排水浄化剤(以下、「活性炭含有処理剤」ともいう。)を5.0g添加し、1分間混合撹拌した後、0.1重量%のアコフロックA−110を40mL(高分子凝集剤の固形分量としては40mgに相当する)添加して10秒間混合撹拌する一次処理を行った。
ついで上記一次処理によって得られた処理液をデカンテーション法により分取し、その上澄み1Lに対してポリフェノール系高分子凝集剤として植物タンニンの柿タンニン(製品名:柿多冨[カキタフ])の製品原液(タンニン酸として3.0重量%含有品)を1.52mL添加して、2分間混合攪拌した後、0.1重量%のアコフロックA−110を20mL(高分子凝集剤の固形分量としては20mgに相当する)添加して、1分間混合攪拌する二次処理を行った。
得られた処理水をADVANTEC製「FILTER PAPER NO.5C」,TODAY製真空ポンプ「ROCKER 300」を用いて吸引濾過し、濾液について日本工業規格(JIS)に従って分析を行った。すなわち、化学的酸素消費量(CODMn)はJIS K 0102 17(過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)に、pHはJIS K 0102 12.1に、懸濁物質(SS)はJIS K 0102 14に、クロム(III)の定量はJIS K 0102 65にそれぞれ従って行った。
処理前のCOD値1800mg/Lに対し、処理後250mg/Lであり、COD低減率は86.1%であった。
上記処理の前後のクロム含有量をJISK 0102 65に従って測定した。処理前1100mg/Lに対し、処理後0.9mg/Lで除去率99.9%であった。
なお、本実施例に使用したクロムイオンを含有する排水については、ALTAIN KHARGIA社(所在地:Chinggis avenue 143 , Khan-Uul district , Ulaanbaatar , Mongolia)より提供を受けたもので、前掲の表1の工程7、8の各排水から採取したものを等量ずつ混合して調製した。
また、上記「活性炭含有処理剤」は、公知の汚泥固化処理剤を特開2005−13973の実施例1記載の方法によって調製した後、これを粉末活性炭[ヨウ素吸着量が900mg/g以上のもの;ここでは、PL−C1S(ダイネン株式会社製)を使用した。]と各々50重量%で混合して調製した。
[実施例2(クロムイオン非含有排水)]
クロムイオンを含有しない排水1LにFeとして11重量%濃度の硫酸第二鉄水溶液を13.0mL添加して、1分間混合撹拌しpHを6.23とした後、上記「活性炭含有処理剤(実施例1で使用したものと同一のもの)」を5.0g添加して、1分間混合撹拌した後、0.1重量%のアコフロックA−110を50mL添加して10秒混合撹拌する一次処理を行った。次いで一次処理によって得られた処理液をデカンテーション法にて分取し、その上澄み液1Lに対してポリフェノール系高分子凝集剤として植物タンニンの柿タンニン(製品名:柿多冨)の製品原液(実施例1で使用したものと同一物)を22.7mL添加して、2分間混合攪拌した後、0.1重量%のアコフロックA−110を35mL添加して、25秒間混合攪拌する二次処理を行った。二次処理によって得られた処理水を実施例1に記載したものと同様の器具を用いて濾過を行った。上記処理の前後のCOD値をJISK 0102 17に従って測定した。処理前7,400mg/Lに対し、処理後750mg/LでCOD低減率89.9%であった。
なお、本実施例に使用したクロムイオンを含有しない排水についても、実施例1と同様にALTAIN KHARGIA社より提供を受けたもので、前掲の表1の工程1〜6の各排水から採取したものを等量ずつ混合して調製した。
[実施例3(クロムイオン非含有排水)]
実施例2において、一次処理によって得られた処理液をデカンテーション法にて分取し、その上澄み液1Lに対して、ポリフェノール系高分子凝集剤として植物タンニンであるチェストナット粉末(商品名:タンニン成分76重量%含有し、ブナ科クリ属のチェストナットの木(Castanea Vesca)の樹皮、木質部より抽出したもの[川村通商(株)より購入される商品])を800mg添加し、20分間混合撹拌する二次処理を行った。その他は実施例2と同一の処理条件とした。上記処理前後のCOD値をJISK 0102 17に従って測定した。処理前7,400mg/Lに対し、処理後1065mg/Lとなり、COD低減率85.6%であった。
[比較例1(クロムイオン含有排水)]
クロムイオンを含有する排水(実施例1で使用したものと同一のもの)1Lに活性炭を含有する排水処理剤として、前述の「活性炭含有処理剤(実施例1で使用したものと同一のもの)」を5.0g添加し、1分間混合撹拌した後得られた処理液をデカンテーション法により分取し、得られた処理水をADVANTEC製「FILTER PAPER NO.5C」,TODAY製真空ポンプ「ROCKER 300」を用いて吸引濾過し、濾液について日本工業規格(JIS)に基づいて分析を行った。すなわち、化学的酸素消費量(CODMn)はJIS K 0102 17(過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)に、pHはJIS K 0102 12.1に、懸濁物質(SS)はJIS K 0102 14に、クロム(III)の定量はJIS K 0102 65にそれぞれ従って行った。
処理前のCOD値1800mg/Lに対し、処理後556.2mg/Lであり、COD低減率は69.1%であった。上記処理の前後のクロム含有量をJISK 0102 65に従って測定した。処理前1100mg/Lに対し、処理後800mg/Lで除去率27.3%であった。
[比較例2(クロムイオン含有排水)]
クロムイオンを含有する排水(実施例1で使用したものと同一のもの)1Lについて、前述の「活性炭含有処理剤(実施例1で使用したものと同一のもの)」を5.0g添加し、1分間混合撹拌する操作を除く他、それ以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果は、処理前のCOD値1800mg/Lに対し、処理後410.4mg/Lであり、COD低減率は77.2%であった。上記処理の前後のクロム含有量をJISK 0102 65に従って測定した。処理前1100mg/Lに対し、処理後120mg/Lで除去率89.1%であった。
[比較例3(クロムイオン非含有排水)]
クロムイオンを含有しない排水1Lを別途採取し、これに実施例2と同様の一次処理を行った。次に得られた処理液をデカンテーション法にて分取し、その上澄み液について、COD値をJISK 0102 17に従って測定した。処理前3900mg/Lに対し、処理後387.0mg/Lとなり、COD低減率78.5%であった。
[比較例4(クロムイオン非含有排水)]
クロムイオンを含有しない排水(比較例3で使用したものと同一のもの)1Lに対してポリフェノール系高分子凝集剤として植物タンニンの柿タンニン(製品名:柿多冨)の製品原液(実施例1で使用したものと同一物)を22.7mL添加して、2分間混合攪拌した後、0.1重量%のアコフロックA−110を35mL添加して、25秒間混合攪拌する処理を行った。得られた処理水のCOD値をJISK 0102 17に従って測定した。処理前3900mg/Lに対し、処理後622.8mg/LでCOD低減率65.4%であった。
以上の実施例および比較例の検討結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、クロムイオンの存在の有無によらず、排水のpH値の調整、酸性無機塩類および高分子凝集剤の添加を行う上記一次処理において、「活性炭含有処理剤」の添加処理を併用し、且つ植物タンニンに代表されるポリフェノール類を添加する上記二次処理を行った場合に格段に優れたCOD低減効果が認められた。
一方、クロムイオン含有排水におけるクロムイオン除去においても同様に、排水のpH値の調整、酸性無機塩類および高分子凝集剤の添加を行う上記一次処理において、「活性炭含有処理剤」の添加処理を併用し、且つ植物タンニンに代表されるポリフェノール類を添加する上記二次処理を行った場合に格段に優れた効果が確認された。
本発明は排水処理方法に関するもので、特に、皮革処理工場の皮革鞣し工程において発生する排水のクロムイオン濃度、COD値等を低減、浄化し、皮革鞣し工程の用水として再利用可能とする排水処理の分野に利用可能である。

Claims (7)

  1. 皮革鞣しにおいて発生する排水のうち、
    (イ)クロムイオンを含有する排水をアルカリ金属水酸化物で処理してpH値を11以上とし、ついで酸性無機塩類を添加してpH値を7〜8まで下げ、その後活性炭を含有する排水処理剤と高分子凝集剤を添加してクロムイオンを不溶化して除去することにより、クロムイオン濃度を減少させ、且つCOD値を低減させること、および
    (ロ)クロムイオンを含有しない排水のpH値を12以上とし、ついで酸性の無機塩類を排水に添加して、pH値を6〜7まで下げ、ついで活性炭を含有する排水処理剤と高分子凝集剤を添加することにより、COD値を低減させることを特徴とする皮革鞣しにおいて発生する排水を浄化し、皮革処理の用水として再利用する排水処理方法。
  2. 高分子凝集剤がアニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤、およびポリフェノール系高分子凝集剤から選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 高分子凝集剤がアニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤、および、ノニオン系高分子凝集剤から選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である請求項1又は請求項に記載の排水処理方法。
  4. COD値の低減率が、80%以上である請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の排水処理方法。
  5. 酸性の無機塩類が、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第1鉄、塩化第二鉄、および硫酸アルミニウムから選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排水処理方法。
  6. 活性炭を含有する排水処理剤における粉末活性炭の含有量が50重量%以上である請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の排水処理方法。
  7. クロムイオンの除去率が99%以上である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の排水処理方法。
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