JP5169627B2 - プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法 - Google Patents

プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5169627B2
JP5169627B2 JP2008219840A JP2008219840A JP5169627B2 JP 5169627 B2 JP5169627 B2 JP 5169627B2 JP 2008219840 A JP2008219840 A JP 2008219840A JP 2008219840 A JP2008219840 A JP 2008219840A JP 5169627 B2 JP5169627 B2 JP 5169627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rust
repair
face
component
cut end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008219840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010053404A (ja
Inventor
博康 古川
隆生 山崎
浩平 植田
敦司 森下
清和 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2008219840A priority Critical patent/JP5169627B2/ja
Publication of JP2010053404A publication Critical patent/JP2010053404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5169627B2 publication Critical patent/JP5169627B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

本発明は、プレコート金属板の切断端面からの腐食を効果的に防止することのできる端面補修液及び補修方法に関する。
塗装板の代表例の一つである塗装金属板は、建材、家電、雑貨、自動車などの分野において、金属板を成形加工して組み立てた後に塗装するという従来のポストコート方式に替わって、あらかじめ塗装された金属板を成形加工して組み立てて製品とするプレコート方式が多く採用されている。プレコート方式の導入によって、需要家での塗装工程が省略でき、塗装廃棄物等による公害・環境問題を解消できるメリットがある。
プレコート方式によって塗装されたプレコート金属板は、上述のようなメリットがある反面、切断端面がそのままの状態で実使用されるため切断端面からの発錆が生じやすいという問題があった。一般的に原板として使用されるのは亜鉛めっき鋼板であり、この場合切断端面に亜鉛と鉄がむきだしになるため、鉄の赤錆が発生する。この赤錆の印象が特に悪く消費者から嫌われるため、市場クレームが頻発する状況となっている。
このような切断端面からの発錆を抑制するため、切断端面に補修塗料を予め塗布して使用することは有効である。例えば特許文献1では、スポンジや不織布に塗料を含浸させた塗装パッドを切断端面に押し付けることによる、プレコート鋼板の切断面塗装方法及びその装置について記載されている。
また、特許文献2には、補修塗料の防錆効果を高めるための工夫として、表面積の大きな粗粒または2次粒子を骨材として含有させた補修塗料を切断端面に塗布することで、プレコート鋼板の下塗り塗膜から滲み出る防錆イオンが補修塗膜中に保持されやすくする効果を狙った例が記載されている。
特許文献1に記載されたプレコート鋼板の切断面塗装方法に代表されるような、一般的な補修塗料により切断端面を補修する方法では、防錆能力が低く、長期にわたって防錆効果が維持できない問題がある。プレコート金属板の普及当時には、前処理剤及び塗料の防錆剤としてクロメートを使用していたため、その高い防錆効果によって切断端面からの発錆はある程度限定的ではあったが、近年の環境問題によるクロメートフリー化により非クロメート系防錆剤が使用されるようになった現在、このような方法では実使用に耐えられる防錆効果は全く期待できない。
一方、特許文献2に記載された方法では、端面防錆効果が常に発揮されるとは限らない点が問題である。この方法は、下層塗膜から端面に滲み出た防錆イオンを含んだ水が補修塗膜中に滞在し続けることで端面を防錆するメカニズムである。切断端面を常に濡れた環境にするため、補修塗膜中に含浸される液の種類によって端面の腐食状態は大きく変わってくる。一定条件に調整された腐食液が噴霧されるSSTでは、純粋なNaCl溶液が端面を濡らし続けるため、亜鉛の犠牲防食効果が有効に働き、亜鉛の腐食による白錆と塗膜膨れは発生するが赤錆は発生しない。また、下層塗膜から溶出する防錆イオンが、実施例に唯一記載のあるクロムイオンであるならば、その亜鉛に対する防錆効果によって白錆(塗膜膨れ)さえも抑制される。しかし、実際の使用環境では様々の腐食因子により汚染されており、切断端面がこの腐食因子を含んだ水で濡らされ続けることになり、かえって想定できないような異常腐食を引き起こす危険性を孕んでいる。
特開平9−285758号公報 特開2006−263597号公報
このような状況に鑑み、本発明は、クロメート型のみならずクロメートフリー型プレコート金属板であっても、その切断端面を十分に防錆する効果を示す補修液及びそれを用いた補修方法を提供することを目的とする。切断端面を十分に防錆するとは、様々な腐食環境において防錆効果を示すということである。例えば、重塩害地域で電解質を多く含む腐食溶液に曝されても白錆や塗膜膨れが発生せず、かつ、非電解質雰囲気下でも赤錆が発生しない(非電解質雰囲気下では亜鉛の犠牲防食効果が働かないために赤錆が発生しやすい)ということである。
上述のような課題を解決するためには、切断端面から水を遮断する効果を補修剤に求める必要がある。しかし、端面が水に浸漬された場合には、その遮断効果には限界があり、補修剤の欠陥部分から腐食因子が浸入することは避けられない。そこで、補修剤に鉄や亜鉛に対して防錆効果のある薬剤を含有させ、相乗的に赤錆や白錆の発生を抑制する効果を狙うこととした。水を遮断する効果の高いバインダー成分及び、鉄や亜鉛を防錆するための防錆剤成分として高い効果を示す薬剤を種々探索し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、水溶液中の不揮発成分として、バインダー成分及び防錆剤成分を同時に含有する混合物において、バインダー成分シリカ微粒子であり、防錆剤成分下記(A)(B)(C)のうちいずれか1種の薬品であり、バインダー成分(シリカ微粒子)100質量部に対し防錆剤成分を5乃至50質量部含有することを特徴とする、プレコート金属板の切断端面の補修液である。
(A)リン酸二水素マグネシウム(別名:第一リン酸マグネシウム、重リン酸マグネシウム)100質量部に対しバナジン(V)酸アンモニウムを0乃至200質量部添加した混合物
(B)リン酸水素マグネシウム(別名:第二リン酸マグネシウム)
(C)L−アスコルビン酸
また、不揮発成分の濃度が5〜30質量%であることを特徴とする、上述のプレコート金属板の切断端面の補修液である。さらには、プレコート金属板の切断端面に、上記の補修液を塗布し乾燥させることを特徴とする、プレコート金属板の切断端面の補修方法である。
本発明の補修液及び補修方法により、クロメート型のみならずクロメートフリー型プレコート金属板であっても、その切断端面を十分に防錆する効果を示す。切断端面を十分に防錆するとは、様々な腐食環境において防錆効果を示すということである。例えば、重塩害地域で電解質を多く含む腐食溶液に曝されても白錆や塗膜膨れが発生せず、かつ、非電解質雰囲気下でも赤錆が発生しない(非電解質雰囲気下では亜鉛の犠牲防食効果が働かないために赤錆が発生しやすい)ということである。
(バインダー成分の種類)
バインダー成分には、腐食因子を含んだ水をプレコート金属板の切断端面から遮断する役割を担わせる。目的に適合する水の遮断効果が高いのは、シリカである。シリカ微粒子の分散体を塗布乾燥させることで、シリカ皮膜が切断端面を被覆することにより緻密なバリア層を形成し、水の浸入を効果的に防止することができる。一般的な有機樹脂系補修塗料では、基本的に水を透過させるため長期的な防食性の維持は難しい。
シリカ微粒子の分散体としては、様々な形態のものが上市されており、例えば、日産化学工業(株)からはスノーテックスシリーズとして様々なシリカ濃度、粒子径、pH等を有するものが市販されている。いずれのものでも適用できるが、本発明における防錆剤成分を共存させたときの薬液の安定性を考慮すると、酸性領域で安定なものが望ましく、例えばスノーテックスO(pH=2〜4)を使用することで、防錆剤成分混合後も長期間ゲル化することなく使用できる。
(防錆剤成分の種類)
防錆剤成分には、バインダーとしてのシリカ皮膜中に含有させ、水に濡れた際に適度に溶出して相乗的に切断端面を保護し防錆する役割を担わせる。鉄に対する防錆効果を有し赤錆を抑制できることが必須であり、かつ、亜鉛に対する防錆効果を併せて有し白錆と塗膜膨れを抑制できることが要求される。リン酸二水素マグネシウム(別名:第一リン酸マグネシウム、重リン酸マグネシウム)、リン酸水素マグネシウム(別名:第二リン酸マグネシウム)、及びL−アスコルビン酸は、上述の機能を有している。
また、リン酸二水素マグネシウムにバナジン(V)酸アンモニウムを併用すると、亜鉛に対する防錆効果が極度に増加し、極めて良好な端面耐食性が得られる。バナジン酸アンモニウムを添加しなくても、亜鉛に対する防錆効果は実使用上問題ないレベルまで得られるが、バナジン(V)酸アンモニウムを添加することで、白錆の発生量がさらに減少し、端面からの塗膜膨れが抑制される。リン酸二水素マグネシウムとバナジン(V)酸アンモニウムとの混合比率は、リン酸二水素マグネシウム100質量部に対しバナジン(V)酸アンモニウムを最大200質量部まで添加することが望ましい。この範囲内であれば、バナジン(V)酸アンモニウムの添加比率が高くなるほど亜鉛の防錆効果が増加する。200質量部を越えると、逆に鉄に対する防錆効果が低下し、耐赤錆性が悪化に転ずる。
バインダー成分(シリカ微粒子)と防錆剤成分との混合比率は、バインダー成分(シリカ微粒子)100質量部に対し、防錆剤成分を5乃至50質量部とする。防錆剤成分が5質量部未満では、防錆剤成分を添加しない場合と防錆性に有意な差が無く、十分な防錆効果が得られない。防錆剤成分が50質量部超では、バインダー成分の製膜性が低下しシリカ皮膜が緻密なバリア層を形成することができないため、水の浸入を防止する効果が失われ、端面耐食性が悪化に転ずる。
本発明の補修液の不揮発成分(バインダー成分及び防錆剤成分)の濃度は、5〜30質量%であることが望ましい。補修液の不揮発成分濃度は、補修液を切断端面に塗布・乾燥したときの膜の健全性に影響を及ぼす。不揮発成分濃度が5%未満では、1回の塗布・乾燥で形成される皮膜の厚さが薄く、十分な端面耐食性が得られない。塗布・乾燥を繰り返すことで皮膜の厚さを確保することは可能であるが、積層された皮膜のため各層の密着性が低下し、バリア性が低下する危険性がある。また、時間と手間がかかるデメリットもある。一方、不揮発成分濃度が30%超では、補修液の粘度が増加し均一に塗布ができなくなるのに加え、乾燥前後での塗膜の収縮率が低いため製膜後も塗布むらがそのまま残り、結果として欠陥の多い補修皮膜が形成される。そのため、バリア性が低下し水の浸入を防止する効果が失われ、十分な端面耐食性が得られない。
(塗布・乾燥方法)
本発明の補修液の、プレコート金属板の切断端面への塗布方法は特に限定されず、刷毛、ローラー、スポンジ、布、スプレー、端面の補修液への浸漬、その他による塗布方法を自由に選択できる。また、本発明の補修液の乾燥方法は特に限定されず、常温乾燥、加熱オーブン中での乾燥、遠近赤外線、高周波誘導加熱等による加熱乾燥、その他による乾燥方法を自由に選択できる。
(プレコート金属板の種類)
本発明の補修液及び補修方法は、任意のプレコート金属板に適用できる。クロメート型、クロメートフリー型のいずれであっても良いが、本発明の効果が特に発揮されるのは、耐食性に劣るクロメートフリー型プレコート金属板においてである。プレコート金属板の原板としては、例えば鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、チタン板、銅板等が挙げられる。このうち鋼板の例として、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、クロムめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、錫めっき鋼板等が挙げられる。
(補修剤の色について)
本発明の補修剤は、必要に応じて着色顔料あるいは染料を添加して、任意の色に着色して使用することができる。
次に、実施例により本発明を更に説明する。なお、当然ながら本発明が以下の実施例に限定されるものでない。
1.補修液の作製
バインダー成分(コロイド状シリカ微粒子)としては、下記のものを使用した。
・スノーテックスO(日産化学工業製)
pH:2〜4
粒子径:10〜20nm
・スノーテックスS(日産化学工業製)
pH:9.5〜10.5
粒子径:8〜11nm
防錆剤成分としては、下記のものを使用した。
・リン酸二水素マグネシウム(米山化学製)
・リン酸二水素マグネシウム(同上)及びバナジン(V)酸アンモニウム(関東化学製)の各種比率混合物
・リン酸水素マグネシウム(関東化学製)
・L−アスコルビン酸(関東化学製)
バインダー成分である上記のコロイド状シリカ水溶液に、上記の防錆剤成分としての薬品及び蒸留水を添加したのち十分に攪拌し、表1、2に示す各種の補修液を作製した。
2.プレコート金属板
被塗物であるプレコート金属板としては、以下のものを使用した。
・PCM−1
0.5mm厚 溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量片面当たり40g/m)を原板と するクロメートフリー型プレコート金属板
・PCM−2
0.8mm厚 溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量片面当たり40g/m)を原板と するクロメートフリー型プレコート金属板
・PCM−3
0.5mm厚 電気亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量片面当たり20g/m)を原板と するクロメートフリー型プレコート金属板
各種試験に供する際のサンプル形状は評価方法毎に異なるので、評価方法の項にて後述する。
3.補修液の塗布・乾燥
刷毛塗り、ローラー塗り、及び端面の補修液への浸漬の各方法で補修液を塗布し、常温で24時間乾燥、及び80℃オーブン中で10分間加熱乾燥、の各方法で乾燥させ、表1、2に示す実施例及び比較例の試験片を作製した。
4.端面耐食性の評価方法
(1)40℃HCT
サンプル形状:50×100mm、2つの長辺がそれぞれ上バリ、下バリとなるようにシャーにて切断。両辺を補修液にて補修処理し、JIS K5600−7−2の回転式湿潤箱中に長辺を左右として吊り下げ、40℃にて耐湿性試験を500時間実施した。n=2以上。
ルーペによる目視観察により切断端面部の断面積に対する赤錆の発生面積率を測定した。評価基準は以下の通り。
○:赤錆が1%未満
△:赤錆が1%以上5%未満
×:赤錆が5%以上
(2)蒸留水浸漬試験
サンプル形状:50×50mm、4辺がそれぞれ上バリ2、下バリ2となるようにシャーにて切断。全辺を補修液にて補修処理したものを5枚ずつ作製する。蒸留水を入れたシャーレ中に5枚を重ねて浸漬し、水深が10mmとなるように調整し、シャーレの蓋をして、20℃にて500時間放置した。
切断端面部からの赤錆及び白錆のそれぞれの発生状況を観察した。評価基準は以下の通り。
(赤錆)
○:赤錆の発生無し
△:赤錆の発生若干有り(赤錆5%未満)
×:赤錆の発生有り(赤錆5%以上)
(白錆)
○:白錆の発生無し
△:白錆の発生若干有り(部分的に発生)
×:白錆の発生有り(全辺にわたって発生)
(3)塩水噴霧試験(SST)
サンプル形状:50×100mm、2つの長辺がそれぞれ上バリ、下バリとなるようにシャーにて切断。両辺を補修液にて補修処理し、JIS K5600−7−1の方法で、500時間試験を実施した。n=2以上。
表側塗膜の切断端面部からの最大膨れ幅(エッジクリープ)を、ルーペ観察にて測定した。評価基準は以下の通り。
○:2mm未満
△:2mm以上5mm未満
×:5mm以上
(4)N−CCT
N−CCTは、「SST(35℃、6時間)→移行時間(1時間)→乾燥(70℃、60%RH、4時間)→移行時間(2時間)→湿潤(49℃、95%RH、4時間)→移行時間(2時間)→冷凍(−20℃、4時間)→移行時間(1時間)→」を1サイクルとするサイクル試験である。これまでの検討にて、実際の曝露環境との相関が高いことがわかっており、N−CCTの5週間(35サイクル)が沖縄曝露の約3年に相当する。
サンプル形状:50×100mm、2つの長辺がそれぞれ上バリ、下バリとなるようにシャーにて切断。両辺を補修液にて補修処理し、N−CCTを3週間実施した。n=2以上。
表側塗膜の切断端面部からの最大膨れ幅(エッジクリープ)を、ルーペ観察にて測定した。また切断端面部からの赤錆の発生状況を観察した。評価基準は以下の通り。
(塗膜の最大膨れ幅)
○:1mm未満
△:1mm以上3mm未満
×:3mm以上
(赤錆)
○:赤錆の発生無し
△:赤錆の発生若干有り(赤錆5%未満)
×:赤錆の発生有り(赤錆5%以上)
Figure 0005169627
Figure 0005169627
表1、2の結果より、実施例についてはいずれも、蒸留水浸漬試験で白錆が若干発生するものはあるものの、全ての条件においての端面耐食性で良好な結果を示している。特に、リン酸二水素マグネシウムとバナジン(V)酸アンモニウムの混合物、及びL−アスコルビン酸を防錆剤成分とするときに、極めて良好な端面耐食性を示している。プレコート金属板の原板の板厚、亜鉛めっき付着量に関わらず、基本的な端面耐食性の傾向には差が無く、本発明による補修効果が発揮できる(通しNo.17〜21、No.43〜47、及びNo.48〜52の比較)。塗布方法についても、ローラー塗り、刷毛塗り、浸漬法のいずれでも結果は同一である(通しNo.4、No.41、及びNo.42の比較)。乾燥方法も、常温乾燥、80℃加熱乾燥を問わない結果となっている(通しNo.4と37、No.14と38、No.29と39、及びNo.34と40の比較)。バインダー成分であるシリカの種類も、端面耐食性には影響しない(通しNo.17〜21、及びNo.53〜57の比較)。
一方、比較例については、バインダー成分のみで防錆剤成分が未添加の比較例1は、バリア効果のみに頼ることにあるため、十分な端面耐食性が得られていない。防錆剤成分としてリン酸二水素マグネシウムにバナジン(V)酸アンモニウムを添加すると良好な亜鉛の防食効果を示す傾向が見られるが、比較例6は、バナジン(V)酸アンモニウムの添加比率が所定を越えているため、耐赤錆性が悪くなっている。バインダー成分に対する防錆剤成分の比率が少なすぎると(比較例2、7、12、14、16、18、及び20)、防錆剤成分未添加の比較例1に組成が近づき、十分な端面耐食性が得られていない。逆に、バインダー成分に対する防錆剤成分の比率が多すぎても(比較例3、8、13、15、17、19、及び21)、バインダー成分の製膜性が低下しシリカ皮膜が緻密なバリア層を形成することができないため、水の浸入を防止する効果が失われ、端面耐食性が悪化している。補修液の不揮発成分(バインダー成分及び防錆剤成分)の濃度が低すぎると(比較例4,及び9)、十分な端面耐食性が得られていない。塗布・乾燥で形成される皮膜の厚さが薄いためと考えられる。逆に、不揮発成分濃度が高すぎると(比較例5,及び11)、欠陥の多い補修皮膜が形成されるため、バリア性が低下し水の浸入を防止する効果が失われ、極めて深刻な端面耐食性の低下が見られる。比較例22〜24は、全く補修無し(切断したまま)の状態であり、劣悪な端面腐食が発生している。比較例25は特許文献1に相当する一般的な樹脂径塗料を塗布したもの、比較例26は特許文献2に相当するシリカ粉末2次粒子を添加した塗料を塗布したものであるが、いずれも良好な端面耐食性は得られていない。

Claims (3)

  1. 水溶液中の不揮発成分として、バインダー成分及び防錆剤成分を同時に含有する混合物において、バインダー成分シリカ微粒子であり、防錆剤成分下記(A)(B)(C)のうちいずれか1種の薬品であり、バインダー成分(シリカ微粒子)100質量部に対し防錆剤成分を5乃至50質量部含有することを特徴とする、プレコート金属板の切断端面の補修液。
    (A)リン酸二水素マグネシウム(別名:第一リン酸マグネシウム、重リン酸マグネシウム)100質量部に対しバナジン(V)酸アンモニウムを0乃至200質量部添加した混合物
    (B)リン酸水素マグネシウム(別名:第二リン酸マグネシウム)
    (C)L−アスコルビン酸
  2. 不揮発成分の濃度が5〜30質量%であることを特徴とする、請求項1記載のプレコート金属板の切断端面の補修液。
  3. プレコート金属板の切断端面に、請求項1あるいは2記載の補修液を塗布し乾燥させることを特徴とする、プレコート金属板の切断端面の補修方法。
JP2008219840A 2008-08-28 2008-08-28 プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法 Active JP5169627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008219840A JP5169627B2 (ja) 2008-08-28 2008-08-28 プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008219840A JP5169627B2 (ja) 2008-08-28 2008-08-28 プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010053404A JP2010053404A (ja) 2010-03-11
JP5169627B2 true JP5169627B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=42069624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008219840A Active JP5169627B2 (ja) 2008-08-28 2008-08-28 プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5169627B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5490086B2 (ja) * 2011-12-22 2014-05-14 Basfジャパン株式会社 クロムフリー塗料組成物及びこれを塗装して得られる塗膜
KR101297774B1 (ko) * 2012-03-12 2013-08-20 포항공과대학교 산학협력단 선도장 강판 절단면 부식방지를 위한 비전해질 니켈-인 코팅
JP6962215B2 (ja) 2018-01-24 2021-11-05 日本製鉄株式会社 めっき鋼板の端面防錆処理液、めっき鋼板の端面の化成処理方法、化成処理鋼板および成形加工品

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01131281A (ja) * 1987-02-18 1989-05-24 Nippon Paint Co Ltd 防錆顔料
JPH0751620A (ja) * 1993-08-18 1995-02-28 Kawasaki Steel Corp 耐食性に優れかつ無害性のプレコート鋼板
WO2002061175A1 (fr) * 2001-01-31 2002-08-08 Nihon Parkerizing Co., Ltd Agent de traitement de surface pour materiau metallique et procede de traitement de surface
JP4509425B2 (ja) * 2001-06-08 2010-07-21 日本パーカライジング株式会社 塗装下地処理剤、表面処理方法、金属材、加工方法、及び金属製品
JP4586349B2 (ja) * 2003-10-21 2010-11-24 住友金属工業株式会社 亜鉛系めっき鋼板の表面処理液、処理鋼板および処理方法
JP2006263597A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Nisshin Steel Co Ltd プレコート鋼板の切断端面防食方法
JP4963953B2 (ja) * 2006-01-06 2012-06-27 日本パーカライジング株式会社 水系金属表面処理剤、金属表面処理方法及び表面処理金属材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010053404A (ja) 2010-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5715965B2 (ja) 防食および低摩擦塗膜ならびにその調製方法
JP5080922B2 (ja) 端面耐食性に優れた非クロム系樹脂塗装金属板
JP5241075B2 (ja) 金属材料表面処理用のノンクロメート水系表面処理剤
EP1236775B1 (en) Metal sheet with anticorrosive coating
JP5299531B2 (ja) 耐端面赤錆性に優れたクロムフリー塗装鋼板
JP4970773B2 (ja) 金属表面処理剤、金属材の表面処理方法及び表面処理金属材
KR100765068B1 (ko) 가공성이 우수한 크롬 프리 수지 용액 조성물 및 이를이용한 표면처리 강판
JP5169627B2 (ja) プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法
JP2014065951A (ja) 亜鉛系めっき鋼板用非クロム系表面処理剤
JP4509425B2 (ja) 塗装下地処理剤、表面処理方法、金属材、加工方法、及び金属製品
JP2009072695A (ja) 塗装鋼板
JP4992500B2 (ja) 耐端面赤錆性に優れたクロムフリー塗装鋼板
JP3962123B2 (ja) 有機系表面処理金属板および有機系金属表面処理液
JP6515280B2 (ja) 切断端面から赤錆を発生させにくいプレコート鋼板組立体の作製方法およびこの方法で作製したプレコート鋼板組立体
JP5187221B2 (ja) クロムフリー塗装鋼板およびこれを用いてなる筐体
JPH1161432A (ja) 無機/有機複合表面処理金属板
KR101357881B1 (ko) 단부면 적녹 내식성이 우수한 크로메이트 프리형 프리코트 강판
KR101995685B1 (ko) 금속의 친환경 방청코팅용 표면처리 조성물 및 이를 코팅한 금속재료
JP2010083075A (ja) 耐端面赤錆性に優れたクロムフリー塗装鋼板
JP5103096B2 (ja) 端面の耐食性に優れる塗装鋼板
JP4143019B2 (ja) 無機有機複合処理亜鉛系めっき鋼板
JP3600759B2 (ja) 加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系メッキ鋼板およびその製造方法
Fleischanderl et al. Developing of thin Chromium-Free Multifunctional Treatments on Hot Dip Galvanized Steel–Strategy, Implementation and Experience
JP2005146294A (ja) 無機有機複合処理亜鉛系めっき鋼板
JP2001348673A (ja) 耐食性に優れる有機被覆表面処理金属材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5169627

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160111

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350