JP5169627B2 - プレコート金属板の切断端面の補修液及びそれを用いた補修方法 - Google Patents
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Description
(A)リン酸二水素マグネシウム(別名:第一リン酸マグネシウム、重リン酸マグネシウム)100質量部に対しバナジン(V)酸アンモニウムを0乃至200質量部添加した混合物
(B)リン酸水素マグネシウム(別名:第二リン酸マグネシウム)
(C)L−アスコルビン酸
バインダー成分には、腐食因子を含んだ水をプレコート金属板の切断端面から遮断する役割を担わせる。目的に適合する水の遮断効果が高いのは、シリカである。シリカ微粒子の分散体を塗布乾燥させることで、シリカ皮膜が切断端面を被覆することにより緻密なバリア層を形成し、水の浸入を効果的に防止することができる。一般的な有機樹脂系補修塗料では、基本的に水を透過させるため長期的な防食性の維持は難しい。
防錆剤成分には、バインダーとしてのシリカ皮膜中に含有させ、水に濡れた際に適度に溶出して相乗的に切断端面を保護し防錆する役割を担わせる。鉄に対する防錆効果を有し赤錆を抑制できることが必須であり、かつ、亜鉛に対する防錆効果を併せて有し白錆と塗膜膨れを抑制できることが要求される。リン酸二水素マグネシウム(別名:第一リン酸マグネシウム、重リン酸マグネシウム)、リン酸水素マグネシウム(別名:第二リン酸マグネシウム)、及びL−アスコルビン酸は、上述の機能を有している。
本発明の補修液の、プレコート金属板の切断端面への塗布方法は特に限定されず、刷毛、ローラー、スポンジ、布、スプレー、端面の補修液への浸漬、その他による塗布方法を自由に選択できる。また、本発明の補修液の乾燥方法は特に限定されず、常温乾燥、加熱オーブン中での乾燥、遠近赤外線、高周波誘導加熱等による加熱乾燥、その他による乾燥方法を自由に選択できる。
本発明の補修液及び補修方法は、任意のプレコート金属板に適用できる。クロメート型、クロメートフリー型のいずれであっても良いが、本発明の効果が特に発揮されるのは、耐食性に劣るクロメートフリー型プレコート金属板においてである。プレコート金属板の原板としては、例えば鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、チタン板、銅板等が挙げられる。このうち鋼板の例として、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛−鉄合金めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、クロムめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、錫めっき鋼板等が挙げられる。
本発明の補修剤は、必要に応じて着色顔料あるいは染料を添加して、任意の色に着色して使用することができる。
バインダー成分(コロイド状シリカ微粒子)としては、下記のものを使用した。
・スノーテックスO(日産化学工業製)
pH:2〜4
粒子径:10〜20nm
・スノーテックスS(日産化学工業製)
pH:9.5〜10.5
粒子径:8〜11nm
・リン酸二水素マグネシウム(米山化学製)
・リン酸二水素マグネシウム(同上)及びバナジン(V)酸アンモニウム(関東化学製)の各種比率混合物
・リン酸水素マグネシウム(関東化学製)
・L−アスコルビン酸(関東化学製)
被塗物であるプレコート金属板としては、以下のものを使用した。
・PCM−1
0.5mm厚 溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量片面当たり40g/m2)を原板と するクロメートフリー型プレコート金属板
・PCM−2
0.8mm厚 溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量片面当たり40g/m2)を原板と するクロメートフリー型プレコート金属板
・PCM−3
0.5mm厚 電気亜鉛めっき鋼板(亜鉛付着量片面当たり20g/m2)を原板と するクロメートフリー型プレコート金属板
刷毛塗り、ローラー塗り、及び端面の補修液への浸漬の各方法で補修液を塗布し、常温で24時間乾燥、及び80℃オーブン中で10分間加熱乾燥、の各方法で乾燥させ、表1、2に示す実施例及び比較例の試験片を作製した。
(1)40℃HCT
サンプル形状:50×100mm、2つの長辺がそれぞれ上バリ、下バリとなるようにシャーにて切断。両辺を補修液にて補修処理し、JIS K5600−7−2の回転式湿潤箱中に長辺を左右として吊り下げ、40℃にて耐湿性試験を500時間実施した。n=2以上。
○:赤錆が1%未満
△:赤錆が1%以上5%未満
×:赤錆が5%以上
サンプル形状:50×50mm、4辺がそれぞれ上バリ2、下バリ2となるようにシャーにて切断。全辺を補修液にて補修処理したものを5枚ずつ作製する。蒸留水を入れたシャーレ中に5枚を重ねて浸漬し、水深が10mmとなるように調整し、シャーレの蓋をして、20℃にて500時間放置した。
(赤錆)
○:赤錆の発生無し
△:赤錆の発生若干有り(赤錆5%未満)
×:赤錆の発生有り(赤錆5%以上)
(白錆)
○:白錆の発生無し
△:白錆の発生若干有り(部分的に発生)
×:白錆の発生有り(全辺にわたって発生)
サンプル形状:50×100mm、2つの長辺がそれぞれ上バリ、下バリとなるようにシャーにて切断。両辺を補修液にて補修処理し、JIS K5600−7−1の方法で、500時間試験を実施した。n=2以上。
○:2mm未満
△:2mm以上5mm未満
×:5mm以上
N−CCTは、「SST(35℃、6時間)→移行時間(1時間)→乾燥(70℃、60%RH、4時間)→移行時間(2時間)→湿潤(49℃、95%RH、4時間)→移行時間(2時間)→冷凍(−20℃、4時間)→移行時間(1時間)→」を1サイクルとするサイクル試験である。これまでの検討にて、実際の曝露環境との相関が高いことがわかっており、N−CCTの5週間(35サイクル)が沖縄曝露の約3年に相当する。
(塗膜の最大膨れ幅)
○:1mm未満
△:1mm以上3mm未満
×:3mm以上
(赤錆)
○:赤錆の発生無し
△:赤錆の発生若干有り(赤錆5%未満)
×:赤錆の発生有り(赤錆5%以上)
Claims (3)
- 水溶液中の不揮発成分として、バインダー成分及び防錆剤成分を同時に含有する混合物において、バインダー成分はシリカ微粒子であり、防錆剤成分は下記(A)(B)(C)のうちいずれか1種の薬品であり、バインダー成分(シリカ微粒子)100質量部に対し防錆剤成分を5乃至50質量部含有することを特徴とする、プレコート金属板の切断端面の補修液。
(A)リン酸二水素マグネシウム(別名:第一リン酸マグネシウム、重リン酸マグネシウム)100質量部に対しバナジン(V)酸アンモニウムを0乃至200質量部添加した混合物
(B)リン酸水素マグネシウム(別名:第二リン酸マグネシウム)
(C)L−アスコルビン酸 - 不揮発成分の濃度が5〜30質量%であることを特徴とする、請求項1記載のプレコート金属板の切断端面の補修液。
- プレコート金属板の切断端面に、請求項1あるいは2記載の補修液を塗布し乾燥させることを特徴とする、プレコート金属板の切断端面の補修方法。
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