JP5168610B2 - グラビア印刷用紙塗工用共重合体ラテックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラビア印刷用紙塗工用共重合体ラテックスに関するものである。さらに詳しくは、高速塗工時における機械的安定性および塗工適性に優れ、また得られた塗工紙が優れた強度及びグラビア印刷適性を示すグラビア印刷用紙塗工用共重合体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷は、版の凹部分に詰められたインキを紙へ刷り取るいわゆる凹版印刷であり、オフセット印刷(平版印刷)に比べインキの着肉量が多く、階調再現性にも優れているためボリューム感のある表現の豊かな印刷物を得ることが出来る。そのため、近年の雑誌のカラー化やビジュアル化と相まって急速に広まってきた。
【0003】
このようなグラビア印刷の特徴を十分発揮するために、グラビア印刷適性及び印刷時の塗工層強度に優れたグラビア印刷用塗工紙(以下グラビア塗工紙と称する)が一般的に用いられている。グラビア塗工紙は、平滑性、クッション性、吸油性等の改良により、印刷時におけるグラビア版個々のインキセルからのインキ転写の欠落、いわゆるミスドットを出来るだけ少なくするように設計されており、他の印刷方式で使用される塗工紙よりはるかにグラビア印刷適性に優れるものであるが、近年の印刷スピードの高速化によりさらに優れたグラビア印刷適性及び印刷時の塗工層強度が要求されるようになってきた。前述の点を改良するため、これまでに特定の連鎖移動剤を用いて重合された、特定のガラス転移点を有する共重合体ラテックスを用いる方法(特開平7−53609号公報)や、グラビア塗工紙の吸油性を向上させ、それによりグラビア印刷適性を改良する目的でケロシンに対する膨潤度を規定したラテックスを用いる方法(特開平11−200294号公報)などが提案されているが、塗工層強度とグラビア印刷適性の両者を十分に満たしうるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高速塗工時における機械的安定性および塗工適性に優れ、また得られた塗工紙が優れた強度及びグラビア印刷適性を示すグラビア印刷用紙塗工用共重合体ラテックスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(a)脂肪族共役ジエン系単量体30〜80重量部、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体2〜15重量部、及び(c)これらと共重合可能な他の単量体5〜68重量部からなる単量体を乳化重合して得られ、かつ、下記pHにて測定した数平均粒子径が下記(式1)を満たすことを特徴とするグラビア印刷用紙塗工用共重合体ラテックスを提供するものである。
【0006】
【数2】
0.05≦(DH−DL)/DL≦1(式1)
【0007】
(式1)において、DHはpH11にて、DLはpH5にて測定した共重合体ラテックスの数平均粒子径をそれぞれ示す。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明における脂肪族共役ジエン系単量体(a)としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
【0010】
脂肪族共役ジエン系単量体が30重量部未満では印刷時に必要とされるグラビア印刷適性(ミスドット)が劣り、また80重量部を超えると耐ブロッキング適性(製品として塗工紙を巻き取った際に、紙同士が接触・接着し剥れにくくなるトラブルをブロッキングという。)やブレード塗工時の耐バッキングロール汚れ適性等が劣るため好ましくない。さらに好ましくは40〜70重量部である。
【0011】
エチレン系不飽和カルボン酸単量体(b)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸(無水物)が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
【0012】
エチレン系不飽和カルボン酸単量体が2重量部未満ではグラビア印刷用紙塗工液とした際の機械的安定性が劣り、また、所望の強度、グラビア印刷適性が劣るため好ましくない。一方、エチレン系不飽和カルボン酸単量体が15重量部を超えると共重合体ラテックスの粘度が高くなり、共重合体ラテックス自身の取り扱い上の問題を生じる。好ましくは3〜10重量部である。
【0013】
上記脂肪族共役ジエン系単量体(a)およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体(b)と共重合可能な他の単量体(c)としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、シアン化ビニル単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
【0014】
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にスチレンの使用が好ましい。
【0015】
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマルエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
【0016】
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの使用が好ましい。
【0017】
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの使用が好ましい。
【0018】
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリルアミドまたはメタクリルアミドの使用が好ましい。
【0019】
本発明における共重合体ラテックスは、特定のpHにて測定した数平均粒子径が下記(式1)を満たすことが必要である。
【0020】
【数3】
0.05≦(DH−DL)/DL≦1(式1)
【0021】
(式1)において、DHはpH11にて、DLはpH5にて測定した共重合体ラテックスの数平均粒子径をそれぞれ示す。
【0022】
(DH−DL)/DLの値が0.05未満では該共重合体ラテックスを用いて得られた塗工紙が、塗工層強度とグラビア印刷適性の両者を十分に満たしうるものとはならず、逆に(DH−DL)/DLの値が1を超えると共重合体ラテックスの粘度が高くなり、共重合体ラテックス自身の取り扱い上の問題を生じ、さらに塗工時における塗工適性も低下する。
【0023】
共重合体ラテックスが前述の(式1)を満たすようにするためには、その構成原料、特に水溶液中で解離反応を起こしうる単量体の選択が重要である。その選択した単量体の重合時の使用量及び添加方法等を調整することにより前述の(式1)を満たすことができる。このような単量体としては、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体、及びヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体が挙げられる。(式1)を満たすための上記単量体の添加方法としては、例えば2段以上の多段重合の場合では、全ての段階において上記単量体を添加する方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明における各種成分の添加方法については、本発明にて規定した(式1)の範囲を超えない限り特に制限はなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れでも採用することができ、また乳化重合に際しては、一段重合、二段重合、多段階重合、シード重合、パワーフィード重合法等何れを採用してもよい。
更に、本発明における共重合体ラテックスの乳化重合においては、公知の連鎖移動剤、乳化剤、重合開始剤、炭化水素系溶剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等を使用することができる。
【0025】
連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α−メチルスチレンダイマー、ターピノレン等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。これら他の連鎖移動剤は、通常単量体100重量部に対して0〜20重量部にて使用される。
【0026】
乳化剤としては高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用することができる。
【0027】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶性重合開始剤の使用が好ましい。
【0028】
また、炭化水素系溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物等が挙げられる。
【0029】
本発明における共重合体ラテックスのゲル含有量は特に限定はされないが、10〜100重量%が好ましい。更に好ましくは20〜95重量%である。
【0030】
ゲル含有量とは、共重合体ラテックスフィルムのトルエンに対する不溶部の割合のことであり、具体的には以下の手法により求められる。
水酸化ナトリウムにてpH=8に調整した共重合体ラテックスをガラス板上に塗布後、室温乾燥で共重合体ラテックスからフィルムを作製する。その後フィルム約1gを正確に秤量後400ccのトルエンに入れ48時間浸漬放置する。その後あらかじめ精秤した300メッシュの金網で濾過し、金網に残った残留物を秤量する。さらに充分乾燥した後、金網に残った残留物を秤量する。次式により共重合体ラテックスのゲル含有量を求める。
ゲル含有量(%)=(トルエン浸せき後の金網残留物の乾燥重量)÷(トルエン浸せき前のフィルムの重量)×100
【0031】
本発明における共重合体の数平均粒子径は特に限定はされないが、80〜300nmが好ましい。更に好ましくは、100〜250nmである。この場合の数平均粒子径は(式1)にて規定したDLである。
【0032】
数平均粒子径は動的光散乱法により測定した。尚、測定に際しては、LPA−3000/3100(大塚電子製)を使用した。
【0033】
本発明のグラビア印刷用紙塗工用共重合体ラテックスは、白色顔料の水性分散スラリー、さらに必要に応じてその他の結合剤、増粘剤、助剤などを添加して、水性分散液として調整される。
【0034】
この際、固形分換算で顔料100重量部に対する本発明の共重合体ラテックスの配合量は特に限定されないが、3〜20重量部の範囲が好ましい。更に好ましくは4〜11重量部である。
【0035】
上記の白色顔料としては、例えば、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料が挙げられ、これらは単独または数種類混合して使用される。
【0036】
また、その他の結合剤や増粘剤として、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉及び酵素変性澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコールなどの水溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。更に、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス等を本発明の共重合体ラテックスと併用してもよいが、本発明の効果を高く発揮させるためには、これらの使用割合は全共重合体ラテックスの(固形分)50重量%未満に抑えることが望ましい。
【0037】
さらに、その他の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)を必要に応じて添加しても良い。
【0038】
また、グラビア印刷用紙塗工液を塗工用紙へ塗布する方法には、公知の技術、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーターなどのいずれの塗工機を使用しても差し支えない。また、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどにより仕上げる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。
【0040】
共重合体ラテックスの作製
耐圧性の重合反応機に、重合水150部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部、炭酸ナトリウム0.2部、過硫酸カリウム1部を仕込み、十分攪拌した後、表1に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始した。その後2段目の各単量体および他の化合物を6時間で連続添加し、重合転化率が97%を越えた時点で重合を終了した。次いで、これら共重合体ラテックスを苛性ソーダ水溶液でpHを5に調整して消泡剤を500ppm添加した後、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスa−1〜a−10、及びb−1〜b−6を得た。それぞれのpH5にて測定した共重合体ラテックスの数平均粒子径(DL)及び(DH−DL)/DLについては表1、2に示す。
【0041】
数平均粒子径の測定方法
共重合体ラテックスの数平均粒子径は動的光散乱法により測定した。測定に際しては、LPA−3000/3100(大塚電子製)を使用した。また、本請求項規定のDH及びDLは、共重合体ラテックスを水酸化ナトリウム若しくは塩酸により適宜規定pHに調整し測定した。
【0042】
グラビア印刷用紙塗工液の調整
共重合体ラテックスa−1〜a−10及びb−1〜b−3、b−5、b−6を用い、No.1カオリン80部、重質炭酸カルシウム20部、分散剤0.5部、水酸化ナトリウム0.3部、共重合体ラテックス8部、増粘剤0.3部(部数はそれぞれ乾燥重量部を表す)にて固形分濃度63%となるよう純水を用いて調整し、グラビア印刷用紙塗工液A−1〜A−10及びB−1〜B−5を得た。
【0043】
グラビア印刷用紙塗工液の機械的安定性の評価
グラビア印刷用紙塗工液を固形分濃度30重量%に調整し、ロール式機械的安定性試験機(パダースタビリティーテスター)を用いて金属ロールとゴムロールの間で機械的せん断を与え、ゴムロール上に凝固物が発生するまでの時間を測定し下記の4段階で評価した。
◎(非常に良い):45分以上
○(良い):30分以上45分未満
△(やや悪い):20分以上30分未満
×(非常に悪い):20分未満
【0044】
グラビア印刷用塗工紙の作製
得られたグラビア印刷用紙塗工液A−1〜A−10及びB−1〜B−5を用い、市販の上質紙(坪量65g/m2)に塗工量が片面12g/m2、両面24g/m2になるようブレード塗工し、各グラビア印刷用塗工紙を得た。塗工は市販の熱風塗工乾燥機MLC−100S型を用いて行った。尚、各グラビア塗工紙の塗工条件、乾燥条件、塗工紙の調湿条件、スーパーカレンダー処理条件については、表3に示した。
【0045】
耐ブロッキング性の評価
各塗工紙試料を3cm幅に短冊状に切り同一試料を5枚重ねる。これを80℃、20kg/cm2の加温加圧プレス機で10分間プレスし、その後室温にて1時間放置する。プレスした試験片を1枚ずつ4回剥がし、剥がす際に全てが簡単に剥がれたものを○、剥がれにくいものが1〜3回あったら△、全てが剥がれにくいか剥がれないものがあったら×として評価した。
【0046】
耐バッキングロール汚れ適性の評価
両面印刷塗工紙を含水率約8%に調湿しNBRゴムシート上にのせ、その上から約100℃に加熱した金属ロールにより、線圧20kg/cmの圧力にて圧着した。その後、塗工紙をゴムシートから剥がし、NBRゴムシート上の汚れの程度を肉眼で判定し、汚れのないものを○、やや汚れたものを△、かなり汚れたものを×として評価した。
【0047】
ドライピック強度の評価
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5点法(5;最も良い〜1;最も悪い)で相対的に評価した。
【0048】
グラビア印刷適正の評価
大蔵省印刷研究所式グラビア印刷機を使用し、網点グラビア版を用いて印刷を行い、ハーフトーン部のミスドットを数え、◎(優)〜×(劣)に分類する。印刷部1cm2当たりのミスドット個数により、下記のように分類した。
0〜5個:◎(優)
6〜10個:○(良)
11〜20個:△(可)
21個以上:×(不可)
【0049】
グラビア印刷用紙塗液及びグラビア印刷用塗工紙の評価
得られた各グラビア印刷用紙塗工液の機械的安定性、及びグラビア印刷用塗工紙の耐ブロッキング性、耐バッキングロール汚れ適性、ドライピック強度、グラビア印刷適正については、上記記載の評価方法に従って評価し、その結果を表4に示した。なお、共重合体ラテックスb−4についてはそれ自体の粘度が高く、実質的に取り扱える状態ではなかったため、グラビア印刷用紙塗工液及びグラビア印刷用塗工紙の評価は行わなかった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明における共重合体ラテックスを用いて作製されたグラビア印刷用紙塗工液は優れた機械的安定性を有し、また得られた印刷用塗工紙はグラビア印刷用塗工紙として優れた特性を有していることが分かる。
Claims (1)
- (a)脂肪族共役ジエン系単量体50〜80重量部、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体2〜10重量部(ただし、モノカルボン酸(無水物)を1重量部以上用いる。)、(c)アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、シアン化ビニル単量体、及び不飽和カルボン酸アミド単量体から選ばれた少なくとも1種の単量体10〜48重量部からなる単量体(ただし、アルケニル芳香族単量体を3〜41重量部の範囲で用いる。)を、2段以上の多段乳化重合法で重合を行い、かつ異なる種類の(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体を少なくとも2種以上使用する段を、少なくとも1段以上存在させ、さらに2段目以降の重合の際には単量体及び重合に用いられる化合物を連続添加する方法で乳化重合して得られ、かつ、下記pHにて測定した数平均粒子径が下記(式1)を満たすことを特徴とするグラビア印刷用紙塗工用共重合体ラテックス。((a)、(b)及び(c)の単量体の合計は100重量部である。)
(数1)
0.05≦(DH−DL)/DL≦0.76 (式1)
(式1)において、DHはpH11にて、DLはpH5にて測定した共重合体ラテックスの数平均粒子径をそれぞれ示す。(ただし、(a)共役ジエン系単量体10〜70重量%(b)エチレン系不飽和単量体20〜89.5重量%(c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%を含む単量体を、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィドおよびチウラムジスルフィドから選ばれる少なくとも1種のジスルフィド化合物の存在下において、乳化重合することを特徴とする共重合体ラテックスを除く)
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