JP2591027B2 - 紙用塗工液組成物 - Google Patents

紙用塗工液組成物

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    • D21H19/56Macromolecular organic compounds or oligomers thereof obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D21H19/58Polymers or oligomers of diolefins, aromatic vinyl monomers or unsaturated acids or derivatives thereof

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は紙用塗工液組成物において、優れた流動性、
保水性を有し、かつ優れた印刷適正の塗工紙が得られる
紙用塗工液組成物に関するものである。
[従来の技術] 水性の紙用塗工液組成物は顔料、結合剤、及び各種の
添加剤からなっている。従来結合剤としては一般にスチ
レン−ブタジエン系共重合体ラテックスを中心とした合
成ゴム系水性分散体とカゼイン、澱粉、カルボキシルメ
チルセルロース(CMC)等の水溶性高分子物質が併用さ
れている。
又顔料にはカオリナイトクレー、炭酸カルシウム等が
用いられている。
結合剤として併用される水溶性高分子物質は、結合剤
としてだけではなく、塗工液組成物に適度の粘度、流動
性、保水性を付与する塗工液のレオロジーコントロール
剤として作用し塗工操業性を良好なものとしている。
しかしながら、これらの水溶性高分子を結合剤として
併用した場合、得られる塗工紙品質に悪影響を与える。
例えば、これらの水溶性高分子が硬い高分子である為
に、得られた塗工紙はグラビア印刷時にハイライト部で
の網点欠落(ミスドット)を生じ印刷美観を損ねる。ま
た塗工乾燥時に塗工液内で移動し易くオフセット印刷時
のモットリング発生の主たる要因である事が知られてい
る。また印刷光沢の低下を招く事も知られている。ま
た、これらの水溶性高分子を顔料結合剤として併用され
た場合、省エネルギー、ハンドリングの面にも悪影響を
与える。すなわちこれらの水溶性高分子を溶解する際、
多量の水を必要とし、塗工乾燥時の熱エネルギー低減の
さまたげとなるばかりでなく、溶解時に加温あるいはア
ルカリ性物質の添加を必要とするこれらは省エネルギー
化の支障となる。更に澱粉等の水溶性天然高分子物質の
場合、腐敗の問題がある。
これらの問題点を解決する為、上記の水溶性高分子に
かわるものとして従来より合成高分子を使用する試みが
なされてきた。近年、カルボキシル基を多数有するポリ
マーの水性分散体からなるレオロジーコントロール剤が
開発され、それを開示するものとして特開昭61−43607
号公報、特開昭59−154133号公報等が知られている。こ
れらは酸性側においては粘度が低いが、アルカリ性にお
いてはポリマー粒子が速やかに膨潤あるいは溶解して適
度の粘度を有するアルカリ可溶性共重合体ラテックスで
ある。
本発明者らがこれらのレオロジーコントロール剤を用
いて紙用塗工液組成物の検討を行なったところ、塗工液
の流動性、保水性において未だカゼイン、澱粉等に比べ
劣っていることが明らかになった。
[発明が解決しようとする課題] 上述のとおり、紙用塗工液組成物して、カゼイン、澱
粉等のレオロジーコントロール剤が有する粘度、流動
性、保水性とこれらを用いない時に得られる塗工紙の良
好な品質を両立させる事が本発明の目的である。
本発明者らは紙用塗工液組成物の品質を低下させない
で流動性、保水性を改良すべく鋭意研究を行なった。
その結果、アルカリ可溶性共重合体ラテックスをセル
ロース誘導体および/またはポリアクリル酸アルカリ金
属塩の存在下に重合する事によって上記の技術的課題が
改善出来る事を見い出し、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] 本発明は主成分としての顔料ならびに顔料結合剤とし
て下記アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)および
アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)とを含有して
なる紙用塗工液組成物であって、前記ラテックス(A)
およびラテックス(B)の重量比が0.2:99.8〜15:85の
範囲であることを特徴とする紙用塗工液組成物を提供す
るものである。
アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A): エチレン性不飽和カルボン酸 10〜60重量% エチレン性不飽和カルボン酸エステル 10〜90重量% およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体0〜80重
量% から構成された単量体混合物100重量部をセルロース誘
導体および/またはポアクリル酸アルカリ金属塩0.5〜
5重量部の存在下に共重合された共重合体ラテックス アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B): 共役ジオレフィン 30〜70重量% エチレン性不飽和カルボン酸 0.5〜10重量% およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体20〜69.5
重量% で構成され単量体混合物を共重合させた共重合体ラテッ
クス 以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のアルカリ可溶性共重合体ラテックス
(A)について説明する。
アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)の製造に使
用されるエチレン性不飽和カルボン酸として、たとえ
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、クロトン酸、ジカルボン酸の半エステル
などが挙げられ、中でも特にアクリル酸および/または
メタクリル酸が好ましく用いられる。エチレン性不飽和
カルボン酸は10〜60重量%であり、10重量%未満使用し
た場合には高い保水性を有する紙用塗工液組成物が得ら
れない。またエチレン性不飽和カルボン酸を60重量%を
超えて使用すると、乳化重合時に多量の凝固物が発生す
るばかりでなく、高い保水性を有する紙用塗工液組成物
が得られない。好ましくは20〜40重量%の範囲で用いら
れる。
またエチレン性不飽和カルボン酸エステルとしては、
たとえば炭素数1〜4のアルキル基を有する(エタ)ア
クリル酸アルキルエステルあるいは炭素数2〜4でかつ
ヒドロキシル基をもつアルキル基を有する(メタ)アク
リル酸ヒドロキシルアルキルエステルが好適に用いられ
る。後者の具体例としてメタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられ
る。これらの化合物は1種または2種以上用いられる。
エチレン性不飽和カルボン酸エステルの使用割合は10〜
90重量%、好ましくは20〜80重量%である。10重量%未
満であると重合中重合安定性が低下し、一方90重量%を
超えると高い保水性を有する紙用塗工液組成物が得られ
ない。
これらの共重合可能な他のビニル単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラメ
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、N−メチルロールアクリルア
ミド、N−ブトキシアクリルアミド、ダイアセトンアク
リルアミドなどのアミド結合を有する共重合性不飽和化
合物;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどの
ビニルシアン化合物;酢酸ビニル、ギ酸ビニル、アリル
アセテート、メタアリルアセテートなどのモノオレフィ
ン類;メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジメタクリレート、ビニル(メ
タ)アクリレート、トリビニルベンゼン、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリ
レートなどの多官能性単量体等が挙げられる。
これらの単量体は紙用塗工液組成物の保水性、粘度、
流動性を適度に調整する為に1種又は2種以上組み合せ
て用いられる。
これらの単量体は0〜80重量%の範囲で用いられ、好
ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは1〜20重量%
である。80重量%を超えて使用した場合は充分高い保水
性を有する紙用塗工液組成物が得られない。
上記単量体混合物の共重合時には、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等の半合成品のセルロース
誘導体で代表されるセルロース誘導体;ポリアクリル酸
のアルカリ金属塩が用いられる。ロット間のばらつきの
少なさ、取り扱いの容易さからヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸の
アルカリ金属塩といった半合成品、合成品が好ましい。
これらセルロース誘導体および/またはポリアクリル
酸アルカリ金属塩を上記単量体混合物の共重合時に使用
することで、塗工紙物性を低下させないで、適度な粘
度、適当な流動性、保水性を付与するもので、更に、本
発明のアルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)とアル
カリ不溶性共重合体ラテックス(B)との配合において
著しい安定性が得られる。これらの効果は、セルロース
誘導体および/またはポリアクリル酸アルカリ金属塩を
重合時に使用することで達成されるものであって、重合
後の添加では目的とする効果が得られない。この改良に
関する機構については、明確ではないが、これらのセル
ロース誘導体および/またはポリアクリル酸アルカリ金
属塩は、アルカリ可溶性重合体ラテックスが重合される
際に重合開始剤によって高分子鎖が切断され、共重合さ
れる高分子に組み込まれる事により、高分子構造が変化
しこれらのセルロース誘導体および/またはポリアクリ
ル酸アルカリ金属塩を用いない場合、あるいは重合後に
添加する後添加では得られなかった上述の効果を付与す
るものと推察される。セルロース誘導体および/または
ポリアクリル酸アルカリ金属塩の使用量は単量体混合物
100重量部に対して、0.5〜5重量部、好ましくは0.5〜
3重量部である。使用量が0.5重量部未満であると上述
した本発明の目的とする効果が得られず、一方5重量部
を超えると重合時に多量の凝固物を発生する。
アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)を乳化重合
する際には、後述のアルカリ不溶性共重合体ラテックス
(B)のところで記述されている公知の乳化剤、重合開
始剤、連鎖移動剤、および重合法が用いられる。
次に、本発明のアルカリ不溶性共重合体ラテックス
(B)について説明する。
共役ジオレフィンとしては、例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、1ク
ロル−1,3−ブタジエンなどがあげられる。価格、入手
の用意さから1,3−ブタジエンを用いるのが好ましい。
共役ジオレフィンは、紙用塗工液組成物の塗膜に適度な
弾性を与え、その使用量は30〜70重量%、好ましくは35
〜65重量%であり、30重量%未満であると硬くてもろく
なり、一方70重量%を超えると、塗膜がやわらかく、強
度のないものとなる。
また、エチレン性不飽和カルボン酸としては、前記ラ
テックス(A)において用いられるものと同様であっ
て、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
フマル酸、マレイン酸などがある。
かかるエチレン性不飽和カルボン酸は塗工液組成物の
ラテックスの粘度の安定化、機械的安定性を与えるもの
で、その使用量は0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重
量%であり、0.5重量%未満であると十分な粘度の安定
化および機械的安定性が得られず、一方10重量%を超え
ると、塗工液組成物の粘度が上昇し操作性が低下し、そ
の上塗工液組成物の塗膜の強度も低下し好ましくない。
これらと共重合可能な他のビニル単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラメ
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸のア
ルキルエステル類またはヒドロキシアルキルエステル
類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのビ
ニルシアン化合物;アクリルアミド、メタアクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、アクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジルなどが含まれる。
前記ビニル単量体量は、20〜69.5重量%、好ましくは
30〜65重量%である。これらの単量体は、塗膜に適度な
強度を与えるもので、20重量%未満でも69.5重量%を超
えても、強度のある塗膜が得られない。
アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)を乳化重合
するには公知の乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤が用い
られる。例えば乳化剤としては、アニオン性、ノニオン
性、両性およびカチオン性乳化剤を使用することがで
き、アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコ
ールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、脂肪族スルフォン酸塩などが挙げられる。またノニ
オン性界面活性剤としては通常のポリエチレングリコー
ルのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキ
ルフェニルエーテル型などが用いられる。
両性界面活性剤としてはアニオン部分としてカルボン
酸塩、硫酸エステル塩、スルフォン酸塩、りん酸エステ
ル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモ
ニウム塩を持つものが挙げられる。
開始剤としては過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウムなどの水溶性開始剤、過酸化ベンゾ
イルなどの油溶性開始剤あるいはレドックス系開始剤の
いずれでも使用できる。連鎖移動剤、キレート剤、無機
塩なども乳化重合として公知のものが用いられる。
共重合は、たとえば単量体混合物の一括仕込みで行な
われる。しかし単量体混合物の一部を重合した後、次い
でその残部を重合の進行に従って断続的にもしくは連続
的に添加する方法でも良い。また、単量体混合物を重合
の始めより連続的に添加する重合方法をとることもでき
る。
次に、顔料結合剤について説明する。
本発明の組成物の顔料結合剤成分においてはアルカリ
可溶性共重合体ラテックス(A)はカルボキシル基の一
部または全部がアルカリで中和されたとき増粘剤として
作用し、紙用塗工組成物の粘度を上昇させると共に高い
保水性を与えるものであるが、ラテックス(A)とラテ
ックス(B)の重量比は0.2:99.8から15:85の範囲で使
用することが必要である。好ましくは1:99から10:85で
ある。
ラテックス(B)が前記範囲より多くなると、生成し
た塗工液の粘度、保水性が低くグラビア印刷紙用塗工液
組成物として塗工した場合良好なグラビア印刷適性が得
られず、一方ラテックス(A)が前記範囲より多くなる
と、塗工液の増粘効果が著しくなり操作性に支障をきた
す。また、良好な紙面強度を有する塗工紙が得られな
い。
本発明の塗工液組成物においては、前記ラテックス
(A)およびラテックス(B)からなる顔料結合剤を顔
料100重量部に対して3〜20重量部配合して使用される
が、好ましくは5〜18重量部である。該使用量が3重量
部未満では紙面強度が低く、一方20重量部を超えるとグ
ラビア印刷適性、耐ブリスター性、インク着肉性が劣
る。顔料100重量部に対して上記の割合で使用された
時、紙用塗工液組成物の粘度、流動性、保水性がエアナ
イフコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ブレ
ードコーター等各種塗工機に適したものとなるよう調整
可能であり、グラビア印刷、オフセット印刷あるいは洋
紙、板紙等の各種印刷様式に適した塗工液組成物を与え
る。
本発明の紙用塗工液組成物に使用する顔料はクレイ、
タルク、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、酸化チタ
ン、サチンホワイトなどの紙被覆用に一般に使用されて
いる鉱物性顔料である。
更に一般に使用されている種々の配合剤、例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアの如き
アルカリ性物質、更に顔料分散剤、蛍光染料や着色顔料
などを任意に配合することもできる。
[実施例] 次に実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発
明はその要旨を越えない限り以下の実施例に制約される
ものではない。なお「部」は重量基準である。
実施例で用いる試験方法を以下に示す。
1.紙塗工用組成物について pH 粘度 BM型粘度計(60rpm,NO.4スピンドル)により初期粘度
を測定した。
高剪断粘度 ハーキュレス・ハイシェア・ビスコメーター(4400rp
m,Eボブ)により測定した。
保水性 浸透発色法により測定した。具体的には水によって発
色する染料を濾紙の片面にまぶし、その面を上にして、
紙塗工用組成物の表面に静置する。この組成物の水分が
毛管浸透により濾紙上面に達し、染料に触れると染料が
発色する。塗工用組成物の表面に濾紙を置いてから、発
色するまでの時間を計測する。数字の大きいほど保水性
が良好である。
2.塗工紙について ドライ強度(接着強度の指標) RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階で評価した。点数の高いものほど、ドラ
イ強度が良好である。測定回数6回の平均値で示す。
ウェット強度(耐水性の指標) RI印刷機で湿し水を与えたときのピッキングの程度を
肉眼で判定し、5段階で評価した。点数の高いものほ
ど、ウェット強度が良好である。測定回数6回の平均値
で示す。
白紙光沢 塗工紙表面を村上式光沢度計を使用し、75゜の測定角
で測定した。白紙光沢値は、数値の大きい方が良好であ
る。
印刷光沢 RI型印刷機を用い、市販のオフセット印刷用紅インク
を0.4cc使用して、1回ベタ印刷を行い、1昼夜室温で
放置し、この試験紙表面を村上式光沢度計を使用し、75
゜の測定角で測定した。印刷光沢値は、数値の大きい方
が良好である。
ミスドット率(グラビア印刷適性の指標) 大蔵省印刷局式グラビア印刷試験機を用いて試験片を
印刷する。図版として網点グラビアを使用する。発生し
たミスドットの数が、全網点数に占める割合で定義し、
%で表示した。数値が小さいもの程良好である。
(1)アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)の製造 オートクレーブに水200部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム1部および過硫酸ナトリウム0.5部を仕
込んだ。その後オートクレーブを66℃に加熱し、表1に
示した組成のアルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)
の単量体混合物100部とセルロース誘導体および/また
はポリアクリル酸アルカリ金属塩に水を加え100部とし
た水溶液を1時間にわたって、オートクレーブ内へ連続
的に添加し、更にその後2時間反応を行ない、重合をほ
ぼ完結させ、アルカリ可溶性共重合体ラテックス(a)
を得た。
同様の方法にて表−1の組成で重合を行ない共重合体
ラテックス(b)〜(m)を得た。
(2)アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)の製造 オートクレーブに水200部、スチレン52部−ブタジエ
ン33部−メチルメタクリレート12部−イタコン酸3部よ
りなる表2に示したアルカリ不溶性共重合体ラテックス
(B)の単量体混合物100部、ドデシルベンゼンスルフ
ォン酸ナトリウム0.2部、過硫酸カリウム1.5部、t−ド
デシルメルカプタン0.6部を入れ、60℃で反応を開始し
た。20時間加熱撹拌してほぼ重合は完結し、共重合体ラ
テックスAを得た。
同様にして共重合体ラテックスB〜Eを得た。
(3)アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)とアル
カリ不溶性共重合体ラテックス(B)のブレンド調製 (1),(2)で得られた共重合体ラテックス
(A),(B)を表3に示した割合でブレンド調製し、
ブレンド系(i)〜(XXV)を得た。これを用いて塗工
液物性、塗工紙物性評価を行なった。尚比較のため、水
溶性高分子を共重合体ラテックス(A)重合時に使用せ
ず、ブレンド時に後添加したブレンド系を(XXVi)とし
て示したがラテックス粘度が経時的に上昇し最終的にク
リーム状となり実用に供せなかった。
(4)紙用塗工液組成物の調製 (i)グラビア印刷紙用塗工液組成物 (3)でブレンドした共重合体ラテックスを用いて下
記の配合処方[I]によりグラビア印刷紙用塗工液組成
物を調製した。
配合処方[I] (部) クレー(HTクレー、エンゲルハード社製) 100 分散剤(アロンT−40、東亜合成化学製) 0.2 ラテックス(固形分として) 7.0 水(固形分60%になるように添加した) その後、これらの塗工液組成物を水酸化ナトリウム水
溶液でpHを約9.5にした。
尚、比較の為ラテックスと水溶性高分子をバインダー
として併用しグラビア印刷紙用塗工液組成物を調製し
た。
(ii)板紙用塗工液組成物 (3)でブレンドした共重合体ラテックスを用いて下
記配合処方[II]により、板紙用塗工液組成物を調製し
た。
配合処方[II] クレー(ウルトラホワイト−90、エンゲルハード社製)
65部 炭酸カルシウム(タマパールT222H、奥多摩工業社製) 30部 二酸化チタン 5部 共重合体ラテックス(固形分換算量) 17部 分散剤(アロンT−40東亜合成化学製) 0.2部 水(全固形分が60%になるような相当量を添加) その後、これらの塗工液組成物を水酸化ナトリウム水
溶液でpHを約9.5にした。
上記の2種の配合処方により塗工液を作成し、所定の
試験を行なった。
(5)塗工紙の作成 各組成物を塗被原紙上に塗工量が片面15±0.5g/m2
なるように電動式ブレードコーター(熊谷理機社製)で
塗工し、ギアーオーブンにて140℃、20秒で乾燥した。
得られた塗工紙をカレンダー処理し、光沢を付与し、所
定の試験を行なった。
(6)塗工液組成物、塗工紙物性評価 表4に実施例、比較例の塗工液組成物、塗工紙の評価
結果を示した。以下に各実施例、比較例について説明す
る。
実施例1〜4 アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)の単量体組
成を本発明の範囲内で変量した場合で、いずれの場合も
グラビア印刷紙用塗工液、塗工紙とし良好な物性を示し
ている。
実施例5 アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)の単量体組
成を本発明の範囲で変えたもので、より一層優れたグラ
ビア印刷適性を示す。
比較例1〜3 アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)の単量体組
成、セルロース誘導体および/またはポリアクリル酸ア
ルカリ金属塩が本発明の範囲からはずれた例であり、塗
工液物性において、実施例に比べ劣っている。比較例1
はセルロース誘導体もポアクリル酸金属塩も用いない場
合で、保水性において劣る。比較例2はメタクリル酸が
過少であり、粘度並びに保水性が不充分である。比較例
3はメタクリル酸が過大であり、粘度、ハーキュレス粘
度が大き過ぎる。
比較例4,5 アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)の単量体組
成を本発明の範囲をはずれる用い方をしたもので、塗工
液物性は良好であるが、塗工紙物性において劣ってい
る。比較例4は特にグラビア印刷適性が劣っており、比
較例5は特に接着強度が劣っている。
比較例6,7 共重合体ラテックス(A),(B)の混合割合が本発
明の範囲をはずれた場合で、比較例6は(A)が過少の
場合であり、塗工液の粘度、保水性が低過ぎ、得られた
塗工紙もグラビア印刷適性において劣っている。比較例
7は(A)が過多の場合であり、塗工液の粘度、ハーキ
ュレス粘度が高過ぎ、得られた塗工紙も接着強度におい
て劣っている。
実施例6〜10 アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)のセルロー
ス誘導体および/またはポリアクリル酸アルカリ金属
塩、単量体組成を本発明の範囲で変量したもので良好な
塗工液、塗工紙物性を示す。
実施例11,12 アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)の単量体組
成を本発明の範囲で変量したもので良好な塗工液、塗工
紙物性を示す。
比較例8,9 アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)のセルロー
ス誘導体および/またはポリアクリル酸アルカリ金属
塩、単量体組成を本発明の範囲をはずれて用いた場合
で、比較例8はセルロース誘導体もアクリル酸アルカリ
金属塩も用いない場合、比較例9はスチレンを過多使用
した場合であるが、いずれも塗工液の保水性が劣る。
比較例10,11 アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)の単量体組
成を本発明の範囲をはずれて用いた場合で、塗工液物性
は良好であるが、塗工紙物性において劣る。比較例10で
は接着強度、光沢において劣る。比較例11では特に耐水
性が劣る。
比較例12,13 共重合体ラテックス(A),(B)の混合割合が、本
発明の範囲をはずれた場合で、比較例12は(A)が過少
の場合で、塗工液の粘度、保水性が低過ぎる。比較例13
は(A)が過多の場合で、塗工液の粘度、ハーキュレス
粘度が高過ぎる。
比較例14,15 アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)としてセル
ロース誘導体もポリアクリル酸アルカリ金属塩も用いず
に重合して得られたものを用い、重合時に使用すべき量
のセルロース誘導体を塗工液調製時に後添加した例が比
較例14である。またアルカリ可溶性共重合体ラテックス
(A)を使用せず代りにセルロース誘導体を塗工液調製
時に後添加した例が比較例15である。
比較例14では重合時にセルロース誘導体および/また
はポリアクリル酸アルカリ金属塩を使用した場合と異な
り、比較例1とほぼ同一の塗工液、塗工紙物性を示し保
水性において劣る。
比較例15ではセルロース誘導体をラテックスと共にバ
インダーとして併用した場合で、塗工液物性においては
優れるもののグラビア印刷適性において劣る結果となっ
ている。
[発明の効果] 以上記載から明らかなように本発明の紙用塗工液組成
物は、各種塗工法にあった粘度、ハーキュレス粘度に調
製可能であり、保水性に優れる。また得られた塗工紙も
優れた印刷適性を示す。
従って、本発明は優れた紙用塗工液組成物を提供する
ものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分としての顔料ならびに顔料結合剤と
    して下記アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A)およ
    びアルカリ不溶性共重合体ラテックス(B)とを含有し
    てなる紙用塗工液組成物であって、前記ラテックス
    (A)およびラテックス(B)の重量比が0.2:99.8〜1
    5:85の範囲であることを特徴とする紙用塗工液組成物。 アルカリ可溶性共重合体ラテックス(A): エチレン性不飽和カルボン酸 10〜60重量% エチレン性不飽和カルボン酸エステル 10〜90重量% およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体0〜80重
    量% から構成された単量体混合物100重量部をセルロース誘
    導体および/またはポリアクリル酸アルカリ金属塩0.5
    〜5重量部の存在下に共重合させた共重合体ラテックス アルカリ不溶性共重合体ラテックス(B): 共役ジオレフィン 30〜70重量% エチレン性不飽和カルボン酸 0.5〜10重量% およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体20〜69.5
    重量% で構成され単量体混合物を共重合させた共重合体ラテッ
    クス。
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