JP5166844B2 - Itoインク - Google Patents

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Description

本発明は、ITO(錫ドープ酸化インジウム)インクに関する。
ガラス基板上に透明導電膜を形成する方法として、スパッタリング法が知られている。この方法には、ITOターゲットの表面に磁界を印加してプラズマを安定化させるマグネトロンスパッタリング法や、反応性ガスを基板近傍に供給して成膜組成を制御する反応性スパッタリング法などがある。スパッタリング法においては、真空ラインを必要とするため、設備投資額や維持コストが高くなる。また、原料であるITOターゲットから、最終的に透明導電膜として利用できるITOの割合は、概して4〜6%程度であり、歩留まりが著しく低く経済性に欠ける。さらに、スパッタリング法により透明導電性回路を形成するためには、レジスト塗布工程、エッチング工程、洗浄工程等が必要不可欠であり、それらの工程から排出されるエッチング液等の産業廃棄物の処理も必要となり、製造コストの増大のみならず、環境の面からも問題となっている。
スパッタリング法以外の透明導電膜の形成技術として、例えば透明導電性高分子を用いる技術が知られている。しかし、透明導電性高分子は、透明性は高いものの、比抵抗が約102〜約103のオーダーであり、抵抗が十分に低いとは言えない。
透明導電膜の別の形成技術として、特許文献1及び2に記載されているように、ITO粒子をスラリーやインク状の組成物とし、これをスピンコートなどの塗布法により透明導電膜を形成する技術も知られている。また、本出願人は先に、スピンコートに代えて、インクジェット法によってITO粒子を含むインクから透明導電膜を形成する技術を提案した(特許文献3参照)。しかし、透明導電膜の透明性と低抵抗の両立の要求は更に高まっている。
特開平6−232586号公報 特開平5−279597号公報 特開2006−152203号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術よりも各種の性能が更に向上したITOインクを提供することにある。
本発明は、分散媒にITO粒子を分散させてなり、チタンカップリング剤、及びオキサゾリン基を有しかつ三次元架橋が可能なアクリル樹脂を含むことを特徴とするITOインクを提供するものである。
また本発明は、ITOインクを用いて導電膜を製造する方法であって、該ITOインクの塗膜を形成し、該塗膜を100〜350℃で焼成することを特徴とする導電膜の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、透明性が高く、また抵抗が低いとともに、表面硬度が高く、耐酸性に優れた透明導電膜をインクジェット法で容易に形成し得るITOインクが提供される。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のインクは分散媒にITO粒子を分散させてなるものである。インク中にはチタンカップリング剤、及び特定の構造を有するアクリル樹脂が含有されている。
ITO(錫ドープ酸化インジウム)粉としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを特に制限なく用いることができる。ITO粒子は、例えばインジウム塩及び錫塩を含む酸性水溶液にアルカリ水溶液を添加することにより共沈水酸化物を析出させ、洗浄し、固液分離した後、微還元性雰囲気下、300〜1000℃で該共沈水酸化物の一次焼成を行い、引き続き微還元性雰囲気又は不活性雰囲気下、600〜1000℃で二次焼成することで得ることができる。このような方法で製造されたITO粒子は、その製造方法に起因して酸素欠損が生じている。この酸素欠損は、ITOナノ粒子の導電性を高めることに寄与している。
本発明のインクがインクジェット方式で使用されるものであることを考慮すると、本発明で用いられるITO粒子は、一次粒子の平均粒径が微細であるほど、インクジェットのノズルの目詰まりを引き起こす可能性は低く、ファインピッチの微細回路の形成に適してくる。具体的には、一次粒子の平均粒径が100nm以下であることが好ましく、特に好ましくは5〜40nmである。本発明において一次粒子の平均粒径とは、透過型電子顕微鏡で観察したときの、一視野中に含まれた最低200個の粉粒の粒径を観察し、これらを積算し平均することにより求められる粒径を意味する。
ITOの一次粒子の平均粒径が小さいということは、該粒子が細かなものであるという根拠になる。しかし、微粒であってもインク中で粒子同士の凝集が進行し、二次構造体としての粒径が大きくなると、該インクから形成された導電膜の表面平滑性が低下する。また本発明のインクをインクジェット印刷方式等で使用した場合に、ノズルの目詰まりが起こるおそれがある。これらの観点から、インク中のITO粒子の二次構造体としての凝集粒の最大粒子径を0.2μm以下とすることが好ましい。
ITO粒子の形状に特に制限はない。例えば球状のITO粒子を用いることができる。
インク中におけるITO粒子の配合量は好ましくは1〜80重量%、更に好ましくは5〜80重量%である。ITO粒子の配合量をこの範囲内とすることによって、該インクから形成された導電膜の表面平滑性を高くすることができ、また導電膜を十分に薄膜化することができる。
本発明のインクで用いられるチタンカップリング剤は、該インクから形成される塗膜と基板との密着性を向上させるために用いられる。また、チタンカップリング剤は、後述するアクリル樹脂の三次元架橋を促進させる架橋剤的な働きも有する。
チタンカップリング剤としては、上述の作用を有するものが好適に用いられる。特に、チタンカップリング剤は塩を含まないものであることが好ましい。塩を含まないチタンカップリング剤を用いることで、インク中におけるITO粒子の分散性が阻害されにくくなるという利点がある。塩を含むチタンカップリング剤とは、例えばジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム(Ti(OH)2(OC25COO-2(NH4 +2)などのことである。
塩を含まないチタンカップリング剤の好適な例としては、チタンのアルコキシド、チタンのキレート、チタンのアシレートなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
チタンのアルコキシドとしては、例えばTi(OR)4(式中、Rは同一の又は異なるアルキル基を表す。)で示されるものが挙げられる。その具体例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。
チタンのキレートとしては、例えばTi(OR)n(X)4-n(式中、Rは同一の又は異なるアルキル基を表し、Xはキレート配位子を表し、nは0〜3の整数を表す。)で示されるものが挙げられる。その具体例としては、チタンアセチルアセトナート((C37O)2Ti(C5722)、チタンオクチルグリコーレト((C817O)2Ti(C81722)、チタンテトラアセチルアセトナート(Ti(C5724)、チタンエチルアセトアセテート((C37O)2Ti(C6932)等が挙げられる。
チタンのアシレートとしては、例えばTi(OR1n(OCOR24-n(式中、R1及びR2はアルキル基を示し、nは0〜3の整数を表す。)で示されるものが挙げられる。その具体例としては、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
本発明において用いられるチタンカップリング剤は、インク中に含まれるITO粒子の配合量との関係で配合量が決定される。具体的には、チタンカップリング剤/ITO粒子の重量比が0.01〜1.0、特に0.1〜0.5となるようにチタンカップリング剤が配合されることが好ましい。チタンカップリング剤の配合量をこの範囲とすることで、本発明のインクから形成される導電膜と基板との密着性が十分に高くなり、また該導電膜の表面平滑性が十分に高くなる。その上、該導電膜の導電性が十分に高くなる。ITO粒子に対するチタンカップリング剤の重量比は上述の通りであるが、インク中でのチタンカップリング剤それ自体の濃度は、前記の重量比を満たすことを条件として、0.01〜40重量%、特に0.1〜40重量%であることが好ましい。
本発明のインクで用いられるアクリル樹脂は、オキサゾリン基を有しかつ三次元架橋が可能なものである。このアクリル樹脂は、本発明のインクから形成される導電膜の表面硬度及び耐酸性を向上させるために用いられる。また、このアクリル樹脂は透明性が高いので、本発明のインクから形成される導電膜の透明性を向上させることにも寄与している。
前記のアクリル樹脂に含まれているオキサゾリン基は、以下の構造を有するものである。
Figure 0005166844
オキサゾリン基を有するアクリル樹脂は、オキサゾリン基の開環によって三次元的に架橋する。本発明で用いられるアクリル樹脂は、本発明のインクに含まれる媒体の種類に応じて、水溶性又は油溶性のものが用いられる。そのようなアクリル樹脂としては、たとえば日本触媒から入手可能なオキサゾリン基含有アクリル樹脂である「エポクロス」(登録商標)などが挙げられる。
前記のアクリル樹脂は、インク中に含まれるITO粒子の配合量との関係で配合量が決定される。具体的には、アクリル樹脂(固形分)/ITO粒子の重量比が0.01〜1.0、特に0.1〜0.5となるようにアクリル樹脂が配合されることが好ましい。アクリル樹脂の配合量をこの範囲とすることで、本発明のインクから形成される導電膜の表面硬度及び耐酸性が十分に高くなり、また該導電膜の透明性が十分に高くなる。ITO粒子に対するアクリル樹脂の重量比は上述の通りであるが、インク中でのアクリル樹脂(固形分)それ自体の濃度は、前記の重量比を満たすことを条件として、0.01〜40重量%、特に0.1〜40重量%であることが好ましい。
本発明のインクは、前述したITO粒子を分散媒に分散させてなるものである。この分散媒としては、1種又は2種以上の有機溶剤を用いることができる。分散媒における主溶剤としては一価アルコール類やグリコール類が好適に用いられる。主溶剤とは、分散媒が2種以上の有機溶剤からなる場合、必ずしも比率が最も高い有機溶剤のことを意味するわけではない。
一価アルコール類としては、例えば1−ブタノール、1−ペンタノール、グリシドール、ベンジルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n−ブチルカルビトール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。中でも、常圧での沸点が100℃以上で、かつ室温の常圧下で気化しづらいものが良く、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、ジアセトンアルコールを用いることがより好ましい。
グリコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、常温(20℃)での粘度が100mPa・sec以下であるものが好ましい。粘度が高すぎる場合、インクジェットに適した粘度調整が困難となるからである。グリコール類としては、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコールを用いることが好ましく、とりわけエチレングリコールを用いることが好ましい。
主溶剤は本発明のインク中に好ましくは5〜80重量%、更に好ましくは35〜80重量%配合される。
本発明のインクには、分散媒として、前述の主溶剤に加えて他の有機溶剤を含有させることができる。他の有機溶剤は、主として表面張力調整剤や、粘度調整剤としての働きを有する。表面張力調整剤や粘度調整剤としての働きを有する有機溶剤をインク中に含有させることで、本発明のインクの表面張力及び粘度がインクジェット印刷方式に適切な範囲となる。表面張力調整剤や粘度調整剤として用いられる有機溶剤は、主溶剤と相溶性があることが好ましい。
表面張力調整剤に関しては、その表面張力が15〜40mN/mであるものを用いることが好ましい。具体的には、1−ブタノール、1−ペンタノール、4−メチルー2−ペンタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、n―ブチルカルビトール等が挙げられる。これらのうち、2−n−ブトキシエタノール等を用いると、ITOインクとしての長期間の品質安定性が維持されやすいので好ましい。なお、用いる表面張力調整剤の種類によっては、先に説明した主溶剤が表面張力調整剤を兼ねる場合がある。そのような場合には、主溶剤とは別途に表面張力調整剤を配合する必要はない。
粘度調整剤に関しては、それ自体の粘度が25℃において0.6〜60mPa・secであることが好ましい。具体的には粘度調整剤として炭素数2〜8のエーテルが用いられることが好ましい。そのようなエーテルとしては、例えば1,4−ジオキサン、γ−ブチロラクトン、ジ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。なお、用いる粘度調整剤の種類によっては、先に説明した主溶剤が粘度調整剤を兼ねる場合がある。そのような場合には、主溶剤とは別途に粘度調整剤を配合する必要はない。
表面張力調整剤及び粘度調整剤は、主溶剤の配合量との関係で配合量が決定される。具体的には、表面張力調整剤に関しては、表面張力調整剤/主溶剤の重量比が0.1〜1.2、特に0.1〜0.5となるように配合されることが好ましい。一方、粘度調整剤に関しては、粘度調整剤/主溶剤の重量比が0.1〜1.2、特に0.5〜1.2となるように配合されることが好ましい。表面張力調整剤及び粘度調整剤の配合量をこの範囲とすることで、本発明のインクをインクジェット印刷方式に適したものとすることができる。また、インク中でのITO粒子の分散性を良好にすることができる。
主溶剤に対する表面張力調整剤の重量比は上述の通りであるが、インク中での表面張力調整剤それ自体の濃度は、前記の重量比を満たすことを条件として、好ましくは0.5〜50重量%、更に好ましくは10〜50重量%とする。一方、インク中での粘度調整剤それ自体の濃度は、前記の重量比を満たすことを条件として、好ましくは0.5〜50重量%、更に好ましくは10〜50重量%とする。
前述した主溶剤、表面張力調整剤及び粘度調整剤を含む分散媒全体の配合量は、インク全体に対して好ましくは20〜95重量%、更に好ましくは40〜90重量%とする。
上述の各成分を含む本発明のインクは、25℃における表面張力が15〜50mN/m、特に25〜45mN/mになっていることが好ましく、また25℃における粘度が1〜150mPa・sec、特に1〜60mPa・secになっていることが、インクジェット印刷法に適した表面張力及び粘度となる点から好ましい。
本発明のインクは例えば次の方法で調製することができる。まずITO粒子と分散媒とを混合して母ITOスラリーを調製する。分散機を用いて母ITOスラリーの分散処理を行う。次いでメンブレンフィルタ等のろ過材を用いてITOの凝集粒子を除去する。このようにして得られたITOスラリーに、チタンカップリング剤及びアクリル樹脂、並びに必要に応じ表面張力調整剤及び粘度調整剤を配合し、十分に混合する。このようにして目的とするITOインクが得られる。
このようにして得られたインクを、ガラスをはじめとする各種基材の上に、インクジェット印刷方式やディスペンサー塗布方式によって塗布する。塗布によって形成された塗膜を焼成し、目的とする導電膜を得る。焼成の雰囲気に特に制限はなく、例えば大気下で焼成を行うことができる。また、場合によっては、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、水素−窒素混合雰囲気下などの不活性雰囲気下又は還元性雰囲気下で焼成を行うこともできる。いずれの雰囲気を用いる場合であっても、焼成時間は0.5〜2時間程度とすることが好ましい。
本発明のインクは、導電膜の製造において、塗膜の焼成温度を低くしても、得られる導電膜の表面硬度を高くすることができる点に特徴の一つを有する。具体的には、焼成温度を好ましくは100〜350℃、更に好ましくは100〜150℃とすることができる。このような低温で焼成が可能なことで、ガラス以外の透明な基板、例えばポリカーボネート樹脂などの耐熱温度が130〜160℃程度の熱可塑性樹脂からなる基板に導電膜を形成できるという利点がある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
(1)スラリーの調製
ITO粉(三井金属鉱業株式会社製、一次粒子の平均径20nm)50gを、溶媒としてのエチレングリコール200gに分散させ、母ITOスラリー250gを調製した。
(2)分散処理
母ITOスラリーを、ジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製、0.1mmφ)をメディアとしたペイントシェーカー(浅田鉄鋼株式会社製)を用いて、3時間分散処理を行った。
(3)粗粒除去
得られたスラリー中に含有される粗い粒子を、メンブレンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製、孔径0.2μm)に通液することで除去し、粗粒を含まないITOスラリーを得た。
(4)導電性インクの調製
ITOスラリー100gに、アクリル樹脂4.0g(日本触媒社製、エポクロス(登録商標)WS500(オキサゾリン基を有する三次元架橋が可能なアクリル樹脂))とチタンカップリング剤4.0g(マツモトファインケミカル社製TC−100(チタンアセチルアセトナート))を添加し、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼株式会社製)にて混合して、導電性インクを得た。
(5)電極作製
導電性インクを、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10)上に、スピンコーター(MIKASA社製)を用いて、1500rpmで10秒間の条件で成膜した。得られた塗膜を、大気下150℃で2時間加熱焼成して透明導電膜を得た。
〔実施例2〕
実施例1の「(5)電極作製」において、焼成温度を120℃とし、時間を1時間とすること以外は、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
〔比較例1〕
実施例2のアクリル樹脂WS500に代えて、アクリル樹脂であるポリアクリル酸5000(和光純薬社製)を用いること以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。ポリアクリル酸5000は、オキサゾリン基を有していない。
〔比較例2〕
実施例2のアクリル樹脂WS500に代えて、ビニル樹脂であるポリビニルピロリドンK30(和光純薬社製)を用いること以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例3〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100に代えて、ジルコニアカップリング剤であるZB125(マツモトファインケミカル社製)を用いること以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例4〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100に代えて、シランカップリング剤であるKBM403(信越シリコーン社製)を用いること以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例5〕
実施例2のアクリル樹脂WS500を添加しないこと以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例6〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100を添加しないこと以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例7〕
実施例2のアクリル樹脂WS500に代えて、ビニル樹脂であるポリビニルピロリドンK30(和光純薬社製)を用い、かつチタンカップリング剤TC100を添加しないこと以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例8〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100に代えて、ジルコニアカップリング剤であるZB125(マツモトファインケミカル社製)を用い、かつアクリル樹脂WS500を添加しないこと以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例9〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100及びアクリル樹脂WS500を共に添加しないこと以外は、実施例2と同様の手法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたインクについて、以下の方法で分散安定性の評価を行った。また、実施例及び比較例で得られた導電膜について、以下の方法で導電性、基板との密着性、透明性、表面硬度、耐酸性を評価した。それらの結果を、以下の表1に示す。
〔インクの分散安定性〕
インクを5日間5℃で冷蔵保存した後に、ITO粒子の分散性の程度を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:沈殿物を生じない
×:沈殿物を生じる
〔導電膜の導電性〕
四探針抵抗測定機(三菱化学株式会社製ロレスタGP)を用いて、導電膜の比抵抗を測定した。
〔導電膜の基板との密着性〕
JIS K 5600 パラグラフ5−6に準じ、クロスカット法により評価した。また、導電膜を、水中で10分間超音波洗浄し、続いてアセトン中で10分間超音波洗浄した後に、マイクロスコープ(キーエンス社製 VH−8000)を用いて導電膜の剥離の有無を観察した。剥離が観察されない場合を「○」とし、剥離が観察された場合を「×」とした。
〔導電膜の透明性〕
分光光度計(日立計測器社製 U−4000)を用いて波長450nmの透過率を測定した。
〔導電膜の表面硬度〕
JIS K 5600に準じ、ひっかき硬度試験器(コーテック社製 KT−VF2391)にて評価した。
〔導電膜の耐酸性〕
導電膜を5重量%の蓚酸水溶液に10分間浸漬させ、水洗と乾燥の後にマイクロスコープ(キーエンス社製 VH−8000)を用いて導電膜の剥離の有無を観察した。また、走査型電子顕微鏡(FEI COMPANY社製 FE−SEM)を用いて膜質を観察した。剥離が観察されない場合を「○」とし、剥離が観察された場合を「×」とした。
Figure 0005166844
表1に示す結果から明らかなように、実施例で得られたインクは、比較例で得られたインクに比べて、分散安定性が高く、また導電性、透明性、表面硬度及び耐酸性のすべての特性を満たしていることが判る。特に、実施例2の結果から明らかなように、塗膜の焼成温度を120℃という低い温度に設定しても、得られる導電膜の鉛筆硬度はBとなり、実用上満足すべき表面硬度が得られることが判る。

Claims (5)

  1. 分散媒にITO粒子を分散させてなり、チタンカップリング剤、及びオキサゾリン基を有しかつ三次元架橋が可能なアクリル樹脂を含むことを特徴とするITOインク。
  2. 前記チタンカップリング剤が、塩を含まないものである請求項1記載のITOインク。
  3. 前記チタンカップリング剤が、アルコキシド、キレート又はアシレートからなる請求項2記載のITOインク。
  4. 25℃における粘度が1〜150mPasであり、ITO粒子の一次粒子の平均粒径が5〜40nmであり、インクジェット印刷に用いられる請求項1ないし3のいずれかに記載のITOインク。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のITOインクを用いて導電膜を製造する方法であって、該ITOインクの塗膜を形成し、該塗膜を100〜350℃で焼成することを特徴とする導電膜の製造方法。
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