JP4828184B2 - 有機系itoインク及びその製造方法並びに該有機系itoインクを用いて得られたito導電膜 - Google Patents

有機系itoインク及びその製造方法並びに該有機系itoインクを用いて得られたito導電膜 Download PDF

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Description

本件発明は、有機系ITOインク及びその製造方法並びに該有機系ITOインクを用いて得られたITO導電膜に関する。ここに言うITOとは、スズ含有の酸化インジウム、即ちインジウムとスズと酸素との化合物であり、フラットパネルディスプレイ等に使用されるガラス基板上に透明電極を形成する際の導電性材料として一般的に使用されているものである。
フラットパネルディスプレイ用のガラス基板上に透明電極を形成する方法として、従来は特許文献1及び特許文献2に開示されているようなスパッタリング法が採用されてきた。当該方法は、ITOターゲット表面に磁界を印加してプラズマを安定化させるマグネトロンスパッタリング法や反応性ガスを基板近傍に供給して成膜組成を制御する反応性スパッタリング法等として知られ、広く普及している。
さらに、近年、携帯情報機器や薄型ディスプレイ等の急激な需要増加により、ITO導電膜の当該機器等のディスプレイ部品への適用が拡大し、ITO導電膜の原料であるインジウムの価格が高騰している。にもかかわらず、スパッタリング法を上回る回路形成技術が存在しないため、透明電極の形成は、従来のスパッタリング法を採用せざるを得ない状況にある。
しかし、前記スパッタリング法では真空ラインの使用が必須であるため、設備投資額や維持コストが高く、また使用されるITOターゲットが最終的にITO導電膜として透明電極になる割合は略4wt%〜6wt%程度と原料の有効活用率が著しく低い。即ち、現行の方法は資源節約の観点について劣っており、同時に経済性にも欠けているのである。さらに、スパッタリング法により透明電極を形成するには、パネルの全面にITO膜を形成後、レジスト塗布工程、エッチング工程、洗浄工程等が不可欠であるために、各工程から排出されるエッチング液等産業廃棄物の処理も必要とされ、製造コストの増大のみならず環境保全性の面からも問題を持っているのである。
上記問題に鑑み、スパッタリング法に替わるITO導電膜の形成方法として、特許文献3及び特許文献4に示すように、ITO粉末をスラリー状又はインク状の組成物とし(以降当該スラリー状又はインク状の組成物を総称してITOインクと称する。)、このITOインクを用いてスピンコート法によりITO導電膜を形成し、帯電防止や電磁波シールド用途に使用する報告がなされている。しかし、上記スピンコート技術ではスパッタリング法の代替技術としてフラットパネルディスプレイ用のファインピッチ化された回路形成には対応できないのである。
一方、インク類を用いて回路を直接形成する手法としては従来からスクリーン印刷が一般的に採用されておりグラビア印刷の検討もなされていた。しかし、近年になり極微細配線形成方法としてインクジェット印刷技術を利用した方法が注目されてきている。このインクジェット印刷技術にITOインクが適用可能であれば、スパッタリング法で必須とされる真空ラインは不要となり、所望位置に所望量のITOインクを用いてファインピッチ印刷が可能となり、原料の有効活用率が飛躍的に向上し、さらにまたレジスト塗布、エッチング、洗浄等の工程も不要となる。よって、インクジェット印刷技術に使用可能かつ好適なITOインクが存在すれば、透明電極の製造工程において大幅なコストダウンが可能となるのである。
そこで、特許文献5には、溶剤として有機溶剤を用いた有機系ITOインクを開示しているが、この有機系ITOインクにより形成されたITO導電膜の比抵抗値は、例えば本件出願人が既に開発した水系ITOインクにより形成されたITO導電膜の比抵抗値よりも大きく、劣っている。
また、特許文献6には、必須構成要素にインジウムの有機化合物を含む有機系ITOインクを開示している。この有機系ITOインクを焼成したITO導電膜の比抵抗値は大きく、フラットパネルディスプレイ用透明電極の形成には適さないのである。より具体的には、本件出願人がすでに開発済みの上記水系ITOインクにより形成されたITO導電膜の比抵抗値よりも大きい値を示すものである。
特開平5−239641号公報 特開平5−343716号公報 特開平6−232586号公報 特開平5−279597号公報 特開平7−242842号公報 特開2004−22224号公報
上述のように、インクジェット印刷に適用できて実用に至るITOインクは未だに完成していないのが現状である。よって、インクジェット印刷などの手法によりフラットパネルディスプレイ等の透明電極を安価に形成する技術を実用化するために、該印刷手法に対応できるITOインクの開発が希求されている。本件出願人は、溶剤として水を用い、ITO粉末、及び密着性向上剤を含んだ上述の水系ITOインクにより上記目的をほぼ達成し得ることを既に見出しているが、透明性及び密着性については優れた数値が得られたものの、導電性については、さらなる向上が望まれていた。
さらに、これまでのITOインクの導電性に関する焼成後の経時劣化の知見によれば、大気雰囲気焼成のみで形成されたITO導電膜の比抵抗値の経時劣化は還元雰囲気焼成を追加して形成されたITO導電膜の経時劣化よりも少ないことが分かっていた。しかし、大気雰囲気焼成によるITO導電膜の導電性(初期比抵抗値自体)については満足な値を得ることができていなかった。よって比抵抗値の初期値を下げるためには、当該大気雰囲気焼成後に比抵抗値を上げる要因となる酸素をITO導電膜から除去する目的で、還元雰囲気焼成を追加して行う必要があったのである。
そこで、本件出願人は、今一度有機系ITOインクについて鋭意研究し、ITO粉末を分散させる当該有機系分散剤が、基本的に有機溶剤と、スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物とを含むものとすることにより、ガラス基板上に印刷後焼成して得られるITO導電膜の比抵抗値が0.5×10−2Ω・cm〜1.0×10−1Ω・cmであり、密着性及び透明性にも優れていることを特徴とする有機系ITOインクを完成したのである。
本件発明に係る有機系ITOインクは、特に、従来の有機系ITOインクに比して優れた導電性を示すITO導電膜を形成できるばかりではなく、当該比抵抗値の経時劣化が少ない(1ヶ月後で1〜3倍)という優れた特性をも持っている。さらに本件発明品は大気雰囲気下の焼成のみでも低比抵抗値を示すITO導電膜を形成でき、この場合には特に経時劣化が少ないという特徴をも併せ持つことになるのである。
以下、本件発明に係る有機系ITOインク及び当該有機系ITOインクを用いたITO導電膜について述べる。
本件発明に係るITOインク: 本件発明は、有機系分散剤にITO粉末を分散させた有機系ITOインクであって、該有機系分散剤は、有機溶剤と、スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物であるジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ、ジオクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジステアセトナート、ジオクチルスズビス(エチルキシルマレート)、ジオクチルスズビス(オレイルマレート)、スタナスオクトエート、又はジ−n−ブチルスズラウレートオキサイドのいずれかとを含むことを特徴とする有機系ITOインクを提供する。
本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、前記ITO粉末は一次粒子径が100nm以下のITO粒子で構成されたものを用いることが好ましい。
本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、前記有機系分散剤はカップリング剤を含むものであることが好ましい。
そして、前記カップリング剤は、ジルコニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤から選択された1種又は2種以上を用いることが好ましい。
更に、本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、前記有機系分散剤はアミン類を含むものとすることが好ましい。
そして、前記アミン類は、2−ジエチルアミノエタノール、イミノジエタノール、ポリオキシエチレンラウリルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、2−アミノエタノール、トリエタノールアミンのいずれかであることが特に好ましい。
本件発明に係る有機系ITOインクは、ITOインク重量を100wt%としたとき、以下の記載の成分組成を備えることが好ましい。
ITO粉末:10wt%〜50wt%
有機溶剤:40wt%以上
有機スズ化合物:5wt%〜20wt%
カップリング剤:0.1wt%〜30wt%
また、本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、ITOインク重量を100wt%としたとき、以下の記載の成分組成を備えるものとすることも好ましい。
ITO粉末:10wt%〜50wt%
有機溶剤:40wt%以上
有機スズ化合物:5wt%〜20wt%
カップリング剤:0.1wt%〜30wt%
アミン類:10wt%以下
有機系ITOインクの製造方法: 本件発明に係る有機系分散剤にITO粉末が分散した有機系ITOインクの製造方法は、ITO粉末と有機系分散剤を構成する溶剤とを混合して湿式解砕処理をおこなってスラリーとし、該スラリーに対し、有機系分散剤を構成するスズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物と、必要に応じて有機系分散剤に含ませるカップリング剤及びアミン類から選ばれる1種以上を添加し、更に、湿式解砕処理を行うことを特徴とする製造方法を採用することが好ましい。
本件発明に係る有機系ITOインクの製造方法において、前記湿式解砕処理は、湿式メディアミルを用いることが好ましい。
また、本件発明に係る有機系ITOインクの製造方法において、湿式解砕処理して得られたインクをフィルターで濾過することも好ましい。
ITO導電膜: 以上の述べた有機系ITOインクは、基材等の表面に塗膜を形成し、この塗膜を焼成若しくは固化させることによりITO導電膜として、種々の電子材料分野に於いて用いられる。
本件発明に係る有機系ITOインクは、インクジェット印刷技術を適用することにより微細回路の形成を可能とする有機系ITOインクである。この有機系ITOインクを用いてフラットパネルディスプレイ等に使用されるガラス基板上に形成したITO導電膜は、密着性及び透明性に優れ、さらに0.5×10−2Ω・cm〜1.0×10−1Ω・cmという低比抵抗値を持ち、当該比抵抗値の経時劣化が少ないものである。
さらに、本件発明に係る有機系ITOインクを使用すると、大気雰囲気下の焼成によっても焼成直後のITO導電膜の初期比抵抗値は小さく、大気雰囲気焼成プロセスを採用した場合には比抵抗値の経時劣化が小さいため、形成されたITO導電膜への特性要求レベルにもよるが、形成プロセスの工程数の削減が可能となる。
本件発明に係るITOインクの形態: 一般的にITOインクは、所定の条件下でフラットパネルディスプレイ等に使用されるガラス基板上にコーティング又は印刷された後、焼成されITO導電膜として使用される。ここで、フラットパネルディスプレイ等の用途を鑑みると、当該ITO導電膜に要求される特性は、主に、「高導電性(低比抵抗値)」、「高透明性(高全光線透過率)」、「高密着性(対ガラス基板)」、及び比抵抗値の「低経時劣化」であると考えられる。
ここに言う、「高導電性」はフラットパネルディスプレイ等のドライバーに供給される電力による発熱を抑えるために、「高透明性」は画像の鮮明度を保ち画質を劣化させないために、「高密着性」はフラットパネルディスプレイ等に家庭用電化製品としての耐久性を保証するために要求されている。そして、比抵抗値の「経時劣化」が少ないことは、基本的には長期間にわたる映像品質の維持が要求されていることもあるが、同時にITO導電膜形成後、パネルアセンブリ迄の一次保管の間に起こりうる経時劣化がある許容範囲内であることを要求されるために必要とされているのである。
従って、本件発明者等は上記の各特性に優れ、しかもバランスがとれている有機系ITOインクを提供するものである。後述する表1に本件発明に係る有機系ITOインクの組成を列挙して掲載しているが、ITO粉末及び有機系分散剤を主に用いた構成を備えている。そして、有機系分散剤の構成要素として有機溶剤及びスズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物を用い、更に導電性、透明性及び密着性の向上を目的とし、必要に応じてカップリング剤及びアミン類を添加するものとしたのである。
本件発明に係る有機系ITOインクは、有機系分散剤にITO粉末を分散させた有機系ITOインクであって、前記有機系分散剤が有機溶剤と、スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物とを含むことを基本的特徴としている。
ここで言う「有機系分散剤」は、ITO粉末の粒子を均一に分散させ、かつ、形成されたITO導電膜の導電性を向上させる目的で調製された有機系の分散剤であり、高い透明性と高い導電性とを備えたITO導電膜を得ることを目的としている本件発明に係る有機系ITOインクには必須のものである。
そして、「有機系分散剤が有機溶剤と、スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物とを含む」とある。ここで、「スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物」を用いた理由に関して述べる。即ち、「スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物」は、有機スズ化合物の炭素鎖とスズ原子とが直接結合していることで、他の有機スズ化合物と比べ、電子の偏りが大きく極性が大きくなる。従って、極性が大きくなれば、スズ原子中の電子の動きが容易になり、導電性が良好となって低比抵抗化に寄与すると考えたからである。ここで、金属原子のうちスズを選択した理由は、原子価が4価であり、ITO成分と共通の元素であるためITOに対して、異種元素をドープしたと類似の効果が得られると考えたからである。
上記「スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物」を具体的に列記すれば、ジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ、ジオクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジステアセトナート、ジオクチルスズビス(エチルキシルマレート)、ジオクチルスズビス(オレイルマレート)、スタナスオクトエート、又はジ−n−ブチルスズラウレートオキサイド又は類似した物質から選択して使用することが好ましい。
そして、本件発明に係る有機系ITOインクの有機系分散剤には、有機溶剤を用いている。有機溶剤を使用することで、有機系ITOインクとしての適正な粘度と他の成分に対する溶解力を持ち、且つ、インクとして使用する際に適度と考えられる蒸発速度を持たせることができる。従って、使い勝手のよい有機系ITOインクとすることが出来るのである。
さらに、前記有機溶剤は、カップリング剤とスズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物とに対して同時に相溶性を有するものでなければならず、更には、焼成により形成されたITO導電膜がガラス基板に対して高い密着強度を示すのである必要がある。また、各構成要素の分散性を向上させ、比抵抗値を下げることにも寄与できるものであれば、より好ましいものである。具体的な有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、グリコール類又はそれらの混合物を用いることが好ましい。
上記「アルコール類」としては、1−ブタノール、1−ペンタノール、グリシドール、ベンジルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n−ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール又は類似した物質から選択された1種又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。中でも、常圧での沸点が100℃以上で、且つ、室温の常圧下で気化しづらいものが良く、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、またはジアセトンアルコールから選択して使用することがより好ましい。
上記「ケトン類」としては、アセチルアセトン、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メチシルオキシド、ホロン、イソホロン又は類似した物質から選択された1種又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。中でも、ITOインクとしての連続使用期間を長くしようとすると常圧での沸点が100℃以上で室温の常圧下で気化しづらいものが良く、アセチルアセトン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メチシルオキシド、ホロン、又はイソホロンから選択して使用することがより好ましい。
上記「グリコール類」としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール又は類似した物質から選択された1種又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。中でも、常温での粘度が100cP以下であるものが良く、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、又はトリエチレングリコール又は類似の物質から選択されることがより好ましい。粘度が高すぎるとインクジェット法に適した粘度調整が困難となるからである。
本件発明に係る有機系ITOインクに用いるITO粉末の平均一次粒子径は100nm以下であることが好ましいとしている。そして、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは50nm以下の範囲から選択することが推奨されるのである。
そして、ここで用いるITO粉末のスズの含有率は5wt%〜15wt%であることが好ましいのである。ITO粉末のスズの含有率は、5wt%未満でも15wt%を超えてもキャリア濃度が不十分となるため導電性が悪化するのである。
ここで、キャリア濃度について説明しておく。Inの結晶中のIn3+をSn4+で置換するとInの結晶全体の電荷バランスを保とうとして電子が結晶中を動き回るようになるが、この動き回る電子をキャリアといっている。当該キャリアのITO導電膜内における濃度をキャリア濃度といい、高い導電性を維持するためにはITO導電膜内のキャリア濃度を最適範囲に設定する必要があるのである。
本件発明に係る有機系ITOインクは、カップリング剤を含むことが好ましい。そして、前記カップリング剤は、ジルコニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤から選択された1種又は2種以上であることがより好ましい。これらカップリング剤は主に「透明性向上剤」又は「密着性向上剤」として機能するものである。
まず、本件発明に係るカップリング剤としてジルコニウム系カップリング剤を含むことが好ましいとしている。このジルコニウム系カップリング剤は、主に「透明性向上剤」として機能するのである。
上記「透明性向上剤」は、有機系ITOインクを焼成することによって形成されるITO塗膜の表面を平滑にし、光の散乱を抑制する作用を持つ添加剤である。従って、有機系ITOインクを用いて形成するITO導電膜の透明性を高めるため、本件発明に係る有機系ITOインクに含有させることが好ましいのである。
本件発明者等は、「透明性向上剤」たるジルコニウム系カップリング剤がITO粒子間の微細な隙間を埋め込み、もって平滑性が向上し、その結果として透明性を向上させるものと考えている。優れた透明性を備えていることでITO導電膜の形成後もガラス基板の優れた透明性を維持することができ、フラットパネルディスプレイ等の画像を鮮明にするという効果が得られるのである。
上記ジルコニウム系カップリング剤としては、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセトアセテート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムモノステアレート又は類似した物質から選択して使用することが好ましい。
さらに、本件発明に係る有機系ITOインクには、シラン系カップリング剤を含むことが好ましいとしている。特にシラン系カップリング剤は、ジルコニウム系カップリング剤と併用することで透明性向上効果を損なうことなくITO導電膜とガラス基板の密着性を向上させることのできる、有用なものである。
ここに言う「密着性向上剤」とは、焼結する際に有機系ITOインク中のフィラーであるITO粉末とガラス基板とを化学結合によって強く密着させる作用を持つものである。従って、有機系ITOインクによって形成された透明なITO導電膜と無機材料であるガラス基板との密着性を高める効果を得ることができるのである。
そして、上記シラン系カップリング剤には、ヘキサメチルジシラザン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テシルトリメトキシシラン、又はメチルハイドロジェンシロキサン又は類似した物質から選択して使用することが好ましい。中でも、基板への密着性の安定化を図るという観点から、安定した性能を発揮する、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、又はジメチルトリエトキシシランを用いることがより好ましい
また、本件発明に係る有機系ITOインクには、チタン系カップリング剤を含むことが好ましいともしている。チタンはジルコニウムよりもイオン半径が小さいため、より緻密でガラスに対して密着性の高い膜を形成することができ、「密着性向上剤」として作用すると考えられるのである。また、緻密な膜は、結果として透明性をも向上させるのみならず、より導電性の良好な膜として機能するのである。
上記チタン系カップリング剤には、テトライソプロピルチタン、テトラノルマルブチルチタン、ブチルチタンダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタン、テトラメチルチタン、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンアセチルアセトナート、ポリチタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート又は類似した物質から選択して使用することが好ましい。
本件発明に係る有機系ITOインクは、アミン類を含むことも好ましい。このアミン類はカップリング剤と組み合わせて使用することで、特にその効果が顕著になる。そして、ここで言うアミン類は、鎖状骨格を持つアミン類を用いることがより好ましい。更に、アミン類は上記チタン系カップリング剤と組み合わせて使用することが更に好ましい。
上記アミン類は「密着性向上剤」としてその効果を発揮するものである。しかし、チタン系カップリング剤と併用した場合には、「透明性向上剤」としても、その効果を大きく発揮するのである。その理由は、アミン類をチタン系カップリング剤と併用した場合、溶液pHをアルカリ側に変化させ、チタン系カップリング剤の加水分解を促し、より緻密なITO導電膜を作ることに寄与するからである。
上記アミン類には、2−ジエチルアミノエタノール、イミノジエタノール、ポリオキシエチレンラウリルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、2−アミノエタノール、トリエタノールアミン又は類似した物質から選択して使用することが好ましい。
続いて上記の各構成要素の数値範囲の限定理由を下記に記述する。ITOインク中の「ITO粉末」の含有量の調整は、有機系ITOインクの粘度及び該有機系ITOインクから形成されたITO導電膜の導電性の調整を目的としているのである。「ITO粉末」の含有量が10wt%未満の場合には、粉密度が低すぎてITO導電膜の比抵抗値が高くなってしまい好ましくない。また、「ITO粉末」の含有量が50wt%を超えると、有機系ITOインクの粘度が増加し、当該有機系ITOインクを使用して印刷するITO膜の幅及び厚みを目的の範囲に管理することが困難になり好ましくないのである。
次に、上記「ITO粉末」を構成する粒子の平均一次粒子径の範囲に関して述べる。この平均一次粒子径は、形成したITO導電膜の透明性に影響を与える要素である。ITO粉末粒子の平均一次粒子径が100nmを超えると、当該ITO粉末を使用して40μm回路幅レベルのファインピッチパターンを形成したとき、導電性に優れた回路形成は可能ではあるが、透明性が低下してしまう。しかも、平均一次粒子径が大きくなるとインクジェットノズルに有機系ITOインクが目詰まりしやすくなる傾向が高くなる。一方、平均一次粒子径の下限については、現段階で工業的に生産可能な製品の下限値は10nm程度と考えられており、10nmが実質平均一次粒子径の下限であるといえる。
一方、平均一次粒子径は、小さければ小さいほどインクジェットのノズルの目詰まりを引き起こす可能性が低くなり、これら不具合を回避できるであろうことも明らかである。しかしながら、ITO粉末の平均一次粒子径が小さくなる程、有機系ITOインク中の粒子同士が凝集して二次構造体が形成されやすくなり、二次構造体の粒子径が大きくなった場合にはインクジェットノズルの目詰まりが発生し易くなるとの懸念も出てくるのである。この点について実験的に確認した結果では、凝集粒子の最大粒子径が0.8μm以下になっていればインクジェットノズルの目詰まりを防止できる。即ち、ITO粉末は、本来高い均一分散性を備えているため、全てのITO粒子が必ずしも凝集するものではないのである。確かに、最大粒子径レベルの凝集粒子の存在は確認されてはいるものの、その発生する確率が極めて低いため、インクジェットノズルの目詰まりを引き起こすには至らないと考えられる。なお、この凝集粒子径の確認はレーザー式粒度分布測定装置を用いて行った。
本件発明に係る有機系ITOインクを構成する「有機溶剤」は、有機系ITOインクの粘度調整を主目的としているのであり、40wt%以上を有機溶剤とすることが好ましい。本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、有機溶剤が40wt%未満の場合には、有機系ITOインクの粘度が増加し、当該有機系ITOインクを使用して印刷するITO膜の幅及び厚みを目的の範囲に管理することが困難になり好ましくないのである。
本件発明に係る有機系ITOインクを構成する「スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物」は、形成されたITO導電膜に対する異種元素のドープと類似の効果を得て、スズ原子の電子が動き易くなるように用いるものである。本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、「スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物」の含有量が、5wt%未満の場合には、キャリア濃度が不足して導電性向上の効果が得られず好ましくない。また、「スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物」の含有量が、20wt%を超えて添加しても、それ以上に導電性向上の効果は得られない。
そして、このカップリング剤は、1種で用いる場合も2種以上を併用する場合も、有機系ITOインク重量を基準として、総量として0.1wt%〜30wt%の範囲含ませることが好ましい。2種以上を併用する場合には、ITO導電膜の透明性と密着性とのバランス等を考慮して、その配合バランスを定めれば良く、特段の限定は要さない。以下、本件発明に言うカップリング剤を単独で使用した場合の適正量を説明する。
本件発明に係る有機系ITOインクに対し、必要に応じて添加する「ジルコニウム系カップリング剤」は、主に透明性の調整を目的としているものである。そして、本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、「ジルコニウム系カップリング剤」の含有量が0.05wt%未満とした場合には、形成されたITO導電膜の平滑性が十分に向上しないため透明性の向上に効果が得られず好ましくない。また、「ジルコニウム系カップリング剤」の含有量が、10wt%を超えるとすると、有機系ITOインクの粘度が低下して、当該有機系ITOインクを使用して印刷するITO膜の幅及び厚みを目的の範囲に制御することが困難になり好ましくないのである。
本件発明に係る有機系ITOインクに対し、必要に応じて添加する「シラン系カップリング剤」は、主にITO導電膜の経時劣化防止と密着性の向上を目的として用いるものである。そして、本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、「シラン系カップリング剤」の含有量が、0.05wt%未満の場合には、「密着性向上剤」としての効果が不十分であり、また形成されたITO導電膜の経時劣化が大きくなる傾向があるので好ましくない。また、当該「シラン系カップリング剤」の含有量が、20wt%を超えるものとしても、ガラス基板とITO導電膜との密着性向上効果は、それ以上に向上せず、むしろ有機系ITOインクの粘度が低下して、当該有機系ITOインクを使用して印刷するITO膜の幅及び厚みを目的の範囲に制御することが困難になる。
本件発明に係る有機系ITOインクに対し、必要に応じて添加する「チタン系カップリング剤」は、主に透明性の向上を目的として使用するものである。そして、本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、「チタン系カップリング剤」の含有量が0.05wt%未満であると、形成したITO導電膜の平滑性が十分に向上しないため透明性が得られず好ましくないのである。また、「チタン系カップリング剤」の含有量が30wt%を超えるものとしても、有機系ITOインクの粘度が低下してしまい、当該有機系ITOインクを使用して印刷するITO膜の幅及び厚みを目的の範囲に制御することが困難になり好ましくないのである。
更に、本件発明に係る有機系ITOインクにおいて、「アミン類」を添加して用いる場合には、「密着性向上剤」としての効果と、チタン系カップリング剤と併用した場合の「透明性向上剤」としての効果を得ることを目的とし、ごく少量(例えば0.1wt%程度)であってもその効果が発揮されるのである。しかし、「アミン類」自身は、適量の使用であれば焼成時に蒸発するためITO導電膜中に残存することがないが、「アミン類」の含有量が10wt%を超えると、焼成時に蒸発しきれずにITO導電膜中に残留し、導電性及び透明性に悪影響を及ぼすこととなり好ましくないのである。
以上に述べた有機系ITOインクを用いることで、インクジェット法を用いて、フラットパネルディスプレイ等のガラス基板へのITO導電膜による微細配線形成が極めて容易となり、且つ、得られた配線は「導電性」、「透明性」、「密着性」及び「比抵抗値の経時劣化」に優れたものとなるのである。
有機系ITOインクの製造方法: 本件発明に係る有機系ITOインクの製造方法には、以下に述べる製造方法を採用することが好ましい。この有機系ITOインクの製造方法は、ITO粉末と有機系分散剤を構成する溶剤とを混合して湿式解砕処理をおこなってスラリーとし、該スラリーに対し、有機系分散剤を構成する有機スズ化合物と、必要に応じて有機系分散剤に含ませるカップリング剤及びアミン類から選ばれる1種以上を添加し、更に、湿式解砕処理を行うことを特徴とするものである。
この製造方法では、最初にITO粉末と有機系分散剤を構成する溶剤とを混合して湿式解砕処理をおこなってスラリーとする。このときの湿式解砕処理とは、仮に凝集したITO粒子があれば、その凝集状態を粉砕することで一次粒子の状態に近づけ分散性を高める処理(以下、単に「解粒」と称する。)であり、流体ミル、湿式メディアミル、TKフィルミックス等を用いる処理である。
そして、湿式解砕処理には、凝集粒子を単分散に近づけることの出来る湿式処理装置を使用すれば良く、特段の限定は要さない。例えば、湿式メディアミルを使用する場合には、メディアビーズとして、ジルコニア、アルミナ又はガラス製を使用することが、ITO粉末の凝集粒子の解粒効果を得るための物理的強度を備えるメディアとして好ましい。そして、前記湿式メディアミルに使用するメディアビーズは、その平均粒径が1mm以下であることが、微粒のITO粉末の凝集粒子を解粒する効率が高くなるために好ましい。また、このときのITO粉末と有機系分散剤を構成する溶剤との混合時の液温、混合方法等の他の条件に関しての特段の限定はない。
そして、該スラリーに対し有機系分散剤を構成する有機スズ化合物(スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有するもの)と、必要に応じて有機系分散剤に含ませるカップリング剤及びアミン類から選ばれる1種以上を添加する。このときの有機スズ化合物、カップリング剤、アミン類の添加順序に関しては特段の制限はない。また、このときの混合時の液温、混合方法等の他の条件に関しての特段の限定はない。
続いて、更に湿式解砕処理を施し、有機系分散剤中にITO粉末を更に均一に分散させ、残留している凝集粒子の解粒処理による分散性向上効果を確実なものとするのである。なお、ここで言う湿式解砕処理とは、上述の湿式解砕処理と同様である。
以上に述べてきた本件発明に係る有機系ITOインクの製造方法の技術的概念の中には、例えば、容器AにITO粉末と有機系分散剤を構成する有機溶剤とを投入して湿式解砕処理をおこないスラリーとし、容器Bに有機系分散剤を構成する有機スズ化合物と、必要に応じて有機系分散剤に含ませるカップリング剤及びアミン類から選ばれる1種以上とを混合して冷却した有機スズ溶液とし、その後、容器A内のスラリーと容器B内の有機スズ溶液とを混合して湿式解砕処理を行う場合等を含むことを明記しておく。
また、本件発明に係る有機系ITOインクの製造方法において、最終的に湿式解砕処理して得られたITOインクは、2回の湿式解砕処理を施されているが、意図せぬ粗粒のITO粒子が含まれている場合もあり、粗粒を完全に除去するため、最終的にフィルターで濾過することも好ましい。このときのフィルターとは、特定のフィルターを示唆するものではなく、粗粒の除去の出来る濾過が可能なものであればよい。
以下に実施例及び比較例を示すが、本件発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。ここでは、実施例で調製した有機系ITOインク及び比較例で調製したITOインクの調整方法に関しては、以下に述べる実施例及び比較例にて個別に説明するが、一目して理解しやすいように表1に纏めて示しておく。表1では、本件発明に基づき調製した有機系ITOインクをITOインクA〜ITOインクHとして掲載し、そして比較用に調製したITOインク(ITOインク1のみ「水系」、その他は有機系)をITOインク1〜ITOインク5として掲載した。なお、各例とも湿式解砕処理としてジルコニアビーズをメディアとした湿式メディアミルを使用しており、且つ最終的に得られたITOインクを濾別しているが、これはデータ比較のために再現性を重視した故に実施したものであり、実際の製造に当たっては必要に応じた実施でかまわない。
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[ITOインクAの調製]
1. 容量50ccの容器中にITO粉末(インジウムとして75.3wt%、スズとして7.1wt%、平均一次粒子径20nm:以降「標準ITO粉末」と称する):3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:28.6gを混合し、φ0.65mmジルコニウムビーズを使用した「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。上記「平均一次粒子径」とは、透過型電子顕微鏡(SEM)で観察したときの一視野中に含まれた少なくとも20個の粒子の粒子径を観察し、これらを積算し平均することにより求められる粒子径を指す。)。
2. 次に、ジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ:2.88g及びジルコニウム系カップリング剤ZB120(松本純薬工業社製:以下同様):0.24gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を5時間行いスラリーを得た。
3. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子をカートリッジ式フィルター(アドバンテック東洋株式会社製MCP−JX−E10S、平均孔径1μm以下:以下共通)に通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機スズ化合物含有率が8.2wt%のITOインクAを得た。
[評価結果]
上記ITOインクAを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値2.8×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値6.8×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値8.1×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.9であった。また、密着性は良好であり、透明性も90.0%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクBの調製]
1. 容量50ccの容器中で「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:28.6gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2. 次に、該スラリー中へ、ジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ:2.88g、ジルコニウム系カップリング剤ZB120:0.24g、及びヘキサメチルジシラザン:0.72gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を5時間行った。
3. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%であり、有機スズ化合物含有率が8.2wt%のITOインクBを得た。
[評価結果]
上記ITOインクBを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値7.8×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値14.8×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値17.1×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.2であった。また、密着性は良好であり、透明性も91.0%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクCの調製]
1. 容量50ccの容器中で「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:28.6gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2. 次に、該スラリー中へ、ジオクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート):2.57g、ジルコニウム系カップリング剤ZB120:0.24g、及びメチルトリエトキシシラン:0.72gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を5時間行いスラリーを得た。
3. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機スズ化合物含有率が7.2wt%のITOインクCを得た。
[評価結果]
上記ITOインクCを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値6.4×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値15.1×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値16.6×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.6であった。また、密着性は良好であり、透明性も90.9%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクDの調製]
1. 容量50ccの容器中で「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:28.6gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2. 次に、該スラリー中へ、ジブチルスズジラウレート:2.4g、ジルコニウム系カップリング剤ZB120:0.24g、及びヘキサメチルジシラザン:0.72gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を5時間行いスラリーを得た。
3. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機スズ化合物含有率が6.7wt%のITOインクDを得た。
[評価結果]
上記ITOインクDを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値9.5×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値18.8×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値21.8×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.3であった。また、密着性は良好であり、透明性も90.4%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクEの調製]
1. 容量50ccの容器中で「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:28.6gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2. 次に、該スラリー中へ、ジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ:2.66g、ジルコニウム系カップリング剤ZB120:0.24g、及びメチルトリエトキシシラン:0.72gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を5時間行いスラリーを得た。
3. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機スズ化合物含有率が7.4wt%のITOインクEを得た。
[評価結果]
上記ITOインクEを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値7.7×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値18.7×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値20.8×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.7であった。また、密着性は良好であり、透明性も91.0%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクFの調製]
1. 容量50ccの容器中に「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:23.7gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2. 次に、ジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ:2.57g及びチタン系カップリング剤TC100(松本純薬工業社製:以下同様):6.20gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を1時間行いスラリーを得た。なお、この実施例6では、実施例7と比較してジエチルアミンが含有されていないものである。
3. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機スズ化合物含有率が7.1wt%のITOインクFを得た。
[評価結果]
上記ITOインクFを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値8.2×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値15.8×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値20.5×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.5であった。また、密着性は良好であり、透明性も90.0%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクGの調製]
1. 容量50ccの容器中に「標準ITO粉末」:7.2gと溶剤としてのジアセトンアルコール:25.0gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2. 次に、別の容量50ccの容器中にジブチルビス(2.4−ペンタンジオナト)スズ:2.57gとチタン系カップリング剤TC100:4.36g及びジエチルアミン:1.08gを混合し、5分間攪拌した後、3時間以上冷蔵庫中で冷却し、有機スズ溶液を得た。この調製条件は、選択された添加剤、濃度及び保持時間の組み合わせについて最適の加水分解状態を得るために設定したものであって、チタン系カップリング剤濃度を変更した場合、そしてジルコニウム系又はシラン系を採用した場合、そしてアミン類の種類及び濃度に応じて最適な条件を選択することが好ましい。
3. 次に、有機スズ溶液をスラリー中に全量添加し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を1時間行いスラリーを得た。
4. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITO濃度が20wt%で、有機スズ化合物含有率が7.1wt%のITOインクGを得た。
[評価結果]
上記ITOインクGを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気下での焼成のみとし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値1.0×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値1.6×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値2.0×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.0であった。また、密着性は良好であり、透明性も90.8%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクGの調製]
ここでは、実施例7と同様のITOインクGを使用した。従って、重複した説明を避けるためITOインクGに関する説明は省略する。
[評価結果]
上記ITOインクGを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件は、実施例7が大気雰囲気のみでの焼成であるのに対し、大気雰囲気下焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値1.6×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値2.5×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値3.2×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.0であった。また、密着性は良好であり、透明性も90.8%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクHの調製]
1.容量50ccの容器中に「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:23.3gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2. 次に、別の容量50ccの容器中にジブチルビス(2,4―ペンタンジオナト)スズ:2.57gとチタン系カップリング剤TC401(松本純薬工業社製:以下同様):6.20g及びジエチルアミン:0.36gを混合し、攪拌した後、3時間以上冷蔵庫中で冷却し、添加剤を得た。この調製条件は、選択された添加剤、濃度及び保持時間の組み合わせについて最適の加水分解状態を得るために設定したものであって、チタン系カップリング剤濃度を変更した場合、そしてジルコニウム系又はシラン系を採用した場合、そしてアミン類の種類及び濃度に応じて最適な条件を選択することが好ましい。
3. 次に、当該添加剤をスラリー中に全量添加し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を1時間行いスラリーを得た。
4. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機スズ化合物含有率が7.1wt%のITOインクHを得た。
[評価結果]
上記ITOインクHを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気下での焼成のみとし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値4.4×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値5.4×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値6.2×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は1.4であった。また、密着性は良好であり、透明性も91.0%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
[ITOインクHの調製]
ここでは、実施例9と同様のITOインクHを使用した。従って、重複した説明を避けるためITOインクHに関する説明は省略する。
[評価結果]
上記ITOインクHを使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件は、実施例9が大気雰囲気のみでの焼成であるのに対し、大気雰囲気下焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値1.0×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値1.7×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値2.0×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は2.0であった。また、密着性は良好であり、透明性も91.0%と良好であった。より詳細には表2に掲載する。
比較例
[比較例1]
比較用ITOインク1の調製:
1. 容量1Lの容器中で「標準ITO粉末」:180gと溶剤としての純水:378gを混合し、さらに表面張力調整剤として2−n−ブトキシエタノール:42gを添加したものを、30分間「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を行いスラリーを得た。
2. 次に、該スラリー中へジルコニウム系カップリング剤ZB120:120.8gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により1時間湿式解砕処理を行いスラリーを得た。
3. 次に、2で得られたスラリーを、高速旋回薄膜法を用いた高速乳化分散機であるT.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)にて、10分間(線速50m/s)で混合しながら、分散化処理を行った。
4. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が24wt%で、水分含有率が52.4wt%のITOインク1を得た。
評価結果:
上記ITOインク1を使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数(50回以上)、配線の形状も良好であった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値58×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値174×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値226×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は3.9であった。また、密着性は良好であり、透明性は88.8%であった。より詳細には表2に掲載する。
[比較例2]
比較用ITOインク2の調製:
1. 容量50ccの容器中に「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのアセチルアセトン:30.0gを混合した。
2. 次に、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
3. 有機酸インジウム化合物であるアセチルアセトンインジウム:2.4gを、2で 得られたスラリーへ添加した。次に、この得られたスラリーについて「湿式メディアミル」により5時間湿式解砕処理を行った。
4. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機酸インジウム化合物含有率が6.7wt%のITOインク2を得た。
評価結果:
上記ITOインク2を使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数は30回以下であり、配線の形状にも安定性がなかった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値56×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値145×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値196×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は3.5であった。また、密着性は良であり、透明性は89.1%であった。より詳細には表2に掲載する。
[比較例3]
比較用ITOインク3の調製:
1.容量50ccの容器中に「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:29.5gを混合した。
2.次に、1で得られた溶液について、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
3. 次に、2で得られたスラリーへ、有機酸スズ化合物である2−エチルヘキシル酸第1スズ:2.88gを添加した。
4. さらに、3で得られたスラリーについて、「湿式メディアミル」により5時間湿式解砕処理を行った。
5. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去しITOの濃度が10wt%で、有機酸スズ化合物含有率が8.0wt%のITOインク3を得た。
評価結果:
上記ITOインク3を使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数は30回以下であり、配線の形状にも安定性がなかった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値34×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値88×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値116×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は3.4であった。また、密着性は良であり、透明性は88.8%であった。より詳細には表2に掲載する。
[比較例4]
比較用ITOインク4の調製:
1. 容量50ccの容器中に「標準ITO粉末」:10gと溶剤としてのエチルアルコール:20gを混合した。
2. 次に、1で得られた溶液について、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
3. 次に、2で得られたスラリー中へ、有機シリコン化合物であるエチルシリケート:1.8g、有機チタン化合物であるビスオキシアセテートチタン(ジオクチルバイロホスフェート):0.2g、12N塩酸:2.0g、及び水:2.0gを添加した。
4. 次に、3で得られたスラリーについて、「湿式メディアミル」により5時間湿式解砕処理を行った。
5. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が27.8wt%で、有機シリコン化合物及び有機チタン化合物の含有率の合計が5.6wt%の有機系ITOインク4を得た。
評価結果:
上記ITOインク4を使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数は30回以下であり、配線の形状にも安定性がなかった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値420×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値1365×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値1680×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は4.0であった。また、密着性は良であり、透明性は89.0%であった。より詳細には表2に掲載する。
[比較例5]
比較用ITOインク5の調製:
1. 容量50ccの容器中で「標準ITO粉末」:3.6gと溶剤としてのジアセトンアルコール:24.4gを混合し、「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を30分間行いスラリーを得た。
2.次に、該スラリー中へ、ジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ:2.66g、チタン系カップリング剤TC310(松本純薬工業社製:以下同様):5.30gを添加し、さらに「湿式メディアミル」により湿式解砕処理を5時間行いスラリーを得た。
3. 次に、該スラリーに含有される1μm以上の粒子を、同カートリッジ式フィルターに通液濾過することで除去し、ITOの濃度が10wt%で、有機スズ化合物含有率が7.4wt%のITOインク5を得た。
評価結果:
上記ITOインク5を使用し印刷性の評価を行った。その結果、印刷回数は30回以下であり、配線の形状にも安定性がなかった。更に、ITO導電膜形成時の焼成条件を、大気雰囲気焼成後に還元雰囲気焼成とし、ITO導電膜を形成した。そのITO導電膜の評価結果は、焼成直後の比抵抗値270×10−2Ω・cm、3週間後の比抵抗値820×10−2Ω・cm、5週間後の比抵抗値1080×10−2Ω・cmであり、経時劣化指標値は4.0であった。また、密着性は良であり、透明性は87.0%であった。より詳細には表2に掲載する。
Figure 0004828184
[評価方法]
続いて、上記実施例及び比較例で用いた各種特性の評価方法に関して述べておく。上記により調製された各インクを市販のインクジェットプリンター(セイコー・エプソン社製PM−G700)でガラス基板上に印刷して、以下に述べるインクの印刷性を評価した。また、ガラス基板上にスピンコート法でコーティング後、焼成したITO導電膜を用いて膜特性の評価を行った。なお、ここで評価用に使用したガラス基板は、無アルカリガラス基板OA−10(日本電気硝子社製)である。
印刷性の評価: 実施例及び比較例におけるITOインクの印刷性の評価項目について、その手法及び目的について説明する。
A.印刷性
この評価は、ITOインクがインクジェットプリンター用のインクとして製造ラインで連続使用できるかどうかの評価を目的として実施した。
印刷性の良否はガラス基板上にライン及びスペース幅100μm、長さ2cmの配線パターンを印刷し、ITOインクがノズル詰まりするかどうかの観点から何回以上正常な(例えば印刷のかすれが起こらない状態で)印刷を繰り返しできたかどうかで判定した。
B.ITO導電膜形成性
ITO導電膜形成性の評価はITOインクを使用した際に配線パターンが所期の目的形状通りに形成され、特性を満足しうるかどうかの評価を目的として実施した。
印刷性評価と同様の方法で配線パターンを印刷後焼成して形成し、ITO導電膜として得られた配線パターンの良否を光学顕微鏡(倍率×100)を用いて観察した。特に、配線パターンの輪郭が明瞭であるか否かの観点を良好な配線パターンが形成されているかどうかの判定基準として評価した。「良」は配線パターンの輪郭が明瞭な場合、「否」は当該輪郭が凹凸があったり蛇行している等不明瞭な線のパターンが形成されている場合を指す。
ITO導電膜の特性:実施例及び比較例におけるITOインクを用いて形成したITO導電膜の形成方法及び評価方法について、説明する。
a.特性評価用ITO導電膜の形成方法
10cm×10cm角の上記ガラス基板上にそれぞれ調製されたITOインクを回転数800rpmのスピンコーターを用いて共通の設定厚みになるよう塗布し、ガラス基板上の塗膜を所定の条件で焼成後厚みを確認した。当該ITO導電膜の厚さ設定の目的は、各ITOインクの焼成後のITO導電膜の諸特性を比較評価するに当たり、特に透明性評価で当該ITO導電膜の厚みが共通した所定厚(本実施例・本比較例では0.5μm)に統一されていることが必要とされるからである。そして、ITO導電膜の厚みは、ITO導電膜の断面をSEM観察(倍率×10,000)することにより測定した。
このときの大気下及び還元雰囲気下における焼成条件は以下の通りである。
大気雰囲気焼成条件:ホットプレート上で250℃×30分間焼成。
還元雰囲気焼成条件:水素含有量が1容量%の水素−窒素混合ガス中の還元雰囲気下で300℃×30分間焼成。
b.ITO導電膜の導電性
当該ITO導電膜の比抵抗値を、印刷されたITOインクの焼成後のITO導電膜の導電性の優劣を比較するために実施した。ITO導電膜の比抵抗値は四探針抵抗測定機ロレスタGP(三菱化学社製)用いて測定した。
c.ガラス基板との密着性
当該ガラス基板との密着性の測定は、印刷されたITOインクの焼成後のITO導電膜とガラス基板との密着性に与える添加剤の効果を把握するために実施した。
ITOインクの焼成後のITO導電膜とガラス基板との密着性をJIS K 5600 パラグラフ5−6に準じ、クロスカット法により評価した。さらに光学顕微鏡(倍率×100)でクロスカットの切れ味状態を観察した。表2の密着性の欄で、分類0かつクロスカットにシャープな切れ味の像が見られたときに、その評価を「◎」とし、ややクロスカットに切れ味が悪い像が見られたとき(たとえばカット周辺部やクロス部が僅かに剥がれていたとき等)に、その評価を「○」と記した。
d.比抵抗値の経時劣化
比抵抗値の経時変化の測定は、形成されたITO導電膜が酸化等環境の影響を受けて経時劣化しやすいか、しにくいかを判定するために実施した。該当期間は1ヶ月強としたが、この期間はITO導電膜が使用されうる環境においてITO導電膜が形成された後にオーバーコートされるまでの期間の目安である。従って、この経時劣化データはITO導電膜の製造ライン内での一次保管管理の容易性の判定指標として使用できるものである。
焼成後のITO導電膜の比抵抗値の経時変化は次の方法で測定した。ITO導電膜の形成されたガラス基板をシーリングされたデシケーター内(湿度30±5%、温度20±5℃)で5週間放置した後の比抵抗値(第2比抵抗値とする)を測定し、第2比抵抗値を初期比抵抗値(焼成・冷却直後に測定)で除した値を経時劣化指標値とした。
さらに、各ITOインクの比抵抗値の経時変化の推移を焼結直後〜焼結後5週間後まで1週間毎に測定し、経時劣化のしかたに有意差があるかどうかを変化の傾向からも判定した。
e.透明性
透明性の測定は、ITOインクに含有させた添加剤の効果を把握するために実施した。具体的には、ガラス基板上のITO導電膜について全光線透過率を求め、これをITO導電膜の透明性の指標として測定した。この測定のために、当該ITO導電膜の厚みが共通した所定厚(本実施例・本比較例では0.5μm)に統一されていることが最も必要とされるのである。測定装置には、日本電色工業株式会社製のヘイズメーター(MODEL:1001DP)を使用し、JIS7105(プラスチックの光学特性試験方法)に準拠した積分球式測定方法を採用して全光線透過率を求めた。
[実施例と比較例との対比]
表2を参照しつつ、実施例及び比較例にて得られた各データを参照して、実施例と比較例との対比を行う。
表2から理解できるように、本件発明に係る実施例1〜実施例10のITOインクA〜ITOインクHのすべてについて、焼成条件によらず、比較例1〜比較例5に対しては総合的に、殆どの特性項目において優れているという結果が得られた。
更に、初期比抵抗値についてみてみると、本件発明に係る実施例1〜実施例5のITOインクA〜ITOインクEのガラス基板上に焼成された後の比抵抗値が10−2のオーダーに対し、比較例1〜比較例5のITOインク1〜ITOインク5を用いて、ガラス基板上に焼成して形成された焼成膜の比抵抗値は10−1若しくは100オーダーとなっている。従って、本件発明に係る有機系ITOインクから得られるITO導電膜の初期比抵抗値は比較例1〜比較例5に比べて1/10以下と著しく低く、優れた初期比抵抗値を持っているのである。
更に、比抵抗値を、焼結直後から5週間後まで1週間ごとに観察した経時変化について比較すると、本件発明に係る実施例1〜実施例10の比抵抗値の経時劣化が比較例1〜比較例5の比抵抗値の経時劣化よりも少ない。よって、本件発明に係る有機系ITOインクは、比抵抗値の経時劣化も従来のものに比して少なく、初期比抵抗値が低いと共に比抵抗値が経時劣化しにくいものになっているのである。
比較例5に係るITOインク5は、チタン系の有機金属化合物を用いたITOインクではあるが、チタン系カップリング剤を用いた実施例のITOインクF〜ITOインクHと比較するとかなり高い比抵抗値を示している。また導電性以外の評価項目で比較しても、本件発明に係る実施例6〜実施例10で用いたITOインクF〜ITOインクHの方が、比較例5のITOインク5よりも優れており、チタンを含んでいることよりもカップリング剤としての効果の方が大きいことが分かる。
実施例8と実施例7、実施例9と実施例10の比較から、ITO導電膜焼成の雰囲気の違いにより、大気雰囲気焼成と還元雰囲気焼成とを組み合わせた焼成に比べ、大気雰囲気焼成のみの方が、初期比抵抗値がやや大きめにはなるものの、経時劣化が起きにくい傾向があることも確認できた。よって、実施例7又は実施例9の実施態様によれば、ユーザーが初期の比抵抗値を許容できる限り、大気雰囲気焼成のみでITO導電膜を形成することも可能である。即ち、焼成時間の短縮と還元雰囲気焼成に係るコストを必要としないことによるコストダウンが可能となり、且つ、経時劣化の起きにくいITO導電膜を形成することが可能となるからである。
本件発明に係る有機系ITOインクは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに使用されるガラス基板上に、インクジェット印刷の技術を利用してITO導電膜(透明電極)を形成するためのインク材料として利用できる。

Claims (11)

  1. 有機系分散剤にITO粉末を分散させた有機系ITOインクであって、
    該有機系分散剤は、有機溶剤と、スズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物であるジブチルビス(2,4−ペンタンジオナト)スズ、ジオクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジステアセトナート、ジオクチルスズビス(エチルキシルマレート)、ジオクチルスズビス(オレイルマレート)、スタナスオクトエート、又はジ−n−ブチルスズラウレートオキサイドのいずれかとを含むことを特徴とする有機系ITOインク。
  2. 前記ITO粉末は、一次粒子径が100nm以下のITO粒子で構成されたものである請求項1に記載の有機系ITOインク。
  3. 前記有機系分散剤は、カップリング剤を含むものである請求項1又は請求項2に記載の有機系ITOインク。
  4. 前記カップリング剤は、ジルコニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤から選択された1種又は2種以上である請求項3に記載の有機系ITOインク。
  5. 前記有機系分散剤は、アミン類を含むものである請求項3又は請求項4に記載の有機系ITOインク。
  6. 前記アミン類は、2−ジエチルアミノエタノール、イミノジエタノール、ポリオキシエチレンラウリルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、2−アミノエタノール、トリエタノールアミンのいずれかである請求項5に記載の有機系ITOインク。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の有機系ITOインクであって、ITOインク重量を100wt%としたとき、以下の記載の成分組成を備えることを特徴とするITOインク。
    ITO粉末:10wt%〜50wt%
    有機溶剤:40wt%以上
    有機スズ化合物:5wt%〜20wt%
    カップリング剤:0.1wt%〜30wt%
  8. 請求項5又は請求項6に記載の有機系ITOインクであって、ITOインク重量を100wt%としたとき、以下の記載の成分組成を備えることを特徴とするITOインク。
    ITO粉末:10wt%〜50wt%
    有機溶剤:40wt%以上
    有機スズ化合物:5wt%〜20wt%
    カップリング剤:0.1wt%〜30wt%
    アミン類:10wt%以下
  9. 請求項1〜請求項8に記載の有機系分散剤にITO粉末が分散した有機系ITOインクの製造方法であって、
    ITO粉末と有機系分散剤を構成する有機溶剤とを混合して湿式解砕処理をおこなってスラリーとし、
    該スラリーに対し、有機系分散剤を構成するスズ原子が炭素鎖に直接結合している構造を有する有機スズ化合物と、必要に応じて有機系分散剤に含ませるカップリング剤及びアミン類から選ばれる1種以上とを添加し、
    更に、湿式解砕処理を行うことを特徴とする有機系ITOインクの製造方法。
  10. 湿式解砕処理して得られたインクをフィルターで濾過することを特徴とする請求項9に記載の有機系ITOインクの製造方法。
  11. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の有機系ITOインクを用いて得られるITO導電膜。
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