JP2014074115A - 銅インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高導電性で安定性に優れた銅インク組成物を提供する。
【解決手段】
銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、水酸基数が3以上のアルコール類、VIII族金属錯体を含む銅含有組成物を導電性インクに用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】
銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、水酸基数が3以上のアルコール類、VIII族金属錯体を含む銅含有組成物を導電性インクに用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、銅インク組成物に関するものである。さらに詳しくは、高導電性で安定性に優れ、塗布又は印刷した後、加熱することにより銅電極、銅配線を形成するための銅インク組成物に関するものである。
従来、基板、電子部品などに銅電極、銅配線を形成する方法として、基板、電子部品に銅をメッキした後、これをフォトレジストなどでマスクし、マスクしていない銅をエッチング除去する方法が広く使用されてきた。しかし、この方法は、高導電性の微細配線を形成するには好適だが、工程数が多く、銅資源を無駄にするという問題がある。
上記の方法以外にも、導電性インクを基材に塗布又は印刷した後、加熱して電極又は電気配線等を形成するという方法も、広く用いられている。この方法は、工程数が少なく、金属資源も有効に使われる。金属としては、銀、アルミなどが実用化され、広く使用されている。これらのインクの多くは、金属微粒子を使用しており、加熱で微粒子を凝集、融着させ、電極、配線を形成するものである。しかし、銅に関しては、導電性が低い、また微粒子の安定性に欠けるなどの問題がある。
そこで、導電性銅インクの改良について、銅系ナノ粒子と熱硬化性樹脂を含むインク(特許文献1、特許文献2参照)、銅ナノ粒子と銀ナノ粒子を含むインク(特許文献3参照)、粒子径100nm以下のナノ粒子と分散液からなるインク(特許文献4参照)、導電性微粒子、カーボンナノチューブを含むインク(特許文献5参照)、銅ナノ粒子、ギ酸、アルコールを含むインク(特許文献6参照)、金属ナノ粒子、無水物基を有する高分子を含むインク(特許文献7参照)、金属粒子、ポリグリセリンを含むインク(特許文献8参照)、金属微粒子、カーボネートを含むインク(特許文献9、特許文献10参照)、金属微粒子を有機酸で処理したインク(特許文献11参照)、金属、酸化防止剤、還元剤を含むインク(特許文献12参照)、金属ナノ粒子と、カルボン酸系、チオール系、フェノール系、アミン系分散剤を含むインク(特許文献13参照)、表面処理した導電物質、バインダーを含むインク(特許文献14参照)、金属ナノ粒子、ジオールを含むインク(特許文献15参照)、金属ナノ粒子、金属前駆体アミン系化合物を含むインク(特許文献16参照)、銅ナノ粒子、スズ粒子を含むインク(特許文献17参照)、コアシェル構造のナノ粒子を含むインク(特許文献18参照)、金属前駆体と銅化合物、アミンから得られるナノ粒子インク(特許文献19参照)、金属アルカノアートから得られるナノ粒子インク(特許文献20参照)、導電性微粒子、イオン性液体を含むインク(特許文献21参照)、金属化合物、アミン、アルカノイック酸、チオール化合物から得られるナノ粒子インク(特許文献22参照)、金属粉、金属塩を含むインク(特許文献23参照)、金属コロイド、イソシアネート化合物を含むインク(特許文献24参照)、金属粒子、分散剤、高分子樹脂を含むインク(特許文献25参照)、金属ナノ粒子、アミン化合物を含むインク(特許文献26参照)など多くの提案がなされている。これらは、導電性、安定性に優れた金属微粒子の製造法、あるいはこの微粒子を含むインクについての提案であるが、銅インクに関しては、工業的に満足する水準の導電性、インクの安定性には達していない。
銅化合物、アルコール、VIII族金属触媒を含む組成物が提案されている(特許文献27、特許文献28)ものの、さらなる導電性及び安定性が求められている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高導電性で安定性に優れた銅インク組成物を提供することにある。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、水酸基数が3以上のアルコール類、VIII族金属錯体を含む銅インク組成物が、安定性に優れており、しかも高導電性で微細な配線を形成できるという新規な事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの銅インク組成物である。
[1]銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、水酸基数が3以上のアルコール類、VIII族金属錯体を含むことを特徴とする銅インク組成物。
[2]銅粒子が、酸で処理した銅粒子であることを特徴とする上記[1]に記載の銅インク組成物。
[3]酸が、鉱酸の水溶液及び/又は有機酸であることを特徴とする上記[2]に記載の銅インク組成物。
[4]酸が、硫酸、硝酸、燐酸、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノール、クレゾール、ハイドロキノン、サリチル酸から成る群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[2]から[3]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[5]銅粒子の平均粒径が、5μm以下であることを特徴とする上記[1]から[4]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[6]アルコール類が、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボースなどの糖類、ソルビトール、マンニトールなどの還元糖類、ポリビニルアルコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]から[5]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[7]VIII族金属錯体が、ルテニウム錯体であることを特徴とする上記[1]から[6]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[8]VIII族金属錯体が、カルボニル錯体であることを特徴とする上記[1]から[7]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[9]VIII族金属錯体が、トリルテニウムドデカカルボニルであることを特徴とする上記[1]から[8]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[10]銅粒子の含有率が、20重量%〜95重量%であることを特徴とする上記[1]から[9]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[11]アルコール類の含有率が、0.5重量%〜80重量%であることを特徴とする上記[1]から[10]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[12]VIII族金属錯体の含有率が、0.01重量%〜50重量%であることを特徴とする上記[1]から[11]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[13]さらにバインダー樹脂を含むことを特徴とする上記[1]から[12]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[14]基板に塗布後、温度100℃以上で加熱し、銅膜を形成することを特徴とする上記[1]から[13]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[1]銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、水酸基数が3以上のアルコール類、VIII族金属錯体を含むことを特徴とする銅インク組成物。
[2]銅粒子が、酸で処理した銅粒子であることを特徴とする上記[1]に記載の銅インク組成物。
[3]酸が、鉱酸の水溶液及び/又は有機酸であることを特徴とする上記[2]に記載の銅インク組成物。
[4]酸が、硫酸、硝酸、燐酸、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノール、クレゾール、ハイドロキノン、サリチル酸から成る群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[2]から[3]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[5]銅粒子の平均粒径が、5μm以下であることを特徴とする上記[1]から[4]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[6]アルコール類が、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボースなどの糖類、ソルビトール、マンニトールなどの還元糖類、ポリビニルアルコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]から[5]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[7]VIII族金属錯体が、ルテニウム錯体であることを特徴とする上記[1]から[6]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[8]VIII族金属錯体が、カルボニル錯体であることを特徴とする上記[1]から[7]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[9]VIII族金属錯体が、トリルテニウムドデカカルボニルであることを特徴とする上記[1]から[8]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[10]銅粒子の含有率が、20重量%〜95重量%であることを特徴とする上記[1]から[9]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[11]アルコール類の含有率が、0.5重量%〜80重量%であることを特徴とする上記[1]から[10]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[12]VIII族金属錯体の含有率が、0.01重量%〜50重量%であることを特徴とする上記[1]から[11]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[13]さらにバインダー樹脂を含むことを特徴とする上記[1]から[12]のいずれかに記載の銅インク組成物。
[14]基板に塗布後、温度100℃以上で加熱し、銅膜を形成することを特徴とする上記[1]から[13]のいずれかに記載の銅インク組成物。
本発明の銅インク組成物は、プリント配線基板、太陽電池などの電子デバイスの製造において、少ない工程で配線が形成でき、しかも高導電性の微細配線を形成できるため、工業的に極めて有用である。
本発明の銅インク組成物の必須成分は銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、水酸基数が3以上のアルコール類、VIII族金属錯体である。
本発明の銅インク組成物においては、銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、すなわち酸素含有量が、1.1重量%以下の銅粒子、好ましくは銅酸化物が0.1重量%〜10重量%の銅粒子、特に好ましくは銅酸化物が1重量%〜9重量%の銅粒子を使用する必要がある。金属銅粒子の表面は不安定であるため、一般的に金属銅粒子の表面は銅酸化物か、アミン、チオール、カルボン酸などの酸化防止剤で覆われている。金属銅粒子の表面を酸化防止剤で覆うと、本発明の銅インク組成物においては、酸化防止剤が除去できず、導電性が低下してしまう。一方、銅酸化物で覆う場合、本発明の銅インク組成物で、酸化物を除去できるが、銅酸化物が10重量%を超える場合、アルコール類や高価なVIII族金属錯体の量を増やす必要があり、工業的に実施することが困難になる。
本発明の銅インク組成物において、銅酸化物の量を10重量%以下にするために、銅粒子を酸で処理するのが有効である。酸で処理することで、銅酸化物は銅塩に変化し、水などの溶媒に対し銅塩は銅酸化物より溶解しやすいため、除去可能である。酸による処理方法には特に制限はない。銅粒子を液体の酸、酸の蒸気と混合した後、分離するのが一般的である。このとき、加熱して処理を加速しても良い。酸と接触した後、水、アルコールなど銅塩が溶解しやすい溶媒で洗浄すれば銅酸化物は除去でき、銅粒子中の銅酸化物量は減少することができる。またアルコールとして、水酸基数が3以上のアルコールを使用しても良い。
銅粒子を処理する酸に特に制限はなく、一般に流通している鉱酸、有機酸を使用することができ、あえて例示すると、硫酸、硝酸、燐酸、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸などの鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸;フェノール、クレゾール、ハイドロキノン、サリチル酸などのフェノール類などの有機酸が挙げられ、その中でも硫酸、硝酸、塩酸、ギ酸、酢酸等が好ましい。この中で、硫酸、硝酸などの酸化力の強い酸は、金属銅を酸化し、銅酸化物を増加する可能性がある。したがって、これらの鉱酸を使用する場合は、水で希釈し、酸化力を弱めて使用することが好ましい。
本発明の銅インク組成物においては、インク中での分離、沈降の観点から、銅粒子の平均粒径は、特に5μm以下であることが好ましい。
本発明のインク組成物において、使用できるアルコールは、水酸基数が3以上のアルコールである。水酸基数が2以下のアルコールを使用した場合、導電性及び安定性が低くなる。アルコールは一般に流通しているものを使用することができ、敢えて例示すれば、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボースなどの糖類;ソルビトール、マンニトールなどの還元糖類;ポリビニルアルコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのポリオール類が挙げられる。この中では、グルコースなどの糖類、ソルビトールなどの還元糖類、ポリビニルアルコール、グリセリンなどが安価であり、工業的に好ましい。これらのアルコールは一種類を使用しても、二種類以上を混合して使用しても一向に差支えない。
銅粒子を酸処理する前に、これらのアルコール類を添加しても良いし、酸処理中、あるいは酸処理後に添加しても良い。
本発明の銅インク組成物において、VIII族金属錯体は、銅酸化物を銅金属に低温で還元するのに必要である。VIII族金属として、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、ニッケル、鉄、コバルトなどが使用でき、これらの中で、特にルテニウムが好ましい。ルテニウムは最も低温で銅酸化物を銅金属に還元できる。
VIII族金属錯体であれば、塩、錯体、金属でも銅酸化物を銅金属に還元するのに有効であり、本発明の銅インク組成物においては、インク組成物中において、分離、沈降のない錯体が特に好ましい。
VIII族金属錯体としては具体的には、例えばトリルテニウムドデカカルボニル、テトラヒドリドテトラルテニウムドデカカルボニル、テトラロジウムドデカカルボニル、ヘキサロジウムヘキサデカカルボニル、テトライリジウムドデカカルボニル、ヘキサイリジウムドデカカルボニル等のカルボニル錯体;ジエチレン(アセチルアセトナト)ロジウム等のオレフィン錯体;アセトニトリル(シクロオクタジエン)ロジウム、ビス(1,5−シクロオクタジエン)白金、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル等のジエン錯体;クロロ(π−アリル)パラジウム ダイマー、クロロ(π−アリル)トリス(トリメチルホスフィン)ルテニウム等のπ−アリル錯体;アセトニトリルペンタキス(トリクロロスタナト)ルテネート、クロロペンタキス(トリクロロスタナト)ロデート、cis,trans−ジクロロテトラキス(トリクロロスタナト)イリデート、ペンタキス(トリクロロスタナト)パラデート、ペンタキス(トリクロロスタナト)プラチネート等のトリクロロスタナト錯体;トリス(2,2’−ビピリジル)ルテニウム、ジエチル(2,2’−ビピリジル)パラジウム等のビピリジル錯体;フェロセン、ルテノセン、テトラヒドリドビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルテニウム等のシクロペンタジエニル錯体;ジ(ベンザルアセトン)パラジウム、トリ(ベンザルアセトン)ジパラジウム等のベンザルアセトン錯体等が例示できる。この中で、最も低温で銅酸化物を銅金属に還元できることからカルボニル錯体が好ましく、トリルテニウムドデカカルボニルが特に好ましい。
本発明の銅インク組成物において、銅の膜厚及びインクの粘度の観点から、銅粒子の含有率は、20重量%〜95重量%が好ましく、40重量%〜90重量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物において、アルコール類の含有率は、導電性・安定性及び銅の膜厚の観点から、0.5重量%〜80重量%が好ましく、1重量%〜50重量%が特に好ましい。
本発明の銅インク組成物において、VIII族金属錯体の含有率は、銅膜を形成する際の加熱温度の観点から、0.01重量%〜50重量%が好ましく、0.01重量%〜10重量%が特に好ましい。
本発明の銅インク組成物には、バインダー樹脂を添加することができる。バインダー樹脂を添加することで、導電性が高まるとともに、基板への密着性も増加する。バインダー樹脂としては、例えばエポキシ系樹脂、ナイロン樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエチレンオキシデート、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸塩共重合体、アクリル酸エステル系ゴム、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、ポリブタジエン、エチルセルロース、ポリエステル、ポリアミド、天然ゴム、シリコン系ゴム、ポリクロロプレン、ポリビニルエーテル、メタクリル酸樹脂、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ウレタン樹脂、環化ゴム、ブチルゴム、炭化水素樹脂、α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエステルイミド、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリオレフィン、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、多価カルボン酸の不飽和エステル等が例示できる。金属銅膜製造が効率よく行える点で、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂と他のバインダー樹脂を混合することが、さらに好ましく、他のバインダー樹脂としてはナイロン樹脂が好ましい。
本発明の銅インク組成物を基板に被膜する際に、本発明の組成物をそのまま用いることもでき、溶媒で任意に希釈して用いてもよい。希釈溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トリグライム、テトラグライム等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジル、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、カプロラクトン等のエステル系溶媒;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、テトラリン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミドまたは環状アミド系溶媒類;ジメチルスルホン等のスルホン系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;水等が例示できる。また、これらの溶媒を任意の割合で混合して用いても良い。
本発明の銅インク組成物には、粘度調整のためレオロジー調整剤を加えても良い。レオロジー調整剤には、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタンなど一般に使用されているものを使用することができる。
本発明の銅インク組成物は、高導電性を有することからプリント配線基板、太陽電池などの配線を形成する銅膜に好適に使用され、微細配線化が可能であるなどの効果が期待できる。また、タッチパネルなどの透明導電膜にも適用できる。
本発明の銅インク組成物で被膜する基板に特に制限はなく、セラミックス、ガラス、プラスチック等を用いることができる。また、基板上に被膜する方法として、スクリーン印刷法、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、スプレー法等を例示することができる。
本発明の銅インク組成物を使用して、銅膜を形成するには、銅インク組成物を基板に塗布した後、加熱する。加熱の温度は、高導電性の金属銅膜が得られる点で、100℃〜300℃から適宜選ばれた温度で加熱することが好ましく、150℃〜250℃が特に好ましい。
加熱時の雰囲気には、特に制限はなく、大気中、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、または、水素ガス中で行うことができる。この中で、不活性ガス中、水素
ガス中で、高導電性の銅膜が形成できるが、水素雰囲気は爆発の危険性があるため工業的に好ましくなく、不活性ガスが好ましい。
ガス中で、高導電性の銅膜が形成できるが、水素雰囲気は爆発の危険性があるため工業的に好ましくなく、不活性ガスが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、表記を簡潔にするため、以下の略記号を使用した。
TRDC:トリルテニウムドデカカルボニル
GLY:グリセリン
SOR:ソルビトール
PVA:ポリビニルアルコール
BDO:1、3−ブタンジオール
PDO:1、5−ペンタンジオール
[平均粒径の測定方法]
平均粒径は、5nmから1μmは動的光散乱法を用い、1μmから500μmはレーザー回折・散乱法を用いて測定した粒度分布の累積50%における体積粒径である。
GLY:グリセリン
SOR:ソルビトール
PVA:ポリビニルアルコール
BDO:1、3−ブタンジオール
PDO:1、5−ペンタンジオール
[平均粒径の測定方法]
平均粒径は、5nmから1μmは動的光散乱法を用い、1μmから500μmはレーザー回折・散乱法を用いて測定した粒度分布の累積50%における体積粒径である。
[実施例1〜5]
平均粒径1μm、銅酸化物の含有率12重量%の銅粒子に5%硫酸水溶液を加え、1時間撹拌した。この粒子を水洗し、銅粒子の表面を元素分析したところ、酸化銅の含有率は3重量%だった。エタノール溶液で、銅粒子を洗浄した後、TRDCのBDO溶液を添加し、さらに、表1記載のアルコール、エポキシ系樹脂とナイロン樹脂の混合物からなるバインダー樹脂(東亞合成製、グレード:BX−60BA)を混合し、銅インク組成物を得た。なお、表1の銅インク組成物の残部はBDOである。
平均粒径1μm、銅酸化物の含有率12重量%の銅粒子に5%硫酸水溶液を加え、1時間撹拌した。この粒子を水洗し、銅粒子の表面を元素分析したところ、酸化銅の含有率は3重量%だった。エタノール溶液で、銅粒子を洗浄した後、TRDCのBDO溶液を添加し、さらに、表1記載のアルコール、エポキシ系樹脂とナイロン樹脂の混合物からなるバインダー樹脂(東亞合成製、グレード:BX−60BA)を混合し、銅インク組成物を得た。なお、表1の銅インク組成物の残部はBDOである。
こうして得られた銅インク組成物をガラス基板上に15mm角にスクリーン印刷し、大気中1時間放置後、窒素気流下で200℃で1時間加熱した。形成された銅膜のシート抵抗を四端子法で、膜厚を段差計で測定し、体積抵抗を算出した。その結果を表1に示す。また、スクリーン印刷後、大気中に4時間放置した後、窒素気流下で200℃で1時間加熱した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
GLYを水酸基数2のBDOに変えた以外は全て実施例5と同じ操作を行い、体積抵抗を算出した。その結果を表1に示す。水酸基数が3未満のアルコールを用いたため体積抵抗値が高く、導電性に劣るものであった。
GLYを水酸基数2のBDOに変えた以外は全て実施例5と同じ操作を行い、体積抵抗を算出した。その結果を表1に示す。水酸基数が3未満のアルコールを用いたため体積抵抗値が高く、導電性に劣るものであった。
[比較例2]
GLYを水酸基数2のPDOに変えた以外は全て実施例5と同じ操作を行い、体積抵抗を算出した。その結果を表1に示す。水酸基数が3未満のアルコールを用いたため体積抵抗値が高く、導電性に劣るものであった。
GLYを水酸基数2のPDOに変えた以外は全て実施例5と同じ操作を行い、体積抵抗を算出した。その結果を表1に示す。水酸基数が3未満のアルコールを用いたため体積抵抗値が高く、導電性に劣るものであった。
[比較例3]
銅粒子を5%硫酸水溶液で処理せず、銅酸化物含有量12重量%の銅粒子を使用した以外は全て実施例5と同じ操作を行い、体積抵抗を算出した。その結果を表1に示す。銅酸化物含有量が12重量%と多く、体積抵抗値が高く導電性に劣るものであった。
銅粒子を5%硫酸水溶液で処理せず、銅酸化物含有量12重量%の銅粒子を使用した以外は全て実施例5と同じ操作を行い、体積抵抗を算出した。その結果を表1に示す。銅酸化物含有量が12重量%と多く、体積抵抗値が高く導電性に劣るものであった。
[実施例6]
平均粒径0.23μm、銅酸化物の含有率21重量%の銅粒子にギ酸を加え処理し、銅酸化物量を8重量%にした後、エタノール、GLYの混合溶液で洗浄し銅粒子を調製した。
平均粒径0.23μm、銅酸化物の含有率21重量%の銅粒子にギ酸を加え処理し、銅酸化物量を8重量%にした後、エタノール、GLYの混合溶液で洗浄し銅粒子を調製した。
この銅粒子3.0g、BDO 0.34g、TRDC 1.5mg、エポキシ系樹脂とナイロン樹脂の混合物からなるバインダー樹脂(東亞合成製、グレード:BX−60BA)0.05gを混合し、銅インク組成物(銅インク組成(括弧内は重量%)銅(86)、BDO(10)、TRDC(0.04)、バインダー樹脂(1)、残部はGLY)を得た。
こうして得られた銅インク組成物をガラス基板上に15mm角にスクリーン印刷し、窒素気流下で、200℃、1時間加熱した。形成された銅膜のシート抵抗を四端子法で、膜厚を段差計で測定し、体積抵抗を算出した。得られた膜の体積抵抗は10μΩcmであった。
また、この銅インク組成物をガラス基板上に15mm角にスクリーン印刷し、大気下で、200℃、10分加熱した。形成された銅膜のシート抵抗を四端子法で、膜厚を段差計で測定し、体積抵抗を算出した。得られた膜の体積抵抗は18μΩcmであった。
[実施例7]
実施例1と同じ銅粒子を、実施例1と同様に硫酸で処理した後、エタノール、GLYで洗浄し銅粒子を調製した。
実施例1と同じ銅粒子を、実施例1と同様に硫酸で処理した後、エタノール、GLYで洗浄し銅粒子を調製した。
この銅粒子3.0g、BDO 0.34g、TRDC 1.5mg、PVA 3.0mg、SOR 0.017gを混合し、銅インク組成物(銅インク組成(括弧内は重量%)銅(87)、BDO(10)、TRDC(0.04)、PVA(0.1)、SOR(0.5)、残部はGLY)を得た。
こうして得られた銅インク組成物をガラス基板上に15mm角にスクリーン印刷し、窒素気流下で、150℃で1時間加熱した。形成された銅膜のシート抵抗を四端子法で、膜厚を段差計で測定し、体積抵抗を算出した。得られた膜の体積抵抗は19μΩcmであった。
Claims (14)
- 銅酸化物が10重量%以下の銅粒子、水酸基数が3以上のアルコール類、VIII族金属錯体を含むことを特徴とする銅インク組成物。
- 銅粒子が、酸で処理した銅粒子であることを特徴とする請求項1に記載の銅インク組成物。
- 酸が、鉱酸の水溶液及び/又は有機酸であることを特徴とする請求項2に記載の銅インク組成物。
- 酸が、硫酸、硝酸、燐酸、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、フェノール、クレゾール、ハイドロキノン、サリチル酸から成る群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の銅インク組成物。
- 銅粒子の平均粒径が、5μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の銅インク組成物。
- アルコール類が、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボースなどの糖類、ソルビトール、マンニトールなどの還元糖類、ポリビニルアルコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、1,3,5,7−シクロオクタンテトラオールなどのポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の銅インク組成物。
- VIII族金属錯体が、ルテニウム錯体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の銅インク組成物。
- VIII族金属錯体が、カルボニル錯体であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の銅インク組成物。
- VIII族金属錯体が、トリルテニウムドデカカルボニルであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の銅インク組成物。
- 銅粒子の含有率が、20重量%〜95重量%であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の銅インク組成物。
- アルコール類の含有率が、0.5重量%〜80重量%であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の銅インク組成物。
- VIII族金属錯体の含有率が、0.01重量%〜50重量%であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の銅インク組成物。
- さらにバインダー樹脂を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の銅インク組成物。
- 基板に塗布後、温度100℃以上で加熱し、銅膜を形成することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の銅インク組成物。
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