JP5000188B2 - インクジェット用インクとそれを用いた印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット用インク、特に、着色剤として金属コロイドを含み、金属光沢を有する印刷面を形成することが可能なインクジェット用インクと、前記インクジェット用インクを用いた印刷方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータの出力印刷から、例えば、商業広告等の、大型印刷物の印刷までの、幅広い分野で、いわゆるインクジェット方式による印刷が利用されている。インクジェット方式の印刷では、紙等の被印刷体の表面に、色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローの3色、あるいは、前記3色を基本とする4色以上の多色のインクジェット用インクを用いて、重ね印刷して、各色の混色によって、フルカラー画像などを表現している。しかし、前記表現方法であるため、インクジェット方式の印刷では、金属光沢を表現できないという問題がある。
そこで近時、金属光沢を表現するために、着色剤として、金属粒子を用いたインクジェット用インクが種々、提案されている。例えば、特許文献1には、樹脂フィルム上に積層した金属蒸着膜を細かく粉砕してフレーク状の金属粒子を製造し、前記金属粒子を、着色剤として、水中に分散させたインクジェット用インクが開示されている。
また、特許文献2には、金属蒸着膜と樹脂層との2層以上の積層体を粉砕して製造した多層構造の粒子を、着色剤として、水中に分散させたインクジェット用インクが開示されている。さらに、特許文献3には、前記いずれかの金属粒子を、マイクロカプセルに内包させた状態で、着色剤として、水中に分散させたインクジェット用インクが開示されている。
しかし、特許文献1のインクジェット用インクで用いているフレーク状の金属粒子は、実施例レベルでの厚みが0.08〜0.12μm程度、最大長さが0.8〜2μm程度という大きな、しかも、先に説明した製造方法からわかるように、扁平で、不定形で、なおかつ各粒子間で形状や大きさが不揃いなものである。
また特許文献2のインクジェット用インクで用いている多層構造の粒子は、実施例レベルでの厚みが0.75〜1.1μm程度、最大長さが3.8〜4.0μm程度とさらに大きい上、扁平で、不定形で、なおかつ、各粒子間で形状や大きさが不揃いなものである。さらに、特許文献3のインクジェット用インクで用いているマイクロカプセルは、直径が5〜70μm程度という、さらに大きな粒子である。
そのため、これらの粒子は、いずれも、水に対する分散安定性が不十分であり、製造後のインクジェット用インクが、実際に、末端のユーザーによって使用されるまでの間に、前記粒子が沈降してしまって、前記インクジェット用インクが、使いものにならなくなるといった問題を生じるおそれがある。
また、近年、インクジェット方式による印刷の高画質化が急速に進行しており、高画質化のためには、インクジェットヘッドのノズルから吐出させるインクジェット用インクの液滴をできるだけ微小化する必要があることから、ノズルの径が微小化する傾向にある。しかし、先に説明した大きな、しかも、扁平で、不定形で、なおかつ、各粒子間で形状や大きさが不揃いの粒子では、前記微小化に十分に対応することができず、ノズルの目詰まり等を生じやすいという問題もある。
さらに、サイズの大きな粒子を含む従来のインクジェット用インクを用いて印刷をしても、印刷面は、個々の粒子の粒状感が目立ってしまって、例えば、金属塊や金属箔、連続した金属膜等の表面のような、滑らかで、かつ良好な金属光沢を表現するのが難しいという問題もある。
そこで、これらの問題を解決するため、特許文献4において、着色剤として、水系の金属コロイドを用いたインクジェット用インクが提案された。前記水系の金属コロイドは、例えば、金属イオンを含む水溶液と還元剤とを混合したり、あるいは、金属イオンを含む水溶液を噴霧して、水素炎と接触させたりするなどして、前記金属イオンを還元して、水中に、金属粒子として析出させることで製造される。
金属コロイドに含まれる金属粒子は、前記還元反応が、系中で均一に進行するため、個々の粒径が揃っており、粒度分布がシャープである。また、前記金属粒子は、その形状も、ほぼ球形で揃っている。しかも、反応条件を調整することで、前記金属粒子の粒径を、従来の、不定形の金属粒子より小さくすることもできる。
また、金属コロイドに含まれる金属粒子は、先に説明したように、水中での還元反応などによって析出させて生成され、その表面が親水性を有しているため、水に対する分散安定性にも優れている。金属コロイドとしては、表現したい金属光沢の色合い等に合わせた、種々の金属元素からなる金属粒子を含むものが使用可能である。
また、特許文献4の請求項4には、前記金属コロイドを含む、水系のインクジェット用インクを、吸水性を有し、かつ、その表面の王研式平滑度が200秒以上、または、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された60度鏡面光沢度が20以上という、表面の光沢度に優れた被印刷体(例えば、光沢紙、写真用紙等と呼ばれるもの)の、前記表面に印刷して、金属光沢に優れた印刷面を形成することも記載されている。
特開平11−323223号公報(請求項1、段落[0003]、[0006]〜[0008]、[0011]〜[0013]) 特開平11−343436号公報(請求項1、段落[0003]、[0006]〜[0007]、[0009]〜[0011]、[0013]〜[0015]) 特開2000−17208号公報(請求項1、段落[0006]〜[0011]) 特開2003−306625号公報(請求項1、3、4、段落[0010]〜[0012]、[0013]〜[0017]、[0057]〜[0061])
ところが、発明者が検討したところ、着色剤として金属コロイドを使用した、特許文献4記載の発明のインクジェット用インクを、先に説明した、所定の光沢度を有する光沢紙等の被印刷体の表面に印刷しても、良好な金属光沢を有する印刷面を形成できない場合があることが明らかとなった。
つまり、特許文献4記載の発明のインクジェット用インクでは、前記特許文献4の請求項4に規定された所定の光沢度の範囲内に入る、高い光沢度を有する光沢紙等の表面に印刷しても、前記光沢紙等の種類(製造したメーカーや品番の違い等)によっては、その表面に、金属光沢に優れた良好な印刷面を形成できない場合が生じるのである。
本発明の目的は、被印刷体の種類に拘らず、常に良好な印刷面を形成することができるインクジェット用インクと、前記インクジェット用インクを用いた印刷方法とを提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者は、インクジェット印刷用として供給される種々の被印刷体の表面の状態と、前記表面での、インクジェット用インクの挙動との関係について検討した結果、下記の事実を見出した。
すなわち、紙等の基材の表面に、インクジェット用インク中の水分を速やかに吸収させるための、シリカ等の多孔質粒子を含む、空隙の多いインクジェット用インク受容層を積層することで製造され、インクジェット印刷用として最も一般的に使用されている、いわゆるインクジェット専用紙等と呼ばれる被印刷体においては、前記インクジェット用インク受容層が、空気との界面が多い上、その表面が微細な凹凸を有しており、光を乱反射しやすいため、前記表面が、光沢のない艶消し面になっている。
これに対し、先に説明した光沢紙等の、高い光沢度を有する被印刷体は、通常、紙等の基材の表面に、吸水性樹脂等からなるインクジェット用インク受容層を、表面ができるだけ平滑になるようにコーティングする等して製造される。そして、前記被印刷体の、インクジェット用インク受容層の表面に、インクジェット用インクを印刷すると、前記インクジェット用インク中の水分が、インクジェット用インク受容層を構成する吸水性樹脂によって吸収されると共に、着色剤が、インクジェット用インク受容層の表面に定着されて、印刷面が形成される。
しかし、先に説明した多孔質のインクジェット用インク受容層と、吸水性樹脂等からなるインクジェット用インク受容層とでは、前者に比べて後者の方が、インクジェット用インク中の水分を吸収する速度が遅いため、印刷したインクジェット用インクが、インクジェット用インク受容層の表面に、液体の状態で留まっている時間が、前者より後者の方が、長くなる傾向がある。そのため、光沢紙等の被印刷体においては、インクジェット用インク受容層の表面に対する、インクジェット用インクの濡れ性が、印刷面の光沢度を向上する上で、重要な要素となる。
つまり、金属コロイドによって金属光沢を表現するためには、インクジェット用インクが、インクジェット用インク受容層に対する濡れ性に優れており、印刷したインクジェット用インクが、前記インクジェット用インク受容層の表面に、ムラのない、できるだけ平滑な膜を形成できることが求められる。ムラのない平滑な膜から形成された印刷面においては、ミクロ的に見て、先に説明したように、その粒径や形状が揃った微小な金属粒子が、面方向に、均一に配列された状態となるため、マクロ的に見ると、きれいな金属光沢を表現することができるのである。
ところが、被印刷体を製造したメーカーの違いや、あるいは、同じメーカー製の製品でも品番の違い等によって、インクジェット用インク受容層を形成する、吸水性樹脂を含む組成物の組成や、吸水性樹脂自体の種類等が異なるため、インクジェット用インクの濡れ性が、被印刷体の種類によって一定しない。そのため、特に、濡れ性が低い被印刷体の表面では、インクジェット用インクがはじかれたり、ムラになったりして、平滑な膜が形成されにくいため、金属光沢に優れた良好な印刷面を形成できないのである。
そこで、発明者は、インクジェット用インクの濡れ性をつかさどる成分である、界面活性剤について、種々、検討した結果、前記界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドールを用いれば、インクジェット用インクの、様々な表面に対する濡れ性を改善して、被印刷体の種類に拘らず、常に良好な印刷面を形成できることを見出した。したがって、請求項1記載の発明は、着色剤、界面活性剤、および水を含み、前記界面活性剤が、p−ノニルフェノキシポリグリシドールであることを特徴とするインクジェット用インクである。
また、前記着色剤として、先に説明したように、個々の粒径が揃っており、粒度分布がシャープで、かつ、その形状が、ほぼ球形で揃っていると共に、小さく、しかも、水に対する分散安定性にも優れた金属粒子を含む金属コロイドを用いた場合には、前記p−ノニルフェノキシポリグリシドールを界面活性剤として含むため、インクジェット用インクの、様々な表面に対する濡れ性が改善されたことと相まって、特に、光沢紙等の被印刷体の表面に、金属光沢に優れた良好な印刷面を形成することができる。したがって、請求項2記載の発明は、着色剤が、金属コロイドである請求項1記載のインクジェット用インクである。
また、前記金属コロイドとして、銀コロイドを使用すると共に、銀の変色を防止する変色防止剤として、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩を、インクジェット用インクに含有させた場合には、光沢紙等の被印刷体の表面に、銀コロイド粒子による、銀光沢に優れた良好な印刷面を形成できる上、前記印刷面が変色して銀光沢が失われるのを、前記変色防止剤の作用によって防止して、より長期間に亘って、良好な銀光沢を維持することができる。
したがって、請求項3記載の発明は、金属コロイドが銀コロイドであると共に、銀の変色を防止するための変色防止剤として、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩を含有している請求項2記載のインクジェット用インクである。
また、変色防止剤として、前記2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩を含有させると、インクジェット用インクのpHが塩基性に偏る傾向があるが、インクジェットヘッドの金属部分等が腐食したり変質したりするのを防止することを考慮すると、インクジェット用インクのpHは中性付近であるのが好ましい。
そのため、インクジェット用インクには、pH調整剤を添加するのが好ましいが、pH調整剤の種類によっては、金属粒子の、水に対する分散安定性を阻害して、前記金属粒子の凝集を生じさせて、インクジェット用インクの粘度を上昇させて、ノズルからの液滴の吐出を不安定化させたり、ノズルの目詰まりを生じさせたりするおそれがある。また、製造後のインクジェット用インクが、実際に、末端のユーザーによって使用されるまでの間に、金属粒子が沈降してしまって、前記インクジェット用インクが、使いものにならなくなるおそれもある。
これに対し、前記pH調整剤として、硫酸アンモニウムを使用した場合には、その原因は明らかではないが、前記種々の問題を生じさせることなしに、インクジェット用インクのpHを調整して、インクジェットヘッドの金属部分等が腐食したり変質したりするのを防止することができる。したがって、請求項4記載の発明は、インクジェット用インクのpHを調整するためのpH調整剤として、硫酸アンモニウムを含有している請求項3記載のインクジェット用インクである。
インクジェット用インクには、金属粒子等を、被印刷体の表面に定着させるために、バインダ樹脂を含有させても良い。また、バインダ樹脂としては、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマーが、金属粒子による金属光沢を損なわずに、前記金属粒子を、被印刷体の表面に定着する機能に優れるため、好ましい。したがって、請求項5記載の発明は、バインダ樹脂として、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマーを含有している請求項2記載のインクジェット用インクである。
前記本発明のインクジェット用インクを用いて、先に説明した、吸水性を有し、かつ、その表面の王研式平滑度が200秒以上、または、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された60度鏡面光沢度が20以上という、表面の光沢度に優れた被印刷体の、前記表面に印刷した場合には、前記インクジェット用インク中に含まれる、p−ノニルフェノキシポリグリシドールの作用によって、被印刷体の種類に拘らず、常に良好な印刷面を形成することができる。
すなわち、請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インクを、吸水性を有し、かつ、その表面の王研式平滑度が200秒以上、または、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された60度鏡面光沢度が20以上である被印刷体の、前記表面に印刷することを特徴とする印刷方法である。
また、前記インクジェット用インクとして、着色剤が金属コロイドであるものを用いれば、前記非印刷体の表面に、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された20度鏡面光沢度が100以上の、良好な金属光沢を有する印刷面を形成することができる。したがって、請求項7記載の発明は、着色剤が金属コロイドであるインクジェット用インクを印刷することにより、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された20度鏡面光沢度が100以上である印刷面を形成する請求項6記載の印刷方法である。
本発明によれば、被印刷体の種類に拘らず、常に良好な印刷面を形成することができるインクジェット用インクと、前記インクジェット用インクを用いた印刷方法とを提供することができる。
《インクジェット用インク》
本発明のインクジェット用インクは、着色剤、界面活性剤、および水を含み、前記界面活性剤が、p−ノニルフェノキシポリグリシドールであることを特徴とするものである。
前記のうち、着色剤としては、金属コロイドが好適に使用される。金属コロイドとしては、例えば金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、鉄などの種々の金属からなる微細な金属粒子を、水、または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒等に、コロイド状に分散させたものを用いることができる。
金属粒子の平均粒径は、特に限定されないが1×10-3〜5×10-1μmであるのが好ましく、1×10-3〜8×10-2μmであるのがさらに好ましい。金属粒子の平均粒径が前記範囲未満のものは、製造が容易でない。また、前記範囲を超えるものは、個々の金属粒子の粒状感が目立ってしまうため、滑らかな金属光沢を有する印刷面を形成できないおそれがある。また、金属粒子の、水に対する分散安定性が低下して、インクジェット用インク中に、均一に分散させることができなかったり、ノズルの目詰まり等を防止できなかったりするおそれもある。
水系の金属コロイドは、先に説明したように、金属イオンを含む水溶液と還元剤とを混合したり、金属イオンを含む水溶液を噴霧して、水素炎と接触させたりするなどして、前記金属イオンを還元して、水中に、金属粒子として析出させることで製造される。例えば、水系の銀コロイドは、硝酸銀水溶液を還元して製造される。すなわち、硫酸鉄(II)水溶液と、クエン酸水溶液との混合液に、硝酸銀水溶液を加えると、濃青色の沈殿が得られる。前記沈殿をろ別し、蒸留水で洗浄した後、蒸留水を注ぐと、赤色の、銀コロイド粒子の分散安定性に優れた水系の銀コロイドが得られる。また、水系の金属コロイドは、先に説明したように、金属イオンを含む水溶液を噴霧して、水素炎と接触させて還元、析出させる方法によって製造することもできる。
前記各製造方法によって金属コロイドを製造するに際して、還元反応の前後の、任意の時点で、水溶液に、界面活性剤等を加えると、金属粒子の分散安定性をさらに向上できる。金属コロイドに加える界面活性剤としては、インクジェット用インクに含有させる、前記p−ノニルフェノキシポリグリシドールが使用できる他、他の界面活性剤を使用することもできる。また、界面活性剤と共に、あるいは界面活性剤に代えて、前記界面活性剤と同様に、金属粒子の分散安定性をさらに向上させる働きをする、水溶性高分子化合物等を加えてもよい。
金属コロイドの含有割合は、前記金属コロイド中に含まれる金属粒子の、インクジェット用インクの全量に対する含有割合で表して0.5〜5重量%、特に1〜3重量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、金属粒子が不足して、良好な金属光沢を有する印刷面を形成できないおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、インクジェット用インク中の固形分濃度が高くなりすぎるため、インクジェット用インクの粘度が上昇して、ノズルからの液滴の吐出が不安定化したり、ノズルの目詰まりを生じたりするおそれがある。
本発明のインクジェット用インクに、界面活性剤として含有させる、前記p−ノニルフェノキシポリグリシドールの具体例としては、グリシドールの平均重合度が10である、アーチケミカルズ社(Arch Chemicals Inc.)製の商品名サーファクタント(Surfactant)10G〕が挙げられる。
p−ノニルフェノキシポリグリシドールの、インクジェット用インクの全量に対する含有割合は0.05〜2重量%、特に0.1〜1重量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、前記化合物を、界面活性剤として含有させることによる、インクジェット用インクの、特に、光沢紙等の被印刷体に対する濡れ性を改善する効果が十分に得られないおそれがある。
また、前記範囲を超える場合には、インクジェット用インクの、例えば、インクジェットヘッドのノズルに対する濡れ性が高くなりすぎて、インクジェット用インクがノズルの開口の周囲に濡れ広がる等して、ノズルから吐出される液滴の飛行軌跡が曲げられたり、濡れ広がったインクジェット用インクが乾燥し、固化してノズルを目詰まりさせたりするおそれがある。また、着色剤が金属コロイドである場合は、印刷面の金属光沢が損なわれるおそれもある。
なお、p−ノニルフェノキシポリグリシドールの含有割合は、先に説明したように、金属コロイドが、金属粒子の分散性を向上するための界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドールを含む場合は、前記金属コロイドに含まれる分も含めた、p−ノニルフェノキシポリグリシドールの総量の、インクジェット用インクの全量に対する含有割合とする。
本発明のインクジェット用インクは、前記p−ノニルフェノキシポリグリシドールと、先に説明した金属コロイド等の着色剤とを、所定の含有割合となるように、水に配合することで構成される。また、水には、インクジェット用インクの乾燥性、被印刷体に対する浸透性、濡れ性等を調整するために、水溶性有機溶媒を添加することもできる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、s−ブタノール、t−ブタノール等の1価のアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の2〜3価のアルコール類;ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン等の1種または2種以上が挙げられる。
金属コロイドが銀コロイドであるとき、本発明のインクジェット用インクには、銀の変色を防止するための変色防止剤を含有させるのが好ましい。変色防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾールやその塩(ナトリウム塩、亜鉛塩、シクロヘキシルアミン塩等)、2−ヘプタデシルイミダゾール、チオナリド(2−メルカプト−N−ナフタレニルアセトアミド)、アルキル基の炭素数が12〜20程度のアルキルメルカプタン(例えばオクタデシルメルカプタン、CH3(CH217SH)等の1種または2種以上が挙げられる。特に、水に対する溶解性に優れるため、他の変色防止剤と違って、インクジェットインクジェット用インクのpHを塩基性に保たずに、次に述べるpH調整剤を添加する等して中性に調整しても析出したりしない、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩が好ましい。
変色防止剤の、インクジェット用インクの全量に対する含有割合は0.02〜2重量%、特に0.1〜1.5重量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、変色防止剤を含有させることによる、銀の変色を防止する効果が十分に得られないおそれがあり、前記範囲を超える場合には、変色防止剤が析出しやすくなるため、インクジェット用インクの粘度が上昇して、ノズルからの液滴の吐出が不安定化したり、ノズルの目詰まりを生じたりするおそれがある。
本発明のインクジェット用インクには、前記変色防止剤を含有させることでpHが塩基性に偏って、インクジェットヘッドの金属部分等が腐食したり変質したりするのを防止することを考慮すると、前記pHを中性付近に調整するためのpH調整剤を含有させるのが好ましい。pH調整剤としては、硫酸アンモニウム、リン酸2水素カリウム、プロピオン酸ナトリウム等の弱酸の1種または2種以上が挙げられる。
特に、金属粒子の、水に対する分散安定性を阻害して、前記金属粒子の凝集を生じさせることで、インクジェット用インクの粘度を上昇させて、ノズルからの液滴の吐出を不安定化させたり、ノズルの目詰まりを生じさせたり、あるいは、製造後のインクジェット用インクが、実際に、末端のユーザーによって使用されるまでの間に、金属粒子を沈降させてしまったりするおそれのない硫酸アンモニウムが好ましい。
2−メルカプトベンゾチアゾールやその塩等の変色防止剤は塩基性物質であるので、インクジェット用インクを酸性に向かわせる成分(グリセリンやpH調整剤)を加える前、特に最初に、水に溶解させることが好ましい。そして最終配合で、硫酸アンモニウム等のpH調整剤を加えて、インクジェット用インクの全体のpHを中性付近に調製することで、より安定に、インクを製造することが可能となる。
本発明のインクジェット用インクには、前記各成分の他に、例えば、バインダ樹脂、湿潤剤、防かび剤、殺生剤等を含有させることもできる。前記のうち、バインダ樹脂は、金属粒子等を、被印刷体の表面に定着させるためのもので、前記バインダ樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性オキサゾリン基含有ポリマー等の、水溶性樹脂の1種または2種以上が挙げられる。中でも、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマーが、金属粒子による金属光沢を損なわずに、前記金属粒子を、被印刷体の表面に定着する機能に優れるため、好ましい。
バインダ樹脂は、金属粒子の定着性を向上することを考慮すると、重量平均分子量Mwが3000以上であるのが好ましい。ただし、分子量が大きすぎると、バインダ樹脂が沈殿したり析出したりしやすくなって、インクジェット用インクの粘度を上昇させて、ノズルからの液滴の吐出を不安定化させたり、ノズルの目詰まりを生じさせたりするおそれがある。
また、製造後のインクジェット用インクが、実際に、末端のユーザーによって使用されるまでの間に、バインダ樹脂が沈降してしまって、前記インクジェット用インクが、使いものにならなくなるといった問題を生じるおそれもある。そのため、バインダ樹脂の重量平均分子量Mwは、前記範囲内でも50000以下、特に5000〜40000であるのが好ましい。バインダ樹脂の、インクジェット用インクの全量に対する含有割合は0.1〜5重量%、特に0.2〜3重量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、バインダ樹脂を含有させることによる、金属粒子の定着性を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
また、前記範囲を超える場合には、過剰のバインダ樹脂が沈殿したり析出したりしやすくなったり、インクジェット用インクの粘度を上昇させて、ノズルからの液滴の吐出を不安定化させたり、ノズルの目詰まりを生じさせたりするおそれがある。また、製造後のインクジェット用インクが、実際に、末端のユーザーによって使用されるまでの間に、バインダ樹脂が沈降してしまって、前記インクジェット用インクが、使いものにならなくなるといった問題を生じるおそれもある。
湿潤剤は、インクジェット用インクの乾燥を遅らせて、ノズルの目詰まりが発生するのを抑制するための成分であって、前記湿潤剤としては、例えば、2価または3価のアルコールや、2−ピロリドンまたはその誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。また、2価のアルコールとしては、例えば、1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、3価のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙られる。さらに、2−ピロリドンおよびその誘導体としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。湿潤剤の、インクジェット用インクの全量に対する含有割合は2〜30重量%であるのが好ましい。
本発明のインクジェット用インクにおいては、着色剤として、金属コロイド起源の金属粒子以外に、種々の染料や顔料等を用いることもできる。また、金属粒子と共に、種々の染料や顔料等を併用することもできる。その場合には、例えば、金を使わずに金の光沢を再現したり、実際にはない種々の色の金属光沢を表現したりすることができる。また、染料等の着色剤を主体とし、金属コロイド起源の金属粒子はそれよりも少量としてもよい。その場合には、金属箔などの表面を再現した金属光沢は得られないが、いわゆるメタリック塗装の状態を再現することが可能となる。本発明のインクジェット用インクは、前記各成分を、所定の割合で配合して製造され、種々のインクジェット方式の印刷に使用することができる。
《印刷方法》
本発明の印刷方法は、前記本発明のインクジェット用インクを用いて、インクジェット方式の印刷方法によって、吸水性を有し、かつ、その表面の王研式平滑度が200秒以上、または、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された60度鏡面光沢度が20以上である、光沢紙等の被印刷体の、前記表面に印刷することを特徴とするものである。
光沢紙等の被印刷体は、前記2つの条件を共に満足しているのが好ましいが、一方を満足しているだけでもよい。なお、より一層、良好な印刷面を形成することを考慮すると、被印刷体の表面の王研式平滑度は、前記範囲内でも600秒以上であるのが好ましい。また、60度鏡面光沢度は、前記範囲内でも25以上であるのが好ましい。
王研式平滑度とは、紙などの試料の、表面の平滑性を規定するための指標となる単位であって、詳細には、「ベックの平滑度について」〔山本、海田、岩崎、紙パ技協誌第20巻第2号(第179号)、紙パルプ技術協会、昭和41年2月発行〕に記載されている圧力降下式平滑度測定器を用いて測定された平滑度を指す。試料表面の平滑性が高いほど数値は高くなり、平滑性が低いほど数値は低くなる。また、60度鏡面光沢度は、日本工業規格JIS Z8741:1997「鏡面光沢度−測定方法」に所載の測定方法で測定された光沢度であって、試料表面の平滑性が高いほど数値は高くなり、平滑性が低いほど数値は低くなる。
本発明のインクジェット用インクを用いて、前記条件を満足する光沢紙等の被印刷体の表面に印刷すると、先に説明したp−ノニルフェノキシポリグリシドールの、界面活性剤としての機能によって、前記被印刷体の種類に拘らず、その表面に、良好な印刷面を形成することができる。特に、着色剤として金属コロイドを含む本発明のインクジェット用インクを用いて印刷すれば、前記被印刷体の表面に、その種類に拘らず、前記JIS Z8741:1997に規定された20度鏡面光沢度が100以上、さらには150以上という、良好な金属光沢を有する印刷面を形成することが可能となる。
《実施例1》
着色剤としては、動的光散乱法(レーザードップラー法)による粒度測定装置〔マイクロトラック(Microtrac)社製のナノトラック(Nanotrac)UPA150〕を使用して測定したメジアン径d50が0.0171μmである水系の銀コロイド〔住友電気工業(株)製、銀粒子含有濃度20重量%〕を用いた。
界面活性剤としては、p−ノニルフェノキシポリグリシドール中の、グリシドールの平均重合度が10である、アーチケミカルズ社(Arch Chemicals Inc.)製の商品名サーファクタント(Surfactant)10Gを用いた。
変色防止剤としては2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩を用い、pH調整剤としては硫酸アンモニウムを用い、バインダ樹脂としては、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマー〔(株)日本触媒製の登録商標エポクロス WS−500、溶媒として水と1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶媒を用いた、固形分濃度40重量%の溶液〕を用いた。湿潤剤としてはグリセリンを用い、殺生剤としては、アーチケミカルズ社(Arch Chemicals Inc.)製の商品名プロキセル(PROXEL)XL−2を用いた。前記各成分を、水溶性有機溶媒としてのジエチレングリコールモノブチルエーテル、および超純水と共に、下記の配合割合で配合し、かく拌して混合させた後、3μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。
(成 分) (重量部)
・銀コロイド 10.0
・界面活性剤 0.2
・変色防止剤 0.5
・pH調整剤 0.3
・バインダ樹脂 2.0
・湿潤剤 20.0
・殺生剤 0.2
・水溶性有機溶媒 20.0
・超純水 46.8
配合の順序は、まず、超純水に、変色防止剤を溶解し、次いで、湿潤剤、水溶性有機溶媒、界面活性剤、バインダ樹脂を加えてかく拌した後、pH調整剤、殺生剤、および銀コロイドを加えて、さらにかく拌した。超純水に、変色防止剤からバインダ樹脂までの各成分を加えてかく拌した時点でのpHは11.45であった。また、pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.14であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。pHの測定には、東亜電波工業(株)製のHV−40を使用した。
《実施例2》
変色防止剤として、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩0.5重量部に代えて、2−メルカプトベンゾチアゾール0.3重量部を配合すると共に、pH調整剤として、硫酸アンモニウム0.3重量部に代えて、弱塩基性の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール0.5重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。
配合の順序は、まず、超純水に、変色防止剤と、弱塩基性のpH調整剤とを溶解し、次いで、湿潤剤、水溶性有機溶媒、界面活性剤、バインダ樹脂を加えてかく拌した後、殺生剤、および銀コロイドを加えて、さらにかく拌した。超純水に、変色防止剤からバインダ樹脂までの各成分を加えてかく拌した時点でのpHは10.77であった。また、殺生剤と銀コロイドとを加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは10.62であった。
なお、2−メルカプトベンゾチアゾールの配合量を0.5重量部にすると、全量を溶解させることができなかった。また、殺生剤および銀コロイドと共に、pH調整剤として硫酸アンモニウムを加えてpHを中性領域に調整すると、2−メルカプトベンゾチアゾールは0.3重量部でも析出した。
《実施例3》
pH調整剤として、硫酸アンモニウム0.3重量部に代えて、リン酸2水素カリウム0.3重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.01であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《実施例4》
pH調整剤として、硫酸アンモニウム0.3重量部に代えて、プロピオン酸ナトリウム0.3重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.11であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《実施例5》
バインダ樹脂として、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマー2.0重量部に代えて、水溶性アクリル樹脂〔ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル(登録商標)60、34重量%水溶液〕2.3重量部を配合すると共に、超純水の配合量を46.5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.02であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《比較例1》
界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドール0.2重量部に代えて、アセチレンジオール系界面活性剤〔日信化学工業(株)製の登録商標オルフィンPD−202〕0.2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは7.94であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《比較例2》
界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドール0.2重量部に代えて、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.13であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《比較例3》
界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドール0.2重量部に代えて、ポリオキシエチレンモノアリルモノメチルエーテルと、無水マレイン酸と、スチレンとの共重合体〔日本油脂(株)製の登録商標マリアリムAKM−0531〕0.2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.02であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《比較例4》
界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドール0.2重量部に代えて、フッ素系界面活性剤〔セイミケミカル(株)製のサーフロン(登録商標)S−111N、溶媒として水とイソプロパノールの混合溶媒を用いた、有効成分濃度30重量%の溶液〕0.6重量部を配合すると共に、超純水の配合量を46.4重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.22であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《比較例5》
界面活性剤として、アセチレンジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物〔日信化学工業(株)製のオルフィン(登録商標)E1010〕0.2重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、銀粒子の含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。pH調整剤から銀コロイドまでの各成分を加え、さらにかく拌して製造したインクジェット用インクのpHは8.02であった。このpHでも、変色防止剤の析出は確認されなかった。
《実施例6》
着色剤として、銀コロイド10.0重量部に代えて、動的光散乱法(レーザードップラー法)による粒度測定装置〔マイクロトラック(Microtrac)社製のナノトラック(Nanotrac)UPA150〕を使用して測定したメジアン径d50が0.0388μmである水系の金コロイド〔日本ペイント(株)製、金粒子含有濃度19重量%〕10.0重量部を配合し、かつ、変色防止剤およびpH調整剤を省略すると共に、超純水の配合量を47.6重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、金粒子の含有割合は1.9重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。
《実施例7》
着色剤として、銀コロイド10.0重量部に代えて、カーボンブラックの水分散〔キャボット(Cabot)社製の商品名キャボジェット(CAB-O-JET)300、固形分濃度15重量%〕13.0重量部を配合し、バインダ樹脂として、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマー2.0重量部に代えて、水溶性アクリル樹脂〔ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル(登録商標)60、34重量%水溶液〕2.3重量部を配合し、かつ、変色防止剤およびpH調整剤を省略すると共に、超純水の配合量を44.3重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用インクを製造した。インク組成物の全量に対する、カーボンブラックの含有割合は2.0重量%であった。配合の順序は、実施例1と同様にした。
《印刷特性試験I》
実施例1〜6、比較例1〜5のインクジェット用インクを、サーマルインクジェット方式のインクジェットプリンタ〔日本ヒューレットパッカード(株)製のデスクジェット(Desk Jet)970Cxi〕用のインクカートリッジに充てんし、前記インクカートリッジを、前記インクジェットプリンタに装填して駆動させて、被印刷体としての、下記6種の被印刷体の表面の、印刷可能領域の全面に、ベタの印刷を行った後、印刷面の20度鏡面光沢度を測定した。
なお、被印刷体の王研式平滑度は、旭精工(株)製の王研式透気度平滑度試験機KY6を用いて測定した。また、被印刷体の60度鏡面光沢度、および印刷後の印刷面の20度鏡面光沢度は、日本電色工業(株)製のハンディ型光沢計PG−1Mを用いて測定した。そして、印刷面の20度鏡面光沢度が、全ての被印刷体において150以上であったものを印刷特性良好(○)、1つでも100以上で、かつ150未満であったものを印刷特性やや良好(△)、1つでも100未満であったものを印刷特性不良(×)として評価した。
被印刷体1:王研式平滑度が1850秒、60度鏡面光沢度が56.9の写真用紙〔キヤノン(株)製のプロフェッショナルフォトペーパー〕
被印刷体2:王研式平滑度が15000秒、60度鏡面光沢度が42.8の光沢紙〔セイコーエプソン(株)製〕
被印刷体3:王研式平滑度が750秒、60度鏡面光沢度が33の写真用紙〔コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製のインクジェット写真用紙 光沢厚手〕
被印刷体4:王研式平滑度が12000秒、60度鏡面光沢度が32.2の写真用紙〔コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製のインクジェット写真用紙 光沢薄手〕
被印刷体5:王研式平滑度が620秒、60度鏡面光沢度が29の写真用紙〔コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製の両面写真用紙〕
被印刷体6:王研式平滑度が20000秒、60度鏡面光沢度が42.8の光沢フィルム〔タイホー工業(株)製のインクジェットプリンタ用耐水性光沢フィルムAPL−1〕
《印刷特性試験II》
実施例7のインクジェット用インクを、サーマルインクジェット方式のインクジェットプリンタ〔日本ヒューレットパッカード(株)製のデスクジェット(Desk Jet)970Cxi〕用のインクカートリッジに充てんし、前記インクカートリッジを、前記インクジェットプリンタに装填して駆動させて、被印刷体としての、前記6種の被印刷体の表面の、印刷可能領域の全面に、ベタの印刷を行った後、印刷面の状態を観察した。そして、全ての被印刷体においてムラが見られなかったものを印刷特性良好(○)、1つでもムラが見られたものを印刷特性不良(×)として評価した。
《耐変色性試験》
実施例1〜5においてベタ印刷した印刷面を、5〜35℃で1週間、静置した後に観察して、下記の基準で変色の有無を評価した。
○:印刷直後と変わらず美麗な金属光沢を有していた。
△:わずかに変色が見られたが、許容範囲内であった。
×:著しく変色して金属光沢が失われていた。
《高温保存試験》
実施例、比較例のインクジェット用インクを密閉容器中に入れて60℃で2週間、静置した後に観察して、下記の基準で、高温保存による変質の有無を評価した。
○:保存前と全く変わらなかった。
△:保存前より粘度上昇したが、許容範囲内であった。
×:金属粒子、カーボンブラックが沈降してしまい、使用することができなかった。
以上の結果を、表1〜表3に示す。
Figure 0005000188
Figure 0005000188
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表より、界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドールを使用しなかった比較例1〜5では、被印刷体によって、その表面に、良好な金属光沢を有する印刷面を形成できない場合を生じることが判った。これに対し、界面活性剤として、p−ノニルフェノキシポリグリシドールを使用した実施例1〜5では、被印刷体の種類に拘らず、前記被印刷体の表面に、良好な金属光沢を有する印刷面を形成できることが確認された。
また、実施例1、2の結果から、2−メルカプトベンゾチアゾールよりもそのナトリウム塩の方が水溶性に優れ、インクジェット用インク中に、より多く配合できるため、印刷面の変色を防止する効果を向上できることが判った。さらに、実施例1、3、4の結果から、pH調整剤としては硫酸アンモニウムが好ましいこと、実施例1、5の結果から、バインダ樹脂としては、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマーが好ましいこと、実施例1、6、7の結果から、金コロイドやカーボンブラックでも、銀コロイドと同様に良好な結果が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. 着色剤、界面活性剤、および水を含み、前記界面活性剤が、p−ノニルフェノキシポリグリシドールであることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 着色剤が、金属コロイドである請求項1記載のインクジェット用インク。
  3. 金属コロイドが銀コロイドであると共に、銀の変色を防止するための変色防止剤として、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩を含有している請求項2記載のインクジェット用インク。
  4. インクジェット用インクのpHを調整するためのpH調整剤として、硫酸アンモニウムを含有している請求項3記載のインクジェット用インク。
  5. バインダ樹脂として、アクリル樹脂の主鎖に、側鎖としてオキサゾリン基を有する水溶性オキサゾリン基含有ポリマーを含有している請求項2記載のインクジェット用インク。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インクを、吸水性を有し、かつ、その表面の王研式平滑度が200秒以上、または、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された60度鏡面光沢度が20以上である被印刷体の、前記表面に印刷することを特徴とする印刷方法。
  7. 着色剤が金属コロイドであるインクジェット用インクを印刷することにより、日本工業規格JIS Z8741:1997に規定された20度鏡面光沢度が100以上である印刷面を形成する請求項6記載の印刷方法。

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