JP2021021003A - インクセット、印刷方法、及び印刷装置 - Google Patents

インクセット、印刷方法、及び印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥性に優れ、高い画像濃度が得られるインクセットを提供する。【解決手段】白色インクと非白色インクとを有するインクセットであって、前記白色インクが、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、前記非白色インクが、界面活性剤を含有し、前記非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、前記動的表面張力Aと、前記非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、〔2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)〕を満たすインクセットである。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、印刷方法、及び印刷装置に関する。
インクジェットプリンタは、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有するため、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。
また、近年では、オフセット印刷やフレキソ印刷といったアナログ印刷が主流である商業印刷や産業印刷の分野においても、版を必要としない無版方式であり、少量多品種なデザインを印刷可能なデジタル印刷として、インクジェットプリンタのニーズが高まっている。
ここで、商業印刷においては、例えば、パンフレット、カタログ、ポスター、マニュアルなどが、産業印刷においては、例えば、ラベル、パッケージ、テキスタイル、段ボールなどが、主な印刷品目として挙げられる。特に、産業印刷の分野では、少量多品種なデザインが好まれ、商品の販売促進に活用されている。
また、インクジェットプリンタでの印刷に用いるインクとしては、例えば、溶剤系インクやUV硬化性インクを用いることが多いが、近年、作業者の安全や環境面への配慮から、水性インクの需要が高まっている。
しかしながら、水性インクを用いるインクジェットプリンタでの印刷は、インクを乾燥のために水分を揮発させる必要があることから、アナログ印刷に比べると生産性が劣ってしまうという問題がある。この問題などに鑑み、例えば、低沸点溶剤を一定量加えることで乾燥性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような技術においては、乾燥性が高いインクを用いて印刷した場合、メディア(被印刷物)着弾後のインクの増粘が早いため、十分に濡れ広がることができずにインクがメディアを埋めきれないときには、画像の濃度が低くなってしまうことがある。
本発明は、乾燥性に優れ、高い画像濃度が得られるインクセットを提供することを目的とする。
この課題を解決するための手段としての本発明のインクセットは、白色インクと非白色インクとを有するインクセットであって、
白色インクが、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、
非白色インクが、界面活性剤を含有し、
非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、動的表面張力Aと、非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、
2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)、を満たす。
本発明によると、乾燥性に優れ、高い画像濃度が得られるインクセットを提供することができる。
図1は、本発明の記録装置の一例を示す図である。 図2は、本発明に係るインクを収容するメインタンクの斜視図である。
(インクセット)
本発明のインクセットは、白色インクと非白色インクとを有し、更に必要に応じてその他のインク等を有する。白色インクは、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。非白色インクは、界面活性剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。また、本発明における非白色インクは、非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、動的表面張力Aと、非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、〔2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)〕、を満たす。
また、本発明のインクセットは、従来技術のインクセットでは、付与後における乾燥性と、インクセットを用いて形成した画像の濃度とを両立できない場合があるという知見に基づくものである。
上述したように、水性インクを用いるインクジェットプリンタでの印刷においては、印刷時にインクを乾燥させる必要があることから、従来技術のインクセットでは、例えば、インクに低沸点溶媒を含ませることなどにより、インクの乾燥性を向上させる。
しかしながら、このような従来技術では、基材(被印刷物)上に吐出されたインクが着弾した後における、インクの濡れ広がりが十分でない場合がある。このように、インクの濡れ広がりが十分でない場合、画像が形成された画像領域において、インクが吐出された箇所どうしの間(ドットどうしの間)に、白抜け(インクが存在せず、被印刷物が露出した部分)が発生してしまう場合がある。画像領域に白抜けが発生してしまうと、形成した画像の濃度が低くなってしまい、画像の品質が低下してしまうときがある。
そこで、本発明者らは、付与後における乾燥性と、インクセットを用いて形成した画像の濃度とを両立できるインクセット、言い換えると、乾燥性に優れ、高い画像濃度が得られるインクセット等について鋭意検討を重ね、本発明を想到した。すなわち、本発明者らは、白色インクと非白色インクとを有するインクセットであって、白色インクが、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、非白色インクが、界面活性剤を含有し、非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、動的表面張力Aと、非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、〔2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)〕、を満たすインクセットにより、乾燥性に優れ、高い画像濃度が得られることを見出した。
ここで、本発明のインクセットにおいては、上述したように、非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、動的表面張力Aと、非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、〔2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)〕、を満たす。
本発明のインクセットは、例えば、非白色インクの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であることなどにより、基材(被印刷物)上に吐出されたインクが、着弾直後に短時間で即座に広範囲に濡れ広がる。このため、本発明のインクセットにおいては、インクの表面積がすぐに大きくなり、水分の蒸発が効率的に進むことで乾燥性が向上するとともに、白抜けの発生を抑制して、高い画像濃度を得ることができる。
さらに、本発明のインクセットは、例えば、非白色インクの動的表面張力Aと静的表面張力Bとが、次式、〔2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)〕、を満たすことなどにより、動的表面張力Aと静的表面張力Bとの相対的な差が小さくなり、短時間でインクが均一に濡れ広がる。言い換えると、本発明のインクセットは、例えば、非白色インクが動的表面張力Aと静的表面張力Bとが上記の式の関係を満たすことなどにより、被印刷物上に着弾したインク滴の中心部と円周部に膜厚の差異が生じづらく、均一に濡れ広がって平滑なインク膜を得ることができるため、高い画像濃度を得ることができる。
このように、本発明のインクセットは、例えば、被印刷物上に着弾した直後に、広範囲に短時間で均一に濡れ広がることができる。これにより、本発明のインクセットは、乾燥性に優れるとともに、高い画像濃度を得ることができる。また、本発明のインクセットは、乾燥性に優れることにより、インクジェット方式の印刷方法や印刷装置に用いることにより、印刷物の生産性を向上させることができる。
<白色インク>
白色インクは、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<<有機溶剤>>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<<水>>
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<<色材>>
白色インクが含有する色材としては、白色を呈するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色を呈する顔料や染料などが挙げられる。
なお、本発明のインクセットにおける白色インクが呈する白色とは、白色インクが乾燥塗膜の状態である際に、L色空間において、Lが50以上100以下であり、aが−5以上5以下であり、bが−5以上5以下であるものを意味する。白色インクにおけるL色空間での色彩は、例えば、JIS Z 8781−4の規格に基づいて、公知の装置により測定することができる。より具体的には、例えば、白色インクのベタ画像(白色インクを用いて形成した一様な白色の画像)を、インクジェットプリンタで打ち出した後に乾燥させ、X−Rite eXact(エックスライト社製)により測定することにより、白色インクにおけるL色空間での色彩を測定することができる。
白色インクが含有する色材における顔料としては、例えば、金属酸化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、チタン酸鉄(鉄とチタンの複合酸化物)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
顔料の数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、最大個数換算で最大頻度は50nm以上600nm以下が好ましい。数平均粒径が、50nm以上であると、分散操作、分級操作が容易になり、600nm以下であると、インクとしての顔料分散安定性が良くなるばかりでなく、吐出安定性にも優れ、画像濃度などの画像品質も高くなり好ましい。
数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料をインク中に分散させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が、20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体は、必要に応じて、フィルタ、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
白色インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
白色インクにおける顔料の含有量としては、白色インクの全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。白色インクにおける顔料の含有量が、0.1質量%以上15質量%以下であると、画像濃度、定着性、及び吐出安定性を向上できる。
<<その他の成分>>
白色インクが含み得るその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、添加剤などが挙げられる。
<<<界面活性剤>>>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
白色インクにおける添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤などが挙げられる。
<<<消泡剤>>>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<<<防腐防黴剤>>>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<<<防錆剤>>>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<非白色インク>
非白色インクは、界面活性剤を含有し、有機溶剤、水、色材の少なくともいずれかを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
ここで、非白色インクの色彩としては、白色でなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。言い換えると、非白色インクが乾燥塗膜の状態である際に、L色空間において、Lが50以上100以下、aが−5以上5以下、bが−5以上5以下でないものとすることができる。
非白色インクとしては、例えば、カラーインク、黒色インク、灰色インク、メタリックインクなどの有色のもの、クリアインクなどの無色のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、有色のインクは、後述する顔料や染料などを適宜組み合わせることなどにより作製することができる。なお、クリアインクとは、色材を含まず、主に樹脂粒子、有機溶剤、及び水を含むインクを意味する。
カラーインクとしては、例えば、シアン色インク、マゼンタ色インク、イエロー色インク、ライトシアン色インク、ライトマゼンタ色インク、レッド色インク、グリーン色インク、ブルー色インク、オレンジ色インク、バイオレット色インクなどが挙げられる。
<<界面活性剤>>
非白色インクが含有する界面活性剤としては、上述した白色インクが含有し得る界面活性剤と同様のものを選択することができるが、シリコーン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の少なくともいずれかを含むことが好ましい。非白色インクが含有する界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の少なくともいずれかを含むことにより、被印刷物に着弾した直後から均一に濡れ広がって平滑なインク膜を得ることができるため、高い画像濃度を得ることができる。
なお、シリコーン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とは、併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、BYK−345、BYK−347、BYK−348、BYK−349(BYK Additives & Instruments社製)、WET240、WET270、WET280(Evonik社製)、SAG002、SAG013、SAG503A(日信化学工業株式会社製)などが挙げられる。
非白色インク中におけるシリコーン系界面活性剤の含有量としては、メディアへの濡れ広がり及びインク乾燥性の観点から、0.1質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下がより好ましい。
また、ノニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、親水基と疎水基を有する化合物であり、かつイオンに解離する基を持たない化合物などを用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。より具体的には、これに限定されるわけではないが、サーフィノール104E、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノールSE−F、サーフィノールPSA−336、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノール2502、エンバイロジェムAD01(日信化学工業株式会社製)、レオドールMO−60、エマゾールL−10V、レオドールAO−15V、エマルゲン102KG(花王株式会社製)などが挙げられる。
非白色インク中におけるノニオン系界面活性剤の含有量としては、メディアへの濡れ広がり及びインク乾燥性の観点から、0.1質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下がより好ましい。
上述したように、白色インクの全量に対する界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0質量%以下であることが好ましい。ここで、例えば、界面活性剤として、シリコーン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを併用する場合など、非白色インクに複数種類の界面活性剤が含まれる場合には、白色インクの全量に対する界面活性剤の全量の含有量が、1.0質量%以下であることが好ましい。
非白色インクの全量に対する界面活性剤の含有量が1.0質量%以下であることで、より均一な膜を得ることでき、高い画像濃度を得られるとともに、界面活性剤がインク中の溶剤の蒸発を妨げることなく乾燥が進むため、高い乾燥性(生産性)を得ることができる。
<<有機溶剤>>
非白色インクにおける有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色インクにおける有機溶剤と同様のものを用いることができる。
<<水>>
非白色インクにおける水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色インクにおける水と同様のものを用いることができる。
<<色材>>
非白色インクにおける色材としては、非白色を呈するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、染料、顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、顔料が好ましい。顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
無機顔料として、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。その他、中空樹脂粒子、無機中空粒子の使用も可能である。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289;C.I.アシッドブルー9、45、249;C.I.アシッドブラック1、2、24、94;C.I.フードブラック1、2;C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173;C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227;C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202;C.I.ダイレクドブラック19、38、51、71、154、168、171、195;C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249;C.I.リアクティブブラック3、4、35などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタリックインクに用いる色材としては、金属単体、合金、又は金属化合物を微粉砕してなる微粉末であり、より具体的には、アルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、チタン、シリコーン、銅、及びプラチナから選択される金属単体のいずれか若しくは複数よりなるもの、又はこれらの一群の金属を組み合わせて得られる合金、或いはこれらの一群の金属単体若しくは合金の酸化物、窒化物、硫化物、又は炭化物のいずれか若しくは複数、を微粉砕して得られるものである。
顔料を非白色インク中に分散させる方法としては、白色インク中の顔料をインク中に分散させる方法と同様の方法を用いることができる。
また、顔料は、白色インク中の顔料と同様にして、顔料分散体とすることができる。
非白色インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、非白色インクの全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料の含有量としては、非白色インクの全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。顔料の含有量が、0.1質量%以上15質量%以下であると、画像濃度、定着性、及び吐出安定性を向上できる。
<<その他の成分>>
非白色インクが含み得るその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、添加剤などが挙げられる。
非白色インクにおける添加剤としては、白色インクにおける添加剤と同様のものを適宜選択して用いることができる。
<<動的表面張力A、静的表面張力B>>
ここで、本発明のインクセットにおける非白色インクは、非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、動的表面張力Aと、非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、〔2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)〕、を満たす。
非白色インクにおける動的表面張力Aと静的表面張力Bとは、例えば、非白色インクが含有する界面活性剤の種類や量を、適宜選択することにより調整することができる。
非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aは、例えば、SITA DynoTester(SITA社製)を用いて、25℃で測定することができる。
より具体的には、非白色インクにおける動的表面張力Aは、例えば、以下のようにして測定することができる。
非白色インク30mlを30mlビーカーに入れた後、25℃に調整したウォーターバスにつけて10分静置させることで、非白色インクの温度を25℃に調整して、SITA DynoTesterを用いて15msecの動的表面張力を測定する。
非白色インクにおける、25℃での静的表面張力Bは、例えば、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を用いて、25℃で測定することができる。
より具体的には、非白色インクにおける静的表面張力Bは、例えば、以下のようにして測定することができる。
非白色インクを直径30mmのシャーレに注ぎ、5分静置した後、自動表面張力計 DY−300にて白金プレートを使用したWilhelmy法にて測定する。
さらに、本発明においては、非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが35.0mN/m以下であり、かつ、動的表面張力Aと、非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、〔4.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦8.0(%)〕、を満たすことが好ましい。
こうすることにより、本発明においては、例えば、被印刷物上に着弾した直後に、更に広範囲に短時間で均一に濡れ広がり、より乾燥性に優れるとともに、より高い画像濃度を得ることができる。
<被印刷物>
本発明のインクセットにおける各インクを付与して用いる被印刷物(基材)としては、特に制限なく用いることができ、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材に対して特に好適に用いることが出来る。
本発明における非浸透性基材とは、水透過性、吸収性及び/又は吸着性が低い表面を有する基材を指しており、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれる。
より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材を意味する。
非浸透性基材の中でも、樹脂フィルムが好ましく、特にポリプロピレンフィルムフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルムに対して良好な密着性が得られる。
ポリプロピレンフィルムの例としては、東洋紡製P−2002、P−2102、P−2161、P−4166、SUNTOX製PA−20、PA−30、PA−20W、フタムラ化学製FOA、FOS、FORなどが挙げられる。
ポリエチレンテレフタレートフィルムの例としては、東洋紡製E−5100、E−5102、東レ製P60、P375、帝人デュポンフィルム製G2、G2P2、K、SLなどが挙げられる。
ナイロンフィルムの例としては、東洋紡製ハーデンフィルムN−1100、N−1102、N−1200、ユニチカ製ON、NX、MS、NKなどが挙げられる。
本発明のインクは、印字後に加熱工程を設けた場合、インク塗膜中の残留溶剤が減少するため、より一層基材密着性が向上するため望ましい。
<印刷装置、印刷方法>
本発明のインクセットは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、印刷(記録)装置、印刷(記録)方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この印刷(記録)装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
印刷(記録)装置、印刷(記録)方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、印刷(記録)装置、印刷(記録)方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、印刷(記録)装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この印刷(記録)装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
印刷(記録)装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。印刷(記録)装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
つまり、本発明の印刷装置は、インクと、インクを吐出する吐出手段とを有し、インクが、本発明のインクセットにおける白色インク及び非白色インクであり、更に必要に応じてその他の手段を有する。本発明の印刷装置は、本発明の印刷方法を好適に行うことができる。
また、本発明の印刷方法は、被印刷物に、本発明のインクセットにおける白色インクを付与する工程(白色インク付与工程)と、被印刷物に、本発明のインクセットにおける非白色インクを付与する工程(非白色インク付与工程)と、を含み、被印刷物を表面改質する工程(表面改質工程)、被印刷物に前処理液を付与する工程(前処理工程)を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<表面改質工程>
表面改質工程においては、インクの塗工時のムラをなくし、密着性をあげることのできる処理方法のいずれを用いてもよく、例えばコロナ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
これらの処理方法は、公知の装置を用いて実施することができる。
なお、表面改質工程は、被印刷物自体の表面の状態を、インクを付与するのに好ましい状態に改質する工程ということができ、表面改質工程は、被印刷物の表面に他の材料を付与する工程(例えば、前処理工程)とは異なる。
上記の処理方法の中でも、印刷面(記録面)の表面改質は、印刷面(記録面)にコロナ放電処理を行うコロナ処理工程かストリーマ放電処理を行うストリーマ処理(プラズマ処理)が好ましい。これらは、大気圧プラズマ処理、フレーム処理および紫外線照射処理と比較して、コロナ放電の出力安定性に優れていることや、印刷面(記録面)に対して均一に表面改質が行えるということから、好ましく用いられる。
<前処理液付与工程>
前処理液付与工程においては、被印刷物に前処理液を付与する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法等が挙げられる。
前処理液付与工程における前処理液の被印刷物へのウエット付着量(被印刷物を乾燥させる前の液体組成物の付着量)は、0.1g/m〜10.0g/mであることが好ましく、1.0g/m〜3.0g/mであることがより好ましい。ウエット付着量が0.1g/m以上であることにより、記録物の画像の品質(濃度、彩度、カラーブリード、フェザリング)が向上し、10.0g/m以下の場合、10.0g/mを超えた場合と同等の凝集効果が奏され、また記録物の風合いが損なわれることがなく、乾燥工程に時間もかからず、コスト面でも問題が生じるということがない。
被印刷物に付着した前処理液は、乾燥させることが好ましい。この場合、前処理液付与工程からインクの吐出による印刷までに接触する搬送部材に、前記被印刷物に付着した前処理液が転写して搬送部材の障害の発生や汚れの蓄積による画像品質の低下が生じない程度に、人工的に乾燥させる方法を用いればよく、乾燥温度としては40℃〜130℃が好ましく、また80℃〜100℃がより好ましい。乾燥方法としては、ヒートドラム方式、オーブン方式、温風吹き付け方式、プレヒータ方式、加熱ローラー方式等が挙げられる。また、これらの方式を組み合わせる方式を用いても良い。ここでの「乾燥」とは、被印刷物に前処理液が吸収されて、見かけ上乾燥したようになることを意味するものではなく、水分等の液体組成物中の液体が蒸発し、液体状態を保てなくなり固化することを意味している。
前処理液は、多価金属塩及び有機溶剤を含有し、水を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−多価金属塩−
多価金属塩は、インク中の色材の分散を不安定化させる機能を有しており、インク中の顔料を着滴後に速やかに凝集させ、カラーブリードを抑制するとともに、発色性を向上させることができる。
多価金属塩における陽イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム(Al(III))、カルシウム(Ca(II))、マグネシウム(Mg(II))、銅(Cu(II))、鉄(Fe(II)又はFe(III))、亜鉛(Zn(II))、スズ(Sn(II)又はSn(IV))、ストロンチウム(Sr(II))、ニッケル(Ni(II))、コバルト(Co(II))、バリウム(Ba(II))、鉛(Pb(II))、ジルコニウム(Zr(IV))、チタン(Ti(IV))、アンチモン(Sb(III))、ビスマス(Bi(III))、タンタル(Ta(V))、砒素(As(III))、セリウム(Ce(III))、ランタン(La(III))、イットリウム(Y(III))、水銀(Hg(II))、ベリリウム(Be(II))等のイオンなどが挙げられる。これらの中でも、カルシウム(Ca(II))、マグネシウム(Mg(II))が好ましい。
多価金属塩における陰イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)等のハロゲン元素のイオン;硝酸イオン(NO3−)、硫酸イオン(SO42−);ギ酸、酢酸、乳酸、マロン酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸等の有機カルボン酸のイオン;ベンゼンスルフォン酸、ナフトールスルフォン酸、アルキルベンゼンスルフォン酸等の有機スルフォン酸のイオン;チオシアンイオン(SCN−、チオ硫酸イオンS2O32−)、リン酸イオン(PO43−)、亜硝酸イオン(NO2−)などが挙げられる。これらの中でも、コスト、及び安全性の点から、塩素イオン(Cl−)、硫酸イオン(SO42−)、酢酸イオン硝酸イオン(NO3−)が好ましい。
多価金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化ニッケル、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、アンモニウムみょうばんなどが挙げられる。より具体的には、酢酸カルシウム1水和物、硝酸カルシウム4水和物、塩化カルシウム6水和物、酢酸マグネシウム4水和物、硫酸マグネシウム(無水)、硝酸アルミニウム9水和物、塩化ニッケル6水和物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸カルシウム1水和物、硝酸カルシウム4水和物、塩化カルシウム6水和物、酢酸マグネシウム4水和物、硫酸マグネシウム(無水)が好ましい。
多価金属塩の含有量としては、前処理液の全量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより好ましい。
前処理液における有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色インクにおける有機溶剤と同様のものを用いることができる。
前処理液における水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、白色インクにおける水と同様のものを用いることができる。
<白色インク付与工程、非白色インク付与工程>
白色インク付与工程及び非白色インク付与工程は、各インクを被印刷物に付与することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、好適には、インクジェット方式で行うことができる。
ここで、白色インクは、被印刷物の全面に付与して、背景及び下地を形成しても良く、また、被印刷物の一部に付与して、下地を形成しても良い。また、被印刷物の一部に白色インクを付与する場合は、例えば、非白色インクを用いて印刷を行う箇所と同一の箇所に付与しても良いし、又は印刷を行う箇所と一部共通する箇所に付与しても良い。白色インクからなる層の上に、非白色インクを用いて印刷を行うと、被印刷物として透明基材を用いた場合に、透明基材上に直接非白色インクを付与する場合と比較して、画像の視認性が向上する。
画像を形成しない箇所に、白色インクを付与した場合、背景を形成することができるなど、種々の画像を形成することが可能である。
ここで言う下地とは、非白色インクを付与した画像面から見た場合に下地であることを意味する。被印刷物に対し、非白色インク、白色インクの順に、インクを付与した場合も、非白色インクを付与した画像面から見た場合、白色インクは下地となる。
このように、本発明の印刷方法においては、白色インク付与工程と非白色インク付与工程とを行う順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。本発明においては、例えば、非白色インク付与工程の後に白色インク付与工程を行い、いわゆる裏刷り行うことが好ましい。
なお、インクの付与(使用)方法としては、インクジェット記録方法(方式)に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」であり、「%」は、評価基準中のものを除き、「質量%」である。
(顔料分散液の調製例1)
<ブラック顔料分散体の調製>
以下の3つの材料をプレミックス(予備混合)した後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で、7時間循環分散してブラック顔料分散体(顔料濃度:15質量%)を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製):15質量部
・アクリル系高分子分散剤(商品名:Disperbyk−2010、BYKジャパン社製):5質量部
・イオン交換水:80質量部
(顔料分散液の調製例2)
<シアン顔料分散体の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3(商品名:HELIOGEN BLUE K 7090、BASFジャパン株式会社製)15質量部に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、シアン顔料分散液(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
(顔料分散液の調製例3)
<マゼンタ顔料分散体の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントレッド269(東京色材工業株式会社製)15質量部に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
(顔料分散液の調製例4)
<イエロー顔料分散体の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー74(商品名:Irgalite Yellow L 1254 HD、BASFジャパン株式会社製)15質量部に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
(顔料分散液の調製例5)
<ホワイト顔料分散体の調製>
酸化チタン(商品名:STR−100W、堺化学工業株式会社製)25質量部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5質量部、及び水70質量部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、ホワイト顔料分散液(顔料固形分濃度:25質量%)を得た。
<非白色インク1の調製>
非白色インク1は以下の配合で混合撹拌し、平均孔径0.8μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより非白色インク1を作製した。
・ブラック顔料分散体:20質量部
・FS−300(DuPont社製、フッ素系界面活性剤):0.5質量部
・プロキセルLV(アビシア社製、防腐剤):0.1質量部
・1、2−プロパンジオール:5質量部
・1、3−ブタンジオール:2質量部
・1、3−プロパンジオール:2質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:10質量部
・イオン交換水:60.4質量部
<実施例1>
白色インク1と、非白色インク1とを組み合わせてセットとし、インクセット1とした。
<実施例2〜13、比較例1〜3>
<非白色インク2〜15の調製>
非白色インク1の調製において、表1〜3に記載の処方に変更した以外は、非白色インク1の調製と同様にして、非白色インク2〜15を調製した。
白色インク1と、非白色インク2〜12のそれぞれとを組み合わせてセットとし、インクセット2〜12(実施例2〜12)とした。同様に、白色インク1と、非白色インク13〜15のそれぞれとを組み合わせてセットとし、インクセット13〜15(比較例1〜3)とした。
なお、表1〜3における数値は質量部を示す。
なお、表1〜3における各材料の製造会社等は下記の通りである。
・WET−270(Evonik社製、シリコーン系界面活性剤)
・サーフィノール465(Evonik社製、ノニオン系界面活性剤)
・サーフィノール465(Evonik社製、ノニオン系界面活性剤)
・エマゾールL−10V(花王株式会社製、ノニオン系界面活性剤)
<白色インク1の調製>
白色インク1は以下の配合で混合撹拌し、平均孔径0.8μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより白色インク1を調整した。
・ホワイト顔料分散体:30質量部
・WET−270(Evonik社製シリコーン系界面活性剤):0.3質量部
・サーフィノール465(Evonik社製ノニオン系界面活性剤):0.3質量部
・プロキセルLV(アビシア社製、防腐剤):0.1質量部
・1、2−プロパンジオール:20質量部
・1、3−ブタンジオール:2質量部
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール:2質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:2質量部
・プロピレングリコールnプロピルエーテル:2質量部
・イオン交換水:41.3質量部
<非白色インクにおける動的表面張力Aと静的表面張力Bの測定>
調整した非白色インク1〜15について、以下の方法により、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力A及び25℃での静的表面張力Bを測定した。そして、測定した結果を用いて、各非白色インクについて、〔[(A−B)/(A+B)]×100(%)〕を算出した。結果を表4〜6に示す。
[動的表面張力Aの測定]
非白色インク30mlを30mlビーカーに入れた後、25℃に調整したウォーターバスにつけて10分静置させることで、非白色インクの温度を25℃に調整して、SITA DynoTesterを用いて15msecの動的表面張力を測定した。
[静的表面張力Bの測定]
非白色インクを直径30mmのシャーレに注ぎ、5分静置した後、自動表面張力計 DY−300にて白金プレートを使用したWilhelmy法にて測定した。
<画像の形成>
白色インク1と、非白色インク1〜15について、23℃±0.5℃、50±5%RHに調整した環境条件下、画像形成装置(IPSiO GXe−5500、株式会社リコー製)を用い、白色インクと非白色インクの吐出量が均しくなるように、ピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、前処理液塗布済記録媒体「王子製紙株式会社製OKトップコート+」(坪量104.7g/m)に、白色インクと非白色インクとが同じ量だけ付着するように設定して、ベタの画像を形成した。また、白色インクと非白色インクの吐出は、非白色インクを吐出した後に、白色インクを吐出することにより行った。
<乾燥性の評価>
インクの乾燥性について、画像形成後に直ちに80℃の乾燥機にて乾燥時間30秒で乾燥させたのち、印字物を取り出し、指でベタ画像部分を擦って、擦った部分の画像の状態で判断した。下記の評価基準に従って評価を行い、評価がB以上である場合を実用可能と判断した。結果を表7〜9に示す。
−評価基準−
A:画像がはがれない
B:擦った部分の5%未満がはがれる
C:擦った部分の5%以上がはがれている
D:擦った部分の10%以上がはがれている
<画像濃度の評価>
形成した画像の濃度を、測色時の裏地としてリコピーPPC用紙タイプ 6200(株式会社リコー製)10枚を記録媒体の下に敷き、測色計(商品名:分光測色濃度計 X−Rite939、X−Rite社製)を用い、印刷された画像中の任意な5箇所において光学濃度を測定し、その平均値に関し、以下の基準で評価した。評価がB以上である場合を実用可能であると判定した。結果を表7〜9に示す。
−評価基準−
A:Black:1.25以上、Yellow:0.8以上、Magenta:1.00以上、Cyan:1.05以上
B:Black:1.20以上1.25未満、Yellow:0.75以上0.8未満、Magenta:0.95以上1.00未満、Cyan:1.00以上1.05未満
C:Black:1.15以上1.20未満、Yellow:0.70以上0.75未満、Magenta:0.90以上0.95未満、Cyan:0.95以上1.00未満
D:Black:1.15未満、Yellow:0.70未満、Magenta:0.90未満、Cyan0.95未満
以上、説明したように、本発明のインクセットは、白色インクと非白色インクとを有するインクセットであって、白色インクが、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、非白色インクが、界面活性剤を含有し、非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、動的表面張力Aと、非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、〔2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)〕、を満たす。これにより、本発明のインクセットは、乾燥性に優れ、高い画像濃度が得られる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 白色インクと非白色インクとを有するインクセットであって、
前記白色インクが、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、
前記非白色インクが、界面活性剤を含有し、
前記非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、前記動的表面張力Aと、前記非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、
2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)
を満たすことを特徴とするインクセットである。
<2> 前記非白色インクにおける、25℃、前記最大泡圧法による表面寿命15msecでの前記動的表面張力Aが35.0mN/m以下であり、かつ、前記動的表面張力Aと、前記非白色インクにおける25℃での前記静的表面張力Bとが、次式、
4.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦8.0(%)
を満たす前記<1>に記載のインクセットである。
<3> 前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の少なくともいずれかを含む、前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクセットである。
<4> 前記非白色インクの全量に対する前記界面活性剤の含有量が1.0質量%以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクセットである。
<5> 被印刷物に、前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクセットにおける前記白色インクを付与する工程と、
前記被印刷物に、前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクセットにおける前記非白色インクを付与する工程と、
を含むことを特徴とする印刷方法である。
<6> 前記被印刷物を表面改質する工程を更に含む、前記<5>に記載の印刷方法である。
<7> インクと、前記インクを吐出する吐出手段とを有し、
前記インクが、前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクセットにおける前記白色インク及び前記非白色インクであることを特徴とする印刷装置である。
前記<1>から<4>に記載のインクセット、前記<5>から<6>に記載の印刷方法、及び前記<7>に記載の印刷方法装置によれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
L インク収容容器
特許第6424413号公報

Claims (7)

  1. 白色インクと非白色インクとを有するインクセットであって、
    前記白色インクが、有機溶剤と、水と、色材とを含有し、
    前記非白色インクが、界面活性剤を含有し、
    前記非白色インクにおける、25℃、最大泡圧法による表面寿命15msecでの動的表面張力Aが45.0mN/m以下であり、かつ、前記動的表面張力Aと、前記非白色インクにおける25℃での静的表面張力Bとが、次式、
    2.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦10.0(%)
    を満たすことを特徴とするインクセット。
  2. 前記非白色インクにおける、25℃、前記最大泡圧法による表面寿命15msecでの前記動的表面張力Aが35.0mN/m以下であり、かつ、前記動的表面張力Aと、前記非白色インクにおける25℃での前記静的表面張力Bとが、次式、
    4.0(%)≦[(A−B)/(A+B)]×100(%)≦8.0(%)
    を満たす請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤の少なくともいずれかを含む、請求項1から2のいずれかに記載のインクセット。
  4. 前記非白色インクの全量に対する前記界面活性剤の含有量が1.0質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 被印刷物に、請求項1から4のいずれかに記載のインクセットにおける前記白色インクを付与する工程と、
    前記被印刷物に、請求項1から4のいずれかに記載のインクセットにおける前記非白色インクを付与する工程と、
    を含むことを特徴とする印刷方法。
  6. 前記被印刷物を表面改質する工程を更に含む、請求項5に記載の印刷方法。
  7. インクと、前記インクを吐出する吐出手段とを有し、
    前記インクが、請求項1から4のいずれかに記載のインクセットにおける前記白色インク及び前記非白色インクであることを特徴とする印刷装置。

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