JP5141045B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
印刷用の光沢紙には、バインダーとしてスチレンブタジエンなどの疎水樹脂とカチオン化デンプンなどの親水的な樹脂を一般に含有している。紙の微細な空隙による毛管浸透を利用してインク吸収性を得るには、インクによりこれら樹脂が溶解又は膨潤して空隙を閉塞しないようにすることが有効である。このためにはインク液媒体の親水、疎水性のバランスを特定の範囲にすること、すなわちσが19MPa1/2以上、26MPa1/2以下、且つσhが11MPa1/2以上である液媒体により、紙中の樹脂による空隙閉塞を抑制し良好なインク吸収速度が得られるものと考えている。ただし、インク吸収速度が高すぎるとインクが記録媒体の裏面にまで到達する、いわゆる裏抜けが発生する問題があり本願において必要なσの範囲は19MPa1/2以上、23MPa1/2以下である。また、この範囲のσとσhを選択することでインクの長期保存に対する顔料粒子径や粘度の安定性が得られることも判った。
C.I.Pigment Red209、224、177、194、
C.I.Pigment Orange43、
C.I.Vat Violet3、
C.I.Pigment Violet19、23、37、
C.I.Pigment Green7、36、
C.I.Pigment Blue15:6、
等が用いられる。
《インクジェットインクの調製》
〔顔料分散体の調製〕
〈顔料分散体1の調製〉
C.I.ピグメントブルー15:3を12部、顔料分散剤であるアジスパーPB711(味の素ファインテック社製)を5部、ジエチレングリコールジエチルエーテルを11.8部、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルを71.2部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体1を得た。なお、アジスパーPB711は減圧蒸留にて低沸点溶媒を留去して用いた。
顔料分散体1の33部を攪拌しながらジエチレングリコールジエチルエーテルを9.5部、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルを57.5部添加し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過してインク1を得た。
アジスパーPB711 1.2部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 14.2部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.6部
〔インク2〜16の調製〕
上記インク1の調製において、使用した溶剤の種類およびインク中の含有率を表1に記載の内容に変更した以外は同様にして、インク2〜16を調製した。ただし、インク14については顔料分散剤をアジスパーPB711からジョンクリル62に変更した。
インク1〜16で使用した溶剤のσおよびσh値を表2に示す。
上記調製した各インクについて、下記の方法に従って保存性の評価を行った。
△:粒径変化率が6〜50%
×:粒径変化率が51%以上。
〔画像の形成〕
ノズル口径28μm、駆動周波数18kHz、ノズル数512、最小液適量14pl、ノズル密度180dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、最大記録密度が1440×1440dpiであるオンデマンド型インクジェットプリンタに各インクを装填した。次いで、各インクを、光沢紙としてアート紙2種(王子製紙製:SA金藤+ 坪量128g/m2、三菱製紙製:特菱アート両面 坪量110g/m2)とキャストコート紙1種(王子製紙製:ミラーコートプラチナ 坪量110g・m2)に出射し、10cm×10cmのベタ画像を記録した。
上記方法に従って、インク1〜16により作製した各画像を、下記の方法に従って評価を行った。なお、使用した光沢紙3種の内、評価結果が最も劣っているものを用いて判断した。
上記作製した各記録物について、プリント直後の斑発生状態と画像表面を指でこすって画像の乱れを目視評価し、下記の基準に従って評価を行った。
○:斑の発生はなく指でこするとわずかに画像が乱れるが、良好な品質である
△:部分的に斑が見られ指でこするとやや画像がこすれて汚れるが、実用上可能な範囲である
×:全面に斑が発生し、画像がこすれて激しく汚れてしまい、実用上許容範囲外の品質である。
上記作製した各記録物について、プリント面の裏面を観察し、下記の基準に従って評価を行った。
△:僅かな着色が観察されるが、着色面に普通紙を重ねて指で擦っても転写することはなく実用上可能な範囲である
×:着色が観察され、着色面に普通紙を重ねて指で擦ると転写し実用上許容範囲外の品質である
(マーカー耐性)
上記作製した各記録物を23℃55%Rhの環境下で30分放置した後、ゼブラ社製イエロー蛍光ペン(スパーキー2)を用い、500g加重、速度10mm/秒の条件で擦り、汚れの発生状況を下記の基準に従って評価した。
△:1回の擦りでは汚れが発生しないが、2回目の擦りで汚れが発生する
×:1回の擦りで汚れが発生する。
《インクジェットインクの調製》
〔顔料分散体の調製〕
〈顔料分散体2の調製〉
C.I.ピグメントブルー15:3を12部、顔料分散剤であるアジスパーPB822(味の素ファインテック社製)を5部、3−メトキシブタノールを76.6部、γ−ブチロラクトンを6.4部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体2を得た。
3−メトキシブタノールを57.8部とγ−ブチロラクトンを5.2部混合した液に、非水溶性の樹脂−1としてアクリル系樹脂(DEGALAN P24、Degussa社製)4部を攪拌しながら徐々に添加し、60℃に加温して非水溶性の樹脂溶液を作製した。次に、顔料分散体2の33部を攪拌しながら、前記の非水溶性の樹脂溶液を全量添加し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過してインク17を得た。
アジスパーPB822 1.2部
非水溶性の樹脂 4.0部
3−メトキシブタノール 83.3部
γ−ブチロラクトン 7.5部
〔インク18〜25の調製〕
上記インク17の調製において、使用した溶剤の種類およびインク中の含有率と非水溶性の樹脂を表3に記載の内容に変更した以外は同様にしてインク18〜25を調製した。ただし、インク25については顔料分散剤をアジスパーPB822からアジスパーPB711(味の素ファインテック社製)を減圧蒸留にて低沸点溶媒を留去したものに変更した。なお、インク16〜22の非水溶性の樹脂−2は塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物(ダウケミカル社製、UCAR VMCA)を用いた。
インク17〜25で使用した溶剤のσおよびσh値を表4に示す。なお、インク1〜16においても使用した溶剤のσおよびσh値は表2に既に示した。また、スルホランについてのσは蒸発熱から計算で求め、σhについては原子団に対するパラメータ文献値がないため不明である。
実施例1で使用したプリンターにヒーターを搭載したオンデマンド型インクジェットプリンタに各インクを装填した。次いで、各インクを実施例1と同様の3種の光沢紙に加え、ポリ塩化ビニル製の記録媒体であるJT5929PM(Mactac社製)に出射し、10cm×10cmのベタ画像を記録した。なお、ポリ塩化ビニル製の記録媒体へのプリント中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が40℃になるようにヒーターで制御した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形 (株)堀場製作所社製)を用いて測定した。
上記方法に従って、インク17〜25により作製した各画像を、実施例1と同様の評価に加え、ポリ塩化ビニル製の記録媒体を用いた記録物について下記の方法に従って評価を行った。
上記作製した各記録物について、プリント後、25℃で1分後の斑発生状態と画像表面を指でこすって画像の乱れを目視評価し、下記の基準に従って評価を行った。
○:斑の発生はなく指でこするとわずかに画像が乱れるが、良好な品質である
△:部分的に斑が見られ指でこするとやや画像がこすれて汚れるが、実用上可能な範囲である
×:全面に斑が発生し、画像がこすれて激しく汚れてしまい、実用上許容範囲外の品質である。
上記作製した各記録物について、画像を乾いた木綿(カナキン3号)で擦り、下記基準に従って耐擦過性を評価した。
○:50回擦た段階でわずかに傷が残るが画像濃度にはほとんど影響しない
△:20〜50回擦る間に、画像濃度が低下する
×:20回未満擦る間に、画像濃度が低下する。
Claims (5)
- インクジェットインクを用いて光沢紙に画像形成するインクジェット記録方法であって、
前記インクジェットインクが、SP値(σ)が19MPa1/2以上、23MPa1/2以下、且つSP値の水素結合項(σh)が11MPa1/2以上である液媒体と、顔料と、を含有し、
前記液媒体が、少なくとも3−メトキシブタノールを含み、かつ前記インクジェットインクにおける前記3−メトキシブタノールの含有量が47質量%以上である、インクジェット記録方法。 - 前記液媒体が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールから選択される溶媒をさらに含有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクジェットインクが、非水溶性の樹脂をさらに含有する、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記液媒体が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種の溶剤をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記非水溶性の樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルをモノマー成分として少なくとも有する共重合物である、請求項3に記載のインクジェット記録方法。
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