JP5141045B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規のインクジェットインク及びインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクジェットインク用の吸収層を有さない印刷用の光沢紙上に記録する際には、インク吸収速度が不十分な為にインク液滴同士が記録媒体上で合一を起こすいわゆる斑等の課題があり、インクジェットに対して記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
上記の課題において、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献1、2、3参照)。しかしながら、光源を要することから製造コストの抑制やプリンターの小型化が困難であったり、紫外線の暴露に関する対応が必要で用途が限定される課題がある。
一方、長期の耐候性が求められる屋外掲示物や曲面を有する物体への密着性が求められる印字物等、広い用途で軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体が使用されている。
軟質ポリ塩化ビニルに対してインクジェット記録を行う際、用いるインクジェットインクとしては、従来、シクロヘキサノン等を多く含有する非水系インクが用いられていた。例えば、シクロヘキサノンを含有したインクジェットインクが開示されている(特許文献4参照)。シクロヘキサノンは、軟質ポリ塩化ビニルに対する溶解能が高く、インクジェットインク中の顔料が軟質ポリ塩化ビニル中に入り込むため、良好な耐擦過性、光沢性が得られるためである。しかし、シクロヘキサノンは臭気が強いため、シクロヘキサノンを含有するインクジェットインクを取り扱う際には、局所排気装置が必要となる等の課題を抱えている。
これに対し、シクロヘキサノンを含まないことを特徴とする非水系インクが開発、販売されている。例えば、ポリ塩化ビニルを溶解する溶媒として、上記のような課題を抱えているシクロヘキサノンに代えて、第2種有機溶剤に該当しないN−メチルピロリドン、アミド等の溶媒を含有する非水系インクが開示されている(特許文献5、6参照)。また、耐擦過性等の画像堅牢性を向上させる目的で塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やアクリルなどの樹脂を添加した非水系インクが開示されている(特許文献7、8参照)。
これらのインクジェットインクにより、臭気はある程度抑制でき、ポリ塩化ビニルに対する優れた画質と耐擦過性を示すインクジェットインクを得ることができたが、これらのインクジェットインクを印刷用の光沢紙上に適応した場合には、前記のように斑を引き起こし、良好な画像を得ることが困難で記録メディアの汎用性において十分なものが得られていないのが現状である。
米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開平7−224241号公報 特表2002−526631号公報 特開2005−15672号公報 特開2005−60716号公報 特開2005−36199号公報 WO2004/007626号パンフレット
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、インクジェットインク用の吸収層を有さない印刷用の光沢紙上に記録した場合でも良好なインク吸収性を示し、斑を引き起こさない優れた画像が得られ、インクの長期保存においても異常のないインクジェットインクを提供することにある。
本発明の第2の目的は、第1の目的に加えて軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体に対するプリント適性と耐擦過性が得られるインクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.単独または混合溶媒のSP値(σ)が19MPa1/2以上、23MPa1/2以下、且つSP値の水素結合項(σh)が11MPa1/2以上である液媒体に、少なくとも顔料を含有することを特徴とするインクジェットインク。
2.液媒体の少なくとも1種が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシブタノールから選択されることを特徴とする前記1に記載のインクジェットインク。
3.ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシブタノールから選択される1種以上の溶剤を47質量%以上含有することを特徴とする前記2に記載のインクジェットインク。
4.非水溶性の樹脂を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
5.1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種の溶剤を含有することを特徴とする前記4に記載のインクジェットインク。
6.更に3−メトキシブタノールを含有することを特徴とする前記5に記載のインクジェットインク。
7.非水溶性の樹脂が塩化ビニルと酢酸ビニルをモノマー成分として少なくとも有する共重合物であることを特徴とする前記4〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
8.前記4〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインクを用いて、記録面側に少なくともポリ塩化ビニルを有する記録媒体に画像記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、インクジェットインク用の吸収層を有さない印刷用の光沢紙上に記録した場合でも良好なインク吸収性を示し、斑を引き起こさない優れた画像が得られ、インクの長期保存においても異常のないインクジェットインクを提供することができた。更に、軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体に対するプリント適性と耐擦過性が得られるインクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、単独または混合溶媒のSP値(以下、σと略記)が19MPa1/2以上、23MPa1/2以下、且つSP値の水素結合項(以下、σhと略記)が11MPa1/2以上である液媒体に、少なくとも顔料を含有することを特徴とするインクジェットインクにより本発明の第1の目的である印刷用の光沢紙上に記録した場合でも斑を引き起こさない良好な画像が得られ、インクの長期保存においても異常のないインクジェットインクを実現できることを見出した。
更に、前記インクジェットインクに非水溶性の樹脂と1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種の溶剤を更に含有することにより、第1の目的に加えて軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体に対するプリント適性と耐擦過性が得られるインクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を見出し、本発明に至った次第である。
顔料と、特定範囲のσおよびσhの範囲を有する液媒体を使用することで得られる本願の効果について、明確な解釈には至っていないが次のように考えている。
印刷用の光沢紙には、バインダーとしてスチレンブタジエンなどの疎水樹脂とカチオン化デンプンなどの親水的な樹脂を一般に含有している。紙の微細な空隙による毛管浸透を利用してインク吸収性を得るには、インクによりこれら樹脂が溶解又は膨潤して空隙を閉塞しないようにすることが有効である。このためにはインク液媒体の親水、疎水性のバランスを特定の範囲にすること、すなわちσが19MPa1/2以上、26MPa1/2以下、且つσhが11MPa1/2以上である液媒体により、紙中の樹脂による空隙閉塞を抑制し良好なインク吸収速度が得られるものと考えている。ただし、インク吸収速度が高すぎるとインクが記録媒体の裏面にまで到達する、いわゆる裏抜けが発生する問題があり本願において必要なσの範囲は19MPa1/2以上、23MPa1/2以下である。また、この範囲のσとσhを選択することでインクの長期保存に対する顔料粒子径や粘度の安定性が得られることも判った。
また、σを19MPa1/2以上、23MPa1/2以下、且つσhが11MPa1/2以上にする為の溶剤の一部に、塩ビ溶解性または膨潤性を有する1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種の溶剤を用い、更に非水溶性の樹脂を含有するインクにより、印刷用の光沢紙における良好な画質適性を維持したまま軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体に対する画質適性と耐擦過性が得られることも判った。
以下、本発明のインクジェットインクの構成について、具体的に説明する。
本願に関わるSP値について説明する。SP値(σ)溶解性の指標として一般に用いられる溶解度パラメータであり分子の凝集エネルギーから導かれる値である。また、SP値の水素結合項(σh)とは、SP値を分散成分、極性成分および水素結合成分の各寄与項に分割したHansenパラメータにおける水素結合成分を表す。例えば、文献9:Polymer HandBook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valueに記載があり、本願で使用した溶剤のSP値(σ)およびSP値の水素結合項(σh)はこの文献に記載された25℃における値を用いた。なお、SP値(σ)およびSP値の水素結合項(σh)の記載がない溶剤については、文献9のVII章686頁Table.4に記載の原子団に対するエネルギー寄与項からの計算または化合物の蒸発エネルギーから計算した値を用いた。
複数の混合溶媒を用いた場合のSP値(σ)およびSP値の水素結合項(σh)は次の式により算出した。
Figure 0005141045
ここで、σnは各溶剤のSP値またはSP値の水素結合項を、Mnは混合溶剤中における各溶剤のモル分率を、Vnは溶剤のモル体積を、nは溶剤の種類を表す2以上の整数を表す。
本願において使用できる溶剤は、前記σ及びσh値の範囲の単独溶剤であるか、複数の溶剤を組み合わせて同σ及びσh値の範囲になるように選択可能な範囲であれば特に限定されないが、インク保存時の加水分解による粘度変化などの影響を低減する為に非エステル系溶剤が好ましく、エステル系溶剤を使用する場合はインク中の含有量を20%未満とすることが好ましい。また、インクジェットヘッドの表面における乾燥を低減して間欠出射時の安定性を高める為に、760mHgにおける沸点が110℃以上、より好ましくは150℃以上の溶剤を用いることが好ましい。
本願において前記SP値の範囲に調整する為の特に好ましい溶剤は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシブタノールである。なお、これら溶剤は各溶剤単独において本発明で規定するSP値(σ)が19MPa1/2以上、23MPa1/2以下、且つSP値の水素結合項(σh)が11MPa1/2以上の範囲にあるものであり、これら溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤を本発明のインクに47%以上含有させることが特に好ましく、特に記録媒体として印刷用の光沢紙を用いた場合、斑のない優れた画像が得られる。最も好ましくは、3−メトキシブタノールまたはジエチレングリコールモノエチルエーテルが優れたインク吸収性と裏抜けのない良好なプリント品質が得られる。
この効果関する明確な解釈には至っていないが、前記溶剤は共通してエーテルと単独の水酸基を構造中に有することから、この水酸基とエーテル間で分子内水素結合する結果、紙中のセルロースとの水素結合性相互作用を低減し吸収性が高まるものと考えている。
次に、本発明に係る非水溶性の樹脂について説明する。
本発明に係わる非水溶性の樹脂は、印刷用の光沢紙またはポリ塩化ビニルに記録した際の耐擦過性やマーカー耐性を向上させるために用いられ、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)等のアクリル系樹脂、エリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等のポリエステル系樹脂、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等のポリウレタン樹脂、SOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等の塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
本発明において特に好ましい非水溶性の樹脂は、塩化ビニルと酢酸ビニルをモノマー成分として少なくとも有する共重合物であり、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物が挙げられ、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物が定着性とインク保存安定性の両立において最も好ましく用いられる。
非水溶性の樹脂の好ましい数平均分子量は10000〜30000の範囲であり、より好ましい数平均分子量は12000〜20000の範囲である。
本発明のインクにおける非水溶性の樹脂の含有量は、1〜10質量%であることが好ましい。含有量を1質量%以上とすることで、良好な耐擦過性やマーカー耐性が得られ、また、10質量%以下とすることでインクの保存安定性とインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなる。より好ましい含有量の範囲は3〜7質量%である。
本発明の第2の目的である光沢紙に対する記録適性(斑、マーカー耐性)に加えて、軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体に対する耐擦過性を高める為には、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種の溶剤を含有する必要がある。これら溶剤は、ポリ塩化ビニルを膨潤または溶解することにより定着性が得られると共に、更に光沢紙へのインク吸収を阻害しない観点で本発明者が鋭意検討した結果見出したものである。
次に、本願に関わる顔料について説明する。
本発明のインクジェットインクに色材として顔料を使用することにより、印刷用の光沢紙および軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体に記録した記録物の耐候性を高めることができる。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料及び、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー130、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントイエロー214等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
以上の他に、レッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には、以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば
C.I.Pigment Red209、224、177、194、
C.I.Pigment Orange43、
C.I.Vat Violet3、
C.I.Pigment Violet19、23、37、
C.I.Pigment Green7、36、
C.I.Pigment Blue15:6、
等が用いられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
本発明のインクにおけるこれら顔料の含有量は、2〜10質量%とすることが好ましい。また、画像粒状感を低減するため淡色インクを用いることがあるが、その際は、濃色インクに対して顔料の含有量を1/5〜1/2とすることが好ましい。
本発明に係る顔料は、分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
本発明のインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、50nm以上、150nm以下がより好ましい。平均粒径を10nm以上とすることにより顔料粒子同士の凝集が生じにくくなり、平均粒径を200nm以下とすることによって、長期間にわたり保存した際に顔料が沈降する現象を抑制しやすくなるため、平均粒径を前記の範囲とすることで保存安定性が良好なインクを得られやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤等が用いられるが、高分子分散剤が好ましい。高分子分散剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、Anti−Terra−U(BYK Chemie社製)、Disperbyk(BYK Chemie社製)、Efka(Efka CHEMICALS社製)、フローレン(共栄社化学社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、デモール(花王社製)、ホモゲノール、エマルゲン(以上、花王社製)、ソルスパーズ(アビシア社製)、ニッコール(日光ケミカル社製)等が挙げられる。
本発明のインクジェットインクにおける分散剤の含有量は、顔料に対して10〜200質量%であることが好ましい。10質量%以上とすることで顔料分散の安定性が高められ、200質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなる。
本発明のインクジェットインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤、界面活性剤等を適宜選択して用いることができる。
本発明のインクジェットインクを吐出して画像形成を行う際に使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いても構わない。
本発明のインクジェットインクを用いたインクジェット記録方法においては、例えば、インクジェットインクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを吐出し記録媒体に付着させることで、インクジェット記録画像が得られる。記録媒体に付着させたインクを素早く確実に定着させるため、記録媒体の表面温度を高めて画像形成する方法が好ましい。表面温度は記録媒体の耐久性や、用いるインクの乾燥性に応じて調節するが、好ましくは40〜100℃である。特に、記録媒体としてポリ塩化ビニルを用いる場合、表面温度を高めることにより記録媒体表面に対するインクの濡れ性が向上するため、表面温度を高めて記録することはより好ましい。ポリ塩化ビニル製の記録媒体の銘柄によっても濡れ性やインク乾燥性に違いが生じることがあるので、各媒体の特性に応じて表面温度を調節しても良いが40〜70℃の範囲が最も好ましい。
記録媒体の表面温度を高めて記録を行う場合、インクジェット記録装置にヒーターを搭載させることが好ましく、記録媒体の搬送前、もしくは搬送時に加熱を行うことにより、インクジェット記録装置単体で記録媒体の表面温度を調節することが可能である。
次に本発明に係わる記録媒体について説明する。
本発明において、使用できる記録媒体は特に制限されるものではないが、本発明の目的に係わる印刷用の光沢紙と記録面側に少なくともポリ塩化ビニルを有する記録媒体について説明する。
印刷用の光沢紙とは、カオリンや炭酸カルシウムなどの微粒子と接着剤としてバインダーを混合した塗料を紙の表面に塗工後、カレンダーにより圧力処理することで紙の表面を平滑化し光沢を付与した紙で、塗工量によりアート紙〜コート紙までグレード分けされる。塗工量が多くなるほど平滑性、光沢に富み、印刷あがりのよい紙となり、豪華な美術書、高級カタログ、カレンダーなどの高級印刷用紙として使われれている。また、他の光沢印刷紙としては、塗工後湿潤状態で塗布面を鏡面と重ねて乾燥するキャスト製法によるキャストコート紙がある。本発明において、前記いずれのタイプの光沢印刷紙も使用することができる。
このような印刷光沢紙の具体的代表例は、SA金藤、OK金藤、OKトップコート、ミラーコート、PODグロスコート(以上、王子製紙)、オーロラコート、ダイナピュアホワイト、エスプリコート(以上、日本製紙)、カサディアグロス、高級アートN、特菱アート(以上、三菱製紙)などが挙げられる。
次に、本発明で用いる記録面側に少なくともポリ塩化ビニルを有する記録媒体について説明する。ポリ塩化ビニルからなる記録媒体の具体例としては、SOL−371G、SOL−373M、SOL−4701(以上、ビッグテクノス株式会社製)、光沢塩ビ(株式会社システムグラフィ社製)、KSM−VS、KSM−VST、KSM−VT(以上、株式会社きもと製)、J−CAL−HGX、J−CAL−YHG、J−CAL−WWWG(以上、株式会社共ショウ大阪製)、BUS MARK V400 F vinyl、LITEcal V−600F vinyl(以上、Flexcon社製)、FR2(Hanwha社製)LLBAU13713、LLSP20133(以上、桜井株式会社製)、P−370B、P−400M(以上、カンボウプラス株式会社製)、S02P、S12P、S13P、S14P、S22P、S24P、S34P、S27P(以上、Grafityp社製)、P−223RW、P−224RW、P−249ZW、P−284ZC(以上、リンテック株式会社製)、LKG−19、LPA−70、LPE−248、LPM−45、LTG−11、LTG−21(以上、株式会社新星社製)、MPI3023(株式会社トーヨーコーポレーション社製)、ナポレオングロス 光沢塩ビ(株式会社二樹エレクトロニクス社製)、JV−610、Y−114(以上、アイケーシー株式会社製)、NIJ−CAPVC、NIJ−SPVCGT(以上、ニチエ株式会社製)、3101/H12/P4、3104/H12/P4、3104/H12/P4S、9800/H12/P4、3100/H12/R2、3101/H12/R2、3104/H12/R2、1445/H14/P3、1438/One Way Vision(以上、Inetrcoat社製)、JT5129PM、JT5728P、JT5822P、JT5829P、JT5829R、JT5829PM、JT5829RM、JT5929PM(以上、Mactac社製)、MPI1005、MPI1900、MPI2000、MPI2001、MPI2002、MPI3000、MPI3021、MPI3500、MPI3501(以上、Avery社製)、AM−101G、AM−501G(以上、銀一株式会社製)、FR2(ハンファ・ジャパン株式会社製)、AY−15P、AY−60P、AY−80P、DBSP137GGH、DBSP137GGL(以上、株式会社インサイト社製)、SJT−V200F、SJT−V400F−1(以上、平岡織染株式会社製)、SPS−98、SPSM−98、SPSH−98、SVGL−137、SVGS−137、MD3−200、MD3−301M、MD5−100、MD5−101M、MD5−105(以上、Metamark社製)、640M、641G、641M、3105M、3105SG、3162G、3164G、3164M、3164XG、3164XM、3165G、3165SG、3165M、3169M、3451SG、3551G、3551M、3631、3641M、3651G、3651M、3651SG、3951G、3641M(以上、Orafol社製)、SVTL−HQ130(株式会社ラミーコーポレーション製)、SP300 GWF、SPCLEARAD vinyl(以上、Catalina社製)、RM−SJR(菱洋商事株式会社製)、Hi Lucky、New Lucky PVC(以上、LG社製)、SIY−110、SIY−310、SIY−320(以上、積水化学工業株式会社製)、PRINT MI Frontlit、PRINT XL Light weight banner(以上、Endutex社製)、RIJET 100、RIJET 145、RIJET165(以上、Ritrama社製)、NM−SG、NM−SM(日栄化工株式会社製)、LTO3GS(株式会社ルキオ社製)、イージープリント80、パフォーマンスプリント80(以上、ジェットグラフ株式会社製)、DSE 550、DSB 550、DSE 800G、DSE 802/137、V250WG、V300WG、V350WG(以上、Hexis社製)、Digital White 6005PE、6010PE(以上、Multifix社製)等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクジェットインクの調製》
〔顔料分散体の調製〕
〈顔料分散体1の調製〉
C.I.ピグメントブルー15:3を12部、顔料分散剤であるアジスパーPB711(味の素ファインテック社製)を5部、ジエチレングリコールジエチルエーテルを11.8部、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルを71.2部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体1を得た。なお、アジスパーPB711は減圧蒸留にて低沸点溶媒を留去して用いた。
〔インク1の調製〕
顔料分散体1の33部を攪拌しながらジエチレングリコールジエチルエーテルを9.5部、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルを57.5部添加し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過してインク1を得た。
インク1(100部)中の各成分比率を下記に示す。
C.I.ピグメントブルー15:3 4.0部
アジスパーPB711 1.2部
ジエチレングリコールジエチルエーテル 14.2部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.6部
〔インク2〜16の調製〕
上記インク1の調製において、使用した溶剤の種類およびインク中の含有率を表1に記載の内容に変更した以外は同様にして、インク2〜16を調製した。ただし、インク14については顔料分散剤をアジスパーPB711からジョンクリル62に変更した。
[溶剤のσおよびσh値]
インク1〜16で使用した溶剤のσおよびσh値を表2に示す。
《インクの保存性評価》
上記調製した各インクについて、下記の方法に従って保存性の評価を行った。
インク100mlを蒸発が起きないように密閉したサンプル瓶に入れ、それを70℃の恒温槽で1週間放置し、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)を使用して粒径変化率を求め、○、△、×の三段階評価を行った。
○:粒径変化率が5%以下
△:粒径変化率が6〜50%
×:粒径変化率が51%以上。
《形成画像の評価》
〔画像の形成〕
ノズル口径28μm、駆動周波数18kHz、ノズル数512、最小液適量14pl、ノズル密度180dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、最大記録密度が1440×1440dpiであるオンデマンド型インクジェットプリンタに各インクを装填した。次いで、各インクを、光沢紙としてアート紙2種(王子製紙製:SA金藤+ 坪量128g/m2、三菱製紙製:特菱アート両面 坪量110g/m2)とキャストコート紙1種(王子製紙製:ミラーコートプラチナ 坪量110g・m2)に出射し、10cm×10cmのベタ画像を記録した。
〔画像の評価〕
上記方法に従って、インク1〜16により作製した各画像を、下記の方法に従って評価を行った。なお、使用した光沢紙3種の内、評価結果が最も劣っているものを用いて判断した。
(斑、インク吸収性の評価)
上記作製した各記録物について、プリント直後の斑発生状態と画像表面を指でこすって画像の乱れを目視評価し、下記の基準に従って評価を行った。
◎:斑の発生はなく指でこすっても画像の乱れが全く認められない
○:斑の発生はなく指でこするとわずかに画像が乱れるが、良好な品質である
△:部分的に斑が見られ指でこするとやや画像がこすれて汚れるが、実用上可能な範囲である
×:全面に斑が発生し、画像がこすれて激しく汚れてしまい、実用上許容範囲外の品質である。
(裏抜けの評価)
上記作製した各記録物について、プリント面の裏面を観察し、下記の基準に従って評価を行った。
○:全く着色していない
△:僅かな着色が観察されるが、着色面に普通紙を重ねて指で擦っても転写することはなく実用上可能な範囲である
×:着色が観察され、着色面に普通紙を重ねて指で擦ると転写し実用上許容範囲外の品質である
(マーカー耐性)
上記作製した各記録物を23℃55%Rhの環境下で30分放置した後、ゼブラ社製イエロー蛍光ペン(スパーキー2)を用い、500g加重、速度10mm/秒の条件で擦り、汚れの発生状況を下記の基準に従って評価した。
○:2回擦っても汚れが発生しない
△:1回の擦りでは汚れが発生しないが、2回目の擦りで汚れが発生する
×:1回の擦りで汚れが発生する。
以上により得られた各評価結果と、各インクに使用した溶剤または混合溶剤のσおよびσhを表1に示す。
Figure 0005141045
Figure 0005141045
本発明で規定する構成からなるインクは、インクの保存安定性と記録画像の種々特性(斑、裏抜け、マーカー耐性)のいずれにおいても優れるものであった。一方、比較例に示したインクは、いずれかの評価項目において劣っていることが分かる。
実施例2
《インクジェットインクの調製》
〔顔料分散体の調製〕
〈顔料分散体2の調製〉
C.I.ピグメントブルー15:3を12部、顔料分散剤であるアジスパーPB822(味の素ファインテック社製)を5部、3−メトキシブタノールを76.6部、γ−ブチロラクトンを6.4部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体2を得た。
〔インク17の調製〕
3−メトキシブタノールを57.8部とγ−ブチロラクトンを5.2部混合した液に、非水溶性の樹脂−1としてアクリル系樹脂(DEGALAN P24、Degussa社製)4部を攪拌しながら徐々に添加し、60℃に加温して非水溶性の樹脂溶液を作製した。次に、顔料分散体2の33部を攪拌しながら、前記の非水溶性の樹脂溶液を全量添加し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過してインク17を得た。
インク17(100部)中の各成分比率を下記に示す。
C.I.ピグメントブルー15:3 4.0部
アジスパーPB822 1.2部
非水溶性の樹脂 4.0部
3−メトキシブタノール 83.3部
γ−ブチロラクトン 7.5部
〔インク18〜25の調製〕
上記インク17の調製において、使用した溶剤の種類およびインク中の含有率と非水溶性の樹脂を表3に記載の内容に変更した以外は同様にしてインク18〜25を調製した。ただし、インク25については顔料分散剤をアジスパーPB822からアジスパーPB711(味の素ファインテック社製)を減圧蒸留にて低沸点溶媒を留去したものに変更した。なお、インク16〜22の非水溶性の樹脂−2は塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物(ダウケミカル社製、UCAR VMCA)を用いた。
[溶剤のσおよびσh値]
インク17〜25で使用した溶剤のσおよびσh値を表4に示す。なお、インク1〜16においても使用した溶剤のσおよびσh値は表2に既に示した。また、スルホランについてのσは蒸発熱から計算で求め、σhについては原子団に対するパラメータ文献値がないため不明である。
〔画像の形成〕
実施例1で使用したプリンターにヒーターを搭載したオンデマンド型インクジェットプリンタに各インクを装填した。次いで、各インクを実施例1と同様の3種の光沢紙に加え、ポリ塩化ビニル製の記録媒体であるJT5929PM(Mactac社製)に出射し、10cm×10cmのベタ画像を記録した。なお、ポリ塩化ビニル製の記録媒体へのプリント中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が40℃になるようにヒーターで制御した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形 (株)堀場製作所社製)を用いて測定した。
〔画像の評価〕
上記方法に従って、インク17〜25により作製した各画像を、実施例1と同様の評価に加え、ポリ塩化ビニル製の記録媒体を用いた記録物について下記の方法に従って評価を行った。
(斑、乾燥性の評価)
上記作製した各記録物について、プリント後、25℃で1分後の斑発生状態と画像表面を指でこすって画像の乱れを目視評価し、下記の基準に従って評価を行った。
◎:斑の発生はなく指でこすっても画像の乱れが全く認められない
○:斑の発生はなく指でこするとわずかに画像が乱れるが、良好な品質である
△:部分的に斑が見られ指でこするとやや画像がこすれて汚れるが、実用上可能な範囲である
×:全面に斑が発生し、画像がこすれて激しく汚れてしまい、実用上許容範囲外の品質である。
(耐擦過性の評価)
上記作製した各記録物について、画像を乾いた木綿(カナキン3号)で擦り、下記基準に従って耐擦過性を評価した。
◎:50回以上擦っても画像はほとんど変化しない
○:50回擦た段階でわずかに傷が残るが画像濃度にはほとんど影響しない
△:20〜50回擦る間に、画像濃度が低下する
×:20回未満擦る間に、画像濃度が低下する。
以上により得られた各結果と、各インクに使用した溶剤または混合溶剤のσおよびσhを表3に示す。
なお、インク21については、スルホランのσh=0と仮定して混合溶媒のσhを計算した為11.7以上の値である。
Figure 0005141045
Figure 0005141045
表3に記載の結果より明らかなように、本発明の要件であるσが19MPa1/2以上、23MPa1/2以下、且つσhが11MPa1/2以上である液媒体に、少なくとも顔料を含有するインクに更に非水溶性の樹脂を添加したインク25において、本発明の第1の目的である光沢紙に対する記録特性(斑、裏抜け、マーカー耐性)が優れるものであった。更に、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種の溶剤を含有するインク17、18および21〜24においては、光沢紙に対する記録特性に加えて、本発明の第2の目的であるポリ塩化ビニル製の記録媒体に対する記録特性(斑、耐擦過性)にも優れるものであった。

Claims (5)

  1. インクジェットインクを用いて光沢紙に画像形成するインクジェット記録方法であって、
    前記インクジェットインクが、SP値(σ)が19MPa1/2以上、23MPa1/2以下、且つSP値の水素結合項(σh)が11MPa1/2以上である液媒体と、顔料と、を含有し、
    前記液媒体が、少なくとも3−メトキシブタノールを含み、かつ前記インクジェットインクにおける前記3−メトキシブタノールの含有量が47質量%以上である、インクジェット記録方法
  2. 前記液媒体が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールから選択される溶媒をさらに含有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法
  3. 前記インクジェットインクが、非水溶性の樹脂をさらに含有する、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法
  4. 前記液媒体が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種の溶剤をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法
  5. 前記非水溶性の樹脂が塩化ビニルと酢酸ビニルをモノマー成分として少なくとも有する共重合物である、請求項3に記載のインクジェット記録方法
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