JP5164578B2 - 包装箱 - Google Patents

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Description

本発明は、吊り掛けられた状態で製品を収納する包装箱に関する。
製品を収納する包装箱には、フックに吊り下げられて陳列されるものがあり、雑貨、薬品、電気製品など種々の製品の陳列に用いられている。このような包装箱としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。この文献に記載の包装箱は、天板、前面板、背面板、一対の側面板、及び底面板で構成されて直方体状に形成されている。背面板は、前面板より長く形成されており、背面板の上部が天板から突出している。このように突出している部分には貫通孔が形成されており、この貫通孔を陳列台のフックに通して、吊り掛けるようになっている。
特開2005−306416号公報
ところで、上記包装箱は、天板が開くようになっており、天板を開いた状態で、包装箱から製品を取り出すようになっている。しかしながら、製品が包装箱の中に隙間なく収納されている場合には、天板が開いただけでは、製品を取り出すことは難しい。すなわち、指を包装箱内に入れてつまみ出すことが困難であるため、例えば、天板を下側に向けて製品を落とすように取り出さなければならなかった。したがって、製品が隙間なく収納されている場合でも、簡単に取り出すことができる包装箱が要望されていた。しかし、これは、必ずしも吊り掛けて陳列するタイプの包装箱だけの問題ではない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、製品の取り出しが簡単な包装箱を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、 天板、前面板、背面板、一対の側面板、及び底面板で構成されて直方体状に形成され、前記背面板は、前記前面板より長く、当該背面板の端部は前記天板から突出しており、前記天板において前記背面板と対向する辺と、前記背面板の前記端部側の辺とを連結する連結片をさらに備え、前記連結片は、前記背面板において前記天板から突出している部分に重ね合わされており、少なくとも一方の前記側面板は、前記前面板、背面板、天板、及び底面板のいずれかに連結されるとともに、扉部として開閉可能に構成されており、前記連結片は、前記扉部が閉じられているときは前記背面板に重ね合わされる一方、前記扉部が開いたときには前記背面板から離間するように揺動可能となっている。
この構成によれば、少なくとも一方の側面板が扉部を構成しているため、これを開いて収納されている製品を取り出すようになっている。このとき、連結片を、背面板から離れるように揺動すると、これに伴って、天板と背面板とが離間するため、前面板と背面板とは離間する。その結果、側面板によって覆われていた開口が側面板の幅よりも広がるので、内部に収納されている製品を取り出しやすくなる。したがって、例えば、広がった開口に指を挿入して製品をつまみ出すこともできるため、製品を容易に取り出すことができる。
上記包装箱において、前面板は、天板及び底面板の少なくとも一方に対し、取り外し可能に連結することができる。このように、前面板を天板及び底面板から取り外すと、上記開口がさらに広がるので、製品を確実に取り出すことができる。
また、背面板の突出部分には、吊り掛け用の貫通孔を形成すると、吊り掛けタイプの包装箱として用いることができ、フックなどを貫通孔に挿通することで吊り掛けて陳列することができる。
本発明によれば、収納された製品を簡単に取り出すことができる。
以下、本発明に係る包装箱の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る包装箱の斜視図である。ここでは、写真用の印画紙(製品)を収納する包装材を例にして説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る包装箱は、所定の形状をなす厚紙、つまりブランクシートを折り曲げて組み立てられたものであり、厚みの小さい直方体状の本体部1と、その上端部に設けられた矩形状の吊り掛け部2とを備えている。本体部1は、右側の側面が扉部10として開くように構成されており、開いた側面から印画紙を出し入れするようになっている。吊り掛け部2は、中央に貫通孔21が形成されており、フックなどの棒状部材を挿入可能となっている。すなわち、この包装箱は、棒状部材に吊り掛けられて陳列することができる。
図2は、この包装箱の組立前のブランクシートの展開図である。ここでは、同図の上下方向を「長さ」方向、左右方向を「幅」方向と称することがある。同図に示すように、このブランクシートは、直方体を形成する矩形状の前面板11、背面板12、天板13、底面板14、及び一対の側面板15、16を有しており、その他、組立時に必要なカバー片31、折り込み片41、42,43、係止片51,52、53、差し込み片61,62、及び連結片7が設けられている。以下、詳細に説明する。
背面板12は、縦長に形成され、その両側に幅の小さい右側面板15及び左側面板16がそれぞれ連結されている。そして、これら側面板15,16の幅が包装箱の厚みになっている。また、背面板12は、各側面板15,16よりも縦に長くなっており、各側面板15,16と下端を揃える一方、上端部は側面板15,16より上方に突出し、この突出部分121が上述した吊り掛け部2を構成している。右側面板15には、背面板12と反対側の辺に、同じ長さの矩形状のカバー片31が連結されており、図1に示すように、このカバー片31が前面板11の右側の端部及びその近傍を覆っている。すなわち、右側面15板及びカバー片31がこの包装箱の扉部10を構成している。また、カバー片31の右側の辺には、このカバー片31を前面板11に固定するための長さの短い扉用係止片51が連結されている。
一方、左側面板16には背面板12と反対側の辺に、同じ長さを有する前面板11が連結されている。この前面板11には、上述した扉用係止片51が係止する円弧状の切り込み111が上下方向に延びるように形成されている。また、この前面板11の上下の辺には、後述する天板13及び底面板14とそれぞれ連結するための矩形状の係止片、つまり上係止片52及び下係止片53が連結されている。各係止片52,53の幅は前面板11の幅よりも小さくなっている。また、前面板11の左側の辺、つまり左側面板16とは反対側の辺には同じ長さを有する扉用折り込み片41が連結されている。この扉用折り込み片41は側面板15,16とほぼ同じ幅を有している。
続いて、底面板14について説明する。底面板14は、背面板12の下側の辺に連結されており、上下方向の長さは、側面板15,16の幅と同じである。そして底面板14の両側には、側面板15,16と同じ幅の下差し込み片61がそれぞれ連結されている。また、底面板14の下側の辺には、ほぼ同じ形状の下折り込み片42が連結されており、この連結部分に上述した下係止片が係止する切り込み141が形成されている。
背面板12の上側の辺には、連結片7が連結されている。この連結片7は、背面板12における前面板11からの突出部分121と同じ大きさになっており、この突出部分121と重ね合わされて、吊り掛け部2を構成している。そして、背面板12の突出部分121及び連結片7には、フックを挿通する貫通孔122,71が形成されており、これらは連結片7を折り曲げて背面板12と重ね合わされたときに、一致するように形成されている。連結片7の上側の辺には、天板13が連結されている。天板13は、底面板14と同じ大きさであり、その両側に一対の上差し込み片62が連結されるとともに、上側の辺に上折り込み片43が連結されている。これら上折り込み片43及び上差し込み片62は、上述した底面板14に連結されているものと同じ形状を有しており、天板13と上折り込み片43との連結部分には、上係止片52が係止する切り込み131が形成されている。なお、上述した各部材の連結部分は、折り曲げ可能となっている。
次に、上記のようなブランクシートの組立方法について図3を参照しつつ説明する。まず、図3(a)に示すように、底面板14、下差し込み片61、及び下折り込み片42をそれぞれ連結部分に沿って約90度に折り曲げる。一方、連結片7は、背面板12と重なるように連結部分を折り曲げる。また、連結片7に連結されている天板13、上差し込み片62、及び上折り込み片43はそれぞれ連結部分に沿って約90度に折り曲げる。続いて、図3(b)に示すように、左側面板16、前面板11、扉用折り込み片41、上係止片52、及び下係止片53をそれぞれ連結部分に沿って約90度に折り曲げ、前面板11と背面板12とが平行になるようにする。このとき、上係止片52及び下係止片53を、それぞれ天板13及び底面板14の切り込み131,141に差し込んで固定する。
この状態で、包装箱の右側面には、開口8が形成されるので、図3(c)に示すように、この開口8から印画紙Aを挿入する。最後に、右側面板15、及びカバー片13をそれぞれ連結部分に沿って約90度に折り曲げるとともに、扉用係止片51を前面板11の切り込み111に差し込んで固定すると、図1に示すように、扉部10が閉じて印画紙が収納される。こうして完成した包装箱は、吊り掛け部2の貫通孔21にフックなどを通すことで、陳列される。
以上のように構成された包装箱は、次のような利点がある。これについて、図4を参照しつつ説明する。図4は、右側面側から見た包装箱の斜視図である。印画紙Aを取り出す際には、扉用係止片51を前面板11の切り込み111から取り外した後、カバー片31及び右側面板15を開く。このとき、前面板11と背面板12とが離間するように押し広げると、図4に示すように、連結片7が背面板12から離間するように揺動し、両者の間に隙間が形成される。これによって前面板11と背面板12とがさらに離間し、印画紙Aを取り出しやすくなる。これは、天板13が背面板12と直接連結されているのではなく、連結片7を介して連結されているためであり、連結片7が背面板12から離間する分だけ天板13も背面板12から離間するため、これによって前面板11と背面板12との隙間がさらに広がることに起因する。したがって、本実施形態によれば、上記のように構成することで、印画紙Aを取り出す開口8を大きくできるため、印画紙Aの取り出しを容易に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、前面板11と、天板13及び底面板14とを、係止片52、53及び折り込み片42,43とで連結しているが、連結方法は特には限定されず、係止片を用いた他の連結方法のほか、接着剤、テープなど種々の方法で連結することができる。また、背面板12と連結片7とが折り曲げ可能に連結され、重ね合わされた状態から揺動して離間するように構成されるとともに、少なくとも一方の側面板15,16が扉部10として開くように構成されていればよい。したがって、その他の部分は、包装箱として製品を収納できるような構成を有していれば、本発明の効果を得ることができる。
また、扉部10を構成する側面板15,16は、天板13、背面板12、前面板11、及び底面板14のいずれかに連結されていればよい。また、連結片7は、必ずしも背面板12の突出部分121の前面に重ね合わされるように形成されていなくてもよい。すなわち、天板13と背面板12とを連結するのであれば、幅は天板13や背面板12と同じでなくてもよく、それよりも狭くてもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、上下方向の短い面を前面板11、長い面を背面板12で構成しているが、前面板11が必ずしも包装箱の前面である必要はなく、背面板12側に適宜印刷を施して陳列時には前面を向くようにしてもよい。
本実施形態に係る包装箱の斜視図である。 図1の包装箱を形成するブランクシートの展開図である。 図2のブランクシートの組み立て図である。 図1の包装箱を開くときの側面側からの斜視図である。
符号の説明
11 前面板
12 背面板
13 天板
14 底面板
7 連結板

Claims (3)

  1. 天板、前面板、背面板、一対の側面板、及び底面板で構成されて直方体状に形成され、
    前記背面板は、前記前面板より長く、当該背面板の端部は前記天板から突出しており、
    前記天板において前記背面板と対向する辺と、前記背面板の前記端部側の辺とを連結する連結片をさらに備え、
    前記連結片は、前記背面板において前記天板から突出している部分に重ね合わされており、
    少なくとも一方の前記側面板は、前記前面板、背面板、天板、及び底面板のいずれかに連結されるとともに、扉部として開閉可能に構成されており、
    前記連結片は、前記扉部が閉じられているときは前記背面板に重ね合わされる一方、前記扉部が開いたときには前記背面板から離間するように揺動可能となっている、包装箱。
  2. 前記前面板は、前記天板及び底面板の少なくとも一方に対し、取り外し可能に連結されている、請求項1に記載の包装箱。
  3. 前記背面板の突出部分には、吊り掛け用の貫通孔が形成されている、請求項1また2に記載の包装箱。


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